JPH0560104A - 油圧作業機械における作業装置の振動抑制制御装置 - Google Patents

油圧作業機械における作業装置の振動抑制制御装置

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JPH0560104A
JPH0560104A JP21545791A JP21545791A JPH0560104A JP H0560104 A JPH0560104 A JP H0560104A JP 21545791 A JP21545791 A JP 21545791A JP 21545791 A JP21545791 A JP 21545791A JP H0560104 A JPH0560104 A JP H0560104A
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JP
Japan
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hydraulic
flow rate
hydraulic actuator
vibration suppression
speed
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Application number
JP21545791A
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English (en)
Inventor
Eiji Yamagata
栄治 山形
Yasuo Tanaka
康雄 田中
Hiroshi Watanabe
洋 渡邊
Kiyotaka Obara
清隆 小原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E02HYDRAULIC ENGINEERING; FOUNDATIONS; SOIL SHIFTING
    • E02FDREDGING; SOIL-SHIFTING
    • E02F9/00Component parts of dredgers or soil-shifting machines, not restricted to one of the kinds covered by groups E02F3/00 - E02F7/00
    • E02F9/20Drives; Control devices
    • E02F9/22Hydraulic or pneumatic drives
    • E02F9/2203Arrangements for controlling the attitude of actuators, e.g. speed, floating function
    • E02F9/2207Arrangements for controlling the attitude of actuators, e.g. speed, floating function for reducing or compensating oscillations

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mining & Mineral Resources (AREA)
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Operation Control Of Excavators (AREA)
  • Fluid-Pressure Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】油圧作業機械作業装置の振動抑制制御装置にお
いて、作業装置の急停止操作時に油圧アクチュエータに
対して補助的な流量制御を行うことで、作業装置の停止
時の振動を抑制する。 【構成】流量制御弁4の操作信号としてのパイロット圧
Pp を圧力変換器8,9で検出し、ブームシリンダ2の
速度および負荷圧を速度計10および圧力変換器13で
検出する。制御ユニット7はこれらの検出信号に基づ
き、パイロット圧Pp が停止を指示したとき、予め設定
してある過渡応答の流量パターン群から停止指示直前の
シリンダ速度と負荷圧に対応するものを選択し、この選
択した流量パターンからブームシリンダ2に給排される
圧油の流量指令値を決定して、対応する制御信号を第2
の流量制御弁11に過渡的に出力する。流量制御弁11
はこの制御信号により駆動され、ブーム2A停止時にブ
ームシリンダ2に対して圧油の補助的な流量制御を行
い、ブームシリンダ2の振動を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は油圧ショベル、クレーン
等の油圧作業機械において、ブーム等、作業装置の停止
時における振動を抑制する振動抑制制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の油圧作業機械、例えば油圧ショベ
ルにおいては、図9に示すように、操作レバー3の操作
による流量指令をパイロット圧信号として流量制御弁4
に入力し、この流量制御弁4の作動により、油圧ポンプ
1からブームシリンダ2のボトム側またはロッド側への
供給される圧油の流量を制御して、ブームの動作速度を
制御する構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような油圧作業機
械においては、操作レバー3を中立に戻してブームを急
停止させるとき、パイロット圧信号が停止を指示して流
量制御弁が中立に戻った後も、ブームは慣性により急に
は停止せず、流量制御弁4以降の油圧回路で圧油がバネ
の役目をして、振動が発生する。この振動は車体に伝わ
り、車体のガタ等の影響により車体の揺動を引き起こ
し、結果的に車体−フロント全体の連成振動を生じてし
まう。また、この振動は、慣性が大きいために減衰しに
くく、いつまでも振動が収まらない。その結果、例えば
バケットとの先端位置決め等、微妙な操作が必要な場合
でも、いつまでも先端が振動していて、位置決めができ
ないという問題が生じる。
【0004】本発明の目的は、急停止操作時の作業装置
の動作速度と負荷圧に応じた油圧アクチュエータに対す
る補助的な圧油の流量制御を行うことで、作業装置の停
止時の振動を抑制する油圧作業機械における作業装置の
振動抑制制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明による油圧作業機械における作業装置の振動
抑制制御装置は、操作信号を検出する第1の検出手段
と、油圧アクチュエータの速度を検出する第2の検出手
段と、油圧アクチュエータの負荷圧を検出する第3の検
出手段と、第1、第2および第3の検出手段による検出
値に基づき、操作信号が停止を指示する前の定常状態時
における油圧アクチュエータの速度と負荷圧から油圧ア
クチュエータに給排される圧油の流量指令値を決定し、
操作信号が停止を指示したときに対応する制御信号を過
渡的に出力する第1の手段と、第1の手段より出力され
た制御信号により前記油圧アクチュエータに対して補助
的な圧油の流量制御を行う第2の手段とを備えるもので
ある。
【0006】好ましくは、第1の手段は、操作信号が停
止を指示してから作業装置の慣性により油圧アクチュエ
ータがさらに移動する過程で、油圧アクチュエータにダ
ンピングを与えるように流量指令値を決定する。
【0007】また、好ましくは、第1の手段は、操作信
号が定常状態か否かを、操作信号の微分値が予め設定さ
れた値以下か否かにより判定する。
【0008】また、第1の手段は、操作信号が停止を指
示したか否かを、操作信号の値が予め設定された値以下
か否かにより判定する。
【0009】さらに、好ましくは、第1の手段は、油圧
アクチュエータの速度と負荷圧に対応して予め設定され
た圧油の過度応答の流量パターン群を有し、第1の手段
は、第2の検出手段で検出した速度と負荷圧に応じて前
記流量パターン群のうち対応する1つを選択し、この選
択した流量パターンから流量指令値を決定する。
【0010】また、好ましくは、第1の手段は、それぞ
れの流量パターンが油圧アクチュエータの速度と負荷圧
に対応して予め設定されかつそれぞれの組がアクチュエ
ータの動作方向に対応して予め設定された2組の圧油の
過度応答の流量パターン群を有し、第1の手段は、第1
の検出手段で検出した操作信号からアクチュエータの動
作方向を判断し、その結果に応じて2組の流量パターン
群のうちの対応する1組を選択し、さらに、油圧アクチ
ュエータの速度と負荷圧に応じて選択した流量パターン
群のうち対応する1つを選択し、この選択した流量パタ
ーンから流量指令値を決定する。
【0011】
【作用】第1の手段で、操作信号が停止を指示する前の
定常状態にあるときの油圧アクチュエータの速度と負荷
圧から油圧アクチュエータへの圧油の流量指令値を決定
し、操作信号が停止を指示したときに対応する制御信号
を過渡的に出力し、第2の手段でその制御信号により油
圧アクチュエータに対する補助的な圧油の流量制御を行
うことにより、操作信号が停止を指示してから作業装置
の慣性により油圧アクチュエータがさらに移動する過程
で、操作信号が定常状態にあるときのアクチュエータの
速度と負荷圧に応じたダンピングが行われ、作業装置の
急停止時における振動が抑制される。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図8によ
り、油圧作業機械として油圧ショベルを用いた場合を例
にとり説明する。図1において、本実施例に係わる油圧
駆動回路は、油圧ポンプ1と、この油圧ポンプ1から吐
出される圧油によって駆動され、作業装置、例えば油圧
ショベルのブーム2Aを駆動する油圧アクチュエータす
なわちブームシリンダ2と、油圧ポンプ1と油圧アクチ
ュエータ2の間に接続され、操作レバー3の操作による
パイロット圧信号によって制御されて、油圧アクチュエ
ータ2に供給される圧油の流量を制御する第1の流量制
御弁4と、ポンプ1と第1の流量制御弁4の間の圧力が
設定値以上になったときに開くリリーフ弁5とを備えて
いる。
【0013】本実施例の振動抑制制御装置は以上の油圧
駆動回路に備えられるもので、操作レバー3によって操
作される第1の流量制御弁4のパイロット圧Pp8, Pp9
(以下、両方を総称してPp とする)を検出する圧力変
換器8,9と、ブームシリンダー2の速度すなわちピス
トンの速度を検出する速度計10と、ブームシリンダ2
の負荷圧を検出する圧力変換器13と、これら圧力変換
器8,9,13及び速度計10からの検出信号を入力す
る制御ユニット7と、第1の流量制御弁4と同様に油圧
ポンプ1とブームシリンダ2の間に接続され、制御ユニ
ット7より出力される制御信号により駆動されて、油圧
アクチュエータ2に補助的に圧油を給排する第2の流量
制御弁11とを備えている。
【0014】制御ユニット7はマイクロコンピュータで
構成され、図2に示すように、圧力変換器8,9から出
力されるパイロット圧信号と速度計10から出力される
速度信号と圧力変換器13から出力される負荷圧信号と
をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ7aと、中
央演算装置(CPU)7bと、制御手順のプログラムを
格納するリードオンリーメモリ(ROM)7cと、演算
途中の数値を一時的に記憶するランデムアクセスメモリ
(RAM)7dと、出力用のD/Aコンバータ7eと、
上記の流量制御弁11に接続される増幅器7f,7gと
を備えている。
【0015】制御ユニット7は、圧力変換器8,9から
出力されるパイロット圧Pp の操作信号がブームシリン
ダ2の停止を指示しない定常状態のときの速度計10で
検出されるブームシリンダ2の速度と圧力変換器13で
検出されるブームシリンダ2の負荷圧をRAM17hに
記憶しておき、操作信号すなわちパイロット圧Pp が停
止を指示したときに、予め設定してあるブームシリンダ
2に対する圧油の過渡応答の流量パターン群から上記の
記憶した速度と負荷圧に対応するものを1つ選択してブ
ームシリンダ2に対する圧油の流量指令値を決定し、対
応する制御信号を第2の流量制御弁11に過渡的に出力
する。第2の流量制御弁11は制御ユニット7からの制
御信号により駆動されて、ブーム2A停止時のブームシ
リンダ2に対する補助的な圧油の流量制御を行い、ブー
ムシリンダ2の振動を抑制する。
【0016】以下、図3および図4に示すROM7cに
格納された制御手順プログラムのフローチャートにした
がい、本実施例の動作を詳細に説明する。まず、手順1
00において、圧力変換器8,9,13の出力および速
度計10の出力をA/Dコンバータを介して入力し、パ
イロット圧Pp およびブームシリンダ2の速度V、負荷
圧PL をRAM7dに記憶する。次に手順110におい
て、パイロット圧がブーム下げ状態にある(Pp8>Pp
9)か否かを判定し、下げ状態にあるとき手順111に
進みPp =−Pp8とし、そうでないときは、手順112
に進みPp =Pp9とする。
【0017】次に、手順120において、現在の操作信
号Ppnと1サンプル時間前の操作信号Ppn-1との差をサ
ンプル時間Δtで除すことによって、操作信号の微分値
Pp'を算出する。
【0018】次に手順130において、操作信号Pp の
微分値Pp'がブームシリンダ2の定速動作を指示する定
常状態の条件、すなわち、「Pp'の絶対値≦Ppo' 」を
満たしているか否かを判定し、満たしている場合には手
順140,141に進み、ブームシリンダ2の定速動作
における速度V∞をVに、負荷圧PL ∞をPL に設定
し、満たしていない場合には手順150に進む。手順1
50では、手順140で設定したシリンダ速度V∞が非
停止状態の条件、すなわち、「V∞の絶対値>Vo 」を
満たしているか否かを判定する。ここで、Vo はほぼ0
に等しい微小な値とする。手順150で「V∞の絶対値
>Vo 」を満たしている場合には手順160に進み、満
たしていない場合には、はじめに戻る。
【0019】次に、手順160において、操作信号Pp
が停止状態の条件、すなわち、「Pp の絶対値≦Ppo」
を満たしているか否かを判定する。ここでPpoはほぼ0
に等しい微小な値とする。手順160で「Pp の絶対値
≦Ppo」を満たしている場合には手順170に進み、振
動抑制の制御を開始し、満たしていない場合には、はじ
めに戻る。手順170においては、図4に示すように、
まず手順171において、予め設定してあるブームシリ
ンダ2に対する圧油の過渡応答の流量パターン群から、
手順140,141で設定された定常状態におけるブー
ムシリンダ2の速度V∞と負荷圧PL ∞に基づいて対応
するものを選択する。
【0020】図5にパターン選択の考え方を示す。ブロ
ック202,203で示すように、流量パターン群は、
それぞれ、ブーム下げ動作にあるときのブームシリンダ
2に対する圧油の流量Δqとブーム上げ動作にあるとき
のブームシリンダ2に対する圧油の流量Δqとが、それ
ぞれ制御時間tとパターンナンバーiとの関数Δq=f
i (t)で設定してあり、ブロック201で示すように
手順111又は112で得たパイロット圧Pp の正負に
応じてブーム下げ動作にあるときのパターン群とブーム
上げ動作にあるときのパターン群の一方が選択され、更
にパターンナンバーiからそれらの1つが選択される。
パターンナンバーiはブロック200で決定される。す
なわち、パタンナンバーiは関数i=g(V∞,PL
∞)として設定してあり、手順140,141で設定さ
れたブームシリンダ2の定速動作における速度V∞と負
荷圧PL ∞から対応するパターンナンバーが決定され
る。
【0021】ここで、上記の関数Δq=fi (t)で得
られる流量Δqは後述するようにブーム2Aの急停止時
にブームシリンダ2をダンピングするためのものである
が、ブームシリンダ2をダンピングするのに必要な流量
はブーム上げ動作における急停止時とブーム下げ動作に
おける急停止時とでは、慣性負荷に差があることから異
なる。したがって、ブロック202,203のように上
記パターン群はブーム上げ動作に対するものと、ブーム
下げ動作に対するものとの2種類が用意されており、パ
イロット圧Pp がブーム上げ動作に対応する信号Pp9か
ブーム下げ動作に対応する信号Pp8かによって一方のパ
ターン群を選択し、このパターン群からパターンの選択
が行われる。
【0022】また、シリンダ速度V∞及び負荷圧PL ∞
によりΔqのパターンを変えるということは、シリンダ
速度V∞からブーム2Aの急停止時の減速度を予想し、
負荷圧PL ∞から油圧ショベルの作業装置に積まれてい
る荷の重さを検出してその慣性を予想し、その減速度お
よび慣性に最適なダンピングのΔqパターンを選択する
ことである。したがって、関数Δq=fi (t)で決定
された流量Δqを用いて、後述するようにブーム2Aの
急停止時にブーム2Aの減速度と積荷の慣性に応じた強
さでブームシリンダ2をダンピングすることができる。
【0023】関数Δq=fi (t)の詳細は図6に示す
ようである。Δq=fi (t)において、制御時間tは
サンプル時間Δtと制御サイクル数kとの積t=k×Δ
tによって表わされ、関数Δq=fi (t)はサイクル
数kの増加(制御時間tの増加)にしたがって流量qは
零から最大まで急激に増加し、その後再び零まで減少す
る関係に設定されている。
【0024】図4に戻り、手順171ではブロック20
0で示したパターンナンバーiの決定を行うことで、流
量パターンを選択する。次いで、手順176で、手順1
11又は112で得たパイロット圧Pp がPp <0かを
判断することで、ブームが下げ動作にあるかどうかを判
定し、ブームが下げ動作にあると判定されれば手順17
2に進み、ブームが下げ動作にない、すなわち上げ動作
にあると判定されれば手順177に進み、手順171で
得たパターンナンバーiの絶対値にマイナスを付して手
順172に進む。手順172では、サイクル数kをk=
0に設定する。次に手順173において、上記のように
して設定したパターンナンバーiから流量パターンを決
定し、その流量パターンとサイクル数kとから制御時間
t=k×Δtに対応する流量Δqを求め、これを流量指
令値として対応する制御信号を第2の流量制御弁11に
出力する。次に手順174において、制御信号を出力し
終わったか否か、すなわち、k>kmax を満たしている
か否かを判定し、満たしている場合にははじめに戻り、
満たしていない場合には手順175に進む。手順175
では、次のステップに進むためにk=k+1に設定した
後、手順173に戻る。以上の手順173〜175はk
=kmax となるまで繰り返され、その間、流量制御弁1
1には手順173にて流量Δqに対応する制御信号が出
力され、k≧kmax となると手順174の判断が満足さ
れ、はじめに戻る。この後は、パイロット圧Pp は停止
状態を指示しているので、手順130で「Pp'の絶対値
≦Ppo'」が満たされ、手順140,141でブームシ
リンダ2の速度V∞をVに、負荷圧PL ∞をPL に設定
するが、このときはブーム2Aは停止しており、速度V
はほぼ0となるので手順150の判断が否定され、はじ
めに戻る処理が繰り返される。以上により、制御時間k
max ×Δtの間、流量制御弁11に制御信号が出力さ
れ、ブーム2Aの急停止に際してブームシリンダ2に対
する補助的な圧油の流量制御が行われ、ブームシリンダ
2の振動が抑制される。
【0025】以上の振動抑制作用を図7および図8に示
すタイムチャートにより詳細に説明する。なお、以下の
説明ではブーム2Aの動作方向として下げ方向を考え
る。ブーム2Aが下げ方向に動作しているとき、流量制
御弁4はパイロット圧Pp8により図1の左側の位置に切
換えられ、ブームシリンダー2の動作速度は流量制御弁
4のメータアウト制御により制御される。
【0026】図7は、従来の振動抑制制御装置を備えな
い油圧駆動回路に係わるブームを急停止させるときの操
作信号であるパイロット圧Pp (=Pp8)、ブームシリ
ンダ2の速度Vおよびブームシリンダ2の変位Sの関係
を示す。まず、一定速度でブーム下げの動作を行ってい
る状態から、時刻t1 でブーム2Aを急停止させるため
操作レバー3を中立に戻す操作を開始すると、図7
(a)に示すように、それまで定常状態にあったパイロ
ット圧Pp (Pp8)が時刻t1 から減少を開始し、時刻
t2 でほぼタンク圧まで減圧され、これに対応して流量
制御弁4も時刻t1 から開度の減少を開始し、時刻t2
で中立に戻る。その間、それまで一定の速度で下げ方向
に動作中であったブームシリンダ2の速度も減少する
が、ブーム2Aは慣性により急には停止しないので、図
7(b)に示すように時刻t2 においても速度は零にな
らず、時刻t2 を越えた時刻t3 で速度が零となり、こ
れに対応して図7(c)に示すように時刻t3 でブーム
シリンダ2の変位Sが最小となる。そしてその後、流量
制御弁4以降の油圧回路で圧油がバネの役目をして、ブ
ームシリンダ2が上方に押し戻され、変位Sも増加し、
このことが繰り返されて振動が発生し、その振動が車体
に加わり、車体のガタ等の影響により車体の揺動を引き
起こし、結果的に車体−フロント全体の連成振動を生じ
てしまう。
【0027】これに対して、本実施例では以下のように
振動が抑制される。なお、ブーム2Aの降下時、ブーム
シリンダ2のボトム側には積荷の質量に応じた負荷圧が
発生し、この負荷圧が圧力変換器13により検出され
る。また、この場合、図4に示した手順163で出力さ
れる制御信号の出力Δqはブームシリンダ2のロッド側
へ圧油を供給し、ボトム側からの圧油を逃がす出力とな
る。
【0028】まず、図8(a)の時刻t1 においてパイ
ロット圧Pp (Pp8)が減少を開始すると、図8(b)
に示すようにパイロット圧Pp の微分値Pp'が「Pp'の
絶対値>Ppo' 」となるので、前述の手順130が満た
されなくなり、1サイクル前のパイロット圧Pp が定速
動作を指示する定常状態での手順140,141におけ
るシリンダ速度V∞(=V)および負荷圧PL ∞(=P
L )の記憶が保持されると共に、時刻t2 付近で「Pp
の絶対値≦Ppo」となると、前述の手順160が満たさ
れ、手順170の振動抑制制御が開始される。この振動
抑制制御では、上記の定常状態で保持されたシリンダ速
度V∞と負荷圧PL ∞から前述した手順171において
パターンナンバーiを決定し、対応する流量パターンを
選択して手順172〜175にてこのパターンに基づき
流量指令値Δqを決定し、対応する制御信号を流量制御
弁11に出力する。
【0029】流量制御弁11はこの信号を受けて所定の
開度に駆動され、図8(c)に示すようにブームシリン
ダ2のロッド側に油圧ポンプ1から流量指令値Δqに対
応する流量を供給しかつボトム側の圧油をタンク12に
排出する。これにより、図8(d)に示すように時刻t
2 以降においても下降を続けるブームシリンダ2にダン
ピングが与えられ、圧油の圧縮性による振動の発生が抑
制され、図8(e)に示すように時刻t4 でブームシリ
ンダ2は停止する。
【0030】したがって、本実施例によれば、パイロッ
ト圧Pp が一定値に保たれ、定速動作を指示する定常状
態におけるブームシリンダ2の動作速度と負荷圧を求
め、この速度と負荷圧に基づき予め設定されているブー
ムシリンダ2に対する圧油の過度応答の流量パターン群
のうち1つを選択してこの選択した流量パターンから流
量指令値Δqを決定し、パイロット圧Pp が停止を指示
したときに対応する制御信号を過渡的に出力してブーム
シリンダ2に給排される圧油の流量を補助的に制御する
ことでブームシリンダ2にダンピングを与えるので、遅
れ時間の小さい効果的なブームシリンダ2の運動エネル
ギの吸収が行え、流量の急変に伴う作業装置の振動を抑
制することができる。したがって、例えばバケットとの
先端位置決め等、微妙な操作が必要な場合には、確実な
位置決めができ、操作性が著しく向上する。また、制御
ループ内にフィードバックループを持たないため、暴走
の危険も小さい、安定した振動抑制制御を行うことがで
きる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、作業装置を急停止する
ときの振動が抑制されるので、作業装置の位置決め等、
微妙な操作が必要な場合には、確実な位置決めができ、
操作性が著しく向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による油圧作業機械における
ブームの振動抑制制御装置を、その油圧駆動回路と共に
示す概略図である。
【図2】図1に示す制御ユニットの構成を示す図であ
る。
【図3】図2に示すROMに格納された制御手順プログ
ラムを示すフローチャートである。
【図4】図3に示すフローチャートの振動抑制制御手順
の詳細を示すフローチャートである。
【図5】流量パターン選択の考え方を示す制御ブロック
である。
【図6】流量パターンを示す図である。
【図7】従来の油圧作業機械における停止操作を示すタ
イムチャートで、(a)は操作信号、(b)はブームシ
リンダの速度、(c)はブームシリンダの変位を示す。
【図8】本実施例による停止操作を示すタイムチャート
であり、(a)は操作信号、(b)は操作信号の微分
値、(c)は流量指令値、(d)はブームシリンダの速
度、(e)はブームシリンダの変位を示す。
【図9】従来の油圧作業機械をその油圧駆動回路と共に
示す図である。
【符号の説明】
1 油圧ポンプ 2 ブームシリンダ 2A ブーム(作業装置) 3 操作レバー(操作手段) 7 制御ユニット(第1の手段) 8,9 圧力変換器(第1の検出手段) 10 速度計(第2の検出手段) 13 圧力変換器(第3の検出器) 11 流量制御弁(第2の手段)
フロントページの続き (72)発明者 小原 清隆 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出
    される圧油によって駆動され、作業装置を駆動する油圧
    アクチュエータと、油圧ポンプと油圧アクチュエータの
    間に接続され、操作手段の操作信号に応じて油圧アクチ
    ュエータに供給される圧油の流量を制御する流量制御弁
    とを備えた油圧駆動回路を持つ油圧作業機械における作
    業装置の振動抑制制御装置において、 前記操作信号を検出する第1の検出手段と、 前記油圧アクチュエータの速度を検出する第2の検出手
    段と、 前記油圧アクチュエータの負荷圧を検出する第3の検出
    手段と、 前記第1、第2および第3の検出手段による検出値に基
    づき、前記操作信号が停止を指示する前の定常状態時に
    おける前記油圧アクチュエータの速度と負荷圧から油圧
    アクチュエータに給排される圧油の流量指令値を決定
    し、前記操作信号が停止を指示したときに対応する制御
    信号を過渡的に出力する第1の手段と、 前記第1の手段より出力された制御信号により前記油圧
    アクチュエータに対して補助的な圧油の流量制御を行う
    第2の手段とを備えることを特徴とする油圧作業機械に
    おける作業装置の振動抑制制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の油圧作業機械における作
    業装置の振動抑制制御装置において、前記第1の手段
    は、前記操作信号が停止を指示してから、作業装置の慣
    性により油圧アクチュエータがさらに移動する過程で、
    油圧アクチュエータにダンピングを与えるように前記流
    量指令値を決定することを特徴とする油圧作業機械にお
    ける作業装置の振動抑制制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の油圧作業機械における作
    業装置の振動抑制制御装置において、前記第1の手段
    は、前記操作信号が定常状態にあるか否かを、操作信号
    の微分値が予め設定された値以下か否かにより判定する
    ことを特徴とする油圧作業機械における作業装置の振動
    抑制制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の油圧作業機械における作
    業装置の振動抑制制御装置において、前記第1の手段
    は、前記操作信号が停止を指示したか否かを、操作信号
    の値が予め設定された値以下か否かにより判定すること
    を特徴とする油圧作業機械における作業装置の振動抑制
    制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の油圧作業機械における作
    業装置の振動抑制制御装置において、前記第1の手段
    は、前記油圧アクチュエータの速度と負荷圧に対応して
    予め設定された圧油の過度応答の流量パターン群を有
    し、前記第1の手段は、前記第2及び第3の検出手段で
    検出した速度と負荷圧に応じて前記流量パターン群のう
    ち対応する1つを選択し、この選択した流量パターンか
    ら流量指令値を決定することを特徴とする油圧作業機械
    における作業装置の振動抑制制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の油圧作業機械における作
    業装置の振動抑制制御装置において、前記第1の手段
    は、それぞれの流量パターンが前記油圧アクチュエータ
    の速度と負荷圧に対応して予め設定されかつそれぞれの
    組が前記アクチュエータの動作方向に対応して予め設定
    された2組の圧油の過度応答の流量パターン群を有し、
    前記第1の手段は、前記第1の検出手段で検出した操作
    信号から前記アクチュエータの動作方向を判断し、その
    結果に応じて前記2組の流量パターン群のうちの対応す
    る1組を選択し、さらに、前記油圧アクチュエータの速
    度と負荷圧に応じて前記選択した流量パターン群のうち
    対応する1つを選択し、この選択した流量パターンから
    流量指令値を決定することを特徴とする油圧作業機械に
    おける作業装置の振動抑制制御装置。
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