JPH06307404A - 油圧作業機械における作業装置の振動抑制制御装置 - Google Patents

油圧作業機械における作業装置の振動抑制制御装置

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JPH06307404A
JPH06307404A JP9446593A JP9446593A JPH06307404A JP H06307404 A JPH06307404 A JP H06307404A JP 9446593 A JP9446593 A JP 9446593A JP 9446593 A JP9446593 A JP 9446593A JP H06307404 A JPH06307404 A JP H06307404A
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flow rate
hydraulic
speed
vibration
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JP9446593A
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Eiji Yamagata
栄治 山形
Hiroshi Watanabe
洋 渡邊
Yasuo Tanaka
康雄 田中
Kiyotaka Obara
清隆 小原
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E02HYDRAULIC ENGINEERING; FOUNDATIONS; SOIL SHIFTING
    • E02FDREDGING; SOIL-SHIFTING
    • E02F9/00Component parts of dredgers or soil-shifting machines, not restricted to one of the kinds covered by groups E02F3/00 - E02F7/00
    • E02F9/20Drives; Control devices
    • E02F9/22Hydraulic or pneumatic drives
    • E02F9/2203Arrangements for controlling the attitude of actuators, e.g. speed, floating function
    • E02F9/2207Arrangements for controlling the attitude of actuators, e.g. speed, floating function for reducing or compensating oscillations

Abstract

(57)【要約】 【目的】油圧作業機械における作業装置の振動抑制制御
装置において、作業装置の振動を抑制すると共に、起動
時等の速度変化に際して大きな加速度が得られるように
する。 【構成】制御ユニット7は、圧力変換器8,9から出力
されるパイロット圧力信号及び変位計10から出力され
る変位信号を、所定周波数未満の振動成分を遮断するハ
イパスフィルタに通した後に、変位信号の高周波成分か
らブームシリンダ2の速度Vを算出し、パイロット圧力
信号の高周波成分とその算出された速度からブームシリ
ンダ2の推力Fを算出し、これらにそれぞれ所定のゲイ
ンをかけて流量指令値Δqを求め、制御信号を第2の流
量制御弁11に出力する。流量制御弁11は流量指令値
に相当する流量をアクチュエータに補助的に給排し、ア
クチュエータにダンパー作用を与えて振動を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は油圧ショベル、クレーン
等の油圧作業機械において、ブーム、アーム等の作業装
置の振動を抑制する振動抑制制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧作業機械、例えば油圧ショベルにお
いては、図8に示すように、操作レバー3の操作による
流量指令をパイロット圧信号として流量制御弁4に入力
し、この流量制御弁4の作動により、油圧ポンプ1から
ブームシリンダ2のヘッド側またはロッド側への供給さ
れる圧油の流量を制御して、ブームの動作速度を制御し
ている。
【0003】このような油圧作業機械においては、操作
レバー3を中立に戻してブームを急停止させるとき、パ
イロット圧信号が停止を指示して流量制御弁が中立に戻
った後も、ブームは慣性により急には停止せず、流量制
御弁4以降の油圧回路で圧油がバネの役目をして、振動
が発生する。この振動は車体に伝わり、車体のガタ等の
影響により車体の揺動を引き起こし、結果的に車体−フ
ロント全体の連成振動を生じてしまう。また、この振動
は、慣性が大きいために減衰しにくく、いつまでも振動
が収まらない。その結果、例えばバケットとの先端位置
決め等、微妙な操作が必要な場合でも、いつまでも先端
が振動していて、位置決めができないという問題が生じ
る。
【0004】このような問題に対し、特開昭62−34
788号公報においては、柔構造作業機械において、ア
ームの動作時の加速度を加速度検出器で検出し、検出し
た加速度信号をフィルタ手段に通して1次モードの加速
度信号のみを通過させ、この1次モードの加速度信号を
除去するよう流量制御弁を駆動制御して、アームの振動
を抑制する振動抑制制御装置が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開昭62−3478
8号公報に記載の従来技術は、加速度が起振力の源であ
ることから起振力そのものを制御しており、振動の抑制
には効果がある。しかしながら、この技術を比較的速い
動作速度が要求される作業装置を持つ油圧作業機械、例
えば油圧ショベルに適用した場合には、振動は効果的に
抑制されるものの、起振力のみを制御することから起動
時等、アクチュエータを大きな加速度で操作しようとし
たときにはその加速度が抑制され、大きな加速度が得ら
れず、したがって、所望速度を得るのに時間がかかり、
操作性が悪化するという問題が生じる。
【0006】本発明の目的は、油圧アクチュエータの加
速度および速度に応じて油圧アクチュエータに補助的に
圧油を給排することにより、作業装置の振動を抑制する
と共に、操作性を悪化させない油圧作業機械における作
業装置の振動抑制制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明による油圧作業機械における作業装置の振動
抑制制御装置は、(a)前記アクチュエータの変位を検
出する第1の検出手段と;(b)前記操作手段の操作信
号を検出する第2の検出手段と;(c)前記第1の検出
手段で検出したアクチュエータの変位に基づき該アクチ
ュエータの速度を算出するとともに、前記第2の検出手
段で検出した操作信号とその算出したアクチュエータの
速度とに基づき該アクチュエータの推力を算出する第1
の演算手段と;(d)前記第1の演算手段で算出された
前記アクチュエータの推力と速度のそれぞれに所定のゲ
インをかけて流量指令値を求める第2の演算手段と;
(e)前記第1及び第2の検出手段によりそれぞれアク
チュエータの変位及び操作手段の操作信号を検出してか
ら前記第2の演算手段により流量指令値を求めるまでの
いずれかの時点でフィルター処理を施し、所定周波数未
満の振動成分を除去するフィルター手段と;(f)前記
流量指令値に応じて前記アクチュエータに給排される圧
油の流量を補助的に制御する流量制御手段と;を備える
ものである。
【0008】好ましくは、前記フィルター手段は、前記
第1及び第2の検出手段で検出したアクチュエータの変
位及び操作手段の操作信号にそれぞれフィルター処理を
施し、前記第1の演算手段は、そのフィルター処理を施
されたアクチュエータの変位及び操作信号に基づき該ア
クチュエータの速度を算出及び推力を算出する。
【0009】また好ましくは、前記第2の演算手段は、
前記算出されたアクチュエータの推力及び速度のそれぞ
れに所定のゲインを乗じた値を加算することにより前記
流量指令値を求める。
【0010】また好ましくは、前記フィルター手段は、
所定周波数以上の振動成分を通過させるハイパスフィル
タである。
【0011】
【作用】本発明においては、フィルター処理を施された
後のアクチュエータ推力及びアクチュエータ速度のそれ
ぞれに所定のゲインをかけて流量指令値を求め、この流
量指令値に応じてアクチュエータに給排される圧油の流
量を補助的に制御する。これにより、油圧アクチュエー
タが慣性により目標位置を越えてさらに移動しようとす
るとき、その推力と速度の大きさに対応したダンパー作
用が油圧アクチュエータに与えられて振動が抑制され
る。また、推力だけで流量指令値を決めて振動を抑制す
る場合には、従来技術と同様にアクチュエータの加速度
を大きくできないものが、推力と速度の両方を用いて流
量指令値を決めているので、加速度が抑制される程度が
小さくなり、これにより迅速なアクチュエータの操作が
可能となり、操作性が向上する。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図7によ
り、油圧作業機械として油圧ショベルを例にとった場合
につき説明する。図1において、本実施例に係わる油圧
駆動回路は、油圧ポンプ1と、この油圧ポンプ1から吐
出される圧油によって駆動され、作業装置、例えば油圧
ショベルのブーム2Aを駆動する油圧アクチュエータす
なわちブームシリンダ2と、油圧ポンプ1とブームシリ
ンダー2の間に接続され、操作レバー3の操作によるパ
イロット圧信号によって制御されて、ブームシリンダー
2に供給される圧油の流量を制御する第1の流量制御弁
4と、ポンプ1と第1の流量制御弁4の間の圧力が設定
値以上になったときに開くリリーフ弁5とを備えてい
る。
【0013】本実施例の振動抑制制御装置は以上の油圧
駆動回路に備えられるもので、制御ユニット7と、操作
レバー3からの操作信号であるパイロット圧力を検出す
る圧力変換器8,9と、ブームシリンダ2の変位すなわ
ちピストンの位置を検出する変位計10と、電磁式の第
2の流量制御弁11とを備え、制御ユニット7は圧力変
換器8,9および変位計10からの検出信号を入力して
振動抑制のための流量指令値を演算し、対応する制御信
号を第2の流量制御弁11に出力する。第2の流量制御
弁11は、第1の流量制御弁と同様に油圧ポンプ1とブ
ームシリンダ2の間に接続され、制御ユニット7からの
制御信号により駆動され、ブームシリンダ2に給排され
る圧油の流量を補助的に制御する。
【0014】制御ユニット7はマイクロコンピュータで
構成され、図2に示すように、圧力変換器8,9から出
力されるパイロット圧力信号と変位計10から出力され
る変位信号とをデジタル信号に変換するA/Dコンバー
タ7aと、中央演算装置(CPU)7bと、制御手順の
プログラムを格納するリードオンリーメモリ(ROM)
7cと、演算途中の数値を一時的に記憶するランデムア
クセスメモリ(RAM)7dと、出力用のI/Oインタ
ーフェイス7eと、上記の流量制御弁11に接続される
増幅器7f,7gとを備えている。
【0015】制御ユニット7は、圧力変換器8,9から
出力されるパイロット圧力信号(操作信号)と変位計1
0から出力される変位信号を所定周波数未満の振動成分
を遮断するハイパスフィルタに通した後に、変位信号か
らブームシリンダ2の速度を算出し、パイロット圧力信
号(操作信号)とその算出されたブームシリンダ2の速
度からブームシリンダ2の推力を算出し、これらにそれ
ぞれ所定のゲインをかけて流量指令値を求め、対応する
制御信号を第2の流量制御弁11に出力する。
【0016】以下、図3に示すROM7cに格納された
制御手順プログラムのフローチャートにしたがい、本実
施例の動作を詳細に説明する。まず、手順100におい
て、圧力変換器8,9の出力および変位計10の出力を
A/Dコンバータを介して入力し、操作レバー3からの
操作信号であるパイロット圧力P1 ,P2 とブームシリ
ンダ2の変位XをRAM7dに記憶する。
【0017】次に手順110において、ブームシリンダ
ー2の変位Xと操作レバー3からのパイロット圧力
P1,PP2の検出値を定常成分を除去するためにそれぞ
れハイパスフィルタに通し、所定周波数以上の振動成分
(以下、高周波成分という)Xh ,PP1h ,PP2h を算
出する。すなわち、制御プログラムに予め組み込まれた
ハイパスフィルタの演算式Xh =fHPF (X)およびP
Pih =fHPF (PPi)を用いてフィルター処理を施し
(i=1,2)、高周波成分Xh ,PP1h ,PP2 h を求
める。
【0018】次に手順120において、現在の変位の高
周波成分Xh と1サイクル前の変位の高周波成分Xh0
差を計算刻み時間(サイクルタイム)Tで除すことによ
り、ブームシリンダ2の速度の高周波成分Vh を算出す
る。
【0019】次に手順130において、パイロット圧力
の高周波成分PP1h とパイロット圧力の高周波成分P
P2h との差により操作信号の高周波成分PPhを求める。
【0020】次に手順140において、操作信号の高周
波成分PPhとシリンダ速度の高周波成分Vh とブームシ
リンダ2のボトム側面積Aとよりブームシリンダ2の推
力の高周波成分Fh を求める。図4に手順140の詳細
を示す。このアルゴリズムは現代制御理論のオブザーバ
を適用したものである。
【0021】まず手順141において、操作信号PPh
1サイクル前の制御信号Δqの和に流量制御弁4の流量
係数Cqを乗じ、流量の推定値<Qh >(<>は推定値
であることを示す。以下同様)を求める。次に手順14
2において、シリンダ速度Vh と推定値<Vho>の差Δ
Vを求める。次に手順143において、(<Qh >−A
<Vho>)/Cで求められる圧力の微分値に速度偏差Δ
Vのフィードバック値Gp ・ΔVを加え、補正した圧力
の微分値<Ph >′(′は微分を示す。以下同様)を求
める。ここで、Cはシリンダのキャパシタンス、Gp
オブザーバの圧力ゲインである。
【0022】次に手順144において、シリンダ圧力の
1サイクル前の値<Pho>に増加分T<Ph >′を加
え、圧力の推定値<Ph >を求める。ここで、Tは1サ
イクルの単位時間である。次に手順145において、
(A<Pho>−D<Vho>)/Mで求められる速度の微
分値に速度偏差ΔVのフィードバック値Gv ・ΔVを加
え、補正した速度の微分値<Vh >′を求める。ここ
で、Dはシリンダの粘性減衰係数、Mはショベルフロン
トの等価質量、Gv はオブザーバの速度ゲインである。
次に手順146にいて、シリンダ速度の1サイクル前の
値<Vho>の増加分T<Vh >′を加え、速度の推定値
<Vh >を求める。次に手順147において、<P
h >,<Vh >をそれぞれ1サイクル前の値<Pho>,
<Vho>として保存し、次に手順148においてA<P
h>により推力を求め、図3の手順150Bに進む。
【0023】以上により、手順110でハイパスフィル
タ処理を施して求めた高周波成分X h ,PP1h ,PP2h
に基づきブームシリンダ2の速度の高周波成分Vh 及び
推力の高周波成分Fh が求められる。図5によりブーム
シリンダ2の速度の高周波成分Vh 及び推力の高周波成
分Fh を求める理由を説明する。ブームシリンダ2Aの
保持圧が例えば100Kg/cm2 にある状態で操作レ
バー3の入力u(ストローク)を図5(a)のように変
化させると、ブームシリンダ2Aの速度Vは図5(b)
のように変化し、推力Fは図5(d)のように変化す
る。すなわち、ブームシリンダ2Aの起動時と停止時
に、ブーム2Aの自重およびこれが支持する重量の慣性
と流量制御弁4以降の油圧回路における圧油のバネ作用
とにより、推力Fは図5(d)に示すように変化し、こ
れに伴って速度Vも図5(b)に示すように変化する。
これを手順110を介在させてハイパスフィルタにかけ
ると、所定周波数未満の振動成分が遮断され、図5
(c)および(e)に示すように起動および停止に伴う
振動成分Vh およびFh のみが求められる。なお、推力
Fの振動と速度Vの振動は90°の移相のずれがある。
【0024】ここで、ハイパスフィルタ後の推力の高周
波成分Fh は推力Fから保持圧の影響を除去した値に一
致し、ブームシリンダ2の加速度と1対1に対応する。
すなわち、本実施例では、起振力の源である加速度を直
接検出する代わりに、推力の振動成分Fh を求めること
により加速度を検出している。手順110におけるハイ
パスフィルタの所定周波数は、起振力としての影響を考
慮して制御対象である作業装置の固有振動数以下の周波
数に設定することが好ましい。本実施例では、制御対象
である作業装置にはブーム2Aとそれが支持する重量も
含まれることから、それら全体の固有振動数以下の周波
数であり、具体的には油圧ショベルのサイズにもよるが
概ね1〜3Hzの範囲内の値である。
【0025】次に手順150において、流量指令値Δq
の演算を行う。流量指令値Δqの演算は手順120で求
めたブームシリンダの速度Vh 及び手順140で求めた
ブームシリンダの推力Fh にそれぞれ所定のゲイン
v 、Kf を乗じ、両者を加算することにより求める。
そして、流量指令値Δqに対応する制御信号を第2の流
量制御弁11に出力する。
【0026】手順150を終了すると手順100へ戻
り、手順100〜150を繰り返し行う。
【0027】次に、本実施例の作用効果を図6および図
7により説明する。図6は、従来の振動抑制制御装置を
備えない油圧駆動回路に係わるブームを急停止させると
きの操作レバー3の入力u(パイロット圧)、ブームシ
リンダ2の変位X、ブームシリンダ2の速度Vおよびブ
ームシリンダ2の推力Fの時間的変化を示し、参考とし
て制御入力Δqを合わせて示している。まず、一定速度
でブーム下げの動作を行っている状態からブーム2Aを
急停止させるべく操作レバー3を中立に戻すと、図6
(a)に示すように入力uは0になり、流量制御弁4も
中立に戻る。これに伴って、それまで一定の速度Vおよ
び推力Fで下げ方向に動作中であったブームシリンダ2
が停止しようとするが、慣性によりブーム2Aは急には
停止せず、図6(c)に示すように目標位置を越えさら
に下げ続け、これに対応してブームシリンダ2の速度V
および推力Fも図6(d)および(e)に示すように変
化する。そしてその後、流量制御弁4以降の油圧回路で
圧油がバネの役目をしてブームシリンダ2が上方に押し
戻され、変位Xは増加を開始すると共に、速度Vは正の
値に転じかつ推力Fは減少を開始する。ブームシリンダ
2が所定位置まで押し戻されると、同様に圧油のバネ作
用で今度は逆ブームシリンダ2が下方に押し戻され、変
位Xは減少を開始すると共に、速度Vは負の値に転じか
つ推力Fは増加を開始する。以上のことが繰り返され、
ブーム2Aを含むフロント系に振動が発生する。この振
動が車体に加わり、車体のガタ等の影響により車体の揺
動を引き起こし、結果的に車体−フロント全体の連成振
動を生じてしまう。
【0028】これに対して、本実施例では、ブームシリ
ンダ2の速度Vおよび推力Fについて図7(d)に斜線
で示すような所定周波数以上の速度Vの高周波成分Vh
と、図7(e)に斜線で示すような所定周波数以上の推
力Fの高周波成分Fh を求め、これらにそれぞれ所定の
ゲインKf ,Kv をかけて、両者を加算することによ
り、図7(b)に示すような流量指令値Δqを算出し、
対応する制御信号を第2の流量制御弁11に出力する。
【0029】流量制御弁11はこの信号を受けて所定の
開度に駆動され、ブームシリンダ2のロッド側に油圧ポ
ンプ1から流量指令値Δqに対応する流量を供給しかつ
ヘッド側の圧油をタンク12に排出する。これにより、
ブームシリンダ2にダンパー作用が与えられ、圧油の圧
縮性による振動の発生が抑制されてブームシリンダ2は
停止する。
【0030】したがって、本実施例によれば、ブームシ
リンダ2の起動時、停止時等、ブームシリンダ2の速度
変化(加速度)に起因するブーム2Aの振動が抑制さ
れ、例えばバケットとの先端位置決め等、微妙な操作が
必要な場合には、確実な位置決めができ、操作性が著し
く向上する。
【0031】また、本実施例によれば、振動抑制のため
の流量指令値Δqの決定に推力Fの高周波成分Fh だけ
でなく、速度Vの高周波成分Vh をも用いているので、
以下の効果が得られる。
【0032】振動を抑制する場合、その目的のみに着目
するならば起振力の源である推力の高周波成分(加速
度)のみから流量指令値Δqを決めれば十分である。し
かしながら、例えばブームシリンダ2の起動時には、推
力の高周波成分のみから流量指令値Δqを決めると、加
速度が直接制御されることから振動が抑制されると同時
に加速度そのものも抑制されてしまうことになる。した
がって、この場合は、加速度を大きくできず、所望速度
に達するまでの時間が長くなり、操作性が悪化する。こ
れに対し、本実施例では、推力の高周波成分のみでな
く、振動の結果である速度Vの高周波成分Vh をも用い
て流量指令値Δqを決めているので、加速度が抑制され
る程度が小さくなり、起動時に大きな加速度を得ること
ができる。
【0033】ここで、逆に、速度Vの高周波成分Vh
みから流量指令値Δqを求めた場合には、速度Vは振動
の結果であることから振動を完全に抑制することは無理
である。したがって、所望の加速度を得ながら振動を効
果的に抑制するためには推力の高周波成分Fh と速度の
高周波成分Vh の両方を用いることが必要である。この
速度の高周波成分Vh と推力の高周波成分Fh の振動抑
制への影響の度合はゲインKv ,Kf により決定され、
ゲインKv ,Kf は振動抑制と操作性改善との兼ね合い
により決定される。
【0034】以上のように本実施例によれば、応答性を
犠牲にすることなく作業装置の振動を効果的に抑制でき
る。また、フィードバック信号にフィルター処理を施す
ことにより、定常特性に影響を与えない制御系の実現が
可能となる。
【0035】なお、以上の実施例では、流量指令値に応
じて油圧シリンダ2に給排される圧油の流量を補助的に
制御する流量制御弁として、第1の流量制御弁4と別個
の第2の流量制御弁11を設けたが、第1の流量制御弁
4で第2の流量制御弁も兼ね、操作レバー3からの操作
信号と流量指令値とを含む制御信号を第1の流量制御弁
4に供給するようにしても良い。この場合、第1の流量
制御弁4は、好ましくは電磁制御弁で構成される。
【0036】また、上記実施例では、ハイパスフィルタ
を制御プログラムの一部として組み込み、ソフト的に構
成したが、電気回路からなる外部ハイパスフィルタを用
いてもよい。
【0037】また、上記実施例では、圧力変換器と変位
計の検出値にフィルター処理を施した後シリンダ速度と
シリンダ推力を算出したが、検出値からシリンダ速度と
シリンダ推力を算出した後、フィルター処理を施しても
よい。
【0038】更に、上記実施例ではハイパスフィルタを
用いたが、要は振動に係わりのない所定周波数未満の振
動成分を遮断すればよいので、他のローカットフィル
タ、例えばバンドパスフィルタを用いてもよい。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、作業装置の停止時、起
動時等、速度が急変するときの振動が抑制されるので、
作業装置の位置決め等、微妙な操作が必要な場合に確実
な位置決めができ、操作性が著しく向上する。また、そ
の振動の抑制を応答性を犠牲にすることなく効果的に行
うことができる。更に、定常特性に影響を与えない制御
系の実現が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による油圧作業機械における
ブームの振動抑制制御装置をその油圧駆動回路と共に示
す図である。
【図2】図1に示す振動抑制制御装置の制御ユニットの
構成を示す図である。
【図3】図2に示す制御ユニットのROMに格納された
制御手順プログラムのフローチャートである。
【図4】図3に示す手順140の詳細を示すフローチャ
ートである。
【図5】ハイパスフィルタの作用を示す図である。
【図6】従来の油圧作業機械における操作レバー入力、
制御入力、アクチュエータ変位、アクチュエータ速度、
アクチュエータ推力の時間変化を示すタイムチャートで
ある。
【図7】図1に示す実施例における操作レバー入力、制
御入力、アクチュエータ変位、アクチュエータ速度、ア
クチュエータ推力の時間変化を示すタイムチャートであ
る。
【図8】従来の油圧作業機械の油圧駆動回路を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 油圧ポンプ 2 ブームシリンダ 2A ブーム(作業装置) 7 制御ユニット(フィルタ手段、第1及び第2の演算
手段) 8,9 圧力変換器(第2の検出手段) 10 変位計(第1の検出手段) 11 流量制御弁(制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小原 清隆 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出
    される圧油によって駆動され、作業装置を駆動する油圧
    アクチュエータと、油圧ポンプと油圧アクチュエータの
    間に接続され、操作手段の操作信号に応じて油圧アクチ
    ュエータに供給される圧油の流量を制御する流量制御弁
    とを備えた油圧駆動回路を持つ油圧作業機械における作
    業装置の振動抑制制御装置において、 (a)前記アクチュエータの変位を検出する第1の検出
    手段と; (b)前記操作手段の操作信号を検出する第2の検出手
    段と; (c)前記第1の検出手段で検出したアクチュエータの
    変位に基づき該アクチュエータの速度を算出するととも
    に、前記第2の検出手段で検出した操作信号とその算出
    したアクチュエータの速度とに基づき該アクチュエータ
    の推力を算出する第1の演算手段と; (d)前記第1の演算手段で算出された前記アクチュエ
    ータの推力と速度のそれぞれに所定のゲインをかけて流
    量指令値を求める第2の演算手段と; (e)前記第1及び第2の検出手段によりそれぞれアク
    チュエータの変位及び操作手段の操作信号を検出してか
    ら前記第2の演算手段により流量指令値を求めるまでの
    いずれかの時点でフィルター処理を施し、所定周波数未
    満の振動成分を除去するフィルター手段と; (f)前記流量指令値に応じて前記アクチュエータに給
    排される圧油の流量を補助的に制御する流量制御手段
    と;を備えることを特徴とする油圧作業機械における作
    業装置の振動抑制制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の油圧作業機械における作
    業装置の振動抑制制御装置において、前記フィルター手
    段は、前記第1及び第2の検出手段で検出したアクチュ
    エータの変位及び操作手段の操作信号にそれぞれフィル
    ター処理を施し、前記第1の演算手段は、そのフィルタ
    ー処理を施されたアクチュエータの変位及び操作信号に
    基づき該アクチュエータの速度を算出及び推力を算出す
    ることを特徴とする振動抑制制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の油圧作業機械における作
    業装置の振動抑制制御装置において、前記第2の演算手
    段は、前記算出されたアクチュエータの推力及び速度の
    それぞれに所定のゲインを乗じた値を加算することによ
    り前記流量指令値を求めることを特徴とする振動抑制制
    御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の油圧作業機械における作
    業装置の振動抑制制御装置において、前記フィルター手
    段は、所定周波数以上の振動成分を通過させるハイパス
    フィルタであることを特徴とする振動抑制制御装置。
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