JP2005137085A - 直流安定化電源装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 バッファ回路1は、出力高電圧をバッファ充電電圧とオフセット電圧との和として生成するフローティング特性を備える。誤差増幅器3は、出力高電圧とこれを設定する参照電圧との間の電圧の誤差を検出する。バッファ駆動回路4は、検出された誤差により振幅の制御された高周波交流を生成する。この高周波交流の振幅に従い、バッファ回路1のバッファ充電電圧が定められる。高速電力増幅器2は、検出された誤差をもとにオフセット電圧を制御する。
【選択図】 図1
Description
本発明は上記課題を解決し、精度よく安定化されかつ周波数応答の優れた直流高電圧を提供する簡単な回路構成を導入し、コンパクトで低廉な直流安定化高圧電源を提供することを目的としている。
[1] 電源の出力である出力高電圧をバッファ充電電圧とオフセット電圧の和として生成するバッファ回路と、このバッファ回路にバッファ充電電圧を生成するバッファ駆動回路と、バッファ回路にオフセット電圧を発生する高速電力増幅器と、出力高電圧と参照電圧との間の電圧差を検出し、この電圧差が小さくなるようにバッファ駆動回路と高速電力増幅器を制御する誤差増幅器とを具備する直流安定化高圧電源において、バッファ充電電圧がオフセット電圧に依存しないフローティング特性を近似的に実現したバッファ回路を導入することにより、出力高電圧を安定化する帰還を、近似的に互いに独立な遅れの少ないオフセット電圧を制御する帰還と遅れの大きいバッファ充電電圧を制御する帰還に分けて別々に実装することにより、帰還の有効な周波数領域の拡大と帰還量の増加を実現することを特徴とする。
高速電力増幅器によって駆動されるフローティング特性を備えたバッファ回路は、あたかも電極の一方を高速電力増幅器の出力によって駆動される電池のごとく動作し、したがって電池のもう一方の電極がバッファ回路の出力に対応し、また電池の両極間の電圧はバッファ充電電圧に対応する。高速電力増幅器の出力がオフセット電圧であり、出力高電圧はバッファ充電電圧とオフセット電圧の和となる。またフローティング特性から定常状態ではバッファ充電電圧はオフセット電圧にほとんど依存しないので、オフセット電圧を制御することにより出力高電圧を調整することができる。出力高電圧が、誤差増幅器の出力からバッファ駆動回路を経てバッファ回路のバッファ充電電圧に反映される遅いフィードバックと、出力電圧が高速電力増幅器の出力であるオフセット電圧に反映される早いフィードバックは、並列かつ独立なフィードバックである。
1.直流安定化高圧電源の概要
この安定化高圧電源は、バッファ回路1と、高速電力増幅器2と、誤差増幅器3と、バッファ駆動回路4とを備える。
バッファ回路1は、出力高電圧をバッファ充電電圧とオフセット電圧との和として生成するフローティング特性を備える。バッファ回路1は、二つの入力ノードAとBと一つの出力ノードCとを備え、ノードAをバッファ駆動回路4の出力によって、またノードBを高速電力増幅器2の出力によって駆動され、ノードCより出力高電圧を出力する。バッファ回路1のバッファ充電電圧は、ノードAに入力される高周波交流の振幅に従い定められる。ノードCの出力高電圧は、このバッファ充電電圧とノードBの電圧によるオフセット電圧とを加算した値に従う値となる。
誤差増幅器3は、出力高電圧とこれを設定する参照電圧との間の電圧の誤差を検出する。なお、本実施の形態では、ひとつの誤差増幅器3が、高速電力増幅器2とバッファ駆動回路4の両方に誤差(電位差)を供給しているが、それぞれ別の誤差増幅器を設けて誤差(電位差)を供給するようにしても良い。バッファ駆動回路4は、誤差増幅器3の出力により振幅の制御された高周波交流を生成する。高速電力増幅器2は、誤差増幅器3の出力をもとにオフセット電圧を制御する。
バッファ回路1は、例えば、図に示すようにキャパシタとダイオードをカスケードに接続した3段コックロフト・ウォルトン回路(以後CW回路と記す)を採用することができるが、これに限らず多様な構成が可能である。バッファ回路1は、ノードAをバッファ駆動回路4の出力によって駆動され、ノードBを高速電力増幅器2によって駆動される。
ここで、フローティング特性とは、接地電位を(近似的に)独立に選ぶことができる特性である。本実施の形態では、圧電トランス5の二次側の接地電位を独立に選ぶことができない場合にも、圧電トランス5の二次側の出力が例えばCW回路に入力されている場合には、CW回路の接地電位を(近似的に)独立に選ぶことができるということに注目した。ここで近似的とする意味は、CW回路の負荷が例えば定電流源である場合には、正確なフローティング特性が実現されるが、一般な負荷の抵抗では、この特性は近似的にしか成立しない。しかし、高圧電源の場合、負荷抵抗が大きいので、負荷は近似的に定電流特性を示し、この結果、フローティング特性も近似的に成立する。
バッファ駆動回路の出力段41とバッファ回路1に電磁トランスを使えば、図に示すように簡単にフローティング特性を備えたバッファ回路1を構成することができる。出力高電圧を電磁トランスから出力される高周波交流の振幅にフィードバックすると同時に、高速電力増幅器2にフィードバックすることにより、出力高電圧が安定化される。バッファ駆動回路4により高周波交流の振幅にフィードバックすることにより、バッファ充電電圧を変化させることができ、また高速電力増幅器2にフィードバックすることにより、オフセット電圧を制御することができる。
一方、圧電トランスを用いた場合は、その出力インピーダンスが高いため、そもそもドミナントポールが低い周波数にあり、原点に極を導入しても失うところは少なく、原点に極を導入することに抵抗がないと言える。圧電トランスの非線形性な素子であるので、今度は逆に、フィードバックの安定性を保ちながら原点に極を導入することが困難になる。
図7に、図4のバッファ駆動回路の等価回路を示した図が示される。この図では、圧電トランス5がCW回路を駆動するので、理想トランスを圧電トランス5の一次側に移した等価回路が使用されている。なお、ここでは、図6の圧電トランス5の等価回路において、R、L、Cを理想トランスの二次側に等価的に移行した回路を用いている。従って、R、L、Cの値はそれぞれこの移行に伴い変更されている。
図8は、圧電トランスを用いた直流安定化高圧電源装置の詳細なブロック図である。本高圧電源装置では、圧電トランス5を使用して高電圧を発生する。圧電トランス5はピエゾ効果を利用したトランスであり、高電圧を効率よく発生することができる。圧電トランス5の昇圧比がこれを駆動する周波数に依存することを利用するので、出力高電圧は駆動周波数に帰還される。
バッファ駆動回路4と高速電力増幅器2とは誤差増幅器3の出力により駆動される。バッファ回路1は、二つの入力ノードAとBと一つの出力ノードCとを備え、ノードAをバッファ駆動回路4の出力によって、またノードBを高速電力増幅器2の出力によって駆動され、ノードCより出力高電圧を出力する。
図の回路から分かるように、この補償回路は、原点に位置する極とR3C3に位置するゼロ点と(R1+R2)C2に位置するゼロ点を作り出す。R2C2に位置する極は、抵抗R2がR1に較べて十分に小さいので、十分に高い周波数にあるため、フィードバックを考える際には無視することができる。
回路の補償の基本的な方針は、R3C3に位置するゼロ点によりCW回路の作り出す極をキャンセルし、また(R1+R2)C2に位置するゼロ点により圧電トランス5に起因する遅れ(極)をキャンセルする。すると基本的には1/sの伝達関数を持つことになるので、安定化できることとなる。もっとも1/sの系では、ループゲインに関係なく安定化できるが、実際にはそのようにうまくいかず、ループゲインを適切に選ぶことが必要である。
ここで、バッファ回路1の各ノードA〜Cの電圧の関係について説明する。
出力高電圧の基準となるグランドは、分割抵抗の接地されているグランドである。このグランドをグランドGと呼ぶことにすると、ノードBはグランドGに対して可変な電位にあり、この電圧をノードBの電圧と呼ぶことにする。このとき、ノードCの電圧は次式となる。
ノードCの電圧=ノードBの電圧+バッファ充電電圧
バッファ充電電圧=ノードAに入力される高周波交流の振幅×6
つまり、この例では、コッククロフトワルトン回路が3段に構成されているので、入力の振幅のほぼ6倍(正確には負荷の値に依存します)の電圧の直流電圧が出力されることになる。
また、例えばコッククロフトワルトン(CW)回路のノードBは、通常はグランドGに接地される。ところが、本実施の形態では、このノードBを高圧の出力電圧を安定化するように制御する。すなわち、出力高電圧が高すぎる場合には、ノードBの電圧を下げ、また低すぎる場合にはこれを上げる。このノードBの電圧が、高速電力増幅器2によって駆動されている。
具体的には、分割抵抗が例えば1000:1の場合、誤差増幅器3の入力端子間の電圧差をEとすると、高速電力増幅器2の出力電圧は、Eの数千倍の電圧となるように設計されている。つまり、誤差増幅器3の入力で、端子間の電圧差Eが小さくなるようにフィードバックされる。
このため、高速電力増幅器2は、例えば、千倍に近い高い電圧増幅率を必要とする。このような高い増幅率の増幅器では、たとえその入力端子に等しい電圧を印加しても、ゼロからずれ電圧を出力する。つまり増幅器のオフセット電圧が出力に現れる。この電圧が広くオフセット電圧と呼ばれているが、本実施の形態では、バッファ充電電圧のオフセット電圧を指し、これと混同しないようにするために、アンプのオフセット電圧をオフセット電圧と指していない場合がある。
電圧差Eが0である場合の高速電力増幅器2の出力電圧は、出力電圧振幅のほぼ中央に近い値を取る。つまり、ほぼ中央に近い値とは、アンプのオフセット電圧によるズレを無視すれば中央値となるという意味である。
つぎに、遅れの大きい及び小さいフィードバックについて説明する。
この直流安定化高圧電源には、誤差増幅器3の出力が周波数変調回路7に入力され、圧電トランス5の駆動周波数を変化させることにより、コックロフト・ワルトン回路により生成されるバッファ充電電圧を変化させる遅れの大きいフィードバックと、誤差増幅器3の出力が高速電力増幅器2に入力されオフセット電圧をシフトする遅れの小さいフィードバックが組み込まれている。
つぎに、フィードバックの極について説明する。
本発明では、原点に位置する極が重要な役割を果たす。説明の都合で、誤差増幅器3の二つの入力端子の電圧差、つまり、参照電圧から出力電圧を引いた電圧を誤差と呼ぶ。また、回路の状態が時間的に変化しない状態を定常状態と呼ぶ。安定な回路であれば、参照電圧を一定に保持すれば、回路は時間の経過に伴い定常状態に移行する。定常状態における誤差を定常偏差と呼ぶ。帰還回路の伝達関数が、原点に位置する極を含む場合、定常偏差がゼロとなる。原点に位置する極は等価的に積分回路(図10に示す積分回路の図の一例を参照)により実現される。もし誤差がゼロでなければ、その誤差は積分され積分回路の出力はどんどん大きくなる。このどんどん大きくなる積分回路の出力が出力高電圧に帰還されるので、誤差増幅器3の入力での誤差がゼロになるまで続く。この結果定常偏差はゼロになる。つまり定常偏差がゼロになった時点で積分回路への入力が止まり、積分回路の出力が定常となる。
この高圧電源では、誤差増幅器3の出力により、バッファ充電電圧とオフセット電圧が
制御されるが、バッファ充電電圧を制御する伝達関数には原点に位置する極が含まれているが、オフセット電圧を制御する伝達関数には原点に位置する極が含まれていない。
誤差が変化した場合、オフセット電圧はすぐに変化するが、バッファ充電電圧はゆっくり変化する。オフセット電圧が変化しても、誤差はゼロにならない。このゼロでない誤差によって、バッファ充電電圧は変化する。バッファ充電電圧の変化に応じてオフセット電圧も変化する。定常状態では、誤差がゼロとなるので、誤差増幅器3の出力は、その二つの入力端子に同じ電圧が印加されることになる。つまり、誤差増幅器3の出力は、アンプのオフセットを無視すれば、その出力振幅の中央値を出力することになり、高速電力増幅器2も同様となる。
一般に、抵抗、キャパシタンス、インダクタンスの素子等を結合した線形な集中定数系回路の伝達関数は、分母の次数が分子の次数より大きい有理関数となる。この伝達関数の分母の多項式のゼロ点がこの伝達関数の極であり、分子の多項式のゼロ点がこの伝達関数のゼロ点である。この意味で伝達関数のゼロ点と極の位置を指定すれば、伝達関数は定数倍を除いて一意的に決めることができる。この回路が安定であるための必要十分条件は伝達関数の極が右半平面に存在しないことである。
安定な回路の応答は、その伝達関数の詳細にも依ると言うよりも、むしろその伝達関数が備える特徴によって分類する事ができる。それは、伝達関数が原点に極を持つかどうかであり、また原点に極を持たない場合には、原点に一番近い極の位置であり、また、その極が実根であるか複素数の共役な根であるかどうかなどである。また、ゼロ点については、原点に近い高々2、3個のゼロ点の極と位置関係が重要となる。このように、回路の応答は原点の付近にある高々2、3個の極およびゼロ点によってもっぱら支配される。したがって、これらの極およびゼロ点の配置が回路設計上の主な課題となる。
この直流安定化高圧電源は、バッファ回路1、高速電力振幅器2、誤差増幅器3、バッファ駆動回路4、リップル低減回路24を備える。バッファ駆動回路4は、圧電トランス、位相補償回路6、周波数変調回路7、ドライバー回路8、補助電源9を備える。
バッファ回路1はバッファ駆動回路4に含まれる圧電トランス5の出力によって駆動される。バッファ回路1は、図4に示すようにCW回路からなり、昇圧と整流を行う。圧電トランス5の出力から効率良く直流高電圧を発生するには、高い耐圧を備え、接合部容量の小さい高速のダイオードが必須である。ここでは、富士電機のESJA98に代表されるHDTV用に開発された高耐圧超高速ダイオードが使用されている。
誤差増幅器3は図3に示すよう分割抵抗回路に接続されるバーブラウン社のインスツルメンテーションアンプ(INA155)に代表される差動増幅器IC10を使って構成される。IC10は、分割抵抗からノードYに入力された出力高電圧と、出力高電圧を設定するために外部よりノードXに入力された参照電圧とを比較し、この電圧の差にノードZに入力された基準動作電圧を加えて出力する。誤差増幅回路の出力は高速電力増幅器2とバッファ駆動回路4に入力される。
高速電力増幅器2は、誤差増幅器3によって検出された出力高電圧と参照電圧との電圧差をオフセット電圧として出力高電圧に帰還する。この帰還が有効であるためには、誤差増幅器3と高速電力増幅器2の合成電圧増幅率が、分割抵抗の分割比に比べて十分に大きいことが必要であり、このことから高速電力増幅器2の電圧増幅率は大きくなる。このような高い増幅率で使用することのできるバーブラウン社のOPA350に代表される差動増幅器IC19とIC20とバーブラウン社のBUF634に代表される電流バッファアンプIC21とを備える。高速電力増幅器2の電圧増幅率は抵抗R13とR14およびR15とR16とによって設定さる。
位相補償回路6は、バッファ駆動回路4の部分回路であり、誤差増幅器3の出力が入力される。本回路は、バーブラウン社のオペアンプ(OPA234)に代表される差動増幅器IC11を備える。IC11は、基準動作電圧を接地電位とした反転増幅器である。
周波数変調回路7は、バッファ駆動回路4の部分回路であり、位相補償回路6の出力が入力される。本回路は電圧制御発振器と分周器を備える。タイマーとして用いられるテキサス社のTLC555等に代表される集積回路IC12が電圧制御発振器として使用されている。同図で端子Aに入力される電圧によって決まる周波数をもつ矩形波が端子Bより出力される。
ドライバー回路8は、バッファ駆動回路4の部分回路であり、周波数変調回路7の出力が入力される。ドライバー回路8の出力が圧電トランス5を駆動する。圧電トランス5の入力端子から圧電トランス5を見るとキャパシタンスが見える。ドライバー回路8は、圧電トランス5を効率的に駆動するために、このキャパシタンスをインダクタンスと共振させることにより、近似的なサイン波を作り出す。ドライバー回路8は、図9に示すように、2個のインダクタンスL1、L1と2個のMOSFET Q1、Q1を有する2組の共振回路とテキサス社のIC TPS2811に代表されるMOSFET駆動用集積回路IC14を備える。
図6に圧電トランス5の等価回路が示され、ここで述べる高圧電源に使用されている圧電トランス5のパラメータが与えられている。圧電トランス5はバッファ駆動回路4に含まれる、圧電トランス5はドライバー回路8によって駆動される。圧電トランス5の出力がバッファ駆動回路4の出力であり、バッファ回路1を駆動する。
補助電源9は、バッファ駆動回路4の部分回路である。補助電源9は、誤差検出回路105、高速電力増幅装置2、及び、位相補償回路6に基準動作電圧を供給するための直流安定化電源である。
リップル低減回路24は、バーブラウン社のOPA684に代表される高速の演算増幅器IC22とバーブラウン社のBUF634に代表される電流容量の大きい出力を備えた電流バッファアンプIC23とを備える。
ΔI={(sC10R18)/(sC9R18+1)}ΔIR
これから分かるように、キャパシタC9と抵抗R18によって決まる時定数より高い周波数ではΔIはキャパシタンスの比でΔIRに比例し、リップルをうち消す帰還が有効になる。実際には電流と電圧は独立ではなく、電流の変化が電圧の変化に帰還されるので、帰還が有効になる周波数は電流と電圧の関係に依存する。
以下に、バッファ回路1のフィードバックループに関連して、各位置における電圧の時間変化の波形図について説明する。
高圧電源に、負荷として25MΩの抵抗と、これと並列に時刻2秒から時刻2.2秒の間50μAの電流を吸入する電流源が接続されている。参照電圧は、時刻0秒から時刻1.5秒で出力高電圧が0Vから4kVまで上昇するように制御され、さらに時刻1.5秒から2.5秒までの間、出力高電圧を4kVに保持するように定電圧に保つよう制御されている。
図13に、バッファ回路1の出力波形図(1)を示す。
波形1は、この時のバッファ回路の出力波形であり、時刻0秒から1.5秒までの間に4kVまで上昇し、1.5秒から2.5秒まで4kVの出力高電圧を保持している。
図14に、バッファ回路1の出力波形図(2)を示す。
波形2は、時刻1.5秒から2.5秒の間のバッファ回路の出力波形であり、時刻2秒から時刻2.2秒の間の負荷電流の増加による出力高電圧の変化を見ることができる。
図15に、高速電力増幅器2の出力波形図を示す。
また、時刻2秒から2.2秒の間の負荷電流の増加による出力高電圧の低下を補償するために、その出力が変化していることがわかる。
図16に、バッファ駆動回路4の出力波形図を示す。
波形4は、バッファ回路を駆動する周波数が130kHz附近の高周波交流の波形である。その振幅が時間とともに変化し、参照電圧で指定した出力高電圧を実現していることがわかる。
2 高速電力増幅器
3 誤差増幅器
4 バッファ駆動回路
5 圧電トランス
6 位相補償回路
7 周波数変調回路
8 ドライバー回路
9 補助電源
10 計装差動増幅回路
11 反転増幅回路
12 電圧制御発信回路
13 フリップフロップ用集積回路
14 MOSFET駆動用集積回路
15 同相増幅回路
16 定電圧ダイオード
17 定電圧ダイオード
18 電圧分割抵抗回路
19 同相増幅回路
20 反転増幅回路
21 電流バッファアンプ
22 反転増幅回路
23 電流バッファアンプ
24 リップル低減回路
Claims (8)
- オフセット電圧とバッファ充電電圧との加法的関数である出力高電圧を生成し、バッファ充電電圧がオフセット電圧に依存しないように接地電圧を独立としたフローティング特性を近似的に実現し、入力された高周波交流を直流の高電圧に変換して出力するバッファ回路と、
前記バッファ回路からの出力高電圧と予め設定されている参照電圧とを比較して、電圧差を検出する誤差増幅器と、
検出された電圧差に基づき前記バッファ回路のオフセット電圧を制御する電圧を出力し、時間遅れの比較的小さい高速電力増幅器と、
検出された電圧差に基づき振幅の制御された高周波交流を生成し、前記バッファ回路のバッファ充電電圧を制御するための、時間遅れの比較的大きいバッファ駆動回路と、
を備え、
前記バッファ回路は、前記高速電力増幅器からの出力によりオフセット電圧へ、及び、前記バッファ駆動回路からの出力によりバッファ充電電圧へ、出力高電圧を並列かつ独立に帰還することで、出力高電圧と参照電圧との電圧差を調整し、出力高電圧の安定性と周波数応答を改善する直流安定化電源装置。 - 前記バッファ駆動回路は、入力から出力までの伝達関数に原点の近傍に位置する極を導入され、出力高電圧と参照電圧との間の電圧差の定常偏差をゼロの近傍に移動し、
これにより、該電圧差が定常状態ではゼロの近傍にあるので、前記高速電力増幅器は、出力が電圧振幅の範囲の中央値の付近に位置し、その出力の電圧振幅を出力高電圧の調節に有効に利用する請求項1に記載の直流安定化電源装置。 - 前記バッファ駆動回路は、入力から出力までの帰還回路の伝達関数が原点の近傍に位置する極を含み、
前記高速電力増幅器は、入力から出力までの帰還回路の伝達関数が原点の近傍に位置する極を含まない請求項1に記載の直流安定化電源装置。 - 前記誤差増幅器が、前記バッファ回路からの出力高電圧が基準とするグランドと異なるグランドを出力の基準とし、このグランドを前記高速電力増幅器の出力の電圧振幅の範囲内で出力高電圧のグランドと独立なグランドとして設定した請求項1乃至3のいずれかに記載の直流安定化高電圧電源装置。
- 前記バッファ回路は、コックロフトウォルトン回路を含み、
第1及び第2の入力ノードと出力ノードとを備え、第1のノードを前記バッファ駆動回路の出力によって、第2のノードを前記高速電力増幅器の出力によって駆動し、出力ノードより出力高電圧を出力する請求項1乃至4のいずれかに記載の直流安定化電源装置。 - 前記バッファ駆動回路は、
高周波交流を高電圧の高周波交流に昇圧し、この昇圧された高周波交流を出力する圧電トランスを備えた請求項1乃至5のいずれかに記載の直流安定化電源装置。 - 前記バッファ駆動回路は、
入力から出力までの伝達関数に原点に位置する極と2個のゼロ点を有し、前記誤差増幅器からの電圧差に従い電圧を出力する位相補償回路と、
前記位相補償回路の出力に従い出力周波数を設定する電圧制御周波数変調回路と、
外部より供給される直流電源を、前記電圧制御周波数変調回路の出力する矩形波と同一の周波数を持つ高周波交流に変換し、この高周波交流により前記圧電トランスを駆動するドライバー回路と、
をさらに備えた請求項6に記載の直流安定化電源装置。 - その入力と出力とをそれぞれ入力キャパシタンスと出力キャパシタンスを介して出力高電圧に接続された反転増幅器によって、入力キャパシタンスを通して増幅器に入力されたリップルを反転増幅して出力キャパシタンスを通して出力高電圧に帰還することにより、リップルを低減するリップル低減回路をさらに備えた請求項1乃至7のいずれかに記載の直流安定化電源装置。
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