JP2005134628A - 光伝送システムおよびラマン増幅装置 - Google Patents

光伝送システムおよびラマン増幅装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 光通信を行う光伝送技術に関し、特に、ラマン増幅技術を適用して主信号光の長距離伝送を可能にする光伝送システムおよびラマン増幅装置において、主信号光の長距離伝送を可能にする技術を提供することを目的とする。
【解決手段】 光伝送路60に伝送される主信号光Sが光増幅して長距離伝送が可能となる光伝送システム10Aにおいて、主信号光Sを位相変調させる位相変調器41と、位相変調された主信号光Sをラマン増幅させる分布ラマン増幅装置40と、を備え、主信号光Sがラマン増幅器40において光増幅される際、レーザ発振現象が抑制されるように位相変調器41が調節されることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光通信を行う光伝送技術に関し、特に、ラマン増幅技術を適用して主信号光の長距離伝送を可能にする光伝送システムおよびラマン増幅装置に関するものである。
従来から、長距離の光通信を実現させる技術として、光伝送路(光ファイバ)を伝送する主信号光を光増幅させるラマン増幅技術が知られている。ラマン増幅とは、誘導ラマン散乱によるラマン増幅現象を利用するもので、光ファイバに主信号光とともに主信号光より波長が約100nm短い励起光を入射させると、主信号光が増幅される現象である。
図8は従来のラマン増幅を用いた光伝送システムを示すブロック図である。従来の光伝送システム10Dは、主信号光S´を光伝送路60´に出力する送信器20´と、伝送する主信号光S´を受信する受信器30´とからなり、さらに、伝送損失により減衰した主信号光S´をラマン増幅させる分布ラマン増幅装置40Dおよび集中ラマン増幅装置50Dの少なくとも一方が光伝送路60´の途中経路に配置されている。
分布ラマン増幅装置40Dは、主信号光S´の増幅媒体として作用する一部の光伝送路60´と、励起光R1を出力する励起光源42´とから構成される。この励起光R1は、光伝送路60´に主信号光S´と重畳して伝送するとこの主信号光S´をラマン増幅させる作用を有するものである。
集中ラマン増幅装置50Dは、主信号光S´の増幅媒体として作用する増幅用光導波路53´と、励起光R2を出力する励起光源52´とが一つの筐体内に収容されて構成されている。この増幅用光導波路53´は、光伝送路60´の途中経路に接続され、この増幅用光導波路53´に励起光R2と主信号光S´とが重畳して伝送するとこの主信号光S´がラマン増幅される作用を奏するものである。
なお、以降、分布ラマン増幅装置40Dおよび集中ラマン増幅装置50Dを特に区別せずに指す場合は、単にラマン増幅装置40D,50Dと記載することにする。
従来の光伝送システム10Dにおいて、主信号光S´を長距離伝送させるために、ラマン増幅装置40D,50Dを高利得の条件下で動作させたとする。すると、ラマン増幅装置40D,50Dの内部でラマン増幅および多重後方レイリ散乱またはラマン増幅および誘導ブリルアン散乱の両作用に起因するレーザ発振現象が生じ、ラマン増幅装置40D,50Dの増幅動作が不安定になることが知られている(非特許文献1)。
さらに、ラマン増幅装置40D,50Dを高利得の条件下で動作させた際に発生するレイリ散乱および誘導ブリルアン散乱は、ラマン増幅装置40D,50Dの内部を伝送する主信号光S´に対して雑音源となることが知られている。そして、この雑音源から主信号光S´を防御するために、2つの増幅段の間にアイソレータ(図示せず)を配置する構成が提案されている(特許文献1)。
特開平9−318981号公報(段落0022〜0043、図1等) C.J.Chen,et al.,OFC2003,paperTuC2
しかし、以上述べた、従来の光伝送システム10Dによる主信号光S´の長距離伝送方法には、以下のような問題があった。
すなわち、特許文献1の発明では、光伝送システム10D中のラマン増幅装置40D,50Dにそれぞれアイソレータ(図示せず)が配置されることにより、確かに主信号光S´の低雑音化が図られる。しかし、送信器20´や励起光源42´,52´の高パワー条件下におけるラマン増幅装置40D,50D内部のレーザ発振現象の発生は避けられない。従って、ラマン増幅装置40D,50Dを低出力パワーで使用する必要があり、主信号光S´の低雑音化の効果は、長距離伝送化にさほど貢献しない。
本発明は、以上の問題点を解決することを目的としてなされたものであり、主信号光をラマン増幅させる光伝送システムにおいて、主信号光の長距離伝送を可能にする光ファイバ伝送システムおよびラマン増幅装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、前記した目的を達成するために創案されたものであり、まず請求項1に記載の光伝送システムは、光伝送路に伝送される主信号光が光増幅して前記主信号光の長距離伝送を可能にする光伝送システムにおいて、位相変調手段と、ラマン増幅手段と、を備え、前記主信号光が前記ラマン増幅手段において光増幅される際、レーザ発振現象が抑制されるように前記位相変調手段が調節されることを特徴とする。
かかる構成によれば、光伝送路に伝送される主信号光は、位相変調手段において位相変調される。このように、主信号光が、位相変調されることにより、主信号光がラマン増幅手段を通過してもラマン増幅手段の内部において誘導ブリルアン散乱の発生が抑制される。このため、ラマン増幅手段の内部においてレーザ発振現象が生ぜず、主信号光は信号品質を劣化させることなくラマン増幅されることが可能となる。
請求項2に記載の光伝送システムは、請求項1に記載の光伝送システムにおいて、前記ラマン増幅手段は、第一励起光源が前記光伝送路に接続されてなる分布ラマン増幅手段、であることを特徴とする。
かかる構成によれば、第一励起光源から出力される第一励起光と前記主信号光とが重畳して前記光伝送路に伝送すると、前記主信号光が光増幅されることとなる。これにより、主信号光の長距離伝送が可能となる。
請求項3に記載の光伝送システムは、請求項1に記載の光伝送システムにおいて、前記ラマン増幅手段は、増幅用光導波路と、第二励起光源と、からなる集中ラマン増幅手段であることを特徴とする。
かかる構成によれば、光伝送路の途中経路に配置される増幅用光導波路に、第二励起光源から出力される第二励起光と主信号光とが重畳して伝送すると、主信号光が光増幅することとなる。これにより、主信号光の長距離伝送が可能となる。
請求項4に記載のラマン増幅装置は、光伝送路に伝送する主信号光をラマン増幅させるラマン増幅装置であって、位相変調手段と、第一励起光源と、を備え、前記主信号光が前記光伝送路において光増幅される際、レーザ発振現象が抑制されるように前記位相変調手段が調節されることを特徴とするラマン増幅装置。
かかる構成によれば、位相変調手段と、第一励起光源とがパッケージ化された分布ラマン増幅装置が構成される。この分布ラマン増幅装置の構成要素である位相変調手段は、前記光伝送路の途中経路に位置するように配置され、伝送している前記主信号光を位相変調させる。そして、位相変調された前記主信号光は、第一励起光源から発せられた第一励起光が重畳されて前記光伝送路を伝送する。この第一励起光は、主信号光と重畳して光伝送路に伝送すると前記主信号光がラマン増幅する作用を有し、かかる作用により主信号光がラマン増幅されても、主信号光は位相変調されているので、光伝送路の内部でレーザ発振することがない。このため、光伝送路に入力する主信号光および励起光源のパワーを向上させることにより、主信号光の長距離伝送化を図っても信号品質の劣化が避けられる。
請求項5に記載のラマン増幅装置は、光伝送路に伝送する主信号光をラマン増幅させるラマン増幅装置であって、位相変調手段と、増幅用光導波路と、第二励起光源と、を備え、前記主信号光が前記増幅用光導波路において光増幅される際、レーザ発振現象が抑制されるように前記位相変調手段が調節されることを特徴とする。
かかる構成によれば、位相変調手段と、増幅用光導波路と、第二励起光源とがパッケージ化された集中ラマン増幅装置が構成される。この集中ラマン増幅装置の構成要素である位相変調手段は、前記光伝送路の途中経路に位置するように配置され、伝送している前記主信号光を位相変調させる。そして、位相変調された前記主信号光は、終端が光伝送路に連結されている増幅用光導波路の始端側から入力され増幅用光導波路の内部を伝送する。第二励起光源は、第二励起光が増幅用光導波路の内部を伝送するように増幅用光導波路の始端側または終端側の何れか一方に設置されている。このようにして、変調された主信号光は、第二励起光に重畳して増幅用光導波路を通過して光伝送路に伝送される。この第二励起光は、主信号光と重畳して増幅用光導波路に伝送すると前記主信号光がラマン増幅する作用を有し、かかる作用により主信号光がラマン増幅されても、主信号光は位相変調されているので、増幅用光導波路の内部でレーザ発振することがない。このため、光伝送路に入力する主信号光および励起光源のパワーを向上させることにより、主信号光の長距離伝送化を図っても信号品質の劣化が避けられる。
本発明にかかる光伝送システムおよびラマン増幅装置により以下に示す優れた効果を奏する。すなわち、主信号光を位相変調させることにより、ラマン増幅装置の内部で生じるラマン増幅および誘導ブリルアン散乱に起因するレーザ発振が抑制されることを可能にした。これにより、主信号光を信号劣化が伴うことなく光増幅させ、長距離伝送化が可能となる。
以下本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
(第一の実施形態)
図1を参照して本発明にかかる光伝送システムにおける第一の実施形態について説明する。図1は第一の実施形態における光伝送システムの基本構成を示すブロック図である。
図1に示すように、光伝送システム10Aは、送信局20に設置され主信号光Sの発生源である送信器21と、受信局30に設置され主信号光Sを受信する受信器31と、主信号光Sを送信局20から受信局30に伝送させる光ファイバからなる光伝送路60と、分布ラマン増幅装置40とから構成されている。
分布ラマン増幅装置40は、位相変調器41、励起光源(第一励起光源)42、カプラ43および光伝送路60を含む構成である。
位相変調器41は、例えばリチウムナイオベイト(LiNbO3)により構成され、送信器21から出力された主信号光Sを位相変調するものである。なお、位相変調装置40は、位相変調の速度および変調指数が可変な構成(図示せず)を有するが、これらの設定は、後記するレーザ発振現象が充分抑制されるように調節されることとする。なお、このように位相変調器41により主信号光Sが位相変調されても、強度変調に基づき信号が伝送される伝送方式において、強度変調信号の波形を劣化させることはない。
励起光源(第一励起光源)42は、カプラ43を介して光伝送路60に接続されており、励起光R1(第一励起光)を出力するものである。この励起光R1は、主信号光Sの波長より約100nm短い電磁波であって、主信号光Sに重畳して光伝送路60に伝送すると、この主信号光Sを増幅させる作用を奏するものである。
なお、図中、二点鎖線で示される分布ラマン増幅装置40のうち三重ループ状に記載されている光伝送路60は、送信局20と受信局30との間に施設されている光伝送路60の一部を示すものである。よって、三重ループ状の光伝送路60は主信号光Sを増幅させる光増幅媒体として観念的に表記されたものであって、現実の分布ラマン増幅装置40は、破線で示されるように位相変調手段41および励起光源42から構成されるものである。
なお、図1中、励起光源42は、位相変調器41と共にカプラ43に接続され、励起光R1は主信号光Sに対して同方向に伝送されるように示されている。一方、他の形態として励起光源42は、位相変調器41の接続点からさらに主信号光Sの伝送方向に対して下流方向に接続され、主信号光Sの伝送方向とは逆方向に励起光R1が入射されるように配置されてもよい。この場合、位相変調器41と励起光源42とが接続されている二点間において主信号光Sが増幅されることとなる。
次に図2を参照して(適宜図1参照)、分布ラマン増幅装置40(図1)の作用について説明する。図2は、主信号光Sが光伝送路60を伝送して誘導ブリルアン散乱したときの後方散乱光の強度(Backscattering)を、主信号光Sの入力強度(Input power)に対して示したグラフである。また、図2の実線で示すグラフは、図1に示す分布ラマン増幅装置40において、位相変調器41が動作しない状態、すなわち変調されていないCW光(Continuous Wave)である主信号光Sが入力端IAから入力し、その入力強度に対する、入力端IAに戻ってくる後方散乱光の強度を示している。そして、図2中、破線で示すグラフは、位相変調器41を動作させ、位相変調された主信号光Sが入力端IAから入力し、その入力強度に対する、入力端IAに戻ってくる後方散乱光の強度を示している。
図2中の実線グラフに示すように、主信号光Sの低出力領域における後方散乱光の出力(Backscattering)は、主信号光Sの出力強度(Input power)に依存しない低レベルのレイリ散乱のみ観測される。しかし、主信号光Sの出力強度が高くなると、ある閾値(6〜10dBm/ch)を境に急激に誘導ブリルアン散乱が観測されるようになり、後方散乱光が増大することとなる。なお、この閾値は、主信号光Sが伝送する光伝送路60(光ファイバ)の特性や、伝送する主信号光Sのスペクトルに大きく依存するものである。
図示するような後方散乱光の急激な増大は、次の理由による。すなわち、光伝送路60に入力した主信号光Sの強度が或る閾値を超えると、光伝送路60における長手方向の各所で発生し主信号光Sの進行方向とは逆方向に伝搬する誘導ブリルアン散乱光の散乱割合および散乱箇所の著しい増加によって、累積パワーが急激に増加するためである。
次に、位相変調器41(図1)を動作させ、分布ラマン増幅装置40の入力端IAから入力する主信号光Sを位相変調させると、図2中、実線グラフは破線グラフに示すように高パワー側にシフトし、誘導ブリルアン散乱が発生しにくくなる現象が観測される。すなわち、位相変調装置40により位相変調された主信号光Sは、誘導ブリルアン散乱光の生成を抑制し、集中ラマン増幅装置40内におけるレーザ発振を抑制する効果を奏すると言える。
次に、図1および図3に基づいて分布ラマン増幅装置40における光増幅の動作について説明する。図3はラマン増幅装置の内部におけるレーザ発振の発生原理を示す説明図である。
まず、位相変調器41を動作させない場合、すなわち、主信号光Sが位相変調されない状態で、励起光R1に重畳して光伝送路60を伝送した場合について考える。
図3中、光伝送路60の入力側Pinから伝送する主信号光Sは、励起光R1のエネルギを吸収してラマン増幅し、出力側Poutにぬけるが、一部の光は、誘導ブリルアン散乱による後方散乱光として後方に伝播する(1stBackscatter)。そして、この後方散乱光は、主信号光Sとは逆方向に伝送されつつラマン増幅により増幅されることになる。
次に、このラマン増幅された後方散乱光に起因して、再び誘導ブリルアン散乱により前方に散乱光が伝播する(2ndBackscatter)。このように、誘導ブリルアン散乱光の発生量とラマン増幅との利得が一定の関係を満たすと、誘導ブリルアン散乱とラマン増幅との繰り返しが連続するレーザ発振現象が観測されることになる。
このように、光伝送路60において発生する誘導ブリルアン散乱は、伝送する主信号光Sの光波を逆方向に進行する光波に変換するとともに、伝送する主信号光Sの周波数偏移をも引き起こす誘導散乱のプロセスである。このため、誘導ブリルアン散乱が光伝送路60の中で大量に発生すると、伝送損失や有効コア断面積など光線路の特性や、光線幅など入力する光波の特性を変化させ、伝送する主信号光Sの品質を著しく低下させる。
そこで、位相変調器41(図1)を動作させて、主信号光Sを位相変調して伝送することにする。位相変調の速度および変調指数は、分布ラマン増幅装置40の利得と、光信号光Sの出力に依存する誘導ブリルアン散乱の発生量とを考慮してレーザ発振を充分抑制するように決定される。主信号光Sが位相変調されると、信号スペクトルが幅広くなり、光伝送路60において発生する誘導ブリルアン散乱の閾値条件が、より高パワー側にシフトされる(図2参照)。このため、分布ラマン増幅装置40に、位相変調された主信号光Sが通過すると、内部で発生する誘導ブリルアン散乱光のパワーが抑制され、主信号光Sがラマン増幅されても、レーザ発振が発生することがない。
一般に、主信号光Sを長距離伝送させるためには、光伝送路60における伝送損失を鑑みると、送信器20から出力される主信号光Sの出力強度ならびに分布ラマン増幅装置40による増幅度は高い事が望ましい。しかし、前記した後方散乱光の影響により、光伝送路60を伝送する主信号光Sの強度には上限がある。そこで、主信号光Sを位相変調させることにより、励起光源42が出力する励起光R1のパワーを高めても、分布ラマン増幅装置40の内部におけるレーザ発振を抑制することとした。これにより、主信号光Sのラマン増幅による利得を大きくしても信号品質の劣化が伴わない光伝送システム10Aの構築が可能となる。
(第二の実施形態)
次に図4を参照して本発明における第二の実施形態について説明する。図4は本発明における第二の実施形態である光伝送システムの基本構成を示すブロック図である。なお、図4において図1と同一または相当する部分は同一符号で示し詳細な説明を省略する。
集中ラマン増幅装置50は、励起光源52と、増幅用光導波路53と、が共に一つの筐体(図示せず)に収容されて構成される。そして、増幅用光導波路53は、光伝送路60とは別個の専用の光増幅媒体としての光ファイバである。
励起光源(第二励起光源)52は、カプラ43を介して位相変調機器41とともに増幅用光導波路53の一端に接続されており、励起光R2(第二励起光)を出力するものである。この励起光R2は、主信号光Sの波長より約100nm短い電磁波であって、主信号光Sに重畳して増幅用光導波路53に伝送すると、この主信号光Sを増幅させる作用を奏するものである。
なお、集中ラマン増幅装置50における光増幅の動作については、前記した分布ラマン増幅装置40における場合と同様であるので説明を省略する。
以上、説明した実施形態は本発明を説明するための一例であり、本発明は前記した実施形態に限定されるものでなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、前記した分布ラマン増幅装置40および集中ラマン増幅装置50は、光伝送システム10A、10Bにつき各一個設置されているが、主信号光Sの長距離伝送を実現するため、図5に示すように、ラマン増幅装置40C,50Cを光伝送路60上に複数配置してもよい。この場合、ラマン増幅装置40C,50Cごとにレーザ発振条件が異なる場合は、複数の分布ラマン増幅装置40C,50Cにそれぞれ位相変調器41をそれぞれ別個に設置してもよい。
また、図1および図4において、分布ラマン増幅装置40および集中ラマン増幅装置50は、構成要素部品(位相変調器41、励起光原42,52等)がパーケージ化して構成されているが、これら構成要素部品が分散して配置されていてもよい。例えば、図5に示すように、位相変調器41を送信局20cに配置して、光伝送システムを構成してもよい。また、励起光源42を受信局30cに設置したり、送信局20cの内部に設置したりして(図示せず)、プリアンプとして機能させたり、ポストアンプとして機能させたりしてもよい。同様に、図示しないが、集中ラマン増幅装置50を送信局20cおよび受信局30cに設置して、同様にポストアンプおよびプリアンプとして機能させてもよい。
次に図6、図7を参照して(適宜図4,5参照)、集中ラマン増幅装置50,50Cの効果を確認した実施例について説明する。
図6(a)は、集中ラマン増幅装置50(図4)における増幅後の主信号光Sの信号品質を示すQファクタを、位相変調周波数に対してプロットした結果を示すグラフである。具体的には、図6は、図4に示す集中ラマン増幅装置50の入力端IBから位相変調された光信号光Sを入力し、出力端OBで検出される主信号光SのQファクタをプロットした図である。図6(b)、(c)、(d)は、それぞれ、重畳する位相変調の周波数が1000MHzである場合(A矢視部)、同10MHzである場合(B矢視部)、位相変調の重畳がない場合(C矢視部)、における受信局30で検出される主信号光Sのスペクトルを示すグラフである。
ここでQファクタとは、デジタル通信に用いられる信号の品質評価に用いられる評価指数であって、Qファクタが高い程、信号品質に優れることを意味する。
図6(b)、(c)、(d)から明らかなように、集中ラマン増幅装置50(図4)に入力される前段階で主信号光Sが位相変調されることにより、主信号光Sのスペクトルは、図6(b)に示すように、先端部分のノイズが少なく検出される。このことは、主信号光Sが位相変調されることによりラマン増幅と誘導ブリルアン散乱の両作用に起因するレーザ発振が抑制されると同時に、伝送特性が改善されることを示すものである。
図7(a)は、集中ラマン増幅装置50C(図5)の入力端ICに入力する主信号光Sのパワーおよび出力端OCから出力される主信号光Sのパワーをそれぞれ横軸および縦軸にプロットしたグラフである。また、主信号光Sに重畳する励起光R2の強度は、285mW,433mW,571mWの3通りとして、それぞれにおけるプロット曲線を得た。
図7(b)は、集中ラマン増幅装置50Cの内部でレーザ発振が発生していない場合の、増幅された主信号光のスペクトルを示すグラフである。
図7(c)は、集中ラマン増幅装置50Cの内部でレーザ発振が発生している場合の、増幅された主信号光のスペクトルを示すグラフである。
ここで、入力する主信号光Sが位相変調されていない場合は、実線で示される曲線の範囲において、図7(b)(D矢視図)に示すように観測されるスペクトルの形状も良好である。これに対し、破線で示される領域の始点から高強度領域においては、集中ラマン増幅装置50C内で誘導ブリルアン散乱に起因するレーザ発振が発生して、図7(c)(E矢視図)に示すように観測されるスペクトルの形状はノイズを多く含み、信号品質の低下が観測される。
一方、入力する主信号光Sが位相変調されている場合は、図中、破線で示される領域においても図7(b)で示されるような良好な形態のスペクトルが観測される。これにより、主信号光Sを位相変調させることにより、集中ラマン増幅装置50、50Cに入力させる主信号光Sや励起光R2の出力を向上させても信号品質が損なわれることなく主信号光Sを増幅させることができる。
以上、集中ラマン増幅装置50,50Cの効果を確認した実施例について説明したが、分布ラマン増幅装置40についても、記載は省略するが、同等の効果か認められた。
本発明における第一の実施形態である光伝送システムの基本構成を示すブロック図である。 位相変調されていない主信号光Sが光伝送路で誘導ブリルアン散乱したときの後方散乱光の強度を、主信号光Sの入力強度に対して示したグラフである。 ラマン増幅装置の内部におけるレーザ発振の発生原理を示す説明図である。 本発明における第二の実施形態である光伝送システムの基本構成を示すブロック図である。 本発明における他の実施形態である光伝送システムの基本構成を示すブロック図である。 (a)集中ラマン増幅装置における増幅後の主信号光のQファクタを、位相変調周波数に対してプロットした結果を示すグラフである。 (b)位相変調の周波数が1000MHzである場合、受信器において検出される主信号光のスペクトルを示すグラフである。 (c)位相変調の周波数が10Hzである場合、受信器において検出される主信号光のスペクトルを示すグラフである。 (d)位相変調の重畳がない場合、受信器において検出される主信号光のスペクトルを示すグラフである。 (a)集中ラマン増幅装置に出力される主信号光Sのパワーを入力する主信号光Sのパワーに対してプロットした結果を示すグラフである。 (b)集中ラマン増幅装置の内部でレーザ発振が発生していない場合の、増幅された主信号光のスペクトルを示すグラフである。 (c)集中ラマン増幅装置の内部でレーザ発振が発生している場合の、増幅された主信号光のスペクトルを示すグラフである。 従来の光伝送システムを示すブロック図である。
符号の説明
10A,10B,10C 光伝送システム
21 送信器
31 受信器
40 分布ラマン増幅装置(ラマン増幅手段、分布ラマン増幅手段)
41 位相変調器(位相変調手段)
42 励起光源(第一励起光源)
50 集中ラマン増幅装置(ラマン増幅手段、集中ラマン増幅手段)
52 励起光源(第二励起光源)
53 増幅用光導波路
60 光伝送路
S 主信号光
1 励起光(第一励起光)
2 励起光(第二励起光)

Claims (5)

  1. 光伝送路に伝送される主信号光が光増幅して前記主信号光の長距離伝送を可能にする光伝送システムであって、
    前記主信号光を位相変調させる位相変調手段と、
    位相変調された前記主信号光をラマン増幅させるラマン増幅手段と、を備え、
    前記主信号光が前記ラマン増幅手段において光増幅される際、レーザ発振現象が抑制されるように前記位相変調手段が調節されることを特徴とする光伝送システム。
  2. 前記ラマン増幅手段は、
    前記主信号光と重畳して前記光伝送路に伝送すると前記主信号光が光増幅する第一励起光を出力する第一励起光源が前記光伝送路に接続されてなる分布ラマン増幅手段、であることを特徴とする請求項1に記載の光伝送システム。
  3. 前記ラマン増幅手段は、
    前記光伝送路の途中経路に配置される増幅用光導波路と、
    前記主信号光と重畳して前記増幅用光導波路に伝送すると前記主信号光が光増幅する第二励起光を前記増幅用光導波路に出力する第二励起光源と、からなる集中ラマン増幅手段、であることを特徴とする請求項1に記載の光伝送システム。
  4. 光伝送路に伝送する主信号光をラマン増幅させるラマン増幅装置であって、
    前記光伝送路の途中経路に配置して、伝送している前記主信号光を位相変調させる位相変調手段と、
    前記主信号光と重畳して前記光伝送路に伝送すると前記主信号光が光増幅する第一励起光を、位相変調された前記主信号光に重畳して前記伝送路に出力する第一励起光源と、を備え、
    前記主信号光が前記光伝送路において光増幅される際、レーザ発振現象が抑制されるように前記位相変調手段が調節されることを特徴とするラマン増幅装置。
  5. 光伝送路に伝送する主信号光をラマン増幅させるラマン増幅装置であって、
    前記光伝送路の途中経路に配置して、伝送している前記主信号光を位相変調させる位相変調手段と、
    前記光伝送路の途中経路に配置され、位相変調された前記主信号光が伝送する増幅用光導波路と、
    前記主信号光と重畳して前記増幅用光導波路に伝送すると前記主信号光が光増幅する第二励起光を、前記増幅用光導波路に出力する第二励起光源と、を備え、
    前記主信号光が前記増幅用光導波路において光増幅される際、レーザ発振現象が抑制されるように前記位相変調手段が調節されることを特徴とするラマン増幅装置。
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