以下本発明の望ましい実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。
図1は本発明を適用可能なWDMシステムのブロック図である。このシステムは、WDM信号光を出力する送信局2と、WDM信号光を伝送する光ファイバ伝送路4と、伝送されたWDM信号光を受ける受信局6とを備えている。
送信局2は複数の光送信機8(#1〜#5)を有している。各光送信機8は駆動信号を受けるためのターミナル10を有している。各光送信機は、例えばレーザダイオードの直接変調により、或いはレーザダイオードからのCW光(連続波光)を光変調器により変調し、これによりあらかじめ定められた波長を有する信号光を出力する。
光送信機8(#1〜#4)からのステータス信号12はSV回路(監視回路)14へ供給される。ステータス信号は各光送信機8が稼働しているか否かを表すフラグを含んでいる。SV回路14は、稼働中の光送信機8の台数、即ちWDM信号光のチャネル数を含む監視情報を出力する。
SV回路14からの監視情報は光送信機8(#5)のターミナル10に入力され、光送信機8(#5)からは監視情報で変調された波長λSVの信号光が出力される。光送信機8(#1〜#4)はそれぞれのチャネルの伝送データ(主信号)で変調された波長λ1 〜λ4 の信号光を出力する。
各光送信機8からの信号光は、マルチプレクサ(MUX)16で加え合わされて、光ファイバ伝送路4へ送出される。
光ファイバ伝送路4の途中には、2つの光中継器18が設けられている。光中継器18は更に多く設けられていてもよいし、1つ設けられていてもよい。
各光中継器18は、WDM信号光を増幅して出力する光増幅器20と、送信局2から送られてきた監視情報を光増幅器20とやりとりするSV回路(監視回路)22とを有している。光中継器18は、更に、監視情報により変調されている波長λSVの信号光を迂回させてSV回路22へ供給するために、光カプラ24を有しており、SV回路22から出力される更新された信号光(波長λSV)は、光カプラ26により光ファイバ伝送路4へ合流させられる。
受信局6は、光ファイバ伝送路4により伝送されたWDM信号光を分岐するためのデマルチプレクサ(DEMUX)28と、分岐されたWDM信号光に基づき各チャネルの伝送データを復調するための光受信機30(#1〜#4)とを有している。各光受信機30で復調された伝送データはターミナル32から出力される。
図2は光中継器の第1実施形態を示すブロック図である。この光中継器は図1の光中継器18として使用することができる。全図を通して実質的に同一の部分には同一の符号が付される。
光カプラ24により光ファイバ伝送路4から分岐された波長λSVの信号光は、監視情報により変調されている。この信号光は、SV回路22に内蔵されるO/E変換器(光/電気変換器)34に入力され、O/E変換器34の出力信号に基づいて監視情報が再生される。
光カプラ24を通過した波長λj (j=1〜4)のWDM信号光は、光カプラ36で二分岐され、一方の分岐光は光増幅媒体38へ供給される。
光増幅媒体38はポンピング手段40によりポンピングされており、これにより光増幅媒体38はWDM信号光の波長を含む増幅帯域を有するようになっている。
光増幅媒体38としては、希土類元素がドープされたドープファイバ、例えばEDFを用いることができる。この場合、ポンピング手段40は、ドープファイバの第1端及び第2端の少なくともいずれか一方に動作的に接続されドープファイバへポンプ光を供給するポンプ光源を含む。
また、光増幅媒体38として、半導体チップを用いることもできる(半導体光増幅器)。この場合、ポンピング手段40は、チップが有する電極対にポンピング電圧を印加して電流を注入する手段を含む。
以下の説明では、光増幅媒体38はドープファイバであり、ポンピング手段40はポンプ光源を含むものとする。
光増幅媒体38で増幅された信号光は、光カプラ42で2分岐され、一方の分岐光は光カプラ26を通って下流側の光ファイバ伝送路4へ送出される。
光カプラ42で分岐された他方の分岐光は、光帯域通過フィルタ44へ供給される。フィルタ44は、WDM信号光の波長を含む通過帯域を有している。
フィルタ44を通過した光は、O/E変換器46へ供給され、その出力信号はALC回路(自動レベル制御回路)48及びSV回路22へ供給される。
ALC回路48は、O/E変換器46の出力レベルが一定になるように、ポンピング手段40を制御する。具体的には、ポンピング手段40に含まれるポンプ光源がレーザダイオードである場合には、その駆動電流(バイアス電流)が制御される。
SV回路22において再生された監視情報のうち、チャネル数を与える信号SCはSV回路22からALC回路48へ供給される。
ALC回路48が前述したフィードバック制御を行っていることにより、この光増幅器の出力レベルは目標レベルに一致するように安定化されている。この目標レベルは1チャネルあたりの出力パワーが一定になるように設定されるべきである。
従って、目標レベルはWDM信号光のチャネル数に応じて設定すべきである。
この実施形態では、チャネル数を与える信号SCに基づいて、目標レベルが設定される。具体的には次の通りである。
図3は図2のALC回路48の具体例を示すブロック図である。ALC回路48は、O/E変換器46の出力信号(出力電圧)を参照電圧VREF と比較するための演算増幅器56を有している。
O/E変換器46の出力電圧は演算増幅器56のマイナス入力ポートへ供給され、参照電圧VREF はプラス入力ポートへ供給される。演算増幅器56からは両入力ポート間のレベル差に応じた電圧信号が出力される。この電圧信号はV/I変換器58によって電流信号に変換され、ポンピング手段40(図2参照)におけるポンプ光源の例えば駆動電流にフィードバックされる。
参照電圧VREF をチャネル数に応じて設定するために、MPU(マイクロプロセシングユニット)60が用いられている。チャネル数を与える信号SCはI/O回路62を介してMPU60に取り込まれ、ここでの演算結果に基づいて求められた参照電圧VREF がI/O回路62を介して演算増幅器56へ供給される。
MPU60における演算は、例えば、チャネル数を与える信号SCをアドレスとして有するデータテーブルを参照することにより行われる。このデータテーブルは、I/O回路62を介してMPU60に接続されるメモリ64内に記憶されている。
例えば、多いチャネル数を与える信号SCに対しては大きい参照電圧(VREF )が設定され、少ないチャネル数を与える信号SCに対しては小さい参照電圧(VREF )が設定される。
このように本実施形態においては、送信局(図1参照)で稼働している光送信機8のチャネル数に応じてALCにおける目標値を設定するようにしているので、チャネル数の増減に係わらず光増幅器から出力される1チャネル当たりのパワーを一定に保つことができる。従って、図2のような光中継器を用いることによって、図1のWDMシステムをWDMにおけるチャネル数の増減に容易に対応可能にすることができる。
再び図2を参照して、SV回路22のさらなる機能を説明する。光カプラ36で分岐された他方の分岐光は、WDM信号光の波長を含む通過帯域を有する光帯域通過フィルタ50へ供給される。
フィルタ50から出力された光はO/E変換器52に入力され、その出力信号はSV回路22へ供給される。
出力側のO/E変換器46の出力信号もSV回路22へ供給されている。従って、SV回路22においては、この光増幅器の入力光及び出力光のレベル並びに利得が得られることになる。
そこで、このような情報を付加することにより、送信局2から送られてきた監視情報を更新して、この更新された監視情報を下流側の他の光中継器18又は受信局6へ送るのである。
更新された監視情報は、SV回路22に内蔵されるE/O変換器54によって波長λSVの信号光に変換され、この信号光は光カプラ26により光ファイバ伝送路4へ送り出される。
図4は本発明を適用可能な他のWDMシステムのブロック図である。このシステムは、WDM信号光を出力する送信局66と、WDM信号光を伝送する光ファイバ伝送路4と、伝送されたWDM信号光を受ける受信局6とを備えている。
光ファイバ伝送路4の途中には、2つの光中継器68が設けられている。光中継器68は更に多くあってもよいし、1つでもよい。
各光中継器68は、光増幅器70と、監視情報を直接光増幅器70とやりとりするSV回路72とを有している。
図1のシステムにおいて監視情報を主に送るための光送信機8(#5)は、この実施形態では使用されていない。即ち、送信局66が有する光送信機8(#1〜#4)は、それぞれ波長λ1 〜λ4 の伝送データにより変調された信号光を出力可能である。
各光送信機8の稼働状態を表すステータス信号はSV回路74へ供給される。SV回路74は、WDM信号光のチャネル数を含む監視情報に基づいてトーン信号を生成する。このトーン信号は主信号(各光送信機8における伝送データ)よりも十分低い周波数を有している。
トーン信号はSV回路74からローパスフィルタ76を介して光送信機8(#4)へ供給される。そして、このトーン信号は、ターミナル10から光送信機8(#4)へ供給される変調信号(伝送データ)に重畳される。
図5を参照すると、トーン信号の波形図が示されている。WDM信号光の1つに、主信号78よりも十分低速なトーン信号80が重畳されている。トーン信号80は、低周波数のトーン成分をサブキャリアとして監視情報に基づいた変調を行うことにより得ることができる。トーン成分の周波数は、各周波数成分が光増幅器で減衰しないように、例えば1KHz乃至1MHzに設定される。
図6を参照すると光中継器の第2実施形態を示すブロック図が示されている。この光中継器は図4の光中継器68として用いることができる。
この光中継器は、ALC回路48を含むフィードバックループを有している。このループは図2に示されるのと同じであるので、その説明を省略する。
上流側の光伝送路4から供給されたWDM信号光は、光カプラ82で2分岐される。一方の分岐光は光増幅媒体38へ供給される。光増幅媒体38において増幅されたWDM信号光は、光カプラ42を通って下流側の光ファイバ伝送路4へ送出される。
光カプラ82で分岐された他方の分岐光は、光帯域通過フィルタ84へ供給される。フィルタ84はWDM信号光の波長を含む通過帯域を有している。
フィルタ84から出力された光はO/E変換器86へ供給される。O/E変換器86の出力信号は、帯域通過フィルタ88へ供給される。
フィルタ88はトーン信号のキャリア周波数を含む通過帯域を有している。従って、フィルタ88によりトーン信号が抽出され、このトーン信号はSV回路90へ供給される。
SV回路90ではトーン信号に基づいて監視情報が再生され、この監視情報に基づいて得られるチャネル数を与える信号SCがSV回路90からALC回路48へ供給される。
ALC回路48においては、チャネル数を与える信号SCに基づいて参照電圧VREF (図3参照)が設定され、これによりチャネル数の増減に係わらずチャネルあたりの光出力パワーを一定に保つことができる。
図4のシステムでは、光送信機8(#4)が出力する波長λ4 の信号光だけにトーン信号が重畳されているとしたが、WDM信号光の全チャネルにトーン信号が重畳されていてもよい。この場合、光マルチプレクサ16と光伝送路4との間に光変調器が設けられ、これによりトーン信号がWDM信号光に重畳される。
例えば、トーン信号の周波数により稼働チャネル数を伝送することができる。即ち、1チャネルのみが稼働しているときには、10KHzのトーン信号を重畳し、2チャネルが稼働しているときには、11KHzのトーン信号を重畳し、3チャネルが稼働しているときには12KHzのトーン信号を重畳し、…、トーン信号の周波数により稼働チャネル数を検知するのである。
また、各チャネルにトーン信号の周波数を割り当てておき、波長分割多重を行う前に各チャネルに対して各トーン信号を重畳するようにしてもよい。この場合、トーン信号の周波数成分の数に基づいて稼働チャネル数を検知することができる。
図7は本発明を適用可能な更に他のWDMシステムのブロック図である。このシステムは、WDM信号光を出力する送信局92と、WDM信号光を伝送する光ファイバ伝送路4と、伝送されたWDM信号光を受ける受信局6とを備えている。
光ファイバ伝送路4の途中には2つの光中継器94が設けられている。光中継器94は更に多くあってもよいし、1つであってもよい。
各光中継器94は、WDM信号光を増幅する光増幅器96と、光増幅器96の出力レベルが目標レベルに一致するように制御するALC回路100とを有している。
光増幅器96から出力されたWDM信号光の一部は、光カプラ98により分岐され、その分岐光のパワーが一定になるようにALC回路100が光増幅器96を制御する。
送信局92は、波長が異なる信号光をそれぞれ生成することができる5つの光送信機8(#1〜#5)と、信号光を波長分割多重してWDM信号光とする光マルチプレクサ16とを有している。
この実施形態では、3つの光送信機8(#1〜#3)は運用されており、残りの光送信機8(#4,#5)は運用されていない。
即ち、光送信機8(#1〜#3)の各々の駆動端子10には主信号に対応するパルス信号が供給されており、光送信機8(#4,#5)の駆動端子10にはDCのバイアスが供給されている。
これにより、光送信機8(#1〜#3)が出力する信号光はそれぞれ主信号により変調されたものとなり、光送信機(#4,#5)が出力する光はCW光(連続波光)となる。
このように運用されていない光送信機8(#4,#5)が主信号に関係のないCW光を出力するようにしているのは、各光中継器94へ供給されるWDM信号光のトータルパワーを一定にするためである。トータルパワーが一定であると、各光中継器94においてALC回路100の目標レベルを運用チャネル数に係わらず一定にすることができる。
従って、この実施形態によると、各光中継器94においてALCの目標レベルの変更が不要になるので、ALC回路を簡単にすることができる。
尚、ALC回路100の制御対象は、光増幅器96がEDFAである場合には、EDFへ供給されるポンプ光のパワーとすることができる。ゲインチルトの制御のためにポンプ光のパワーが用いられている場合には、ALC回路100の制御対象は、光増幅器96の上流側あるいは下流側に設けられる光アッテネータの減衰率であってもよい。
図8は光中継器の第3実施形態を示すブロック図である。この光中継器は図4のWDMシステムにおける光中継器68に代えて用いることができる。
この光中継器は、ALCのためのフィードバックループを有している。このループに含まれるALC回路102は、光増幅器の出力レベルが目標レベルに一致するようにポンピング手段40におけるポンプ光のパワーを制御する。そしてその目標レベルは、この実施形態ではWDM信号光のチャネル数に係わらず一定である。
そのために、増幅帯域に含まれるがWDM信号光の波長とは異なる波長を有する補償光を出力する補償光源104が用いられる。光カプラ82で分岐された一方の分岐光と、光源104からの補償光とが光カプラ106で加え合わされて、光増幅媒体38へ供給される。
光カプラ82で分岐された他方の分岐光は、WDM信号光の波長を含む通過帯域を有する光帯域通過フィルタ84へ供給される。フィルタ84から出力された光は、O/E変換器86へ供給される。
O/Eコンバータ86の出力信号は、図4のシステムで説明したように、監視情報により変調されたトーン信号を含んでいる。このトーン信号は帯域通過フィルタ88により抽出されてSV回路108へ供給される。
SV回路108は、監視情報の再生により判明したWDM信号光のチャネル数に基づいて、補償光源104が出力する補償光のパワーを制御して、ALC回路102における目標レベルが運用チャネル数に係わらず一定になるようにする。
このように本実施形態ではWDM信号光の他に補償光が光増幅媒体38へ供給されるようにしているので、この補償光のパワーを運用チャネル数に応じて設定することにより、ALC回路102における目標レベルの変更が不要になる。
図9は光中継器の第4実施形態を示すブロック図である。この光中継器は図4の光中継器68に代えて同図のWDMシステムに適用可能である。
この光中継器は、図8と同様のALC回路102を含むフィードバックループの他にもう1つのフィードバックループが設けられている。
光源104からの補償光は、光カプラ106においてWDM信号光に加えられ、光カプラ106の出力光は光カプラ110を通って光増幅媒体38へ供給される。
光カプラ110においては、WDM信号光及び補償光の一部が分岐され、分岐光は光帯域通過フィルタ112へ供給される。フィルタ112はWDM信号光の波長及び補償光の波長を含む通過帯域を有している。
フィルタ112の出力光はO/E変換器114に入力する。SV回路116は、O/E変換器114の出力レベルが一定になるように補償光のパワーを制御する。
光増幅媒体38へ供給されるWDM信号光及び補償光のトータルパワーはO/E変換器114の出力レベルに反映される。従って、このようなフィードバックループを光増幅媒体38の上流側に設けておくことによって、光増幅媒体38へ供給されるWDM信号光及び補償光のトータルパワーを一定に保つことができる。トータルパワーが一定に保たれると、WDM信号光のチャネル数に係わらずALC回路102における目標レベルが一定になり、ALC回路102を簡単に構成することができる。
SV回路116を含むフィードバックループを設けたことにより、この実施形態ではWDM信号光のチャネル数に関する情報をこの光中継器が受ける必要がない。従って、図9の光中継器が適用される場合には、図4の送信局66におけるSV回路74はなくてもよい。
尚、図8及び図9の光中継器においては、ALC回路102がポンピング手段40におけるポンプ光のパワーを制御するようにしているが、ポンプ光のパワーがゲインチルトの制御のために用いられている場合には、光増幅媒体38の上流側又は下流側に設けられる図示しない光アッテネータの減衰率をALC回路102が制御するようにしてもよい。
図10は本発明の光増幅器の第1の基本構成を示すブロック図である。この光増幅器は、これまでに説明した光中継器に含まれる光増幅器と同様光増幅媒体38及びポンピング手段40を有している。
ポンピングされている光増幅媒体38の第1端38Aに信号光が供給されると、光増幅媒体38の第2端38Bからは増幅された信号光132が出力される。
このように光増幅媒体38が増幅帯域を有するようにポンピングが行われている状態にあっては、光増幅媒体38内においてはASE光(増幅された自然放出光)が発生する。ASE光は信号光と同方向に第2端38Bから出力されるだけでなく、信号光とは逆方向に第1端38Aからも出力される。
この信号光とは逆方向に伝搬するASE光134はASE抽出手段136により抽出される。抽出されたASE光に基づいて、モニタリング手段138がASE光のパワーの波長依存性を与えるスペクトル特性をモニタリングする。
そして、このモニタリングされたスペクトル特性が維持されるように、光増幅媒体38における増幅帯域のゲインチルトが依存するパラメータ(或いはゲインそのもの)がパラメータ制御手段140によって制御される。
光増幅媒体38としては、EDF等の希土類元素がドープされたドープファイバを用いることができる。また、半導体チップからなる光増幅媒体38を用いることもできる(半導体光増幅器)。この場合、ポンピング手段40は、媒体へ電流を注入する手段を含む。具体的には、半導体光増幅器の電極対にポンピング電圧が印加される。
ドープファイバに適したポンピング手段40は、ポンプ光を出力するポンプ光源と、光増幅媒体38の第1端38A及び第2端38Bの少なくともいずれか一方に動作的に接続されポンプ光を光増幅媒体38へ供給する光結合手段とを含む。
本明細書において、光学部品同士が「動作的に接続される」というのは、ファイバ接続或いはコリメートビームを用いた空間接続により直接接続される場合を含み、更に光フィルタ等の他の光学部品を介して接続される場合を含む。
ポンピング手段40がポンプ光源を含む場合には、パラメータ制御手段140の制御対象となるパラメータとしては、ポンプ光のパワーを採用することができる。
この場合、増幅された信号光132のパワー(光増幅器のトータル利得)を一定にするためのALCのフィードバックループにポンプ光源を含ませることができないので、ALCを行うためには、減衰率可変の光アッテネータを含むフィードバックループを設けるとよい。
光増幅媒体38の増幅帯域に含まれる波長を有する補償光を光増幅媒体38へ供給する補償光源142をこの光増幅器が有している場合には、パラメータ制御手段140の制御対象となるパラメータは、補償光のパワーであってもよい。この場合、ポンプ光源をALCのためのフィードバックループに含ませることができる。尚、補償光の波長は信号光の波長とは異なるように設定される。
この光増幅器をWDMシステムに適用する場合には、WDM信号光が第1端38Aから光増幅媒体38へ供給される。
ASE光134のスペクトル特性には、光増幅媒体38の利得特性、即ちゲインチルトが反映される。このASE光134は光増幅媒体38において信号光と逆方向に伝搬するので、そのスペクトル特性は原理的にはWDM信号光のチャネル数、入力レベル、累積ASEの影響は受けない。
従って、ASE光134のスペクトル特性が維持されるように、ゲインチルトが依存するパラメータを制御することによって、容易に一定のゲインチルトを得ることができる。スペクトル特性のモニタリング方法の具体例については後述する。
図10の光増幅器の第1の基本構成は、望ましくは、光増幅媒体38の第2端38Bに動作的に接続される光帯域通過フィルタ143を有している。フィルタ143の有効性について以下に説明する。
光増幅媒体38において信号光と同じ方向に伝搬するフォワードASEのスペクトル特性は、信号光の入力レベル及び累積ASEの影響を受けるのに対して、光増幅媒体38において信号光と逆方向に伝搬するバックワードASEのスペクトル特性は、原理的にはこれらの影響を受けない。
しかし、現実的には、光増幅媒体38の出力側に反射が僅かでもあると、累積ASEが反射され、この反射した累積ASEが光増幅媒体38において増幅されてバックワードASEに混入することがある。そこで、バックワードASEへの累積ASEの混入が問題になる場合には、適切な通過帯域を有する光帯域通過フィルタ143を用いるのである。
図11の(A)を参照すると、光帯域通過フィルタ143の望ましい通過帯域が示されている。通過帯域の最短波長λL はWDM信号光の最短波長よりも僅かに短く設定され、通過帯域の最長波長λH はWDM信号光の最長波長よりも僅かに長く設定されている。これにより、累積ASEのパワーを有効に小さくすることができる。
図10のモニタリング手段138は、望ましくは、それぞれ別の通過帯域を有する2つの光帯域通過フィルタを有している(例えば図14のスペクトルモニタの光帯域通過フィルタ170及び172)。
この場合、図11の(B)に示されるように、一方のフィルタの通過帯域の最短波長及び最長波長をそれぞれλL −Δλ及びλL に設定し、他方のフィルタの通過帯域の最短波長及び最長波長をそれぞれλH 及びλH +Δλに設定する。こうすることにより、累積ASEの反射成分がバックワードASEに混入したとしても、モニタリングの結果にその影響は出ない。
図12は本発明の光増幅器の第1実施形態を示すブロック図である。増幅すべき信号光は、光カプラ144を通って光増幅媒体38へその第1端38Aから供給される。
光増幅媒体38内において信号光と逆方向に伝搬するASE光は、光カプラ144により抽出される。抽出されたASE光はスペクトルモニタ146へ供給される。光カプラ144としては、ファイバ融着型の光カプラ、その特殊な形態としてのWDMカプラ、或いは光サーキュレータを用いることができる。
光増幅媒体(例えばドープファイバ)38をポンピングするために、ポンプ光源としてのレーザダイオード148が用いられている。レーザダイオード148から出力されたポンプ光は、光増幅媒体38の第2端38Bに接続された光カプラ150を通って光増幅媒体38へ供給される。
レーザダイオード148には駆動回路152によってバイアス電流が与えられている。ポンプ光のパワーはバイアス電流により制御することができる。
スペクトルモニタ146によってモニタリングされたASE光のスペクトル特性は制御回路154へ供給される。制御回路154は、スペクトルモニタ146からのスペクトル特性が維持されるように、駆動回路152がレーザダイオード148へ供給するバイアス電流を制御する。
この実施形態では、ポンプ光を出力するレーザダイオード148のバイアス電流がゲインチルトを維持するためのフィードバックループに含まれているので、レーザダイオード148のバイアス電流によりALCを行うことができない。
そこで、光増幅媒体38の第2端38Bから光カプラ150を通って出力される増幅された信号光を光アッテネータ156に入力する。光アッテネータ156の減衰率は可変である。
光アッテネータ156から出力された光は光カプラ158により2分岐され、一方の分岐光は図示しない光伝送路へ送出される。
光カプラ158における他方の分岐光は、信号光の波長を含む通過帯域を有する光帯域通過フィルタ160へ供給される。フィルタ160の出力光はO/Eコンバータ162により電気信号に変換され、ALC回路164がO/E変換器162の出力レベルが一定になるように光アッテネータ156の減衰率を制御する。
図13は図12の光増幅器におけるゲインチルトの一例を説明するための図である。波長1548,1551,1554及び1557nmの4チャネルのWDM信号光を同じ入力パワー(−35dBm/ch)でEDFへ入力したときの出力光のスペクトルが示されている。
縦軸は出力パワー(dBm)であり、横軸は波長(nm)である。
Aで示されるスペクトルはポンプ光のパワーが比較的大きいときに対応しており、負のゲインチルトが生じている。即ち、ゲインの波長微分は負である(dG/dλ<0)。
Cで示されるスペクトルはポンプ光のパワーが比較的小さいときに対応しており、正のゲインチルトが得られている(dG/dλ>0)。
Bで示されるスペクトルはゲインチルトを生じさせないための最適なポンプ光パワーに対応しており、ゲインの波長微分は0である(dG/dλ=0)。
いずれのスペクトルも、ASE光のスペクトルに各チャネルの信号光に対応する4つの鋭いスペクトルが重畳された形状を有している。
図12の光増幅器では、光増幅媒体38の第1端38Aから出力されるASE光を抽出しているので、そのスペクトルにはWDM信号光のスペクトルが重畳されていない。従って、スペクトルモニタ146はWDM信号光のパワーに影響されずにASE光のスペクトルを高精度にモニタリングすることができる。
以下、このような信号光とは逆方向に伝搬するASE光をバックワードASE光と称する。
バックワードASE光のパワーをPASE (λ)とすると、その値は次式で与えられ、波長λの関数になる。
PASE (λ0 )=2nsp(λ0 )h(C/λ0 )〔G(λ0 )−1〕Δλ…(1)
ここで、nsp(λ0 )は自然放出光係数、hはプランク定数、Cは真空中での光速、λ0 はモニタリングする帯域の中心波長、Δλはモニタする帯域の帯域幅である。ここで、通常、各パラメータの波長依存性はΔλの範囲ではほぼ一定なのでλ0 を代表値とした。
自然放出光係数nsp(λ0 )は波長依存性を有しており、この波長依存性に対処してモニタ精度を高める方法については後述する。
また、(1)式中G(λ0 )は波長の関数として与えられる利得を表している。このように、バックワードASE光のスペクトルには利得特性(利得の波長依存性)が反映されることとなる。
従って、増幅帯域に含まれる2つ或いはそれ以上の狭い帯域を切り出して、それらのパワーを別々に検出し、検出値の偏差を求めることにより、利得特性を評価することができる。
具体的には、図12のスペクトルモニタ146は、バックワードASE光を第1及び第2の分岐光に分岐する手段と、第1の分岐光を受け増幅帯域に含まれる狭い第1の通過帯域を有する第1の光帯域通過フィルタと、第2の分岐光を受け増幅帯域に含まれるが第1の通過帯域とは異なる狭い第2の通過帯域を有する第2の光帯域通過フィルタと、第1及び第2の光帯域通過フィルタを通過した光がそれぞれ供給される第1及び第2のフォトディテクタと、第1及び第2のフォトディテクタの出力レベルの偏差を検出する手段とを備える。更に具体的には次の通りである。
図14は図12のスペクトルモニタ146の構成例を示すブロック図である。光増幅媒体38(図12参照)で生じたバックワードASE光は、光アイソレータ166を通って光カプラ168へ供給される。バックワードASEモニタ系からの反射が小さければ光アイソレータ166は不要である。光カプラ168は受けたバックワードASE光を第1及び第2の分岐光に分岐する。第1及び第2の分岐光の分岐比は例えば1:1である。
第1及び第2の分岐光はそれぞれ光帯域通過フィルタ170及び172へ供給される。
図13に示されるようなASE光のスペクトルとほぼ同様のスペクトルをバックワードASE光が有している場合、フィルタ170及び172の通過帯域の中心波長は例えばそれぞれ1541nm及び1559nmに設定される。
フィルタ170及び172を通過した光はそれぞれフォトダイオード174及び176へ供給される。
フォトダイオード174及び176の出力信号は電流信号であるので、フォトダイオード174及び176にそれぞれ対応してI/V変換器(電流/電圧変換器)178及び180が用いられる。
変換器178及び180の出力電圧信号はそれぞれ演算増幅器182のマイナス入力ポート及びプラス入力ポートに供給される。その結果、演算増幅器182の出力信号には、フォトダイオード174及び176の出力レベルの偏差が反映される。
従って、演算増幅器182の出力信号をレーザダイオード148(図12参照)のバイアス電流にフィードバックさせることによって、光増幅媒体38において生じるバックワードASE光のスペクトル特性を維持することができ、その結果、ゲインチルトを一定に保つことができる。フィードバックループにおける偏差の目標値を適切に設定することにより、例えば図13においてBで示されるようにゲインチルトをフラットにすることができる。
図15を参照すると、本発明に適用可能な他のスペクトルモニタが示されている。ここでは、I/V変換器178及び180の出力信号は、I/Oポート184を介してMPU(マイクロプロセシングユニット)186に取り込まれる。
MPU186はI/Oポート184を介してメモリ188に接続されている。MPU186は、変換器178及び180の出力レベルを受けてその偏差を算出してI/Oポート184を介して出力する。
前述した通り、(1)式における自然放出光係数nsp(λ0 )は波長依存性を有している、即ち、モニタする波長λ0 に依存する。従って、より高いモニタリング精度が要求される場合には、波長をパラメータとした自然放出光係数nsp(λ0 )のデータテーブルをメモリ188に記憶しておき、それに基づいて正確なスペクトル特性を得るようにすればよい。例えば偏差の算出値に基づいて、利得G(λ)を正確に算出することができる。
図14又は図15に示されるスペクトルモニタにおいては、増幅帯域から切り出す狭い帯域が2つ(第1及び第2の通過帯域)であるとしたが、3つ以上の光帯域通過フィルタを用いてその数に応じた数の狭い帯域を増幅帯域から切り出すようにしてもよい。こうすることにより、例えばMPU186で算出されるバックワード光のスペクトル特性の精度を高めることができる。
図16は本発明の光増幅器の第2実施形態を示すブロック図である。この光増幅器は、図12の光増幅器と対比して、ALCのための光アッテネータ156′が光増幅媒体38の上流側に設けられている点で特徴付けられる。
即ち、増幅された信号光を減衰させるのではなく、光増幅媒体38へその第1端38Aから入力する信号光をあらかじめ減衰させるのである。光アッテネータ156′の減衰率は、この光増幅器の出力レベルに対応するO/E変換器162の出力レベルが一定になるように、ALC回路164によって制御される。
図12又は図16の光増幅器によると、一定のゲインチルトを維持することができるようになり、しかもALCも可能になる。
図17は本発明の光増幅器の第3実施形態を示すブロック図である。ここでは、補償光を光増幅媒体38へ供給する光源が用いられており、バックワードASE光のスペクトル特性が維持されるように補償光のパワーが制御される。これに伴って、ポンプ光のパワーはALCに供される。
補償光源としてレーザダイオード190が用いられる。レーザダイオード190からの補償光は、光カプラ192を通って光増幅媒体38へその第1端38Aから供給される。
増幅すべき信号光は、バックワードASE光を抽出するための光カプラ144と補償光のための光カプラ192とをこの順に通って光増幅媒体38へその第1端38Aから供給される。
光増幅媒体38において生じたバックワードASE光は、光カプラ192及び144をこの順に通ってスペクトルモニタ146へ供給される。
レーザダイオード190には駆動回路194からバイアス電流が供給されており、このバイアス電流が制御回路154によって制御される。
制御回路154は、スペクトルモニタ146でモニタリングされたバックワードASE光のスペクトル特性が維持されるように、レーザダイオード190のバイアス電流を制御する。これによりレーザダイオード190が出力する補償光のパワーが制御され、この光増幅器の利得特性が一定に維持される。
この実施形態では、利得特性を一定に維持するための制御にポンプ光のパワーを用いていないので、ALCのためのフィードバックループにポンプ光源を含ませることができる。補償光をスペクトル特性の維持で使用するので、この場合は光フィルタ160で補償光を除去した後にO/E変換器162でO/E変換する。ポンプ光源としてのレーザダイオード148には駆動回路152からバイアス電流が供給されており、このバイアス電流がALC回路164によって制御される。
このようにして、第3実施形態によっても、一定のゲインチルトを維持することができ且つALCが可能な光増幅器の提供が可能になる。しかも、第3実施形態では、ALCのための光アッテネータが不要である。
以上説明した光増幅器の実施形態では、ポンプ光源としてのレーザダイオード148が光増幅媒体38の第2端38Bに動作的に接続されて、光増幅媒体38においてポンプ光が信号光とは逆方向に伝搬するようにされている。即ちバックワードポンピングが採用されている。
ポンプ光源を光増幅媒体38の第1端38Aに動作的に接続して、光増幅媒体38においてポンプ光及び増幅すべき信号光が同方向に伝搬するようにして、フォワードポンピングを行うようにしてもよい。
また、ポンプ光が光増幅媒体38へその第1端38A及び第2端38Bの双方から供給されるようにし、ポンピング効率を高めるようにしてもよい。
図18は本発明の光増幅器の第4実施形態を示すブロック図である。ここでは、スペクトルモニタ146におけるバックワードASE光のスペクトル特性のモニタリング精度を高めるために、光増幅媒体38の第2端38Bに動作的に接続される反射鏡196及び198を設けている。
スペクトルモニタ146が図14のように構成されている場合、反射鏡196は光帯域通過フィルタ170の通過帯域に含まれる波長の光を反射させ、それ以外の光を透過させる。また、反射鏡198は、光帯域通過フィルタ172の通過帯域に含まれる波長の光を反射させ、それ以外の光を透過させる。
このような反射鏡196及び198を設けておくことによって、光増幅媒体38の第2端38Bから出力されるフォワードASE光のうち特定帯域の光を光増幅媒体38内で往復させることができるので、図14のフォトダイオード174及び176の入力パワーが増大し、スペクトルのモニタリング精度が向上する。
尚、ASE光のスペクトルから切り出される狭い帯域が3以上である場合には、その数に応じた数の反射鏡が用いられる。
ところで、EDF等のドープファイバにおいては、その側方にSE光(自然放出光)が漏れ出し、SE光にはドープファイバにおける利得特性が反映される。また、側方に漏れ出すSE光は、WDM信号光のチャネル数、入力レベル数及び累積ASEの影響を受けない。このことは、Aida et al. によって1991年の国際会議(Optical Amplifiers and their Applications; OAA)で報告されており(FE3) 、ドープファイバ側面からのSE光をファイバ長Lに渡って積分した値PSE(λ)から利得G(λ)が以下の式より求まることが明らかとなっている。
PSE(λ)=〔ln[G(λ)]+αS (λ)L〕/C(λ)…(2)
C(λ)=η(λ)〔σe (λ)+σa (λ)〕τ/〔h(C/λ)π(γEr)2 〕…(3)
ここでσe (λ),σa (λ),αS (λ)はそれぞれ、放射断面積、吸収断面積、波長λでの損失であり、τ,γErは自然放出光寿命及びEr がドープされた領域の半径を表している。また、η(λ)は波長依存性を有する係数である。
従って、側方に漏れ出すSE光のスペクトル特性をモニタリングすることによって、利得特性(ゲインチルト)を把握することができる。
図19は本発明の光増幅器の第2の基本構成を示すブロック図である。光増幅媒体38は信号光が供給される光導波構造を有している。ポンピング手段40は光増幅媒体38が信号光の波長を含む増幅帯域を有するように光増幅媒体38をポンピングする。
SE抽出手段200は、光増幅媒体38の光導波構造からその側方に漏れ出すSE光を抽出する。モニタリング手段138は、抽出されたSE光のパワーの波長依存性を与えるスペクトル特性をモニタリングする。
パラメータ制御手段140は、モニタリングされたスペクトル特性が維持されるように、光増幅媒体38における増幅帯域のゲインチルトが依存するパラメータ(或いはゲインそのもの)を制御する。
図示された例では、制御対象となるパラメータはポンピング手段40におけるポンプ光のパワーである。
図11に示されるのと同じように、パラメータ制御手段140が補償光のパワーを制御するようにしてもよい。
図20は図19のSE抽出手段200及びモニタリング手段138として用いることができるスペクトルモニタの構成図である。
光増幅媒体38(図19参照)としてEDF202が用いられている。EDF202をポンピングする手段の図示は省略されている。
EDF202は、外部から光が入らないように構成される積分球等のケース204内に収容されている。EDF202の被覆は部分的に除去されており、そこからSE光が側方に漏れ出す。
SE光は光バンドパスフィルタ206及び208へ供給される。
フィルタ206及び208はそれぞれ図15の光バンドパスフィルタ170及び172と同じような通過帯域を有している。
フィルタ206及び208を透過した光はそれぞれフォトダイオード210及び212により電流信号に変換される。それぞれの電流信号は、I/V変換器214及び216により電圧信号に変換され、演算増幅器218へ供給される。
SE光のスペクトルには、前述したように光増幅器の利得特性が反映されるので、モニタリングされたSE光のスペクトル特性に基づいて例えばポンプ光のパワーを制御することによって、光増幅器のゲインチルトを一定に維持することができる。
図20のスペクトルモニタを図15の構成に準じて変更することができる。即ち、スペクトル特性のモニタリングにMPUを用いるのである。
この場合、(2)式及び(3)式におけるC(λ),αs Lをメモリに記憶しておくことによって、スペクトル特性のモニタリング精度を高めることができる。尚、SE光のスペクトルにおいて切り出される狭い帯域の数を3以上にして、各帯域における光パワーを検出し、それに基づいて各種制御を行うようにしてもよい。
図21は本発明の光増幅器の第3の基本構成を示すブロック図である。この光増幅器は、第1の光増幅ユニット220と第2の光増幅ユニット222とをカスケード接続して構成される。
光増幅ユニット220及び222は、それぞれ、図11に示される第1の基本構成を有している。
第1の光増幅ユニット220で増幅された光は、減衰率が可変な光アッテネータ224により減衰させられて、分散補償ファイバ(DCF)226により第2の光増幅ユニット222へ送られる。
DCF226は、伝送路において信号光が受けた色分散を相殺するような分散値を有している。
第2の光増幅ユニット222から出力された光は、光カプラ228で分岐され、一方の分岐光は図示しない光伝送路へ送出される。
光カプラ228における他方の分岐光は、O/E変換器230により電気信号に変換される。
ALC回路232はO/E変換器230の出力レベルが一定に保たれるように光アッテネータ224の減衰率を制御する。
この実施形態において、光増幅ユニットを2段構成にしている第1の理由は、一般にDCFの損失は大きく、DCF226の上流側において信号光のレベルをある程度まで引き上げておく必要があるからである。
第2の理由は、DCF226の上流側における光増幅の利得をあまり大きくし過ぎて信号光のパワーが大きくなると、DCF226において非線形効果が生じやすくなるところにある。
WDMが適用されているシステムにおいて、DCF226で非線形効果の1つである四光波混合(FWM)が生じると、チャネル間クロストークが悪くなる。また、自己位相変調(SPM)も信号品質の劣化を招く。
第3の基本構成によると、一定のゲインチルトを維持することができ且つALCが可能な光増幅器の提供が可能になる。