JP2005133732A - 緩衝装置 - Google Patents

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Hisanobu Niwa
久信 丹羽
Akiichi Kitagawa
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Abstract

【課題】 磁気バネのバネ力の変動を防止した緩衝装置を提供すること。
【解決手段】 可動軸11が筒状のボディ10内に挿入され、そのボディ10と可動軸11とに磁気バネ20を構成する永久磁石21,22がそれぞれに取り付けられ、その可動軸11を軸方向に押し当てることにより受ける反力を磁気バネ20のバネ力によって吸収するようにしたものであって、ボディ10には、磁気バネ20を構成する固定側永久磁石21を軸方向に挟んで静圧軸受15,16が設けられ、可動軸11がその静圧軸受15,16によってフローティング状態で保持されるようにした緩衝装置1。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば微細で脆弱な電子部品などの移送対象物を吸着搬送する場合、吸着パッドが押し当てられる移送対象物に生じる衝撃を吸収するため、磁気バネのバネ力を利用した緩衝装置であって、特に、そのバネ力の変動を回避した緩衝装置に関する。
微細で脆弱な電子部品などの移送には、従来から、吸着パッドが取り付けられた緩衝装置を吸着保持手段として構成し、これを上下動アクチュエータ等の装置に取り付け、吸着パッドを電子部品などの移送対象物に押し当て吸着保持した後に移送させる方法が知られている。このときに用いられる緩衝装置には、例えば本出願人が提案した特開2002−172578号公報に記載された発明、すなわち磁気バネを利用した緩衝装置を挙げることができる。図5及び図6は、当該公報に記載された緩衝装置を示した断面図であり、図5は通常の状態を示し、図6は緩衝時の状態を示している。
緩衝装置100は、円筒状のボディ110の内周面に円筒状の永久磁石121が設けられ、その永久磁石121は、両端に配置されたスベリ軸受123,124によって位置決めされている。そして、ボディ110内には、スベリ軸受123,124に支えられて摺動可能な可動軸111が挿入されている。可動軸111は、その中心に吸込流路131となる貫通孔をもった筒形状をしたものであり、外周面側には、円筒状の永久磁石122がはめ込まれている。更に、可動軸111は、ガイドチューブ125が被せられ、このガイドチューブ125がスベリ軸受123,124を摺動して軸方向に移動するよう構成されている。
ボディ110に固定された永久磁石121と可動軸111に固定された永久磁石122とは、軸方向の寸法が同一で、常に異なる磁極同士が吸引し合う磁気バネ120を構成している。この緩衝装置100では、図1に示すように永久磁石121,122が軸方向にずれ、可動軸111に取り付けたストッパ112がスベリ軸受123に当たって、常に可動軸111が突き出す方向(図面下方)に吸引力が作用している。
ボディ110には、可動軸111が突き出した反対側にポートブロック113が嵌合し、ネジ止めして固定されている。そのポートブロック113には真空ポート132が穿設され、更に、その真空ポート132には接続パイプ133が固定され、ボディ110内に突き出している。そして、その接続パイプ133は、可動軸111に形成された吸込流路131の拡張部分134に入り込んでいる。
緩衝装置100は、通常、図1に示すように永久磁石121,122の間に働く磁力の吸引力によって可動軸111が下方に突き出している。そして、緩衝装置100全体が下降して可動軸111先端の吸着パッド200が移送対象物に押し当てられると、反力によって可動軸111が押し上げられる一方、その可動軸111には磁気バネ120によってそれを引き戻そうとするバネ力が作用している。そのため、上下動アクチュエータの作動力は、この磁気バネ120のバネ力によって吸収され、吸着パッド200が押し当てられた移送対象物に対する衝撃が緩和される。特に、磁気バネ120は、コイルスプリングなどとは異なり可動軸111のストロークに関係なくほぼ一定のバネ力を得ることができるので、上下動アクチュエータによる作動に関係なく、移送対象物には吸着パッド200が一定の力で押し当てられることになる。
そして、このように吸着パッド200が移送対象物に押し当てられるとき、ポートブロック113の真空ポート132に接続された不図示の真空ポンプが作動して真空引きが行われる。真空引きが行われると、空着パッドの吸着面と移送対象物との間の空気が引かれて吸込流路131に入り、拡張部134に入った接続パイプ133から真空ポート132を通って流れる。そのため、吸着パッド200が押し当てられた移送対象物は吸着面201に吸着し、緩衝装置100の移動によって搬送される。
特開2002−172578号公報(第5−8頁、図1−2)
しかしながら、こうした従来の緩衝装置100では、可動軸111のストロークに関係なくほぼ一定のバネ力が得られるとした、磁気バネ120の当該効果を有効に発揮できるものではなかった。
すなわち、緩衝装置100は可動軸111がスベリ軸受123,124によって支持されているので、磁気バネ120のバネ力が作用する可動軸111の移動時には必ず摺動抵抗が働いてしまう。そのため、磁気バネ120による押圧力が、その摺動抵抗によって変動してしまう。
また、緩衝装置100は、可動軸111の移動方向に沿って形成された流路131〜134を介して真空引きが行われる。このように可動軸111の中心を通るように形成された流路の場合、真空引きによって生じる吸引力に可動軸111が引っ張られてしまう。すなわち、真空圧がかかることによって可動軸111における拡張部分134の断面積分の引き込み力が発生し、緩衝時に発生する磁気バネ20の当初のバネ力を大きく低下させてしまう結果となる。そのため、本来得られるはずの磁気バネ120のバネ力、すなわち吸着パッド200を移送搬送物に押し当てる際の押圧力が得られなくなってしまう。
更に、従来の緩衝装置100の構成では、バネ力の他にも回転ズレの問題も生じている。すなわち、磁気バネ120の永久磁石121,122は、それぞれ円周方向に分割され、N極とS極とが交互に着磁された着磁帯が構成されているため、向かい合う異極の着磁帯同士が吸引しあって回転防止機能を果たしている。しかし、前述したように可動軸111がスベリ軸受123,124に摺接しているので、一旦、回転方向にズレが生じると、その摺動抵抗によって回転方向のズレが完全に戻らなくなってしまう。このように、回転復帰精度が悪化してしまうと、移送対象物はズレたまま搬送先に配置され、例えば微少電子部品の場合には正確な組立や実装ができなくなってしまう。
そこで本発明は、かかる課題を解決すべく、磁気バネのバネ力変動を防止した緩衝装置を提供することを目的とする。
本発明の緩衝装置は、可動軸が筒状のボディ内に挿入され、そのボディと可動軸とに磁気バネを構成する永久磁石がそれぞれに取り付けられ、その可動軸を軸方向に押し当てることにより受ける反力を磁気バネのバネ力によって吸収するようにしたものであって、前記ボディには、磁気バネを構成する固定側永久磁石を軸方向に挟んで静圧軸受が設けられ、前記可動軸がその静圧軸受によってフローティング状態で保持されるようにしたものであることを特徴とする。
また、本発明の緩衝装置は、前記磁気バネを構成する永久磁石はいずれも円筒形状であって、異なる磁極の着磁帯が円周方向に交互に着磁されたものであることが望ましい。
また、本発明の緩衝装置は、前記可動軸には、その先端に装着された吸着パッドの吸着面と連通する一端が開口した縦孔と、その縦孔に貫通した横孔とが形成され、前記ボディには、軸方向の2箇所に配置された前記静圧軸受けの間に真空ポートが形成され、その真空ポートがボディ側に形成された横孔を介して前記可動軸の横孔と連通するものであることが望ましい。
更に、本発明の緩衝装置は、前記可動軸の横孔が、その可動軸に設けられた円筒形の永久磁石に穿設され、前記ボディ側に形成された横孔が、そのボディ側に設けられた円筒形の永久磁石に穿設されたものであることが望ましい。
そこで、本発明の緩衝装置は、例えば可動軸の先端に吸着パッドを装着し、電子部品などの移送対象物に軸方向から押し当てれば、その押し当て反力を受けた可動軸の移動を制限するように磁気バネのバネ力が作用する。従って、移送対象物に対しては、吸着パッドが押し当てられる際の衝撃が緩和される。
また、真空ポートに接続した真空ポンプによって真空引きが行われると、可動軸の縦孔を通って吸着パッドからのエアが吸引され、更に可動軸を径方向を貫いた横孔を通って真空ポートから吸い出されることにより、吸着パッドが押し当てられた対象物が吸着保持される。
更に、本発明では、移送対象物を保持した可動軸に回転方向の力が作用しても、磁気バネを構成する永久磁石同士の回転方向の吸引力により回転を防止し、また回転ズレが起きてもその吸引力によって移送対象物は元の向きに戻される。
よって、本発明の緩衝装置によれば、例えば吸着パッドを移送対象物に押し当てる場合、磁気バネによって生じる押圧力は、可動軸が静圧軸受によって非接触状態で支持されているため、摺動抵抗などを受けて変動してしまうことはなく、予め設定された磁気バネのバネ力になる。
また、本発明の緩衝装置によれば、磁気バネを構成する円筒形の永久磁石が異なる磁極の着磁帯を円周方向に交互に着磁されているため、可動軸の回転による移送対象物の方向ズレを防止し、特に軸受け部が静圧軸受によって構成されていて摺動抵抗がないので、可動軸に生じる回転方向のズレを正確に戻すことができる。
更に、本発明の緩衝装置によれば、これを真空引きによる吸着保持手段として構成する場合、吸着パッドを装着した可動軸の縦孔に横孔を貫通し、真空ポートを2つの静圧軸受け間に形成してボディ側に形成された横孔を介して可動軸の横孔と連通するようにしたので、横孔からエアを抜き取る真空引きを行うことで、真空圧が軸方向に作用することがなくなり、磁気バネのバネ力を変動させることがなくなった。そのため、予め設定された磁気バネのバネ力で移送対象物を押圧することができる。
次に、本発明に係る緩衝装置の一実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。図1は、第1実施形態の緩衝装置を示した図であり、図(a)は軸方向の断面図で、図(b)は可動軸突出側の一端面図である。
緩衝装置1は、図1(b)に示すような端面形状のボディ10内に、一端が突き出るようにして可動軸11が挿入されている。ボディ10には、こうした可動軸11を挿入することができる段付きの貫通孔が穿設され、可動軸11の突き出し側とは反対側に、不図示の真空ポンプに接続される真空ポート12が形成されている。
ボディ10の貫通孔内には筒状のホルダ13が嵌挿され、そこには可動軸11の移動を支持する静圧軸受15,16と、磁気バネ20を構成する永久磁石21とが内周面側に嵌め込まれている。一方、可動軸11は円筒形のパイプによって形成され、一部に磁気バネ20を構成する永久磁石22を備え、外側には外周パイプ18が被せられている。
磁気バネ20を構成する永久磁石21,22は、径が異なるが長さの等しい円筒体であって、共に図3に示すように円周方向に4分割され、N極とS極とが交互に着磁されたストライプ状の着磁帯が形成されている。従って、この磁気バネ20は、永久磁石21,22のN極とS極との着磁帯同士がそれぞれ吸引し合い、図3(a)及び図4(a)に示すように、長さの等しい永久磁石21,22は軸方向に重なり、円周方向にも異極の着磁帯同士が向かい合った状態で位置決めされる。
そして、本実施形態の緩衝装置1では、この磁気バネ20を挟んだ位置に静圧軸受15,16が配置され、可動軸11の軸方向への移動を非接触状態で支持するように構成されている。静圧軸受15,16は、円筒形状の気体透過性材によって形成され、その内径は、これを貫通した可動軸11の外径よりもほんの僅かだけ大きく設計されている。すなわち、静圧軸受15,16と可動軸11とのクリアランスは数μm程度であり、特に本実施形態では5〜15μmが最良であった。また、永久磁石21は静圧軸受15,16よりも大きな内径の円筒であるため、可動軸11が接することはない。
静圧軸受15,16には、気体透過量制御黒鉛材が使用され、例えばグラファイトからなる多孔質体製のスリーブであり、その外周面と内壁面とが微細な連続気孔によって連通している。そして、この静圧軸受15,16が嵌装されたホルダ13の内周面には環状溝25,26が形成され、ボディ10を貫通して形成した加圧ポート27,28がその環状溝25,26に接続している。こうして、加圧ポート27,28から供給された圧縮エアがこの環状溝25,26全周にいきわたり、更に静圧軸受15,16の内周面側から均等に噴き出すように構成されている。
本実施形態では、こうした構成の緩衝装置1を、電子部品などの微細で脆弱な移送対象物を搬送するための吸着保持手段として利用する場合について説明する。そのため、緩衝装置1には、突き出た可動軸11の先端に吸着パッド8が取り付けられ、ボディ10が、上下動アクチュエータなどの操作ロボットに取り付けられる。更に、真空ポート12には、前述したように真空ポンプが接続され、加圧ポート27,28には、エアポンプが接続される。そして、緩衝装置1は、可動軸11の軸線が吸着保持面の直交線上に合わせられ、そのまま下降して吸着パッド8が移送対象物に押し当てられる。
通常、緩衝装置1は、磁気バネ20の永久磁石21,22が吸引し合って図4(a)に示すように重り合い、可動軸11が図1に示するようにボディ10から突き出している。可動軸11は、吸着パッド8が取り付けられた図面左側を下にし、前述したように下降した場合、移送対象物にその吸着パッド8が押し当てられる。このとき、真空ポート12に接続された真空ポンプによって真空引きが行われ、吸着パッド8の吸着面と移送対象物との間の空気が吸引される。吸引された吸着面部分の空気は可動軸11の貫通孔を通ってそのまま真空ポート12から吸い出されるため、移送対象物に当接した吸着パッド8の吸着面部分には真空状態がつくられ、その吸着パッド8による移送対象物の吸着保持が可能になる。
吸着パッド8が移送対象物に押し当てられるとき、可動軸11は移送対象物からの押し当て反力によってボディ10に対して上昇(図面右側に移動)する。そして、このとき磁気バネ20は、永久磁石21,22同士が図4(b)に示すように軸方向にずれるため、そのズレを戻そうとする方向に磁力による吸引力が作用し、それが押し当て反力に対して逆方向に作用するバネ力となる。従って、吸着パッド8を移送対象物に押し当てようとする上下動アクチュエータの作動力は、移送対象物に直接伝わることなく磁気バネ20のバネ力によって吸収され、吸着パッド8は、移送対象物に対して一定のバネ力によって押し当てられることになる。
緩衝装置1には、ボディ10の加圧ポート27,28から圧縮エアが供給され、その圧縮エアが静圧軸受15,16の周りに形成された環状溝25,26へと送り込まれる。圧縮エアは、環状溝25,26内全体に行き渡り、静圧軸受15,16の外周面側から内部の通気孔を通り抜け、可動軸11が貫通して通っている内周面全体から噴き出す。多孔質体の静圧軸受15,16内では圧縮エアが勢いよく流れることはないので、加圧ポート27,28から供給された圧縮エアは環状溝25,26全体に行き渡り、静圧軸受15,16の内周面側からも均等にエアが噴き出している。そのため、静圧軸受15,16から噴き出されたエアのエア圧によって可動軸11は非接触状態で支持され、可動軸11と静圧軸受15,16の間にはまさにエアによる軸受けがつくられる。
従って、本実施形態の緩衝装置1では、移送対象物への押し当て時に可動軸11が受ける反力を磁気バネ20がそのバネ力で吸収し、移送対象物への衝撃を緩和することができる。このとき、磁気バネ20は、可動軸11のストロークに関係なくほぼ一定のバネ力で移送対象物などを押圧することになる。特に、本実施形態では、可動軸11が静圧軸受15,16によって非接触状態で支持されているため、従来のように磁気バネのバネ力(押圧力)が摺動抵抗を受けて変動してしまうことがなくなり、この磁気バネ20によって設定されたほぼ一定のバネ力で移送対象物などを押圧することができる。
一方、この緩衝装置1を吸着保持手段として構成した場合、本実施形態で示したように真空ポート12を軸方向端部に形成すると、真空引きする際の真空圧の影響を受けてバネ力に影響を及ぼすことになる。そこで、次に説明する第2実施形態で、この点を解消している。
また、本実施形態の緩衝装置1では、磁気バネ20を構成する永久磁石21,22を円周方向に4分割し、交互に異極の着磁帯を着磁するようにしたので、可動軸11の回転による移送対象物の方向ズレを防止することができる。特に、軸受け部を摺動抵抗が生じない静圧軸受15,16によって構成しているため回転復帰精度が向上し、可動軸11に生じた回転方向のズレを正確に戻すことができ、微少電子部品の組立や実装などを確実に行うことができる。
次に、本発明に係る緩衝装置の第2実施形態について説明する。図2は、第2実施形態の緩衝装置を示した図であり、図(a)は軸方向の断面図で、図(b)は一端面図である。なお、第1実施形態の緩衝装置1と同様の構成については同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
緩衝装置2は、図1(b)に示すような端面形状のボディ30内に、可動軸31が一端を突き出すようにして挿入されている。そのボディ30には貫通孔が穿設され、その中に筒状のホルダ32が嵌挿され、そこには前記第1実施形態と同様に可動軸31の移動を非接触状態で支持する静圧軸受15,16と、磁気バネ20を構成する永久磁石21とが内周面側に嵌め込まれている。
可動軸31は、円筒形のパイプによって形成され、一部に磁気バネ20を構成する永久磁石22を備え、外側には外周パイプ33が被せられている。そして、本実施形態の可動軸31は、軸方向に貫通させずに後端側を気密に塞いだ縦孔34を構成する一方、永久磁石21部分には、その縦孔34に貫通した横孔35が形成されている。ただし、この横孔35は、永久磁石21だけでなく、磁気バネ20を構成するもう一方の永久磁石22の他、外周パイプ33およびホルダ32を径方向に貫通して形成された部分も含んでいる。そして、この一連の横孔35は、可動軸31の縦孔34とボディ30の側面に形成された真空ポート36とを接続している。
本実施形態の緩衝装置2でも、気体透過性材によって形成された静圧軸受15,16が、磁気バネ20を挟んだ位置に可動軸31との間に僅かな隙間を空けるようにして配置されている。そして、この静圧軸受15,16が嵌装されるホルダ32の内周面には環状溝25,26が形成され、ボディ30側面を貫通した加圧ポート27,28がその環状溝25,26に接続されている。従って、加圧ポート27,28から供給された圧縮エアがこの環状溝25,26全体に行き渡り、静圧軸受15,16の内周側から均等に噴き出すようになっている。
本実施形態でも、こうした構成の緩衝装置2を、電子部品などの微細で脆弱な移送対象物を搬送するための吸着保持手段として利用する場合について説明する。そのため、緩衝装置2には、突き出た可動軸31の先端に吸着パッド8が取り付けられ、ボディ30が上下動アクチュエータなどの操作ロボットに取り付けられる。更に、真空ポート36には真空ポンプが接続され、加圧ポート27,28にはエアポンプが接続される。そして、緩衝装置2は、可動軸31の軸線が吸着保持面の直交線上に合わせられ、そのまま下降して吸着パッド8が移送対象物に押し当てられる。
通常、緩衝装置2は、磁気バネ20の永久磁石21,22が吸引し合って図4(a)に示すように重り合い、可動軸31が図2(a)に示するようにボディ30から突き出している。可動軸31は、吸着パッド8が取り付けられた図面左側を下にして上下動アクチュエータに取り付けられ、そのまま下降して移送対象物に吸着パッド8が押し当てられる。このとき、真空ポート36に接続された真空ポンプによって真空引きが行われ、吸着パッド8の吸着面と移送対象物との間の空気が吸引される。すなわち、吸引された吸着面部分の空気は可動軸31の縦孔34から横孔35を通り、ボディ30の真空ポート36から吸い出される。そのため、移送対象物の吸着面部分が真空状態になって吸着パッド8による吸着保持が行われる。
吸着パッド8が移送対象物に押し当てられると、可動軸31は移送対象物からの押し当て反力によって上昇(図面右側に移動)する。そして、磁気バネ20は、永久磁石21,22同士が図4(b)に示すように軸方向にズレるため、そのズレを戻そうとする吸引力が作用する。従って、吸着パッド8を移送対象物に押し当てようとする上下動アクチュエータの作動力は、移送対象物に直接伝わることなく、移動する可動軸31に設けた磁気バネ20のバネ力によって吸収される。そして、本実施形態では、こうした磁気バネ20が移送対象物に対する衝撃を緩和させているが、特に静圧軸受15,16を用いて可動軸31を非接触状態で支持しているため、従来のように磁気バネのバネ力(押圧力)が摺動抵抗を受けて変動してしまうことがなくなり、この磁気バネ20によって設定されたほぼ一定のバネ力で移送対象物を押圧することができる。
加圧ポート27,28から供給した圧縮エアは、静圧軸受15,16の内周面から噴き出し、軸バネ20のバネ力が作用する可動軸31を支持している。そして、こうして可動軸31を非接触状態で支持する構成とした場合、永久磁石21,22に形成された横孔35が、静圧軸受15,16側につながって気密な状態になっていない。しかも、横孔35側ではエアを吸い込む一方で、静圧軸受15,16側ではエアを噴き出している。
しかし、静圧軸受15,16と可動軸31とのクリアランスは数μm(例えば5〜15μm)と非常に狭いので、静圧軸受15,16側から横孔35側へ多くのエアが流れることはない。従って、静圧軸受15,16から噴き出されるエアのエア圧によって可動軸31が支持され、それが軸受けとして機能する一方、吸着パッド8から横孔35を介して吸引するエアの吸い込み量を低下させることもない。
また、本実施形態では、こうして可動軸31を径方向に貫通して形成した横孔35からエアを抜き取る真空引きを行っているので、真空圧が可動軸31に移動方向、すなわち磁気バネ20のバネ力が作用する方向に働かなくなくなった。そのため、この点でも磁気バネ20のバネ力を変動させることがなくなり、設定されたほぼ一定のバネ力で移送対象物を押圧することができるようになった。
また、電子部品を基板上に設置するような場合には、設置の際、確実に離脱させるため吸着ポートを加圧させてしまうと、バネ力を引き下げていた吸引力が解放される反動で瞬間的に加重が増加して所定以上の加重が部品に加わってしまい電子部品への影響が考えられるが、真空引きによる影響のない本実施形態ではそうした問題も生じない。
更に、緩衝装置2では、磁気バネ20を構成する永久磁石21を挟んで静圧軸受15,16を設け、しかも永久磁石21に横孔35を構成するようにしたので、無駄なスペースを一切無くした極めてコンパクトなものとすることができた。具体的には、ボディ30は、図2(b)に示す縦横の寸法が15mmであり、図2(a)に示す長手方向の寸法が20mmである。
以上、本発明の緩衝装置についてその一実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
すなわち、前記実施形態では可動軸に吸着パッドを取り付けて真空引きする吸着保持手段を構成するものとして、本発明の緩衝装置を説明したが、この他にも例えば単なる押圧手段としてもよい。
第1実施形態の緩衝装置を示した図である。 第2実施形態の緩衝装置を示した図である。 磁気バネを構成する円筒形状の永久磁石を示した円周方向の断面図である。 磁気バネを構成する円筒形状の永久磁石を示した軸方向の断面図である。 従来の緩衝装置を示した通常状態の断面図である。 従来の緩衝装置を示した緩衝時の状態の断面図である。
符号の説明
1 緩衝装置
8 吸着パッド
10 ボディ
11 可動軸
12 真空ポート
13 ホルダ
15,16 静圧軸受
20 磁気バネ
21,22 永久磁石
27,28 加圧ポート

Claims (4)

  1. 可動軸が筒状のボディ内に挿入され、そのボディと可動軸とに磁気バネを構成する永久磁石がそれぞれに取り付けられ、その可動軸を軸方向に押し当てることにより受ける反力を磁気バネのバネ力によって吸収するようにした緩衝装置において、
    前記ボディには、磁気バネを構成する固定側永久磁石を軸方向に挟んで静圧軸受が設けられ、前記可動軸がその静圧軸受によってフローティング状態で保持されるようにしたものであることを特徴とする緩衝装置。
  2. 請求項1に記載する緩衝装置において、
    前記磁気バネを構成する永久磁石はいずれも円筒形状であって、異なる磁極の着磁帯が円周方向に交互に着磁されたものであることを特徴とする緩衝装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する緩衝装置において、
    前記可動軸には、その先端に装着された吸着パッドの吸着面と連通する一端が開口した縦孔と、その縦孔に貫通した横孔とが形成され、
    前記ボディには、軸方向の2箇所に配置された前記静圧軸受けの間に真空ポートが形成され、その真空ポートがボディ側に形成された横孔を介して前記可動軸の横孔と連通するものであることを特徴とする緩衝装置。
  4. 請求項3に記載する緩衝装置において、
    前記可動軸の横孔は、その可動軸に設けられた円筒形の永久磁石に穿設され、前記ボディ側に形成された横孔は、そのボディ側に設けられた円筒形の永久磁石に穿設されたものであることを特徴とする緩衝装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103291808A (zh) * 2013-06-25 2013-09-11 苏州唐氏机械制造有限公司 一种适于吸合冲击过程中的滑块的缓冲器
CN103291814A (zh) * 2013-06-25 2013-09-11 苏州唐氏机械制造有限公司 一种适于防止滑块撞击后反弹的缓冲器
CN105041959A (zh) * 2013-06-25 2015-11-11 丁雪强 一种缓冲器

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