JP2005133513A - スライドドア - Google Patents

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Kazuo Kuriki
一男 久力
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Abstract

【目的】 いわゆるフラットドアにおいて、簡易な構成を用いて解放時の十分な開口を確保するとともに、さらにスムースな引戸の開閉動作を実現する。
【構成】 スライド案内部材が上辺及び下辺の左右端部側に各々突設された所定の開口部を閉鎖する引戸2,3と、開口部の上下に各々設けられ縦スライド傾斜溝11,12,13,14が延設された直線状の横スライド溝10と、少なくとも中央側の横スライド溝10と縦スライド傾斜溝13,14との接続部において配置された切り替えポイント4a,4bとを備え、引戸2,3が閉鎖時にはそのスライド案内部材により各縦スライド傾斜溝で案内されて面一状に並列し開放時には引違い状態に重畳するスライドドアにおいて、少なくとも引戸2,3の下辺側のスライド案内部材が、各々支持軸を介して水平角度可変に設けられて各スライド溝を走行する車輪を備えたキャスター8としたスライドドア1とする。
【選択図】 図8

Description

本発明は、家具や物置等の開口部に設ける、左右の引戸が閉鎖時に面一状態(フラット面)を形成して並列し、解放時には引違い状態で重畳するスライドドアに関する。
家具や物置等の開口部に設ける、閉鎖時に左右の引戸が面一なフラット面を形成するスライドドア(以下「フラットドア」という)としては、特開昭56−77478号公報において、保管庫の本体部上下に直線状の主溝の両端及び内側部に2組の傾斜溝を各々設け、内側部の傾斜溝と主溝との切り替えポイントにおいてガイド片の開閉により各引戸上下の左右部に設けた案内軸(案内部材)を誘導して、引戸の面一な閉鎖と重畳した引違い状態の解放を行うフラットドアが提示されている。
このフラットドアは、ガイド片が常時引戸の中央側案内軸を主溝から傾斜溝に誘導する規制位置になるようにスプリングで付勢されており、他方の引戸が閉鎖位置にあるときにその中央側案内軸によりガイド片の基端を開放側に回動させた状態にして、案内軸が主溝の切り替えポイントを通過可能とするものであり、自動的な溝の案内方向の切り替えを実現している。
しかし、このフラットドアは、引戸が大きくスライドしてその外側案内軸が切り替えポイントを通過すると主溝を逆方向に戻れなくなることから、これを通過しない位置で停止させて引違い状態にする必要がある。そのため、開口部が十分に解放されずに使い勝手が悪いという問題がある。
これに対し、特開昭61−211481号公報には、横スライド案内溝(主溝)の両端に直線状の収納案内溝が延設されるとともに、引戸の外側案内ピンを中央側案内ピンより短くして中央部の切り替えポイントにおいて外側案内ピンを通過させる通過空間が設けられたフラットドアが開示されている。
このフラットドアは、引戸の外側案内ピンがスペーサーを備えた中央部切り替えポイントを切り替えずに通過できるとともに、収納案内溝が設けられて両引戸を完全に重ねて引違い状態にできる点で優れた技術である。
しかし、斯かるフラットドアにおいては敷居側の案内ピン(案内部材)及び溝部分に引戸の全荷重が加わるとともにゴミ等が溜まりやすいものである。また、敷居側に切り替えポイントを配置した場合、搬入物等がこれに当たってポイントが切り替わってしまう等のトラブルが生じ易いため、敷居側の溝に切り替えポイントを配置しにくい。そこで、切り替えポイントを鴨居側にのみ配置する構成にしたが、引戸の上部のみの誘導ではその開閉動作がスムースに行われない。
また、このフラットドアは、切り替えポイントの構成が外側部と中央部とが異なるとともに構成が複雑で機能障害を起こし易いものである。さらに、引戸下部の案内ピンには引戸の重量を支えながら横移動及び縦移動をするためのボール体を配置しているが、ゴミや埃が溜まりやすい敷居においてはボール体の回転が阻害されやすく、引戸のスライド動作が重くなってしまう場合も多い。
特開昭56−77478号公報 特開昭61−211481号公報
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであり、いわゆるフラットドアにおいて、簡易な構成を用いて解放時の十分な開口を確保するとともに、さらにスムースな引戸の開閉動作を実現することを課題とするものである。
そこで、本発明は、スライド案内部材が上辺及び下辺の左右端部側に各々突設された所定の開口部を閉鎖する複数の引戸と、前記引戸の上辺及び下辺に突設された左右のスライド案内部材の間隔に合致する間隔を有する2本の縦スライド傾斜溝が延設され前記開口部の上下に各々設けられた直線状の横スライド溝と、少なくとも中央側の前記横スライド溝と縦スライド傾斜溝との接続部において配置された切り替えポイントとを備え、前記複数の引戸が、閉鎖時にはそのスライド案内部材により各縦スライド傾斜溝で案内されて面一状に並列し開放時には引違い状態に重畳するスライドドアにおいて、少なくとも前記引戸の下辺側のスライド案内部材が、各々支持軸を介して水平角度可変に設けられて前記各スライド溝を走行する車輪を備えたことを特徴とするスライドドアとした。
これにより、引戸の下辺側案内部材をスライド溝により案内される所定幅の車輪として、引戸の重量が大きい場合や溝にゴミがある場合でもスムースな横方向のスライド動作を行えるとともに、横スライド溝と縦スライド傾斜溝との各接続部において、車輪の水平角度が容易に変更されて容易に車輪の方向変楔が行われて引戸の縦方向のスライド動作がスムースに行われる。
また、前記切り替えポイントを、前記スライド案内部材が通過する毎に切り替わるようにすれば、引戸における左右のスライド案内部材の高さに差違を設けなくても引戸の外側案内部材を中央部の切り替えポイントを通過させて引戸を大きく開放させることができるため、十分な開口を確保することができる。
さらに、前記切り替えポイントを前記開口部上下の双方に各々設ければ、引戸が上下の双方で案内されてさらにスムースな引戸の開閉動作が実現する。この場合、横スライド溝と縦スライド傾斜溝とが接続する角部において例えば楔状の可動板の基端部左右に各々凸部を設けたものをピンで回動自在に設ける等総て同じ構成の単純なものとすれば、敷居側にも設置容易で機能トラブルの少ないスライドドアとすることができる。
さらにまた、前記スライド案内部材の基部が回動可能に前記引戸に装着されているとともに前記スライド案内部材の本体部が前記基部の中心軸に対し偏芯して設けられ、前記基部を回動させることにより前記スライド案内部材を前記偏芯距離の範囲で前後方向に位置調整可能なスライドドアとすれば、引戸の前後方向(内外方向)の微調整が可能となる。
以上述べたように、本発明のスライドドアにより、いわゆるフラットドアにおいて簡易な構成を用いて解放時の十分な開口を確保しながら、さらにスムースな引戸の開閉動作を実現することができた。
次に、本発明の実施の形態について、図面を用いながら以下に詳細に説明する。尚、異なる実施の形態であっても、同じ構成要素には同一の符号を付して説明する。
図1は、本発明における好ましい実施の形態を示すものであり、スライドドア1を備えた物置50の開口部には、引戸2,3がこれを完全に閉鎖して面一状態に並列している。また、開口部の上下には図示しないスライド溝が各々設けられて、引戸2,3上辺の案内部材としての案内軸20,20,20,20,下辺の案内部材としてのキャスター8,8,8,8が、各スライド溝で保持されて引戸2,3が閉鎖状態を保っている。
図2は、図1のX−X線に沿う部分断面図を示しており、図中上が物置50の内側で下が外側である。本図において引戸2,3は一点鎖線で示しているが、これらが面一状態に並列して物置50の開口部を完全に覆っている。
引戸2,3の後方において開口下部52(敷居)上に開口面に対し平行かつ水平に横スライド溝10が配置され、横スライド溝10の左端及び中央寄りから各々斜め外側方向に一対の縦スライド傾斜溝11,13が延設されている。また、右端及び中央寄りから前記縦スライド傾斜溝11,13に対称に一対の縦スライド傾斜溝12,14が延設されている。
図2において、引戸2,3各下辺の左右端部付近に配置されたキャスター8,8,8,8が、縦スライド傾斜溝11,12,13,14中に誘導された状態で引戸2,3を物置50の開口面に並列させている。
図3の(A)は、図2の縦スライド傾斜溝13周辺の部分拡大図であるが、図2とは上下逆に示している。図3の(B)は図AのY−Y線に沿う横スライド溝10の断面図である。図3の(A)に示すように、横スライド溝10と縦スライド傾斜溝13との分岐角部には切り替えポイント4aが設けられて、破線で示すキャスター8の進行方向を規制している。切り替えポイント4aは楔状の可動板5がピン6を中心に所定範囲で回動自在に設けられている。
可動板5は、楔形状の基端部左右に山状に突出した凸部5a,5bを有し、切り替えポイント4a地点をキャスター8が通過する際、キャスター8の車輪が凸部5aまたは5bを押して可動板5を回動させて誘導方向を切り替える。尚、図5に示すように、切り替えポイント4aを、可動板5の基端部中心に凸部5cを設けた可動板5B及び凸部5cに圧接して各切り替え方向で可動板5Bを安定させて保持する規制突起7とを備えた切り替えポイント4Bにすれば、キャスター8が通過しないのに可動板が切り替わる等のトラブルを最小限とすることができる。
図3の(B)に示すように、横スライド溝10は底部が平坦な樋状でキャスター8の車輪幅より僅かに幅広な溝幅を有しており、開口下部52に埋設されて配置されている。また、各縦スライド溝も断面は同様である。
尚、各スライド溝の深さを、これに保持する車輪の径より深くして両側壁の上部に車輪が上方向に脱出させないフランジ部10bを設けた溝10Bのようにすれば(図の(C))、引戸の脱落や盗難防止に有効である。
図4は、キャスター8が縦スライド傾斜溝13中に保持されている状態の部分断面図を示すが、キャスター8は前述のように溝幅より僅かに狭小な幅を有し、溝の両側壁で車輪8a,8bの外側面が保持され、左右に遊動することなく溝中を安定して走行できるようになっている。また、キャスター8は、支持軸8cが基部8dにより水平方向に回動自在に装着されており、横スライド溝10と各縦スライド傾斜溝との接続による車輪の進行角度の変化に対応できるようになっている。斯かる回動キャスター方式は、従来のボール案内部材式と比較して、走行がスムースで軽いとともに、方向転換も容易であるばかりかゴミや埃によるトラブルも極めて少ない。
尚、図6に示すキャスター8Bのように、引戸取付部分において高低アジャスターナット9を設ければ、引戸取付作業が容易となるとともに、引戸高さの微調整も容易となる。さらに、図10に示すように一輪式のキャスター8Cにすれば、各スライド溝の幅を小さくすることができ、開口部上下の鴨居及び敷居部分の幅をより少なくすることができる。
図7の(A)は、引戸2,3の上辺の各左右端部側に配置する案内部材である案内軸20を示し、図7の(B)はその平面図である。引戸上辺に設ける案内部材は案内軸20のように円柱状であることが摩擦軽減の観点から好ましいが、角柱状、さらには車輪等でも可能である。
案内軸20は、上部に軸20aを中心に回動するリング体20bを備えるとともに(図7の(A))、引戸に装着する基部20cがナット20dで回転可能になっていて、軸20aが基部20の回転軸に幅rだけ偏芯して設けられている(図7の(B))。また、軸20aは、基部20cにおいて上下可動に設けられるとともに、バネ等の弾性部材で上方向に付勢されている。
リング体20bを設けることで、溝との摩擦が少なくなって引戸の開閉動作もスムースとなる。また、案内部材を上方向に付勢して設けたことで、引戸の開口部への脱着が容易となるとともにガタツキも少なくなる。そして、基部20cのナット20dを回転させて軸20aを偏芯分前後に動かせば、引戸を基部20cの中心から幅rの範囲で前後に動かして位置の調整を行うことができる。さらに、図11のように、開口上部側のスライド案内部材も車輪としたキャスター8Dとすれば、これを上方向に強く付勢しても引戸のスライド動作はスムースとなる。
尚、開口上部53(鴨居)におけるスライド溝の構成は、開口下部52(敷居)のスライド溝の構成とは、案内ピン20の幅に適合した溝幅となる点を除き同様である。従って、開口上部53にも切り替えポイントを設置することで、上下双方から引戸の方向転換を案内して開閉動作が極めてスムースとなる。
次に、本実施の形態であるスライドドア1の動作を説明する。
図8,図9は、開口下部52の上における引戸2,3の動作状態を示すものであり、図中上が外部方向で下が内部方向である。図8において、引戸3の開け動作を説明するが、図8の(A)において、一点鎖線で示す引戸2,3は面一状態に並列して開口部を閉鎖している。尚、引戸2,3の下辺の各キャスター8の車輪は引戸2,3に対して傾斜した方向で保持されている。
この状態から引戸3を図中右方向にスライドさせると、キャスター8,8は縦スライド傾斜溝12,14に案内されて斜めに内部方向に引き込まれる。その際、中央側のキャスター8は切り替えポイント4bを通過し、これを切り替える。さらに引戸3を右方向にスライドさせるとキャスター8,8は横スライド溝10に入り、両キャスター8の各車輪は引戸3に平行な状態で走行する(図8の(B))。その際、中央側のキャスター8は切り替えポイント4aを通過してこれを切り替える。尚、斯かるキャスター8の車輪の方向転換及び走行は、各案内溝に案内されて遊動することなく極めてスムースである。’
さらに引戸3をスライドさせると、外側のキャスター8は切り替えポイント4aにより、走行を規制され、縦スライド傾斜溝13方向に方向転換させられ、中央側のキャスター8は横スライド溝10に延設された縦スライド傾斜溝11方向に方向転換させられ、引戸3は引戸2の背面に重畳して停止する(図8の(C))。斯かる状態においては、内側の引戸3の側辺は開口部の中央位置において引戸2の側辺から過度に突出せず、開口部は十分に開口する。
図9は、図8とは反対に引戸3を引戸2に重畳した状態から面一状態に並列させて閉鎖する動作を示す。図9の(D)の状態から引戸3を図中左にスライドさせると、各キャスター8は引戸3に平行になり、外側のキャスター8が切り替えポイント4bを切り替えて進行する(図9の(E))。さらに左にスライドさせると中央側のキャスター8が切り替えポイント4aを切り替えてから、切り替えポイント4bにより走行を規制されて縦スライド傾斜溝14により方向転換させられ、外側のキャスター8は縦スライド傾斜溝12に方向転換させられる。そして、引戸3は外側方向に導かれて引戸2と面一状態に並列して開口部52を閉鎖して停止する(図9の(F))。
以上述べた各動作はスムースかつ軽快であり、切り替えポイントのトラブルも極めて少なく引戸の閉鎖・開放が確実に行われる。
尚、本発明を実施するための最良の形態は以上の説明で十分に示したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、本発明は物置に限らず建具や家具等、開口を面一状態に並列して閉鎖することが望まれる物総てに利用できる。
本発明における好ましい実施の形態の斜視図である。 図1のX−X線に沿う部分断面図である。 (A)は、図2の部分拡大図であり、(B)は図AのY−Y線に沿う断面図であり、(C)は、他の実施の形態の溝を示す断面図である。 図1のスライドドアの引戸下辺のキャスター部分を説明する部分断面図である。 図3の切り替えポイントの変更例を示す平面図である。 (A)は図4のキャスターの変更例を示す部分断面図であり、(B)はその側面図である。 (A)は図1のスライドドアの引戸上辺の案内軸を示す拡大斜視図であり、(B)はその平面図である。 本実施の形態におけるスライドドアの動作を説明する平面図である。 本実施の形態におけるスライドドアの動作を説明する平面図である。 図6のキャスターの変更例を示す断面図である。 図7のスライドドアの案内軸の変更例を示す拡大斜視図である。
符号の説明
1 スライドドア、2,3 引戸、4a,4b,4B 切り替えポイント、5,5B 回転板、5a,5b 凸部、6 ピン、7 規制突起、8,8B,8C8D キャスター、8a,8b 車輪、8c 支持軸、8d 基部、9 高低アジャスターナット、10,10B 横スライド溝、10b フランジ部、11,12,13,14 縦スライド傾斜溝、20 案内軸、20a 軸、20b リング体、20c 基部、20d ナット、50 物置、52 開口下部、53 開口上部

Claims (4)

  1. スライド案内部材が上辺及び下辺の左右端部側に各々突設された所定の開口部を閉鎖する複数の引戸と、前記引戸の上辺及び下辺に突設された左右のスライド案内部材の間隔に合致する間隔を有する2本の縦スライド傾斜溝が延設され前記開口部の上下に各々設けられた直線状の横スライド溝と、少なくとも中央側の前記横スライド溝と縦スライド傾斜溝との接続部において配置された切り替えポイントとを備え、前記複数の引戸が、閉鎖時にはそのスライド案内部材により各縦スライド傾斜溝で案内されて面一状に並列し開放時には引違い状態に重畳するスライドドアにおいて、
    少なくとも前記引戸の下辺側のスライド案内部材が、各々支持軸を介して水平角度可変に設けられて前記各スライド溝を走行する車輪を備えたことを特徴とするスライドドア。
  2. 前記切り替えポイントが、前記スライド案内部材が通過する毎に切り替わる請求項1記載のスライドドア。
  3. 前記切り替えポイントが、前記開口部上下の双方に設けられた請求項1または2記載のスライドドア。
  4. 前記スライド案内部材の基部が回動可能に前記引戸に装着されているとともに前記スライド案内部材の本体部が前記基部の中心軸に対し偏芯して設けられ、前記基部を回動させることにより前記スライド案内部材を前記偏芯距離の範囲で前後方向に位置調整可能な請求項1,2または3記載のスライドドア。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010077797A (ja) * 2008-08-29 2010-04-08 Sankyo Tateyama Aluminium Inc 出入口装置
CN104047490A (zh) * 2014-06-13 2014-09-17 邱树 平移门滑动组件

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