JP2005131482A - 分離膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】
精密な孔径制御を可能とした分離膜でかつ、生体膜を模倣した表面を簡便に、低コストで形成することを目的とする。
【解決手段】
多孔性膜であり、膜表面に酸性基および塩基性基を持ち、かつ、表面の最大孔径を有する孔の直径が2ミクロン未満である分離膜。
【選択図】なし

Description

本発明は、生体と接触する界面に使用される膜に関する。特に衣料用途、医療用途をはじめ、皮膚と接触する材料の表面に用いる材料や、体液と接触する血液浄化用の医療材、水中の微生物やさびなどを除去する浄水器などの水処理用途などに用いることができる。
従来、膜単独では、荷電膜としてスルホン酸基を有したポリマーからなる膜(たとえば特許文献1参照)、製膜後アミドメチル化反応をすることでアミノ基を導入した膜(たとえば特許文献2参照)などが知られている。その他にもアニオン選択吸着性多孔膜とその製造方法(たとえば特許文献3参照)が開示されている。これらの膜では、酸性官能基と塩基性官能基を両方持たせることは考えられておらず、陽性か陰性の荷電を有することで、血中の蛋白質吸着挙動をコントロールする目的に用いられてきた。また、両性荷電を有するものではリン脂質を模した2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(以下、MPCと略す)を重合したMPCポリマーをコーティングする方法なども知られており(たとえば特許文献4参照)、一つの原液から製膜した例(たとえば特許文献5参照)も開示されているが、膜構造の制御が難しく、所望の分画特性を発現させることは困難であった。また、アミノ酸のような塩基性官能基や酸性官能基を持つモノマーからなる材料についても白血球除去材料で使用した例(例えば特許文献6)も知られているが、溶液中での放射線グラフト重合、プラズマ照射による導入であり、塩基性官能基、酸性官能基の分布が重なりやすく、また孔径が2ミクロン未満の膜に対しては孔が閉塞しやすく適用しにくい。
特開平1-9230号公報 特開平10-033960 号公報 特許2796995号公報 特開平5-220218号公報 特開平10-296063号公報 特開平8-281100号公報
皮膚や体液などと接する用途に用いる膜において、生体適合性の向上は今や必須要件である。これらの要求を満たす高分子素材の開発はここ20年ほど行われてきたが、ミクロ相分離構造を有するポリマーに代表されるように、今なお耐滅菌性と低コスト化、高い高次加工性を満たした材料は十分には得られていない。先に記述したMPCポリマーについても、コスト面での改善が要求される。MPCポリマーでは膜そのものを形成することができないため、既存の構造体にコートするなどの操作が必要になり、この操作によって膜構造が目詰まりを起こし孔径が変化するため、精密な分離膜の設計には不向きな点が多い。
そこで、精密な孔径制御が可能であり、かつ、生体適合性に優れた膜表面を有し、簡便に、低コストで形成される分離膜を目的に鋭意研究した結果、本発明に至った。
上記課題を解決するため、本発明は、下記の構成を有する。
(1) 多孔性膜であり、膜表面に酸性基および塩基性基を持ち、かつ、表面の最大孔径の直径が2ミクロン未満である分離膜。
(2) 少なくともカルボキシル基からなる酸性基と1級、2級、3級、4級アミンからなる群より選ばれた1種類以上の塩基性基を表面に持つことを特徴とする(1)項に記載の分離膜。
(3) 酸性基の密度が5μmol/g以上でかつ塩基性基の密度が3μmol/g以上であることを特徴とする(1)または(2)項に記載の分離膜。
(4) 該酸性基または該塩基性基との反応によりさらに有機物を固定したことを特徴とする(1)〜(3)項のいずれかに記載の分離膜。
(5) 透水性能が1500ml/hr・kPa・m2以上であることを特徴とする(1)〜(4)項のいずれかに記載の分離膜。
(6) 膜の形態が中空糸状であることを特徴とする(1)〜(5)項のいずれかに記載の分離膜。
(7) ポリスルホン系樹脂を含むことを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の分離膜。
(8) ポリビニルピロリドンを含むことを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の分離膜。
精密な孔径制御を可能とした分離膜でかつ、生体膜を模倣した表面を簡便に、低コストで形成することを目的とする。
以下本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明は、酸性基および塩基性基を合わせ持つ分離膜を提供するものである。
膜として分離性能を発揮するため、膜表面の孔のうち、最大孔経を有する膜の直径が2ミクロン未満であることが必要である。これ以上の孔径を有するものは、目詰まりを起こす危険はないが、例えば血液浄化などの用途に対し、白血球や、赤血球の除去用途にしか使用することができず、生体膜を模した生体適合性の良さを発揮するに至らない。本発明では2ミクロン未満の孔径を持つため生体膜に近い分離膜を提供することができ、人工腎臓を始め、血漿分離膜など様々な用途への利用が可能となる。
膜には、少なくともカルボキシル基からなる酸性基を含み、さらにリン酸基、スルホン酸基から選ばれる少なくとも1種類の官能基が付加されていることが好適である。塩基性基としてはアミノ基(1級、2級、3級、4級アミンから選ばれる少なくとも1つの官能基)、イミノ基、ウレイド基、アミジノ基、アミノオキシ基などから選ばれた1種類以上の官能基が好適である。
官能基の密度は容量滴定によって定量することができる。特に以下で述べる逆滴定法によって測定することが好適である。逆滴定法とは、膜表面で消費された酸または塩基の量を容量滴定する方法である。
酸性基密度として、5μmol/g以上が好ましく、この官能基を用いて、さらに生理活性物質、ポリマー、モノマーの固定を図るためには、10μmol/g以上が好ましい。
塩基性基密度としても、3μmol/g以上が好ましく、この官能基を用いて、さらに生理活性物質、ポリマー、モノマーの固定を図るためには、10μmol/g以上が好ましく、固定密度を上げるためには25μmol/g以上がさらに好ましい。またこれら2種類の官能基が膜表面に分布することで、血液接触時の生体適合成が向上する。詳細な機構は不明であるが、生体膜表面でのミクロな電化分布を模倣しているためと思われる。これらの目的のため、両官能基ともに5μmol/g以上であることが好ましく、さらに10μmol/g以上であれば、血液適合性が向上しさらに好ましい。
膜への酸性および塩基性官能基の付与は、以下に掲げる方法により実現できるが、これ以外の方法でもかまわない。
酸性基、塩基性基を導入するための添加剤としては、例えばポリリン酸のような酸性基を持つポリマーと、ポリアミンのような塩基性基を持つポリマー、すなわちイオン性基を持つポリマーの混合や、環状アミドを持つポリビニルピロリドンおよびその誘導体の混合が考えられる。製糸原液を調製する際にイオン性ポリマーと混合する方法ではポリリン酸やポリアクリル酸などの酸性基を持つポリマーとポリエチレンイミンのようなポリアミンとの混合が考えられるが、この場合は原液を均一に溶解することが難しい場合があり、より好ましくは後者のポリビニルピロリドンおよびその誘導体と分離膜形成が可能なポリマーとの混合を行う。ポリビニルピロリドンはいろいろなエンジニアリングプラスチック、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリメチルメタクリレート(以下、PMMAと略す)、ポリビニリデンフルオリドなどのフッ素性樹脂などと相溶性が良く、原液粘度を上げることができるために紡糸原液としてこの組み合わせは好適に用いることができる。ポリビニルピロリドンとして分子量は種々のものを用いることが可能であるが、K90,K60,K30,K15など市販されているものを使うと簡便である。これらの混合や、上記以外の分子量領域のものを重合して用いても良いが、分子量が高いほど原液としては使用しやすい。このため、K90を用いるのがより好ましい。溶媒としてはジメチルアセトアミド(以下DMAcと略す)やN-メチルピロリドンのような高沸点極性溶媒が好ましいが、均一に溶解できることができればその他の組み合わせでも使用可能である。膜を構成するポリマーとしては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、PMMA、ポリビニリデンフルオリドなどのフッ素性樹脂が好適に用いられるが、下記製造法での後処理に耐えるポリマー、すなわち、放射線処理または70℃以上で膜構造が変化しない素材であればこれらに限らない。
この原液を用いて、膜すなわち分離膜を製造するが、その形状は平膜であっても、中空糸膜であってもかまわない。中空糸膜を製造する場合には、透水性の小さい1500ml/hr・kPa・m2程度の膜を作るには、注入液としてDMAcと水が55/45程度の混合液を用いて紡糸が可能である。それ以上の透水性を求めるには、例えばこの比を95/5程度に迄高めれば75000ml/hr・kPa・m2程度の膜を作ることも可能である。こうしてできた膜に例えば以下に述べる後処理をすることによって、酸性基、塩基性基の両方を膜表面に付与することができる。まず水洗し、より好ましくは沸騰水中で洗浄し、付着ポリビニルピロリドンの量を調節する。5時間以上洗浄するとポリビニルピロリドンの残存量が少なすぎ、酸性基、塩基性基を所望の密度で膜表面に付与することはできない。4時間以下がより好ましく、2時間程度であれば表面官能基量は十分であり、生理活性物質等の担持も可能となる。このあと、膜を透過させて洗浄し、その後乾燥させ、酸素存在下で、70℃以上の膜素材が溶融しない温度で熱処理を施すこと、およびまたは、ラジカルスカベンジャーの非存在下放射線処理を施すこと等によって達成される。膜を塩基性に保つことは不要である。処理時間は2時間程度から可能であるが、処理時間が長いほど表面官能基密度は高くなる。処理温度は使用した膜構造構成ポリマーのガラス転位温度以下が好ましい。温度が高くなるほど表面官能基密度は高くなる。温度および時間の組み合わせで、表面官能基密度は調整が可能である。これらの処理によって、カルボキシル基およびアミノ基が自発的に膜表面に形成される。ポリリン酸や硫酸共存下で上記後処理をおこなうことでリン酸基やスルホン酸基の導入も可能である。
酸性基の密度が5μmol/g以上で、塩基性基の密度が3μmol/g以上とするためには、上述のとおり、水洗時間を5時間以下にして残存ポリビニルピロリドンを確保し、その後乾燥させ、酸素存在下で、70℃以上の膜素材が溶融しない温度で熱処理を施すこと、およびまたは、ラジカルスカベンジャーの非存在下放射線処理を施すこと等によって達成される。 さらに高密度にするためには熱処理温度を高めたり、放射線照射量を高めればよい。
膜表面の酸性基および/または塩基性基に有機物を固定するためには、これら官能基と、タンパク質やその他生理活性物質などのカルボキシル基およびまたはアミノ基との縮合反応をすることによって可能である。
透水性については、血液浄化や水処理用途などで高い方が好ましいが、本発明においては2ミクロン未満の孔径で1500ml/hr・kPa・m2以上の透水性を有する膜を作ることが可能である。
本発明により得られた分離膜は、皮膚と接触するガーゼや創傷被服材の表面に用いる材料や体液と接触する血液浄化用の医療材、水中のさびや微生物を除去する浄水器などの水処理用途 などとして好適に用いられる。
以下、実施例によってさらに詳細に説明する。
用いた測定法は以下の通りである。
(1)逆滴定法
膜を乾燥させ、1g用意する。測定は23℃室温下で行った。測定を3回繰り返し、その平均値を採用した。
酸性基の定量用のものは、あらかじめ1/10mol濃度のHCl水溶液(容量分析用)10mlで15min以上浸漬し、Na塩などを除く。その膜を、超純水で十分洗浄し、洗浄後の水が中性(pHが7±1)になったのを確認し、凍結乾燥させる。得られた膜を、1/100mol濃度のNaOH水溶液(容量分析用)100ml中に1hr振盪浸漬し、そのうちの30mlを取り出し、1/100mol濃度のHCl水溶液(容量分析用)を用いて容量分析を行う。先に用いた1/100mol濃度のNaOH水溶液(容量分析用)30mlを同様に容量滴定し(コントロール)、中和に使用した1/100mol濃度のHCl水溶液(容量分析用)量の差から、膜に付着した酸性基の濃度を計算で求める。
同様に塩基性基の定量用のものは、あらかじめ1/10mol濃度のNaOH水溶液(容量分析用)10mlで15min以上浸漬し、例えばHCl塩などを除く。その膜を、超純水で十分洗浄し、洗浄液が中性(pHが7±1)になったのを確認し、乾燥させる。得られた膜を、1/100mol濃度のHCl水溶液(容量分析用)100ml中に1hr振盪浸漬し、そのうちの30mlを取り出し、1/100mol濃度のNaOH水溶液(容量分析用)を用いて容量分析を行う。先に用いた1/100mol濃度のHCl水溶液(容量分析用)30mlを同様に容量滴定し(コントロール)、中和に使用した1/100mol濃度のNaOH水溶液(容量分析用)量の差から、膜に付着した酸性基の濃度を計算で求める。
膜1g当たりの酸性基、塩基性基の官能基密度は以下の式1で計算した。
官能基密度(μmol/g)=33.3×(サンプルの中和に必要な液量(ml)-コントロール 液量(ml)) 式1
(2)透水性能の測定
中空糸両端部を封止したガラス管ミニモジュール(本数36本:有効長10cm)の中空糸内側に水圧100mmHgをかけ、外側へ流出してくる単位時間当たりの濾過量を測定した。
透水性能は下記の式2で算出した。
透水性能(ml/hr・kPa・m2)=濾過水量(ml)÷流出時間(hr)÷圧力差(kPa)÷中空糸膜内表面面積(m2) 式2
(3)アルブミン透過率の測定
血液槽に温度37℃で保温したヘマトクリット30%、総蛋白量6.5g/dlの牛血(ヘパリン処理血)を用いて、中空糸内側にポンプで200ml/minで送った。その際、モジュール出口側の圧力を調整して、濾過量がモジュール面積1m2当たり20ml/min(すなわち1.6m2では32ml/min)かかるようにし、濾液、出口血液は血液槽に戻した。環流開始後1時間後に中空糸側入り口、出口の血液、濾液をサンプリングし、血液は遠心分離により血清に分離した後、商品名A/G B−テストワコーアルブミン発色試薬(和光純薬)のBCG(ブロムクレゾールグリーン)法キットによって分析し、その濃度からアルブミン透過率(%)を算出した。また、濾液の濃度算出に当たって、アルブミンの検量線については、良好な感度を得るため、低濃度での検量線を作成する目的で、キット付属の血清アルブミンを適宜、希釈して作成した。
アルブミン透過率(%)=100×2×濾液中アルブミン濃度÷(モジュール入り口アルブミン濃度+モジュール出口アルブミン濃度) 式3
(4)表面孔径の測定
中空糸膜に凍結乾燥処理を施す。これを試料として走査型電子顕微鏡観察を行う。ランダムに10視野(1000倍)観察し、孔径の大きい部分についてさらに倍率を上げて測定精度を上げて観察し、長径と短径の平均値を最大孔径とする。この最大孔径を1視野あたり3点計測する。都合30点の測定の平均値を持ってこの膜の最大孔径とする。膜の表裏又は内外表面の両面について実施し、最大孔径の小さい面の最大孔径が実質的物質透過を規定するため、この値を採用する。
(実施例1)
ポリスルホン(アモコ社 Udel−P3500)8部、(アモコ社 Udel−P1700)8部、ポリビニルピロリドン(インターナショナルスペシャルプロダクツ社;以下ISP社と略す) K30 4部、ポリビニルピロリドン(ISP社K90)2部をジメチルアセトアミド77部、水1部を加熱溶解し、製膜原液とした。
原液粘度は50℃で1.2Pa・secであった。この原液を温度50℃の紡糸口金部へ送り、外径0.35mm、内径0.25mmの2重スリット管から芯液としてジメチルアセトアミド60部、水40部からなる溶液を吐出させ、中空糸状を形成させた後、温度30℃、露点28℃で調湿し、10ミクロン以下のドライミストを加えた250mmのドライゾーン雰囲気を経て、ジメチルアセトアミド20重量%、水80重量%からなる温度40℃の凝固浴を通過させ、80℃15分の水洗工程を通過させ、巻き取り束とした。中空糸内径は200μm、膜厚40μmである。この束を100℃で2時間水洗した後、100℃で2時間乾燥後、170℃の熱処理工程でさらに3.5時間処理し、膜面積1.6m2になるように、ケースに充填し、ポッティングし、端部を両面開口させて、血液浄化モジュールとした。この後乾燥状態で、γ線照射(25KGy)を行ない滅菌し実施例1の膜を得た。
得られたモジュールから膜を切り出し、50本束ね、中空糸中空部を閉塞しないようにエポキシ系ポッティング剤で両末端をガラス管モジュールケースに固定し、ミニモジュールを作成した。該ミニモジュールの直径は約7mm、長さは約12cmである。
また、実施例1の中空糸膜の透水性能は2050ml/hr・kPa・m2であり、表面官能基量は、酸性基66.3μmol/g、塩基性基33.3μmol/gであった。中空糸膜表面の赤外分光解析で、カルボキシル基およびアミノ基の存在を確認した。最大孔径は内表面側で、0.06ミクロンであった。
(実施例2)
ポリスルホン(アモコ社 Udel−P3500)8部、(アモコ社 Udel−P1700)8部、ポリビニルピロリドン(インターナショナルスペシャルプロダクツ社;以下ISP社と略す) K30 4部、ポリビニルピロリドン(ISP社K90)2部をジメチルアセトアミド77部、水1部を加熱溶解し、製膜原液とした。
原液粘度は50℃で1.2Pa・secであった。この原液を温度50℃の紡糸口金部へ送り、外径0.35mm、内径0.25mmの2重スリット管から芯液としてジメチルアセトアミド60部、水40部からなる溶液を吐出させ、中空糸状を形成させた後、温度30℃、露点28℃で調湿し、10ミクロン以下のドライミストを加えた250mmのドライゾーン雰囲気を経て、ジメチルアセトアミド20重量%、水80重量%からなる温度40℃の凝固浴を通過させ、80℃15分の水洗工程を通過させ、巻き取り束とした。中空糸内径は200μm、膜厚40μmである。この束を100℃で2時間水洗した後、100℃で2時間乾燥後、170℃の熱処理工程でさらに3.5時間処理し、実施例2の膜を得た。得られた膜の表面官能基密度を測定した。また中空糸を50本束ね、中空糸中空部を閉塞しないようにエポキシ系ポッティング剤で両末端をガラス管モジュールケースに固定し、ミニモジュールを作成した。該ミニモジュールの直径は約7mm、長さは約12cmである。中空糸の透水性能は2230ml/hr・kPa・m2であり、酸性基64.3μmol/g、塩基性基33.3μmol/gであった。中空糸膜表面の赤外分光解析で、カルボキシル基およびアミノ基の存在を確認した。 最大孔径は内表面側で、0.07ミクロンであった。
(実施例3)
ポリスルホン(アモコ社 Udel/P3500)8部、(アモコ社 Udel/P1700)8部、ポリビニルピロリドン(インターナショナルスペシャルプロダクツ社;以下ISP社と略す) K30 4部、ポリビニルピロリドン(ISP社K90)2部をジメチルアセトアミド77部、水1部を加熱溶解し、製膜原液とした。
原液粘度は50℃で1.2Pa・secであった。この原液を温度50℃の紡糸口金部へ送り、外径0.35mm、内径0.25mmの2重スリット管から芯液としてジメチルアセトアミド60部、水40部からなる溶液を吐出させ、中空糸状を形成させた後、温度30℃、露点28℃で調湿し、10ミクロン以下のドライミストを加えた250mmのドライゾーン雰囲気を経て、ジメチルアセトアミド20重量%、水80重量%からなる温度40℃の凝固浴を通過させ、80℃1分の水洗工程を通過させ、巻き取り束とした。中空糸内径は200μm、膜厚40μmである。この束を100℃で2時間乾燥後、膜面積1.6m2になるように、ケースに充填し、ポッティングし、端部を両面開口させて、血液浄化モジュールとした。この後乾燥状態で、γ線照射(25KGy)を行ない滅菌し、実施例3の膜を得た。得られた膜を切り出し、50本束ね、中空糸中空部を閉塞しないようにエポキシ系ポッティング剤で両末端をガラス管モジュールケースに固定し、ミニモジュールを作成した。該ミニモジュールの直径は約7mm、長さは約12cmである。中空糸の透水性能は1680ml/hr・kPa・m2であり、酸性基8.3μmol/g、塩基性基4.5μmol/gであった。中空糸膜表面の赤外分光解析で、カルボキシル基およびアミノ基の存在を確認した。最大孔径は、内表面側で、0.05ミクロンであった。
(実施例4)
ポリスルホン(アモコ社 Udel/P1700)14部、ポリビニルピロリドン(K90)7部、水2部をジメチルアセトアミド77部に加熱溶解し、外径1.0mm、内径0.7mmの環状オリフィスからなる口金孔内から注入液としてジメチルスルホキシド/水=95/5を注入しつつ、吐出させ、口金面から1.0cm下方に設置した80℃に保温した水を有する凝固浴に通過させ、水洗後カセにまき取り、内径300μm、外径460μmの中空糸条膜を得た。口金は60℃に保温した。得られた中空糸膜を100℃で2時間水洗浄した後、100℃で2時間乾燥後、空気中150℃で5時間処理を施し実施例4の膜を得た。得られた膜を50本束ね、中空糸中空部を閉塞しないようにエポキシ系ポッティング剤で両末端をガラス管モジュールケースに固定し、ミニモジュールを作成した。該ミニモジュールの直径は約7mm、長さは約12cmである。透水性は224ml/hr・Pa・m2であり酸性基の密度は52.3μmol/g、塩基性基は26.3μmol/gであった。アルブミン透過率は98%であった。中空糸膜表面の赤外分光解析で、カルボキシル基およびアミノ基の存在を確認した。最大孔径は内表面側で、1.8ミクロンであった。
(比較例1)
ポリスルホン(アモコ社 Udel/P1700)14部、ポリビニルピロリドン(K90)7部、水2部をジメチルアセトアミド77部に加熱溶解し、外径1.0mm、内径0.7mmの環状オリフィスからなる口金孔内から注入液としてジメチルスルホキシド/水=95/5を注入しつつ、吐出させ、口金面から1.0cm下方に設置した80℃に保温した水を有する凝固浴に通過させ、水洗後カセにまき取り、内径300μm、外径460μmの中空糸条膜を得た。口金は60℃に保温した。得られた中空糸膜を100℃で2時間水洗浄した後、100℃で2時間乾燥した。得られた膜を50本束ね、中空糸中空部を閉塞しないようにエポキシ系ポッティング剤で両末端をガラス管モジュールケースに固定し、ミニモジュールを作成した。該ミニモジュールの直径は約7mm、長さは約12cmである。透水性は12540ml/hr・kPa・m2であり酸性基の密度は10.2μmol/g、塩基性基は2μmol/g以下であり、塩基性基は実質測定誤差に埋まり、検出できなかった。アルブミン透過率は98%であった。中空糸膜表面の赤外分光解析で、カルボキシル基の存在を確認した。最大孔径は内表面側で、1.8ミクロンであった。
(実施例5、比較例2)
実施例4,比較例1の膜を使用して作成した50本入り中空糸膜ミニモジュールに免疫沈殿が可能なヒトインターロイキンIL−6の抗体を水溶性カルボジイミドを用いて水溶液系で1000pg/mlの濃度で膜内表面側に灌流しながら反応させた。10mlのウサギ血漿に500pg/mlのヒトインターロイキンIL−6を溶かして、膜面積(内表面換算)1m2当たり100ml/minの流速で中空糸内腔側へ60min灌流した。灌流後のウサギ血漿中のヒトインターロイキンIL−6の濃度を測定したところ、実施例4の膜では5pg/ml、比較例1の膜では125pg/mlとなった。明らかに実施例4で効率的に抗体結合が起こっていることがわかる。

Claims (8)

  1. 多孔性膜であり、膜表面に酸性基および塩基性基を持ち、かつ、表面の最大孔径の直径が2ミクロン未満である分離膜。
  2. 少なくともカルボキシル基からなる酸性基と1級、2級、3級、4級アミンからなる群より選ばれた1種類以上の塩基性基を表面に持つことを特徴とする請求項1に記載の分離膜。
  3. 酸性基の密度が5μmol/g以上でかつ塩基性基の密度が3μmol/g以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の分離膜。
  4. 該酸性基または該塩基性基との反応によりさらに有機物を固定したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の分離膜。
  5. 透水性能が1500ml/hr・kPa・m2以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の分離膜。
  6. 膜の形態が中空糸状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の分離膜。
  7. ポリスルホン系樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の分離膜。
  8. ポリビニルピロリドンを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の分離膜。
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