JP2005130670A - モータ駆動装置及び電動車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化されたモータ駆動装置及びそのモータ駆動装置を搭載した電動車両を提供する。
【解決手段】回転力及び回生制動による回生電力を発生するモータと、回転力に変換される電力をモータへ供給する電力変換器と、電力変換器の正負極間に接続された平滑コンデンサと、電力変換器の正負極間に接続された直流電源と、直流電源と平滑コンデンサの間に接続された回生電力阻止手段とを有し、回生電力阻止手段はモータが回生制動を行う時に回生電力が直流電源へ供給されることを阻止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータ駆動装置及び電動車両に係り、特に、回生制動による回生電力を発生するモータを有するモータ駆動装置及びそのモータ駆動装置を搭載した電動車両に関する。
電動車両の走行用として使用されるモータに対しては、広い速度範囲(回転数範囲)をカバーできることが強く要請されている。しかし、一般的にモータのトルクは、モータ回転数(速度)の上昇とともに電力変換器の直流電圧の低下によって図12のように最大値の制限を受ける。これに対して、例えば特許文献1等においては、電力変換器(インバータ)の直流電圧を昇圧するために、リアクトルを含む昇圧回路を備え、電源電圧よりも高い電圧をインバータに供給し、トルクの最大値の制限を上昇させている。
特開2003−153577号公報
電動車両の走行用として使用されるモータに対しては、広い速度範囲とともに、その小型化も強く要請されているが、特許文献1ではリアクトル等を含む昇圧回路を備えるために、駆動装置が大型化してしまう。
本発明の第1の特徴は、回転力及び回生制動による回生電力を発生するモータと、回転力に変換される電力をモータへ供給する電力変換器と、電力変換器の正負極間に接続された平滑コンデンサと、電力変換器の正負極間に接続された直流電源と、直流電源と平滑コンデンサの間に接続された回生電力阻止手段とを有するモータ駆動装置であって、回生電力阻止手段はモータが回生制動を行う時に回生電力が直流電源へ供給されることを阻止することを要旨とする。
本発明の第2の特徴は、回転力及び回生制動による回生電力を発生する複数のモータと、回転力に変換される電力をモータへそれぞれ供給する複数の電力変換器と、少なくとも一部の電力変換器の正負極間に接続された平滑コンデンサと、少なくとも一部の電力変換器の正負極間に接続された直流電源と、直流電源と平滑コンデンサの間に接続された回生電力阻止手段とを有するモータ駆動装置であって、回生電力阻止手段はモータが回生制動を行う時に回生電力が直流電源へ供給されることを阻止することを要旨とする。
本発明の第3の特徴は、電動車両の駆動力及び回生制動による回生電力を発生する走行用モータと、駆動力に変換される電力をモータへ供給する電力変換器と、電力変換器の正負極間に接続された平滑コンデンサと、電力変換器の正負極間に接続された直流電源と、直流電源と平滑コンデンサの間に接続された回生電力阻止手段とを有する電動車両であって、回生電力阻止手段は走行用モータが回生制動を行う時に回生電力が直流電源へ供給されることを阻止することを要旨とする。
本発明の第4の特徴は、回転力及び回生制動による回生電力を発生する複数のモータと、回転力に変換される電力をモータへそれぞれ供給する複数の電力変換器と、少なくとも一部の電力変換器の正負極間に接続された平滑コンデンサと、少なくとも一部の電力変換器の正負極間に接続された直流電源と、直流電源と平滑コンデンサの間に接続された回生電力阻止手段とを有する電動車両であって、回生電力阻止手段はモータが回生制動を行う時に回生電力が直流電源へ供給されることを阻止し、少なくとも一部のモータは回転力を電動車両の駆動力として使用する走行用モータであることを要旨とする。
本発明によれば、小型化されたモータ駆動装置及びそのモータ駆動装置を搭載した電動車両を提供することができる。
以下図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図面の記載において同一あるいは類似部分には同一あるいは類似な符号を付している。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るモータ駆動装置は、回転力及び回生制動による回生電力を発生するモータ1と、回転力に変換される電力をモータ1へ供給する電力変換器(例えば、インバータ)2と、インバータ2の正負極間に接続された平滑コンデンサ3と、インバータ2の正負極間に接続された直流電源4と、直流電源4と平滑コンデンサ3の間に接続された回生電力阻止手段15aとを有する。図1に示すモータ駆動装置において、回生阻止手段15aは、並列に接続されたダイオード5及び半導体スイッチ6を備える。ダイオード5の順方向は、直流電源4の正極からインバータ2へ向いている。
モータ1は3相交流同期モータであり、モータ1の3つの端子はインバータ2の出力端子に接続されている。また、インバータ2の直流正負極端子間には、電圧変動を抑制するための平滑コンデンサ3が接続される。
モータ駆動装置は、更に、平滑コンデンサ3の電圧値Vcを測定する電圧センサ7と、モータトルク制御器8と、モータ電流制御器9と、モータ1とインバータ2の間に流れる電流を測定する電流センサ10a、10bと、回転位置センサ11と、位相・速度演算器12と、インバータ電圧制御器13とを有する。
電流センサ10aは、モータ1のU相電流iuを検出し、電流センサ10bは、モータ1のW相電流iwを検出する。回転位置センサ11は、モータ1のロータ位置を検出するエンコーダやレゾルバなどである。位相・速度演算器12は、ロータ位置を表す電気的な位相θを求め、位相θの時間微分よりモータ1の電気的角速度座標ωを演算する。モータトルク制御器8は、モータトルク指令T*を受けて、モータトルク指令T*を実現するモータdq軸電流指令値id*、iq*を出力する。具体的には、モータトルク制御器8は、電気的角速度座標(モータ速度)ω、平滑コンデンサ3の電圧Vc及びモータトルク指令値T*から、用意されたマップを参照して、モータdq軸電流指令値id*、iq*を求める。モータ電流制御器9は、モータトルク制御器8が出力したモータdq軸電流指令値id*、iq*を実現するため、インバータ2のスイッチをオン/オフ動作させるインバータ駆動信号DIを生成する。インバータ電圧制御器13は、半導体スイッチ6をオン/オフ動作させて、平滑コンデンサ3の電圧Vcを制御する。具体的には、インバータ電圧制御器13は、電圧指令値Vc*及び電圧Vcを元にして、ヒステリシスコンパレータを用いて半導体スイッチ6をオン/オフ動作させるスイッチ駆動信号DSWを生成する。
図2に示すように、図1のモータ電流制御器9は、減算器100a、100bと、3相/dq座標変換器101と、dq電流制御器102と、非干渉制御器103と、加算器104a、104bと、dq/3相座標変換器105と、PWM生成器106とを有する。
3相/dq座標変換器101は、モータ1の3相交流からdq軸電流へ座標変換を行う。具体的には、ロータ位置を表す電気的な位相θを用いて、モータ1のU相電流iu及びW相電流iwをd軸電流id及びq軸電流iqへ変換する。なお、dq座標はモータ1の磁束の基本波成分に同期して回転する座標系である。
減算器100aは、モータdq軸電流指令値id*とd軸電流id間の電流制御偏差を求める。減算器100bは、モータdq軸電流指令値iq*とq軸電流iq間の電流制御偏差を求める。
dq電流制御器102は、電流制御偏差が0になるように、d軸電流制御・q軸電流制御を行い、制御信号vd、vqを出力する。
非干渉制御器103は、モータ1の速度起電力に対するフィードフォーワード補償部である。
加算器104a、104bは、制御信号vd、vqに非干渉制御器103からの出力信号vd_cmp、vq_cmpを加算することにより、d軸制御電圧vd*、q軸制御電圧vq*を算出する。
dq/3相座標変換器105は、dq軸電流からモータ1の3相交流へ座標変換を行う。具体的には、ロータ位置を表す電気的な位相θを用いて、d軸電流vd*及びq軸電流vq*をモータ1の3相電流vu*、vv*、vw*へ変換する。
PWM生成器106は、3相電流vu*、vv*、vw*及び平滑コンデンサ3の電圧Vcを入力として、インバータ駆動信号DIを出力する。具体的には、電圧Vcをピーク値に持つ三角波と3相電流vu*、vv*、vw*とを三角波比較することにより、PWM生成を行う。
インバータ駆動信号DIにより、図1に示したインバータ2のスイッチがそれぞれオン/オフ動作を行い、モータ1の端子に電圧が印加され電流が流れる。これによって、モータトルクが発生し、モータ1が駆動される。
回生阻止による昇圧原理について説明する。モータ1を回生動作させて制動力を得る場合、モータ1は回生電力を生成し、モータ1からインバータ2を介してバッテリ(直流電源)4及び平滑コンデンサ3方向に電流が流れる。ここで、半導体スイッチ6をオンさせている時、回生電力のほとんどはバッテリ4に充電され、バッテリ4と平滑コンデンサ3の電圧はほぼ等しくなる。スイッチ6がオフの場合、電流はバッテリ4へ流れないため、回生電力はバッテリ4を充電せず、平滑コンデンサ3を充電することになる。この結果、バッテリ4の電圧よりも、平滑コンデンサ3の電圧が高くなる。このようにして、回生阻止手段15aは、モータ1が回生制動を行う時に、回生電力が直流電源(バッテリ)4へ供給されることを阻止することにより、平滑コンデンサ3の電圧を昇圧する。
図3を参照してインバータ電圧制御器13の動作を説明する。
(イ)先ず、S1段階において、初期状態として、半導体スイッチ6をオンするスイッチ駆動信号DSWを出力する。
(ロ)次に、S2段階において、ヒステリシスコンパレータを用いて、電圧指令値Vc*からヒステリシスバンド△Vcを引いた値と、平滑コンデンサ3の電圧Vcとを比較する。比較の結果、平滑コンデンサ3の電圧Vcが小さければ(S2段階でYESの場合)、S3段階に進み、半導体スイッチ6をオフするスイッチ駆動信号DSWを出力する。一方、平滑コンデンサ3の電圧Vcが大きければ(S2段階でNOの場合)、この比較演算直前に戻る。即ち、インバータ電圧制御器13は、S2段階において平滑コンデンサ3の電圧Vcが(Vc*−△Vc)よりも小さくなるか否かを監視している。
(ハ)S3段階において、半導体スイッチ6をオフすることで、平滑コンデンサ3の電圧Vcは回生電力によって充電されて上昇する。
(ニ)S4段階において、ヒステリシスコンパレータを用いて、電圧指令値Vc*にヒステリシスバンド△Vcを加えた値と、平滑コンデンサ3の電圧Vcとを比較する。比較の結果、平滑コンデンサ3の電圧Vcが大きければ(S4段階でYESの場合)、S1段階に戻り、半導体スイッチ6をオンするスイッチ駆動信号DSWを出力する。平滑コンデンサ3の電圧Vcが小さければ(S4段階でNOの場合)、この比較演算直前に戻る。即ち、インバータ電圧制御器13は、S4段階において平滑コンデンサ3の電圧Vcが(Vc*+△Vc)よりも大きくなるか否かを監視している。
(ホ)S1段階において、半導体スイッチ6をオンすることで、平滑コンデンサ3に蓄えられていた電荷はバッテリ4を充電するように放電され、平滑コンデンサ3の電圧Vcは減少する。以上のループを繰り返し実施する。
このように、第1の実施の形態に係るモータ駆動装置は、モータ1の回生電力を用いて、平滑コンデンサ3の電圧Vcをバッテリ4の電圧よりも高く制御することが可能になる。このため、モータ1が減速した後、再び加速するような運転を行う場合、再加速時に電圧制限を一時的に増加させ、高い応答性を発揮することが出来るようになる。
第1の実施の形態に係るモータ駆動装置を電動車両の走行用モータとして搭載することにより、カーブの入口前で減速するために回生ブレーキを動作させ、平滑コンデンサ3の電圧Vcをバッテリ4の電圧よりも高く制御する。アクセルオフのままカーブを通過し、カーブ出口付近で加速するために、モータ1を力行させる際のトルク上限は、図4に示したように、バッテリ4の電圧で制限される第1の電圧制限ではなく、バッテリ4の電圧よりも高い平滑コンデンサ3の電圧Vcによって定まる第2の電圧制限となる。このため、カーブ通過後の加速度は高くなり、快適な操縦性を運転者に提供できる。
第1の実施の形態によれば、モータ1の回生電力のバッテリ4への回生を阻止することで平滑コンデンサ3の電圧Vcを昇圧することができるので、DCDCコンバータなどの装置を用いて昇圧する場合に比べて、装置全体を小型化することができる。この結果、回生制動後に再び力行する場合に、高い電圧を利用できることで、モータ1の加速性が向上する。
また、並列接続された半導体スイッチ6及びダイオード5によって回生電力阻止手段15aを形成することにより、半導体スイッチ6のオン/オフ動作によって、バッテリ4への回生電力を調整し、平滑コンデンサ3の電圧Vcを制御することができ、インバータ2や平滑コンデンサ3の電圧上限を超過せずにすむ。
(第1の実施の形態の変形例)
図5に示すように、第1の実施の形態の変形例に係るモータ駆動装置は、図1に示したモータ駆動装置に比して、回生電力阻止手段15bがリレー6aであり、リレー6aが直流電源4と平滑コンデンサ3の間に接続されている点が異なる。他の構成は同じであり、説明を省略する。
インバータ電圧制御器13は、リレー6aをオン/オフ動作させて、平滑コンデンサ3の電圧Vcを制御する。具体的には、インバータ電圧制御器13は、電圧指令値Vc*及び電圧Vcを元にして、ヒステリシスコンパレータを用いてリレー6aをオン/オフ動作させるスイッチ駆動信号DSWを生成する。
(第2の実施の形態)
図6に示すように、第2の実施の形態に係るモータ駆動装置は、2つのモータ(第1及び第2のモータ1a、1b)と、電力を第1及び第2のモータ1a、1bへそれぞれ供給する2つの電力変換器(第1及び第2のインバータ2a、2b)と、第1及び第2のインバータ2a、2bの正負極間に接続された平滑コンデンサ3と、第1及び第2のインバータ2a、2bの正負極間に接続された直流電源(バッテリ)4と、バッテリ4と平滑コンデンサ3の間に接続された回生電力阻止手段15aとを有する。即ち、第2の実施の形態では、インバータ2a、2bとモータ1a、1bとの組み合わせが2組である。それぞれのインバータ2a、2bの正負極母線は、平滑コンデンサ3に並列に接続されており、平滑コンデンサ3とバッテリ4の間には、ダイオード5と半導体スイッチ6を並列に接続した回路15aを構成する。
モータ駆動装置は、更に、平滑コンデンサ3の電圧値Vcを測定する電圧センサ7と、モータトルク制御器8a、8bと、モータ電流制御器9a、9bと、モータ1a、1bとインバータ2a、2bの間に流れる電流を測定する電流センサ10a〜10dと、回転位置センサ11a、11bと、位相・速度演算器12a、12bと、インバータ電圧制御器13と、車両制御器14とを有する。即ち、第1及び第2のインバータ2a、2bと第1及び第2のモータ1a、1bとの組み合わせに対応して、モータトルク制御器8a、8b、モータ電流制御器9a、9b、電流センサ10a〜10d、回転位置センサ11a、11b、及び位相・速度演算器12a、12bは、それぞれ2組づつとなる。なお、モータトルク制御器8a、8b、モータ電流制御器9a、9b、位相・速度演算器12a、12bのそれぞれの動作は第1の実施の形態と同様である。
車両制御器14は、舵角指令及び制駆動力指令に基いて、車両の前後駆動力のみならず、ヨーモーメントを操作するモータトルク指令値T1*、T2*をモータトルク制御器8a、8bに与え、電圧指令値Vc*をインバータ電圧制御器13に与える。
図7に示すように、第1及び第2のモータ1a、1bは、電気自動車(車体16)の右後輪18a及び左後輪18bに駆動モータとしてそれぞれ接続されている。即ち、図7に示す電気自動車は、第1及び第2のモータ1a、1bが左右後輪18a、18bを独立して駆動する電動車両である。この場合、図6の車両制御器14は、ヨーモーメントを発生させるために、モータトルク制御器8a、8bに同じ大きさで符号の異なるモータトルク指令値T1*、T2*を与える。
例えば、カーブ手前で電気自動車が回生ブレーキを動作させるとき、回生電力阻止手段15aは、第1及び第2のモータ1a、1bが回生制動を行う時に、回生電力がバッテリ4へ供給されることを阻止する。即ち、インバータ電圧制御器13によって、平滑コンデンサ3の電圧Vcはバッテリ4の電圧よりも高く制御される。カーブ入口にて、運転者がステアリングをきると、舵角指令が車両制御器14に入力され、ヨーモーメントを発生させるために、第1及び第2のモータ1a、1bに同じ大きさで異なる符合のトルク指令値T1*、T2*を与える。
第2の実施の形態によれば、回生電力阻止手段15aが第1及び第2のモータ1a、1bの回生電力のバッテリ4への回生を阻止することで、複数個のモータ1a、1bの平滑コンデンサ電圧を昇圧することができるので、DCDCコンバータなどの装置を用いて昇圧する場合に比べて、装置全体を小型化することができる。
また、昇圧後、複数個のモータ1a、1bの回生電力と力行電力が等しくなる場合には、昇圧された電圧を維持することができる。
更に、第1及び第2のモータ1a、1bの回生電力がバッテリ4へ回生することを阻止することで、左右輪18a、18bを独立して駆動する第1及び第2のモータ1a、1bが平滑コンデンサ3の電圧Vcを昇圧することが可能になる。この結果、左右輪18a、18bの駆動力差によるヨーモーメント制御を実現するのに十分なトルクを発生することが可能になり、電動車両の運動性能が飛躍的に向上する。換言すれば、トルク指令値T1*、T2*に従って、第1及び第2のモータ1a、1bの電流がそれぞれ制御され、第1及び第2のモータ1a、1bで、ほぼ同じ大きさの電力が力行・回生が行われる。このため、平滑コンデンサ3への電荷の移動はほとんどなく、電圧Vcは高い値に保たれる。
このように、回生電力を用いて、平滑コンデンサ3の電圧Vcをバッテリ電圧よりも高く制御した後、第1のモータ1aと第2のモータ1bの力行電力・回生電力がほぼ等しくなるようにモータトルクが制御され、高い電圧を維持することができる。
このため、図8に示すように、バッテリ4bの電圧Vcで制限される第1の電圧制限のラインではなく、第2の電圧制限のラインで第1及び第2のモータ1a、1bを力行・回生することが可能になり、電動車両のヨーモーメントの上限値も増加させることが可能になる。
また、カーブ出口付近で加速する際に、平滑コンデンサ3の電圧Vcは高く維持できるため、カーブ通過後の加速度を高くすることができる。これによって、快適な操縦性を運転者に提供できる。
なお、第1及び第2のモータ1a、1bが左右後輪18a、18bを独立して駆動する場合を示したが、第1及び第2のモータ1a、1bの一方のみが車両の駆動力を発生させる走行用モータであり、他方のモータは非走行用モータであっても構わない。
また、第1及び第2のインバータ2a、2bの両方が回生電力阻止手段15aを介してバッテリ4に接続されている場合を示したが、本発明はこれに限定されない。第1及び第2のインバータ2a、2bの一部、即ち一方のみが回生電力阻止手段15aを介してバッテリ4に接続され、残り部分、即ち他方のインバータが電圧阻止手段15aを介さずにバッテリ4に直接に接続されていても構わない。回生電力阻止手段15aを介さずに接続されたモータは、不要な平滑コンデンサ3の昇圧の影響を受けずに、効率良く運転することが出来る。
(第3の実施の形態)
図9に示すように、第3の実施の形態に係るモータ駆動装置は、3つのモータ(第1乃至第3のモータ1a〜1c)と、電力を第1乃至第3のモータ1a〜1cへそれぞれ供給する3つの電力変換器(第1乃至第3のインバータ2a〜2c)と、一部のインバータ(第1及び第2のインバータ2a、2b)の正負極間に接続された平滑コンデンサ3aと、他の一部のインバータ(第3のインバータ2c)の正負極間に接続された平滑コンデンサ3bと、第1乃至第3のインバータ2a〜2cの正負極間に接続された直流電源(バッテリ)4と、バッテリ4と平滑コンデンサ3aの間に接続された回生電力阻止手段15aとを有する。即ち、第3の実施の形態では、インバータ2a〜2cとモータ1a〜1cとの組み合わせが3組である。第1及び第2のインバータ2a、2bの正負極母線は、平滑コンデンサ3aに並列に接続され、回生電力阻止手段15aを介してバッテリ4に並列に接続されている。第3のインバータ2cの正負極母線は、回生電力阻止手段15aを介さずに平滑コンデンサ3bとバッテリ4に並列に接続されている。回生電力阻止手段15aは、並列に接続したダイオード5と半導体スイッチ6とを備える。
モータ駆動装置は、更に、平滑コンデンサ3aの電圧値Vcを測定する電圧センサ7aと、バッテリ4の電圧を測定するする電圧センサ7bと、モータトルク制御器8a〜8cと、モータ電流制御器9a〜9cと、第1乃至第3のモータ1a〜1cと第1乃至第3のインバータ2a〜2cの間に流れる電流を測定する電流センサと、回転位置センサ11a〜11cと、位相・速度演算器12a〜12cと、インバータ電圧制御器13と、車両制御器14aとを有する。即ち、第1乃至第3のインバータ2a〜2cと第1乃至第3のモータ1a〜1cとの組み合わせに対応して、モータトルク制御器8a〜8c、モータ電流制御器9a〜9c、電流センサ、回転位置センサ11a〜11c、及び位相・速度演算器12a〜12cは、それぞれ3組づつとなる。なお、モータトルク制御器8a〜8c、モータ電流制御器9a〜9c、位相・速度演算器12a〜12c、インバータ電圧制御器13のそれぞれの動作は第1の実施の形態と同様であり、車両制御器14aの動作は第2の実施の形態と同様である。
図10に示すように、第1及び第2のモータ1a、1bは、電気自動車(車体16)の右後輪18a及び左後輪18bに駆動モータとしてそれぞれ接続され、第3のモータ1cは前輪17a、17bに駆動モータとして接続されている。即ち、図10に示す電気自動車は、第1乃至第3のモータ1a〜1cが左右後輪18a、18b及び前輪17a、17bを独立して駆動する電動車両である。この場合、図11(a)に示すように、第1及び第2のモータ1a、1bを回生動作させ、図9のインバータ電圧制御器13は平滑コンデンサ3aの電圧Vcを制御し、昇圧させる。このとき、第1及び第2のモータ1a、1bが回生動作するため、車両に回生電力が発生する。第1及び第2のモータ1a、1bによる回生電力(ブレーキトルク)の合計、即ち後輪トルクの合計は、図11(b)に示すように、各モータ1a、1bのブレーキトルクを足し合わせた値となる。図9の車両制御器14aは、図11(c)に示すように、このブレーキトルクの合計に相当する力行トルクを第3のモータ1cのトルク指令値T3*に加算する。なお、舵角指令が車両制御器14aに入力されると、ヨーモーメントを発生させるために、図11(a)に示すように第1及び第2のモータ1a、1bは、同じ大きさで異なる符合の力行/回生トルクを発生する。よって、図11(d)に示すように車両全体としては、第1乃至第3のモータ1a〜1cは一定のトルクを発生していることになる。
したがって、車両全体の前後力は運転者の意図した大きさを発揮しつつ、カーブ手前などで運転者がブレーキをかけずとも、平滑コンデンサ3aの電圧Vcを昇圧することが可能になり、第1及び第2のモータ1a、1bの電圧制限を増加させることが可能になる。
第3の実施の形態によれば、回生電力阻止手段15aが第1及び第2のモータ1a、1bの回生電力がバッテリ4へ回生することを阻止することで、左右輪を独立駆動する第1及び第2のモータ1a、1bが平滑コンデンサ3aの電圧Vcを昇圧することが可能になる。この結果、左右輪の駆動力差によるヨーモーメント制御を実現するのに十分なトルクを発生することが可能になり、車両の運動性能が飛躍的に向上する。
また、運転者が制動をかけずとも、回生電力阻止手段15aを介してバッテリ4に接続された第1及び第2のモータ1a、1bが回生制動を行い、回生電力を発生させる。回生電力阻止手段15aが回生電力のバッテリ4への回生を阻止することで、平滑コンデンサ3aの電圧Vcを昇圧することが可能になる。また同時に、第1及び第2のモータ1a、1bによる回生電力に相当する力行駆動力を、回生阻止手段15aを介さないでバッテリ4に接続された第3のモータ1cで発生させることで、車両全体の駆動力は、運転者の要求した値を発揮することが可能になる。この結果、回生電力阻止手段15aを介した第1及び第2のモータ1a、1bが高い電圧を利用できるため、加速性能を向上させることが可能になる。
上記のように、本発明は、第1及び第3の実施の形態及びその変形例によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。即ち、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ限定されるものである。
本発明の第1の実施の形態に係るモータ駆動装置を示すブロック図である。 図1のモータ電流制御器を示すブロック図である。 図1のインバータ電圧制御器の動作を示すフローチャートである。 図1のモータ駆動装置におけるモータのトルク・速度特性を示すグラフである。 第1の実施の形態の変形例に係るモータ駆動装置を示すブロック図である。 第2の実施の形態に係るモータ駆動装置を示すブロック図である。 図6のモータ駆動装置を搭載した電動車両の一例を示す模式図である。 図6のモータ駆動装置におけるモータのトルク・速度特性を示すグラフである。 第3の実施の形態に係るモータ駆動装置を示すブロック図である。 図9のモータ駆動装置を搭載した電動車両の一例を示す模式図である。 図11(a)乃至図11(d)は、図9のモータ駆動装置における第1乃至第3のモータの動作手順を示すグラフである。 従来のモータ駆動装置におけるモータのトルク・速度特性を示すグラフである。
符号の説明
1、1a、1b、1c:モータ(走行用モータ)
2、2a、2b、2c:インバータ(電力変換器)
3、3a、3b:平滑コンデンサ
4:バッテリ(直流電源)
5:ダイオード
6:半導体スイッチ
7:電圧センサ
8、8a、8b、8c:モータトルク制御器
9、9a、9b、9c:モータ電流制御器
10a、10b、10c、10d、10e、10f:電流センサ
11、11a、11b、11c:位置センサ
12、12a、12b、12c:位相・速度演算器
13:インバータ電圧制御器
14、14a:車両制御器
15a、15b:回生電力阻止手段
16:車体
17a、17b:前輪
18a、18b:後輪
100a、100b:減算器
101:3相/dq軸座標変換器
102:dq軸電流制御器
103:非干渉制御器
104a、104b:加算器
105:dq軸/3相座標変換器
106:PWM生成器

Claims (9)

  1. 回転力及び回生制動による回生電力を発生するモータと、
    前記回転力に変換される電力を前記モータへ供給する電力変換器と、
    前記電力変換器の正負極間に接続された平滑コンデンサと、
    前記電力変換器の正負極間に接続された直流電源と、
    前記直流電源と前記平滑コンデンサの間に接続され、前記モータが前記回生制動を行う時に、前記回生電力が前記直流電源へ供給されることを阻止する回生電力阻止手段
    とを有することを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 回転力及び回生制動による回生電力を発生する複数のモータと、
    前記回転力に変換される電力を前記モータへそれぞれ供給する複数の電力変換器と、
    少なくとも一部の前記電力変換器の正負極間に接続された平滑コンデンサと、
    前記少なくとも一部の電力変換器の正負極間に接続された直流電源と、
    前記直流電源と前記平滑コンデンサの間に接続され、前記モータが前記回生制動を行う時に、前記回生電力が前記直流電源へ供給されることを阻止する回生電力阻止手段
    とを有することを特徴とするモータ駆動装置。
  3. 前記回生阻止手段は、並列に接続されたダイオード及び半導体スイッチを備えることを特徴とする請求項1又は2記載のモータ駆動装置。
  4. 前記回生阻止手段はリレーを備えることを特徴とする請求項1又は2記載のモータ駆動装置。
  5. 電動車両の駆動力及び回生制動による回生電力を発生する走行用モータと、
    前記駆動力に変換される電力を前記モータへ供給する電力変換器と、
    前記電力変換器の正負極間に接続された平滑コンデンサと、
    前記電力変換器の正負極間に接続された直流電源と、
    前記直流電源と前記平滑コンデンサの間に接続され、前記走行用モータが前記回生制動を行う時に、前記回生電力が前記直流電源へ供給されることを阻止する回生電力阻止手段
    とを有することを特徴とする電動車両。
  6. 回転力及び回生制動による回生電力を発生する複数のモータと、
    前記回転力に変換される電力を前記モータへそれぞれ供給する複数の電力変換器と、
    少なくとも一部の前記電力変換器の正負極間に接続された平滑コンデンサと、
    前記少なくとも一部の電力変換器の正負極間に接続された直流電源と、
    前記直流電源と前記平滑コンデンサの間に接続され、前記モータが前記回生制動を行う時に、前記回生電力が前記直流電源へ供給されることを阻止する回生電力阻止手段とを有し、
    少なくとも一部の前記モータは、前記回転力を電動車両の駆動力として使用する走行用モータであることを特徴とする電動車両。
  7. 前記走行用モータは、前記回生電力阻止手段を介して前記直流電源に接続された前記走行用モータと、前記回生電力阻止手段を介さずに直接、前記直流電源に接続された前記走行用モータとを含むことを特徴とする請求項6記載の電動車両。
  8. 前記走行用モータは、前記電動車両の左輪及び右輪を独立に駆動する走行用モータを含み、前記走行用モータは、前記回生電力阻止手段を介して前記直流電源に接続されていることを特徴とする請求項6記載の電動車両。
  9. 前記回生電力阻止手段を介して前記直流電源に接続された走行用モータに前記回生電力を発生させ、前記回生電力阻止手段を介さずに直接、前記直流電源に接続された走行用モータに前記回生電力の大きさに等しい力行駆動力を加算して駆動力を発生させる車両制御器を更に有することを特徴とする請求項6記載の電動車両。
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