JP2005130345A - 映像信号および静止画像の符号化方法 - Google Patents

映像信号および静止画像の符号化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 拡大処理された画像、および拡大処理された画像を構成要素として含む映像信号を効率的に圧縮することが可能な映像信号および静止画像の符号化方法を提供する。
【解決手段】 階調補正画像(a)の拡大条件(拡大方式・拡大倍率)を所定のものであると仮定して、仮定した拡大条件にしたがって縮小を行って縮小画像(b)を得る。次に、縮小画像を仮定した拡大条件で拡大して拡大画像(c)を得た後、この拡大画像と階調補正画像を照合して両者が一致する場合には、仮定した拡大条件を決定する。決定した拡大条件を利用して階調補正画像から間引き画像を得て、その間引き画像に対して、予測誤差算出、可変長符号化処理を行って符号化データを得る。
【選択図】 図6

Description

本発明は、映像制作、映像データの素材保管、ロケ素材の中継など映像制作分野、特にNTSC以上の品質の高い高精細映像制作を行う分野、コンピュータグタフィックスを用いたCGアニメーション映像制作分野、科学技術シミュレーションにおける可視化映像制作分野、CD・DVD・半導体メモリ等のデジタル記録媒体を用いた映像記録再生装置分野、電子カルテや遠隔医療における医用静止画・動画像の保存と伝送、デジタル印刷製版工程における素材やページメークアップ画像データの保管と伝送、リモートセンシング・衛星画像解析・地図情報処理分野におけるデータの保管と伝送など、データの改変が嫌われる分野等において好適なデータの圧縮符号化技術に関する。
従来より、映像信号の圧縮には様々な手法が用いられている。映像信号を圧縮して符号化する手法として、MPEG−1、MPEG−2、MPEG−4などが実用化されている。このような圧縮符号化方式により、映像信号を小さいデータとして扱うことが可能となり、データの記録・伝送の効率化に貢献している。
上述のようなMPEG−1、MPEG−2、MPEG−4等はいずれもロッシー符号化方式といわれるものであり、効率的な圧縮が可能であるが、復号化にあたって、少なからず品質の劣化を伴い、原信号を完全に再現することはできない。そのため、映像制作、素材保管、ロケ素材の中継など映像制作分野では、ロッシー符号化方式ほど圧縮効率は高くないが、原信号を完全に再現することが可能なロスレス符号化方式、もしくは、原信号をほぼ完全に再現可能なニアロスレス符号化方式が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−92684号公報
映像制作分野などにおいては、映像を構成する各静止画像を拡大する処理が行われることがある。また、デジタルカメラで撮影された静止画像も拡大処理されて保存されることがある。このように拡大処理された画像については、拡大のために元の画像の画素値を複製した冗長な画素が存在するため、通常の画像よりも効率的に圧縮できる可能性が高い。そこで、本発明は、上記のような拡大処理された画像、および拡大処理された画像を構成要素として含む映像信号を効率的に圧縮することが可能な映像信号および静止画像の符号化方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明では、静止画像であるフレームを時系列に配列したフレーム群として構成される映像信号に対して、当該映像信号を再現できるように情報量を圧縮する方法として、前記静止画像を構成する画素を主グループと副グループの2つのグループに分割し、一方の主グループの画素を基に他方の副グループの画素を求めるための拡大条件を探索し、前記探索された拡大条件により副グループに属する全ての画素が主グループの画素に基づいて算出できる場合、前記副グループの画素を削除する冗長画素間引き段階と、前記主グループに属する画素値xに対して、一次元配列上前方に位置する1つまたは複数の主グループに属する画素値に基づいて算出される予測値との予測誤差値eに変換する予測誤差算出段階と、前記変換された予測誤差値eをビット長が異なる可変長符号で符号化する可変長符号化段階を実行するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、静止画像を構成する画素を2つのグループに分割し、主グループと副グループの関係に基づいて、複製された画素を特定し、主グループのみの画素で構成される間引き画像に変換した後、予測誤差算出、可変長符号化を行うようにしたので、拡大処理された静止画像、およびこのような静止画像で構成される映像信号の効率的な圧縮が可能となるという効果を奏する。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(デジタル映像信号の構造)
まず、本発明に係る映像信号の符号化方法において、圧縮符号化対象とするデジタル映像信号について説明しておく。本実施形態では、映像信号として三原色の色信号から構成されるカラー映像信号を適用した場合を例にとって説明していく。図1(a)は、本発明において扱うデジタル映像信号を模式化して示した図である。図1において、左右方向は時系列方向であり、右側に行く程、時間が進むことになる。図1(a)に示した映像信号は1フレームが光の三原色であるR・G・Bの3プレーンで構成されている。
図1(a)に示したようなデジタル映像信号を得るには、まず、映像をTVカメラ等で撮影してデジタル化する。CG等の場合は、カメラを通さず、データそのものを入力する。続いて、このようにして得られた各フレームを拡大処理する。すなわち、画素数を横方向・縦方向にそれぞれ整数倍した拡大画像とする。このようなデジタル映像信号は、1秒間に複数フレーム(静止画像)を有し、各フレームがR、G、Bの3色の輝度値を有するものとなっている。このデジタル映像信号は、各フレームの画素数を増加させたものであるので、映像信号内の各フレーム間の関係、各プレーン間の関係は、変更されておらず、拡大前のデジタル映像信号と全く同じである。なお、本実施形態では、1秒間に30フレーム、各画素の各色に8ビットが割り当てられているものとして説明する。例えば、10秒間に渡って記録したデジタル映像信号は、300フレーム、900プレーンで構成されるフレーム群となる。
(本発明の符号化方法)
続いて、本発明に係る映像信号の符号化方法の概要について説明する。本発明の符号化方法は、符号化方法を実行するための専用のソフトウェアプログラムをコンピュータ上で起動させることにより、コンピュータによって実行される。図2は、本発明に係る映像信号の符号化方法の概要を示すフローチャートである。まず、図1(a)に示したようなデジタル映像信号を、コンピュータに読み込ませる。すると、コンピュータは、まず、映像信号の各フレームの各プレーンについて、階調データの変換処理を行う(ステップS1)。ここで、ステップS1の階調変換処理の詳細について図3のフローチャートを用いて説明する。まず、全フレーム、全プレーンの画素階調、即ち画素値のヒストグラムを作成する(ステップS11)。ここで、作成されたヒストグラムの例を図4(a)に示す。図4(a)の例では、画素値が0の画素の出現頻度が1000回、画素値が1の画素の出現頻度が30回、画素値が2の画素の出現頻度が5回であることを示している。続いて、階調変換ルックアップテーブル(以下、階調変換LUTという)を作成する(ステップS12)。具体的には、出現頻度が所定回数以上の画素値、およびその画素値の近傍の画素値にのみ、変換後の画素値である変換値を割り当てる。なお、出現頻度の閾値およびどの程度の近傍まで割り当てるかについては、設定により変更することができる。
例えば、図4(a)の例において、出現頻度の閾値を100回、近傍画素値を±2と設定してあった場合、頻度1000回である画素値0、頻度2000回である画素値8、頻度1000回である画素値16が、閾値100回以上の条件を満たす。そして、画素値0の近傍画素値は画素値1と画素値2であり、画素値8の近傍画素値は画素値6、画素値7、画素値9、画素値10であり、画素値16の近傍画素値は画素値14、画素値15、画素値17、画素値18であるので、これらの画素値には、変換値が割り当てられることになる。この際、割り当てられない画素値を除いて、割り当てられる画素値は昇順で割り当てられる。この結果、図4(b)に示すような階調変換LUTが作成されることになる。図4(b)に示すように、割り当てられることになった元の画素値0,1,2,6,7,8,9,10,14,15,16、17、18に対して、0〜12の変換値が割り当てられる。階調変換LUTが作成されたら、この階調変換LUTを用いて全フレーム、全プレーンの画素の値を変換していく(ステップS13)。この結果、図1(a)に示した原フレーム画像で構成される映像信号は、図1(b)に示すような階調補正画像と階調変換LUTで構成されるデータに変換されることになる。使用された変換LUTは、符号化処理においては、これ以降使用されないため、符号データの一部として出力される(ステップS14)。
図2のフローチャートに戻って、ステップS1の階調データの変換処理が終わったら、冗長画素の間引き処理を行う(ステップS2)。ここで、ステップS2の冗長画素の間引き処理の詳細について図5のフローチャートを用いて説明する。まず、図1(b)に示したような映像信号を構成する階調補正画像の中から1つを取り出し、その階調補正画像を縮小した縮小画像の作成を行う(ステップS21)。具体的には、元の映像信号を構成する原フレーム画像が、ある拡大方式で、ある倍率で拡大されたものであると仮定して、仮定した拡大方式・倍率に従って縮小を行う。拡大方式としては、周知の方式としてニアレストネイバー法、バイリニア法、キュービック・コンボルーション法等があるが、例えば、ニアレストネイバー法であると仮定して、縦横それぞれ2倍に拡大されたと仮定した場合は、2×2の4画素単位で左上端の1画素のみを残して他の3画素を削除する。この結果、例えば、図6(a)に示すような、元のフレームの8×8の画素ブロックは、図6(b)に示すような4×4で構成される画素ブロックに間引かれることになる。このとき、図6(a)に示した画素(1,1)は図6(b)においても画素(1,1)としてそのまま残るが、図6(a)に示した画素(2,1)、画素(1,2)、画素(2,2)は削除されることになる。
次に、縮小画像を拡大した拡大画像の作成を行う(ステップS22)。具体的には、ステップS21において縮小した倍率および仮定した拡大方式で拡大を行う。上記のように縦横それぞれ2倍に拡大されたと想定した場合は、縮小画像の各画素について、同一の画素値を有する画素を右、下、右下の3箇所にコピーする。この処理を縮小画像の各画素に対して行うことにより、図6(b)に示した縮小画像から図6(c)に示すような拡大画像が得られることになる。このとき、図6(b)に示した画素(1,1)は図6(c)においても画素(1,1)としてそのまま残るとともに、図6(c)に示した画素(2,1)、画素(1,2)、画素(2,2)には、画素(1,1)と全く同じ値が与えられることになる。拡大画像が得られたら、拡大画像と階調補正画像との照合を行う(ステップS23)。具体的には、階調補正画像と拡大画像が完全に一致するかどうか、すなわち、階調補正画像と拡大画像上の同位置における画素の値が全て一致するかどうかを照合する。照合の結果、一致しない場合には、仮定した拡大条件が正しくなかったとして、拡大条件を変更してステップS21〜ステップS23の処理を繰り返して行う。拡大条件の変更は、まず、拡大方式を固定したまま拡大倍率を変更して行い、次に拡大方式を変更して、同様に拡大倍率を変更していく。例えば、上述のようにニアレストネイバー法で2倍であると仮定した場合には、ニアレストネイバー法で3倍、4倍、…というように拡大倍率を変更してステップS21〜ステップS23の処理を行っていき、次に、拡大方式をバイリニア法に変更して、2倍、3倍、4倍、…というように拡大倍率を変更してS21〜ステップS23の処理を行っていき、次に、キュービック・コンボルーション法に変更して、2倍、3倍、4倍、…というように拡大倍率を変更してS21〜ステップS23の処理を行っていくことになる。この過程で、両画像が一致した場合には、ステップS21で仮定した拡大倍率および拡大方式が原フレーム画像を得るために用いられた拡大条件であったと決定し、以降、この拡大条件にしたがって、逆の縮小処理を、映像信号内の全階調補正画像に対して行って間引き画像を作成していく(ステップS24)。この結果、図7(a)に示すような各階調補正画像は、図7(b)に示すような間引き画像と拡大条件データで構成されるデータに変換されることになる。全階調補正画像に対して縮小処理を行ったら、上記拡大条件データを出力ファイルに書き込む(ステップS25)。なお、ステップS2における冗長画素の間引き処理は、階調補正画像に対して行ったが、ステップS1の階調データの変換処理を行わない場合は、原フレーム画像に対して行うことになる。
図2のフローチャートに戻って説明する。ステップS2の冗長画素の間引き処理が終わったら、映像信号の各間引き画像の各プレーンについて、色信号間の相関演算処理を行う(ステップS3)。具体的には、R、G、Bの各プレーンの各画素の値を基に、以下の〔数式1〕に従って計算し、R、G、Bの各プレーンを、新たなX、Y、Zの各プレーンに再構成する。この結果、図8(a)に示すようなR,G,Bの間引き画像は、図8(b)に示すようなX、Y、Zで表現された色変換画像に変換されることになる。
〔数式1〕
X=R−G
Z=B−G
Y=G+X/3+Z/3
〔数式1〕において、Xは、GとRの差分演算、Zは、GとBの差分演算により得られるものであることを示している。なお、Yを求めるための第三式の右辺の要素にX、Zが含まれているため、第三式による演算以前に、Xを求めるための第一式、Zを求めるための第二式の演算処理を行っておかなければならない。ここで、いずれにおいても、Gを基準としているのは、輝度信号はGを主体としており、R−G、B−Gの色差信号の空間分解能はG信号に対して1/2程度になるためである。すなわち、R、Bの2プレーンを差分信号X、Zにすると、隣接画素間の輝度差が小さくなり、圧縮に適したデータとなる。なお、入力映像が、モノクロである場合は、X、Zの値は共に「0」となる。
続いて、信号平坦部の処理を行う(ステップS4)。信号平坦部とは、信号レベルが均一な値になっている箇所をいう。コンピュータグラフィックス映像等を除き、均一な値として信号レベルの最小値「0」または信号レベルの最大値(例えば255)が通常候補になる。実写映像では、一般にこのような箇所はまれであるが、照明が全暗になりA/D変換器入力が零校正レベル以下であったり(カメラの校正により全暗時にはカメラ信号出力が負値になる場合もある)、映像が逆光照明になってA/D変換器が飽和したりすると、このような箇所が生じる。信号レベルが「0」および信号レベルが最大値のいずれであっても、信号平坦部は、同一の信号レベルが所定の領域(所定の画素数)連続して記録される。このため、この部分は圧縮し易いデータになっている。すなわち、ステップS2においては、隣接する画素との値の差が「0」である画素が連続する部分を、信号平坦部データとして別途記録することになる。画素の差分演算の方向は、画素の走査線方向に行う。具体的には、隣接する画素と画素値の差が「0」である限り、次の画素との比較を行っていき、差が「1」以上となる画素が存在した場合に、その直前の画素までを信号平坦部として抽出する。信号平坦部データが記録された場合、プレーン上のその領域はマスク領域としてマスクされることになる。
ここで、信号平坦部処理の様子を図9を用いて説明する。例えば、画像が横720画素×縦480画素で構成されている場合、左上端の画素(1,1)から右下端の画素(720,480)まで順次処理していくが、左上端の画素(1,1)から右上端の画素(720,1)まで右方向に向かって処理した後、右端2行目の画素(720,2)から左端2行目の画素(1,2)まで左方向に向かって処理し、さらに、左端3行目の画素(1,3)から右端3行目の画素(720,3)まで左方向に向かって処理する、という具合にジグザグに処理し、右端479行目の画素(720,479)から右端最下行の画素(720,480)を通って、左端最下行の画素(1,480)まで処理していく。この処理方向において、連続する画素の値が同一である場合に、信号平坦部データとして記録する。このようにして、奇数番目と偶数番目の処理方向を逆にするのは、処理する画素値の変動を抑えるためである。例えば、図9の例で、画素(720,1)の画素値に着目すると、画素(720,2)の画素値とは大きく変わらないと予想されるが、画素(1,2)の画素値とは大きく変わることが予想される。ステップS2および後述するステップS3の処理においては、画素値の差が「0」である場合にデータ圧縮が可能となるので、画素値の変動を抑えるため、奇数番目と偶数番目の処理方向を逆にしているのである。
信号平坦部データの作成は、信号平坦部の先頭画素の座標値を記録すると共に、同一画素値が連続する画素数、画素値を信号平坦部テーブルに記録していくことにより行われる。信号平坦部テーブルの一例を図10(a)に示す。本実施形態では、信号平坦部データは、先頭画素のij座標、連続する画素数、信号平坦部に共通となる画素値で構成されている。図10(a)の1段目に示す信号平坦部は、(5,10)から85個(すなわち(5,94)まで)の画素の値が「136」で同一であることを示している。図10の2段目に示す信号平坦部は、(681,25)から106個の画素の値が「88」で同一であることを示している。(681,25)から106個となると、右端の(720,25)に達するので、その下の行の(720,26)から(655,26)までが信号平坦部となる。
なお、図10(a)に示した信号平坦部テーブルは、フレーム番号およびプレーン種別毎に用意されており、復号時に、信号平坦部データを、どのフレームのどのプレーンに戻せば良いかがわかるようになっている。
次に、信号平坦部処理されたデジタル映像信号に対して、時間的に隣接するフレーム間の演算処理を行う(ステップS5)。具体的には、まず、隣接するフレーム間の同一色プレーン同士で同一座標の画素同士の差分演算を行う。その結果、差分が「0」、すなわち画素の値が同一となる画素の集合をフレーム間同一データとして別途記録する。ステップS5における隣接フレーム間の画素の差分演算も、上記ステップS4と同様に、画素の走査線方向に行う。具体的には、隣接するフレーム間の同一座標の画素との差が「0」である限り、次の画素についても比較を行っていき、差が「1」以上となる区間が存在した場合に、その直前の画素までの画素をフレーム間同一データとして抽出する。なお、この際、既に信号平坦部処理でマスクされた領域は、比較対象の画素から除外する。フレーム間同一データが記録された場合、後続するフレームのその領域はマスク領域としてマスクされることになる。なお、隣接するフレーム間とは、例えば、図8(b)の例ではフレームF1とフレームF2のことであり、フレームF2が後続するフレームとなる。フレームF1とフレームF2間で相関演算を行う場合、フレームF1のXプレーンとフレームF2のXプレーン、フレームF1のYプレーンとフレームF2のYプレーン、フレームF1のZプレーンとフレームF2のZプレーンの3つの相関演算が行われる。
フレーム間の差分演算は、同一プレーンの同一座標の画素同士を比較することにより行う。すなわち、画素(1,1)同士を比較した後、画素(2,1)同士を比較し、図9に示した信号平坦部の場合と同様に、各行ごとに処理方向を逆にして、画素(1,480)まで処理を行うことになる。この結果、画素同士の差分が「0」となる区間を、マスク領域としてマスクすると共に、フレーム間同一データとして記録する。
フレーム間同一データの作成は、差分が「0」となった先頭画素の座標値を記録すると共に、差分が「0」となる画素が連続する画素数をフレーム間テーブルに記録していくことにより行われる。フレーム間テーブルの一例を図10(b)に示す。本実施形態では、フレーム間同一データは、先頭画素のij座標、連続する画素数で構成されている。
なお、図10(b)に示したフレーム間テーブルは、フレーム間およびプレーン種別毎に用意されており、復号時に、フレーム間同一データを、どのフレームのどのプレーンに戻せば良いかがわかるようになっている。
このように、隣接する両フレーム間において、画素の差分演算を行うと、動きが早い部分については、当然画素値の差分が大きくなる。例えば、ある風景の中の特定の位置で物体が激しく動いているシーンなどでは、物体が存在する位置では、相関が低いことがあらかじめわかっているので、相関演算の処理を行うだけ無駄になる。このような場合、動きの速い部分だけをフレーム間演算の非適用領域として設定しておき、その他の領域についてのみフレーム間演算を行うようにすれば良い。そのため、本発明では、画像のフレームを表示手段などに表示させ、非適用領域のフレーム上の位置と、フレーム番号(時刻)をあらかじめ利用者に設定させるようにしている。このように、非適用領域が設定されたフレームについては、非適用領域を除いた領域について相関演算を行う。
以上のようにして、デジタル映像信号のフレーム群から信号平坦部データ、フレーム間同一データが分離され、分離された各データの画素は、いわゆるランレングス形式により、各テーブルに少ないデータ量で記録される。また、各プレーン上には、信号平坦部データ、フレーム間同一データとして抽出された画素に対応する領域は、マスク領域としてマスクされる。
なお、マスク領域は、各フレーム各プレーンにおいて、マスクされた区間の座標を、マスクデータに記録することにより行われる。後述する非マスク領域に対する処理は、コンピュータが、マスクデータを参照してマスク領域を認識し、マスク領域以外を非マスク領域として認識することにより、処理すべき画素が決定される。
続いて、非マスク領域の画素について、近傍の画素を基に各画素の予測値と予測誤差の算出を行う(ステップS6)。本実施形態では、算出対象とする対象画素(i,j)の予測誤差値e(i,j)を算出するために、対象画素の元の画素値x(i,j)、および図11に示すような近傍3画素(i−1,j−1)、(i,j−1)、(i−1,j)の値x(i−1,j−1)、x(i,j−1)、x(i−1,j)を利用する。
以下に、このような近傍3画素を利用した予測誤差変換について説明する。予測誤差変換の処理概要を図12のフローチャートに示す。まず、あらかじめ準備された複数の予測計算式を用いて、各予測計算式に対応した線形予測誤差を算出する(ステップS31)。具体的には、画素(i,j)の予測誤差を算出する予測計算式として、以下の〔数式2〕〜〔数式8〕を用意している。
〔数式2〕
e0=x(i,j)−x(i−1,j)
〔数式3〕
e1=x(i,j)−x(i,j−1)
〔数式4〕
e2=x(i,j)−x(i−1,j−1)
〔数式5〕
e3=x(i,j)−x(i−1,j)−x(i,j−1)+x(i−1,j−1)
〔数式6〕
e4=x(i,j)−x(i−1,j)−{x(i,j−1)−x(i−1,j−1)}/2
〔数式7〕
e5=x(i,j)−x(i,j−1)−{x(i−1,j)−x(i−1,j−1)}/2
〔数式8〕
e6=x(i,j)−{x(i−1,j)+x(i,j−1)}/2
上記〔数式2〕〜〔数式8〕において、e0〜e6は各予測計算式による画素(i,j)の予測誤差であり、x(i,j)、x(i,j−1)、x(i−1,j)、x(i−1,j−1)は画素(i,j)、(i,j−1)、(i−1,j)、(i−1,j−1)における画素値である。
続いて、上記各予測計算式別の予測誤差値の絶対値の累積である累積誤差が最小となる線形予測誤差をその画素の予測誤差として選出する(ステップS32)。ここでは、累積誤差という考え方を用いている。具体的には、各予測計算式〔数式2〕〜〔数式8〕により算出された予測誤差の過去の画素についての累積値をA0〜A6として設定する。そして、この累積誤差A0〜A6のうち、最小となるものに対応する予測誤差を選出する。例えば、A0〜A6のうち、A3が最小であったとする。この場合、〔数式5〕で算出された予測誤差e3を符号化対象とする予測誤差e(i,j)として選出することになる。選出された予測誤差e(i,j)は、画素(i,j)の元の値x(i,j)と置き換えられて以降処理が行われることになる。
続いて、累積誤差A0〜A6に各予測誤差e0〜e6の絶対値を加算する(ステップS33)。具体的には、以下の〔数式9〕に示すように、累積誤差値となる変数A0〜A6を更新していく。同時に、各サンプルの処理を行う度に、カウンタを1つづつ加算していく処理を行う。
〔数式9〕
A0←A0+|e0| A1←A1+|e1|
A2←A2+|e2| A3←A3+|e3|
A4←A4+|e4| A5←A5+|e5|
A6←A6+|e6|
続いて、カウンタが所定回数を超えたかどうかの判定を行う(ステップS34)。本実施形態では、この所定回数を100回として設定している。すなわち、カウンタが100を超えたかどうかの判定を行う。
この結果、カウンタが100を超えていたら、累積誤差を半分にする(ステップS35)。具体的には、以下の〔数式10〕に示すように、累積誤差となる変数A0〜A6を2で除算する。同時に、カウンタを0にリセットする。すなわち、ここでのA0〜A6は純粋な意味での累積誤差ではなく、累積誤差の移動平均となっている。本実施形態では、直前の最大100画素までは累積されるが、それ以前のものは半分になるように処理する。これにより、距離的に離れた画素の影響が小さくなるようにしている。
〔数式10〕
A0←(A0)/2 A1←(A1)/2
A2←(A2)/2 A3←(A3)/2
A4←(A4)/2 A5←(A5)/2
A6←(A6)/2
上記ステップS31〜ステップS35の処理を全フレーム、全プレーンの非マスク領域における全画素に対して実行することにより、非マスク領域の全画素の値が元の値x(i,j)から対象誤差e(i,j)に置き換えられることになる。なお、プレーン上の各画素データの中には、上記ステップS4の信号平坦部処理、ステップS5のフレーム間演算においてマスクされたマスク領域が存在する。このマスク領域上の各画素については、予測誤差算出の対象画素とはしないが、マスク領域に属さない対象画素の予測誤差算出のために利用される。例えば、図11に示すようなプレーンにおいて、マスク領域に属さない画素(i,j)を対象画素として予測誤差を求める際、画素(i−1,j−1)、画素(i,j−1)、画素(i−1,j)のいずれかがマスク領域に存在するか否かに関わらず、画素(i−1,j−1)、画素(i,j−1)、画素(i−1,j)の値を利用して画素(i,j)の予測誤差の算出を行う。
上記のようにして予測符号化が行われたら、続いて、各画素データの正負極性処理を行う(ステップS7)。上記ステップS1〜ステップS6までの処理により各画素の値は、R,G,B値から、X,Y,Z値の予測誤差に置き換えられたが、各画素のビット形式は、当初のままである。通常、コンピュータ等の計算機で演算される場合は、各データは32ビット単位で処理され、2の補数表現を用いて表現されている。これを、正負の符号付き絶対値表現に変換し、なおかつ、その絶対値部分を上位に1ビット移動させ、正負の符号ビットをLSB(最下位ビット)に移動させる。ステップS5におけるビット構成の変換の様子を模式的に示すと図13のようになる。図13(a)は処理前のビット構成であり、図13(b)は処理後のビット構成である。このように正負の符号ビットをLSBに移動させるのは、後のステップS8における可変長符号化処理で、各画素のビット長を検出し易くするためである。
次に、各画素を可変長に変換する処理を行っていく(ステップS8)。本実施形態における可変長符号化は、一般にゴロム符号化と呼ばれる方式を採用している。具体的には、1画素を構成するビット成分を上位ビット成分と下位ビット成分に分け、下位ビット成分は変更を加えずそのままとし、上位ビット成分は、上位ビットだけを十進数変換した数値分のビット「0」を並べ、最後にセパレータビット「1」を加えた配列とする。例えば、8ビットのビット成分「00101000」を考えてみる。このとき、下位ビット成分を4ビットとすると、下位ビット成分は「1000」となる。上位ビットは「0010」であるため、これを十進数変換した「2」個分の「0」を配列して最後に「1」を加えた「001」に変換される。この結果、8ビットのビット列「00101000」は、7ビットのビット列「0011000」に変換されることになる。本実施形態では、変換の前後でビット成分を不変とする下位ビット成分のビット長を各画素で可変とするようにしている。
以下、ステップS8における可変長符号化処理を具体的に説明していく。図14は可変長符号化の概要を示すフローチャートである。まず、処理済みの画素のビット長の移動平均である平均ビット長Bfを算出する(ステップS41)。平均ビット長Bfは、処理済みのビット長の累積値である累積ビット長RBを、処理済みの画素数を基にしたカウンタCで除算することにより求められる。すなわち、Bf=RB/Cで算出される。累積ビット長RBは、初期状態では0であるので、(i,j)=(1,1)の画素を処理する場合には、(i,j)=(1,1)の画素のビット長Bd(i,j)を初期値として設定しておく。また、初期のカウンタC=1と設定する。
続いて、座標(i,j)における画素のビット長Bd(i,j)を算出する(ステップS42)。(i,j)=(2,1)以降の画素については、平均ビット長Bfの算出後、画素のビット長Bd(i,j)を算出する。このビット長Bd(i,j)は、上記ステップS5においてビット構成の変換を行ったことにより算出し易くなっている。図11(b)に示したようなビット構成に変換したことにより、各画素のビット構成において先頭にビット「1」が出現したところからがビット長となる。次に、変更部のビット長Bvを算出する(ステップS43)。これは、上記画素のビット長Bd(i,j)から平均ビット長Bfを減じることにより算出される。続いて、データの符号出力を行う(ステップS44)。具体的には、上位Bvビットを十進数変換した数値分だけ「0」を出力した後、セパレータビット「1」を出力し、下位Bfビットを不変部として出力する。符号出力は、ハードディスク、CD−R等の外部記憶装置への記録として行われることになる。次に、累積ビット長RBにビット長Bd(t)を加算する(ステップS45)。同時に、各画素の処理を行う度に、カウンタCを1つずつ加算していく処理を行う。続いて、カウンタCが所定の数を超えたかどうかを判定する(ステップS46)。所定の数としては、ここでも100程度を設定している。そのため、カウンタが100を超えたかどうかを判断することになる。この結果、カウンタが100を超えていたら、累積ビット長RBを半分にする(ステップS47)。具体的には、累積ビット長となる変数RBを2で除算する。同時に、カウンタCを半分に1/2にする。
上記のようにして、各画素について可変ビット長での符号化が行われて行く。符号化により得られた可変ビット長で表現された画素の集合は、可変長予測誤差データとして出力される。この可変長予測誤差データは、フレーム内のデータから信号平坦部や、フレーム間同一部分を除いた、いわばフレーム本体を可変長符号化したものと言える。
(符号化データの記録)
以上のようにして得られた符号化データは、拡大条件データ、階調変換LUTおよび符号化フレーム群の構成となる。このうち、データ量の大部分は、符号化フレーム群が占める。ここで、フレーム単位で記録された符号化データの様子を図15に示す。このうち、フレームデータは、フレーム単位で記録されており、各フレームごとに、信号平坦部テーブル、フレーム間テーブル、可変長予測誤差データが記録されることになる。これらのデータを記録すべき記録媒体に合わせたフォーマットで記録する。
(復号方法)
次に、上記符号化方法により圧縮符号化された符号化データを復号解凍する方法について説明する。復号は、コンピュータ、およびコンピュータに搭載される専用のソフトウェアプログラムにより実行される。復号方法の概要を図16のフローチャートに示す。
まず、図15に示したような符号化データを記録した記録媒体を、復号するための装置(専用のソフトウェアを搭載したコンピュータ)に読み込ませる。まず、拡大条件データ、階調変換LUTを読み込んだ後、符号化フレーム群については、フレーム単位で順次読みこむ。各フレームについては、信号平坦部テーブルを読み込み、信号平坦部の画素値を各プレーンに配置すると共に、マスクデータを作成し、信号平坦部領域の画素をマスクする(ステップS51)。続いて、フレーム間テーブルを読み込み、各プレーンの該当する領域に対して、直前フレームにおいて該当する画素値を配置すると共に、ステップS51において作成したマスクデータに、配置した画素の領域をマスクするように追記する(ステップS52)。なお、ステップS52の処理は、先頭のフレームに対しては行われない。先頭のフレームには、対応するフレーム間テーブルが存在しないからである。次に、可変長予測誤差データを読み込み、可変長予測誤差データを各画素が固定長で表現されたデータに復元していく(ステップS53)。これは、上記ステップS8における処理と逆の処理を行えば良い。続いて、各画素ごとに復元されたデータの極性を復元する(ステップS54)。これは、上記ステップS7における処理と逆の処理を行えば良い。次に、極性が復元された各画素のデータを、マスクデータを参照して、各プレーンに配置していく(ステップS55)。具体的には、マスクデータに記録されているマスク領域以外の非マスク領域に該当する座標に、符号化時と同様に画素データを配置していく。すなわち、図9に示した矢印の方向に、画素(1,1)から順に画素(1,480)まで配置していくことになる。
この時点で、各座標(i,j)の各画素の値は、予測誤差e(i,j)で記録されているので、元の画素値x(i,j)に復元する(ステップS56)。これは、上記ステップS6における処理と逆の処理を行えば良い。
この時点で、フレーム群は、図8(b)に示したように、各フレームが、X、Y、Zプレーンで構成された状態となっているので、図8(a)に示したようなR、G、Bプレーンで構成される間引き画像を復元する(ステップS57)。これは、上記〔数式1〕を利用することにより復元できる。
次に、階調補正画像の復元を行う(ステップS58)。具体的には、図7(b)に示したような間引き画像に対して、拡大条件データに従った拡大処理を行う。この結果、図7(a)に示したような階調補正画像が復元される。
続いて、原フレーム画像の復元を行う(ステップS59)。具体的には、読み込んだ変換LUTを利用して、階調補正画像上の各画素の値を元の値に復元していく。この結果、原フレーム画像が復元されることになる。
ステップS51からステップS59の処理を、全フレームに対して繰り返し行うことにより、デジタル映像信号が復元されることになる。本実施形態で説明した符号化方法は、ロスレス型であるので、復元された映像信号は、欠落なく、圧縮前の映像信号と全く同じものとなる。
なお、上記実施形態では、圧縮符号化対象の原デジタル映像信号として各画素8ビット階調をもつRGBのカラー映像信号を入力した場合を例にとって説明したが、原デジタル映像信号として、印刷分野で用いられるCMYKなど4色以上のプレーンをもつカラー映像信号や、モノクロ映像信号を入力し、圧縮を行なうことも可能である。4色カラー映像信号の場合、上記〔数式1〕において、CMY値をRGB値に対応させ、新たにW=KとするWプレーンを追加すればよい。モノクロ映像信号の場合、上記〔数式1〕において、X、Zプレーンの画素値が全て「0」となるため、Yプレーンについての処理だけを行えば良いことになる。また、各画素値が8ビットを超える、例えば16ビットの映像信号を入力して、圧縮を行うことも可能で、この場合、上記〔数式1〕〜〔数式8〕までの各変数に16ビットの精度をもたせて計算するようにすれば良い。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。以下に、変形例について説明する。
(ニアロスレス型)
上記実施形態では、ロスレス型で完全に元の状態に戻せる方式で圧縮を行ったが、不可逆ではあるが可逆圧縮に近い画質が得られるニアロスレス型の方式とすることも可能である。この場合、上記ステップS1における階調変換処理、ステップS3における色信号間の演算処理、ステップS6における予測誤差演算処理のいずれか1つ以上が異なることになる。
まず、階調変換処理をニアロスレス型とする場合について説明する。この場合、上記ステップS12で作成する階調変換LUTを図17(b)に示すようなものとする。具体的には、出現頻度が所定回数以上の画素値、およびその画素値の近傍の画素値にのみ、変換後の画素値である変換値を割り当てるが、近傍の画素値には、出現頻度が所定回数以上の画素値と同一の変換値を割り当てることにするのである。なお、出現頻度の閾値およびどの程度の近傍まで割り当てるかについては、上記ロスレス型の場合と同様に設定により変更することができる。例えば、図17(a)の例において、出現頻度の閾値を100回、近傍画素値を±2と設定してあった場合、頻度1000回である画素値0、頻度2000回である画素値8、頻度1000回である画素値16が、閾値100回以上の条件を満たす。そのため、画素値0、画素値8、画素値16には、変換値0、変換値1、変換値2が割り当てられることになる。この際、新たな変換値は昇順で割り当てられる。そして、画素値0の近傍画素値は画素値1と画素値2であり、画素値8の近傍画素値は画素値6、画素値7、画素値9、画素値10であり、画素値16の近傍画素値は画素値14、画素値15、画素値17、画素値18であるが、これらの画素値には、中央の変換値と同一の変換値が割り当てられることになる。この結果、図17(b)に示すような階調変換LUTが作成されることになる。図17(b)に示すように、割り当てられることになった元の画素値0,1,2,6,7,8,9,10,14,15,16、17、18に対して、変換値0〜2の値が割り当てられる。
次に、色信号変換処理をニアロスレス型とする場合について説明する。この場合、図8に示したように、R,G,Bの信号をX,Y,Zに変換するのではなく、以下の〔数式11〕を利用して、Y2、U、Vに変換する。
〔数式11〕
2=0.299R+0.587G+0.114B
U=−0.1684R−0.3316G+0.5B
V=0.5R−0.4187G−0.0813B
上記〔数式11〕は、小数点演算を伴うため、整数値化されたY2、U、Vから、元のR、G、Bの値を復元することはできず、この状態で基本的にロッシー型になる。さらに、Uプレーン、Vプレーンについては、縦方向、横方向に画素を1/2に間引きする。例えば、720×480画素の画像の場合、360×240画素の画像となり、画素数が1/4に減少することになる。R,G,Bの信号からY2、U、Vの信号への変換の様子を図18に示す。図18(a)は、図8(a)と全く同じであり、間引き画像となった各フレーム構成を示している。図18(b)に示すように、Uプレーン、Vプレーンは画素数が縦方向、横方向それぞれ半分になっている。このようにして得られたY2、U、Vプレーンについて、上記ステップS4からステップS8の処理が施され、ロスレス圧縮が行われることになり、Y2プレーンについてはほとんどロスは無いが、U、Vプレーンの解像度は1/4に低下する。ただし、ヒトの視覚系は、輝度信号Y2プレーンに比べ色差信号U、Vプレーンに対しては認識能力が鈍感であることが知られているため、全体的に画質の劣化を認識することが難しく、可逆圧縮された画像とほぼ同等な画質を得ることができる。
次に、予測誤差演算処理をニアロスレス型とする場合について説明する。この場合、上記ステップS6において、算出対象とする対象画素(i,j)の予測誤差値e(i,j)を、〔数式13〕に基づいてe´(i,j)に補正して上記ステップS7に渡すとともに、予測誤差値e(i,j)を算出するために、対象画素の元の画素値x(i,j)に対して、図11に示すような近傍3画素(i−1,j−1)、(i,j−1)、(i−1,j)の値x(i−1,j−1)、x(i,j−1)、x(i−1,j)を利用するのではなく、以下〔数式12〕に記載の通り、あらかじめ〔数式14〕に基づいて補正された値x´(i−1,j−1)、x´(i,j−1)、x´(i−1,j)を用いて算出するようにする。数式〔数式13〕に基づいて予測誤差値をe´(i,j)に補正することにより、Vnが1以上の値であれば、予測誤差値の下位の数値データが丸め込まれ、上記ステップ8において符号化されるビット長が削減される効果が生じる。しかしながら、復号化される画素値x(i,j)には、丸め込まれた分だけ誤差をもつため、各々誤差を含む近傍3画素の値を参照しながら、次々に復号化を進めてゆくと、復号化される画素値の誤差はしだいに拡大されるという問題が生じる。そのため、x(i,j)の値を〔数式14〕に基づいて、復号化される際に誤差をもつx´(i,j)の値に補正し、〔数式12〕にしたがって、後続の予測誤差値の算出の際には補正されたx´(i,j)を参照させるようにすれば、復号化される各画素値の誤差は常に−Vn〜+Vnの範囲に抑えることができる。
〔数式12〕
e(i,j)=x(i,j)−a×x´(i−1,j)−b×x´(i,j−1)+c×x´(i−1,j−1)
なお、a、b、cは係数で、x´(i,j)の末端部の初期値は、x´(0,j)=x(0,j)、x´(i,0)=x(i,0)で与えられる。
〔数式13〕
e´(i,j)=[(e(i,j)+Vn)/K]
なお、K=(2Vn+1)
〔数式14〕
x´(i,j)=e´(i,j)×(2Vn+1)−e(i,j)+x(i,j)
上記〔数式12〕、〔数式13〕、〔数式14〕については、この順に算出していく。なお、〔数式13〕において、[]は、括弧内の値を超えない最大の整数を意味し、e´(i,j)は整数値であることを示している。
以上、本発明は、複数の静止画像で構成される映像信号に対して行われるため、入力データが静止画像である場合は、静止画像の符号化方法としても利用することができる。この場合、上記ステップS1〜ステップS8のうち、ステップS5の処理以外を実行することにより、静止画像の圧縮符号化が可能となる。
本発明の映像信号の符号化方法で圧縮符号化対象とするデジタル映像信号の構造を示す模式図である。 本発明に係る映像信号の符号化方法の概要を示すフローチャートである。 ステップS1の階調データ変換の処理概要を示すフローチャートである。 階調データ変換処理において利用する階調ヒストグラムおよび階調変換LUTを示す図である。 ステップS2の冗長画素の間引き処理の概要を示すフローチャートである。 冗長画素の間引き処理における画像処理の様子を示す図である。 冗長画素の間引き処理による映像信号全体の変化を示す図である。 色変換処理による映像信号全体の変化を示す図である。 フレーム上における画素の処理順序を示す図である。 信号平坦部テーブル、フレーム間テーブルの様子を示す図である。 予測誤差算出処理を行う際の各画素の位置関係を示す図である。 予測誤差算出の詳細を示すフローチャートである。 極性処理の処理の様子を示す図である。 可変長符号化の概要を示すフローチャートである。 本発明に係る映像信号の符号化方法により得られる符号化データを示す図である。 圧縮符号化された映像信号の復号処理の概要を示すフローチャートである。 ニアロスレス型における階調変換LUTを示す図である。 ニアロスレス符号化を行う場合の、色信号間演算の様子を示す模式図である。

Claims (10)

  1. 静止画像であるフレームを時系列に配列したフレーム群として構成される映像信号に対して、当該映像信号を再現できるように情報量を圧縮符号化する方法であって、
    前記フレームを構成する画素を2つのグループに分割し、一方の主グループの画素を基に他方の副グループの画素を求めるための拡大条件を探索し、前記探索された拡大条件により副グループに属する全ての画素が主グループの画素に基づいて算出できる場合、前記副グループの画素を削除する冗長画素間引き段階と、
    前記主グループに属する画素値xに対して、一次元配列上前方に位置する1つまたは複数の主グループに属する画素値に基づいて算出される予測値との予測誤差値eに変換する予測誤差算出段階と、
    前記変換された予測誤差値eをビット長が異なる可変長符号で符号化する可変長符号化段階と、
    を有することを特徴とする映像信号の符号化方法。
  2. 請求項1において、
    前記冗長画素間引き段階における拡大条件の探索は、仮定拡大条件の逆条件でフレーム画像を縮小して縮小画像を作成し、さらに縮小画像を前記仮定拡大条件で拡大して拡大画像を作成し、前記フレーム画像と拡大画像の照合を行って、両画像の全画素が一致する場合に、前記仮定拡大条件を拡大条件とするものであることを特徴とする映像信号の符号化方法。
  3. 請求項1において、
    前記各画素に対して、画素値のヒストグラムを算出し、算出されたヒストグラムの値が所定値以上の画素値もしくはその近傍の画素値に対して、新たな画素値を割り当てるためのルックアップテーブルを作成した後、当該ルックアップテーブルを利用して画素値の変換を行う階調変換段階を、前記冗長画素間引き段階の前段に有することを特徴とする映像信号の符号化方法。
  4. 請求項3において、
    前記割り当てる新たな画素値は、前記ヒストグラムにおいて所定値以上となった画素値とその近傍の画素値について、同一の値を割り当てるものであることを特徴とする映像信号の符号化方法。
  5. 請求項1において、
    前記予測誤差算出段階において算出された予測誤差値eに対して、1以上の所定の整数値Kで除算し、前記予測誤差値eより小さい整数値の縮小予測誤差値e´に変換し、各画素の予測誤差値をe´×K−eなる補正値を加算した値x´に変換する予測誤差縮小段階を、前記可変長符号化段階の前段に設け、前記可変長符号化段階は変換された縮小予測誤差値e´に対して可変長符号化を行うものであることを特徴とする映像信号の符号化方法。
  6. 画素の集合である静止画像に対して、当該静止画像を再現できるように情報量を圧縮する方法であって、
    前記静止画像を構成する画素を2つのグループに分割し、一方の主グループの画素を基に他方の副グループの画素を求める拡大条件を探索し、前記探索された拡大条件により副グループに属する全ての画素が主グループの画素に基づいて算出できる場合、前記副グループの画素を削除する冗長画素間引き段階と、
    前記主グループに属する画素値xに対して、一次元配列上前方に位置する1つまたは複数の主グループに属する画素値に基づいて算出される予測値との予測誤差値eに変換する予測誤差算出段階と、
    前記変換された予測誤差値eをビット長が異なる可変長符号で符号化する可変長符号化段階と、
    を有することを特徴とする静止画像の符号化方法。
  7. 請求項6において、
    前記各画素に対して、画素値のヒストグラムを算出し、算出されたヒストグラムの値が所定値以上の画素値もしくはその近傍の画素値に対して、新たな画素値を割り当てるためのルックアップテーブルを作成した後、当該ルックアップテーブルを利用して画素値の変換を行う階調変換段階を、前記冗長画素間引き段階の前段に有することを特徴とする静止画像の符号化方法。
  8. 請求項7において、
    前記割り当てる新たな画素値は、前記ヒストグラムにおいて所定値以上となった画素値とその近傍の画素値について、同一の値を割り当てるものであることを特徴とする静止画像の符号化方法。
  9. 請求項6において、
    前記予測誤差算出段階において算出された予測誤差値eに対して、1以上の所定の整数値Kで除算し、前記予測誤差値eより小さい整数値の縮小予測誤差値e´に変換し、各画素の予測誤差値をe´×K−eなる補正値を加算した値x´に変換する予測誤差縮小段階を、前記可変長符号化段階の前段に設け、前記可変長符号化段階は変換された予測誤差値e´に対して可変長符号化を行うものであることを特徴とする静止画像の符号化方法。
  10. 静止画像であるフレームを時系列に配列したフレーム群として構成される映像信号、もしくは静止画像に対して、請求項1から請求項9のいずれかの方法により出力された符号化データを記録した記録媒体。


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