JP2005130116A - 画像処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 プリンタのモードに配慮した画像調整を可能として、利用者の利便性を向上できる画像処理装置を提供する。
【解決手段】 処理対象ドキュメント上の指定領域に、少なくとも一つの合成対象画像データを合成処理する画像処理装置であって、予め定められた複数の画像処理内容のうちからいずれかの画像処理内容を、合成対象画像データの有無に基づいて選択し、処理対象となったドキュメントに対して、上記選択された画像処理内容に基づく画像処理を行う画像処理装置である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複写によって現出する画像部分を含む画像データを生成する画像処理装置に関する。
官公庁等が発行する証明書などは、その証明書が原本であるか否かによって、当該証明書の証明力(証明書の記載内容の信憑性といったもの)が異なってしまうと考えられている。このように、原本であるか否かの確認が重要となるようなドキュメント等について、複写そのものを牽制したり、複写によって得られたドキュメントであるか否かの確認を可能にする技術が求められている。
そこで従来から、複写によって現出する文字列などを特殊なインクなどで予め形成しておいた特殊用紙が、官公庁の証明書用の用紙として利用されてきた。ところが近年、いわゆる情報技術(IT)の発展・普及に伴い、こうした証明書等を官公庁以外の場所でも入手できるようにして社会全体の利便性を向上させようとする動きが現れている。具体的には、証明書等を家庭のプリンタでも出力可能にすることが求められているのである。
このような要請から、近年、特殊な用紙や特殊なインク等を用いることなく、家庭用のプリンタであっても複写であるか否かを確認させるための画像を埋め込むことができるようにするための技術が提案されてきている。
例えば特許文献1には、ドキュメントを一般的なプリンタで印刷する時に、外見上略同一濃度のグレイ背景として視認される2つの互いに異なる領域、すなわち潜像部分と、その背景に相当する部分とを形成し、複写時には例えば潜像部分として設定した文字形状等が浮き出るようにする技術が開示されている。また、この特許文献1に開示の技術では、このような画像(複写牽制画像と呼ぶ)を、一般的な色材を利用して形成できる。
また、特許文献2には、カラープリンタにおけるカラー色材(シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)等)と、単色黒の色材(一般にカーボンを含む、カーボンブラック(K))との間で赤外領域における分光特性が相違することに着目し、カラー色材を混合して得られる黒色(いわゆるプロセスブラック)部分と、上記カーボンブラック部分とを切り替えながら、例えば絵柄部分をカーボンブラックで形成し、その背景部分をプロセスブラック部分で形成しておくことで、赤外光で観察したときにカーボンブラックで形成された絵柄部分が現出するようにし、かつ複写時には、双方が区別されることなくカーボンブラック一色等で複写物が形成されることで、上記絵柄部分の現出がなくなるようにした技術が開示されている。また近年、画像データの中に情報を埋め込むいわゆる電子透かし技術が開発されてきている。電子透かし技術では、符号情報によって変調された画像を肉眼上認識困難に、かつ所定方法によって可読となるよう埋込んだ画像を形成する。
これらのうち特許文献1に開示の技術は、一般的な環境下で、かつ肉眼で複写物であるか否かが確認できる利点を備え、また特許文献2に開示の技術は、印影等、通常時に肉眼で確認できる画像部分に不可視画像(複写することなく、所定の観察環境下で現出する画像)を埋め込んでおくことができる利点を有する。電子透かし技術では、画像に埋め込まれている情報を解釈できるかどうかで、文書の信憑性を確認することに利用することができる。
従って、これら特許文献1に開示されている技術と特許文献2や電子透かし技術を双方用いることで、相乗的に複写牽制、原本確認を利用した処理などの効果を得ることができると期待される。
特開2001−197297号公報 特開2003−136828号公報
しかしながら、ドキュメントに合成される一般的な電子すかし画像では、比較的高い解像度で画像を形成しなければ、電子すかしとして埋込まれる情報が読み出せなくなる場合もある。また、上記不可視画像として埋込まれる画像の内容によっては、比較的高い解像度で画像を形成しなければならない場合がある。
一方、多くのプリンタでは、利用者のニーズに合わせて「速度優先」や「画質優先」などといったモード設定が可能となっており、各モード設定ごとにスクリーン線数や諧調数といった画像処理の内容に関するパラメータが変動する。こうした場合、利用者がドキュメントや合成対象となる画像(電子すかしなど)の有無等に配慮して適切な画像処理内容を利用者に選択させるとすれば、利便性が低くなる。
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、プリンタのモードに配慮した画像調整を可能として、利用者の利便性を向上できる画像処理装置を提供することを、その目的の一つとする。
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、処理対象ドキュメント上の指定領域に、少なくとも一つの合成対象画像データを合成処理する画像処理装置であって、予め定められた複数の画像処理内容のうちからいずれかの画像処理内容を、前記合成対象画像データの有無に基づいて選択する選択手段と、前記処理対象となったドキュメントに対して、前記選択された画像処理内容に基づく画像処理を行う手段と、を含むことを特徴としている。
また、上記従来例の問題点を解決するための本発明は、処理対象ドキュメント上の指定領域に、少なくとも一つの合成対象画像データを合成処理する画像処理装置であって、前記合成対象画像データが所定の条件を満足する場合に、予め定められた複数の画像処理内容のうちからいずれかの画像処理内容を選択する選択手段と、前記処理対象となったドキュメントに対して、前記選択された画像処理内容に基づく画像処理を行う手段と、を含むことを特徴としている。
ここで前記複数の画像処理内容のうち一つを選択する指定を受け入れる手段をさらに含み、前記選択手段は、合成対象画像データが所定の条件を満足しない場合には、当該受け入れた指定に基づいて前記複数の画像処理内容のうち一つを選択し、前記合成対象画像データが所定の条件を満足する場合には、前記受け入れた指定に関わらず、予め定められた複数の画像処理内容のうちからいずれかの画像処理内容を選択することとしてもよい。
また、これらにおいて複写によりいずれか一方が現出する潜像画像と背景画像とを含む複写牽制画像の生成に関する条件設定を、前記複数の画像処理内容のそれぞれに関連づけて保持する手段と、前記選択された画像処理内容に関連する前記条件設定を用いて、前記複写牽制画像を生成する手段と、前記生成した複写牽制画像を、処理対象となったドキュメントに対して合成する手段と、をさらに含んでもよい。
また、本発明のある態様に係る画像処理方法は、処理対象ドキュメント上の指定領域に、少なくとも一つの合成対象画像データを合成処理する画像処理方法であって、前記合成対象画像データが所定の条件を満足する場合に、予め定められた複数の画像処理内容のうちからいずれかの画像処理内容を選択する工程と、前記処理対象となったドキュメントに対して、前記選択された画像処理内容に基づく画像処理を行う工程と、を含むことを特徴としている。
さらに、本発明の別の態様に係るプログラムは、処理対象ドキュメント上の指定領域に、少なくとも一つの合成対象画像データを合成処理する画像処理プログラムであって、コンピュータに、前記合成対象画像データが所定の条件を満足する場合に、予め定められた複数の画像処理内容のうちからいずれかの画像処理内容を選択する手順と、前記処理対象となったドキュメントに対して、前記選択された画像処理内容に基づく画像処理を行う手順と、を実行させることを特徴としている。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係る画像処理装置10は、図1に示すプリンタ1に含まれるものとして実現できる。このプリンタ1は、ネットワークを介してパーソナルコンピュータ(PC)2に接続されており、画像処理装置10と、画像形成装置20とを含んで構成される。画像処理装置10は、図1に示すように、ネットワークインタフェース11と、制御部12と、記憶部13と、操作部14と、表示部15とを含んでなる。
ネットワークインタフェース11は、ネットワークを介してPC2等から受信される情報を制御部12に出力する。またこのネットワークインタフェース11は、制御部12から入力される指示に従って種々の情報をネットワークを介して送出する。
制御部12は、記憶部13に格納されているプログラムを読み出して処理する。この制御部12は、複写牽制画像を生成する処理と、不可視画像を埋込んだ埋込画像を生成する処理とを基本的に実行する。これらの処理の具体的内容については、後に詳しく述べる。
記憶部13は、制御部12によって実行されるプログラムを保持するコンピュータ可読な記録媒体と、当該記録媒体から制御部12の指示の下にプログラムなどを読み出す処理装置とを含んで構成されている。また、この記憶部13は、制御部12がその処理の過程でデータを記憶させ得るワークメモリとしても動作する。さらにこの記憶部13は、用紙等に印刷されるページごとの画像データを保持するページバッファ領域を含んだ記憶素子を備える。
さらに本実施の形態の記憶部13は、図2に示すように、合成対象画像データである埋込画像に関する条件(埋込画像の有無や、埋込画像に関するデータ解像度等の条件)に対応づけて、画像処理内容の設定(データ解像度、スクリーン線数、階調数、モノクロ/カラーの別など)を処理設定テーブルとして記憶している。
操作部14は、利用者から入力される指示操作の内容を制御部12に出力する。表示部15は、制御部12から入力される指示に従って、画像等を表示する。操作部14と表示部15とは、例えば、表示部15としての液晶パネル上に、透明なタッチセンサを含んだ操作部14を重ね合わせて配置した液晶タッチパネル等であってよい。
[制御部の処理内容]
ここで制御部12によって実行される処理の内容について述べる。制御部12によって実行されるプログラムは、機能的には図3に示すように、ドキュメント画像生成部21と、埋込画像生成部22と、複写牽制画像生成部23と、ページバッファ保持部24と、スクリーン処理部25と、画像処理内容設定部26と、テストパターン作成指示部27とを含む。
ドキュメント画像生成部21は、ネットワークを介して受信された情報のうち、ドキュメントの内容を記述した情報(ページ記述言語によって記述された情報)に基づいてドキュメントの各ページの画像を生成して、ページバッファ保持部24に出力する。また、このドキュメント画像生成部21は、操作部14から濃度調整用のドキュメントを印刷すべき旨の所定の指示操作が入力されたときには、記憶部13に予め格納されている濃度調整用ドキュメントを読み出し、この読み出した濃度調整用ドキュメントに基づいて各ページの画像を生成して、ページバッファ保持部24に出力する。
[埋込画像生成部]
埋込画像生成部22は、電子透かし画像の画像生成部として動作し、既存の電子透かし技術を使って埋め込み情報を埋め込み対象の画像データ内に埋め込んだ画像データを生成し、ページバッファ保持部24に出力する。本実施の形態では、この埋込画像生成部22が生成する画像が、合成対象画像の一例となる。
[複写牽制画像生成部]
複写牽制画像生成部23は、図5に機能的に示すように、グレイ画像生成部41と、階調補正部42と、誤差拡散処理部43と、ディザ処理部44と、選択部45と、潜像画像生成部46と、カモフラージュパターン生成部47と、合成部48とを含む。
この複写牽制画像生成部23のグレイ画像生成部41は、埋込画像となるグレイ画像の階調値の設定の入力を受けて、当該設定された階調値の画素からなる所定のサイズのグレイ画像を生成する。
階調補正部42は、設定されたトーンカーブ(以下、このトーンカーブを「複写牽制画像用トーンカーブ」と呼ぶ)に従って、入力されるグレイ画像の階調補正を行い、階調補正後の画像データを誤差拡散処理部43に出力する。誤差拡散処理部43は、この階調補正後の画像データに対して誤差拡散処理を行い、誤差拡散画像を生成する。ディザ処理部44は、グレイ画像生成部41が生成したグレイ画像に基づいてディザ処理を行い、網点画像を生成する。
選択部45は、潜像画像生成部46が生成する2値の潜像画像の入力を受けて、当該潜像画像の画素ごとに、それが「点灯(色材を乗せる)」を表すものか否かに応じて、誤差拡散画像のうちの当該画素に対応する部分と、網点画像のうちの当該画素に対応する部分とのいずれかを選択して出力する。
潜像画像生成部46は、利用者から入力される指示に従って2値の潜像画像を生成して出力する。この2値の潜像画像は、例えば「COPY」といった文字列を用紙全面に配列した画像である。
カモフラージュパターン生成部47は、複写牽制画像の全面に細線で描画した、カモフラージュパターンを生成する。このカモフラージュパターンは、パターン部分が白画素で描画され、背景となるべき部分が黒画素で表されることとしてもよい。
合成部48は、選択部45が出力する画像と、カモフラージュパターン生成部47が生成するカモフラージュパターンとを合成する。具体的に、この合成部48は、合成の対象となる画像同士の論理積を演算する。ここでカモフラージュパターンが、パターン部分が白画素で描画され、背景となるべき部分が黒画素で表されている場合、このような論理積によって、選択部45が出力する画像から、カモフラージュパターン部分が白抜きされた画像が得られることとなる。合成部48は、この合成後の画像を、複写牽制画像として、ページバッファ保持部24に出力する。
[ページバッファ保持部]
ページバッファ保持部24は、記憶部13上に各ページ分のビットマップデータを記憶する領域を確保して、ドキュメント画像生成部21と、埋込画像生成部22と、複写牽制画像生成部23とから入力される画像を、この領域内に順次合成する。本実施の形態においては、このページバッファ保持部24は、各ページごとのビットマップデータを、色材の成分ごとに保持する。例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の4つの色材で画像形成が行われる場合、これらの各色材ごとのビットマップデータが記憶部13に格納されることとなる。
なおここで、合成の方法には、不透明合成と透過合成との2つの方法がある。不透明合成とは、図6(a)に概念的に示すように、合成の対象となる画像で、合成を受ける画像を上書きしたと同じ効果を得る合成方法のことであり、透過合成とは、図6(b)に示すように、合成の対象となる画像のうち、画素値が所定値(例えば白画素)の部分については、合成を受ける画像の画素値をそのまま維持する合成方法、具体的には画素の論理和を演算するなどの合成方法である。
本実施の形態のページバッファ保持部24は、ドキュメントデータと埋込画像と複写牽制画像とを指定された順序及び合成方法でそれぞれ合成する。
[スクリーン処理部]
スクリーン処理部25は、ページバッファ保持部24によって記憶部13内に保持されている各ページの画像について、画像形成のためのスクリーン処理を行って、画像形成装置20へ出力する。このスクリーン処理部25が本発明における、指定された画像処理内容に基づく画像処理を行う手段を実現したものの一例に相当する。
[画像処理内容設定部]
次に制御部12が、このようにして生成された複写牽制画像の生成条件をどのように利用するかについて説明する。制御部12は、PC2から受信されるドキュメントの内容を記述した情報の入力を受けて次のように処理する。
ここでドキュメントの内容を記述した情報は、例えばPDLであり、基本的には図7(a)に示すような構成を採る。すなわち、この情報は、所定のヘッダ情報(H)と、ドキュメントデータ(D)と、ページ区切りコマンド(例えばポストスクリプト(登録商標)における「showpage」など)との記述(Y)を含む。そしてこのページ区切りコマンドによって区切られる各記述が、ページごとの画像形成指示に相当し、すべてのページの画像形成の指示を記述した後で、ジョブ終了コマンドが記述される(Z)。ここでヘッダ情報(H)には、画像処理内容に関する設定として、PC2での利用者の指示操作に基づいて定められた、データ解像度やスクリーン線数、階調数、モノクロ/カラーの指定などが含まれている。
また、複写牽制画像や埋込画像が合成される場合は、当該合成が行われるページにおいて図7(b)に示すように、ドキュメントデータ(D)とともに、複写牽制画像を合成する形成指示(C)や、埋込画像を合成する形成指示(X)が併せて記述される。
制御部12の画像処理内容設定部26は、このドキュメントの内容を記述した情報を受け入れると、図8に示す処理を開始し、当該受け入れた情報中に、合成対象画像データとしての埋込画像を合成する形成指示(X)を検索する(S1)。そして、埋込画像を合成する形成指示が検索されたか否かを調べ(S2)、検索された(つまり、埋込画像がある)場合(Yesの場合)は、記憶部13に格納されている処理設定テーブル(図2)から、埋込画像が「有り」との条件に関連づけられている画像処理内容に関する設定を選択して読み出す(S3)。
そして当該読み出した画像処理内容に基づき、ドキュメントの内容を記述した情報のうち、ヘッダ情報(H)を書換え(S4)、当該ドキュメントに対して行われる画像処理内容を変更する。そして制御部12は、ドキュメント生成部21、埋込画像生成部22、複写牽制画像生成部23の各部にドキュメントの内容を記述した情報を出力して(S5)、処理を終了する。
一方、処理S2において埋込画像を合成する形成指示が検索されない場合(つまり、埋込画像がない場合;Noの場合)は、そのまま処理S5に移行して、ドキュメント生成部21、埋込画像生成部22、複写牽制画像生成部23の各部にドキュメントの内容を記述した情報を出力して、処理を終了する。
なお、ここではジョブ全体で処理を行う例について示したが、上記処理を各ページに対応するデータごとに行ってもよい。この場合、処理対象となったドキュメントの内容を記述した情報に含まれる各ページ分のデータ部分を順次注目ページデータとして特定し(ページ区切りコマンドによって特定できる)、各注目ページデータごとに、合成対象画像データとしての埋込画像を合成する形成指示(X)が含まれているか否かを検索し、検索された場合に、当該ページ内のデータについての画像処理内容を変更するよう、記述内容を削除、変更、又は追加することになる。
[動作]
次に、本実施の形態の画像処理装置の動作について説明する。利用者は、画像形成処理の対象となるドキュメントの形成指示をPC2側で行い、このとき、埋込画像や複写牽制画像の指定とともに、当該ドキュメントの形成時の画像処理内容(データ解像度、スクリーン線数、階調数、モノクロ/カラーなど)の指定を行う。
するとPC2側のプリンタドライバプログラムが、これら画像処理内容を含むヘッダ情報と、ドキュメント、埋込画像、複写牽制画像等の画像の形成指示とを含んだ、ドキュメントの内容を記述した情報を生成し、プリンタ1へ送出する。
本実施の形態の画像処理装置は、このドキュメントの内容を記述した情報を受信して、合成の対象となっている画像データとしての埋込画像が当該情報に含まれているかを調べ、埋込画像が含まれている場合には、予め定められている画像処理内容の設定を取得して、当該ドキュメントの内容を記述した情報に含まれている画像処理内容の設定(利用者からなされた設定)を、当該取得した画像処理内容の設定で上書きし、当該上書きして変更した後の情報に基づいてドキュメントデータと、埋込画像とを生成し、それぞれを合成して画像形成装置20に出力し、媒体上に画像形成を行う。
これにより、例えば埋込画像に含まれる電子すかしのように、比較的高い解像度で形成するべきものが合成対象となっているときに、低解像度での画像処理内容が誤って設定されたとしても、適正な画像処理内容が設定されることとなって、利便性が向上する。
なお、制御部12の処理として、利用者が予め設定していた画像処理内容と、図2に示した処理設定テーブルから読出した画像処理内容とが互いに異なるものとなっている場合に(つまり書換えによって、実際に行われる画像処理内容が、利用者の設定したものと異なるものとなる場合に)、表示部15に対してその旨を表示したり、PC2に対してその旨の情報を送出し、PC2側の画面に表示させるなど、利用者に対して、実際に行われる画像処理内容が、利用者の設定したものと異なるものとなる旨を報知してもよい。
また、本発明の画像処理装置は、この実施形態に限られるものではない。例えば、上述の例において、埋込画像生成部22は、電子すかし画像ではなく、不可視画像を埋め込むこととしてもよい。以下、不可視画像を埋込む埋込画像生成部22について説明する。
この場合の埋込画像生成部22は、機能的には図4に示すように、グレイ画像生成部31と、画像形成時に利用される各色材に対応して設けられた画像制御部32とを含む。ここで画像制御部32は、それぞれ階調補正部35と、ディザ処理部36と、マスク制御部37とを含む。
この埋込画像生成部22のグレイ画像生成部31は、埋込画像となるグレイ画像の階調値の設定の入力を受けて、当該設定された階調値の画素からなる所定のサイズのグレイ画像を生成し、各画像制御部32に出力する。
本実施の形態では、画像形成部2が用いる色材は、所定の観察環境下で互いに異なる第1、第2の分光特性を有する。具体的には、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色材(以下、区別のため「カラー色材」と呼ぶ)と、黒(K)の色材(以下、区別のため「カーボン色材」と呼ぶ)とで、赤外光での観察環境下で分光特性が異なるものが用いられている。
画像制御部32の階調補正部35は、設定されたトーンカーブ(以下、このトーンカーブを「埋込画像用トーンカーブ」と呼ぶ)に従って、入力される画像データの各画素ごとに、当該画素の階調に対する色材の出力量を表す情報(濃度情報)を演算し、当該濃度情報をディザ処理部36に出力する。ディザ処理部36では、入力された濃度情報に基づき、ディザ処理を行い、各画素に対応するディザパターンを生成する。
また、マスク制御部37は、対応する色材が、上記カラー色材であるか、カーボン色材であるかに応じて若干異なる動作を行うものであるので、以下、それぞれに分けて説明する。
まず、カラー色材に対応する画像制御部32のマスク制御部37は、不可視画像の元となる2値の画像データの入力を受けて、この画素値を反転し、反転の結果、画素値を「点灯(色材を乗せる)」すると設定されている画素部分についてディザパターンを形成して、対応するカラー色材の成分の画像として出力する。
一方、カーボン色材に対応する画像制御部32のマスク制御部37は、不可視画像の元となる2値の画像データの入力を受けて、各画素値のうち、「点灯(色材を乗せる)」すると設定されている画素部分についてディザパターンを形成して、対応するカーボン色材の成分の画像として出力する。すなわち、カラー色材によって形成される部分とカーボン色材によって形成される部分とが上記不可視画像の元となる2値の画像データのパターンによって切り替えられている。
[生成条件に関する設定]
また本実施の形態の画像処理装置は、複写牽制画像や埋込画像の生成条件設定を支援するための処理を行ってもよい。この場合、埋込画像生成部22における埋込画像の生成条件と、複写牽制画像生成部23における複写牽制画像の生成条件との設定を支援するテストパターンが、利用者の指示によって生成されることになる。
本実施の形態における各画像の生成条件の設定は、テストパターン作成指示部27の動作により、図9に示すような順序で行われる。すなわち本実施の形態では、利用者から複写牽制画像や埋込画像の生成条件の設定を開始する指示を受け入れると、テストパターン作成指示部27が、画像処理の内容として、画質モード(データ解像度、スクリーン線数、階調数などの設定)やモノクロ/カラーの指定などの指定(画像処理内容指定)を受け入れる(S11)。本実施の形態ではさらに、複写牽制画像と埋込画像との合成方法に関する設定(透過合成、不透明合成の別など)を受け入れておく。なお、埋込画像の生成条件を設定しない場合は、利用者によるモノクロ/カラーの指定を可能とするが、埋込画像を併せて設定する場合には、埋込画像のためにカラーの設定としておく。
そしてテストパターン作成指示部27は、記憶部13に予め格納されている第1テストパターンの形成指示を読み出して、これを複写牽制画像生成部23に出力する(S12)。この第1テストパターンの形成指示には、複数の複写牽制画像を生成する指示と、生成した複数の複写牽制画像にそれぞれ予め決められた符号を付して所定の態様で配列して形成する指示とを含む。複写牽制画像生成部23は、この形成指示に基づいて、複数の複写牽制画像を生成して、ページバッファ保持部24に出力する。ページバッファ保持部24は、ドキュメントデータとして生成された符号部分の文字と、各複写牽制画像とを指示に従って配列して透過合成して、スクリーン処理部25に出力する。スクリーン処理部25は、ページバッファ保持部24から入力される画像に対してスクリーン処理を行って画像形成装置20へ出力する。すなわち、第1テストパターンを形成する処理が行われる(S13)。なお、ここでの形成処理では、複写牽制画像生成部23、ページバッファ保持部24、スクリーン処理部25の各部で、処理S11で受け入れた画像処理内容指定に基づく画像処理が行われている。
これらの処理により生成される形成結果は、図10に示すようなものとなる。図10においては、8つの複写牽制画像が形成されており、それぞれに符号文字(ここでは番号「1」から「8」)が付されている。また、それぞれの複写牽制画像は、ディザ処理により得られた網点部分の濃度は一定となるよう指定してあり、誤差拡散画像の濃度はそれぞれで互いに異なるものとなるよう、順次段階変化させてある。これら網点部分の濃度と誤差拡散画像の濃度とが、(第1,第2の)階調条件の設定に相当する。
具体的に、第1テストパターンの形成指示には、グレイ画像生成部41に入力される階調値の情報BCと、階調補正部42に設定するべき複写牽制画像用トーンカーブの設定TCとが含まれる。複写牽制画像用トーンカーブの設定は、複数の複写牽制画像のそれぞれごとに互いに異なるように設定されている。例えばこの複写牽制画像用トーンカーブを複数の複写牽制画像のそれぞれごとに一定の値ずつ変化するように設定する場合、初期値TC0と、変化量ΔTCとを指定すればよい。これにより設定される複写牽制画像用トーンカーブTC0,TC1…TCnは、図11に示すようなものとなる。
テストパターン作成指示部27は、表示部15に所望の結果となっている複写牽制画像に関連する符号を入力するよう利用者に促す表示を行って、入力を待機する(複写牽制画像の生成条件の受け入れ;S14)。利用者はこの形成結果から所望の結果となっている複写牽制画像を選択し、選択した複写牽制画像に関連する符号文字を操作部14から入力する。
テストパターン作成指示部27は、この処理S14で入力された符号文字に対応する階調値の情報と、複写牽制画像用トーンカーブの設定とを、複写牽制画像の生成条件情報として記憶部13に格納する(S15)。
ここで、複写牽制画像の生成条件の情報は、処理S11で指定された画像処理の内容に関する情報に関連づけて格納される。具体的には、記憶部13には、図12に示すように、印刷モードを表す識別情報(「速度優先」、「標準」、「画質優先」)及びモノクロ/カラーの別に応じて、それぞれデータ解像度、スクリーン線数、階調数の情報等の画像処理内容と、各印刷モードで形成した第1テストパターンの形成結果に応じて利用者から指定を受けた複写牽制画像の生成条件情報とを関連づけて格納される。
テストパターン作成指示部27は、さらに、埋込画像の生成条件を設定する指示を受けているか否かを調べ(S16)、受けている場合は、図13に示す処理を開始するようにしてもよい(A)。この場合の処理については、後に述べる。また、埋込画像の生成条件を設定しない場合は、処理を終了することとしてもよい。
なお、本実施の形態では、テストパターン作成指示部27が画像処理装置10における制御部12の処理として実装されているが、テストパターン作成指示部27の処理を行う別体の設定支援装置を、本実施の形態の画像処理装置10にネットワークを介して接続してもよい。この場合、本実施の形態の画像処理装置10の制御部12は、テストパターン作成指示部27の処理を行う必要は必ずしもない。つまり、記憶部13に当該テストパターン作成指示部27の処理のためのプログラムモジュールを格納しておく必要は必ずしもない。
[埋込画像の生成条件を設定する場合]
次に、埋込画像の生成条件を設定する場合の処理について説明する。なお、この生成条件の設定は、主として不可視画像の埋込みの際に効果的であるので、以下では、不可視画像を含む埋込画像の生成条件を設定する場合を例として説明する。
テストパターン作成指示部27は、埋込画像の生成条件を設定する場合は、図13に示す処理を開始し、処理S14で入力された情報に基づいて第2テストパターンの形成指示を生成し、複写牽制画像生成部23と埋込画像生成部22とに出力する(S21)。なお、この処理S21に先立って、後に説明する、複写牽制画像と埋込画像との濃度を一致させるための処理を行うか否かの判断を行うこととしてもよい(図13のB)。
ここで第2テストパターンの形成指示には、複数の埋込画像を生成する指示と、生成した複数の埋込画像にそれぞれ予め決められた符号を付して所定の態様で配列して形成する指示と、上記入力された符号文字に対応する階調値の情報と、埋込画像用トーンカーブの設定とに基づいて、上記複数の埋込画像を内包する領域全体に複写牽制画像を生成して形成する指示と、が含まれる。
また、それぞれの埋込画像は、所定観察環境下における分光特性が互いに異なる色材群ごとに、網点部分の濃度差が互いに異なるものとなるよう、埋込画像用トーンカーブの設定が順次変化させてある。例えばカラー色材を用いて生成されるプロセスブラックの濃度(第3の階調条件の一例)と、カーボンブラックの濃度(第4の階調条件の一例)との差が互いに異なるものとなるように変化させてある。
そして複写牽制画像生成部23がこの形成指示に基づいて第2テストパターンに含める複写牽制画像を生成し、埋込画像生成部22が、この形成指示に基づいて第2テストパターンに含める複数の埋込画像を生成し、ページバッファ保持部24が複写牽制画像上に複数の埋込画像を指示に従って配列して合成する。ここでの合成の方法は、図9の処理S11で利用者から設定された方法を用いればよい。さらに、ページバッファ保持部24は、複数の埋込画像に関連する符号文字をドキュメントデータとして透過合成し、そしてこの合成後の画像がスクリーン処理部25で処理されて画像形成装置20に出力され、第2テストパターンが形成される(S22)。なお、ここでの形成処理でも、埋込画像生成部22、複写牽制画像生成部23、ページバッファ保持部24、スクリーン処理部25の各部で、処理S11で受け入れた画像処理内容指定に基づく画像処理が行われる。
ここで形成される第2テストパターンは、図14に示すように、複写牽制画像上に階調を変化させた埋込画像が複数形成されたものとなる。なお、図14では透過合成した場合の例を示している。ここでは、各埋込画像ごとに、埋込画像生成部22のグレイ画像生成部31に入力する階調値の情報BEと、各色材に対応する画像制御部32の各階調補正部35に設定する埋込画像用トーンカーブTEの設定との少なくとも一方を互いに異ならせてある。ここで埋込画像用トーンカーブTEには、複数の色材のそれぞれに設定するトーンカーブが含まれる。なお、このうちプロセスブラックを構成する色材(群)のそれぞれに対するトーンカーブは固定しておき、カーボンブラックを構成する色材に対するトーンカーブのみを順次変更するなど、所定観察環境下における分光特性が互いに異なる色材の群のいずれか一方の群に属する色材に関するトーンカーブのみを順次変更するようにしてもよい。
テストパターン作成指示部27は、表示部15に所望の結果となっている埋込画像に関連する符号を入力するよう利用者に促す表示を行って、入力を待機する(埋込画像の生成条件を受け入れ;S23)。利用者は、この第2テストパターンのうちから所望の外観を有する埋込画像を選択し、当該選択した埋込画像に関連する符号を入力する。
テストパターン作成指示部27は、処理S23で入力された符号文字に対応する階調値の情報と、埋込画像用トーンカーブの設定とを、埋込画像の生成条件情報として記憶部13に格納して(S24)、処理を終了する。ここで、複写牽制画像の生成条件情報や埋込画像の生成条件情報は、図9の処理S11で指定された画像処理の内容に関する情報に関連づけて格納されてもよい。
[濃度を一致させる設定]
また、上述の処理に加えて複写牽制画像と埋込画像との濃度を一致させるための支援処理を組み合せてもよい。すなわち図9に示した処理のうち、処理S11において、複写牽制画像と埋込画像との濃度を一致させるか否かの指定を受け入れておき、濃度を一致させる指定が行われたか否かを図13の処理S21に先立って判断し、濃度を一致させる指示が行われていなければ、処理S21に移行して処理を続行し、濃度を一致させる指示が行われていれば、濃度を一致させるための処理を開始する。
この処理ではまず、処理S14にて入力された情報に基づいて第3テストパターンの形成指示を生成して、複写牽制画像生成部23と埋込画像生成部22とに出力する。
ここで第3テストパターンの形成指示には、複数の埋込画像を生成する指示と、生成した複数の埋込画像にそれぞれ予め決められた符号を付して所定の態様で配列して形成する指示と、上記入力された符号文字に対応する階調値の情報と、埋込画像用トーンカーブの設定とに基づいて、上記複数の埋込画像を内包する領域全体に複写牽制画像を生成して形成する指示と、を含む。
また、それぞれの埋込画像は、所定観察環境下における分光特性が互いに異なる色材群のいずれか一方のみを用いて、網点部分の濃度が互いに異なるよう、埋込画像用トーンカーブの設定が順次変化させてある。例えばカラー色材を用いて生成されるプロセスブラックの濃度(第3の階調条件の一例)が互いに異なるものとなるように変化させてある。これによると不可視画像を含まない(すなわち不可視画像が全面「白」であるのと同じ)埋込画像が複数生成されることになる。以下では、上記分光特性が異なる色材が既に説明したカラー色材とカーボン色材とである場合を例として説明する。
そして複写牽制画像生成部23がこの形成指示に基づいて第3テストパターンに含める複写牽制画像を生成し、埋込画像生成部22が、この形成指示に基づいて第3テストパターンに含める複数の埋込画像を生成し、ページバッファ保持部24が複写牽制画像上に複数の埋込画像を指示に従って配列して合成する。ここでの合成の方法は、処理S11で利用者から設定された方法を用いる。さらに、ページバッファ保持部24は、複数の埋込画像に関連する符号文字をドキュメントデータとして透過合成し、そしてこの合成後の画像がスクリーン処理部25で処理されて画像形成装置20に出力され、第3テストパターンが形成される。なお、ここでの形成処理でも、埋込画像生成部22、複写牽制画像生成部23、ページバッファ保持部24、スクリーン処理部25の各部で、処理S11で受け入れた画像処理内容指定に基づく画像処理が行われる。
ここで形成される第3テストパターンは、図14に示した第2テストパターンと同様のものであるが、不可視画像(図14における星型の画像)が含まれないため、複写牽制画像と埋込画像との濃度差が視認しやすいものとなっている。
この第3テストパターンの形成指示には、各埋込画像ごとに、埋込画像生成部22のグレイ画像生成部31に入力する階調値の情報Bと、各カラー色材に対応する画像制御部32の各階調補正部35に設定する埋込画像用トーンカーブTの設定とが含まれる。このプロセスブラックを構成する色材に対するトーンカーブは、順次変更されている。
利用者が、第3テストパターンの形成結果を参照して所望の結果に対応する符号文字を入力すると、図13の処理S21に移行し、この第3テストパターンに関連して入力された符号文字に対応する埋込画像の生成条件(階調値の情報Bと、埋込画像用トーンカーブT)の設定と、処理S14で入力された情報とに基づいて第2テストパターンの形成指示が生成されるようになる。
すなわちこの場合の第2テストパターンの形成指示では、各埋込画像ごとに、埋込画像生成部22のグレイ画像生成部31に入力する階調値の情報と、カラー色材に対応する画像制御部32の各階調補正部35に設定する埋込画像用トーンカーブとが、上記第3テストパターンとの関係で入力された階調値B及び、上記第3テストパターンとの関係で各色材に対応して入力されるトーンカーブTとに設定され、カーボンブラックを構成する色材に対するトーンカーブのみが順次変更されたものとなっている。
これによると、不可視画像部分又は不可視画像以外の部分のいずれか一方のみを含み、その濃度を順次段階的に変化させて形成した複数の埋込画像と、複写牽制画像と、の濃度を比較させる第3テストパターンが形成され、これらが一致するような濃度となっている埋込画像が選択されると、次いで、不可視画像部分と不可視画像以外の部分との双方を含み、この双方の間の濃度差を変化させた複数の埋込画像と、複写牽制画像とを含む第2テストパターンが形成されるようになっている。すなわち、埋込画像の濃度の設定を、色材を共用する複写牽制画像の階調設定等に配慮しながら設定させることができるようになる。
ここで示したように、複写牽制画像や合成対象画像としての埋込画像についての生成条件を、画像処理内容に関連づけて設定しておく場合、画像処理内容設定部26は、実際に行う画像処理内容(合成対象画像に関する所定条件に基づいて画像処理内容が変更される場合は、当該変更後の画像処理内容)に対応する生成条件で各画像を生成するよう、埋込画像生成部22や複写牽制画像生成部23を制御する。
[変形例]
ここまでの説明においては、例えば第1テストパターンを用いて複写牽制画像の生成条件(第1、第2の階調条件)を設定した後、第2テストパターンを用いて埋込画像の生成条件(第3、第4の階調条件)を設定するようにしているが、複写牽制画像の生成条件から埋込画像の生成条件を演算(例えばトーンカーブに対して所定値を加算するなど)によって生成できる場合には、演算によって求めてもよい。
また、予め複写牽制画像の生成条件に対応して、好適な埋込画像の生成条件を実験的に決定しておき、当該実験結果に基づいて設定してもよい。
さらに、ここでは各画像処理内容について、個別に第1テストパターン等を用いて複写牽制画像等の生成条件の設定を行っているが、一部の画像処理内容についての設定を行い、演算や予め行われた実験の結果を用いて、上記設定した一部の画像処理内容に関する生成条件に基づいて、他の画像処理内容についての各画像の生成条件を定めてもよい。
このとき、設定を行う一部の画像処理内容については、設定可能な画像処理内容のうちから利用者により選択されてもよいし、上記演算や実験結果等との関係で決められる所定のルールに基づき選択されたものであってもよい。
また、ここまでの例では、複写牽制画像と埋込画像とをそれぞれ設定するためのテストパターンを別個に生成した例を示したが、例えば図14に示した例において、左欄の符号文字1から4に対応し、互いに異なる埋込画像の生成条件設定をP1、P2、P3、P4とするとき、右欄の符号文字5から8に対応する埋込画像の生成条件もP1、P2、P3、P4とそれぞれしておき、左欄側の複数の埋込画像を内包するよう媒体面左半分側に第1の生成条件で複写牽制画像を形成し、右欄側の複数の埋込画像を内包するよう媒体面右半分側に第2の生成条件で複写牽制画像を生成するといったように、複写牽制画像と埋込画像との設定に関連する画像を一枚の媒体上に形成してもよい。
さらに、ここまでの説明においては、合成対象となる画像として埋込画像を例として説明したが、埋込画像だけでなく、いわゆる電子すかし(符号情報によって変調された画像を肉眼上認識困難に、かつ所定方法によって可読となるよう埋込んだ画像)であってもよい。
また、ここまでの説明では、画像処理内容を変更する際の条件として埋込画像の有無についての条件を例として説明したが、合成対象画像がカラー色材を利用するか否か(これによりモノクロ/カラーの設定が定まる)や、合成対象画像のデータ解像度などの条件に応じて処理設定テーブルを設定しておき、これらの条件を満足する場合に、処理設定テーブル内で当該条件に対応するものとして規定された画像処理内容に基づく画像処理を行うこととしてもよい。
[PC側に実装する例]
またここで例示した画像処理装置は、プリンタ側に含められるものとして説明したが、本発明の別の実施の形態に係る画像処理装置は、PC2上のプリンタドライバとして実装されてもよい。ここでPC2は、制御部12としてのCPUを備える通常のコンピュータの構成を有してなる。
この場合は、制御部12によって実行されるプログラムは、図15に機能的に示すように、ドキュメント画像生成部21と、埋込画像生成部22と、複写牽制画像生成部23と、画像処理内容設定部26と、指示データ生成部29とを含む。ここでドキュメント画像生成部21と、埋込画像生成部22と、複写牽制画像生成部23と、画像処理内容設定部26とは、既に述べたものと同様の処理を行うものであるので繰り返しての説明を省略する。またここでは、ドキュメントデータと、埋込画像と、複写牽制画像とは、所定のPDL(例えばポストスクリプト(登録商標))などで記述されているものとする。
すなわち指示データ生成部29は、図7に示したようなPDLによる記述を生成する。このとき、当該埋込み画像を合成する形成指示の有無等の条件に基づいて、ヘッダ情報(H)の内容が、画像処理内容設定部26によって決定される。
そして、指示データ生成部29は、この生成した画像形成指示をプリンタ1に対して送信し、プリンタ1で画像形成が行われる。なお、複写牽制画像や埋込画像に関する生成条件の設定を行うこととしてもよいのはプリンタに実装する場合の実施形態と同様である。
またこのようにPC2のドライバとして実装する場合も、上述の変形例と同様の変形を行うことができる。例えば、複写牽制画像の生成条件から埋込画像の生成条件を演算(例えばトーンカーブに対して所定値を加算するなど)によって生成できる場合には、演算によって求めてもよい。
本発明の実施の形態に係る画像処理装置の構成例及びその接続例を表すブロック図である。 合成対象画像に係る条件に対する画像処理内容の設定例を表す説明図である。 制御部によって実行されるプログラムの一例を表す機能ブロック図である。 埋込画像生成部の例を表す機能ブロック図である。 複写牽制画像生成部の例を表す機能ブロック図である。 合成方式の例を表す説明図である。 画像形成の指示内容を記述したデータの構造例を表す説明図である。 本実施の形態に係る画像処理装置の動作例を表すフローチャート図である。 複写牽制画像の生成条件の設定のための処理の例を表すフローチャート図である。 複写牽制画像の生成条件設定に用いられる第1テストパターンの例を表す説明図である。 トーンカーブを変化させる例を表す説明図である。 複写牽制画像の生成条件を格納した例を表す説明図である。 埋込画像の生成条件の設定のための処理の例を表すフローチャート図である。 埋込画像の生成条件設定に用いられる第2テストパターンの例を表す説明図である。 本発明の別の実施の形態に係る画像処理装置の処理の例を表す機能ブロック図である。
符号の説明
1 プリンタ、2 パーソナルコンピュータ、10 画像処理装置、11 ネットワークインタフェース、12 制御部、13 記憶部、14 操作部、15 表示部、20 画像形成装置、21 ドキュメント画像生成部、22 埋込画像生成部、23 複写牽制画像生成部、24 ページバッファ保持部、25 スクリーン処理部、26 画像処理内容設定部、27 テストパターン作成指示部、29 指示データ生成部、31,41 グレイ画像生成部、32 画像制御部、35,42 階調補正部、36,44 ディザ処理部、37 マスク制御部、43 誤差拡散処理部、45 選択部、46 潜像画像生成部、47 カモフラージュパターン生成部、48 合成部。

Claims (6)

  1. 処理対象ドキュメント上の指定領域に、少なくとも一つの合成対象画像データを合成処理する画像処理装置であって、
    予め定められた複数の画像処理内容のうちからいずれかの画像処理内容を、前記合成対象画像データの有無に基づいて選択する選択手段と、
    前記処理対象となったドキュメントに対して、前記選択された画像処理内容に基づく画像処理を行う手段と、
    を含むことを特徴とする画像処理装置。
  2. 処理対象ドキュメント上の指定領域に、少なくとも一つの合成対象画像データを合成処理する画像処理装置であって、
    前記合成対象画像データが所定の条件を満足する場合に、予め定められた複数の画像処理内容のうちからいずれかの画像処理内容を選択する選択手段と、
    前記処理対象となったドキュメントに対して、前記選択された画像処理内容に基づく画像処理を行う手段と、
    を含むことを特徴とする画像処理装置。
  3. 請求項2に記載の画像処理装置において、
    前記複数の画像処理内容のうち一つを選択する指定を受け入れる手段をさらに含み、
    前記選択手段は、合成対象画像データが所定の条件を満足しない場合には、当該受け入れた指定に基づいて前記複数の画像処理内容のうち一つを選択し、前記合成対象画像データが所定の条件を満足する場合には、前記受け入れた指定に関わらず、予め定められた複数の画像処理内容のうちからいずれかの画像処理内容を選択することを特徴とする画像処理装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
    複写によりいずれか一方が現出する潜像画像と背景画像とを含む複写牽制画像の生成に関する条件設定を、前記複数の画像処理内容のそれぞれに関連づけて保持する手段と、
    前記選択された画像処理内容に関連する前記条件設定を用いて、前記複写牽制画像を生成する手段と、
    前記生成した複写牽制画像を、処理対象となったドキュメントに対して合成する手段と、
    をさらに含むことを特徴とする画像処理装置。
  5. 処理対象ドキュメント上の指定領域に、少なくとも一つの合成対象画像データを合成処理する画像処理方法であって、
    前記合成対象画像データが所定の条件を満足する場合に、予め定められた複数の画像処理内容のうちからいずれかの画像処理内容を選択する工程と、
    前記処理対象となったドキュメントに対して、前記選択された画像処理内容に基づく画像処理を行う工程と、
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  6. 処理対象ドキュメント上の指定領域に、少なくとも一つの合成対象画像データを合成処理する画像処理プログラムであって、コンピュータに、
    前記合成対象画像データが所定の条件を満足する場合に、予め定められた複数の画像処理内容のうちからいずれかの画像処理内容を選択する手順と、
    前記処理対象となったドキュメントに対して、前記選択された画像処理内容に基づく画像処理を行う手順と、
    を実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
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