JP2005129511A - 加熱処理装置、加熱処理方法、および画像表示装置の製造方法 - Google Patents

加熱処理装置、加熱処理方法、および画像表示装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 基板に対して従来よりも短時間でより均一に加熱および冷却することを可能にした加熱処理装置を提供する。
【解決手段】 基板と、基板の表面に配置された、基板よりも熱容量の小さい構造体とを加熱するための加熱処理装置であって、基板の裏面に対向して配置された第一のヒータと、基板の裏面に、基板を冷却するための、第一のヒータを挟んで対向して配置された第一の冷却体と、基板の表面に対向配置され、加熱処理時における発熱量が第一のヒータよりも小さな第二のヒータとを有する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ガラスやセラミック等の基板を加熱するための加熱処理装置、加熱処理方法、および画像表示装置の製造方法に関する。
従来、画像表示装置には液晶ディスプレイおよびプラズマディスプレイの他に、電子線を蛍光体に照射して画像を表示させるものがある。この電子線を用いた画像表示装置は、蛍光体が形成された基板のフェースプレートと、電子ビームを発生する電子源として表面伝導型電子放出素子が形成された基板のバックプレートと、これら2枚の基板の間に減圧雰囲気を保つための外枠とを有する。この電子線を用いた画像表示装置は、減圧雰囲気内の表面伝導型電子放出素子から蛍光体に電子ビームを加速して照射し、蛍光体を発光させて画像を形成する(例えば、特許文献1参照)。なお、フェースプレート、バックプレートおよび外枠で囲まれた空間を減圧する際、2枚の基板が歪まないようにするために基板間に薄い板状のスペーサを設けたものもある。
この電子線を用いた画像表示装置の製造過程における加熱処理には、フェースプレートとバックプレートを外枠を介して固着する処理の他に、分極して強固に水分子同士が結合した化学吸着水を基板面から取り除くためのベーク処理がある。このベーク処理を行わずに、フェースプレートとバックプレートを減圧下で組み立てようとすると、化学吸着水による脱ガスで圧力がなかなか下がらず、組み立てのための目標真空度に達成するまで時間が長くかかってしまう。
ベーク処理を、電子源および配線等を形成した後のバックプレートや、配線および蛍光体を形成した後のフェースプレートに行う場合、形成された素子や配線に対する熱処理の負荷を軽減するためにも、処理時間は短い方がよい。また、このベーク処理は製造過程で複数回行われるため、製造期間をより短縮するためにも、1度の処理時間は短い方が望ましい。
ベーク処理のための加熱処理装置は、発熱線を絶縁物で挟んだホットプレートを処理室内に備え、ホットプレート上に載せられた基板を裏面から加熱するものである。
特開2000−251716号公報
ベーク処理に用いられる加熱処理装置では、基板の加熱に熱容量の大きいホットプレートを用いているため、ベーク処理の際に基板の温度がなかなか上がらないという問題があった。スペーサをバックプレートの基板表面に形成した後にベーク処理を行う場合には、基板の温度を早く上げようとして加熱速度を大きくすると、基板表面のスペーサは基板に比べて熱容量が小さいため基板よりも早く温度が上昇し、基板とスペーサとの温度差によりスペーサが割れてしまうことがあった。また、基板の温度分布が不均一になり、基板が反ってしまうこともあった。一方、温度分布を均一にするために加熱速度を小さくすると処理時間が長くなるという問題があった。
本発明は上述したような従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものであり、基板に対して従来よりも短時間でより均一に加熱および冷却することを可能にした加熱処理装置、加熱処理方法、および画像表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、基板と、前記基板の表面に配置された、前記基板よりも熱容量の小さい構造体とを加熱するための加熱処理装置であって、前記基板の裏面に対向して配置された第一のヒータと、前記基板の裏面に、前記基板を冷却するための、前記第一のヒータを挟んで対向して配置された第一の冷却体と、前記基板の表面に対向配置され、加熱処理時における発熱量が前記第一のヒータよりも小さな第二のヒータとを有することを特徴とする加熱処理装置である。
また、本発明は、上記の加熱処理装置を用いた加熱処理方法であって、前記第一及び第二のヒータにより、前記基板及び前記構造体を加熱する工程と、前記加熱工程の後に、前記第一の冷却体により、前記基板を冷却する工程とを有することを特徴とする加熱処理方法である。
また、本発明は、基板と、前記基板の表面に固定された、複数のスペーサとを加熱する加熱工程と、前記加熱工程の後に、前記基板及び前記スペーサを冷却する冷却工程と有する画像表示装置の製造方法であって、前記加熱工程は、前記基板の裏面に対向して配置された第一のヒータと、前記基板の表面に対向配置され、加熱時における発熱量が前記第一のヒータよりも小さな第二のヒータとを用いて行なわれ、前記冷却工程は、前記基板の裏面に、前記第一のヒータを挟んで対向して配置された第一の冷却体を用いて行なわれることを特徴とする画像表示装置の製造方法である。
本発明では、ヒータを挟んで基板に対向して冷却体が配置されているため、加熱した基板をより高速で冷却できるだけでなく、基板に対する加熱と冷却の切り替えが早くなる。そのため、従来よりも短時間で基板を熱処理できる。
また、基板面に熱容量の異なる構造体が設けられている場合であっても、基板に温度分布が生じてしまうことを防ぎ、基板および構造体にそりや割れを発生させずに短時間で加熱、冷却できる。
本発明の加熱処理装置は、基板に加熱処理をした後、基板をより早く冷却するための冷却体を基板に対向した位置に設けるものである。
本発明の加熱処理装置は、基板と、基板の表面に配置された、基板よりも熱容量の小さい構造体とを加熱するための加熱処理装置であって、基板の裏面に対向して配置された第一のヒータと、基板の裏面に、基板を冷却するための、第一のヒータを挟んで対向して配置された第一の冷却体と、基板の表面に対向配置され、加熱処理時における発熱量が第一のヒータよりも小さな第二のヒータとを有することを特徴とする。
本発明では、ヒータを挟んで基板に対向して冷却体が配置されているため、加熱した基板をより高速で冷却できるだけでなく、加熱した側と同じ側から冷却することで、基板に対する加熱と冷却の切り替えをより早くできる。
また、本発明では、構造体が配置された基板の表面と、裏面との両面から、基板を加熱するため、加熱効率が向上する。
また、基板に比べて熱容量の小さい構造体は加熱により温度が上がりやすいため、加熱処理時における発熱量が、基板の裏面に対向して配置された第一のヒータよりも小さな第二のヒータにより、基板の表面側から、構造体を基板の裏面側よりも低い温度で加熱することで、構造体と基板の温度がより等しい速度で上がる。
また、本発明では、構造体の設けられた基板の表面とは異なる、基板の裏面から基板を冷却しているため、基板の温度を面内でより均一に下げることができる。そのため、基板の温度分布に起因する基板のそりや割れ、基板と構造体との温度差に起因する構造体の割れを防げる。
また、上記本発明の加熱処理装置において、ヒータからの熱を基板に反射させるための熱反射部材をも備えていることは、加熱効率を向上させる上でより好ましい。上記の熱反射部材を設けている場合には、基板を加熱する際、熱反射部材がヒータによる輻射熱を基板に反射してより高速で基板の温度を上げることができる。
また、上記の熱反射部材を設けている場合には、冷却体は熱反射部材よりも熱放射率が大きいことが冷却効率を向上させる上で好ましい。冷却体は熱反射部材よりも熱放射率が大きい場合には、基板を冷却する際、熱が熱反射部材よりも冷却体に吸収されやすくなり、基板の冷却効率がより向上する。
また、上記本発明の加熱処理装置において、更に、基板の表面側にも、基板を冷却するための、第二の冷却体が配置されていることは、基板の冷却効率を向上させる上で好ましい。
また、第二の冷却体は、基板の冷却時における吸熱量が、基板の裏面側に配置された第一の冷却体よりも小さいことが、好ましい。
また、基板に比べて熱容量の小さい構造体は冷却により温度が下がりやすいため、基板の冷却時における吸熱量が、基板の裏面側に配置された第一の冷却体よりも小さい、第二の冷却体により、基板の表面側から、構造体を、基板よりも高い温度で冷却することで、構造体と基板の温度がより等しい速度で下がる。
また、本発明は、以上述べた加熱処理装置を用いた加熱処理方法であって、第一及び第二のヒータにより、基板及び構造体を加熱する工程と、加熱工程の後に、第一の冷却体、または、第一及び第二の冷却体により、基板を冷却する工程とを有することを特徴とする加熱処理方法である。
本発明では、ヒータで基板を加熱した後、冷却体で基板を冷却するため、より早く基板の温度が下がる。
また、基板の加熱後、ヒータを挟んで基板に対向して配置された冷却体で基板を冷却し、加熱した側と同じ側から冷却することで、基板に対して加熱から冷却への切り替えが早く行われる。
また、本発明は、以上述べた加熱処理装置または加熱処理方法を用いた、画像表示装置の製造方法である。
例えば、本発明は、基板と、基板の表面に固定された、複数のスペーサとを加熱する加熱工程と、加熱工程の後に、基板及びスペーサを冷却する冷却工程と有する画像表示装置の製造方法であって、加熱工程は、基板の裏面に対向して配置された第一のヒータと、基板の表面に対向配置され、加熱時における発熱量が第一のヒータよりも小さな第二のヒータとを用いて行なわれ、冷却工程は、基板の裏面に、第一のヒータを挟んで対向して配置された第一の冷却体を用いて行なわれることを特徴とする画像表示装置の製造方法である。
本発明では、画像表示装置に用いられる基板から化学吸着水を除去するために、従来よりも高速で加熱し、冷却しているので、画像表示装置の製造期間をより短縮できる。
本発明の加熱処理装置の実施形態について説明する。
(参考例)
まず、図1は加熱処理装置の一構成例を示す断面模式図である。
加熱処理装置は、処理室となる真空チャンバ6と、熱処理の対象となる基板1を囲む熱反射部材となる反射板2と、発熱体となるヒータ3a〜3eと、冷却体となる冷却板11と、冷却板11に取り付けられた冷却管12に冷媒を流すための冷却器8と、ヒータ3a〜3eおよび冷却器8等の各部を制御する制御部9とを有する構成である。熱処理時に基板1を保持するための支持ピン(不図示)の上に基板1が置かれると、基板1の裏面はヒータ3a〜3eに対向して配置される。
真空チャンバ6内を減圧するための排気ポンプ10が排気管を介して真空チャンバ6に接続されている。基板1の加熱中に真空チャンバ6内を減圧して、基板1の表面から放出される化学物質を排気ポンプ10側に吸引するためである。排気管には真空チャンバ6内の気体を排気したり、排気を停止したりするための排気バルブ22が設けられている。真空チャンバ6内には圧力をモニタするための圧力計23が設けられており、真空チャンバ6内の圧力の情報は通信回線を介して制御部9に送信される。
また、減圧した真空チャンバ6内を大気圧に戻すために、真空チャンバ6はガス配管を介して窒素が充填されたガスボンベに接続されている。ガス配管には、ガスボンベから真空チャンバ6に窒素を流したり、止めたりするためのベントバルブ21が設けられている。さらに、真空チャンバ6には基板1を搬出入するための蓋部(不図示)が設けられている。
ヒータ3a〜3eは、シースヒータおよびカートリッジヒータ等で代表される、発熱線に電流を流すタイプの棒状ヒータである。ヒータ3a〜3eは基板1の裏面側に同一平面に等間隔で配置され、輻射熱により基板1を裏面から非接触で加熱する。
反射板2はヒータ3からの輻射熱を基板1に反射して効率よく基板1の温度を上げる。反射板2は図1に示す反射板2a〜2cの他に、図の手前側と図の奥側にも設けられている。図に示さない反射板の1枚が蓋部(不図示)の内側に取り付けられており、この反射板は蓋部の動作に連動する。
反射板2および冷却板11は真空チャンバ6に固定されている。支持ピン(不図示)とヒータ3は反射板2に固定されている。ヒータ3は熱が真空チャンバ6以外に流出するのを抑えるために断熱材を介して固定されている。真空チャンバ6内の冷却板11と5枚の反射板は、支持ピン上の基板1とヒータ3とを覆うようにして配置されている。
冷却板11は、ヒータ3a〜3eよりも基板1から離れた位置に設けられ、基板1を裏面から非接触で冷却する。冷却板11を熱放射率が反射板2よりも大きい材質にすることで、基板1を冷却する際、熱が反射板2よりも冷却板11に吸収されやすくなり、基板1の冷却効率がより向上する。反射板2に銅板を使用したとき、冷却板11には、例えば、SUS(ステンレス鋼)板を用いる。冷却板11には冷却管12がロウ付けで固定され、冷却管12は冷却器8に接続されている。冷却器8は、冷媒を循環するための循環ポンプ24と、冷媒の温度を下げるための熱変換部25とを有する。冷媒は、循環ポンプ24により冷却管12内を冷却板11の方へ押し出され、冷却板11と反射板2とで囲まれた空間の熱を吸収した状態で熱変換部25に入り、熱変換部25で熱が奪われた後、再び循環ポンプ24に戻る。このようにして、冷媒を循環させることで冷却板11と反射板2とで囲まれた空間の熱を奪い、基板1の温度を下げることが可能となる。
制御部9は、プログラムにしたがって所定の処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、プログラムを格納するためのメモリとを備えている。制御部9は冷却器8と接続され、循環ポンプ24および熱変換部25を制御する。蓋部(不図示)、ベントバルブ21および排気バルブ22は、制御部9と接続されており、制御部9からの信号により開閉が制御される。基板1を真空チャンバ6に搬入し、熱処理終了後に基板1を真空チャンバ6から搬出するための搬送ロボット(不図示)を備えている。搬送ロボットは制御部9と通信回線を介して制御信号を送受信し、制御部9からの制御信号により、蓋部から真空チャンバ6内に搬入し、支持ピン(不図示)の上に置く。
本参考例では、基板1は画像表示装置に用いられるバックプレートであり、基板1の表面には、スペーサ4、ならびに電子源および配線等の構造物5が設けられている。
次に、上記構成の加熱処理装置による加熱処理の動作について説明する。
図2は加熱処理の動作を説明するための加熱処理装置の断面模式図である。ここでは、説明のために、図1に示した冷却板11の代わりに反射板2dを設けている。反射板2dは真空チャンバ6に固定されている。
操作者が熱処理の対象となる基板1を、排気ポンプ10で真空チャンバ6内が減圧した状態の加熱処理装置の搬送ロボット(不図示)に置く。続いて、加熱処理装置を操作して熱処理を実行する旨の信号を入力すると、制御部9は、次のベント動作を実行する。ベント動作とは、排気バルブ22を閉じ、ベントバルブ21を開けて窒素を真空チャンバ6内に導入し、その後、圧力計23から大気圧であることを示す信号を受信すると、ベントバルブ21を閉じるという動作を順に行わせるものである。
制御部9は、ベント動作の後、蓋部(不図示)を開くと、搬送ロボットに対して基板1の搬入を指示する信号である搬入制御信号を送信する。搬送ロボットは制御部9から搬入制御信号を受信すると、基板1を真空チャンバ6内の支持ピン(不図示)の上に置く。制御部9は、蓋部を閉め、排気バルブ22を開く。排気バルブ22が開いたことにより、真空チャンバ6内の気体が排気ポンプ10で排気され、真空チャンバ6内が10-5Paまで減圧される。続いて、制御部9はヒータ3a〜3eをオンする。
ヒータ3a〜3eは温度を上げて、基板1の温度が350〜400℃になるようにし、その状態で5〜10分維持する。このようにして、輻射により熱エネルギーを基板1に供給する。ヒータ3a〜3eは等間隔で配置されているため、基板1の裏面には均等に熱エネルギーが供給される。基板1に与えられた熱エネルギーの一部は基板1の表面に付着した化学吸着水に吸収される。化学吸着水は熱エネルギーを運動エネルギーに変換して、基板1の表面から飛び出す。飛び出した化学吸着水は圧力のより低い排気ポンプ10側に吸い寄せられる。基板1からの脱ガスにより真空チャンバ6内の圧力は10-4〜10-3Paまで上昇する。
上述のようにして、基板1をベーク処理することで、基板1表面の化学吸着水が除去される。なお、融点が350℃よりも低い材料で配線が基板1の表面に形成されている場合には、配線材料の融点を越えない温度で基板1を加熱する。配線材料としてインジウムが用いられている場合の加熱処理は、例えば、温度120℃で4〜10時間となる。
基板上のスペーサ4は、材質が基板1と同様なガラスであるが、基板1に比べて薄いため表面積のわりに体積が小さく、熱容量が基板1よりも小さい。基板1と熱容量の異なるスペーサ4および構造物5等の構造体の構成により基板1の表面の放射率が異なる。一方、基板1の裏面には、構造体はなく、平坦にするための表面処理が均一に施されているだけなので、放射率がほぼ一定である。そのため、基板1の表面に比べて構造体のない裏面側に熱源のヒータ3を設け、温度を上げたヒータ3から基板1の裏面に熱を与えることにより、短時間で基板1の温度を面内で均一に上げることができる。また、表面の放射率の違いに対応した基板1への熱の流入量の差から温度分布が生じることを抑え、熱容量の小さいスペーサ4だけが温度が早く上昇することを防げる。
次に、上記加熱処理装置による冷却動作の手順について説明する。
図3は冷却処理の動作を説明するための加熱処理装置の断面模式図である。ここでは、図1に示したヒータ3を図に示すことを省略している。
上述のようにして加熱処理した後、制御部9は、ヒータ3a〜3eをオフし、冷却器8の循環ポンプ24をオンして冷却管12に冷媒を流す。基板1の熱は輻射により冷却板11を介して冷媒に吸収され、基板1の温度が下がる。熱を吸収して温度が高くなった冷媒は、熱変換部25で温度が下げられ、循環ポンプ24により再び冷却管12内を冷却板11の方に送られる。このようにして、ヒータ3a〜3eと基板1の温度が徐々に下がる。
予め実験により求められた時間冷却することで、基板1の温度を100℃以下まで下げると、制御部9は基板1への冷却をやめるために循環ポンプ24を停止させる。このとき、結露を防止するために基板1の温度を室温よりも下げないようにする。続いて、上述したベント動作を行った後、蓋部を開き、搬送ロボットに対して基板1の搬出を指示する信号である搬出制御信号を送信する。搬送ロボットは制御部9から搬出制御信号を受信すると、基板1を真空チャンバ6内から取り出す。
上述したように、ヒータ3で基板1を加熱した後、冷却板11で基板1を冷却するため、より早く基板1の温度が下がる。また、基板1の加熱後、ヒータ3を挟んで基板1に対向して配置された冷却板11で基板1を冷却し、加熱した側と同じ側から冷却することで、基板1に対して加熱から冷却への切り替えが早く行われる。
基板1の表面は構造体の構成に対応して放射率が異なるが、基板1の裏面は放射率がほぼ一定である。そのため、基板1の表面に比べて構造体のない裏面側に熱源の冷却板11を設け、冷却板11が基板1の裏面から熱を奪うことにより、短時間で基板1の温度を面内で均一に下げることができる。また、表面の放射率の違いに対応した基板1からの熱の放出量の差から温度分布を生じることを抑え、熱容量の小さなスペーサ4だけ温度が早く下がることを防げる。
上述のようにして、主に基板1の裏面側から基板1に熱を与え、基板1から熱を回収することで、短時間で基板1の温度を面内で均一に上げ下げすることができる。また、熱容量の小さいスペーサ4だけ温度変化が早くなることもない。そのため、基板1の温度分布に起因する基板1のそりや割れ、基板1とスペーサ4との温度差に起因するスペーサ4の割れを防ぐことができる。また、高速で基板1を加熱し、冷却できる。
次に、上記基板1を用いた画像表示装置の製造方法について説明する。
上記バックプレートの場合と同様にして、蛍光体および配線等の構造体が形成されたフェースプレートについても上述の熱処理を行う。その後、バックプレートとフェースプレートの2枚の基板と外枠とに低融点ガラスを塗布し、2枚の基板を外枠を介して重ね合わせて加熱して固着する。続いて、2枚の基板と外枠とで囲まれた空間の気体を外枠に接続された配管を介して排気ポンプで排気する。
その後、電圧を印加して通電処理を行い、電子放出部をバックプレートの表面に形成する。続いて、組み立てられた2枚の基板と外枠とをベーク処理し、2枚の基板と外枠で囲まれた空間の脱ガスを十分に行い、その空間の真空度を保つために外枠と配管との接続部を封じた後、配管を取り外す。その後、表面伝導型電子放出素子および配線等を予め設けた駆動回路(不図示)と接続する。
以上の画像表示装置では、バックプレートとフェースプレートの2枚の基板について化学吸着水を十分に除去しているため、組み立てられた2枚の基板と外枠とをベーク処理する際、より早く目標真空度に達し、処理時間が短縮できる。
(実施形態1)
参考例では基板1の裏面側から基板を加熱するものであったが、本実施形態は、実施形態1の構成に基板1を表面側から加熱するための補助ヒータを設け、基板1の表面からも加熱し、基板1の加熱効率を上げるものである。
本実施形態の加熱処理装置の構成について説明する。なお、参考例と同様な構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図4は本実施形態の加熱処理装置の構成を示す断面模式図である。図4では、本実施形態の特徴となる部分を示し、図1に示した参考例と同様な構成については図に示すことを一部省略している。
図4に示すように、基板1の表面側から補助的に加熱するための補助ヒータ7が設けられ、補助ヒータ7は制御部9と接続されている。補助ヒータ7は、基板1の表面側で、かつ反射板2aよりも基板1に近いところに位置する。基板1を加熱する際、補助ヒータ7の出力をヒータ3の出力に比べて小さくして、補助ヒータ7の温度がヒータ3よりも低くなるようにしている。
本実施形態における加熱処理装置の動作について説明する。
参考例と同様にしてヒータ3で基板1の裏面から基板1を加熱する際、制御部9はヒータ3よりも温度を低く設定した補助ヒータ7をオンし、基板1の表面側から構造体や基板1を加熱する。構造体の熱容量が基板1よりも小さいため、補助ヒータ7の温度をヒータ3よりも低くすることで、構造体と基板1の温度がより等しい速度で上がる。基板1の温度を350〜400℃にすると、その状態で5〜10分維持する。
その後、参考例で説明したように、制御部9はヒータ3a〜3eをオフし、冷却器8の循環ポンプ24をオンして冷却管12に冷媒を流す。基板1の温度を100℃以下まで下げると、制御部9は循環ポンプ24を停止させる。
本実施形態では、基板1の表面側に補助ヒータ7を備えることで、加熱効率を上げている。また、加熱対象の体積の大部分を占める基板1と比べて熱容量の小さいスペーサ4等の構造体を加熱するための温度調節が可能となり、温度差によるスペーサ4の割れがより抑制される。
(実施形態2)
実施形態1では、基板1の裏面側から基板を冷却するものであったが、本実施形態では、実施形態1の構成に基板1を表面側から冷却するための補助冷却板を設け、基板1の表面からも冷却し、基板1の冷却効率を上げるものである。
本実施形態の加熱処理装置の構成について説明する。なお、参考例及び実施形態1と同様な構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図5は本実施形態の加熱処理装置の構成を示す断面模式図である。図5では、本実施形態の特徴となる部分を示し、図1に示した参考例と同様な構成については図に示すことを一部省略している。
図5に示すように、基板1の表面側から補助的に基板1を冷却するための補助冷却板13と、冷媒を流すための補助冷却管14とを備えている。補助冷却管14は、補助冷却板13に固定され、図に示さない補助冷却器に接続されている。そして、この補助冷却器は制御部9に接続されている。図4に示した実施形態2における加熱処理装置の反射板2aの代わりに補助冷却板13を設けている。基板1を冷却する際、補助冷却板13の温度を冷却板11よりも高く設定している。そのため、補助冷却板13の熱回収量は冷却板11よりも小さく、補助冷却板13の放射率は冷却板11よりも小さい。なお、補助冷却管14に流す冷媒の温度を冷却管12よりも高くすることで、補助冷却板13の温度を冷却板11よりも高く設定可能となる。
本実施形態における加熱処理装置の動作について説明する。
実施形態1と同様にしてヒータ3で基板1の裏面から基板1を加熱する際、制御部9はヒータ3よりも温度を低く設定した補助ヒータ7をオンし、基板1の表面側から構造体や基板1を加熱する。基板1の温度を350〜400℃にすると、その状態で5〜10分維持する。
その後、実施形態1と同様にして冷却板11で基板1の裏面から基板1を冷却する際、制御部9は冷却板11よりも温度を高く設定した補助冷却板13に冷媒を流し、基板1の表面側から構造体や基板1を冷却する。構造体の熱容量が基板1よりも小さいため、補助冷却板13の温度を冷却板11よりも高くすることで、構造体と基板1の温度がより等しい速度で下がる。
本実施形態では、基板1の表面側に補助冷却板13を備えることで、冷却効率を上げている。また、冷却対象の体積の大部分を占める基板1と比べて熱容量の小さいスペーサ4等の構造体を冷却するための温度調節が可能となり、温度差によるスペーサ4の割れがさらに抑制される。ここで、本実施形態では、実施形態1の構成に補助冷却板13を設けたが、参考例の構成に補助冷却板13を設けるようにしてもよい。
なお、上記参考例、実施形態1および実施形態2において、ヒータ3は、上述のシースヒータやカートリッジヒータの他に、ハロゲンランプの棒状ヒータであってもよい。また、ヒータ3として棒状ヒータを用いたが、基板1に平行な面に発熱線をらせん状に巻いたヒータであってもよい。この場合、発熱線の間に隙間を設けた構成にすることで、冷却板11が隙間から基板1を冷却可能となる。
また、反射板2を冷却していないが、反射板2に冷却管12や補助冷却管14を固定するなどして冷却してもよい。反射板2を冷却することで、基板1に対する冷却効率が向上する。
また、冷却管12および補助冷却管14に冷媒を流すために循環ポンプと熱変換部とを設けたが、循環ポンプや熱変換部を設けずに、市水を冷却管12および補助冷却管14に流すようにしてもよい。この場合、市水を流したり止めたりするための市水バルブを冷却管12および補助冷却管14に備え、市水バルブは制御部9からの制御信号により循環ポンプ24の代わりに動作する。市水が吸収した熱は自然放熱により大気中に拡散する。そして、市水を用いる場合には、冷却管12および補助冷却管14の2つの冷却管に市水を流す場合に限らず、2つの冷却管のうちどちらか一方に市水を用い、他方に冷却器を用いてもよい。
また、構造体を設けたバックプレートやフェースプレートの基板の場合について説明したが、構造体を設けていない基板であってもよい。構造体を設ける前の段階で基板から化学吸着水を除去する工程を実施することで、その工程以降の熱処理時における脱ガス量がより減少し、処理室内の減圧がより早く行われ、熱処理時間が短縮する。
また、支持ピン(不図示)およびヒータ3を反射板2に固定していたが、冷却板11または真空チャンバ6に固定してもよい。
さらに、実施形態1または実施形態2により熱処理をした基板を用いて、参考例で説明したのと同様の方法で画像表示装置を製造しても、参考例と同様の効果が得られる。
加熱処理装置の一構成例を示す断面模式図である。 加熱処理の動作を説明するための断面模式図である。 冷却処理の動作を説明するための断面模式図である。 本発明の実施形態1の加熱処理装置の一構成例を示す断面模式図である。 本発明の実施形態2の加熱処理装置の一構成例を示す断面模式図である。
符号の説明
1 基板
2 反射板
3 ヒータ
4 スペーサ
5 構造物
6 真空チャンバ
7 補助ヒータ
8 冷却器
9 制御部
10 排気ポンプ
11 冷却板
12 冷却管
13 補助冷却板
14 補助冷却管
21 ベントバルブ
22 排気バルブ
23 圧力計
24 循環ポンプ
25 熱変換部

Claims (10)

  1. 基板と、前記基板の表面に配置された、前記基板よりも熱容量の小さい構造体とを加熱するための加熱処理装置であって、
    前記基板の裏面に対向して配置された第一のヒータと、
    前記基板の裏面に、前記基板を冷却するための、前記第一のヒータを挟んで対向して配置された第一の冷却体と、
    前記基板の表面に対向配置され、加熱処理時における発熱量が前記第一のヒータよりも小さな第二のヒータとを有することを特徴とする加熱処理装置。
  2. 前記第一のヒータ又は前記第二のヒータからの熱を前記基板に反射させるための熱反射部材を備えた請求項1記載の加熱処理装置。
  3. 前記第一の冷却体は前記熱反射部材よりも熱放射率が大きい請求項2記載の加熱処理装置。
  4. 前記基板の表面に、前記基板を冷却するための、前記第二のヒータを挟んで対向して配置された第二の冷却体を備えた請求項1記載の加熱処理装置。
  5. 前記第二の冷却体は、前記基板の冷却時における吸熱量が、前記第一の冷却体よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載の加熱処理装置。
  6. 請求項1記載の加熱処理装置を用いた加熱処理方法であって、
    前記第一及び第二のヒータにより、前記基板及び前記構造体を加熱する工程と、
    前記加熱工程の後に、前記第一の冷却体により、前記基板を冷却する工程とを有することを特徴とする加熱処理方法。
  7. 請求項4または5記載の加熱処理装置を用いた加熱処理方法であって、
    前記第一及び第二のヒータにより、前記基板及び前記構造体を加熱する工程と、
    前記加熱工程の後に、前記第一及び第二の冷却体により、前記基板を冷却する工程とを有することを特徴とする加熱処理方法。
  8. 基板と、前記基板の表面に固定された、複数のスペーサとを加熱する加熱工程と、前記加熱工程の後に、前記基板及び前記スペーサを冷却する冷却工程と有する画像表示装置の製造方法であって、
    前記加熱工程は、前記基板の裏面に対向して配置された第一のヒータと、前記基板の表面に対向配置され、加熱時における発熱量が前記第一のヒータよりも小さな第二のヒータとを用いて行なわれ、
    前記冷却工程は、前記基板の裏面に、前記第一のヒータを挟んで対向して配置された第一の冷却体を用いて行なわれることを特徴とする画像表示装置の製造方法。
  9. 前記冷却工程は、前記基板の裏面に、前記第一のヒータを挟んで対向して配置された第一の冷却体と、前記基板の表面に、前記第二のヒータを挟んで対向して配置された第二の冷却体とを用いて行なわれる請求項8に記載の画像表示装置の製造方法。
  10. 前記第二の冷却体は、前記基板の冷却時における吸熱量が、前記第一の冷却体よりも小さいことを特徴とする請求項9に記載の画像表示装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005071992A (ja) * 2003-08-07 2005-03-17 Canon Inc 減圧雰囲気下における加熱、冷却方法及び画像表示装置の製造方法
WO2005124809A1 (ja) * 2004-06-18 2005-12-29 Kabushiki Kaisha Toshiba 画像表示装置の製造方法および製造装置

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