以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1には、本実施形態に係る光ディスク装置の全体構成図が示されている。光ディスク10はスピンドルモータ(SPM)12により回転駆動される。スピンドルモータSPM12は、ドライバ14で駆動され、ドライバ14はサーボプロセッサ30により所望の回転速度となるようにサーボ制御される。
光ピックアップ16は、レーザ光を光ディスク10に照射するためのレーザダイオード(LD)や光ディスク10からの反射光を受光して電気信号に変換するフォトディテクタ(PD)を含み、光ディスク10に対向配置される。光ピックアップ16はスレッドモータ18により光ディスク10の半径方向に駆動され、スレッドモータ18はドライバ20で駆動される。ドライバ20は、ドライバ14と同様にサーボプロセッサ30によりサーボ制御される。また、光ピックアップ16のLDはドライバ22により駆動され、ドライバ22はオートパワーコントロール回路(APC)24により駆動電流が所望の値となるように制御される。APC24は、光ディスク10のテストエリア(PCA)において実行されたOPC(Optimum Power Control)により選択された最適記録パワーとなるようにドライバ22の駆動電流を制御する。OPCは、光ディスク10のPCAに記録パワーを複数段に変化させてテストデータを記録し、該テストデータを再生してその信号品質を評価し、所望の信号品質が得られる記録パワーを選択する処理である。信号品質には、β値やγ値、変調度、ジッタ等が用いられる。
光ディスク10に記録されたデータを再生する際には、光ピックアップ16のLDから再生パワーのレーザ光が照射され、その反射光がPDで電気信号に変換されて出力される。光ピックアップ16からの再生信号はRF回路26に供給される。RF回路26は、再生信号からフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号を生成し、サーボプロセッサ30に供給する。サーボプロセッサ30は、これらのエラー信号に基づいて光ピックアップ16をサーボ制御し、光ピックアップ16をオンフォーカス状態及びオントラック状態に維持する。また、RF回路26は、再生信号に含まれるアドレス信号をアドレスデコード回路28に供給する。アドレスデコード回路28はアドレス信号から光ディスク10のアドレスデータを復調し、サーボプロセッサ30やシステムコントローラ32に供給する。
また、RF回路26は、再生RF信号を2値化回路34に供給する。2値化回路34は、再生信号を2値化し、得られた変調信号をエンコード/デコード回路36に供給する。エンコード/デコード回路36では、2値化信号を復調及びエラー訂正して再生データを得、当該再生データをインタフェースI/F40を介してパーソナルコンピュータなどのホスト装置に出力する。なお、再生データをホスト装置に出力する際には、エンコード/デコード回路36はバッファメモリ38に再生データを一旦蓄積した後に出力する。
光ディスク10にデータを記録する際には、ホスト装置からの記録すべきデータはインターフェースI/F40を介してエンコード/デコード回路36に供給される。エンコード/デコード回路36は、記録すべきデータをバッファメモリ38に格納し、当該記録すべきデータをエンコードして変調データとしてライトストラテジ回路42に供給する。変調方式としては、DVDにおける8−16変調方式の他、8−12変調方式等を用いることができるが、本実施形態では一例として8−12変調方式で変調するものとする。変調データとしては、従来のように変調前のある範囲のデータ(例えば0〜87)についてはDSV値の異なる2種類の変調データ(代用変換テーブル)を用意し、それ以後のデータについては単一の変調データを用意してもよい。全ての範囲のデータについて単一の変調データのみを用意してもよい。ライトストラテジ回路42は、変調データを所定の記録ストラテジに従ってマルチパルス(パルストレーン)に変換し、記録データとしてドライバ22に供給する。記録ストラテジは、例えばマルチパルスにおける先頭パルスのパルス幅や後続パルスのパルス幅、パルスデューティから構成される。記録データによりパワー変調されたレーザ光は光ピックアップ16のLDから照射されて光ディスク10にデータが記録される。データを記録した後、光ピックアップ16は再生パワーのレーザ光を照射して当該記録データを再生し、RF回路26に供給する。RF回路26は再生信号を2値化回路34に供給し、2値化された変調データはエンコード/デコード回路36に供給される。エンコード/デコード回路36は、変調データをデコードし、バッファメモリ38に記憶されている記録データと照合する。ベリファイの結果はシステムコントローラ32に供給される。システムコントローラ32はベリファイの結果に応じて引き続きデータを記録するか、あるいは交替処理を実行するかを決定する。
また、データを記録するに際しては、システムコントローラ32は従来と同様にOPC及びROPCを実行する。すなわち、記録に先立ってシステムコントローラ32はエンコード/デコード回路36にテストデータを供給し、記録パワーを複数段に変化させて該テストデータを光ディスク10のテストエリアに記録する。そして、記録されたテストデータを再生パワーで再生し、そのときの再生RF信号のβ値等から最適の記録パワーを選択して記録パワーとする。さらに、システムコントローラ32は、データ記録時の戻り光量を周期的に検出し、そのレベル(いわゆるレベルB)が予め定められメモリに記憶されている一定値と一致するか否かを判定し、一致しない場合にはその大小関係に応じて記録パワーを増減調整する。すなわち、戻り光量が一定値以下である場合には記録パワーが過剰であるとして記録パワーを低下させ、戻り光量が一定値を超える場合には記録パワーが不足しているものとして記録パワーを増大させる。あるいは、上記のOPCで選択された最適記録パワーPo及びこの記録パワーPoでテストデータを記録した時の戻り光量のレベルBの値Boをメモリに記憶し、これらの値と、データ記録時の検出されたレベルB値を用いて、Bo/Pon=B/Pn=一定(但し、nは正の有理数)となるように記録パワーを調整する。本実施形態におけるROPCは、同期情報に含まれる最長ピット長の形成時に実行され、13Tの「マーク」の同期情報を形成する場合にROPCを実行するものとする。このため、エンコード/デコード回路36は、13Tの同期情報が交互に「マーク」と「スペース」となるように設定して光ディスク10に記録する。具体的には、同期情報の特定制御ビットのビット値を交互に0と1に変化させることで交互に「マーク」と「スペース」に設定する。
図2には、光ディスク10の物理セクタの構成が示されている。光ディスク10の各物理セクタは26個の同期フレームから構成され、各同期フレームの先頭に1個の同期情報(SYあるいはSYNC)50が形成される。同期情報(SY)50は同期フレームを識別するために複数種類、例えばSY0〜SY3の4種類用意され、それぞれの同期情報50は24ビットで構成されるものとする。データ部分は既述したように8−12変調データが記録され、NRZI(Non Return to Zero Invert:非ゼロ復帰記録)方式で記録される。NRZI方式では、変調コードビット値1では直前の値を反転し、変調コードビット値0では直前の値を維持する方式である。変調データは、3T〜11Tあるいは2T〜11T等のデータ長で記録される。
本実施形態における同期情報を説明する前に、まず、同期情報の基本的な構成について説明する。
図3には、同期フレームを識別するための4種類の同期情報SY0〜SY3の一例が示されている。なお、各同期情報SY0〜SY3にはそれぞれステート0あるいはステート1,2の2種類のデータが用意され、直前のコードデータ値(8−12変換された8ビット単位のコード)に応じていずれかの種類が選択される。図においては、一例としてステート0における同期情報が示されている。
図において、例えばSY0の同期情報は「1000#0 010000 000000 001001」となっているが、「#」はDSV値を制御するDSV制御ビットとして機能する。最初の7ビットの「1000#0 0」はDSV制御ビットを含む可変部分であり、それ以降の「10000 000000 001001」はデータ値が固定された固定部分である。また、SY1の同期情報は「10100# 010000 000000 001001」となっており、「#」は同様にDSV制御ビットとして機能する。DSV制御ビット「#」においてはビット値として0または1のいずれかの値が設定され、NRZI方式と相俟って同期情報の極性を決定する。#=1の場合をプライマリ同期情報、#=0の場合をセカンダリ同期情報と称する。なお、同期情報についてプライマリ同期情報とセカンダリ同期情報を用意する構成は例えばDVDにおいて知られている。一般に、プライマリ同期情報とセカンダリ同期情報との関係は、プライマリ同期情報が「マーク」になる場合にはセカンダリ同期情報は「スペース」になり、プライマリ同期情報が「スペース」になる場合にはセカンダリ情報は「マーク」にとなる関係である。DVDにおけるプライマリ同期情報、セカンダリ同期情報については、例えば特開2001−266348号公報等に記載されている。
図4及び図5には、DSV制御ビット「#」のビット値と極性との関係が示されている。図4は、SY0におけるDSV制御ビットと極性との関係であり、制御ビット「#」の値が0(セカンダリ)である場合には直前の値0(Low)を維持するため0(Low)のままであり、次の1(固定部分を規定する最初の1)で直前の値0(Low)を反転して1(High)となり、13Tの同期情報は1(High)、すなわち「マーク」として記録される。「マーク」の部分では記録パワーのレーザ光が照射されピットが形成されることは既述した通りである。次の1で再び直前の値1(High)を反転するため0(Low)となり、さらに同期情報の最下位のビットの「1」において0(Low)が反転されて1(High)となる。
同期情報に続いて変調データ部が存在し、変調データのビット値1で反転され、0でそのまま維持されてデータが記録される。
一方、制御ビット「#」の値が1(プライマリ)である場合には前の値0(Low)を反転するため1(High)となり、次の1(固定部分を規定する最初の1)で再び直前の値1(High)を反転して0(Low)となり、13Tの同期情報は0(Low)、すなわちスペースとして記録される。次の1で再び直前の値0(Low)を反転するため1(High)となり、さらに同期情報の最下位のビット「1」において1(High)が反転されて0(Low)となる。
図5はSY1におけるDSV制御ビットと極性との関係であり、SY0の場合と同様に「#」のビット値が0であるか1であるかにより1の数が増減する。このように、DSV制御ビット「#」が0の場合と1の場合とで1の数が変化するため、制御ビット「#」のビット値によりDSV値を制御できることが理解されよう。
一方、図4及び図5から、制御ビット「#」のビット値により、同期情報がマークとなるかスペースとなるかも同時に決定されることもわかる。例えば、SY0においてDSV値を減少させるためにDSV制御ビット「#」のビット値を1に設定した場合、SY0の同期情報は「スペース」として記録されることになり、本来的に記録パワーのレーザ光を照射してピットを形成する「マーク」の同期情報において行うべきROPCが実行できなくなる。その一方で、ROPCを実行するためにある同期情報のDSV制御ビット「#」を0に設定してしまうと、データのDSV値が増大してしまうおそれがある。
本実施形態では、このように、DSV値を減少させる要請と、同期情報を交互に「マーク」、「スペース」とすることにより周期的なROPCの実行を確保するとの要請を両立させるべく、同期情報に対してDSV制御ビットに加え、「マーク」と「スペース」のいずれに設定するかを制御する制御ビットをも付加する。「マーク」と「スペース」のいずれに設定するかを制御するビットを第1制御ビット、DSV制御ビットを第2制御ビットと称する。第1制御ビットは図3におけるDSV制御ビットと同位置に設定され、第2制御ビットは図3において固定部分とされていた同期情報の部分(後部)に設定される。
図6には、本実施形態における同期情報が示されている。図3と同様に、一例としてステート0の場合が示されている。SY0の同期情報に着目すると、「1000#0 010000 000000 00100*」であり、「#」が第1制御ビットであり、「*」が第2制御ビットである。第1制御ビット「#」は同期情報を「マーク」とするか「スペース」とするかを設定するビットであり、図3におけるDSV制御ビットと同位置に設定される。一方、第2制御ビット「*」、すなわちDSV制御ビットは最下位ビット位置に設定される。SY1についても同様であり、「10100# 010000 000000 00100*」であり、第1制御ビットは図3におけるDSV制御ビット位置に設定され、第2制御ビットは最下位ビットに設定される。
図7には、SY0の同期情報のみが抽出され示されている。第1制御ビット100は当該同期情報を「マーク」とするか「スペース」とするかを設定し、具体的には図4から分かるように第1制御ビット100のビット値を0とすると当該同期情報は「マーク」となり、ビット値を1とすると当該同期情報は「スペース」となる。したがって、同期情報を交互に「マーク」、「スペース」に設定したい場合には、同期情報の第1制御ビット100のビット値を交互に0と1に設定すればよい。一方、DSV値制御ビット200は同期情報の最下位ビット位置にあり、同期情報に続くデータ値の極性を決定することから、DSV値に応じて0または1に設定すればよい。第2制御ビット200は最下位ビット位置に設定されているため、同期情報の固定部分である13Tの部分には何らの影響も与えない。本実施形態では、同期情報24ビットのうち、中央部分の2つのビット値1を含むそれらで挟まれた14ビットが固定部分(13T部分)であり、最初の7ビット及び最後の3ビットが可変部分となり、第1制御ビットは最初の7ビットの可変部分に設定され、DSV制御ビットは最後の3ビットの可変部分に設定されるということもできる。
図8には、SY0の場合の第1制御ビット100及び第2制御ビット200のビット値と極性との関係が示されている。第1制御ビット100、第2制御ビット200それぞれのビット値の組み合わせにより、4通りのパターンが存在する。
まず、(第1制御ビット,第2制御ビット)=(0,0)の場合である。この場合、第1制御ビット100は0であるためその部分では直前の値0(Low)はそのまま維持され、固定部分を規定する最初の1で0(Low)が反転して1(High)となり、既述したように同期情報は1(High)、すなわち「マーク」に設定される。次の1で再び直前の値1(High)が反転されて0(Low)となり、第2制御ビット200は0であるためそのまま後続のデータ部分(変調部分)となる。変調データ部を構成するビット値1で直前の値0(Low)が反転されて1(High)となる。以下、同様である。
次に、(第1制御ビット,第2制御ビット)=(0,1)の場合である。この場合、固定部分は第1制御ビット100が0であるため同様に「マーク」となるが、第2制御ビット200が1であるため直前の値0(Low)が反転されて1(High)となり、そのまま後続のデータ部分となる。すなわち、データ部を構成するビット値「1」で直前の値1(High)が反転されて0(Low)となる。データ部の極性は上記の場合と反対となり、DSV値も変化する。
次に、(第1制御ビット,第2制御ビット)=(1,0)の場合である。この場合、第1制御ビット100は1であるためその部分で直前の値0(Low)が反転して1(High)となり、固定部を規定する最初の1で再び反転して0(Low)となり、同期情報は0(Low)、すなわち「スペース」に設定される。次の1で再び直前の値0(Low)が反転されて1(High)となり、そのまま後続のデータ部分となる。すなわち、データ部を構成するビット値1で直前の値1(High)が反転されて0(Low)となる。
最後に、(第1制御ビット,第2制御ビット)=(1,1)の場合である。この場合も、第1制御ビット100が1であるため同期情報は「スペース」となる。一方、第2制御ビット200が1であるためその部分で直前の値1(High)が再び反転されて0(Low)となり、後続のデータ部となる。データ部を構成するビット値1で直前の値0(Low)が反転されて1(High)となる。データ部の極性は(1,0)の場合と反対となり、DSV値も変化する。
このように、第1制御ビット100により「マーク」と「スペース」のいずれとするかを設定し、かつ、第2制御ビット200でDSV値を調整することで、ROPCの実行とDSV値最小を同時に達成することができる。すなわち、第1制御ビット100を交互に0と1に設定するとともに、DSV値が小さくなるように第2制御ビット200を0あるいは1のいずれかに適応的に設定すればよい。
なお、図6〜図8においては、第2制御ビット200を24ビットの同期情報の最下位ビット位置に設定しているが、第2制御ビット200は同期情報に後続するデータ部の極性を変化させるものであるから、可変部分の3ビットのいずれか、例えば最下位ビットの1つ上位のビットに設定することもできる。SY0の同期情報について例示すると、「1000#0 010000 000000 0010*0」の如くである。但し、同期情報の最下位ビット位置に第2制御ビット200を設定することで、連続するビット値「1」の間の距離、すなわちランレングスの値を確保できる(データ長として3T以上を確保できる)効果がある。
図9には、第1制御ビット100及び第2制御ビット200を用いて同期情報を記録する具体的な回路構成が示されている。この回路は、図1におけるエンコード/デコード回路36のエンコード部分に組み込まれる。
エンコード/デコード回路36のエンコード部分は、変調器36a、DSV演算部36b、SYNC生成部36e、SYNC選択部36gおよび選択スイッチ36c、36d、36fを含んで構成される。
変調器36aは、バッファメモリ38からの記録データを8−12変換し、3T〜11Tあるいは2T〜11Tの信号を生成して選択スイッチ36cに供給する。変調器36aは、記録データの値によっては2種類のデータを生成して選択スイッチ36cに供給する。
DSV演算部36bは、光ピックアップ16に供給される変調データ、すなわち光ディスク10に記録されるデータのDSV値を演算し、この演算結果に基づいて選択スイッチ36cに選択信号を供給し変調データを選択する。選択スイッチ36cでDSV値に基づき選択された変調データは、次に選択スイッチ36dに供給される。なお、選択スイッチ36cを設けず、変調データをそのまま選択スイッチ36dに供給する構成でもよい。
選択スイッチ36dは、変調データと同期情報とを切り換えるためのスイッチであり、システムコントローラ32からのウォブルアドレス検出データ(データ/SYNC選択データ)及びクロックに基づき切り換えられる。すなわち、システムコントローラ32からウォブルアドレス検出データ及びそこから所定クロックがカウントされた場合には、同期情報としてSY0〜SY3のいずれかを挿入するタイミングであるため選択スイッチ36dはSYNCデータ側に切り換えて出力し、それ以外のタイミングにおいては選択スイッチ36cから供給された変調データ側に切り換えて光ピックアップ16に出力する。これにより、同期位置に同期情報SY0〜SY3が挿入される。
SYNC生成部36eは、13TのSYNCパターンを生成するものであり、SY0〜SY3のそれぞれにおいて、(第1制御ビット,第2制御ビット)=(0,0)、(0,1)、(1,0)、(1,1)の4つの場合のパターンを生成して選択スイッチ36fに供給する。具体的には、SY0においては、
「100000 010000 000000 001000」((0,0)の場合)
「100000 010000 000000 001001」((0,1)の場合)
「100010 010000 000000 001000」((1,0)の場合)
「100010 010000 000000 001001」((1,1)の場合)
の4つの同期パターンを生成し、SY1においては、
「101000 010000 000000 001000」((0,0)の場合)
「101000 010000 000000 001001」((0,1)の場合)
「101001 010000 000000 001000」((1,0)の場合)
「101001 010000 000000 001001」((1,1)の場合)
を生成して選択スイッチ36fに供給する。
選択スイッチ36fはSY0〜SY3のそれぞれにおいて、4つの同期パターンのいずれかを選択するスイッチであり、その選択はSYNC選択部36gにて制御される。SYNC選択部36gは、同期情報が交互に「マーク」、「スペース」となり、かつ、DSV演算部36bにより演算されたDSV値が最小となるようなパターンを選択する。例えば、ある同期フレームのSY0において第1制御ビット100及び第2制御ビット200がともに0となるようなパターンを選択して同期情報を「マーク」とした場合、次の同期フレームにおけるSY1において第1制御ビット100が1となるようなパターン、すなわち「スペース」となるパターンであり、かつそのSY1の第2制御ビット200のビット値が1となるパターンを選択してDSV値を減少させる等である。SYNC生成部36eから直接DSV演算部36bにSY0〜SY3のそれぞれにおいて4つの同期パターンを供給し、同期情報の「マーク」、「スペース」を制御しつつ、変調データと同期情報のDSV値が最小となる組み合わせを選択し、LD駆動部に供給する構成としてもよい。
以上の処理により、同期情報の「マーク」部分で周期的なROPCが可能となり、かつDSV値が小さいデータ記録が可能となる。また、「マーク」と「スペース」が交互に配置された同期情報を有し、かつDSV値も小さい光ディスクを得ることができる。
なお、本実施形態では、同期情報が交互に「マーク」、「スペース」となるように設定しているが、2回に1回は必ず「マーク」となるように、例えば、「マーク」、「スペース」、「マーク」、「マーク」、「スペース」、「マーク」、・・・等とすることも可能である。本実施形態では、第1制御ビット100と第2制御ビット200の2つの制御ビットで極性を制御するため、同期情報をマークあるいはスペースとした場合の全体のDSV値を調整する能力が高く、より柔軟に対応することができる。
10 光ディスク、16 光ピックアップ、32 システムコントローラ、36 エンコード/デコード回路、100 第1制御ビット(マーク/スペース決定ビット)、200 第2制御ビット(DSV値制御ビット)。