JP2005128304A - 光ファイバー被覆用樹脂組成物及びそれを用いた光ファイバー素線 - Google Patents

光ファイバー被覆用樹脂組成物及びそれを用いた光ファイバー素線 Download PDF

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篤 押尾
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Abstract

【課題】 温水強度特性及び湿熱強度特性に優れた光ファイバー被覆用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 アルコキシシリル化合物(C)として式(I)
Figure 2005128304

(I)
で表される化合物(C1)、水酸基、アミノ基及びメルカプト基から選ばれる基を1分子中に2〜10個有し、分子量が50〜1200の化合物(D1)と式(II)
Figure 2005128304

(II)
で表される化合物(D2)を反応させた、分子中に2以上のアルコキシシリル基を有し、且つラジカル重合性の不飽和二重結合を有しない化合物(C2)、及び前記化合物(D1)とポリイソシアネート化合物(D3)と式(III)
Figure 2005128304

(III)
で表される化合物(D4)を反応させた、1分子中に2以上のアルコキシシリル基を有し、且つラジカル重合性の不飽和二重結合を有しない化合物(C3)より選ばれる1種以上の化合物を含有する光ファイバー被覆用樹脂組成物を用いる。
【選択図】 なし


Description

本発明は、光ファイバーを被覆する紫外線硬化型の樹脂組成物及びこれを用いた光ファイバー素線に関する。特に単層被覆用あるいは1次被覆用に適した紫外線硬化型の樹脂組成物に関する。
光ファイバー素線には、導波ガラスに紫外線等の放射線硬化型樹脂による1次被覆層及び2次被覆層を施した2層被覆構造のものと、単層の被覆層を施した単層被覆構造の形態のものがある。2層被覆構造の被覆を施した光ファイバー素線の1次被覆層は、極めて柔軟な樹脂層となっており、外部からかかる力により、光ファイバー素線中のガラス心材が微少変形を起こして光の伝送損失が発生するのを防止する役割を有している。また、ガラス心材が塵やホコリと接触して、物理的損傷をうけることを防止し、また、塵やホコリあるいは空気中の水分に含まれる化学物質等により化学的浸食を受けることを防ぐ役割も有している。1次被覆層がそのような役割を十分に発揮することにより、ガラス心材の強度を長期間維持し、また、取り扱い時の外力や化学的な浸食によりガラス心材が破断するようなトラブルを防止することができる。
近年、光ファイバー素線においては、製造直後から高い破断強度(以下、「初期強度特性」という)を有し、種々の使用条件下で長期間使用した場合でも、初期の高い破断強度を維持しうる特性が要求されている。特に、実際の光ファイバーが敷設される環境においても、光の伝送特性やファイバーの初期破断強度を長期に亘り維持するための耐久性が要求されており、特に温水中雰囲気下での耐久性(以下、「温水強度特性」)、高温高湿雰囲気下における耐久性(以下、「湿熱強度特性」という)が特に強く求められている。さらに、上記耐久性と同時に、低光量における高い硬化性(「硬化性」)、安定した被覆除去作業に必要な被覆層とガラス間の高い密着性(「ガラス密着性」)も求められている。
ところで、光ファイバー素線は、ガラスロッドを高温で溶融線引きし、線引き直後にガラス心材上に樹脂被覆層を設けることにより製造される。線引き後は、できるだけ短時間で1次被覆層用樹脂組成物をガラス心材上に塗工し、紫外線照射等により該樹脂組成物の硬化皮膜が形成される。そうすることにより、ガラス心材が空気中に暴露される時間を極力減じている。線引き時におけるガラス心材の暴露時間が長ければ長いほど、空気中の塵、ほこり、あるいは水分が付着することによりガラス心材が浸食され、光ファイバー素線の破断強度が急激に低下する。したがって、ガラス心材の線引き後は、ほとんど瞬時に1次被覆層用樹脂組成物を塗工する必要があり、そのような手段を用いることによりガラス心材の破断強度の低下をできるだけ抑える工夫が為されている。
光ファイバーの1次被覆層用樹脂組成物については、これまで種々の技術が開示されている。例えば、特定の加水分解性の四置換化合物あるいはメルカプト基含有シランカップリング剤を含有する樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、ラジカル反応性基とアルコキシシラン基を有するオリゴマー性の化合物を含有する樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献2〜5参照)。しかしながら、これらの従来技術では、最近、強く求められている「温水強度特性」及び「湿熱強度特性」について、満足できる技術は開示されていない。特に、上記の特性を満足しつつ、更に、「硬化性」と「ガラス密着性」をも満足しうる実用的な技術に関しては何ら触れられていない。なお、単層の被覆層を施した光ファイバー素線においても事情は同じである。
特表平9−508886号公報 特表平10−507784号公報 特開平9−165430号公報 特開平7−18038号公報 特表平9−501945号公報
したがって、本発明の目的は、「硬化性」及び「ガラス密着性」を満足し、更に、「温水強度特性」及び「湿熱強度特性」に優れた単層被覆用あるいは1次被覆用の光ファイバー被覆用樹脂組成物を提供することである。また、本発明の他の目的は、上記課題を解決した光ファイバー素線を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。即ち、本発明は上記課題を解決するために、特定のアルコシシリル化合物(C)を含有する光ファイバー被覆用樹脂組成物を提供するものである。
アルコキシシランや、シランカップリング剤を含有する樹脂組成物は、ガラス心材との密着性が良好であることが知られている。しかしながら、それらのすべての化合物が、「硬化性」及び「ガラス密着性」を満足し、更に、優れた「温水強度特性」及び「湿熱強度特性」を有しているわけではなかった。「ガラス密着性」や「湿熱強度特性」が良好であっても「温水強度特性」が不良であったり、また、「ガラス密着性」や「湿熱強度特性」が良好であっても「硬化性」が不良である等、これらすべての特性を十分に満足するものは見出されていなかった。本発明者等は、分子中に2以上のアルコキシシリル基を有し、且つラジカル重合性の不飽和二重結合を有しない特定の構造を有するアルコキシシリル化合物(C)を含有する樹脂組成物が十分な「硬化性」及び「ガラス密着性」を有し、更に、「温水強度特性」及び「湿熱強度特性」に優れていることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、ラジカル重合性化合物(A)、光重合開始剤(B)、及びアルコキシシリル化合物(C)を含有する光ファイバー被覆用樹脂組成物であって、前記アルコキシシリル化合物(C)が、式(I)
Figure 2005128304
(I)
(式中、R及びRは各々独立して、炭素数1〜5のアルキル基を表し、nは2又は3であり、o、p及びqは各々独立して、1〜10の整数である。)で表されるアルコキシシリル化合物(C1)、水酸基、アミノ基及びメルカプト基から選ばれる1種又は2種以上の基を1分子中に2〜10個有し、且つ分子量が50〜1200の化合物(D1)と式(II)
Figure 2005128304
(II)
(式中、R及びRは各々独立して、炭素数1〜5のアルキル基を表し、mは1〜10の整数であり、nは2又は3である。)で表される化合物(D2)を反応させた反応物であって、分子中に2以上のアルコキシシリル基を有し、且つラジカル重合性の不飽和二重結合を有しないアルコキシシリル化合物(C2)、及び前記化合物(D1)とポリイソシアネート化合物(D3)と式(III)
Figure 2005128304
(III)
(式中、R及びRは各々独立して、炭素数1〜5のアルキル基を表し、Xはメルカプト基又はアミノ基を表し、mは1〜10の整数であり、nは2又は3である。)で表される化合物(D4)を反応させた反応物であって、1分子中に2以上のアルコキシシリル基を有し、且つラジカル重合性の不飽和二重結合を有しないアルコキシシリル化合物(C3)より選ばれる1種又は2種以上のアルコキシシリル化合物であることを特徴とする光ファイバー被覆用樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記の樹脂組成物で被覆されたことを特徴とする光ファイバー素線を提供するものである。
本発明の樹脂組成物は実用上十分な硬化性を有し、また、本発明の樹脂組成物による硬化被膜はガラス心線に対して十分な密着性を有する。更に、該硬化皮膜により被覆された光ファイバー素線は、高温高湿雰囲気下で長期間使用した場合でも、初期の破断強度を維持(湿熱強度特性)し、温水雰囲気下で長期間使用した場合でも、初期の破断強度を維持(温水強度特性)できる。したがって、本発明の樹脂組成物は単層被覆用あるいは1次被覆用の光ファイバー被覆用樹脂組成物として有用である。
本発明を以下に詳しく説明する。
本発明で用いることのできるアルコキシシリル化合物(C1)は、上記式Iで表される化合物である。中でも、式I中で、R及びRは各々独立して、炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、nは3であることが好ましい。また、o、p及びqは各々独立して、1〜5の整数であることが好ましい。特に、アルコキシシリル化合物(C1)は、下記式(XIV)であることが好ましい。
Figure 2005128304
(XIV)
アルコキシシリル化合物(C2)を製造するための、水酸基、アミノ基及びメルカプト基から選ばれる1種又は2種以上の基を1分子中に2〜10個有し、且つ分子量が50〜1200の化合物(D1)としては、下記式(IV)で表される化合物(D1−1)、式(V)で表される化合物(D1−2)、式(VI)で表される化合物(D1−3)、式(VII)で表される化合物(D1−4)、式(VIII)で表される化合物(D1−5)、及び式(IX)で表される化合物(D1−6)から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
Figure 2005128304
(IV)
[式中、Yは炭素数2〜20のアルキレン基を表し、R及びRは各々独立して、-CH(R9)-CH(R10)-(式中、R及びR10は各々独立して、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)又は-(CH2)4-を表し、r及びsは各々独立して、0〜10の整数である。]
Figure 2005128304
(V)
[式中、Z〜Zは各々独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、Aは-C(CH3)2-、-CH2-又は-SO2-を表し、R及びRは各々独立して、-CH(R9)-CH(R10)-(式中、R及びR10は各々独立して、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)又は-(CH2)4-を表し、r及びsは各々独立して、0〜10の整数である。]
Figure 2005128304
(VI)
[式中、R〜Rは各々独立して、-CH(R9)-CH(R10)-(式中、R及びR10は各々独立して、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)又は-(CH2)4-を表し、r、s及びtは各々独立して、0〜10の整数であり、R11〜R15は各々独立して、水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基である。]
Figure 2005128304
(VII)
[式中、R〜Rは各々独立して、-CH(R9)-CH(R10)-(式中、R及びR10は各々独立して、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)又は-(CH2)4-を表し、r、s及びtは各々独立して、0〜10の整数であり、R16〜R20は各々独立して、水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基である。]
Figure 2005128304
(VIII)
[式中、R〜Rは各々独立して、-CH(R9)-CH(R10)-(式中、R及びR10は各々独立して、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)又は-(CH2)4-を表し、r、s、t及びuは各々独立して、0〜10の整数であり、R21〜R28は各々独立して、水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基である。]
Figure 2005128304
(IX)
[式中、R〜Rは各々独立して、-CH(R9)-CH(R10)-(式中、R及びR10は各々独立して、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)又は-(CH2)4-を表し、r、s、t、u、v及びwは各々独立して、0〜10の整数であり、R29〜R44は各々独立して、水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基である。]
これらの中でも、式(X)で表される化合物、式(XI)で表される化合物、式(XII)で表される化合物、及び式(XIII)で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが特に好ましい。
Figure 2005128304
(X)
[式中、R〜Rは各々独立して、-CH(R9)-CH(R10)-(式中、R及びR10は各々独立して、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。)又は-(CH2)4-を表し、r、s及びtは各々独立して、0〜10の整数である。]
Figure 2005128304
(XI)
[式中、R〜Rは各々独立して、-CH(R9)-CH(R10)-(式中、R及びR10は各々独立して、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。)又は-(CH2)4-を表し、r、s及びtは各々独立して、0〜10の整数である。]
Figure 2005128304
(XII)
[式中、R〜Rは各々独立して、-CH(R9)-CH(R10)-(式中、R及びR10は各々独立して、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。)又は-(CH2)4-を表し、r、s、t及びuは各々独立して、0〜10の整数である。]
Figure 2005128304
(XIII)
[式中、R〜Rは各々独立して、-CH(R9)-CH(R10)-(式中、R及びR10は各々独立して、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。)又は-(CH2)4-を表し、r、s、t、u、v及びwは各々独立して、0〜10の整数である。]
より具体的には、例えば、(1)エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、3−メチルペンタンジオール、3−メチルオクタンジオール、ビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、(2)多塩基酸と多価アルコールを重縮合して得られるポリエステルポリオール、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオール、(3)エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド等のアルキレンオキシド、テトラヒドロフラン、アルキル置換テトラヒドロフラン等の環状エーテルの重合体又はこれらの2種以上の共重合体であるポリエーテルポリオール等が挙げられる。
また、化合物(D2)は、上記式IIの化合物であればいずれの化合物も使用できるが、これらの化合物のうち、Rがメチル基であり、n=3である化合物が、ガラス密着性が向上するので好ましい。さらに、Rがメチル基であり、n=3であり、m=3である化合物であることがより好ましい。
アルコキシシリル化合物(C2)は、前記化合物(D1)と化合物(D2)を反応させた反応物であるが、反応により生成する化合物が、1分子中に2以上のアルコキシシリル基を有し、且つ分子中にラジカル重合性の不飽和二重結合を有しない構造となるように反応させた化合物である。化合物(D2)は上記式(II)で表される化合物であり、ラジカル重合性の不飽和二重結合を有しない構造である。したがって、化合物(D1)は、分子中にラジカル重合性の不飽和二重結合を有しない構造であることが必要であり、化合物(D1)と化合物(D2)を反応させる場合には、化合物(D1)1モルに対し、化合物(D2)2モル以上を反応させることが必要である。そのような構造であることにより、光ファイバー被覆用樹脂組成物は、硬化後の被膜のヤング率が適当な範囲となり、また、適度な伸び特性を有する被膜とすることができる。更に、「温水強度特性」及び「湿熱強度特性」に優れた組成物となる。
アルコキシシリル化合物(C2)としては、前記化合物(D1)と化合物(D2)を種々選択して反応させて得ることができるが、中でも、式(XV)で表される化合物が好ましい。
Figure 2005128304
(XV)
ポリイソシアネート化合物(D3)としては、公知のものが使用できるが、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等のポリイソシアネートが使用できる。中でも分子量が150〜300のジイソシアネートを使用すると樹脂組成物の粘度が低くなるので好ましい。
また、本発明で使用する化合物(D4)は、上記式(III)の化合物であればいずれの化合物も使用できるが、これらの化合物のうち、Rがメチル基であり、n=3であるとガラス密着性が向上するので好ましい。さらに、Rがメチル基であり、n=3であり、m=3であり、X=メルカプト基である化合物を用いると、湿熱耐久性及び温水耐久性が向上するので、より好ましい。
アルコキシシリル化合物(C3)は、前記化合物(D1)と化合物(D3)と化合物(D4)を反応させた反応物であるが、反応により生成する化合物が、1分子中に2以上のアルコキシシリル基を有し、且つ分子中にラジカル重合性の不飽和二重結合を有しない構造となるように反応させた化合物である。化合物(D4)は上記式(III)で表される化合物であり、ラジカル重合性の不飽和二重結合を有しない構造である。したがって、化合物(D1)及び化合物(D3)は、分子中にラジカル重合性の不飽和二重結合を有しない構造であることが必要である。また、ポリイソシアネート化合物(D3)としては、ジイソシアネート化合物であることが好ましく、その場合、化合物(D1)と化合物(D3)と化合物(D4)を反応させる場合には、化合物(D1)1モルに対し、化合物(D3)と化合物(D4)をそれぞれ2モル以上使用することが必要である。化合物(D3)と化合物(D4)の使用モル数はほぼ同量である。アルコキシシリル化合物(C3)を上記の構造とすることにより、光ファイバー被覆用樹脂組成物は、硬化後の被膜のヤング率が適当な範囲となり、また、適度な伸び特性を有する被膜とすることができる。更に、「温水強度特性」及び「湿熱強度特性」に優れた組成物となる。
アルコキシシリル化合物(C3)としては、前記化合物(D1)と化合物(D3)と化合物(D4)を種々選択して反応させて得ることができるが、中でも、式(XVI)で表される化合物が好ましい。
Figure 2005128304
(XVI)
本発明で使用するアルコキシシリル化合物(C)は、前述の化合物C1、化合物C2及び化合物C3から選ばれる1種又は2種以上の化合物である。アルコキシシリル化合物(C)は樹脂組成物全体対して、0.005〜5質量%、好ましくは0.005〜2質量%含有することが温水強度特性、湿熱強度特性、ガラス密着性に優れるので好ましい。
本発明の樹脂組成物はアルコキシシリル化合物(C)以外に、ラジカル重合性化合物(A)と光重合開始剤(B)を使用する。
ラジカル重合性化合物(A)には、ラジカル重合性オリゴマー(A1)とラジカル重合性モノマー(A2)がある。ラジカル重合性オリゴマー(A1)としては、従来公知のものが使用可能であるが、ポリオール(a1)、ポリイソシアネート(a2)、及び同一分子内に重合性不飽和基と水酸基とを有する化合物(a3)から合成されるウレタンアクリレート、グリシジルエーテル化合物と(メタ)アクリル酸等の重合性不飽和基を有するカルボン酸類の反応生成物であるエポキシアクリレート、及びビニルエーテルがあり、本発明においてはこれらを用いることが好ましい。なお、本明細書中で(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸またはメタクリル酸のことであり、アクリル酸またはメタクリル酸の誘導体についても同様である。
上記ポリオール(a1)としては、多塩基酸と多価アルコールを重縮合して得られるポリエステルポリオール、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオール、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシド、テトラヒドロフラン、アルキル置換テトラヒドロフラン等の環状エーテルの重合体又はこれらの2種以上の共重合体であるポリエーテルポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリカーボネートジオール等が挙げられる。
本発明で使用するポリオール化合物(a1)としては、ポリエーテル化合物が好ましく、その不飽和度は0.01ミリ当量/g以上、0.03ミリ当量/g以下が好ましく、0.01ミリ当量/g以上、0.025ミリ当量/g以下の範囲が硬化性、蛍光灯下における黄変が少なく、且つ光ファイバーの耐久性の指標であるn値が高くなるのでさらに好ましい。特に、0.01ミリ当量/g以上、0.020ミリ当量/g以下、さらに0.01ミリ当量/g以上、0.015ミリ当量/g以下の範囲が最も好ましい。また、数平均分子量が3000〜20000のポリエーテル化合物(a1)から合成されるウレタンアクリレートは一次被覆材として用いた場合、蛍光灯下における黄変が著しく改善されるので好ましい。なお、ポリエーテル化合物の不飽和度はJIS K 1557−1970に記載の総不飽和度の測定方法により測定される値である。
またポリイソシアネート(a2)としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等のポリイソシアネートが挙げられる。
次に、同一分子内に重合性不飽和基と水酸基とを有する化合物(a3)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、3−アクリロイルオキシグリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロパン、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリε−カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、(a3)として、同一分子内に重合性不飽和基と水酸基とを有するイソシアヌル酸誘導体も有用である。このようなイソシアヌル酸誘導体としては、例えば、イソシアヌル酸にγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、D−グルコノ−1,4−ラクトン、1,10−フェナントレンカルボラクトン、4−ペンテン−5−オリド、12−ドデカノリド等のラクトン類、あるいはエチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドやテトラヒドロフラン等の環状エーテルを付加させ、生じた水酸基を1モル以上残す当量比で(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の重合性不飽和基を有するカルボキシル化合物を脱水縮合あるいはエステル交換反応により反応させたものが通常用いられる。
ウレタンアクリレート構造のラジカル重合性オリゴマーとしては、数平均分子量が400から20000のポリオールを用いたものが好ましく、中でも数平均分子量が2000から12000のポリオールを用いたウレタンアクリレートが、ヤング率が低く、ガラスとの密着力が高く、更に湿熱強度特性に優れた光ファイバー被覆用樹脂組成物が得られ、特に好ましい。また、上記のポリイソシアネート(a2)としては、数平均分子量500未満のポリイソシアネートを用いるのが好ましい。そのようなポリイソシアネートを用いると、粘度が低い光ファイバー被覆用樹脂組成物を得ることができる。
また、エポキシアクリレートとしては、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF等のビスフェノール類及びフェノール樹脂等の芳香環を含むポリオールのグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の反応生成物であることが好ましい。そのようなエポキシアクリレートを用いることにより、光ファイバー被覆用樹脂組成物のガラスに対する密着性を高くすることができる。
ラジカル重合性オリゴマー(A1)としては、例えば、上記のラジカル重合性オリゴマーを単独で用いても、あるいは複数のオリゴマーを混合して用いても良い。中でも、プロピレンオキシドの重合体、1,2−ブチレンオキシドの重合体、プロピレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体、1,2−ブチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体から選択されるポリオールのウレタンアクリレートであって、数平均分子量が2000〜20000、好ましくは4000〜15000のものが、粘度が低く、ガラスへの密着性が高く、硬化性が高いので好ましい。
次に本発明で用いることができるラジカル重合性モノマー(A2)としては、従来公知のものが使用可能であるが、例えば、水酸基を含む化合物に(メタ)アクリル酸がエステル化反応で結合した構造の化合物等が挙げられる。そのような化合物の中で、単官能の化合物としては、例えば、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンサクシネート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、β−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、β−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンサクシネート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、3−アクリロイルオキシグリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロパン、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリε−カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]アッシドホスフェート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフロロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフロロブチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
また、他の単官能の化合物としてはN−ビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルカルバゾール、等のビニル化合物もある。
2官能のラジカル重合性モノマー(A2)としては、例えば、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネートのジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、2,2’−ジ(ヒドロキシプロポキシフェニル)プロパンのジ(メタ)アクリレート、2,2’−ジ(ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンのジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールのジ(メタ)アクリレート、2,2’−ジ(グリシジルオキシフェニル)プロパンの(メタ)アクリル酸付加物等が挙げられる。
更に、3官能以上のラジカル重合性モノマー(A2)としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシプロピル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、トリメリット酸のトリ(メタ)アクリレートと、トリアリルトリメリット酸、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
これらの中では、単官能のラジカル重合性モノマー(A2)の2種以上を、又は単官能のラジカル重合性モノマー(A2)と2官能以上のラジカル重合性モノマー(A2)とを組み合わせて使用すると、低温特性、硬化性に優れ、好ましい。中でも単独重合体のTgが20℃以下の単官能のラジカル重合性モノマー(A2)と単独重合体のTgが50℃以上の単官能のラジカル重合性モノマー(A2)を併用すると、光ファイバーの湿熱強度特性に優れ、特に好ましい。
単独重合体のTgが20℃以下の単官能のラジカル重合性モノマー(A2)としては、ラウリルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ラウリルアルコールエトキシアクリレート、エポキシステアリルアクリレート、2−(1−メチル−4−ジメチル)ブチル−5−メチル−7−ジメチルオクチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエトキシエチルアクリレート、フェノールポリアルコキシアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、ノニルフェノールポリプロピレンオキサイド変性アクリレート、ブトキシポリプロピレングリコールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコールラクトン変性アクリレート、ラクトン変性2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート等が挙げられる。
単独重合体のTgが50℃以上の単官能のラジカル重合性モノマー(A2)としては、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルピリジン、モルホリン(メタ)アクリレート、N−ビニルカプロラクタム、ビニルカルバゾール、ビニルホルムアミド等がある。
上記のラジカル重合性オリゴマー(A1)は、全組成物に対し20〜90質量%用いるのが好ましく、中でも、30〜80質量%用いるのがより好ましい。この範囲にすることにより、本発明の光ファイバー被覆用樹脂組成物の粘度を低く抑えながら、高速硬化性を良好にすることができ、また、硬化膜を強靱にすることができる。
また、上記のラジカル重合性モノマー(A2)は、本発明の光ファイバー用樹脂組成物の粘度を下げるために有効であり、全組成物に対し5〜70質量%を含有させることが好ましい。中でも、10〜60質量%含有するものがより好ましい。この範囲にすることにより、本発明の光ファイバー被覆用樹脂組成物の粘度を低く抑えながら、高速硬化性を良好にすることができ、また、硬化膜を強靱にすることができる。
本発明の樹脂組成物にはアルコキシシリル化合物(C)以外のカップリング剤(E)を併用してもよい。カップリング剤(E)としては、例えば、シラン系のカップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、チタネート系のカップリング剤、あるいはジルコニウム系のカップリング剤等がある。本発明においては、それらの中で、いずれの化合物も使用することができるが、アルコキシシリル基を1つ以上含む化合物を用いることが好ましい。アルコキシシリル基としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、トリス(βメトキシエトキシ)シリル基等がある。特に、トリメトキシシリル基、あるいはトリエトキシシリル基を含むカップリング剤を使用すると、それを含有する光ファイバー被覆用樹脂組成物の放置安定性が良好となり、また、光ファイバーの初期破断強度を長期間保持することができる。
シランカップリング剤(E)としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
・ビニル基含有シラン:例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン等。
・エポキシ基含有シラン:例えば、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等。
・アクリロキシ基含有シラン:例えば、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等。
・アミノ基含有シラン:例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−4,5−ジヒドロイミダゾロ−1−イル−プロピルトリエトキシシラン、N−[2−(ビニルベンジルアミノ)エチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N’−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、等。
・イソシアネート基含有シラン:例えば、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン等。
本発明の光ファイバー被覆用樹脂組成物には光重合開始剤(B)を使用する。光重合開始剤(B)としては従来公知のものが使用可能である。例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸エステル、アルコキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンゾフェノン及びベンゾフェノン誘導体、ベンゾイル安息香酸アルキル、ビス(4−ジアルキルアミノフェニル)ケトン、ベンジル及びベンジル誘導体、ベンゾイン及びベンゾイン誘導体、ベンゾインアルキルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン及びチオキサントン誘導体、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、等が挙げられる。
これらの中では、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン及びチオキサントン誘導体、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、1,7−ビス(アクリジニル)ヘプタン、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−オクチルカルバゾール、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンの中から選ばれる1種又は2種類以上を併用すると、高速硬化性が高くなり、特に好ましい。リン系光重合開始剤は高速硬化性が優れており、樹脂組成物が硬化した直後の黄変(初期黄変)が少ないので本発明の樹脂組成物に添加する光重合開始剤として最適である。リン系光重合開始剤としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルフォスフィンオキシド、ビス(2、6ージメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシド等がある。
本発明の光ファイバー被覆用樹脂組成物に含まれる光重合開始剤(B)の含有量は0.05〜5質量%であることが好ましい。この範囲であると高速硬化性が優れ、また、蛍光灯下における黄変の発生を極力抑えることができる。中でも、0.05〜2質量%であることが好ましく、更に0.2〜1.6質量%であることが特に好ましい。
さらに本発明には必要に応じてヒンダードアミン系光安定剤(F)を添加することができる。ヒンダードアミン系光安定剤(F)としては、従来公知のものが使用可能であるが、例えば、以下のものを用いることができる。
・光安定化剤として有用なヒンダードアミン類、即ち、2,2,6,6テトラメチルピペリジル基、又は1−アルキル−2,2,6,6テトラメチルピペリジル基を持つ化合物:例えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セパケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セパケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゼル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシルエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ〔16−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1.3.5−トリアジン−2,4−ジイル〕、〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕、1−〔2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、(ミックスド1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ミックスド〔1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/β,β,β’−テトラメチル−3,9−〔2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカシ〕ジエチル〕ジエチル1−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等。
・あるいは、例えば、分子量が400〜4000のものとして、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製チヌビン144(分子量685.0)、チヌビン292(分子量508.8)、チヌビン123(分子量737.2)、チヌビン440(分子量435.6)、チヌビン622LD(分子量3100〜4000)、チヌビン765(分子量509)、CHIMASSORB 119L(分子量2286)、CHIMASSORB 2020FDL(分子量2600〜3400)、CHIMASSORB 944LD(分子量2000〜3100)、三共株式会社社製サノールLS−770(分子量480.7)、サノールLS−2626(分子量722.1)、サノールLS−744(分子量261.4)、サノールLS−944(分子量>2000)、旭電化工業(株)社製アデカスタブLA−52(分子量847.2)、アデカスタブLA−57(分子量791.1)、アデカスタブLA−62(分子量約900)、アデカスタブLA−67(分子量約900)、アデカスタブLA−63(分子量約2000)、アデカスタブLA−68(分子量約1900)、アデカスタブLA−77(分子量481)等。
・ラジカル重合性基をもつヒンダードアミン類としては、アデカスタブLA−87(分子量225.3)、アデカスタブLA−82(分子量239.4)等。
・ラジカル重合性基を持たず、分子量が400未満のヒンダードアミンとして、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアルコール(分子量157)、1−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアルコール(分子量171)等。
なかでも、ヒンダードアミン類は硬化物の耐久性を高めると同時に、温水下、高温高湿下での光ファイバーの強度低下を防止し、高速硬化性を高める効果があるので特に好ましい。
上記のヒンダードアミン系光安定剤(F)は、光ファイバー被覆用樹脂組成物全体に対し0.005〜1質量%、好ましくは0.01〜0.5質量%、さらに好ましくは0.05〜0.3質量%の範囲で使用するのが、温水下、高温高湿下での光ファイバーの強度低下を防止するうえで効果がある。特に、本発明の組成物のpHが7未満、さらに好ましくは5未満であると最も効果が高い。この組成物のpHは、イソプロピルアルコール/イオン交換水:20ml/5mlの混合溶剤に組成物1gを溶解し、pHメータで測定したものである。
更に、本発明の光ファイバー被覆用樹脂組成物には、上記の成分以外に、ヒドロキノン、メトキノン等の重合禁止剤、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤、亜燐酸エステル系の脱色剤、シリコーンオイル等の消泡剤、離型剤、レベリング剤料等を添加しても構わない。
本発明の光ファイバー用樹脂組成物においては、加工性及び光ファイバーの伝送特性を良好にするため、組成物及び硬化膜の物性値が以下の範囲になるように適宜調製するのが好ましい。
・組成物の粘度:1.0〜10.0Pa・s(25℃、B型粘度計)であることが好ましい。1.0Pa・s以下、10.0Pa・s以上では高速での光ファイバー製造時に外径の変動や硬化膜の破断が生じて高速硬化性が悪い。
・硬化膜のヤング率:硬化物のヤング率は0.1〜10.0MPaが好ましい。0.1MPa未満であると、巻き取時に光ファイバーの被覆が破損し、10.0MPaを越えると伝送特性が悪くなる。
その他の硬化膜の特性としては、以下の範囲にあることが伝送特性、素線のハンドリング性が良いので好ましい。
・ガラス転移点:−40〜30℃、好ましくは−20℃〜10℃。
・−40℃のヤング率:0.1〜100MPa、好ましくは10〜50MPa。
・引張破断強度:0.5MPa以上、好ましくは2MPa以上。
・引張破断伸び:100%以上、好ましくは150%〜600%の範囲がよい。
次に実施例により本発明を具体的に説明するが、もとより本発明はこれにより何等限定されるものではない。なお、例中の部はすべて質量基準である。
(ラジカル重合性化合物(A)の合成)
(合成例1)
攪拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコに、市販のポリプロピレングリコール(数平均分子量8000、不飽和度0.013meq/g)800g(0.10モル)、2,4−トリレンジイソシアネート34.8g(0.20モル)、ジブチル錫ジアセテート0.15gを仕込み、攪拌しながら昇温し85℃に保った。85℃になって3時間後、メトキノン0.2g、2,6−ジターシャリブチル−4−メチルフェノール2.0g、2−ヒドロキシエチルアクリレート23.2g(0.20モル)を加え、さらに85℃で4時間反応させ、ラジカル重合性オリゴマー(A1−1)を得た。
(合成例2)
攪拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコに、市販のポリプロピレングリコール(数平均分子量7000、不飽和度0.023meq/g)700g(0.10モル)、2,4−トリレンジイソシアネート34.8g(0.20モル)、ジブチル錫ジアセテート0.15gを仕込み、攪拌しながら昇温し85℃に保った。85℃になって3時間後、メトキノン0.2g、2,6−ジターシャリブチル−4−メチルフェノール2.0g、2−ヒドロキシエチルアクリレート23.2g(0.20モル)を加え、さらに85℃で4時間反応させ、ラジカル重合性オリゴマー(A1−2)を得た。
(光ファイバーの製造)
表1及び表2の組成の1次被覆材、及びポリテトラメチレングリコールのウレタンアクリレートを主成分とする紫外線硬化型樹脂組成物を2次被覆材として外径250μmの光ファイバーを線引きして、各実施例及び比較例の組成物を1次被覆材とする2層被覆構造の光ファイバーを製造した。
(初期破断強度(初期強度特性)の測定)
各実施例及び比較例の組成物を1次被覆材として製造した光ファイバーから、実施例1の樹脂組成物を1次被覆剤として製造した光ファイバーから25本、実施例2の樹脂組成物を1次被覆剤として製造した光ファイバーから25本、といった具合に、実施例及び比較例それぞれについて、初期破断強度測定用のサンプル25本を切り出した。測定用サンプルの長さは50cmとし、引張速度25mm/分で市販の引張試験器(島津製作所製オートグラフ、測定雰囲気:23℃、50%RH)で測定した。各実施例及び比較例の組成物を用いた光ファイバーについて、破断強度の平均(25本の平均値)を求め、それを「初期破断強度」とした。
(湿熱破断強度(湿熱強度特性)の測定)
初期破断強度の測定と同様に、各実施例及び比較例の組成物を1次被覆材として製造した光ファイバーを85℃、85%RHの雰囲気中に30日間放置した。その後、25本の評価用サンプルを各実施例及び比較例の組成物により製造した光ファイバーから切り出し、引張速度25mm/分で破断強度を測定した。各実施例及び比較例、それぞれ25本のサンプルの測定値を基に、破断強度の平均値(25本の平均値)を求め、それを「湿熱破断強度」とした。そして、上記の「初期破断強度」を用いて、下記の式により(湿熱/初期)破断強度比を計算した。この(湿熱/初期)破断強度比が「湿熱強度特性の値」である。結果を表1に示した。
(湿熱/初期)破断強度比(%)=[(湿熱破断強度)/(初期破断強度)]×100
(湿熱/初期)破断強度比(「湿熱強度特性の値」)が90%以上を○、90%未満を×とした。
(温水破断強度(温水強度特性)の測定)
初期破断強度の測定と同様に、各実施例及び比較例の組成物を1次被覆材として製造した光ファイバーを85℃温水の雰囲気中に30日間放置した。その後、25本の評価用サンプルを各実施例及び比較例の組成物により製造した光ファイバーから切り出し、引張速度25mm/分で破断強度を測定した。各実施例及び比較例、それぞれ25本のサンプルの測定値を基に、破断強度の平均値(25本の平均値)を求め、それを「温水破断強度」とした。そして、上記の「初期破断強度」を用いて、下記の式により(温水/初期)破断強度比を計算した。この(温水/初期)破断強度比が「温水強度特性の値」である。結果を表1に示した。
(温水/初期)破断強度比(%)=[(温水破断強度)/(初期破断強度)]×100
(温水/初期)破断強度比(「温水強度特性の値」)が90%以上を○、90%未満を×とした。
(高速硬化性の測定)
表1に示した各実施例及び表2に示した比較例の光ファイバー被覆用樹脂組成物を、ガラス板に厚さ100ミクロンで塗布し、窒素雰囲気で10mJ/cmと500mJ/cmの照射量で硬化させ、硬化フィルムを得た。これをJIS K7113に準拠し、23℃、50%RHの雰囲気下で引っ張り速度1mm/分、標線間距離25mmで測定し、2.5%割線弾性率(ヤング率)を求めた。10mJ/cmにおける2.5%割線弾性率と500mJ/cmにおける2.5%割線弾性率の比率を求め、これを高速硬化性とした。10mJ/cmにおける2.5%割線弾性率と500mJ/cmにおける2.5%割線弾性率の比率が、80%以上を○、70%以上80%未満を△、70%未満を×とした。
(ガラス密着力の測定)
表1に示した各実施例及び表2に示した比較例の光ファイバー被覆用樹脂組成物を、ガラス板に厚さ200ミクロンで塗布し、窒素雰囲気で200mJ/cmの照射量で硬化させ、硬化フィルムを得た。これをJIS Z0237の「180度引き剥がし法」に準拠し、23℃、50%RHの雰囲気下で、引き剥がし速度100mm/分で測定し、ガラス密着力を求めた。ガラス密着力が20g/cm以上50g/cm未満を○、50g/cm以上および20g/cm未満を×とした。
ガラス密着力が50g/cm以上であると、光ファイバー被覆用樹脂組成物の硬化皮膜をガラス心線から剥離する際にガラス心線の表面に硬化皮膜の一部が残り易くなり、また、ガラス密着力が20g/cm未満の場合、光ファイバーの敷設中、あるいは敷設後に硬化皮膜とガラス心線が剥離するトラブルが起こり易くなる。
Figure 2005128304
Figure 2005128304
表1、表2中の化合物
1.ラジカル重合性モノマー(A2)
(A2−1);ノニルフェノールエチレンオキサイド変性(1モル)アクリレート(第一工業製薬株式会社製のニューフロンティアNP−1)
(A2−2);ノニルフェノールエチレンオキサイド変性(4モル)アクリレート(第一工業製薬株式会社製のニューフロンティアNP−1)
(A2−3);N−ビニルカプロラクタム
2.アルコキシシリル化合物(C)
前記式(XIV)の化合物;1,3,5−N−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート(日本ユニカー社Y−11597)
前記式(XV)の化合物;トリメチロールプロパンにプロピレンオキシドを3モル付加させたトリオールにγ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー社A−1310)を3モル付加させた化合物
前記式(XVI)の化合物;トリメチロールプロパンにプロピレンオキシドを3モル付加させたトリオールにトリレンジイソシアネートを3モル付加させ、残ったイソシアネート基にγ−メルカプトプロピルトリエトキシシランを3モル付加させた化合物
3.シランカップリング剤(E)
(E−1);γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン
(E−2);テトラエトキシシラン
(E−3);トリメチロールプロパンにプロピレンオキシドを3モル付加させたトリオールにトリレンジイソシアネートを3モル付加させ、残ったイソシアネート基にγ−メルカプトプロピルトリエトキシシランを1モルおよび2−ヒドロキシエチルアクリレートを2モル付加させた化合物
4.光重合開始剤(B)
(B−1);2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド
(B−2);ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシド
5.ヒンダードアミン系光安定剤(F)
(F−1);ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート

Claims (7)

  1. ラジカル重合性化合物(A)、光重合開始剤(B)、及びアルコキシシリル化合物(C)を含有する光ファイバー被覆用樹脂組成物であって、前記アルコキシシリル化合物(C)が、式(I)
    Figure 2005128304
    (I)
    (式中、R及びRは各々独立して、炭素数1〜5のアルキル基を表し、nは2又は3であり、o、p及びqは各々独立して、1〜10の整数である。)で表されるアルコキシシリル化合物(C1)、水酸基、アミノ基及びメルカプト基から選ばれる1種又は2種以上の基を1分子中に2〜10個有し、且つ分子量が50〜1200の化合物(D1)と式(II)
    Figure 2005128304
    (II)
    (式中、R及びRは各々独立して、炭素数1〜5のアルキル基を表し、mは1〜10の整数であり、nは2又は3である。)で表される化合物(D2)を反応させた反応物であって、分子中に2以上のアルコキシシリル基を有し、且つラジカル重合性の不飽和二重結合を有しないアルコキシシリル化合物(C2)、及び前記化合物(D1)とポリイソシアネート化合物(D3)と式(III)
    Figure 2005128304
    (III)
    (式中、R及びRは各々独立して、炭素数1〜5のアルキル基を表し、Xはメルカプト基又はアミノ基を表し、mは1〜10の整数であり、nは2又は3である。)で表される化合物(D4)を反応させた反応物であって、1分子中に2以上のアルコキシシリル基を有し、且つラジカル重合性の不飽和二重結合を有しないアルコキシシリル化合物(C3)より選ばれる1種又は2種以上のアルコキシシリル化合物であることを特徴とする光ファイバー被覆用樹脂組成物。
  2. 前記化合物(D1)が、式(IV)
    Figure 2005128304
    (IV)
    [式中、Yは炭素数2〜20のアルキレン基を表し、R及びRは各々独立して、-CH(R9)-CH(R10)-(式中、R及びR10は各々独立して、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)又は-(CH2)4-を表し、r及びsは各々独立して、0〜10の整数である。]で表される化合物(D1−1)、式(V)
    Figure 2005128304
    (V)
    [式中、Z〜Zは各々独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、Aは-C(CH3)2-、-CH2-又は-SO2-を表し、R及びRは各々独立して、-CH(R9)-CH(R10)-(式中、R及びR10は各々独立して、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)又は-(CH2)4-を表し、r及びsは各々独立して、0〜10の整数である。]で表される化合物(D1−2)、式(VI)
    Figure 2005128304
    (VI)
    [式中、R〜Rは各々独立して、-CH(R9)-CH(R10)-(式中、R及びR10は各々独立して、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)又は-(CH2)4-を表し、r、s及びtは各々独立して、0〜10の整数であり、R11〜R15は各々独立して、水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基である。]で表される化合物(D1−3)、式(VII)
    Figure 2005128304
    (VII)
    [式中、R〜Rは各々独立して、-CH(R9)-CH(R10)-(式中、R及びR10は各々独立して、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)又は-(CH2)4-を表し、r、s及びtは各々独立して、0〜10の整数であり、R16〜R20は各々独立して、水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基である。]で表される化合物(D1−4)、式(VIII)
    Figure 2005128304
    (VIII)
    [式中、R〜Rは各々独立して、-CH(R9)-CH(R10)-(式中、R及びR10は各々独立して、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)又は-(CH2)4-を表し、r、s、t及びuは各々独立して、0〜10の整数であり、R21〜R28は各々独立して、水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基である。]で表される化合物(D1−5)、及び式(IX)
    Figure 2005128304
    (IX)
    [式中、R〜Rは各々独立して、-CH(R9)-CH(R10)-(式中、R及びR10は各々独立して、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)又は-(CH2)4-を表し、r、s、t、u、v及びwは各々独立して、0〜10の整数であり、R29〜R44は各々独立して、水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基である。]で表される化合物(D1−6)から選ばれる1種又は2種以上の化合物である請求項1記載の光ファイバー被覆用樹脂組成物。
  3. 前記化合物(D1)が、式(X)
    Figure 2005128304
    (X)
    [式中、R〜Rは各々独立して、-CH(R9)-CH(R10)-(式中、R及びR10は各々独立して、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。)又は-(CH2)4-を表し、r、s及びtは各々独立して、0〜10の整数である。]で表される化合物、式(XI)
    Figure 2005128304
    (XI)
    [式中、R〜Rは各々独立して、-CH(R9)-CH(R10)-(式中、R及びR10は各々独立して、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。)又は-(CH2)4-を表し、r、s及びtは各々独立して、0〜10の整数である。]で表される化合物、式(XII)
    Figure 2005128304
    (XII)
    [式中、R〜Rは各々独立して、-CH(R9)-CH(R10)-(式中、R及びR10は各々独立して、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。)又は-(CH2)4-を表し、r、s、t及びuは各々独立して、0〜10の整数である。]で表される化合物、及び式(XIII)
    Figure 2005128304
    (XIII)
    [式中、R〜Rは各々独立して、-CH(R9)-CH(R10)-(式中、R及びR10は各々独立して、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。)又は-(CH2)4-を表し、r、s、t、u、v及びwは各々独立して、0〜10の整数である。]で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物である請求項1記載の光ファイバー被覆用樹脂組成物。
  4. 前記アルコキシシリル化合物(C)が、式(XIV)
    Figure 2005128304
    (XIV)
    で表される化合物である請求項1記載の光ファイバー被覆用樹脂組成物。
  5. 前記アルコキシシリル化合物(C)が、式(XV)
    Figure 2005128304
    (XV)
    で表される化合物である請求項1記載の光ファイバー被覆用樹脂組成物。
  6. 前記アルコキシシリル化合物(C)が、式(XVI)
    Figure 2005128304
    (XVI)
    で表される化合物である請求項1記載の光ファイバー被覆用樹脂組成物。
  7. 請求項1、2、3、4、5又は6のいずれかに記載の樹脂組成物で被覆されたことを特徴とする光ファイバー素線。
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JP2013194055A (ja) * 2012-03-19 2013-09-30 Evonik Degussa Gmbh イソシアナトアルキル−トリアルコキシシラン及び脂肪族のアルキルで分岐したジオール又はポリオールからの付加物
JP2014205583A (ja) * 2013-04-10 2014-10-30 住友電気工業株式会社 光ファイバ素線およびその製造方法

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