JP2005127583A - 逆火防止ガストーチ - Google Patents

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Abstract

【課題】極めて簡単な構造により逆火を確実に防止することができ、火口を細く形成して、特に精密な貴金属部品の加工やロウ付けに好適な逆火防止ガストーチを提供するものである。
【解決手段】パイプ状に形成され、内側にガス流路を形成した把持部2に流量調整バルブ3を取付け、把持部2の先端側に流量調整バルブ3とノズル4を介して火口5を設けると共に、後端側にガス供給ホース8を取付けたガストーチにおいて、前記把持部2の内側のガス流路9に、一端側を開口した多孔質のセラミック円筒体10を、その開口部12を火口5側に向けて挿着し、その背面側をコイルスプリング11で支持したものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、逆火を防止したガストーチに関するものである。
一般に金属の加熱や溶断にガストーチが使用されている。この燃料としては水素ガスや天然ガスが使用されている。ガストーチを使用して作業している場合、種々の原因でトーチ内で着火する逆火が発生することがある。逆火が発生するとガストーチが加熱されて溶接部が損傷したりガスを供給するホースが損傷する危険性がある。このため、従来は火口を囲むようにバネガイドや、カゴ状のガイドを火口の先端から突出するように取付けて、火口の先端が加熱された金属に接触しないように形成したものもある(例えば特許文献1)。
しかしながら、この構造では火口を囲むようにガイドが取付けられて火口の先端側が太くなっているので、精密な貴金属部品を加熱する場合には、微細な部分を局部的に加熱することが難しく、またガス圧の低下による逆火は防止できない問題があった。
特開2001−259829号公報
本発明は上記問題を改善し、極めて簡単な構造により逆火を確実に防止することができ、火口を細く形成して、特に精密な貴金属部品の加工に好適な逆火防止ガストーチを提供するものである。
本発明の請求項1記載の逆火防止ガストーチは、パイプ状に形成され、内側にガス流路を形成した把持部に流量調整バルブを取付け、把持部の先端側に火口を設けると共に、後端側にガス供給ホースを取付けたガストーチにおいて、前記把持部の内側のガス流路に、一端側を開口した多孔質のセラミック円筒体を、その開口部を火口側に向けて挿着したことを特徴とするものである。
本発明の請求項2記載の逆火防止ガストーチは、把持部の内側のガス流路に挿着したセラミック円筒体のガス供給ホース側にコイルスプリングを設けて、円筒体の背面側を弾性的に押圧して円筒体を把持部の内側に保持したことを特徴とするものである。
本発明の請求項3記載の逆火防止ガストーチは、把持部の先端側に流量調整バルブを介して火口を設けたことを特徴とするものである。
本発明に係る請求項1記載の逆火防止ガストーチによれば、把持部内の先端側には、開口部を火口側に向けて挿着した多孔質のセラミック円筒体が取付けられているので、逆火が発生した場合、逆流した炎は、セラミック円筒体の開口部から中空部内に入るが、多孔質のセラミック円筒体を通過することがなく、ここで遮蔽され、炎がガス供給ホースまで達せず焼損を防止することができる。
また請求項2記載の逆火防止ガストーチによれば、把持部の内側のガス流路に挿着したセラミック円筒体のガス供給ホース側にコイルスプリングを設けて、円筒体の背面側を弾性的に押圧して円筒体を把持部の内側に保持したので、衝撃により破損し易いセラミック円筒体を把持部内に支持して振動が加わっても、破損を防止することができる。
また請求項3記載の逆火防止ガストーチによれば、把持部の先端側に流量調整バルブを介して火口を設けたので、逆火防止ガストーチを片手に持ったまま、把持部の先端に取付けたバルブのつまみ部を指で回転させることにより燃焼状態を調整できるので、作業性に優れている。
逆火を確実に防止して、精密な貴金属部品の曲げ加工やロウ付けなどに好適な逆火防止ガストーチを実現した。
以下本発明の実施例を図1ないし図3を参照して詳細に説明する。図において1は逆火防止ガストーチを示すもので、これはパイプ状に形成された把持部2の先端に、流量調整バルブ3が取付けられ、更にこの先端に湾曲したノズル4を介して注射針状の火口5が着脱自在に取付けられている。前記把持部2の後端側にはホース取付部7が突設され、ここにガス供給ホース8が接続されている。
パイプ状に形成された前記把持部2は、この内側にガス流路9が形成され、ここに多孔質のセラミック円筒体10とコイルスプリング11が挿着されて、セラミック円筒体の背面側を弾性的に押圧して把持部2の内側に保持されている。また前記セラミック円筒体10は、その一端側が開口され、他端側が閉塞された中空部13が形成され、その開口部12をガスが噴出する火口5側に向けて把持部2の内側に挿着されている。また中空部13の内径は例えば5mm、長さが20mm程度に形成されている。
またセラミック円筒体10の外径はガス流路9の内径より僅かに小さく形成され、また把持部2の長さは、手に持ち易いように約8cm程度に形成されている。また把持部2の先端に取付けられた流量調整バルブ3は、そのつまみ部14が下向きになうように取付けられている。
上記構成の逆火防止ガストーチ1は、精密な貴金属部品を加熱して曲げ加工を行なう場合やロウ付けを行なう場合、ガス供給ホース8を、例えば水素と酸素の混合ガスを発生する電気分解装置に接続する。この電気分解装置は、水に少量の電解物質を添加した電解槽内に、複数の電極を挿入し、両端の電極に直流電流を供給して電解することにより酸素と水素の混合ガスを発生させるものである。
先ず図3に示すように手16に逆火防止ガストーチ1を持って、指で流量調整バルブ3のつまみ部14を回転させて開放すると、電気分解装置で発生した水素と酸素の混合ガスがガス供給ホース8から把持部2のガス流路9内に流入し、多孔質のセラミック円筒体10を通過して、流量調整バルブ3、ノズル4を通って火口5から噴出する。
この状態で火口5の先端に着火すると水素ガスが燃焼して炎15が吹き出す。この炎15を貴金属部品の加熱部分に当てると、注射針状の細い火口5から吹き出した炎15により局部的に加熱することができる。また把持部2は手16でつかみ易い長さに形成され、また火力を調整する場合は、逆火防止ガストーチ1を片手に持ったまま、把持部2の先端下方に取付けたつまみ部14を指で回転させることにより調整できるので、作業性に優れている。
電気分解装置で発生した水素と酸素の混合ガスのガス圧が低くなったような場合、炎15が火口5からノズル4、流量調整バルブ3を通って把持部2内に逆流する逆火が発生することがある。この場合、把持部2内の先端側には、開口部12を火口5側に向けて挿着した多孔質のセラミック円筒体10が取付けられているので、逆流した炎15は、開口部12から中空部13内に入るが、多孔質のセラミック円筒体10を通過することがなくここで遮断され、炎15がコイルスプリング11側に達することはなくガス供給ホース8の焼損を防止することができる。
この理由については不明であるが、炎15が逆流しても、温度の低い多孔質のセラミック円筒体10を通過する時に、ここで冷却されて炎15が消えるためコイルスプリング11側には達しないからであると考えられる。
また多孔質のセラミック円筒体10は衝撃により破損し易いが、コイルスプリング11により背面側から弾性的に押圧されて把持部2内に支持されているので、逆火防止ガストーチ1を手に持って振動が加わっても、破損を防止することができる。
なおノズル4は流量調整バルブ3に回転自在に取付けて、つまみ部14を上方に位置させて作業しても良い。また注射針状の火口5は内径の異なるものを多数用意しておき、火力に応じて炎15を調整するようにしても良い。
なお上記説明では貴金属部品の加工に多く使用されている、電気分解装置で発生した水素と酸素の混合ガスを燃焼させる逆火防止ガストーチ1の場合について説明したが、水素と酸素を別個に供給して燃焼温度を高めるようにしたガストーチや、アセチレンガスやプロパンガスと酸素を別個に供給して燃焼させるガストーチについても、同様にセラミック円筒体10を取付けることにより逆火を防止することができる。
本発明の実施例による逆火防止ガストーチの断面図である。 図1のセラミック円筒体挿着部分を拡大して示す断面図である。 逆火防止ガストーチの使用状態を示す斜視図である。
符号の説明
1 逆火防止ガストーチ
2 把持部
3 流量調整バルブ
4 ノズル
5 火口
7 ホース取付部
8 ガス供給ホース
9 ガス流路
10 セラミック円筒体
11 コイルスプリング
12 開口部
13 中空部
14 つまみ部
15 炎

Claims (3)

  1. パイプ状に形成され、内側にガス流路を形成した把持部に流量調整バルブを取付け、把持部の先端側に火口を設けると共に、後端側にガス供給ホースを取付けたガストーチにおいて、前記把持部の内側のガス流路に、一端側を開口した多孔質のセラミック円筒体を、その開口部を火口側に向けて挿着したことを特徴とする逆火防止ガストーチ。
  2. 把持部の内側のガス流路に挿着したセラミック円筒体のガス供給ホース側にコイルスプリングを設けて、円筒体の背面側を弾性的に押圧して円筒体を把持部の内側に保持したことを特徴とする請求項1記載の逆火防止ガストーチ。
  3. 把持部の先端側に流量調整バルブを介して火口を設けたことを特徴とする請求項1記載の逆火防止ガストーチ。
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