JP5812919B2 - バーナ - Google Patents

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Description

本発明はバーナに関し、限定されないが、特に、燃料電池用の水素製造装置のための加熱源として好適なバーナに関する。
燃料電池を運転する際の発電用ガスとして、都市ガスや天然ガスなどの供給体制が整っている炭化水素を原燃料とし、これを改質器によって水素リッチに改質した改質ガスが用いられる。改質器における改質反応は触媒による吸熱反応であるため、改質器を作動させるには、触媒を加熱してその温度を上げる必要があり、この加熱には、通常、バーナが用いられる。このバーナ用の燃料としては、都市ガスや天然ガス、燃料電池から排出される未反応の改質ガスであるオフガスや、改質器で生成される改質ガスが燃料ガスとして使用される。
改質器の運転開始時には、オフガスや改質ガスをバーナの燃料ガスとすることはできない。そこで、改質器の運転開始時には、原燃料として改質器に供給される都市ガスや天然ガスなどをバーナの燃料として用いて改質器の触媒を加熱する。触媒温度が上昇すると、改質器が立ち上がり、改質ガスまたはオフガスが生成されるので、その時点でバーナ燃料を、都市ガスまたは天然ガスから、生成された改質ガスまたはオフガスに連続的に切り換える。
しかし、都市ガスまたは天然ガスとオフガスまたは改質ガスとは、その体積比における発熱量が大きく異なるため、これらの燃料ガスを切り換えて燃焼させるバーナには大きな絞り比が要求され、また、オフガスや改質ガスには水素が多く含まれているため、燃焼速度が速く、逆火を起こし易いので、改質器用のバーナは逆火の恐れのないものでなければならない。これらの技術的課題に応えるべく、従来から種々の改質器用バーナが提案されており、例えば、特許文献1には、都市ガスまたは天然ガスとオフガスまたは改質ガスのいずれを燃料ガスとして用いた場合でも、安定した燃焼を実現でき、かつ逆火の恐れのない、構造が簡単な燃料電池の改質器用バーナが提案されている。
具体的に、前記改質器用バーナは、内部が燃料ガス流路であるバーナ内管と、前記内管を包囲しており内管外周面との間に燃焼用空気流路を形成するバーナ外管と、前記バーナ内管の先端から前記バーナ外管の内周面に向けて次第に拡開する周側面を持ち且つその周側面に複数個の燃焼用空気噴出孔を有するバーナコーンとを備えており、前記バーナ内管の後端である燃料ガス供給口に寄った位置には、前記バーナ外管内に供給される燃焼用空気の一部が流入する一次空気流入口が形成されている。
この改質器用バーナでは、燃料ガス供給口からバーナ内管内に供給される燃料ガスはバーナ内管内に供給される一次空気と混合することで予混合ガスとなり、バーナコーン内に噴出されて着火される。燃料として、都市ガスや天然ガスを使用しているのであれば、予混合ガスであることから良好な着火性が得られる。予混合ガスは、バーナコーンの壁面に設けられた複数の空気噴出口から供給され、周囲に渦流を発生させながら勢い良く噴出する二次空気とさらに混合する。それにより、燃焼性のよい空気比の混合ガスが形成され、燃焼炎はバーナコーン壁面に張り付いた良好な燃焼炎となる。また、バーナを設計する際、その一次空気の量を調節することによって、バーナ内管内で形成される燃料ガスと空気との予混合ガスを、その空気比を逆火の恐れがない範囲とするか、好ましくは、水素リッチなオフガスにおいても燃焼範囲から外れたものとしてバーナコーン内に供給することができるので、燃料ガスが、都市ガスまたは天然ガスの場合でも、水素リッチなオフガスまたは改質ガスの場合でも、ともに安定した燃焼を実現できるメリットがある。そのために、燃料電池用の水素製造装置のための加熱源として好適なバーナとなっている。
特開2010−32084号公報
前記した特許文献1に記載のバーナは、予混合燃焼方式を採用しており、都市ガスや天然ガスにおいては、良好な着火性が得られる。また、バーナコーン壁面から二次空気を噴出させることで、燃焼性のよい空気比の混合ガスが形成される。
しかしながら、前記した特許文献1に記載のバーナは、バーナ内管内で予混合ガスが形成される形式であることから、オフガス燃焼時等においてバーナ内管内で逆火が生じるのを防止するために、予混合ガスの空気比を狭い燃焼領域に制御する必要があり、ポンプなどの補器類には精度の高いものが求められる。また、ポンプ故障などが発生しても、逆火する空気比の領域にならないように安全に停止する安全機構も必要とされている。構造的にも、より完全に予混合したガスを得るためにバーナ内管を長くする必要があり、バーナ全体が長くなってしまうといった課題があった。
また、バーナ内管を流れる予混合ガスやバーナコーン壁面から噴出される二次空気には、圧力変動や流量変動が含まれることが本発明者等によって確認されており、特に、オフガス(10L/min)に対して相対的にガス流量の小さい都市ガス(0.7L/min)を用いた場合には、燃料ガスの圧力変動や流量変動が相対的に大きくなり、燃焼室内で形成される火炎が不安定となる(「振動燃焼」という。)ことが確認されている。
前記した特許文献1に記載のバーナにおいても、予混合ガスや二次空気の圧力変動や流量変動等に起因してバーナコーン内で形成される混合ガスの圧力や流量が変動し、混合ガスの燃焼時に形成される火炎が不安定となる可能性があった。特に、前記した特許文献1に記載のバーナにおいては、バーナ内管を流れる予混合ガスを空気孔等を介することなく直接バーナコーンに流入させる方式であることから、バーナ内管の予混合ガスの圧力変動や流量変動等がバーナコーン内の混合ガスの圧力や流量に直接影響し、燃焼時に形成される火炎がより一層不安定となる可能性がある。さらに、上記するような予混合ガスや二次空気の圧力変動や流量変動等は、バーナの着火性能にも大きく影響することから、予混合ガスや二次空気の圧力変動や流量変動が大きい場合には安定して着火させることが困難になる可能性もある。
このような問題に対して、バーナ内管の予混合ガスの圧力変動や流量変動等を抑制するために、バーナの燃料供給管に絞り弁を配置して燃料ガスの導入路に差圧を形成することも考えられるものの、絞り弁を設けたバーナでは、例えば相対的にガス流量の大きいオフガス(10L/min)を燃焼させる際に燃料ブロアの供給圧が大きくなってしまうと共に、部品点数の増加等といった更なる課題も生じ得る。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、燃料ガスとして、都市ガスまたは天然ガスと、燃焼速度の速い水素リッチなオフガスまたは改質ガスのそれぞれの燃料ガスを使用して燃焼できる形態のバーナにおいて、精度の高い補器類を必要とせずに運転中に逆火が発生するのを確実に抑制することができ、全体形状も小型化することができ、簡単な構成でもって良好な着火性と安定した燃焼火炎を得ることのできる、より改良されたバーナを提供することを課題とする。
上記の課題を解決すべく、本発明者等は多くの実験と研究を反復して行うことにより、内部が燃料ガス流路であるバーナ内管と、その内管を包囲しており内管外周面との間に燃焼用空気流路を形成するバーナ外管と、前記バーナ内管の先端から前記バーナ外管の内周面に向けて拡開するバーナコーンと、前記バーナ内管の内側に配置され且つその一部が電極として機能する先端部を有する着火プラグとを少なくとも備えたバーナにおいて、バーナ内管内で予混合ガスを形成しなくても、着火プラグの位置とバーナコーン等に形成される燃焼用空気の取り入れ口の位置等を適切に配置することで、すなわち、完全先混合構造のバーナとしても、燃料ガスが、都市ガスまたは天然ガス、または、燃焼速度の早い水素リッチなオフガスまたは改質ガスのいずれであっても、良好な着火性と安定した燃焼火炎が得られることを知見した。本発明は、本発明者らが得た上記の知見に基づいている。
すなわち、本発明は、内部が燃料ガス流路であるバーナ内管と、前記内管を包囲しており内管外周面との間に燃焼用空気流路を形成するバーナ外管と、前記バーナ内管の先端から前記バーナ外管の内周面に向けて拡開する周側面を持ちかつその周側面に複数個の燃焼用空気噴出孔を有するバーナコーンと、前記バーナ内管の内側に配置され且つその一部が電極として機能する先端部を有する着火プラグとを少なくとも備えたバーナにおいて、前記バーナコーンのうち前記燃焼用空気噴出孔よりも前記バーナ内管側、もしくは、前記バーナコーンの前記バーナ内管の先端との接続部には第1の空気孔が形成されており、前記着火プラグの先端と側面とで形成される肩部が、前記第1の空気孔の貫通方向もしくは前記第1の空気孔の貫通方向よりも上流側に配置されていることを特徴とする。
ここで、第1の空気孔の貫通方向とは、例えば第1の空気孔を構成する貫通孔をバーナコーンに対して穿孔して形成する際の、バーナコーンの壁面に対する第1の空気孔の穿孔方向であって、第1の空気孔の孔中心を通る軸線の方向をいう。また、上流側とは、燃料ガスの供給元側をいう。
本発明者等の実験では、上記する形態のバーナでは、バーナ内管の燃料ガス供給口に寄った位置に燃焼用空気の一部が流入する一次空気流入口を設けなくても、バーナコーンのうち燃焼用空気噴出孔よりもバーナ内管側、もしくは、バーナコーンのバーナ内管の先端との接続部に形成した第1の空気孔から、着火プラグの先端と側面とで形成される着火プラグの肩部もしくは着火プラグの肩部よりも下流側へ向かって燃焼用空気が供給されることによって、バーナ内管を流れた燃料ガスが、着火プラグの肩部もしくは着火プラグの肩部よりも下流側へ向かって誘導されながら第1の空気孔から噴出された空気と混合され、燃料ガスと空気とが混合して生成された混合気体の軸線方向における流速が、着火プラグに近接するに従って低減し、着火プラグの先端近傍で混合ガスが逆流して渦流が発生した。これにより、燃料ガスと空気とが混合して生成された混合気体は着火プラグの先端近傍で滞留し、着火プラグの先端に混合ガスが定着し易くなり、燃料ガスの流速が速い場合や燃料ガスや燃焼用空気の圧力変動や流量変動が大きい場合であっても、広範囲の空気比において着火プラグの先端で良好な着火性を得ることができた。
また、着火プラグにおける着火が安定することによって、バーナコーンの周側面に形成された複数個の燃焼用空気噴出孔から噴出される空気と燃料ガスとを混合した混合ガスを燃焼室内で安定して燃焼させることができた。
本発明によるバーナでは、燃料ガスと一次空気とを予混合することを要しないため、バーナ内管は予混合に必要な距離を必要とせず、結果として、バーナ内管を短くすることができる。それにより、バーナ全体の長さを短くすることができ、バーナの小型化が可能となる。さらに、予混合をせずに完全先混合での燃焼であることから、バーナ内管へ逆火することはなく、それにより、バーナの運転に必要な補器類に特に精度の高いものを必要とせず、バーナの低コスト化および運転制御の容易化が可能となる。
ここで、本発明によるバーナでは、前記第1の空気孔と前記燃焼用空気噴出孔のうち最も前記バーナ内管側に配置された空気噴出孔とは、前記バーナ内管の軸線方向で前記第1の空気孔の孔径の6倍以上離間して配置されていることが好ましい。
バーナコーンの周側面に形成された燃焼用空気噴出孔のうち最もバーナ内管側に配置された空気噴出孔が第1の空気孔と近接して配置された場合、具体的には燃焼用空気噴出孔のうち最もバーナ内管側に配置された空気噴出孔と第1の空気孔とが、バーナ内管の軸線方向で第1の空気孔の孔径の6倍よりも近接して配置されている場合には、バーナ内管を流れた燃料ガスと第1の空気孔から供給された空気とで形成された混合ガスの着火プラグ近傍の渦流に起因して、着火プラグの先端の下流側で形成される混合ガスの圧力や流量等が大きく変動し、混合ガスの燃焼安定性が低下することが観察された。一方で、上記する形態のバーナでは、燃焼用空気噴出孔のうち最もバーナ内管側に配置された空気噴出孔と第1の空気孔とがバーナ内管の軸線方向で第1の空気孔の孔径の6倍以上離間して配置されることによって、着火プラグの先端の下流側の混合ガスの圧力変動や流量変動等が相対的に小さくなり、混合ガスを安定して燃焼させることができることが観察された。
また、本発明によるバーナでは、前記第1の空気孔から噴出された空気と前記バーナ内管から噴出された燃料ガスとが混合されて生成された混合ガスの流速は、20cm/s以上かつ40cm/s以下であることが好ましい。
着火プラグ近傍での燃焼に使用される混合ガスの流速が相対的に速い、具体的には第1の空気孔から噴出された空気とバーナ内管から噴出された燃料ガスとが混合されて生成された混合ガスの流速が40cm/sよりも速い場合には、着火プラグに対する混合ガスの定着性が低下して燃焼火炎が不安定になる可能性があり、混合ガスの流速が相対的に遅い、具体的には混合ガスの流速が20cm/sよりも遅い場合には、燃焼用空気と燃料ガスとの混合が不十分となり、混合ガスの均質性が低下して着火プラグにおける着火性や燃焼室内での混合ガスの燃焼安定性が低下することが観察された。一方で、上記する形態のバーナでは、燃焼用空気と燃料ガスとが適切に混合されることから、着火プラグにおける着火性や混合ガスの燃焼安定性が向上することが観察された。
また、前記第1の空気孔における空気の流速を、前記バーナ内管から噴出される燃料ガスの流速の30倍以上とし、燃焼用空気と燃料ガスとの流速の差を相対的に大きくすることによって、燃焼用空気と燃料ガスとがより適切に混合されることが観察された。
また、前記燃焼用空気噴出孔の開口面積の総和を、前記第1の空気孔の開口面積の総和の2倍以上かつ6倍以下とすることによって、幅広い空気比において着火性を高められることが確認された。
また、本発明によるバーナでは、前記バーナコーンの前記周側面に形成した複数個の燃焼用空気噴出孔は、前記周側面の拡開方向に間隔をおいて多段に形成されていることが好ましい。
上記する形態のバーナでは、着火プラグでの混合ガスの着火時に炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)等の未燃成分が発生した場合であっても、各段における空気噴出孔から噴出される燃焼用空気を用いて前記未燃成分を多段的に燃焼することができ、未燃成分のリークを抑制してバーナの燃焼性を効果的に高めることができる。
また、本発明によるバーナでは、前記バーナコーンの周側面は、前記バーナ内管の先端から前記バーナ外管の内周面に向けて連続的もしくは段階的に拡開することが好ましい。バーナコーンの周側面がバーナ内管の先端からバーナ外管の内周面に向けて連続的に拡開する形態としては、バーナコーンの形状は、例えば円錐形、角錐形、すり鉢形等の任意の形状が挙げられ、バーナコーンの周側面がバーナ内管の先端からバーナ外管の内周面に向けて段階的に拡開する形態としては、バーナコーンの形状は、外径が次第に大きくなる円筒を複数接続した形状や円錐形、角錐形、すり鉢形等と円筒形を組み合わせた形状などが挙げられる。
本発明によるバーナは任意の場所で使用することができるが、前記したように、燃料ガスとして、都市ガスまたは天然ガスと、燃焼速度の早い水素リッチなオフガスまたは改質ガスの双方が選択的に用いられるような場所での使用、例えば、燃料電池用の水素製造装置のための加熱源としての使用、あるいは、メンブレン型の水素製造装置のための加熱源としての使用が、特に好適である。
本発明によれば、例えば、燃料ガスとして、都市ガスまたは天然ガスと、燃焼速度の早い水素リッチなオフガスまたは改質ガスの双方を、選択的に用いる形態のバーナにおいて、精度の高い補器類を必要とせずに運転中に逆火が発生するのを確実に抑制することができ、全体形状も小型化することができる。また、簡単な構成でもって良好な着火性と安定した燃焼火炎を得ることができる。そのため、バーナの低コスト化や運転制御の容易化、着火性や燃焼性の向上による未燃成分の抑制も可能となる。
本発明によるバーナの第1の実施の形態を示す断面図。 本発明の第1の実施の形態によるバーナでのバーナコーンとその近傍を拡大して示す一部拡大図であって、(a)は断面図、(b)はバーナの先端側から見た側面図。 本発明の第1の実施の形態によるバーナでの着火プラグの先端近傍の気体の流れを拡大して示す一部拡大図。 本発明の第2の実施の形態によるバーナでのバーナコーンとその近傍を拡大して示す一部拡大図であって、(a)は断面図、(b)はバーナの先端側から見た側面図。 実施例1、2と比較例1〜3の試験用バーナの第1の空気孔と燃焼用空気噴出孔の孔径と配置の定義を示す図。 実施例3、4の試験用バーナの第1の空気孔と燃焼用空気噴出孔の孔径と配置の定義を示す図。
以下、図面を参照しながら本発明を説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明によるバーナ1の第1の実施の形態を示す断面図である。図示例において、11はバーナ内管であり、その基端側には燃料ガス供給口12が設けられ、バーナ内管11の先端側端部は開口している。13はバーナ内管11の外側にバーナ内管11の中心軸線Lと同軸に配置されたバーナ外管であり、14はバーナ外管13に設けられた空気供給口である。燃料ガス供給口12と空気供給口14には、図示しないバーナ燃焼制御装置を介して、燃料ガスGと空気Aとが、それぞれの流量をコントロールされた状態で供給される。
バーナ内管11の先端にはバーナコーン15が取り付けられる。バーナコーン15はバーナ内管11と同じ中心軸線Lを持ち、バーナ内管11の先端との接続部16と、該接続部16の先端から前記バーナ外管13の内周面に向けて次第に拡開する円錐形の周側面17と、該周側面17の先端部の垂直面18とからなり、該垂直面18はバーナ外管13の内周面に接続している。そして、円錐形の周側面17には複数の燃焼用空気噴出孔20が形成されている。
21は絶縁用セラミックで被覆された着火プラグ23とバーナ内管11の中心軸線Lと同軸に配置された電極(フレームロッド(火炎検知)を兼用)とからなるものであり、21は、バーナ内管11の内側であってバーナ内管11の中心軸線Lと同軸に配置され、バーナコーン15内側の燃焼室内に電極の一部である先端部24を突出させている。ここで、着火プラグ23には、その先端22と側面27とで肩部26が形成されており、この着火プラグ23の肩部26近傍の先端22で火花が形成されることでバーナ1が着火される。
本実施の形態1によるバーナ1は、前記バーナコーン15のうち前記複数の燃焼用空気噴出孔20の上流側、すなわち燃焼用空気噴出孔20よりもバーナ内管11側に空気孔がさらに形成される点に特徴を有する。以下、その特徴点について説明する。
図2は、本発明によるバーナ1の第1の実施の形態でのバーナコーン15とその近傍を拡大して示しており、図2(a)は断面図であり、図2(b)はバーナの先端側から見た側面図である。
第1の実施の形態のバーナ1は、バーナコーン15のうち燃焼用空気噴出孔20よりもバーナ内管11側に、その貫通方向(図中、軸線T方向)が着火プラグ23の肩部26へ向いた第1の空気孔25が形成されている。すなわち、第1の空気孔25は、燃焼用空気噴出孔20よりもバーナ内管11側のバーナコーン15の壁面を穿孔して形成されており、その形成時の穿孔方向が着火プラグ23の先端22の周りの肩部26へ向いており、第1の空気孔25の孔中心を通って前記穿孔方向に平行な当該第1の空気孔25の軸線Tが着火プラグ23の肩部26近傍と交叉するように設計されている。この第1の空気孔25の数に特に制限はないが、図示例では、バーナコーン15の周方向に等しい間隔をおいて8個の第1の空気孔25が形成されている。
バーナコーン15の周側面17に形成する燃焼用空気噴出孔20にも特に制限はないが、図示例では、前記バーナ内管11側に近い位置に形成された第1段目の燃焼用空気噴出孔20aと、そこから先端側に離れた位置(燃焼室の下流側)に形成された第2段目の燃焼用空気噴出孔20bと、そこからさらに先端側に離れた位置(燃焼室の下流側)に形成された第3段目の燃焼用空気噴出孔20cとで構成されている。第1段目の燃焼用空気噴出孔20aと第2段目の燃焼用空気噴出孔20bと第3段目の燃焼用空気噴出孔20cは、ともに周方向に好ましくは等しい間隔をおいて形成された8個の空気噴出孔からなり、図2(b)で示すように、空気噴出孔20aと空気噴出孔20b、空気噴出孔20bと空気噴出孔20cはそれぞれ周方向で45度位相をずらして形成されている。すなわち、第1〜第3段目の燃焼用空気噴出孔20a、20b、20cはそれぞれ、バーナ1の先端に向かって千鳥配置されている。
なお、第1の空気孔25と空気噴出孔20bはバーナの先端側から見て周方向で同じ位置に形成されている。
上記構成を備えた第1の実施の形態のバーナ1では、着火プラグ23の先端22と側面27とで形成される肩部26が、バーナコーン15のうち前記複数の燃焼用空気噴出孔20の上流側に形成された第1の空気孔25の貫通方向Tに配置されている。すなわち、第1の空気孔25がその貫通方向(図中、軸線T方向)を着火プラグ23の先端22の周りの肩部26へ向けて形成されており、図3で示すように、第1の空気孔25から噴出される燃焼用空気Aは、バーナ1の着火のための着火プラグ23の肩部26へ向けて供給される。ここで、一般にバーナ内管11から噴出された燃料ガスGの流速は第1の空気孔25から噴出される燃焼用空気Aよりも相対的に小さいため、バーナ内管11から噴出された燃料ガスGの大部分は、前記第1の空気孔25から噴出される空気Aによって着火プラグ23の肩部26へ向かって誘導されながらその燃焼用空気Aと混合され、燃料ガスGと空気Aとが混合して生成された混合気体は、着火プラグ23に近接するに従ってバーナ内管11の軸線L方向における流速が低減し、着火プラグ23の肩部26近傍、より具体的には着火プラグ23の肩部26の下流側で逆流して渦流wが発生する。これにより、バーナ1の着火領域である着火プラグ23の先端22近傍では淀み点が発生し、たとえば燃料ガスGの流速が速い場合や燃料ガスGや燃焼用空気Aの圧力変動や流量変動が大きい場合であっても着火プラグ23の先端22に種火が定着し易くなり、着火プラグ23の先端22に安定して燃焼火炎を形成することができるため、良好な着火性を得ることができる。なお、第1の空気孔25の軸線Tが着火プラグ23の先端22の周りの肩部26へ向けて形成されていたとしても、第1の空気孔25から噴出される燃焼用空気Aは、バーナ内管11から噴出された燃料ガスGによって下流側へ湾曲され、燃料ガスGと空気Aとが混合して生成された混合気体は、着火プラグ23の肩部26の下流側へ誘導されると考えられるものの、上記するようにバーナ内管11から噴出された燃料ガスGの流速は第1の空気孔25から噴出される燃焼用空気Aよりも相対的に小さいため、燃料ガスGと空気Aとが混合して生成された混合気体の大部分は着火プラグ23の肩部26の近傍に流れていき、着火プラグ23での着火や燃焼に使用される。
また、着火プラグ23の先端22と側面27とで形成される肩部26が、バーナコーン15のうち前記複数の燃焼用空気噴出孔20の上流側に形成された第1の空気孔25の貫通方向Tよりも上流側に配置され、第1の空気孔25の軸線Tが、着火プラグ23の肩部26よりもバーナ1の先端側、すなわち着火プラグ23の肩部26よりも下流側に向けて形成されていたとしても、例えばその着火プラグ23の先端22の近傍に向けて形成されていてバーナ1が着火可能であれば、上記するようにバーナ内管11から噴出された燃料ガスGの流速は第1の空気孔25から噴出される燃焼用空気Aよりも相対的に小さいため、燃料ガスGと空気Aとが混合して生成された混合気体の大部分は着火プラグ23の肩部26の下流側近傍に流れていき、着火プラグ23での着火や燃焼に使用されると考えられる。
なお、上記構成を備えた第1の実施の形態のバーナ1では、空気Aと燃料ガスGとが混合された領域、すなわち図示例において第1の空気孔25の軸線Tよりも下流側の領域を燃焼室といい、着火プラグ23の先端22は前記燃焼室の界面もしくは前記燃焼室の上流側に配置されることとなる。
また、第1段目の燃焼用空気噴出孔20aと第2段目の燃焼用空気噴出孔20b、3段目の燃焼用空気噴出孔20cから供給される空気によって、着火プラグ23での着火時に炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)等の未燃成分が発生した場合であっても、各段における空気噴出孔から噴出される燃焼用空気を用いて前記未燃成分を多段的に燃焼することができるため、良好な燃焼性を維持することができる。
[第2の実施の形態]
図4は、本発明によるバーナの第2の実施の形態でのバーナコーン15Aとその近傍を拡大して示しており、図4(a)は断面図、図4(b)はバーナの先端側から見た側面図である。第2の実施の形態のバーナ1Aは、図1〜図3で示す第1の実施の形態のバーナ1に対してバーナコーンの形状や第1の空気孔の配置等が相違しており、その他の構成は、第1の実施の形態のバーナ1とほぼ同様である。したがって、第1の実施の形態のバーナ1と同様の構成については同様の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
第2の実施の形態のバーナ1Aでは、バーナ内管11Aの先端に取付けられたバーナコーン15Aは、バーナ内管11Aと同じ中心軸線LAを持ち、バーナ内管11の先端との接続部16Aと、該接続部16Aの先端からバーナ外管13Aの内周面に向けて次第に拡開する円錐形の周側面17Aと、該周側面17Aの先端からバーナ外管13Aの先端に向けて軸線LA方向へ延びる円筒形の周側面19Aと、該周側面19Aの先端部の垂直面18Aとからなり、該垂直面18Aはバーナ外管13Aの内周面に接続している。そして、円筒形の周側面19Aには複数の燃焼用空気噴出孔20Aが形成されている。
第2の実施の形態のバーナ1Aは、バーナコーン15Aのバーナ内管11Aの先端との接続部16Aに、その貫通方向(図中、軸線TA方向)が着火プラグ23Aの肩部26Aへ向いた第1の空気孔25Aが形成されている。すなわち、第1の空気孔25Aは、バーナコーン15Aのバーナ内管11Aの先端との接続部16Aの壁面を穿孔して形成されており、その形成時の穿孔方向が着火プラグ23Aの先端22Aの周りの肩部26Aへ向いており、第1の空気孔25Aの孔中心を通って前記穿孔方向に平行な当該第1の空気孔25Aの軸線TAが着火プラグ23Aの肩部26Aと交叉するように設計されている。この第1の空気孔25Aの数に特に制限はないが、図示例では、前記した第1の実施の形態のバーナ1と同様に、バーナコーン15Aの周方向に等しい間隔をおいて8個の第1の空気孔25Aが形成されている。
なお、第1の空気孔25Aが形成されるバーナコーン15Aのバーナ内管11Aの先端との前記接続部16Aは、バーナ外管13Aの内周面に向けて次第に拡開するバーナコーン15Aの周側面17Aとバーナ内管11Aの先端との接点部分の他、前記接点部分からバーナ内管11A側へ所定の長さを有する場合を含んでおり、前記所定の長さは、バーナコーン15Aとバーナ内管11Aとを接続可能であってバーナ1を着火し得る範囲で適宜設定することができる。
また、この第2の実施の形態のバーナ1Aにおいても、バーナコーン15Aの円筒形の周側面19Aに形成する燃焼用空気噴出孔20Aの数や位置に特に制限はないが、図示例では、前記した第1の実施の形態のバーナ1と同様に、第1段目の燃焼用空気噴出孔20aAと第2段目の燃焼用空気噴出孔20bAと第3段目の燃焼用空気噴出孔20cAが、それぞれ周方向に45度位相をずらして8個ずつ形成されている。なお、燃焼用空気噴出孔20Aの一部または全部を、円筒形の周側面19Aに代えて円錐形の周側面17Aに形成することもできる。
なお、前記した第1の実施の形態のバーナ1と同様に、第1の空気孔25Aと空気噴出孔20bAはバーナの先端側から見て周方向で同じ位置に形成されている。
上記構成を備えた第2の実施の形態のバーナ1Aでは、着火プラグ23Aの先端22Aと側面27Aとで形成される肩部26Aが、バーナコーン15Aのバーナ内管11Aの先端との前記接続部16Aに形成された第1の空気孔25Aの貫通方向TAに配置されている。すなわち、第1の空気孔25Aがその貫通方向(図中、TA方向)を着火プラグ23Aの先端22Aの周りの肩部26Aへ向けて形成されており、第1の空気孔25Aから噴出される燃焼用空気Aは、バーナ内管11Aから噴出される燃料ガスGの流れに直交する方向であってバーナ1Aの着火のための着火プラグ23Aの肩部26Aへ向けて供給される。これにより、バーナ内管11Aから噴出された燃料ガスGは、第1の空気孔25Aから噴出される燃焼用空気と衝接し、バーナ内管11Aから噴出された燃料ガスGの大部分が前記第1の空気孔25Aから噴出される空気Aによって着火プラグ23Aの肩部26Aへ誘導されながらその空気Aと混合される。そして、燃料ガスGと空気Aとが混合して生成された混合気体は、着火プラグ23Aの肩部26A近傍、具体的には着火プラグ23Aの肩部26Aの下流側で逆流して渦流が発生する。これにより、バーナ1Aの着火領域である着火プラグ23Aの先端22Aの下流側近傍では淀み点が発生し、たとえば燃料ガスGの流速が速い場合や燃料ガスGや燃焼用空気Aの圧力変動や流量変動が大きい場合であっても着火プラグ23Aの先端22Aに種火が定着し易くなり、着火プラグ23Aの先端22Aに安定して燃焼火炎を形成することができるため、良好な着火性を得ることができる。
なお、上記構成を備えた第2の実施の形態のバーナ1Aでは、前記した第1の実施の形態のバーナ1と同様に、空気Aと燃料ガスGとが混合された領域、すなわち図示例において第1の空気孔25Aの軸線TAよりも下流側の領域を燃焼室といい、着火プラグ23Aの先端22Aは前記燃焼室の界面もしくは前記燃焼室の上流側に配置されることとなる。
また、バーナコーン15Aの周側面19Aに形成した第1段目の燃焼用空気噴出孔20aAと第2段目の燃焼用空気噴出孔20bA、3段目の燃焼用空気噴出孔20cAから供給される空気によって、着火プラグ23Aでの着火時に未燃成分が発生した場合であっても各段における空気噴出孔から噴出される燃焼用空気を用いて前記未燃成分を多段的に燃焼することができるため、良好な燃焼性を維持することができる。
上記する各実施の形態のバーナは、燃料ガス流路内に逆火が生じるのをほぼ完全に抑制することができ、バーナの燃料として、都市ガスや天然ガスなどの供給体制が整っている燃料と、燃料電池から排出される未反応の改質ガスであるオフガスや改質器で生成される改質ガスとが選択的に用いられる燃料電池用の水素製造装置用のバーナとして特に有効であるが、使用用途はこれに限らず、多くの分野で有効に用いることができる。一例として、メンブレン型純水素製造装置の加熱源としての使用が挙げられる。
[試験用バーナによる都市ガス燃焼時の着火性とオフガス燃焼時の燃焼性に関する実験とその結果]
本発明者等は、上記する実施の形態1、2のバーナを基本構成とし、第1の空気孔と燃焼用空気噴出孔の孔径や配置を変更した7種類の試験用バーナ(実施例1〜4、比較例1〜3)を作製し、各バーナについて都市ガス(13A)を燃料ガスとして燃焼させた際の着火性とオフガスを燃料ガスとして燃焼させた際の燃焼性を検証した。
[実施例1〜4と比較例1〜3]
実施例1、2および比較例1〜3は、図1〜図3で示す実施の形態1のバーナ1を基本構成とし、実施例3、4は、図4で示す実施の形態2のバーナ1Aを基本構成とし、以下の表1で示すように、第1の空気孔と燃焼用空気噴出孔を設定して各試験用バーナを作製した。図5は、実施例1、2と比較例1〜3の試験用バーナの第1の空気孔と燃焼用空気噴出孔の孔径と配置の定義を示したものであり、図6は、実施例3、4の試験用バーナの第1の空気孔と燃焼用空気噴出孔の孔径と配置の定義を示したものであり、図5、6および表1中、aは第1の空気孔の孔径、r1は第1の空気孔とバーナ内管の軸線との距離、r2はバーナコーンの1段目の燃焼用空気噴出孔とバーナ内管の軸線との距離、r3はバーナコーンの3段目の燃焼用空気噴出孔とバーナ内管の軸線との距離、L1は第1の空気孔と1段目の燃焼用空気噴出孔とのバーナ内管の軸線方向の距離をそれぞれ表している。なお、実施例1〜4と比較例1〜3の各試験用バーナの着火プラグの外径はφ8.5mmであった。
Figure 0005812919
[試験用バーナの第1の空気孔と燃焼用空気噴出孔の孔径と配置と着火性と燃焼性との関係に関する考察]
表2は、実施例1〜4と比較例1〜3の各試験用バーナの第1の空気孔と燃焼用空気噴出孔の設定と都市ガス(13A)とオフガスを用いた燃焼実験による着火性と燃焼性の結果を示したものである。また、表3は、実施例1〜3と比較例1、3の各試験用バーナの都市ガスを用いた燃焼実験の際の、バーナ内管から噴出される都市ガス(燃料ガス)と第1の空気孔から噴出される空気の流速、着火プラグ下流における混合ガスの流速の測定結果を示したものである。なお、実施例3の試験用バーナについては、都市ガスの流速が異なる2つの場合について燃焼実験を実施した。
ここで、表2中、燃焼性の判定は、従来のバーナと比較して振動燃焼が抑制されたか否かを判定基準とし、十分に抑制された場合を○、僅かながら抑制された場合を△、抑制されなかった場合を×で表記した。また、表3中、着火プラグ下流における混合ガスの流速(バーナ内管の軸線方向)は、着火プラグよりも僅かながら下流における気体の総流量を測定し、測定された総流量をその測定点におけるバーナコーンの断面積で除して算出した。
Figure 0005812919
Figure 0005812919
表2で示すように、実施例1、2の試験用バーナでは、都市ガス(13A)を燃料ガスとして燃焼させた際の着火性とオフガスを燃料ガスとして燃焼させた際の燃焼性の双方が良好であった。また、実施例3、4の試験用バーナでは、着火性が僅かながら低下するものの、燃焼性は良好であった。一方、比較例1、2の試験用バーナでは、従来のバーナと比較して燃焼性が僅かながら向上したものの、着火性は好ましくなかった。また、比較例3の試験用バーナでは、着火性と燃焼性の双方が好ましくないことが確認された。
この実験結果より、第1の空気孔と1段目の燃焼用空気噴出孔とが、バーナ内管の軸線方向で第1の空気孔の孔径の6倍以上離間して配置されることで、相対的に流量の小さいオフガスを燃料ガスとして燃焼させた際の振動燃焼が抑制され、バーナの燃焼性が向上することが実証された。
なお、表3で示すように、実施例3の試験用バーナにおいても、都市ガス(燃料ガス)の流量を調整することによって、バーナの着火性を向上させられることが確認された。
また、着火プラグ近傍での燃焼に使用される混合ガスの流速が相対的に速い場合には、着火プラグの先端に対する混合ガスの定着性が低下し、着火プラグの先端近傍での燃焼に使用される混合ガスの流速が相対的に遅い場合には、燃焼用空気と燃料ガスとの混合が不十分となって混合ガスの均質性が低下すると考えられる。
よって、表3で示すように、第1の空気孔から噴出された空気と都市ガス(燃料ガス)とが混合されて生成された着火プラグの僅かながら下流における混合ガスの流速が20cm/s以上かつ40cm/s以下であることで、着火プラグの先端に種火が定着し易くなり、バーナの着火性が向上することが実証された。その際、第1の空気孔における空気の流速が都市ガスの流速の30倍以上であることで、空気と都市ガスとが良好に混合されることが本実験で確認されている。
[試験用バーナの燃焼室で形成される混合ガスの空気比と着火性との関係に関する考察]
本発明者等は、良好な着火性と燃焼性を備えた実施例1の試験用バーナについて、空気比の異なる混合ガスを燃焼させた際の着火性を検証した。その際、実施例1の試験用バーナの第1の空気と燃焼用空気噴出孔の孔径を調整することによって混合ガスの空気比を調整して燃焼実験を行った。なお、空気比とは、都市ガスを完全燃焼するために必要な空気量に対する空気量の比率を表したものである。
表4は、実施例1の試験用バーナの第1の空気孔と燃焼用空気噴出孔の孔径とλ=1.5〜2とλ=3以上の空気比を有する混合ガスを燃焼させた際の着火性の結果を示したものである。なお、表4中、開口面積比は、第1の空気孔の開口面積の総和に対する1〜3段目の全ての燃焼用空気噴出孔の開口面積の総和の比率を表している。
Figure 0005812919
表4で示すように、実施例1の試験用バーナでは、1〜3段目の全ての燃焼用空気噴出孔の開口面積の総和が、第1の空気孔の開口面積の総和の2〜6倍である場合には、幅広い空気比において着火性を高めることができることが確認された。特に、1〜3段目の全ての燃焼用空気噴出孔の開口面積の総和が、第1の空気孔の開口面積の総和の3.0〜4.3倍である場合には、幅広い空気比において良好な着火性を得ることができることが確認された。
1、1A…バーナ、
11…バーナ内管、
12…燃料ガス供給口、
13…バーナ内管の外側に配置されたバーナ外管、
14…空気供給口、
15…バーナコーン、
16…バーナコーンの接続部、
17…バーナコーンの円錐形の周側面、
18…バーナコーンの周側面先端部の垂直面、
20…バーナコーンの周側面に形成した燃焼用空気噴出孔、
20a…バーナコーンの周側面に形成した1段目の燃焼用空気噴出孔、
20b…バーナコーンの周側面に形成した2段目の燃焼用空気噴出孔、
20c…バーナコーンの周側面に形成した3段目の燃焼用空気噴出孔、
21…着火プラグと電極、
22…着火プラグの先端、
23…着火プラグ、
24…電極の先端部、
25…第1の空気孔、
26…着火プラグの肩部、
27…着火プラグの側面、
A…燃焼用空気、
G…燃料ガス、
L…バーナの軸線、
T…第1の空気孔の貫通方向の軸線

Claims (9)

  1. 先端が開口しており内部が燃料ガス流路であるバーナ内管と、前記バーナ内管を包囲しており内管外周面との間に燃焼用空気流路を形成するバーナ外管と、前記バーナ内管の先端から前記バーナ外管の内周面に向けて拡開する周側面を持ち且つその周側面に複数個の燃焼用空気噴出孔を有するバーナコーンと、前記バーナ内管の内側に配置され且つその一部が電極として機能する先端部を有する着火プラグとを少なくとも備えたバーナにおいて、
    前記バーナコーンのうち前記燃焼用空気噴出孔よりも前記バーナ内管側、もしくは、前記バーナコーンの前記バーナ内管の先端との接続部には第1の空気孔が形成されており、前記着火プラグの先端と側面とで形成される肩部が、前記第1の空気孔の貫通方向もしくは前記第1の空気孔の貫通方向よりも上流側に配置されていることを特徴とするバーナ。
  2. 前記第1の空気孔と前記燃焼用空気噴出孔のうち最も前記バーナ内管側に配置された空気噴出孔とは、前記バーナ内管の軸線方向で前記第1の空気孔の孔径の6倍以上離間して配置されていることを特徴とする請求項1に記載のバーナ。
  3. 前記第1の空気孔から噴出された空気と前記バーナ内管から噴出された燃料ガスとが混合されて生成された混合ガスの流速は、20cm/s以上かつ40cm/s以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のバーナ。
  4. 前記第1の空気孔における空気の流速は、前記バーナ内管から噴出される燃料ガスの流速の30倍以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のバーナ。
  5. 前記燃焼用空気噴出孔の開口面積の総和は、前記第1の空気孔の開口面積の総和の2倍以上かつ6倍以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のバーナ。
  6. 前記バーナコーンの前記周側面に形成した複数個の燃焼用空気噴出孔は、前記周側面の拡開方向に間隔をおいて多段に形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のバーナ。
  7. 前記バーナコーンの周側面は、前記バーナ内管の先端から前記バーナ外管の内周面に向けて連続的もしくは段階的に拡開することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のバーナ。
  8. 燃料電池用の水素製造装置のための加熱源であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のバーナ。
  9. メンブレン型の水素製造装置のための加熱源であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のバーナ。
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