JP2010112652A - ガスバーナ及び溶融炉の加熱方法 - Google Patents

ガスバーナ及び溶融炉の加熱方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶融炉の低温度域から高温度域までの加熱を一台で行うことができるガスバーナを提供する。
【解決手段】バーナ保持筒20の内周に、バーナ本体10を長手方向でスライド可能に収容している。これにより、バーナ本体10の先端側に形成される空間の大きさを任意に変更することができるため、必要に応じて、燃焼ガスと一次空気とを混合するための予混合空間70を形成することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスバーナ及び溶融炉の加熱方法に関する。
例えば、ガラス溶融炉を操業するには、溶融炉をガスバーナで室温から1400℃以上まで加熱する必要がある。この場合、大量のガスを燃焼させて溶融炉を一気に加熱すると、急激な温度上昇により溶融炉が損傷する恐れがある。このため、ガラス溶融炉の加熱は、低温度域(常温〜300℃)及び中温度域(300℃〜800℃)と、高温度域(800℃以上)とに分けて行われる。
具体的には、低温度域及び中温度域の加熱は、ガス量を比較的少なくして、溶融炉を緩やかに加熱する。このとき、比較的少量のガスを確実に燃焼させるため、空気と燃料ガスとの予混合ガスを燃焼させる予混合燃焼バーナ(例えば、特許文献1参照)が多く用いられる。一方、高温度域の加熱は、ガス量を多くして、強い炎で溶融炉を所望の温度まで高める。この場合、燃焼ガスと空気とを予混合せずに別々に供給し、燃焼ガスと空気を拡散・混合させながら燃焼を進行させる拡散燃焼バーナ(例えば、特許文献2参照)が多く用いられる。
このように、従来のガラス溶融炉の加熱では、2種類のガスバーナを使用し、低温度域〜中温度域の加熱は予混合燃焼ガスバーナで行い、炉内温度が所定温度(例えば800℃程度)に達したら、溶融炉から予混合燃焼バーナを取り外して拡散燃焼バーナに交換していた。
特開平6−74422号公報 特開平8−49812号公報
しかし、800℃程度の高温まで加熱された溶融炉から、大きくて重いガスバーナを限られたスペース内で交換する作業は、多くの人数が必要である上、作業者の肉体的負担が極めて大きい。また、ガスバーナ交換作業により、溶融炉のガスバーナ接続部が一時開口するため、炉内温度が下がり、加熱効率が悪い。さらに、一般の予混合燃焼バーナは大型で且つ騒音が激しく、設置スペースや作業環境に問題があった。
本発明の課題は、溶融炉の低温度域から高温度域までの加熱を一台で行うことができるガスバーナを提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明のガスバーナは、ガス供給路及び一次空気供給路を内部に有し、先端部から燃焼ガス及び一次空気を供給するバーナ本体と、内周にバーナ本体を長手方向でスライド可能に収容するバーナ保持筒と、バーナ保持筒の外周に設けられた二次空気供給路とを備えたものである。
このように、本発明のガスバーナは、バーナ保持筒の内周に、バーナ本体を長手方向でスライド可能に収容している。これにより、バーナ本体の先方に形成される空間の大きさを任意に変更することができるため、必要に応じて、燃焼ガスと一次空気とを混合するための予混合空間を形成することができる。すなわち、バーナ本体をバーナ保持筒の先端部から後退(バーナ保持筒の奥側にスライド)させれば、バーナ本体の先端側にバーナ保持筒で囲まれた予混合空間が形成され、燃焼ガスと一次空気との混合ガスを予混合燃焼させることができる。これにより、比較的少量のガスで溶融炉を緩やかに加熱する場合でも、ガスを安定して燃焼させることができる。
一方、大量のガスで溶融炉を高温度域まで加熱する場合、バーナ本体の先端部をバーナ保持筒の先端部から大きく後退させていると、大量のガスの拡散燃焼による強い炎がバーナ保持筒に接触するため、バーナ保持筒が損傷する恐れがある。この点に鑑み、高温度域の加熱を行う場合は、バーナ本体を前進(バーナ保持筒の先端側にスライド)させて予混合空間を縮小あるいは消滅させれば、炎との接触によるバーナ保持筒の損傷を抑えることができる。
上記のガスバーナによれば、一台で室温から高温度域までの加熱を行うことができる。すなわち、炉内温度が所定値に達するまでは、バーナ本体の先端部をバーナ保持筒の先端部から後退させた状態で加熱し(予混合燃焼)、炉内温度が所定値を超えたら、バーナ本体を先端側にスライドさせ、さらに加熱を行う(拡散燃焼)ようにすればよい。
上記のガスバーナでは、バーナ保持筒の外周に設けた二次空気供給路から、大量の二次空気(例えばガス量の数十倍)を供給することができる。これにより、バーナ本体を後退させて予混合燃焼させる場合は、炎を直接溶融炉に当てるのではなく、二次空気で炎の熱を溶融炉内へ送り込むことで、溶融炉全体を均一且つ緩やかに加熱することができる。この場合、バーナ本体の先方に着火手段を設け、この着火手段で連続的に着火すれば、二次空気により炎が吹き消されて失火する恐れを未然に防止できる。一方、加熱対象が高温度域に達した場合は、仮に失火が生じても加熱対象自体が着火源となって混合ガスが着火するため、着火手段を作動させる必要は無い。すなわち、炉内温度が所定値に達するまでは、着火手段で連続的に着火しながら加熱を行い、炉内温度が所定値を超えたら、着火手段による着火を停止した状態で加熱すればよい。尚、着火手段により「連続的に着火する」とは、着火温度を超える高温状態で維持すること(例えば、点火プラグの常時スパークや高温ヒータ)に限らず、ガスの燃焼状態を維持できる範囲内で一定の間隔を置いて着火すること(例えば、点火プラグの微小間隔での間欠スパーク)を含む。
バーナ保持筒の先端に、バーナ保持筒よりも大径な保炎筒を設ければ、バーナの炎を保護して炎が二次空気で吹き消される事態をより確実に防止できる。また、バーナ保持筒と保炎筒との径が異なることで、これらの接続部に段差が形成される。バーナ本体を後退させて予混合燃焼を行う際、バーナ本体から供給された燃料ガス及び一次空気が前記段差部を通過すると、段差部に負圧が発生し、この負圧により燃料ガスと一次空気とをより均一に混合することができる。従って、保炎筒の内周に着火手段を設ければ、均一に混合された予混合ガスに着火することができるため、確実に予混合ガスを燃焼させることができる。
例えば、一次空気供給路からの一次空気供給量をV1、二次空気供給路からの二次空気供給量をV2、ガス供給路からのガス供給量をG、バーナ本体の先端部とバーナ保持筒の先端部との距離をH、バーナ保持筒の内径をD1としたとき、炉内温度が所定値に達するまでは、(V1+V2)/G>20、且つ、0<H/D1<3.0とすれば良い。ただし、上記Hの値は、バーナ本体がバーナ保持筒の奥側に後退する向きを正とし、バーナ本体がバーナ保持筒から突出する向きを負とする。
上記のようなガスバーナは、例えばガラス溶融炉の加熱に適用することができる。
以上のように、本発明によれば、溶融炉の低温度域から高温度域まで加熱を一台のガスバーナで行うことができるため、ガスバーナの交換作業が不要となり、作業負担が軽減される。また、ガスバーナを溶融炉に装着したまま常温から所定の温度まで加熱することができるため、炉内が外気に開口することがなく、加熱効率が高められる。さらに、別途の予混合ガスバーナが不要となるため、設置スペースの縮小や騒音の低減を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すガスバーナ1は、ガラス溶融炉100を加熱するためのものであり、図中の左端部がガラス溶融炉100の炉壁に取り付けられる。ガスバーナ1は、バーナ本体10と、内周にバーナ本体10を収容するバーナ保持筒20と、内周にバーナ本体10及びバーナ保持筒20を収容するケーシング30と、バーナ本体10の前方に配された着火手段としてのプラグ40とを有する。尚、以下では、説明の便宜上、バーナ本体10の長手方向(図1に一点鎖線Mで示す方向)を軸方向、バーナ本体10の半径方向を径方向と言い、軸方向において溶融炉100側を前方(図1の左側)、その反対側を後方(図1の右側)と言う。
バーナ本体10は、ガス供給管11と、ガス供給管11を内周に収容した一次空気供給管12とを有する。ガス供給管11の内周にはガス供給路51が設けられる。ガス供給管11と一次空気供給管12は同心円状に配されると共に、これらの間に径方向の隙間が形成され、この隙間が一次空気供給路52となる。ガス供給管11の先端部にはガスノズル13が取り付けられ、一次空気供給管12の先端部には一次空気ノズル14が取り付けられる。このガスノズル13及び一次空気ノズル14により、ガス供給路51及び一次空気供給路52の噴射口が狭められ、燃料ガス及び一次空気の噴射圧が高められる。
バーナ保持筒20は、バーナ本体10を内周に収容し、ケーシング30の蓋部32に後方端部を突出させた状態で固定されている。バーナ保持筒20とバーナ本体10は同心円状に配され、これらの間に径方向の隙間が形成される。バーナ保持筒20の前方端には、バーナ保持筒20よりも大径な保炎筒21が設けられ、図示例では、径方向に延びた中空円盤部22を介して、保炎筒21とバーナ保持筒20とが連結されている。バーナ保持筒20の後方端部の内周には円筒状の保持部23が固定され、この保持部23の内周にバーナ本体10が軸方向で摺動可能に保持される。保持部23は、前方端をケーシング30の内周に突出させ、且つ、後方端をバーナ保持筒20から後方に突出させている。図示例のように、保持部23でバーナ本体10の一部のみを保持し、保持部23による保持領域をバーナ本体10の保持に必要な最小限とすることで、バーナ本体10又はバーナ保持筒20が熱により若干曲がった場合でも、バーナ本体10を摺動させることが可能となる。
図2に拡大して示すように、保炎筒21には貫通穴21aが形成され、この貫通穴21aを介してプラグ40の先端部(着火部)が保炎筒21の内周に挿入される。プラグ40の先端部は、バーナ保持筒20の内周面よりも僅かに外径側に位置している。保炎筒21の内周には、プラグ40の先端部との間でスパークさせるためのスパーク板24が設けられる。スパーク板24は、通電可能な材料(例えば鉄)で形成され、バーナ保持筒20の前方側端面20aから軸方向に突出して設けられる。スパーク板24はプラグ40の先端部と径方向同位置に設けられ、両者の間には軸方向の微小隙間dが形成される。プラグ40に流れた電流は、スパーク板24、バーナ保持筒20、ケーシング30、及びアース60を介して、外部に逃がされる。
また、保炎筒21の軸方向前方側には、温度センサ41(例えば熱電対)が配される。この温度センサ41により、バーナ本体10から供給された燃焼ガスが燃焼しているか否かを確認することができる。
ケーシング30は、軸方向両端を開口した主円筒部31と、主円筒部31の後方側開口部を閉塞する蓋部32と、主円筒部31から上方に延びた副円筒部33とを有する。主円筒部31の内周にはバーナ本体10及びバーナ保持筒20が配され、主円筒部31とバーナ保持筒20との径方向間に二次空気供給路53が形成される。副円筒部33の内周には、二次空気供給路53と連通した二次空気入口53aが設けられる。主円筒部31の後方端部にはフランジ部31aが設けられ、このフランジ部31aに蓋部32がボルト固定される。蓋部32の軸心には、バーナ保持筒20が貫通固定されている。蓋部32には、覗き窓32aが設けられ、この覗き窓32aから燃焼を確認することができる。尚、図示例では、燃焼を確認する手段として、温度センサ41及び覗き窓32aが設けられているが、必要に応じてこれらの一方を省略することもできる。
主円筒部31の内周には、二次空気の流れを調整するための整流部材が設けられる。整流部材は、二次空気入口53aから二次空気供給路53を介して溶融炉100へ供給される二次空気の流路を調整するものであり、図示例では円筒状の整流筒34が設けられる。整流筒34は、主円筒部31とバーナ保持筒20との径方向間に配され、前方端部及び後方端部がケーシング30の主円筒部31の内周面に固定される。整流筒34の前方端はバーナ保持筒20の前方端と軸方向同位置にあり、整流筒34の後方端は、副円筒部33の内径側に達し、二次空気入口53aの一部を塞ぐように配される。二次空気入口53aに流入した二次空気は、整流筒34の後方側を回り込んで二次空気供給路53に流入し(図1の矢印A)、整流筒34の内周を通って溶融炉100へ供給される(図1の矢印B)。
以下、上記のガスバーナ1を用いたガラス溶融炉100の加熱方法を説明する。溶融炉100の加熱は、常温から所定温度(例えば800℃程度)まで加熱する低中温度域加熱と、所定温度からガラスの溶融温度(1400〜1800℃程度)まで加熱する高温度域加熱とに分けて行われる。
低中温度域加熱は、ガスバーナ1で比較的少量の燃焼ガスと一次空気を予混合燃焼させ、この燃焼による熱を二次空気で溶融炉100へ送り込むことにより行われる。例えば、低温度域(室温〜300℃)では、ガス供給量Gを3〜10m3/hの範囲内に設定し、中温度域(300℃〜800℃)では、ガス供給量Gを10〜40m3/hの範囲内に設定する。このとき、バーナ本体10はバーナ保持筒20の先端から後退した位置に配され、具体的には、例えばバーナ保持筒20の先端から20〜60mm程度、好ましくは30〜50mm程度後退させる。これにより、バーナ保持筒20及び保炎筒21の内周の空間のうち、バーナ本体10よりも前方側の領域に、バーナ本体10の先端から噴射される燃料ガス及び一次空気を混合するための予混合空間70が形成される。
上記の予混合空間70に、バーナ本体10のガス供給路51及び一次空気供給路52から燃焼ガス及び一次空気を供給し、予混合空間70内でこれらを混合する。この混合ガスに着火手段で連続的に着火しながら(本実施形態ではプラグ40を常にスパークさせながら)、二次空気供給路53に大量の二次空気を供給し、混合ガスの燃焼による熱を二次空気で溶融炉100に送り込むことで、炉内を加熱する。具体的には、ガス供給量G、一次空気供給量V1、二次空気供給量V2が、(V1+V2)/G>20を満たすように設定される。このように、二次空気を大量に供給すると、燃焼ガスと一次空気の混合ガスを燃焼することで生じる炎が吹き消されて失火する恐れがあるが、上記のように、混合ガスにプラグ40を常にスパークさせることで、仮に失火が生じても、すぐにプラグ40で混合ガスが着火され、混合ガスの燃焼を維持することができる。このとき、プラグ40は上記のように常にスパークさせることが好ましいが、混合ガスの燃焼を維持することができる範囲内で間欠的にスパークさせてもよい。
また、保炎筒21の内径がバーナ保持筒20の内径よりも大きいため、バーナ保持筒20と保炎筒21との境界部で段差部71が形成される。この段差部71を、バーナ本体10から噴射された燃焼ガス及び一次空気が通過すると、段差部71に負圧が発生して混合ガスの流れが乱れ、これにより燃焼ガスと一次空気とが均一に混合される。図示例のように、保炎筒21の内周に着火手段(プラグ40)を設ければ、負圧の発生により均一に混合された混合ガスに着火することができるため、より確実に着火することができる。具体的に、バーナ保持筒20の内径D1と保炎筒21の内径D2との比は、1:1.1〜1:2の範囲内に設定され、例えば1:1.5に設定される。
低中温度域加熱により炉内が所定温度に達したら、高温度域加熱に切り替える。ここで、所定温度は、炉内で燃焼ガスが自然に着火する温度(例えば800℃程度)に設定される。高温度域加熱では、バーナ本体10から大量の燃焼ガスを供給すると共に、二次空気の供給量が低減し、拡散燃焼による炎で炉内を直接的に加熱する。具体的には、ガス供給量Gが50m3/h以上に設定され、且つ、ガス供給量G、一次空気供給量V1、二次空気供給量V2が、(V1+V2)/G≦20を満たすように設定される。このとき、バーナ本体10の先端部を、バーナ保持筒20の先端部と同位置(図3参照)か、あるいはバーナ保持筒20の先端部より僅かに前方に突出させて配する(図4参照)ことにより、拡散燃焼による強い炎がバーナ保持筒20と直接的に接触することがなくなるため、バーナ保持筒20に要求される耐熱性が緩和され、バーナ保持筒20の材料選択の幅が広がる。尚、バーナ本体10からの炎がバーナ保持筒20にほとんど接触しない範囲で、バーナ本体10の先端部をバーナ保持筒20の先端部から僅かに後退させても、上記の効果を得ることができる。以上より、高温度域加熱では、バーナ本体10の先端部10aを、バーナ保持筒20の先端部20aの近傍に配すれば良く、例えばバーナ保持筒20の先端部20aに対して±5mmの範囲内に設定すれば良い。
炉内が所定温度を超えると、仮に失火が生じても、燃焼ガスが炉内の温度で自然に再着火するため、特別な処理を施さなくても燃焼を維持することができる。従って、高温度域燃焼では、混合ガスに着火する着火手段は不要となり、プラグ40は停止させればよい。
本発明による効果を確認するために、バーナ本体の先端部の位置を変えて燃焼を行い、燃焼状態の安定性を評価した。試験条件及び評価結果を表1に示す。尚、本試験に用いたバーナ保持筒の内径寸法D1は65mmである。
Figure 2010112652
表1に示すように、比較例1の燃焼状態は不安定であった。これは、バーナ本体とバーナ保持筒との距離Hが0であるため、予混合空間が形成されず、ガスと一次空気とが均一に混合されないためと考えられる。比較例2は、ガス量が多いため燃焼状態は安定しているが、バーナ本体を比較的大きく(40mm)後退させた状態で大量のガスを燃焼させているため、バーナ保持筒が炎により激しく傷むことになる。一方、実施例1〜4の燃焼状態は、何れも安定している。すなわち、実施例1及び2のようにガス量が比較的少ない場合であっても、バーナ本体を後退させることで予混合空間が形成され、ガスと一次空気とが均一に混合され、混合ガスを安定して燃焼できる。また、実施例3のようにガス量を多くした場合は、バーナ本体を前進させることでバーナ保持筒の損傷を抑えることができる。また、実施例4のように、低温度域加熱においてバーナ本体を大きく後退させた(200mm)場合は、炎が瞬間的に消えるときがあることが確認されたものの、溶融炉を加熱できる程度に安定した燃焼状態が得られた。
上記の試験結果より、低中温度域加熱のとき、すなわちガス量Gに対して空気供給量が多いときは、バーナ本体を後退させて予混合空間を形成すれば、安定した燃焼状態が得られる。このとき、実施例1及び4の結果から、バーナの後退量Hは200mm以下に設定することが好ましく、このことから、バーナの後退量Hとバーナ保持筒の内径寸法D1との比(H/D1)は、3.0以下に設定することが好ましいと考えられる。以上より、低中温度域加熱では、(V1+V2)/G>20、且つ、0<H/D1<3.0、好ましくは0.5<H/D1<1.5とすればよい。
バーナ本体を後退させた状態のガスバーナの断面図である。 図1の部分拡大図である。 バーナ本体を前進させた状態のガスバーナの断面図である。 バーナ本体を前進させた状態のガスバーナの断面図である。
符号の説明
1 ガスバーナ
10 バーナ本体
11 ガス供給管
12 一次空気供給管
20 バーナ保持筒
21 保炎筒
30 ケーシング
31 主円筒部
32 蓋部
33 副円筒部
34 整流筒
40 プラグ
51 ガス供給路
52 一次空気供給路
53 二次空気供給路
53a 二次空気入口
60 アース
70 予混合空間
71 段差部
100 ガラス溶融炉

Claims (8)

  1. ガス供給路及び一次空気供給路を内部に有し、先端部から燃焼ガス及び一次空気を供給するバーナ本体と、内周にバーナ本体を長手方向でスライド可能に収容するバーナ保持筒と、バーナ保持筒の外周に設けられた二次空気供給路とを備えたガスバーナ。
  2. バーナ本体の先方に、連続的な着火が可能な着火手段を設けた請求項1記載のガスバーナ。
  3. バーナ保持筒の先端に、バーナ保持筒よりも大径な保炎筒を取り付けた請求項2記載のガスバーナ。
  4. 着火手段を保炎筒の内周に設けた請求項3記載のガスバーナ。
  5. ガラス溶融炉の加熱に用いられる請求項1〜4の何れかに記載のガスバーナ。
  6. ガス供給路及び一次空気供給路を内部に有し、先端部から燃焼ガス及び一次空気を供給するバーナ本体と、内周にバーナ本体を長手方向でスライド可能に収容するバーナ保持筒と、バーナ保持筒の外周に設けられた二次空気供給路とを備えたガスバーナで溶融炉を加熱するための方法であって、
    炉内温度が所定値に達するまでは、バーナ本体の先端部をバーナ保持筒の先端部から後退させた状態で加熱し、炉内温度が所定値を超えたら、バーナ本体を先端側にスライドさせ、さらに加熱を行う溶融炉の加熱方法。
  7. バーナ本体の先方に着火手段を設け、炉内温度が所定値に達するまでは、着火手段で連続的に着火しながら加熱を行い、炉内温度が所定値を超えたら、着火手段による着火を停止した状態で加熱を行う請求項6記載の溶融炉の加熱方法。
  8. 一次空気供給量をV1、二次空気供給量をV2、燃焼ガス供給量をG、バーナ本体の先端部とバーナ保持筒の先端部との距離をH(ただし、バーナ本体がバーナ保持筒の奥側に後退する向きを正とする)、バーナ保持筒の内径をD1としたとき、
    炉内温度が所定値に達するまでは、(V1+V2)/G>20、且つ、0<H/D1<3.0とする請求項6又は7記載の溶融炉の加熱方法。
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