JP5523548B2 - 点火器 - Google Patents
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Description
また、その他の工業用点火棒としては、メイントーチからパイロットトーチを分岐させ、パイロットトーチの火口をメイントーチの火口よりも後方に配設した構造の点火装置も古くから知られている(例えば、特許文献3参照。)。
一方では、一般厨房用または業務厨房用ガスレンジ等の加熱機器の点火あるいは液体燃料,固形燃料等の可燃物の点火に用いられる点火棒と、溶鉱炉,各種加熱炉等のバーナの点火に用いられる工業用の点火棒との両方に用いられて好適な点火器も切望されている。
請求項1に係る本発明では、上記した構成を有することにより、放電端子がノズル孔の近傍ではなく火炎口の近傍に配置され、火炎口の先端部および放電端子が保護部材によりカバーされていて、且つ、放電端子および火炎口の周囲に位置する保護部材の周面には、従来技術(例えば、特許文献1参照。)のように、外部より空気を取り込むための空気取入口が設けられていないため、放電端子に絶縁物が付着して放電火花が弱くなって着火性が低下する、あるいは、着火自体が困難となるなどの不具合が解消される。さらに、火炎口から噴出された火炎が外部に吹き出る保護部材の先端部には、噴出口を除いて防風壁部で閉塞されているため、火炎筒の火炎口から噴出される火炎が外部からの風、または、汁,油,煤等の異物により吹き消されること(吹き消え)を極力低減させることが可能となる。この場合、防風壁部により保護部材の先端部が噴出口を除いて閉塞される構成であっても、第2の空気導入孔から外部空気が第1の空気導入孔に導入されるため、ノズル部のノズル孔から噴出するガスに外部空気を十分に混合させることが可能となり、火炎の形成に支障を来たすことは無い。しかも、第2の空気導入孔は、当該第2の空気導入孔から導入された外部空気によって、火炎口,放電端子および保護部材自体が過熱しないように、火炎筒を冷却する機能を有するものとなっている。
また、請求項1に係る本発明では、把持部材と保護部材との接続を解除して当該把持部材および保護部材を分離し、さらに、把持部材を2つ割りに分割することによって、1つの点火器を、把持部材、保護部材、把持部材および保護部材でカバーされたガスパイプおよび圧電ユニットの各部材に分割して別々にすることが可能となる。そのため、各部材の交換および修理等が簡便に行えるものとなっている。
さらに、請求項1に係る本発明では、操作者の手元で圧電ユニットの操作部を操作することにより着火することが可能となっている。そのため、本発明の点火器を溶鉱炉,各種加熱炉等のバーナの点火に用いられる工業用の点火棒として活用するために、ガスパイプの長さをたとえば例えば1m〜3mに長く形成した場合でも、従来技術(例えば、特許文献2および特許文献3参照。)のように炎孔ないし火口を操作者の手元まで持ってくる必要がない。したがって、着火および消火の操作を1人で行うとき、着火および消火の操作が極めて簡便に行えるものとなっている。
上記した種々の利点を具備するため、請求項1に係る本発明は、一般厨房用または業務厨房用ガスレンジ等の加熱機器の点火あるいは液体燃料,固形燃料等の可燃物の点火に用いられる点火棒と、溶鉱炉,各種加熱炉等のバーナの点火に用いられる工業用の点火棒との両方に用いられて好適な点火器となっている。
また、請求項1に係る本発明では、上記した構成を有するため、ガスパイプの長さを例えば1m〜3mに長く形成した場合でも、1つまたはそれ以上の継手部材を把持部材および保護部材間に組み込むことによって、当該継手部材および保護部材を介して、ガスパイプの延長部分を保護部材によりカバーすることが可能となる。そのため、本発明の点火器は、一般厨房用または業務厨房用ガスレンジ等の加熱機器の点火に用いられるときの標準長さ(例えば10cm〜35cm程度)より長い場合でも、つまり、溶鉱炉および各種加熱炉等の工業用バーナの点火に用いられるときの長さが例えば1m〜3mの場合であっても、把持部を握って点火器が操作し易いものとなっている。
請求項2に係る本発明は、請求項1に係る発明に従属する発明であって、ノズル部は、内部にガス移動経路部を有し、外周部にガス移動経路部と連通する連通孔を備えた筒状のノズル本体と、ノズル本体の一端に形成され、その先端にガス移動経路部に通じるノズル孔を有し、且つ、テーパ状部を有するノズル先端部と、その一端にノズル孔と対向して連通する開口部を有し、ノズル本体の軸方向に変位可能にノズル本体に嵌め込まれ、ノズル本体と協働して、開口部から噴出されるガス量を調整するキャップ状の調整部材とを含むことを特徴とする、点火器である。
請求項2に係る本発明では、上記した構成を有するため、調整部材をノズル本体の軸方向に変位させることが可能となるため、調整部材をノズル本体側に変位させて、当該調整部材とノズル先端部のテーパ状部と当接させると、調整部材の開口部とノズル先端部のテーパ状部との間の間隙を閉塞することが可能となる。この場合、ガスは、ノズル先端部のノズル孔のみから噴出される。また、調整部材をノズル先端部の前方方向、つまり、ノズル先端部と離間する方向に変位させると、当該調整部材とノズル先端部のテーパ状部との間に間隙を有するものとなる。この場合、ガスは、ノズル本体部の連通孔を介して、前記間隙からも放出され、ノズル先端部のノズル孔から噴出されるガスに引き込まれて、一緒に、調整部材の開口部から噴出される。したがって、本発明によれば、調整部材をノズル本体の軸方向に変位させることによって、火炎口から噴出される火炎の火力を極めて簡単に調整することが可能となる。
請求項3に係る本発明は、請求項1に係る発明に従属する発明であって、ノズル部は、ガス移動経路部を有する筒状のノズル本体と、その先端にガス移動経路部に通じるノズル孔を有し、且つ、テーパ状部を有するノズル先端部と、ノズル先端部およびノズル本体の内、少なくともノズル先端部をその周方向に分割してノズル先端部に発条作用を付与する複数のスリット部と、その一端にノズル孔と対向して連通する開口部を有し、ノズル本体の軸方向に変位可能にノズル本体に嵌め込まれ、ノズル本体と協働して、ノズル孔から噴出されるガス量を調整するキャップ状の調整部材とを含むことを特徴とする、点火器である。
請求項3に係る本発明では、上記した構成を有することにより、調整部材をノズル本体の軸方向に変位させることが可能となるため、調整部材をノズル本体側に変位させて、当該調整部材をノズル先端部のテーパ状部に押圧させると、ノズル先端部が複数のスリット部による発条作用によって、当該スリット部により分割されたセグメント(分割片)が内側に付勢され、ノズル孔を縮径させることが可能となる。すなわち、調整部材の押圧力によりノズル孔の開口径を縮径させ、あるいは、ノズル孔を閉塞させ、また、縮径させた状態から元の状態に拡径させることが可能となっている。
したがって、本発明によれば、調整部材をノズル本体の軸方向に変位させることにより、ノズル孔から噴出されるガス量を調節して、火炎口から噴出される火炎の火力を極めて簡単に調整することが可能となる。
請求項4に係る本発明は、請求項1に係る発明に従属する発明であって、ガスコックは、一方側から他方側にガスが通過するガス通路およびガス通路を開閉自在とする開閉手段を含むガスコック本体と、ガスコック本体の一方端から外方に突出するように配設され、ガス通路と連通する第1の連通路を備えると共に、ガス導入路側に接続される第1の接続部と、ガスコック本体の他方端から外方に突出するように配設され、ガス通路と連通する第2の連通路を備えると共に、ガスパイプ側に接続される第2の接続部と、第2の接続部とガスパイプとを連結する連結手段とを含み、連結手段は、その軸方向の一方側がガスパイプの長手方向の一端側と螺着される円筒状の螺着部と、その軸方向の他方側に第2の接続部が回動自在に嵌挿されて冠着されると共に第2の連通路とガスパイプとを連通状態とする円筒状の冠着部とを含み、冠着部は、第2の接続部に取り外し自在に螺設されることを特徴とする、点火器である。
請求項4に係る本発明では、上記した構成を有することにより、例えば、連結手段の螺着部をガスパイプの長手方向の一端側に螺着し、連結手段の冠着部をガスコックの第2の接続部に嵌挿させ、ガスコックを回動させた後、第2の接続部に冠着部を螺設することが可能となる。そのため、把持部材に対してガスコックを所望する姿勢位置に配置した状態で、ガスコックと把持部材とを連結手段を介して接続することが可能となっている。
一方、ガスコックおよび把持部材は、それぞれ、連結手段との接続状態が解除され、さらに、把持部材を2つに分割することによって、1つの点火器を、把持部材、保護部材、ガスパイプ、圧電ユニット、連結手段およびガスコックの各部材毎に別々に分けることが可能となる。そのため、本発明では、前記した各部材の交換および修理等が簡便に行えるものとなっている。
点火器10は、図2(A)に示すように、長手方向に延びる円筒状のガスパイプ12を含む。ガスパイプ12は、たとえば金属で形成され、その長手方向(軸方向)の一端側には、この点火器10に供給されるガス量を調整するガスコック14が配設されている。ガスコック14は、ゴムホース等の可撓性を有するガス導入路(図示せず)を介して、点火器10の外部に適宜配置されたガスボンベ等のガス供給源(図示せず)と接続されている。
一方、ガスパイプ12の長手方向の他端側には、ガスが噴出されるノズル孔16aを有するノズル部16が配設されている。さらに、ガスパイプ12の長手方向の他端側には、たとえば円筒状の火炎筒18が配設されている。火炎筒18は、その長手方向の一方側にノズル部16が内設されるように、火炎筒18の長手方向(軸方向)の一端側がガスパイプ12の長手方向の他端側に接続されている。火炎筒18の長手方向の他方側には、その先端部に火炎が噴出される火炎口18aを有している。
この点火器10では、シリンダ部22、操作部24、放電端子26、導線部28および碍子部30がユニット化されて圧電ユニット20を構成しているため、当該圧電ユニット20の取扱いが簡便である。
把持部本体52aは、図4に示すように、トレー状に形成され、その長手方向の一端側、他端側および長手方向の中間部に、ガスパイプ12の長手方向の一方側を把持部材50内に位置決めして支持するためのたとえば3つの位置決め支持部54aが同一軸線上に配設されている。3つの位置決め支持部54aは、それぞれ、断面半円状の切欠き部56aを有する一対の支持片58aを含み、一対の支持片58aは、把持部本体52aの主面の内側面から垂直に立設されている。一対の支持片58aは、把持部本体52aの長手方向に対向するように配設されている。
把持部本体52aの主面の内側面には、図4に示すように、複数の螺合部材68を挿通するためのたとえば円筒状の複数の挿通凸片72aが配設されている。複数の挿通凸片72aは、把持部本体52aの幅方向の両側で、且つ、把持部本体52aの長手方向に間隔を隔てて配設されている。複数の挿通凸片72aは、把持部本体52aの主面の内側面から垂直に立設されている。複数の挿通凸片72aは、それぞれ、台座部74aを有し、挿通凸片72aの挿通孔76aは、台座部74aおよび把持部本体52aの主面をその内側面から外側面に貫通するものである。
また、保護部材80の長手方向の一端側寄りの正面部82aおよび背面部82cには、それぞれ、たとえば3つの接続孔89が間隔を隔てて配設されている。これらの接続孔89は、保護部材80と上記した把持部材50とを小ネジ等により取り外し自在に接続するためのものである。
先ず、火炎筒18、圧電ユニット20の放電端子26,碍子部30,導線部28およびガスパイプ12の長手方向の他端側から中間部に至る部位が、図2(B)に示すように、保護部材80の開放口部80Aを介して、保護部材80の中に挿通される。
また、一方の把持部本体52aが、その主面の内側面を上に向けて配置される。
このとき、圧電ユニット20のシリンダ部22および操作部24は、操作部24の少なくとも一部が把持部本体52aから外側に突出するように、位置決め嵌合部64aに嵌め込まれて位置決めされる。また、圧電ユニット20の導線部28は、取り付け口部62a近傍の2つの挿通凸片72aの間に配置されて位置決めされる。
すなわち、L1:L2の比が上記のように設定されることによって、火炎筒18の火炎口18aから噴出される火炎が外部からの風、または、汁,油,煤等の異物により吹き消されること(吹き消え)を極力低減させるという、防風壁部88の効果をより一層効果的に発揮させることができるものとなっている。
すなわち、この点火器10は、一般厨房用または業務厨房用ガスレンジ等の加熱機器の点火あるいは液体燃料,固形燃料等の可燃物の点火に用いられる点火棒と、溶鉱炉,各種加熱炉等のバーナの点火に用いられる工業用の点火棒との両方に用いられて好適な点火器10である。
図8,図9に示す点火器10では、特に、図1〜図7に示す上述の点火器10と比べて、ガスパイプ12の長さが延設された場合の保護部材80の取り付け構造を示すものであって、特に、継手手段90によって、ガスパイプ12の延設長さに応じて、当該ガスパイプ12をカバーする構造となっている。
なお、継手部材92の幅方向の幅および高さ方向の高さは、それぞれ、継手部材94の幅方向の幅および高さ方向の高さよりも僅かに大きく形成されている。
図10,図11に示す点火器10では、図1〜図7および図8,図9に示す点火器10と比べて、ノズル部の構成が相違し、特に、ノズル部に着脱自在に配設され、ノズル部から噴出されるガス量を調整することが可能な調整部材をさらに含んでいる点で相違している。
したがって、この点火器10では、調整部材130をノズル本体114の軸方向に変位させることによって、火炎筒18の火炎口18aから噴出され、保護部材80の噴出口86から噴出される火炎の火力を極めて簡単に調整することができる。
図16,図17に示す点火器10では、図10,図11に示す上述の点火器10と比べて、ノズル部110のノズル本体114の構成だけが相違し、それ以外は、図10,図11に示す点火器10と略同じ構造を有するものである。したがって、以下には、ノズル部110のノズル本体114の構造についてのみ、詳細に説明する。
この点火器10では、特に、ノズル部110のノズル本体114において、ノズル先端部118に発条作用が付与される構造を有するものとなっている。この場合、点火器10のノズル部110には、ノズル本体114の軸方向の中間部からノズル先端部118のノズル孔118aの周囲に亘って、たとえば4条のスリット部140a,140b,140c,140dが配設されている。スリット部140a〜140dは、ノズル先端部118をその周方向にたとえば4分割することによって、ノズル先端部118に発条作用を付与するものとなっている。また、図10,図11に示す点火器10では、ノズル本体114の軸方向の中間部で、その外周部にガス移動経路部112と連通する連通孔116が設けられていたが、図16,図17に示す点火器10では、当該連通孔116を有するものではない。
したがって、この点火器10では、調整部材130をノズル本体114の軸方向に変位させることにより、ノズル孔118aから噴出されるガス量を調節して、火炎筒18の火炎口18aから噴出され、保護部材80の噴出口86から噴出される火炎の火力を極めて簡単に調整することができる。
図22,図23に示す点火器10では、図16,図17に示す上述の点火器10と比べて、調整部材130をノズル部110の軸方向に変位させる手段が相違し、それ以外は、図16,図17に示す点火器10と略同じ構造を有するものである。したがって、以下には、調整部材130をノズル本体114の軸方向に変位させる手段について、詳細に説明する。
図16,図17に示す点火器10では、調整部材130のハンドル138を操作し、当該ハンドル138を火炎筒18の露出開口部18cに沿って移動させることによって、ノズル本体114のネジ面120aおよび調整部材130のネジ面136の螺接を介して、調整部材130をノズル本体114の軸方向に変位させていたが、図22,図23に示す点火器10では、常時には、ノズル先端部118のノズル孔118aが開口状態となるように、調整部材130に付勢力を付与し、当該付勢力に抗する力を調整部材130に作用させることにより、ノズル先端部118のノズル孔118aが縮径されるように、当該ノズル孔118aの縮径および拡径を調整している。
作用部材144a,145aは、その一端が突出部材137,139の貫通孔137a,139aに取り付けられ、その他端が操作体146に取り付けられる。
火炎筒18の長手方向の一端側には、開放口部18Hと連通し、前記2つの突出部材137,139を当該開放口部18Hに案内する切欠き部(図示せず)を有している。
そうすることによって、調整部材130は、ノズル先端部118のテーパ状部118bに押圧させる。そのため、ノズル先端部118は、図26に示すように、4条のスリット部140a〜140dによる発条作用によって、スリット部140a〜140dにより分割された、図24(B)に示すセグメント(分割片)142a〜142dが、ノズル先端部118の内側に付勢され、ノズル孔118aを縮径させることができ、また、閉塞させることもできる。この場合、ノズル孔118aから噴出されるガス量を少なくすることができ、あるいは、ノズル孔118aからのガスの噴出を略停止することもできる。
したがって、この点火器10では、調整部材130をノズル本体114の軸方向に変位させることにより、ノズル孔118aから噴出されるガス量を調節して、火炎筒18の火炎口18aから噴出され、保護部材80の噴出口86から噴出される火炎の火力を極めて簡単に調整することができる。
図28に示す点火器10では、図1〜図7、図8〜図9、図10〜図15、図16〜図21および図22〜図27を参照して説明した上記各点火器10と比べて、特に、ガスコックおよびその取り付け構造が相違し、それ以外は、上記した各点火器10のいずれかの構造と類似しているので、以下には、ガスコックおよびその取り付け構造についてのみ詳細に説明する。
図28に示す点火器10のガスコック160は、たとえば図29に示すように、一方側から他方側にガスが通過するガス通路160Aおよびガス通路160Aを開閉自在とするレバー等の開閉手段162を備えたガスコック本体164を含む。ガスコック本体164には、その一方端からガス通路160Aの軸線方向外方に突出するように、第1の接続部166が当該ガスコック本体164と一体的に配設される。第1の接続部166は、その内部に、ガス通路160Aと連通する第1の連通路166Aを備えている。この第1の接続部166は、ゴムホース等のガス導入路(図示せず)を介して、ガス供給源(図示せず)側に接続される。
また、ガスコック本体164には、その他方端からガス通路160Aの軸線方向外方に突出するように、第2の接続部168が当該ガスコック本体164と一体的に配設される。第2の接続部168は、その内部に、ガス通路160Aと連通する第2の連通路168Aを備えている。この第2の接続部168は、ガスパイプ12側に接続される。
先ず、螺着部172のネジ面172Aと、ガスパイプ12の長手方向の一端側に配設されたネジ面(図示せず)とが螺合されることによって、連結手段170の螺着部172と、ガスパイプ12の長手方向の一端側とが接続される。
次に、ガスコック160のガスコック本体164の第2の接続部168が、連結手段170の冠着部176の嵌合穴176Aに内挿される。このとき、ガスコック160のガス通路160Aと、ガスパイプ12のガス通路とは、ガスコック本体164の第1の連通路166A,第2の連通路168A、冠着部176の嵌合穴176A,連通孔178A、および、螺着部172の孔部172Aを介して、連通状態となる。
それから、ガスコック160の開閉手段162が所望する姿勢位置、例えば、当該開閉手段162をガス通路160Aの軸線方向に対して垂直方向に向けた状態で保持された後、冠着部176は、第2の接続部168に取り外し自在に螺設される。つまり、第2の接続部168が冠着部176の嵌合穴176Aに内挿され、第2の接続部168の4つの係止凹部186と、冠着部176の4つのネジ孔184が連通された後、取り付け手段190が当該ネジ孔184に螺合される。このとき、取り付け手段190は、その軸方向の一端部がネジ孔184を貫通し、係止凹部186の底面187に当接されるため、当該取り付け手段190は、抜け止め作用の機能も有するものとなっている。
なお、上記した点火器10では、冠着部176のネジ孔がたとえば4つのネジ孔184で構成され、第2の接続部168の係止凹部がたとえば4つの係止凹部186で構成されたが、冠着部176のネジ孔184および第2の接続部168の係止凹部186の数は、それに限定されるものではなく、2つ以上配設されていればよい。
また、この点火器10では、ガスコック160および把持部材50が、それぞれ、連結手段170との接続状態が解除され、さらに、把持部材50を2つに分割することによって、1つの点火器10を、把持部材50、保護部材80、ガスパイプ12、圧電ユニット20、連結手段170およびガスコック160の各部材毎に別々に分けることができる。この場合、前記した各部材の交換および修理等が簡便に行えるものとなっている。
第1の接続部228は、ガス通路214の中心軸線y−yと同一の中心軸線を有するたとえば円筒状の第1の接続軸部230を含む。第1の接続軸部230の軸方向の基端部には、当該第1の接続軸部230の外径よりも大きいリング状の連結鍔部232が形成されている。この場合、第1の接続軸部230の中空部230aおよび連結鍔部232の中空部232aは、ガス通路214と連通する第1の連通路234として機能を有するものとなっている。
第2の接続部242は、先の第1の接続部228と同様に、ガス通路214の中心軸線y−yと同一の中心軸線を有するたとえば円筒状の第2の接続軸部244を含む。第2の接続軸部244は、その外周面にたとえば外ねじ部(雄ねじ部)としてのたとえばストレートねじ部246を有し、その軸方向の基端部には、当該第2の接続軸部244の外径よりもたとえば僅かに大きいリング状の外向きフランジ部248が形成されている。
すなわち、先ず、ガス導入管(ガス配管)Pの所定の位置に下穴306が開けられる。一方では、その先端部が円錐形の弾丸状に形成されたポンチ(図示せず)が準備される。次に、当該ポンチ(図示せず)が所定の温度に加熱された状態で、ポンチ挿入治具等(図示せず)により、下穴306からガス導入管(ガス配管)Pに挿入される。このとき、下穴306の周縁部が熱応力により外側に押し拡げられ、ガス導入管(ガス配管)Pから分岐された分岐成形部(結合部302に相当)が形成される。そして、下穴306からポンチ(図示せず)が引き抜かれる。それから、結合部302の内周面には、中継部材260のテーパねじ部264aと螺合可能な内ねじ部(雌ねじ部)304が形成される。この中継部材260は、そのテーパねじ部264aと、ガス導入管(ガス配管)Pの結合部302に配設された内ねじ部(雌ねじ部)304とが螺合されることによって、ガス導入管(ガス配管)Pにねじ結合される。
さらに、連結部材270によって中継部材260と第1の接続部228とが軸方向に連結される場合、中継部材260と第1の接続部228の連結鍔部232とが軸方向に相対向する環状の側端面260bおよび232b間に、たとえばパッキン284からなる密封部材280が配置される。
すなわち、ノズル部材290は、円筒状のノズル部材本体292を含む。ノズル部材本体292の内周面には、内ねじ部(雌ねじ部)294が配設される。ノズル部材本体292は、その軸方向の一端側に、たとえば外向きフランジ部296を有し、その軸方向の他端側に、ノズル孔298を有する。ノズル部材本体292の中空部292aと外向きフランジ部296の中空部296aとノズル孔298とは連通されている。ノズル部材290は、その内ねじ部(雌ねじ部)294と第2の接続部242のストレートねじ部246とが螺合されることによって、当該第2の接続部242にねじ結合されるものである。
図34に示すガスコックの取り付け構造では、上述した図32および図33に示すものと比べて、特に、中継部材260と連結部材270との接続構造が相違している。すなわち、中継部材260の環状側壁端面266cと、連結部材270の内向きフランジ部276の環状側壁端面276cとが係止された状態で、中継部材260に連結部材270が外嵌されたときに、中継部材260の外向きフランジ部266の外周面266bを固定して連結部材270の緩み止めを防止する接続構造となっている。
図35に示すガスコックの取り付け構造では、上述した図34に示すものと比べて、特に、止めねじ330による中継部材260の固定位置が相違している。すなわち、図34に示すガスコックの取り付け構造では、止めねじ330の先端部が中継部材260の外向きフランジ部266の外周面266bを押圧して固定する接続構造となっているが、図35に示すものでは、止めねじ330の先端部が中継部材本体262の基端部側(外向きフランジ部266)寄りを押圧して固定する接続構造となっている。
この点火器10では、たとえば図1〜図7に示す点火器10と比べて、ガス着火のための圧電ユニット20の構成が相違するものとなっている。図1〜図7に示す点火器10では、放電端子26が取り付けブラケット32により火炎筒18に支持されている。放電端子26は、ガスパイプ12および火炎筒18の外部に位置するものとなっており、この場合、放電端子26は、ガスパイプ12およびノズル部16の軸中心線上に配置されるものとはなっていない。それに対して、図36および図37に示す点火器10では、特に、放電端子が、火炎筒18の機能を有する火口パイプ200の内部に位置するものとなっており、この場合、被覆電線204の先端側から露出し、放電端子としての機能を有する導体部(電極線)214の先端部214aが、ガスパイプ12、ノズル部16および火口パイプ200の軸中心線上に配置されるものとなっている。
したがって、火口パイプ200の内部には、当該火口パイプ200の内周面と混合カラー部202と4つの凹溝部212a〜212dとの間に、火口パイプ200の周方向に等間隔に4つの空隙部212A〜212Dを有するものとなる。この4つの空隙部212A〜212Dは、後述する混合ガスの流路としての機能を有するものである。以下の説明では、この4つの空隙部212A〜212Dを、混合ガス流路212A〜212Dと呼ぶ。
それに比べて、図36および図37に示す点火器10では、放電端子として形成される導体部(電極線)214の先端部214aが、特に、図36(A)および図37(A),37(B)に示すように、ガスパイプ12、ノズル部16および火口パイプ200の軸中心線上に配置されているため、上述したように、火口パイプ200の火炎口200aから噴出される混合ガスに確実に着火(点火)することができ、着火率の優れた着火機構を有するものとなっている。
したがって、図36および図37に示す点火器10では、例えば、業務厨房用ガスレンジの五徳に業務用の大きな調理鍋等を置いたときに、着火部位が狭くなっている場合でも、火口パイプ200の火炎口200aを容易に着火部位に挿入して着火することができる。
図38に示す変形例の混合カラー部216は、図36および図37に示す混合カラー部210と同様の作用・効果を有するものである。
図39に示す変形例の混合カラー部220では、たとえば図39(A)で詳述すると、混合ガスが、混合ガス流路222A,222Cの入口端222A1,222C1から進入して、それらの出口端222A2,222C2を通過するときに、混合ガスが、貫通孔222a〜222dの内周面に当たって渦巻き状態となりながら通過していく。それゆえ、混合ガスは、さらに攪拌されて、混合ガス中の空気とガスがより一層均一に混合される。
図39に示す変形例の混合カラー部220では、たとえば図40(A)で詳述すると、混合ガスが、混合ガス流路226A,226Cの入口端226A1,226C1から進入して、それらの出口端226A2,226C2を通過するときに、混合ガスが、貫通孔226a〜226dの内周面に当たって渦巻き状態となりながら通過していく。それゆえ、混合ガスは、さらに攪拌されて、混合ガス中の空気とガスがより一層均一に混合される。
同様に、図38〜図40に示す点火器10において、混合カラー部216,220,224の貫通孔218a〜218d,貫通孔222a〜222d,貫通孔226a〜226dの数は2つ以上設けられていればよく、断面形状も、三角形、四角形、星形、十字形、楕円形、その他の非円形等々、種々の形状の態様が採用され得る。
12 ガスパイプ
12a,12b,18b,120a,124,136,174,185,192 ネジ面
14,160 ガスコック
16,110 ノズル部
16a,118a ノズル孔
18 火炎筒
18a 火炎口
18c 露出開口部
18H 開放口部
20 圧電ユニット
22 シリンダ部
24 操作部
26 放電端子
28 導線部
30 碍子部
32 取り付けブラケット
34 挿嵌部
36a,36b 連結片
38a,38b 挟持片
40 螺合部材
42 第1の空気導入孔
44a,44b 一対のスリット
50 把持部材
52a,52b 一対の把持部本体
54a,54b 位置決め支持部
56a,56b 切欠き部
58a,58b 一対の支持片
60a,60b 凹部
62a,62b 取り付け口部
64a,64b 位置決め嵌合部
66a,66b 一対の嵌合片
68,70 螺合部材
72a,72b 挿通凸片
74a,74b 台座部
76a,76b 挿通孔
78a,78b 座ぐり部
80 保護部材
80A 開放口部
80B 周端部
82 筒状体本体
82a 正面部
82b 平面部
82c 背面部
82d 底面部
83 筒状体
83A,83B 長片体
84 長孔(第2の空気導入孔)
85 保護片
86 噴出口
88 防風壁部
89 接続孔
90 継手手段
92,94 継手部材
96,100 継手部本体
98,102 連結孔
112 ガス移動経路部
114 ノズル本体
116 連通孔
118 ノズル先端部
118b テーパ状部
120,122 フランジ部
126,188 密封手段
130 調整部材
132 調整部本体
134 先端面部
134a 開口部
137,139 突出部材
137a,139a,148a,149a 貫通孔
138 ハンドル
140a,140b,140c,140d スリット部
142a,142b,142c,142d セグメント(分割片)
144a,145a 作用部材
146 操作体
148,149 操作棒
150 付勢部材
160A ガス通路
162 開閉手段
164 ガスコック本体
166 第1の接続部
166A 第1の連通路
168 第2の接続部
168A 第2の連通路
170 連結手段
172 螺着部
172A 孔部
176 冠着部
176A 嵌合穴
178A 連通孔
180 底面部
182 胴面部
184 ネジ孔
186 係止凹部
187 底面
190 取り付け手段
200 火口パイプ
200a 火炎孔
202,216,220,224 混合カラー部
204 被覆電線
206 導体部
208 絶縁体
210,216A,220A,224A カラー本体
210a,216a,218a〜218d,220a,222a〜222d,224a,226a〜226d 貫通孔
212a〜212d 凹溝部
212A〜212D 空隙部(混合ガス流路)
212A1〜212D1,218A1〜218D1,222A1〜222D1,226A1〜226D1 混合ガス流路の入口端
212A2〜212D2,218A2〜218D2,222A2〜222D2,226A2〜226D2 混合ガス流路の出口端
214 被覆電線の先端側で絶縁体から露出した導体部
214a 被覆電線の絶縁体から露出した導体部の先端部(放電端子)
218A〜218D,222A〜222D,226A〜226D 混合ガス流路
G 間隙
Claims (4)
- 長手方向を有し、その一端側に、ガス導入路を介してガス供給源と接続され、ガスの供給量を調整するガスコックが取り付けられ、その他端側に、ガスを噴出するノズル部が取り付けられるガスパイプ、
前記ノズル部を内設するように、その長手方向の一方側が前記ガスパイプの長手方向の他端側に接続され、その長手方向の他方側先端部に火炎が噴出される火炎口を有する火炎筒、
前記ガスパイプの長手方向の中間部に配設され、圧電素子および前記圧電素子を殴打する打撃片が内蔵されたシリンダ部と、前記打撃片を操作する操作部と、前記火炎口の近傍に配置された放電端子との間に接続される導線部とを備え、前記放電端子との間に放電電圧を印加する圧電ユニット、
前記火炎筒の長手方向の一方側の周面で、前記ノズル部のノズル孔近傍に対応する部位に配設され、外部空気を前記ノズル孔近傍に導入する第1の空気導入孔、
前記操作部の少なくとも一部が外部に露出されるように、前記ガスパイプの長手方向の一端側から中間部をカバーする2分割可能な筒状の把持部材、
前記把持部材に取り外し自在に接続され、前記導線部および前記放電端子を覆うように、前記ガスパイプの長手方向の中間部から他端側を経由して前記火炎筒の先端方向に延設され、前記ガスパイプおよび前記火炎筒をカバーする筒状の保護部材を含み、
前記保護部材は、
前記第1の空気導入孔に外部空気を導入し、且つ、前記火炎筒を冷却する外部空気を導入する第2の空気導入孔、
前記保護部材の先端部に配設され、少なくとも前記火炎口と対向して連通可能となり、前記火炎口から噴出される火炎を外部に噴出させる噴出口、
前記噴出口の周縁端と前記保護部材の周縁端との間に配設され、前記噴出口を除く部分の前記保護部材の先端部を閉鎖する防風壁部を含み、
前記把持部材と前記保護部材との間に配置され、その長手方向の一端側が前記把持部材と取り外し自在に接続され、その長手方向の他端側が前記保護部材に取り外し自在に接続される筒状の少なくとも1つの継手部材をさらに含み、
前記ガスパイプの長手方向の長さに対応して、前記保護部材の長手方向の延長長さが調整されることを特徴とする、点火器。 - 前記ノズル部は、
内部にガス移動経路部を有し、外周部に前記ガス移動経路部と連通する連通孔を備えた筒状のノズル本体、
前記ノズル本体の一端に形成され、その先端に前記ガス移動経路部に通じるノズル孔を有し、且つ、テーパ状部を有するノズル先端部、および
その一端に前記ノズル孔と対向して連通する開口部を有し、前記ノズル本体の軸方向に変位可能に前記ノズル本体に嵌め込まれ、前記ノズル本体と協働して、前記開口部から噴出されるガス量を調整するキャップ状の調整部材を含むことを特徴とする、請求項1に記載の点火器。 - 前記ノズル部は、
ガス移動経路部を有する筒状のノズル本体、
前記ノズル本体の一端に形成され、その先端に前記ガス移動経路部に通じるノズル孔を有し、且つ、テーパ状部を有するノズル先端部、
前記ノズル先端部および前記ノズル本体の内、少なくとも前記ノズル先端部をその周方向に分割して前記ノズル先端部に発条作用を付与する複数のスリット部、および
その一端に前記ノズル孔と対向して連通する開口部を有し、前記ノズル本体の軸方向に変位可能に前記ノズル本体に嵌め込まれ、前記ノズル本体と協働して、前記ノズル孔から噴出されるガス量を調整するキャップ状の調整部材を含むことを特徴とする、請求項1に記載の点火器。 - 前記ガスコックは、
一方側から他方側にガスが通過するガス通路および前記ガス通路を開閉自在とする開閉手段を含むガスコック本体、
前記ガスコック本体の一方端から外方に突出するように配設され、前記ガス通路と連通する第1の連通路を備えると共に、前記ガス導入路側に接続される第1の接続部、
前記ガスコック本体の他方端から外方に突出するように配設され、前記ガス通路と連通する第2の連通路を備えると共に、前記ガスパイプ側に接続される第2の接続部、および
前記第2の接続部と前記ガスパイプとを連結する連結手段を含み、
前記連結手段は、
その軸方向の一方側が前記ガスパイプの長手方向の一端側と螺着される筒状の螺着部、および
その軸方向の他方側に前記第2の接続部が回動自在に嵌挿されて冠着されると共に前記第2の連通路と前記ガスパイプとを連通状態とする筒状の冠着部を含み、
前記冠着部は、前記第2の接続部に取り外し自在に螺設されることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の点火器。
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