JP5523548B2 - 点火器 - Google Patents

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Description

本発明は、点火器に関し、特に、自動点火方式になっていない一般厨房用または業務厨房用ガスレンジ等の加熱機器の点火に用いられる点火棒、あるいは、溶鉱炉および各種工業用加熱炉等のバーナの点火に用いられる点火棒として用いられて好適な点火器に関する。
本発明の背景となる従来技術には、自動点火方式になっていないガス器具または液体燃料,固形燃料等の可燃物への着火に用いられる点火棒(着火用具)として、数多くのガス点火器が市販され、普及している。このガス点火器は、ハウジング内にガスボンベと圧電素子とを配置し、ハウジングから連出した金属パイプの先端内部に放電端子を兼ねる炎口部材を位置させ、ハウジングに点火操作レバーを出退移動可能に配置し、この点火操作レバーによる点火操作に伴いガス噴出を制御するとともに圧電素子を押圧するように構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、溶鉱炉および加熱炉等のバーナの点火に用いられる各種工業用点火棒も古くから知られている。この工業用点火棒は、燃料ガス源に接続されるゴムホースに連結され、その先端に炎孔が設けられた管状の点火棒である。この点火棒には、管本体に密接しながら前後進自在なほやが設けられている。ほやは、その後端には底板が取付けられ、ほやの胴部には把手が取付けられている(例えば、特許文献2参照。)。
また、その他の工業用点火棒としては、メイントーチからパイロットトーチを分岐させ、パイロットトーチの火口をメイントーチの火口よりも後方に配設した構造の点火装置も古くから知られている(例えば、特許文献3参照。)。
登録実用新案第3042841号公報 実開昭55−95062号公報 実開平1−88155号公報
しかしながら、特許文献1に示す従来のガス点火器では、内蔵したガスボンベ内のガスが無くなれば使用することができなくなり、継続して長時間使用するには不向きなものであった。また、このガス点火器では、ハウジングから連出した金属パイプの先端部において、放電電極の形成位置に対応させて炎口部材が金属パイプの軸心位置に固定されているため、放電電極および炎口部材は、それぞれ、燃焼空気取入口の近傍に配置されるものとなっている。この場合、炎口部材の周囲が燃焼空気取入口を介して外部に連通しているので、この燃焼空気取入口から油,汁,煤等の異物が侵入し、放電電極に絶縁物が付着して放電火花が弱くなって着火性が低下する、あるいは、着火自体が困難となるなどの不具合を生じるものであった。さらに、外部からの風が燃焼空気取入口を介して炎口部材から出る炎に直接作用して炎が消えるなどの不具合も生じるものであった。
また、特許文献2および特許文献3に示される工業用点火棒は、例えばその長さが1〜3mあるいはそれ以上の長さを有するもので、ガスコックを開いた後、別途、準備される火種、例えば、ロウソクの火、マッチ、使い捨てライターあるいは特許文献1に示すようなガス点火器を用いて、特許文献2のほやつき点火棒では炎孔に、特許文献3の点火装置ではメイントーチおよびパイロットトーチの火口に、着火しなければならないため、着火するまでガスが放出され無駄となっている。しかも、ガスコックから炎孔ないし火口までの距離が長くなっているため、着火および消火の操作を1人で行う場合、炎孔ないし火口を操作者の手元まで持ってくる必要があることから、着火および消火の操作が面倒なものとなっていた。さらに、特許文献2に示すほやつき点火棒では、火炎の吹き消え防止のために、炉壁にほやを密着させて炉壁に設けられた点火孔の隙間を蓋う操作が必要となるため、また、特許文献3に示す点火装置では、メイントーチの噴出炎の吹き消え防止のために、メイントーチおよびパイロットトーチの両方の火口に着火しなければならないため、着火および消火の操作がより一層面倒なものとなっていた。
一方では、一般厨房用または業務厨房用ガスレンジ等の加熱機器の点火あるいは液体燃料,固形燃料等の可燃物の点火に用いられる点火棒と、溶鉱炉,各種加熱炉等のバーナの点火に用いられる工業用の点火棒との両方に用いられて好適な点火器も切望されている。
それゆえに、本発明の主たる目的は、着火安定性に優れ、火炎の吹き消えを低減し、着火・消火操作も簡単且つ安全に操作することができる、点火器を提供することである。また、本発明の他の目的は、一般用のみならず、工業用の点火棒としても用いることができる、点火器を提供することである。
請求項1に係る本発明の点火器は、長手方向を有し、その一端側に、ガス導入路を介してガス供給源と接続され、ガスの供給量を調整するガスコックが取り付けられ、その他端側に、ガスを噴出するノズル部が取り付けられるガスパイプと、ノズル部を内設するように、その長手方向の一方側がガスパイプの長手方向の他端側に接続され、その長手方向の他方側先端部に火炎が噴出される火炎口を有する火炎筒と、ガスパイプの長手方向の中間部に配設され、圧電素子および圧電素子を殴打する打撃片が内蔵されたシリンダ部、打撃片を操作する操作部、火炎口の近傍に配置された放電端子との間に接続される導線部を備え、放電端子との間に放電電圧を印加する圧電ユニットと、火炎筒の長手方向の一方側の周面で、ノズル部のノズル孔近傍に対応する部位に配設され、外部空気をノズル孔近傍に導入する第1の空気導入孔と、操作部の少なくとも一部が外部に露出されるように、ガスパイプの長手方向の一端側から中間部をカバーする2分割可能な筒状の把持部材と、把持部材に取り外し自在に接続され、導線部および放電端子を覆うように、ガスパイプの長手方向の中間部から他端側を経由して火炎筒の先端方向に延設され、ガスパイプおよび火炎筒をカバーする筒状の保護部材とを含み、保護部材は、第1の空気導入孔に外部空気を導入し、且つ、火炎筒を冷却する外部空気を導入する第2の空気導入孔と、保護部材の先端部に配設され、少なくとも火炎口と対向して連通可能となり、火炎口から噴出される火炎を外部に噴出させる噴出口と、噴出口の周縁端と保護部材の周縁端との間に配設され、噴出口を除く部分の保護部材の先端部を閉鎖する防風壁部とを含み、把持部材と保護部材との間に配置され、その長手方向の一端側が把持部材と取り外し自在に接続され、その長手方向の他端側が保護部材に取り外し自在に接続される筒状の少なくとも1つの継手部材をさらに含み、ガスパイプの長手方向の長さに対応して、保護部材の長手方向の延長長さが調整されることを特徴とする、点火器である。
請求項1に係る本発明では、上記した構成を有することにより、放電端子がノズル孔の近傍ではなく火炎口の近傍に配置され、火炎口の先端部および放電端子が保護部材によりカバーされていて、且つ、放電端子および火炎口の周囲に位置する保護部材の周面には、従来技術(例えば、特許文献1参照。)のように、外部より空気を取り込むための空気取入口が設けられていないため、放電端子に絶縁物が付着して放電火花が弱くなって着火性が低下する、あるいは、着火自体が困難となるなどの不具合が解消される。さらに、火炎口から噴出された火炎が外部に吹き出る保護部材の先端部には、噴出口を除いて防風壁部で閉塞されているため、火炎筒の火炎口から噴出される火炎が外部からの風、または、汁,油,煤等の異物により吹き消されること(吹き消え)を極力低減させることが可能となる。この場合、防風壁部により保護部材の先端部が噴出口を除いて閉塞される構成であっても、第2の空気導入孔から外部空気が第1の空気導入孔に導入されるため、ノズル部のノズル孔から噴出するガスに外部空気を十分に混合させることが可能となり、火炎の形成に支障を来たすことは無い。しかも、第2の空気導入孔は、当該第2の空気導入孔から導入された外部空気によって、火炎口,放電端子および保護部材自体が過熱しないように、火炎筒を冷却する機能を有するものとなっている。
また、請求項1に係る本発明では、把持部材と保護部材との接続を解除して当該把持部材および保護部材を分離し、さらに、把持部材を2つ割りに分割することによって、1つの点火器を、把持部材、保護部材、把持部材および保護部材でカバーされたガスパイプおよび圧電ユニットの各部材に分割して別々にすることが可能となる。そのため、各部材の交換および修理等が簡便に行えるものとなっている。
さらに、請求項1に係る本発明では、操作者の手元で圧電ユニットの操作部を操作することにより着火することが可能となっている。そのため、本発明の点火器を溶鉱炉,各種加熱炉等のバーナの点火に用いられる工業用の点火棒として活用するために、ガスパイプの長さをたとえば例えば1m〜3mに長く形成した場合でも、従来技術(例えば、特許文献2および特許文献3参照。)のように炎孔ないし火口を操作者の手元まで持ってくる必要がない。したがって、着火および消火の操作を1人で行うとき、着火および消火の操作が極めて簡便に行えるものとなっている。
上記した種々の利点を具備するため、請求項1に係る本発明は、一般厨房用または業務厨房用ガスレンジ等の加熱機器の点火あるいは液体燃料,固形燃料等の可燃物の点火に用いられる点火棒と、溶鉱炉,各種加熱炉等のバーナの点火に用いられる工業用の点火棒との両方に用いられて好適な点火器となっている。
また、請求項1に係る本発明では、上記した構成を有するため、ガスパイプの長さを例えば1m〜3mに長く形成した場合でも、1つまたはそれ以上の継手部材を把持部材および保護部材間に組み込むことによって、当該継手部材および保護部材を介して、ガスパイプの延長部分を保護部材によりカバーすることが可能となる。そのため、本発明の点火器は、一般厨房用または業務厨房用ガスレンジ等の加熱機器の点火に用いられるときの標準長さ(例えば10cm〜35cm程度)より長い場合でも、つまり、溶鉱炉および各種加熱炉等の工業用バーナの点火に用いられるときの長さが例えば1m〜3mの場合であっても、把持部を握って点火器が操作し易いものとなっている。
請求項2に係る本発明は、請求項1に係る発明に従属する発明であって、ノズル部は、内部にガス移動経路部を有し、外周部にガス移動経路部と連通する連通孔を備えた筒状のノズル本体と、ノズル本体の一端に形成され、その先端にガス移動経路部に通じるノズル孔を有し、且つ、テーパ状部を有するノズル先端部と、その一端にノズル孔と対向して連通する開口部を有し、ノズル本体の軸方向に変位可能にノズル本体に嵌め込まれ、ノズル本体と協働して、開口部から噴出されるガス量を調整するキャップ状の調整部材とを含むことを特徴とする、点火器である。
請求項2に係る本発明では、上記した構成を有するため、調整部材をノズル本体の軸方向に変位させることが可能となるため、調整部材をノズル本体側に変位させて、当該調整部材とノズル先端部のテーパ状部と当接させると、調整部材の開口部とノズル先端部のテーパ状部との間の間隙を閉塞することが可能となる。この場合、ガスは、ノズル先端部のノズル孔のみから噴出される。また、調整部材をノズル先端部の前方方向、つまり、ノズル先端部と離間する方向に変位させると、当該調整部材とノズル先端部のテーパ状部との間に間隙を有するものとなる。この場合、ガスは、ノズル本体部の連通孔を介して、前記間隙からも放出され、ノズル先端部のノズル孔から噴出されるガスに引き込まれて、一緒に、調整部材の開口部から噴出される。したがって、本発明によれば、調整部材をノズル本体の軸方向に変位させることによって、火炎口から噴出される火炎の火力を極めて簡単に調整することが可能となる。
請求項3に係る本発明は、請求項1に係る発明に従属する発明であって、ノズル部は、ガス移動経路部を有する筒状のノズル本体と、その先端にガス移動経路部に通じるノズル孔を有し、且つ、テーパ状部を有するノズル先端部と、ノズル先端部およびノズル本体の内、少なくともノズル先端部をその周方向に分割してノズル先端部に発条作用を付与する複数のスリット部と、その一端にノズル孔と対向して連通する開口部を有し、ノズル本体の軸方向に変位可能にノズル本体に嵌め込まれ、ノズル本体と協働して、ノズル孔から噴出されるガス量を調整するキャップ状の調整部材とを含むことを特徴とする、点火器である。
請求項3に係る本発明では、上記した構成を有することにより、調整部材をノズル本体の軸方向に変位させることが可能となるため、調整部材をノズル本体側に変位させて、当該調整部材をノズル先端部のテーパ状部に押圧させると、ノズル先端部が複数のスリット部による発条作用によって、当該スリット部により分割されたセグメント(分割片)が内側に付勢され、ノズル孔を縮径させることが可能となる。すなわち、調整部材の押圧力によりノズル孔の開口径を縮径させ、あるいは、ノズル孔を閉塞させ、また、縮径させた状態から元の状態に拡径させることが可能となっている。
したがって、本発明によれば、調整部材をノズル本体の軸方向に変位させることにより、ノズル孔から噴出されるガス量を調節して、火炎口から噴出される火炎の火力を極めて簡単に調整することが可能となる。
請求項4に係る本発明は、請求項1に係る発明に従属する発明であって、ガスコックは、一方側から他方側にガスが通過するガス通路およびガス通路を開閉自在とする開閉手段を含むガスコック本体と、ガスコック本体の一方端から外方に突出するように配設され、ガス通路と連通する第1の連通路を備えると共に、ガス導入路側に接続される第1の接続部と、ガスコック本体の他方端から外方に突出するように配設され、ガス通路と連通する第2の連通路を備えると共に、ガスパイプ側に接続される第2の接続部と、第2の接続部とガスパイプとを連結する連結手段とを含み、連結手段は、その軸方向の一方側がガスパイプの長手方向の一端側と螺着される円筒状の螺着部と、その軸方向の他方側に第2の接続部が回動自在に嵌挿されて冠着されると共に第2の連通路とガスパイプとを連通状態とする円筒状の冠着部とを含み、冠着部は、第2の接続部に取り外し自在に螺設されることを特徴とする、点火器である。
請求項4に係る本発明では、上記した構成を有することにより、例えば、連結手段の螺着部をガスパイプの長手方向の一端側に螺着し、連結手段の冠着部をガスコックの第2の接続部に嵌挿させ、ガスコックを回動させた後、第2の接続部に冠着部を螺設することが可能となる。そのため、把持部材に対してガスコックを所望する姿勢位置に配置した状態で、ガスコックと把持部材とを連結手段を介して接続することが可能となっている。
一方、ガスコックおよび把持部材は、それぞれ、連結手段との接続状態が解除され、さらに、把持部材を2つに分割することによって、1つの点火器を、把持部材、保護部材、ガスパイプ、圧電ユニット、連結手段およびガスコックの各部材毎に別々に分けることが可能となる。そのため、本発明では、前記した各部材の交換および修理等が簡便に行えるものとなっている。
本発明によれば、着火安定性に優れ、火炎の吹き消えを低減し、着火・消火操作も簡単且つ安全に操作することが可能な点火器が得られる。また、本発明によれば、一般用のみならず、工業用の点火棒としても用いることが可能な点火器が得られる。
本発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
本発明に係る点火器の一例を示す斜視図解図である。 図1に示す点火器の内部構造の一例を示す分解正面図解図であって、図2(A)は、点火器本体を示す正面図解図であり、図2(B)は、点火器本体を把持部材および保護部材に組み込んだ状態の一部省略正面図解図である。 図1および図2に示す点火器の火炎口およびその周辺を示す要部拡大斜視図解図である。 図1および図2に示す点火器の把持部材および点火器本体への取り付け構造を示す要部拡大分解斜視図解図である。 図1および図2に示す点火器の保護部材の一例を示す斜視図解図である。 図5に示す保護部材の変形例を示す要部拡大斜視図解図である。 図1および図2に示す点火器の把持部材および保護部材の接続構造の一例を示す正面図解図である。 本発明に係る点火器の他の例を示す斜視図解図である。 図8に示す保護部材の継手構造に用いられる継手部材の一例を示す図解図であって、図9(A)は把持部材側に配置される手元側継手部材の一例を示す正面図解図であり、図9(B)は、図9(A)のA−A線における断面図であり、図9(C)は保護部材側に配置される延長側継手部材の一例を示す正面図解図であり、図9(D)は、図9(C)のB−B線における断面図である。 本発明に係る点火器のさらに他の例を示す断面的要部正面図解図である。 図10に示す点火器の分解図解図である。 図10および図11に示す点火器のノズル部の一例を示す図解図であって、図12(A)は、その断面的正面図解図であり、図12(B)は、図12(A)の右側面図解図である。 図10および図11に示す点火器の調整部材の一例を示す図解図であって、図13(A)は、その断面的正面図解図であり、図13(B)は、図13(A)の右側面図解図である。 図10および図11に示す点火器の火力調整機構の一例を示す図解図であって、例えば火力を小さくした状態を示す断面的正面図解図である。 図10および図11に示す点火器の火力調整機構の一例を示す図解図であって、例えば火力を大きくした状態を示す断面的正面図解図である。 本発明に係る点火器のさらに他の例を示す断面的要部正面図解図である。 図16に示す点火器の分解図解図である。 図16および図17に示す点火器のノズル部の一例を示す図解図であって、図18(A)は、その断面的正面図解図であり、図18(B)は、図18(A)の右側面図解図である。 図16および図17に示す点火器の調整部材の一例を示す図解図であって、図19(A)は、その断面的正面図解図であり、図19(B)は、図19(A)の右側面図解図である。 図16および図17に示す点火器の火力調整機構の一例を示す図解図であって、例えば火力を小さくした状態を示す断面的正面図解図である。 図16および図17に示す点火器の火力調整機構の一例を示す図解図であって、例えば火力を大きくした状態を示す断面的正面図解図である。 本発明に係る点火器のさらに他の例を示す断面的要部正面図解図である。 図22に示す点火器の分解図解図である。 図22および図23に示す点火器のノズル部の一例を示す図解図であって、図24(A)は、その断面的正面図解図であり、図24(B)は、図24(A)の右側面図解図である。 図22および図23に示す点火器の調整部材の一例を示す図解図であって、図25(A)は、その断面的正面図解図であり、図25(B)は、図25(A)の右側面図解図である。 図22および図23に示す点火器の火力調整機構の一例を示す図解図であって、例えば火力を小さくした状態を示す断面的正面図解図である。 図22および図23に示す点火器の火力調整機構の一例を示す図解図であって、例えば火力を大きくした状態を示す断面的正面図解図である。 本発明に係る点火器のさらに他の例を示す分解正面図解図である。 図28の断面的要部拡大図解図である。 図28,図29および図30に示す点火器のガスコックと把持部材とを連結手段を介して連結した状態を示す断面的要部拡大図解図である。 本発明に係る点火器の使用状態の一例を示す斜視図解図である。 図31に示す使用状態において、ガスレンジとガスレンジにガスを導入するガス配管との間に配置されるガスコック、点火器のガスコックにガスを導入するガス導入路とガス配管との間に配置されるガスコック、および、点火器のガスコックに用いられ得るガスコックの取り付け構造の一例を示す断面図解図である。 図32に示すガスコックの取り付け構造の分解断面図解図である。 図32および図33に示すガスコックの取り付け構造の他の例を示す要部拡大断面図解図である。 図32および図33に示すガスコックの取り付け構造のさらに他の例を示す要部拡大断面図解図である。 図36(A)は、本発明に係る点火器の別の例の概要を示す一部断面図解図であり、図36(B)は、図36(A)のA部の拡大図解図である。 図37(A)は、図36(A)の要部の内部を示す拡大正面図解図であり、図37(B)は、図37(A)の左側面図解図である。 図36および図37に示す点火器の変形例の一例を示す図解図であって、図38(A)は、その要部の内部を示す拡大正面図解図であり、図38(B)は、図38(A)の左側面図解図であり、図38(C)は、図38(A)の右側面図解図である。 図36および図37に示す点火器の変形例の他の例を示す図解図であって、図39(A)は、その要部の内部を示す拡大正面図解図であり、図39(B)は、図39(A)の左側面図解図であり、図39(C)は、図39(A)の右側面図解図である。 図36および図37に示す点火器の変形例のさらに他の例を示す図解図であって、図40(A)は、その要部の内部を示す拡大正面図解図であり、図40(B)は、図40(A)の左側面図解図であり、図40(C)は、図40(A)の右側面図解図である。
図1は、本発明に係る点火器の一例を示す斜視図解図である。図2は、図1に示す点火器の内部構造の一例を示す分解正面図解図であって、図2(A)は、点火器本体を示す正面図解図であり、図2(B)は、点火器本体を把持部材および保護部材に組み込んだ状態の一部省略正面図解図である。
点火器10は、図2(A)に示すように、長手方向に延びる円筒状のガスパイプ12を含む。ガスパイプ12は、たとえば金属で形成され、その長手方向(軸方向)の一端側には、この点火器10に供給されるガス量を調整するガスコック14が配設されている。ガスコック14は、ゴムホース等の可撓性を有するガス導入路(図示せず)を介して、点火器10の外部に適宜配置されたガスボンベ等のガス供給源(図示せず)と接続されている。
一方、ガスパイプ12の長手方向の他端側には、ガスが噴出されるノズル孔16aを有するノズル部16が配設されている。さらに、ガスパイプ12の長手方向の他端側には、たとえば円筒状の火炎筒18が配設されている。火炎筒18は、その長手方向の一方側にノズル部16が内設されるように、火炎筒18の長手方向(軸方向)の一端側がガスパイプ12の長手方向の他端側に接続されている。火炎筒18の長手方向の他方側には、その先端部に火炎が噴出される火炎口18aを有している。
点火器10は、ガスパイプ12に装着され、ガス着火のための圧電ユニット20をさらに含む。圧電ユニット20は、ガスパイプ12の長手方向の中間部に配設され、圧電素子(図示せず)および当該圧電素子を殴打する打撃片(図示せず)を内蔵するシリンダ部22と、シリンダ部22に接続され、打撃片を押圧操作する操作部24と、火炎筒18の火炎口18aの近傍に配設された放電端子26との間に接続される導線部28とを備え、放電端子26と火炎口18aの周端部間に放電電圧を印加するためのものである。
この場合、例えば、シリンダ部22には、操作部24に連結したピストン部(図示せず)が摺動自在に嵌合され、ピストン部には打撃片および弾圧スプリングが内蔵される。操作部24でピストン部が押圧されると、打撃片が弾圧スプリングの弾圧力で圧電素子が殴打される。この圧電素子の殴打によって放電電圧が印加される。
また、放電端子26は、図2(A)および図3に示すように、その先端側が内側に屈曲されてL字状またはこれに近似した形状に形成されている。放電端子26は、たとえば角柱状の碍子部30に貫装されて保護されている。碍子部30は、放電端子26の先端部が火炎口18aの周端部近傍に対向させて位置するように、取り付けブラケット32によって火炎筒18に支持されている。取り付けブラケット32は、たとえば断面略C字形ループ状の挿嵌部34を含む。挿嵌部34の周方向の両端には、それぞれ、正面視矩形の一対の連結片36a,36bが形成され、さらに、一対の連結片36a,36bの先端部には、断面「く」の字状の一対の挟持片38a,38bが形成されている。挿嵌部34、一対の連結片36a,36bおよび一対の挟持片38a,38bは、弾性を有するたとえば金属材料で一体的に形成されている。一対の連結片36a,36bは、その略中央部に互いに対向し連通可能なネジ孔(図示せず)を有する。
放電端子26は、特に、図3に示すように、火炎筒18が挿嵌部34の内側に挿通され、碍子部30が一対の挟持片38a,38b間に配置された状態で、小ネジ,ボルト等の螺合部材40がネジ孔に螺合されることによって、一対の挟持片38a,38b間に碍子部30が締め付けられて挟掴される。この場合、螺合部材40の締め付けを緩めることで、挿嵌部34を火炎筒18の軸方向に摺動させ、碍子部30に保護された放電端子26の取り付け位置を適宜変更することができる。上記したように、放電端子26を支持する構成とすることにより、ガスへの着火性に大きく影響する放電端子26および火炎口18aの周端部間の間隔を正確に、且つ、容易に変更可能に位置決めすることができる。
この点火器10では、シリンダ部22、操作部24、放電端子26、導線部28および碍子部30がユニット化されて圧電ユニット20を構成しているため、当該圧電ユニット20の取扱いが簡便である。
この点火器10では、図2および図3に示すように、火炎筒18が、たとえば正面視円形の第1の空気導入孔42を有する。第1の空気導入孔42は、たとえば火炎筒18の長手方向の一方側の周面で、ノズル孔16aの近傍に対応する部位に配設される。第1の空気導入孔42は、外部空気をノズル孔16aの近傍に導入するための機能を担っている。さらに、火炎筒18は、図3に示すように、その長手方向の他方側の周面に、火炎筒18の半径方向に対向するたとえば一対のスリット44a,44bを有する。ノズル孔16aから噴出したガスは、火炎口18aから噴出されると共に、この一対のスリット44a,44bからも噴出されるので、放電端子26および火炎口18aの周端部間に放電電圧を印加して着火するときの着火性が向上される。
点火器10は、図1に示すように、たとえばプラスチック製で筒状の把持部材50をさらに含む。把持部材50は、図2(B)に示すように、ガスパイプ12の長手方向の一端側から中間部をカバーするものである。把持部材50は、特に、図4に示すように、2分割可能な線対称に形成された一対の把持部本体52a,52bを含む。一対の把持部本体52a,52bは、同一構造を有するため、一方の把持部本体52aについてのみ説明する。
把持部本体52aは、図4に示すように、トレー状に形成され、その長手方向の一端側、他端側および長手方向の中間部に、ガスパイプ12の長手方向の一方側を把持部材50内に位置決めして支持するためのたとえば3つの位置決め支持部54aが同一軸線上に配設されている。3つの位置決め支持部54aは、それぞれ、断面半円状の切欠き部56aを有する一対の支持片58aを含み、一対の支持片58aは、把持部本体52aの主面の内側面から垂直に立設されている。一対の支持片58aは、把持部本体52aの長手方向に対向するように配設されている。
また、把持部本体52aの長手方向の一端部には、図4に示すように、ガスコック14側に接続されるガスパイプ12の長手方向の他端側が挿通可能となるたとえば半円状の凹部60aが配設される。把持部本体52aの長手方向の他端部には、後述する保護部材80の開放口80A側(根元側)が挿通可能となる断面U字状の取り付け口部62aが配設される。
さらに、把持部本体52aの長手方向の他端側には、把持部本体52aの幅方向の一端側から外方に突出する突出部53aが配設されている。この突出部53aには、圧電ユニット20のシリンダ部22および操作部24を位置決め支持する位置決め嵌合部64aが配設されている。位置決め嵌合部64aは、圧電ユニット20の操作部24の少なくとも一部が把持部本体52aから外側に突出するように、シリンダ部22および操作部24を位置決めするものである。位置決め嵌合部64aは、把持部本体52aの主面の内側面から垂直に立設される一対の嵌合片66aで形成されている。一対の嵌合片66aは、把持部本体52aの長手方向に所定の間隔を隔てて対向するように配設されている。一対の嵌合片66aの間隔は、シリンダ部22の直径と略同じか僅かに大きく形成されている。
把持部材50は、図4に示すように、一対の把持部本体52a,52bを重ね合わせた状態で固定・保持する複数の螺合部材68および70を含む。複数の螺合部材68は、たとえば六角穴付きボルトで形成され、螺合部材70は、たとえば六角ナットで形成されている。
把持部本体52aの主面の内側面には、図4に示すように、複数の螺合部材68を挿通するためのたとえば円筒状の複数の挿通凸片72aが配設されている。複数の挿通凸片72aは、把持部本体52aの幅方向の両側で、且つ、把持部本体52aの長手方向に間隔を隔てて配設されている。複数の挿通凸片72aは、把持部本体52aの主面の内側面から垂直に立設されている。複数の挿通凸片72aは、それぞれ、台座部74aを有し、挿通凸片72aの挿通孔76aは、台座部74aおよび把持部本体52aの主面をその内側面から外側面に貫通するものである。
また、複数の挿通凸片72aの内、たとえば2つの挿通凸片72aは、取り付け口部62aの近傍で、把持部本体52aの幅方向に所定の間隔を隔てて配設されている。2つの挿通凸片72aは、他の複数の挿通凸片72aと比べて、台座部74aを備えるものとはなっていない。取り付け口部62a近傍の2つの挿通凸片72aは、その間に導線部28の基端部側を配置して位置決めするためのものであって、当該取り付け口部62a近傍の2つの挿通凸片72a間の間隔は、導線部28と略同じか僅かに大きく形成されている。
一方、把持部本体52aの主面の外側面には、複数の挿通凸片72aの挿通孔76aの周囲に、座ぐり部78a(図示せず)が形成されている。図4では、把持部本体52aの座ぐり部78aは図示されていないが、図4に図示されている把持部本体52bの座ぐり部78bと同様の態様を有するものである。複数の座ぐり部78aは、それぞれ、たとえば「もみ下げ」によりに形成され、当該座ぐり部78aの内側に、螺合部材68の頭部および螺合部材70を沈下させるための機能を有するものとなっている。
図4では、構成部材の参照符号の末尾に「b」を付し、一方の把持部本体52aの参照符号の末尾「a」と区別しているだけに過ぎず、把持部材50を構成する他方の把持部本体52bは、上記した一方の把持部本体52aと同じ名称で同じ機能を有する構成部材により形成されている。したがって、本明細書中で一方の把持部本体52aの構成部材の説明している箇所で、当該図4に図示されていない場合には、図4に図示されている他方の把持部本体52bの構成部材の態様を参照することをここに付記する。
点火器10は、図1に示すように、たとえば金属製で筒状体に形成された保護部材80をさらに含む。保護部材80は、ガスパイプ12の長手方向の中間部から他端側に延設され、ガスパイプ12および火炎筒18をカバーするものである。この場合、保護部材80は、上記した把持部材50に取り外し自在に接続され、特に、図2(B)に示すように、圧電ユニット20の導線部28および放電端子26を覆うように、ガスパイプ12の長手方向の中間部から他端側を経由して火炎筒18の先端方向に延設され、ガスパイプ12および火炎筒18をカバーしている。
保護部材80は、図5に示すように、その長手方向の一端に開放口部80Aを有する断面矩形の筒状体で形成されている。保護部材80は、正面部82a、平面部82b、背面部82cおよび底面部82dの4面を有するたとえば1つの筒状体本体82を含む。保護部材80は、その正面部82a、背面部82cおよび底面部82dに、長孔84を有する。正面部82aおよび背面部82cには、それぞれ、たとえば2つの長孔84が配設され、底面部82dには、たとえば1つの長孔84が配設されている。これらの長孔84は、筒状体本体82の長手方向に延び設けられている。正面部82aおよび背面部82cに設けられた2つの長孔84は、それぞれ、筒状体本体82の幅方向に間隔を隔てて配設されている。
これらの長孔84は、図2(B)に示すように、火炎筒18に設けられた第1の空気導入孔42に外部空気を導入し、且つ、火炎筒18を冷却する外部空気を導入する第2の空気導入孔としての機能を有するものである。第2の空気導入孔としての複数の長孔84は、それぞれ、第1の空気導入孔42の近傍に配設されている。複数の長孔84は、それぞれ、少なくともその一部が第1の空気導入孔42と連通するように配設されている。
また、保護部材80は、その先端部に、つまり、保護部材80の長手方向の一端に、噴出口86を有する。噴出口86は、少なくとも火炎口18aと対向して連通可能となり、火炎筒18の火炎口18aから噴出される火炎を外部に噴出させるものである。さらに、保護部材80は、その先端部に防風壁部88が配設されている。防風壁部88は、筒状体本体82と一体的に形成されている。この防風壁部88は、噴出口86の周縁端86aと保護部材80の周縁端80Bとの間に配設され、保護部材80の長手方向の他端において、噴出口86を除く部分の当該保護部材80の先端部を閉鎖するものとなっている。
また、保護部材80の長手方向の一端側寄りの正面部82aおよび背面部82cには、それぞれ、たとえば3つの接続孔89が間隔を隔てて配設されている。これらの接続孔89は、保護部材80と上記した把持部材50とを小ネジ等により取り外し自在に接続するためのものである。
上記した保護部材80では、図5に示すように、筒状体本体82がたとえば1つの単位部材で形成されているが、保護部材80の構成は、それに限定されるものではなく、たとえば図6に示すように、たとえば断面「コ」字状で長手方向に延びるたとえば2つの長片体83A,83Bを組み合せることによって、断面矩形の筒状体83を形成するようにしてもよい。この場合、一方の長片体83Bの長手方向の一端には、噴出口86および防風壁部88を有するたとえば矩形状の保護片85が配設されている。
次に、ガスパイプ12および圧電ユニット20を把持部材50および保護部材80によってカバーする方法の一例について、図2、図4および図7を参照しながら説明する。
先ず、火炎筒18、圧電ユニット20の放電端子26,碍子部30,導線部28およびガスパイプ12の長手方向の他端側から中間部に至る部位が、図2(B)に示すように、保護部材80の開放口部80Aを介して、保護部材80の中に挿通される。
また、一方の把持部本体52aが、その主面の内側面を上に向けて配置される。
そして、保護部材80の開放口部80A側が、図7に示すように、把持部本体52aの取り付け口部62aに嵌め込まれ、且つ、ガスパイプ12の長手方向の一端側から中間部に至る部位が、図2に示すように、把持部本体52aの3つの位置決め支持部54aおよび凹部60aに嵌め込まれて位置決めされる。
このとき、圧電ユニット20のシリンダ部22および操作部24は、操作部24の少なくとも一部が把持部本体52aから外側に突出するように、位置決め嵌合部64aに嵌め込まれて位置決めされる。また、圧電ユニット20の導線部28は、取り付け口部62a近傍の2つの挿通凸片72aの間に配置されて位置決めされる。
その後、一方の把持部本体52aの主面の内側面上には、たとえば図4に示すように、他方の把持部本体52bの主面の内側面が対向するように配置され、一対の把持部本体52a,52bが重ね合わされる。それから、一方の把持部本体52aの主面の外面側から、複数の螺合部材68が、複数の挿通凸片72a,72bの挿通孔76a,76bに挿通され、他方の把持部本体52bの主面の外面側で、複数の螺合部材70と螺合される。この場合、保護部材80の開放口部80A側と把持部材50との接続は、把持部材50の取り付け口部62a,62b近傍の2つの挿通孔76a,76bと、保護部材80の開放口部80A側寄りの2つの接続孔89とに、把持部本体52aの主面の外面側から螺合部材68が挿通され、把持部本体52bの主面の外面側で、螺合部材70と螺合される。
それによって、一対の把持部本体52a,52bは接続・固定され、図1に示すように、圧電ユニット20の操作部24の一部およびガスコック14が外部に露出されるように、把持部材50および保護部材80の中に、ガスパイプ12、ノズル部16、火炎筒18、圧電ユニット20がセットされる。
この点火器10では、ガスコック14を開き、ガスをノズル孔16aから前方に噴出させた後、操作部24を操作して下方に押圧させると、圧電素子に放電電流が発生され、この放電電流は、導線部28およびガスパイプ12,火炎筒18をそれぞれ通って、放電端子26と火炎筒18の火炎口18aの周端部との間に放電電圧が印加されることによって、火炎口18aから噴出される混合ガスに着火することができる。
発明者の実験によると、点火器10の長手方向にみて、たとえば図2に示すように、保護部材80の噴出口86の先端から、第1の空気導入孔42の中心部近傍またはノズル部16のノズル孔16a近傍に至る距離をL1とし、火炎筒18の先端(火炎口18a)から保護部材80の先端(噴出口86)に至る距離をL2としたとき、L1:L2=4:1〜30:1の範囲に設定されることが好ましく、L1:L2=6:1〜13:1の範囲に設定されることがさらに好ましい。
すなわち、L1:L2の比が上記のように設定されることによって、火炎筒18の火炎口18aから噴出される火炎が外部からの風、または、汁,油,煤等の異物により吹き消されること(吹き消え)を極力低減させるという、防風壁部88の効果をより一層効果的に発揮させることができるものとなっている。
図1〜図7に示す上記した点火器10では、放電端子26がノズル孔16aの近傍ではなく火炎口18aの近傍に配置され、火炎口18aの先端部および放電端子26が保護部材80によりカバーされていて、さらに、放電端子26および火炎口18aの周囲に位置する保護部材80の周面には、従来技術(例えば、特許文献1参照。)のように、外部より空気を取り込むための空気取入口が設けられていないため、放電端子26に絶縁物が付着して放電火花が弱くなって着火性が低下する、あるいは、着火自体が困難となるなどの不具合を解消することができる。
さらに、火炎口18aから噴出された火炎が外部に吹き出る保護部材80の先端部には、噴出口86を除いて防風壁部88で閉塞されているため、火炎筒18の火炎口18aから噴出される火炎が外部からの風、または、汁,油,煤等の異物により吹き消されること(吹き消え)を極力低減させることができる。この場合、防風壁部88により保護部材80の先端部が噴出口86を除いて閉塞される構成ではあるが、第2の空気導入孔としての長孔84から外部空気が第1の空気導入孔42に導入されるため、ノズル部16のノズル孔16aから噴出するガスに外部空気を十分に混合させることができるため、火炎の形成に支障を来たすことは無い。
しかも、第2の空気導入孔としての長孔84は、火炎筒18を冷却する機能を有するものとなっているので、当該長孔84から導入された外部空気によって、火炎口18a,放電端子26および保護部材80自体が過熱しないように、それらの部材を冷却することができる。
また、この点火器10では、把持部材50と保護部材80との接続を解除して当該把持部材50および保護部材80を分離し、さらに、把持部材50を2つに分割することによって、1つの点火器10を、把持部材50、保護部材80、把持部材50および保護部材80でカバーされたガスパイプ12および圧電ユニット20の各部材に分割して別々にすることができる。そのため、各部材の交換および修理等が簡便に行えることができる。
さらに、この点火器10では、操作者の手元で圧電ユニット20の操作部24を操作することにより着火することができるため、当該点火器10を溶鉱炉,各種加熱炉等のバーナの点火に用いられる工業用の点火棒として利用するにあたって、ガスパイプ12の長さをたとえば例えば1m〜3mの長さに延設した場合でも、従来技術(例えば、特許文献2および特許文献3参照。)のように炎孔ないし火口を操作者の手元まで持ってくる必要がない。そのため、着火および消火の操作を1人で行う場合であっても、着火および消火の操作が極めて簡便に行えるものとなっている。
すなわち、この点火器10は、一般厨房用または業務厨房用ガスレンジ等の加熱機器の点火あるいは液体燃料,固形燃料等の可燃物の点火に用いられる点火棒と、溶鉱炉,各種加熱炉等のバーナの点火に用いられる工業用の点火棒との両方に用いられて好適な点火器10である。
図8は、本発明に係る点火器の他の例を示す斜視図解図である。図9は、図8に示す保護部材の継手構造に用いられる継手部材の一例を示す図解図であって、図9(A)は把持部材側に配置される手元側継手部材の一例を示す正面図解図であり、図9(B)は、図9(A)のA−A線における断面図であり、図9(C)は保護部材側に配置される延長側継手部材の一例を示す正面図解図であり、図9(D)は、図9(C)のB−B線における断面図である。
図8,図9に示す点火器10では、特に、図1〜図7に示す上述の点火器10と比べて、ガスパイプ12の長さが延設された場合の保護部材80の取り付け構造を示すものであって、特に、継手手段90によって、ガスパイプ12の延設長さに応じて、当該ガスパイプ12をカバーする構造となっている。
すなわち、継手手段90は、たとえば筒状の2つの継手部材92,94を含む。一方の継手部材92は、図9(A),(B)に示すように、たとえば断面矩形筒状の継手部本体96を含む。継手部本体96は、その長手方向の一端側および他端側に、それぞれ、たとえば3つの連結孔98を有する。継手部本体96の長手方向の一端側に配設された3つの連結孔98の内、たとえば2つの連結孔98は、取り付け口部62(62a,62b)の近傍の2つの挿通孔76a,76bと連通可能に配設されている。
他方の継手部材94は、図9(C),(D)に示すように、たとえば断面U字状の継手部本体100を含む。継手部本体100は、その長手方向の一端側および他端側に、それぞれ、たとえば3つの連結孔102を有する。継手部本体100の長手方向の一端側に配設された3つの連結孔102は、上記した一方の継手部材92の長手方向の他端側に配設された3つの連結孔98と連通可能に配設されている。また、継手部本体100の長手方向の他端側に配設された3つの連結孔102は、図8に示すように、保護部材80の長手方向の一端側に配設された3つの連結孔89(例えば、図5参照。)と連通可能に配設されている。
なお、継手部材92の幅方向の幅および高さ方向の高さは、それぞれ、継手部材94の幅方向の幅および高さ方向の高さよりも僅かに大きく形成されている。
ガスパイプ12の長さが延設された場合、上記した延長手段90によって保護部材80の長さも、ガスパイプ12の延設長さに応じ、継ぎ足されて延設される。この場合、先ず、たとえば継手部材92の長手方向の一端側が、把持部材50の取り付け口部62(62a,62b)に嵌挿される。それから、継手部材92の長手方向の一端側と把持部材50の取り付け口部62(62a,62b)側とは、継手部材92の長手方向の一端側の2つの連結孔98と、把持部材50の取り付け口部62(62a,62b)の近傍の2つの挿通孔76a,76bとを介して、ボルト,ナット等の螺合部材(図示せず)によって螺着される。
次に、継手部材92の長手方向の他端側には、継手部材94の長手方向の一端側が嵌挿される。それから、継手部材92の長手方向の他端側と継手部材94の長手方向の一端側とは、継手部材92の長手方向の他端側の3つの連結孔98と、継手部材94の長手方向の一端側の3つの連結孔102とを介して、ボルト,ナット等の螺合部材(図示せず)によって螺着される。
さらに、継手部材94の長手方向の他端側には、保護部材80の長手方向の一端側が嵌挿される。それから、継手部材94の長手方向の他端側と保護部材80の長手方向の一端側とは、継手部材94の長手方向の他端側の3つの連結孔102と、保護部材80の長手方向の一端側の3つの接続孔89とを介して、ボルト,ナット等の螺合部材(図示せず)によって螺着される。
図8に示す上述の点火器10では、ガスパイプ12の長さを例えば1m〜3mに長く形成した場合でも、2つの継手部材92,94を把持部材50および保護部材80間に組み込むことによって、当該継手部材92,94を介して、ガスパイプ12の延長部分を保護部材80および2つの継手部材92,94によりカバーすることができる。したがって、この点火器10は、一般厨房用または業務厨房用ガスレンジ等の加熱機器の点火に用いられるときの標準長さ(例えば10cm〜35cm程度)より長い場合でも、つまり、溶鉱炉および各種加熱炉等の工業用バーナの点火に用いられるときの長さが例えば1m〜3mの場合であっても、把持部材50を握って点火器10の操作を簡便なものとすることが可能となっている。
図10は、本発明に係る点火器のさらに他の例を示す断面的要部正面図解図であり、図11は、図10に示す点火器の分解図解図である。図12は、図10および図11に示す点火器のノズル部の一例を示す図解図であって、図12(A)は、その断面的正面図解図であり、図12(B)は、図12(A)の右側面図解図である。図13は、図10および図11に示す点火器の調整部材の一例を示す図解図であって、図13(A)は、その断面的正面図解図であり、図13(B)は、図13(A)の右側面図解図である。
図10,図11に示す点火器10では、図1〜図7および図8,図9に示す点火器10と比べて、ノズル部の構成が相違し、特に、ノズル部に着脱自在に配設され、ノズル部から噴出されるガス量を調整することが可能な調整部材をさらに含んでいる点で相違している。
すなわち、この点火器10は、ノズル部110を含み、ノズル部110は、図12に示すように、その内部にガス移動経路部112を有する、たとえば円筒状のノズル本体114を含む。ノズル本体114の軸方向の中間部には、その外周部にガス移動経路部112と連通する連通孔116を有する。連通孔116は、ノズル本体114の円周方向に間隔を隔てて配設された断面円形の貫通孔および外周部の周方向に沿って配設される断面C字状ないしそれに近似した弧状のスリット孔等の態様を有するものである。ノズル本体114の軸方向の一端には、ノズル孔118aを有するたとえば円錐状のノズル先端部118が形成されている。
また、ノズル本体114の軸方向の中間部には、その外周部に、たとえば2つのフランジ部120および122が形成されている。一方のフランジ部120の外周面には、ネジ面120aが形成されている。さらに、ノズル本体114の軸方向の他端側には、その外周面に、ノズル本体114をガスパイプ12に螺挿するためのネジ面124が形成されている。2つのフランジ部120および122は、ノズル本体114の軸方向に間隔を隔てて形成され、フランジ部120および122間には、Oリング等の密封手段126が配設されている。
上記したノズル部110のノズル本体114には、図10に示すように、キャップ状の調整部材130が取り付けられる。調整部材130は、図13に示すように、金属等で円筒状に形成される調整部本体132を含む。調整部本体132の軸方向の一端には、その略中央にたとえば円形の開口部134aを有する先端面部134が配設されている。この先端面部134の開口部134aは、上記したノズル部110のノズル孔118aと対向配置され、連通するように配設されている。調整部本体132の軸方向の中間部には、その内周面にノズル本体114のネジ面120aと螺合されるネジ面136が形成されている。調整部本体132の軸方向の他端側には、その外周面に、たとえば棒状のハンドル138が配設されている。
一方、ガスパイプ12の長手方向(軸方向)の他端側には、図11に示すように、その内周面に、上記したノズル部110のネジ面124に螺合されるネジ面12aが形成され、その外周面に、ネジ面12bが形成されている。また、火炎筒18の長手方向(軸方向)の一端側には、その内周面に、前記ガスパイプ12のネジ面12bと螺合されるネジ面18bが形成されている。さらに、火炎筒18の長手方向の一端側には、調整部材130のハンドル138を外方に露出可能とする露出開口部18cとして、当該火炎筒18の外周部に沿って、断面C字状ないしそれに近似した弧状のスリット孔等が配設されている。さらに、火炎筒18は、その長手方向の一端側に、前記露出開口部18cと連通し、前記ハンドル138を露出開口部18cに案内する切欠き部(図示せず)を有している。
図10,図11に示す点火器10において、ノズル部110および調整部材130をガスパイプ12および火炎筒18内に組み込む場合、例えば、先ず、ノズル部110のネジ面124とガスパイプ12のネジ面12aとが螺合されることにより、ノズル部110およびガスパイプ12が接続される。次に、ノズル部110のネジ面120aと調整部材130のネジ面136とが螺合されることにより、螺接面(ネジ面120a,ネジ面136)を介して、調整部材130がノズル本体132の軸方向に変位可能にノズル部110に嵌め込まれる。さらに、調整部材130の軸方向の一端側から、火炎筒18が嵌め込まれる。この場合、調整部材130のハンドル138は、火炎筒18の切欠き部に挿通され、且つ、当該切欠き部に案内されて火炎筒18の露出開口部18cに配置されることによって、露出開口部18cから外方に露出されるものとなる。そして、ガスパイプ12のネジ面12bと火炎筒18のネジ面18bとが螺合されることによって、ガスパイプ12と火炎筒18とが接続される。
図10,図11に示す点火器10では、ノズル部110のノズル本体114と調整部材130との協働作用により、調整部材130の開口部118aから噴出されるガス量を調整することができる。すなわち、この点火器10では、調整部材130のハンドル138を操作し、当該ハンドル138を火炎筒18の露出開口部18cに沿って移動させることによって、螺接面(ノズル本体114のネジ面120a,調整部材130のネジ面136)を介して、調整部材130をノズル本体114の軸方向に変位させることができる。つまり、ノズル部110および調整部材130は、ネジ面120aおよびネジ面136を対偶素として互いに接触し、ねじ対偶の関係にあるので、ノズル部110を静止させた場合、当該ノズル部110と螺接された調整部材130は、回転しながらノズル部110の軸方向に直線運動可能となる。そのため、たとえば図14に示すように、調整部材130をノズル本体114側に変位させて、調整部材130とノズル先端部118のテーパ状部118bと当接させると、調整部材130の開口部134aとノズル先端部118のテーパ状部118bとの間の間隙Gを閉塞することができる。この場合、ガスは、ノズル先端部118のノズル孔118aのみから噴出される。
また、前記ハンドル138を操作して、調整部材130を、ノズル先端部118の前方方向、つまり、ノズル先端部118と離間する方向に変位させると、たとえば図15に示すように、当該調整部材130とノズル先端部118のテーパ状部118bとの間に間隙Gを有するものとなる。この場合、ガスは、ノズル本体部114の連通孔116を介して、前記間隙Gからも放出され、ノズル先端部118のノズル孔118aから噴出されるガスに引き込まれて、一緒に、調整部材130の開口部134aから噴出される。
したがって、この点火器10では、調整部材130をノズル本体114の軸方向に変位させることによって、火炎筒18の火炎口18aから噴出され、保護部材80の噴出口86から噴出される火炎の火力を極めて簡単に調整することができる。
図16は、本発明に係る点火器のさらに他の例を示す断面的要部正面図解図であり、図17は、図16に示す点火器の分解図解図である。図18は、図16および図17に示す点火器のノズル部の一例を示す図解図であって、図18(A)は、その断面的正面図解図であり、図18(B)は、図18(A)の右側面図解図である。図19は、図16および図17に示す点火器の調整部材の一例を示す図解図であって、図19(A)は、その断面的正面図解図であり、図19(B)は、図19(A)の右側面図解図である。
図16,図17に示す点火器10では、図10,図11に示す上述の点火器10と比べて、ノズル部110のノズル本体114の構成だけが相違し、それ以外は、図10,図11に示す点火器10と略同じ構造を有するものである。したがって、以下には、ノズル部110のノズル本体114の構造についてのみ、詳細に説明する。
この点火器10では、特に、ノズル部110のノズル本体114において、ノズル先端部118に発条作用が付与される構造を有するものとなっている。この場合、点火器10のノズル部110には、ノズル本体114の軸方向の中間部からノズル先端部118のノズル孔118aの周囲に亘って、たとえば4条のスリット部140a,140b,140c,140dが配設されている。スリット部140a〜140dは、ノズル先端部118をその周方向にたとえば4分割することによって、ノズル先端部118に発条作用を付与するものとなっている。また、図10,図11に示す点火器10では、ノズル本体114の軸方向の中間部で、その外周部にガス移動経路部112と連通する連通孔116が設けられていたが、図16,図17に示す点火器10では、当該連通孔116を有するものではない。
図16,図17に示す点火器10では、ノズル部110および調整部材130の協働作用によって、ノズル先端部118のノズル孔118aから噴出されるガス量を調整することができる。すなわち、この点火器10では、調整部材130のハンドル138を操作し、当該ハンドル138を火炎筒18の露出開口部18cに沿って移動させることによって、螺接面(ネジ面120a,ネジ面136)を介して、調整部材130をノズル本体114の軸方向に変位させることができる。そのため、たとえば図20に示すように、調整部材130をノズル本体114側に変位させて、調整部材130をノズル先端部118のテーパ状部118bに押圧させると、ノズル先端部118が4条のスリット部140a〜140dによる発条作用によって、スリット部140a〜140dにより分割された、図18(A)に示すセグメント(分割片)142a〜142dが、ノズル先端部118の内側に付勢され、ノズル孔118aを縮径させることができ、あるいは、閉塞させることもできる。この場合、ノズル孔118aから噴出されるガス量を少なくすることができ、あるいは、ノズル孔118aからのガスの噴出を略停止することもできる。
また、前記ハンドル138を操作して、調整部材130を、ノズル先端部118の前方方向、つまり、ノズル先端部118と離間する方向に徐々に変位させると、ノズル先端部118に対する調整部材130の押圧力が徐々に解除され、ノズル孔118aを、図20に示す縮径させた状態から、図21に示すように、元の状態に拡径させることができる。
したがって、この点火器10では、調整部材130をノズル本体114の軸方向に変位させることにより、ノズル孔118aから噴出されるガス量を調節して、火炎筒18の火炎口18aから噴出され、保護部材80の噴出口86から噴出される火炎の火力を極めて簡単に調整することができる。
図22は、本発明に係る点火器のさらに他の例を示す断面的要部正面図解図であり、図23は、図22に示す点火器の分解図解図である。図24は、図22および図23に示す点火器のノズル部の一例を示す図解図であって、図24(A)は、その断面的正面図解図であり、図24(B)は、図24(A)の右側面図解図である。図25は、図22および図23に示す点火器の調整部材の一例を示す図解図であって、図25(A)は、その断面的正面図解図であり、図25(B)は、図25(A)の右側面図解図である。
図22,図23に示す点火器10では、図16,図17に示す上述の点火器10と比べて、調整部材130をノズル部110の軸方向に変位させる手段が相違し、それ以外は、図16,図17に示す点火器10と略同じ構造を有するものである。したがって、以下には、調整部材130をノズル本体114の軸方向に変位させる手段について、詳細に説明する。
図16,図17に示す点火器10では、調整部材130のハンドル138を操作し、当該ハンドル138を火炎筒18の露出開口部18cに沿って移動させることによって、ノズル本体114のネジ面120aおよび調整部材130のネジ面136の螺接を介して、調整部材130をノズル本体114の軸方向に変位させていたが、図22,図23に示す点火器10では、常時には、ノズル先端部118のノズル孔118aが開口状態となるように、調整部材130に付勢力を付与し、当該付勢力に抗する力を調整部材130に作用させることにより、ノズル先端部118のノズル孔118aが縮径されるように、当該ノズル孔118aの縮径および拡径を調整している。
すなわち、この点火器10では、特に、図23に示すように、ノズル部110と、当該ノズル部110に嵌挿される調整部材130との間に、スプリング等の付勢部材150が組み込まれている。付勢部材150は、図26および図27に示すように、その一端がノズル本体114に固定され、その他端が調整部本体132に固定されている。この場合、付勢部材150の一端は、ノズル部110の軸方向にみて、フランジ部127の前端部に固定され、付勢部材150の他端は調整部本体132の先端面部134の内側端部に固定されている。
また、調整部材130には、たとえば図25に示すように、調整部本体132の軸方向の他端側には、その外周面から外方に突出するたとえば2つの突出部材137,139が配設されている。突出部材137,139は、調整部本体132の半径方向に対向するように配設され、その先端部に、たとえば断面円形の貫通孔137a,139aを備えている。さらに、突出部材137,139の貫通孔137a,139aには、たとえば図22に示すように、ワイヤー,紐等の作用部材144a,145aが取り付けられる。
作用部材144a,145aは、その一端が突出部材137,139の貫通孔137a,139aに取り付けられ、その他端が操作体146に取り付けられる。
この場合、操作体146は、図22に示すように、環状の本体147を含み、本体147の半径方向に対向する2つの操作棒148,149が、本体147と一体的に形成されている。操作棒148,149は、その先端部に、貫通孔148a,149aを備えている。この貫通孔148a,149aに、上記した作用部材144a,145aの他端が取り付けられる。操作体146の本体147は、ガスパイプ12に嵌装され、2つの操作棒148,149は、保護部材80に対して貫設され(図示せず)、外部に露出されるものとなっている。また、調整部本体132に設けられた2つの突出部材137,139は、たとえば図22に示すように、火炎筒18の外周部でその長手方向に延び設けられた開放口部18Hを介して外部に露出されるものとなっている。
火炎筒18の長手方向の一端側には、開放口部18Hと連通し、前記2つの突出部材137,139を当該開放口部18Hに案内する切欠き部(図示せず)を有している。
図22,図23に示す点火器10において、ノズル部110および調整部材130をガスパイプ12および火炎筒18内に組み込む場合、例えば、先ず、ノズル部110のネジ面124とガスパイプ12のネジ面12aとが螺合されることにより、ノズル部110およびガスパイプ12が接続される。次に、調整部材130がノズル部110のノズル孔118aの前方から嵌め込まれ、引き続いて、調整部材130の軸方向の一端側から、火炎筒18が嵌め込まれる。この場合、調整部材130の2つの突出部材137,139は、火炎筒18の前記切欠き部に挿通され、且つ、当該切欠き部に案内されて火炎筒18の開放口部18Hに配置されることによって、開放口部18Hから外方に露出されるものとなる。そして、ガスパイプ12のネジ面12bと火炎筒18のネジ面18bとが螺合されることによって、ガスパイプ12と火炎筒18とが接続される。この場合、付勢部材150は、例えば、ノズル部110のノズル孔118aが、常時には、開口状態となるようにノズル先端部118を付勢し、当該付勢部材150の付勢力に抗する力が作用した場合に、ノズル孔118aを縮径するように、調整部材130とノズル部110との間に組み込まれている。
図16,図17に示す点火器10では、ノズル部110および調整部材130の協働作用によって、ノズル先端部118のノズル孔118aから噴出されるガス量を調整することができる。すなわち、この点火器10では、作用部材144a,145aを介して、調整部材130の2つの突出部材137,139に接続された2つの操作棒148,149を操作し、付勢部材150の付勢力に抗して、調整部材130をノズル本体114の軸方向に引っ張って変位させる。このとき、突出部材137,139は、火炎筒18の開放口部18Hに沿って、ノズル本体114の軸方向に引っ張られて変位される。
そうすることによって、調整部材130は、ノズル先端部118のテーパ状部118bに押圧させる。そのため、ノズル先端部118は、図26に示すように、4条のスリット部140a〜140dによる発条作用によって、スリット部140a〜140dにより分割された、図24(B)に示すセグメント(分割片)142a〜142dが、ノズル先端部118の内側に付勢され、ノズル孔118aを縮径させることができ、また、閉塞させることもできる。この場合、ノズル孔118aから噴出されるガス量を少なくすることができ、あるいは、ノズル孔118aからのガスの噴出を略停止することもできる。
また、操作棒148,149を操作して、調整部材130を、ノズル先端部118の前方方向、つまり、ノズル先端部118と離間する方向に徐々に変位させると、つまり、操作棒148,149を引っ張っていた引張力を徐々に緩めていくと、ノズル先端部118に対する調整部材130の押圧力が徐々に解除され、ノズル孔118aを、図26に示す縮径させた状態から、図27に示すように、元の状態に拡径させることができる。
したがって、この点火器10では、調整部材130をノズル本体114の軸方向に変位させることにより、ノズル孔118aから噴出されるガス量を調節して、火炎筒18の火炎口18aから噴出され、保護部材80の噴出口86から噴出される火炎の火力を極めて簡単に調整することができる。
図28は、本発明に係る点火器のさらに他の例を示す分解正面図解図であり、図29は、図28の断面的要部拡大図解図である。図30は、図28,図29および図30に示す点火器のガスコックと把持部材とを連結手段を介して連結した状態を示す断面的要部拡大図解図である。
図28に示す点火器10では、図1〜図7、図8〜図9、図10〜図15、図16〜図21および図22〜図27を参照して説明した上記各点火器10と比べて、特に、ガスコックおよびその取り付け構造が相違し、それ以外は、上記した各点火器10のいずれかの構造と類似しているので、以下には、ガスコックおよびその取り付け構造についてのみ詳細に説明する。
図28に示す点火器10のガスコック160は、たとえば図29に示すように、一方側から他方側にガスが通過するガス通路160Aおよびガス通路160Aを開閉自在とするレバー等の開閉手段162を備えたガスコック本体164を含む。ガスコック本体164には、その一方端からガス通路160Aの軸線方向外方に突出するように、第1の接続部166が当該ガスコック本体164と一体的に配設される。第1の接続部166は、その内部に、ガス通路160Aと連通する第1の連通路166Aを備えている。この第1の接続部166は、ゴムホース等のガス導入路(図示せず)を介して、ガス供給源(図示せず)側に接続される。
また、ガスコック本体164には、その他方端からガス通路160Aの軸線方向外方に突出するように、第2の接続部168が当該ガスコック本体164と一体的に配設される。第2の接続部168は、その内部に、ガス通路160Aと連通する第2の連通路168Aを備えている。この第2の接続部168は、ガスパイプ12側に接続される。
この点火器10は、ガスコック本体164の第2の接続部168とガスパイプ12とを連結する連結手段170をさらに含む。連結手段170は、その軸方向の一方側がガスパイプ12の長手方向の一端側と螺着されるたとえば円筒状の螺着部172を含む。螺着部172の内周面には、ネジ面174が配設されている。螺着部172は、その軸方向の一端に、ガスパイプ12が螺着され、その軸方向の他端には、たとえば筒形キャップ状の冠着部176が配設されている。
冠着部176は、たとえば有底円筒状のキャップ本体178を含み、キャップ本体178は、その底面部180の中央部に、螺着部172の孔部172Aと連通する連通孔178Aを有している。また、キャップ本体178は、その胴面部182に、当該胴面部182を貫通するたとえば4つのネジ孔184が配設されている。4つのネジ孔184は、胴面部182の円周方向を4等分する位置に配設され、内周面にネジ面185を備えている。冠着部176は、その嵌合穴176Aに、ガスコック本体164の第2の接続部168が内挿されることによって、第2の接続部168に冠着される。この場合、冠着部176の嵌合穴176Aには、ガスコック本体168の第2の接続部168が回動自在に嵌挿される。
この点火器10は、連結手段170の冠着部176と、ガスコック本体164の第2の接続部168とを取り外し自在に取り付ける取り付け手段190をさらに含む。取り付け手段190は、図29〜図30に示すように、その内周面に、ネジ面192を備えるすり割り付きの止めネジ、小ネジおよび植込みボルト等の締結部材が適宜用いられる。取り付け手段190のネジ面192は、冠着部176のネジ面185と螺合可能となるものであり、ネジ面185の軸方向の長さは、ネジ面185の軸方向の長さよりも長く形成されている。
一方、ガスコック本体164には、第2の接続部168の外周面に、たとえば4つの断面円形の係止凹部186が配設されている。4つの係止凹部186は、冠着部176のキャップ本体178に設けられた4つのネジ孔184と連通可能となる位置に配設されている。また、第2の接続部168の外周面には、ガスパイプ12と接続される第2の接続部168の接続端側寄りの位置に、Oリング等の密封手段188が配設されている。
次に、ガスコック160とガスパイプ12との取り付け方法の一例について、図28〜図30を参照しながら、以下、説明する。
先ず、螺着部172のネジ面172Aと、ガスパイプ12の長手方向の一端側に配設されたネジ面(図示せず)とが螺合されることによって、連結手段170の螺着部172と、ガスパイプ12の長手方向の一端側とが接続される。
次に、ガスコック160のガスコック本体164の第2の接続部168が、連結手段170の冠着部176の嵌合穴176Aに内挿される。このとき、ガスコック160のガス通路160Aと、ガスパイプ12のガス通路とは、ガスコック本体164の第1の連通路166A,第2の連通路168A、冠着部176の嵌合穴176A,連通孔178A、および、螺着部172の孔部172Aを介して、連通状態となる。
それから、ガスコック160の開閉手段162が所望する姿勢位置、例えば、当該開閉手段162をガス通路160Aの軸線方向に対して垂直方向に向けた状態で保持された後、冠着部176は、第2の接続部168に取り外し自在に螺設される。つまり、第2の接続部168が冠着部176の嵌合穴176Aに内挿され、第2の接続部168の4つの係止凹部186と、冠着部176の4つのネジ孔184が連通された後、取り付け手段190が当該ネジ孔184に螺合される。このとき、取り付け手段190は、その軸方向の一端部がネジ孔184を貫通し、係止凹部186の底面187に当接されるため、当該取り付け手段190は、抜け止め作用の機能も有するものとなっている。
なお、上記した点火器10では、冠着部176のネジ孔がたとえば4つのネジ孔184で構成され、第2の接続部168の係止凹部がたとえば4つの係止凹部186で構成されたが、冠着部176のネジ孔184および第2の接続部168の係止凹部186の数は、それに限定されるものではなく、2つ以上配設されていればよい。
図28に示す点火器10では、上記した取り付け構造を有することによって、例えば、連結手段170の螺着部172をガスパイプ12の長手方向の一端側に螺着し、連結手段170の冠着部176をガスコック160の第2の接続部168に嵌挿させ、ガスコック160を回動させた後、第2の接続部168に冠着部176を螺設することができる。そのため、図28に示すように、把持部材50に対してガスコック160を所望する姿勢位置に配置した状態で、ガスコック160と把持部材50とを連結手段170を介して接続することができる。
また、この点火器10では、ガスコック160および把持部材50が、それぞれ、連結手段170との接続状態が解除され、さらに、把持部材50を2つに分割することによって、1つの点火器10を、把持部材50、保護部材80、ガスパイプ12、圧電ユニット20、連結手段170およびガスコック160の各部材毎に別々に分けることができる。この場合、前記した各部材の交換および修理等が簡便に行えるものとなっている。
本発明に係る上記した各点火器10は、図31に示すように、例えば、自動点火方式になっていない業務厨房用ガスレンジ等の加熱機器の点火に用いられる点火棒として用いられて好適なものとなっている。また、本発明に係る上記した各点火器10は、図31に示す業務厨房用ガスレンジ等の加熱機器の点火に用いられる点火棒としてだけではなく、一般厨房用ガスレンジ等の加熱機器の点火に用いられる点火棒、あるいは、液体燃料,固形燃料等の可燃物への点火に用いられる点火棒(着火用具)として用いられても好適なものとなっている。
さらに、本発明に係る上記した各点火器10は、特に、溶鉱炉および各種加熱炉等の工業用バーナの点火に用いられる点火棒として、あるいは、各種煙突等において、当該煙突から空気中に排出される煤煙の煤を燃焼させるための点火棒としても適宜用いられて好適なものとなっている。工業用バーナの点火に用いられる点火棒、煤煙の煤を燃焼させるための点火棒として、本発明に係る点火器10を使用する場合には、特に、点火器10のガスパイプ12の長さを、たとえば図8,図9に示すように、継手手段90によって延設し、ガスパイプ12の延設長さに応じて、当該ガスパイプ12を保護部材80でカバーする構造のものが用いられて好適なものとなっている。
図32は、図31に示す使用状態において、ガスレンジとガスレンジにガスを導入するガス配管との間に配置されるガスコック、点火器のガスコックにガスを導入するガス導入路とガス配管との間に配置されるガスコック、および、点火器のガスコックに用いられ得るガスコックの取り付け構造の一例を示す断面図解図である。図33は、図32に示すガスコックの取り付け構造の分解断面図解図である。
このガスコックの取付け構造200は、ガスコック212を含み、ガスコック212はガスコック本体212Aを含む。このガスコック本体212Aは、図32および図33に示すように、y−y線をその中心軸線とし、当該中心軸線y−y方向の一方側から他方側にガスが通過するガス通路214を有する。ガスコック本体212Aは、ガス通路214のガスの移送方向と直交する方向に交差して貫通し、当該ガスコック本体212Aの上面で開口するテーパ孔216を有する。テーパ孔216内には、たとえば断面円錐台形で柱状の閉子218が抜止状態で回動自在に配設されている。
閉子218は、図32および図33に示すように、ガス通路214と連通可能となる連通孔220を有するものである。連通孔220は、閉子218の中心軸線z−zと直交するようにして、閉子218を貫通している。閉子218の上部には、ガスコック212A本体の上端面に位置する軸部222と、軸部222の上部に球頭部224とが連接されている。さらに、球頭部224には、閉子218を回動操作するためのコックレバー226が、ガス通路214の中心軸線y−y方向と同一の中心軸線を有する連通孔220と平面視平行となる位置で配置されている。
閉子218は、コックレバー226をガス通路214と平面視平行となる位置に回転操作させると、連通孔214は全開位置となり、コックレバー226をガス通路214と平面視直交する位置に回転操作させると、連通孔214は全閉位置となるものである。この場合、連通孔220を有する閉子218,軸部222,球頭部224およびコックレバー226は、ガス通路214を開閉自在とする開閉手段の一例として構成されているものである。
ガス通路214の長手方向(中心軸線y−y方向)の一方端側(上流側)には、図32および図33に示すように、ガスコック本体212Aの一方端面から外方に突出するようにして、第1の接続部228が配設されている。第1の接続部228は、後述する中継部材260を介して、ガス導入管(ガス配管)Pの結合部302にねじ結合されるものである。
第1の接続部228は、ガス通路214の中心軸線y−yと同一の中心軸線を有するたとえば円筒状の第1の接続軸部230を含む。第1の接続軸部230の軸方向の基端部には、当該第1の接続軸部230の外径よりも大きいリング状の連結鍔部232が形成されている。この場合、第1の接続軸部230の中空部230aおよび連結鍔部232の中空部232aは、ガス通路214と連通する第1の連通路234として機能を有するものとなっている。
また、連結鍔部232は、ガスコック本体212Aの一方端面に連接され、その外周面に外ねじ部(雄ねじ部)としてのたとえばストレートねじ部236を有する。また、第1の接続軸部230の外周面には、間隔を隔ててたとえば2つの環状の凹溝部238,240が配設されている。
一方、ガス通路214の長手方向(中心軸線y−y方向)の他方端側(下流側)には、図32および図33に示すように、ガスコック本体212Aの他方端面から外方に突出するようにして、第2の接続部242が配設されている。第2の接続部242は、後述するたとえばノズル部材290を介して、たとえば図31に示すようなガスレンジGRに接続されるものである。
第2の接続部242は、先の第1の接続部228と同様に、ガス通路214の中心軸線y−yと同一の中心軸線を有するたとえば円筒状の第2の接続軸部244を含む。第2の接続軸部244は、その外周面にたとえば外ねじ部(雄ねじ部)としてのたとえばストレートねじ部246を有し、その軸方向の基端部には、当該第2の接続軸部244の外径よりもたとえば僅かに大きいリング状の外向きフランジ部248が形成されている。
この場合、第2の接続軸部244の中空部244aおよび外向きフランジ部248の中空部248aは、ガス通路214と連通する第2の連通路250として機能を有するものとなっている。また、外向きフランジ部248の外周面248bおよび環状側壁248cに続く第2の接続軸部244の基端部外周面には、環状の段差部252が形成されている。
このガスコックの取付け構造200は、さらに、筒状の中継部材260を含む。中継部材260は、その軸方向の一方側がガス配管Pとねじ結合され、その軸方向の他方側が上述したガスコック212の第1の接続部228に回動自在に外嵌されると共に、第1の接続部228の第1の連通路234とガス配管Pとを連通状態とするものである。
すなわち、中継部材260は、たとえば円筒状の中継部材本体262を含む。中継部材本体262の軸方向の一方端には、外ねじ部(雄ねじ部)としてのたとえば円錐台筒状のテーパ筒部264が形成されている。当該テーパ筒部264は、その外周面に、ガス導入管(ガス配管)Pとねじ結合可能なテーパねじ部264aを有する。このガス導入管(ガス配管)Pには、中継部材260と接続される部位に、たとえばバーリング成型加工、絞り成型加工およびその他の適宜な加工方法によって、ガス導入管(ガス配管)Pの内側に当該ガス導入管(ガス配管)Pと略垂直に突出して張り出される筒状の結合部302が配設される。
本実施形態例では、当該結合部302がたとえば以下に示す方法により配設される。
すなわち、先ず、ガス導入管(ガス配管)Pの所定の位置に下穴306が開けられる。一方では、その先端部が円錐形の弾丸状に形成されたポンチ(図示せず)が準備される。次に、当該ポンチ(図示せず)が所定の温度に加熱された状態で、ポンチ挿入治具等(図示せず)により、下穴306からガス導入管(ガス配管)Pに挿入される。このとき、下穴306の周縁部が熱応力により外側に押し拡げられ、ガス導入管(ガス配管)Pから分岐された分岐成形部(結合部302に相当)が形成される。そして、下穴306からポンチ(図示せず)が引き抜かれる。それから、結合部302の内周面には、中継部材260のテーパねじ部264aと螺合可能な内ねじ部(雌ねじ部)304が形成される。この中継部材260は、そのテーパねじ部264aと、ガス導入管(ガス配管)Pの結合部302に配設された内ねじ部(雌ねじ部)304とが螺合されることによって、ガス導入管(ガス配管)Pにねじ結合される。
また、中継部材本体262の軸方向の他方端には、係止用外向きフランジ部266が形成されている。中継部材本体262,テーパ筒部264および係止用外向きフランジ部266は、一体的に形成されている。この場合、図33に示す中継部材本体262の中空部263と、テーパ筒部264の中空部265と、係止用外向きフランジ部266の中空部266aとで構成される中継部材260の中空部260aは、特に、図32に示すように、第1の接続部228の第1の連通路234およびガス配管P内と連通されるものとなっている。
このガスコックの取付け構造200は、さらにまた、筒状の連結部材270を含む。連結部材270は、たとえば円筒状の連結部材本体272を含む。連結部材本体272は、その内周面に、内ねじ部(雌ねじ部)としてのたとえばストレートねじ部274を有し、連結部材本体272の軸方向の一方端には、上記した中継部材260の係止用外向きフランジ部266と係止可能な係止用内向きフランジ部276が形成されている。この場合、図33に示す連結部材本体272の中空部272aと当該係止用内向きフランジ部276の中空部276aとで連結部材270の中空部270aが構成され、特に、図32に示すように、係止用内向きフランジ部276の中空部276aの内径は、中継部材260の中継部材本体262の外径よりも僅かに大きく形成されている。
そのため、連結部材270は、中継部材260の軸方向の一方側から嵌挿させて外嵌することが可能となり、且つ、中継部材260の軸方向の他方側の係止用外向きフランジ部266に係止させることが可能となっている。この場合、連結部材270の係止用内向きフランジ部276と中継部材260の外向きフランジ部266とは、たとえば図32および図33に示すように、その軸方向に相対向する端面(276cと266c)部位で当接されるものとなっている。すなわち、連結部材270の係止用内向きフランジ部276の内周面276bに続く環状側壁端面276cと、中継部材260の係止用外向きフランジ部266の外周面266bに続く中継部材本体262の基端側の環状側壁端面266cとが、当接されるものとなっている。
この連結部材270は、当該連結部材270の係止用内向きフランジ部276の環状側壁端面276cと、中継部材260の環状側壁端面266cとが係止可能に外嵌され、さらに、当該連結部材270のストレートねじ部274と、第1の接続部228の連結鍔部232のストレートねじ部236とが、ねじ結合されることにより、中継部材260とガスコック本体212Aとを軸方向に連結させることが可能となっている。
また、このガスコックの取付け構造200は、第1の接続部228とガスコック212の中継部材260とを軸方向に接続する際に、中継部材260および第1の接続部228間に介在されるOリングおよびパッキン等の密封部材280をさらに含む。
すなわち、中継部材260が第1の接続部228に外嵌されるときに、当該中継部材260の内周面260d(たとえば図33参照)と、当該内周面260d(たとえば図33参照)と相対向する第1の接続部228の外周面228aとの間には、図32および図33に示すように、たとえば2つのOリング282a,282bからなる密封部材280が配置される。この場合、2つのOリング282a,282bは、それぞれ、第1の接続軸部230の外周面に間隔を隔てて配設された2つの環状の凹溝部238,240に配置される。
さらに、連結部材270によって中継部材260と第1の接続部228とが軸方向に連結される場合、中継部材260と第1の接続部228の連結鍔部232とが軸方向に相対向する環状の側端面260bおよび232b間に、たとえばパッキン284からなる密封部材280が配置される。
さらに、Oリングおよびパッキン等の密封部材280は、たとえば図33に示すように、第2の接続部242とノズル部材290とがねじ結合される際に、当該第2の接続部242およびノズル部材290間にも介在される。
すなわち、ノズル部材290は、円筒状のノズル部材本体292を含む。ノズル部材本体292の内周面には、内ねじ部(雌ねじ部)294が配設される。ノズル部材本体292は、その軸方向の一端側に、たとえば外向きフランジ部296を有し、その軸方向の他端側に、ノズル孔298を有する。ノズル部材本体292の中空部292aと外向きフランジ部296の中空部296aとノズル孔298とは連通されている。ノズル部材290は、その内ねじ部(雌ねじ部)294と第2の接続部242のストレートねじ部246とが螺合されることによって、当該第2の接続部242にねじ結合されるものである。
この場合、第2の接続軸部244の基端部外周面に配設された環状の段差部252にたとえばOリング286からなる密封部材280が配置され、さらに、ガスコック本体212Aの他方の環状の側端面213と、当該側端面213軸方向に相対向する第2の接続部242の外向きフランジ部248の環状の側端面296bとの間に、パッキン288からなる密封部材280が配置される。
本実施形態例のガスコックの取付け構造200では、図32および図33に示すように、中継部材260の環状側壁端面266cと、連結部材270の係止用内向きフランジ部276の環状側壁端面276cとが係止可能となるように、当該連結部材270が中継部材260に嵌挿されて外嵌される。連結部材270の係止用内向きフランジ部276の中空部276aに挿通された中継部材260は、そのテーパ筒部264のテーパねじ部264aが、ガス導入管(ガス配管)Pの結合部302に設けられたけられた内ねじ部(雌ねじ部)304に螺合される。それによって、ガス導入管(ガス配管)Pの結合部302に中継部材260のテーパ筒部264が強固にねじ結合される。
そして、連結部材270が外嵌された中継部材260の軸方向の他方側には、第1の接続部228の第1の接続筒部230が回動自在に嵌挿される。この場合、ガスコック212のコックレバー226が、ガスコック本体212Aの上面に配置されるように、ガスコック本体212Aの姿勢位置が決定される。つまり、ガス通路の中心軸線y−yに対して、ガスコック212の閉子218の中心軸線z−zが垂直方向の位置となるようにガスコック本体212Aの姿勢位置が調整される。
さらに、上記したガスコック本体212Aの姿勢位置の状態を維持しながら、中継部材260に外嵌された連結部材270のストレートねじ部274と第1の接続部228の連結鍔部232のストレートねじ部236とが螺合される。それによって、連結部材270と連結鍔部232とが強固にねじ結合される。このとき、中継部材260の係止用外向きフランジ部266の環状側壁端面266cと、連結部材270の係止用内向きフランジ部276の環状側壁端面276cとが、当接して係止されるため、当該連結部材270と連結鍔部232とのねじ結合によって、中継部材260とガスコック本体212Aとが強固に連結されることとなる。ガス導入管(ガス配管)P側から移送されるガスは、中継部材260の中空部260a、第1の接続部228の第1の連通路234、ガスコック本体212Aのガス通路214および第2の接続部242の第2の連通路250を介して、ガスレンジGR側へと移送することができる。
この場合、中継部材260の中空部260aには、その軸方向の一方側から、第1の接続部228の第1の接続筒部230が回動自在に嵌挿されているので、ガスコック本体212Aは、中継部材260の軸方向に回動自在に支持されるものとなっている。すなわち、第1の接続部228は、中継部材260に対して軸方向に直動するすべり対偶の状態にあり、且つ、中継部材260の内周方向に回動するまわり対偶の状態に配置されている。そのため、連結部材270によって中継部材260とガスコック本体212Aとが連結される際には、ガスコック本体212Aを所望する姿勢位置に配置させた状態で、当該ガスコック212と中継部材260とを連結させることができる。
したがって、本実施形態例では、ガス導入管(ガス配管)Pに対するガスコック212の取り付け作業に際して、当該ガスコック212を直接回転させることなく、ガスコック212を所望する姿勢位置に保持した状態で、中継部材260の中空部260a内に嵌挿した後、連結部材270により中継部材260とガスコック本体212Aとを連結することができる。そのため、ガスコック212を回転させるための必要最小限の回転スペースを確保することができない場所や、たとえば複数のガスコック212をガス導入管(ガス配管)Pに対して狭い間隔で並列に取り付ける場合においても、従来のガスコックの取付け構造の不具合を解消することができる。しかも、ガスコック212と中継部材260との連結は、連結部材270を回転させてガスコック212にねじ結合させるだけでよいため、ガスコック212の取付け操作も極めて簡便なものとなる。
また、本実施形態例では、連結部材270が、中継部材260の環状側壁端面266cと、連結部材270の係止用内向きフランジ部276の環状側壁端面276cとが係止された状態でガスコック本体212Aとねじ結合されるため、そのねじ結合による締め付け力によって中継部材260とガスコック本体212Aとが互いに引き寄せられる。この場合、中継部材260の内周面260dと、当該内周面260dと相対向する第1の接続部228の外周面228aとの間に、2つのOリング282a,282からなる密封部材280が介在され、さらに、中継部材260と第1の接続部228の連結鍔部232とが軸方向に相対向する環状の側端面260bおよび232b間に、パッキン284からなる密封部材280が介在されるため、ガスコック本体212Aと中継部材260とを連結部材270によって密封した状態に連結することができる。
なお、Oリング282a,282およびパッキン284等の密封部材280は、そのどちらか一方だけを介在するように構成することも適宜可能である。つまり、中継部材260の内周面260dと、当該内周面260dと相対向する第1の接続部228の外周面228aとの間に、2つのOリング282a,282b(密封部材)を配置する構成の密封機構だけを採用してもよいし、あるいは、中継部材260と第1の接続部228の連結鍔部32とが軸方向に相対向する環状の側端面260bおよび232b間に、パッキン284(密封部材)を配置する構成の密封機構だけを採用してもよいし、また、前者および後者の双方の密封機構を採用するようにしてもよい。
図34は、図32および図33に示すガスコックの取り付け構造の他の例を示す要部拡大断面図解図である。
図34に示すガスコックの取り付け構造では、上述した図32および図33に示すものと比べて、特に、中継部材260と連結部材270との接続構造が相違している。すなわち、中継部材260の環状側壁端面266cと、連結部材270の内向きフランジ部276の環状側壁端面276cとが係止された状態で、中継部材260に連結部材270が外嵌されたときに、中継部材260の外向きフランジ部266の外周面266bを固定して連結部材270の緩み止めを防止する接続構造となっている。
この場合、連結部材本体272は、内向きフランジ部276の環状側壁端面276c側寄りに、断面円形の貫通孔320を有する。貫通孔320の内周面には、内ねじ部(雌ねじ部)320aが形成されている。そして、貫通孔320には、止めねじ330が螺嵌され、当該止めねじ330の先端部が中継部材260の外向きフランジ部266の外周面266bを押圧して固定するものとなっている。そのため、図34に示すガスコックの取り付け構造では、連結部材270の緩みによる中継部材260の歪みや位置ずれを防止することができる。
図35は、図32および図33に示すガスコックの取り付け構造のさらに他の例を示す要部拡大断面図解図である。
図35に示すガスコックの取り付け構造では、上述した図34に示すものと比べて、特に、止めねじ330による中継部材260の固定位置が相違している。すなわち、図34に示すガスコックの取り付け構造では、止めねじ330の先端部が中継部材260の外向きフランジ部266の外周面266bを押圧して固定する接続構造となっているが、図35に示すものでは、止めねじ330の先端部が中継部材本体262の基端部側(外向きフランジ部266)寄りを押圧して固定する接続構造となっている。
この場合、貫通孔320は、連結部材270の内向きフランジ部276の外周面から内周面276bに貫通するものとなっている。そして、貫通孔320には、止めねじ330が螺嵌され、当該止めねじ330の先端部が中継部材本体262の基端部側(外向きフランジ部266)寄りを押圧している。そのため、図35に示すガスコックの取り付け構造においても、連結部材270の緩みによる中継部材260の歪みや位置ずれを防止することができる。
図36(A)は、本発明に係る点火器の別の例の概要を示す一部断面図解図であり、図36(B)は、図36(A)のA部の拡大図解図である。図37(A)は、図36(A)の内部の要部を示す拡大正面図解図であり、図37(B)は、図37(A)の左側面図解図である。
この点火器10では、たとえば図1〜図7に示す点火器10と比べて、ガス着火のための圧電ユニット20の構成が相違するものとなっている。図1〜図7に示す点火器10では、放電端子26が取り付けブラケット32により火炎筒18に支持されている。放電端子26は、ガスパイプ12および火炎筒18の外部に位置するものとなっており、この場合、放電端子26は、ガスパイプ12およびノズル部16の軸中心線上に配置されるものとはなっていない。それに対して、図36および図37に示す点火器10では、特に、放電端子が、火炎筒18の機能を有する火口パイプ200の内部に位置するものとなっており、この場合、被覆電線204の先端側から露出し、放電端子としての機能を有する導体部(電極線)214の先端部214aが、ガスパイプ12、ノズル部16および火口パイプ200の軸中心線上に配置されるものとなっている。
すなわち、図36および図38に示す点火器10では、ガスパイプ12およびノズル部16が、たとえば円筒状の1つの火口パイプ200の中に配置され、火口パイプ200の中心軸と、ガスパイプ12およびノズル部16の中心軸とは、同一軸線上に位置するものとなっている。火口パイプ200は、図36に示すように、その軸方向の一端側が把持部材50に取り外し自在に接続され、その軸方向の他端側に延設されている。火口パイプ200の軸方向の他端の開放口は、火炎口200aの機能を有するものである。火口パイプ200は、火口パイプ200内に空気を導入するためのたとえば断面円形の複数の空気導入孔200aが配設されている。複数の空気導入孔200aは、外部の空気を主としてノズル部16のノズル孔16aの前方に供給する機能を有している。
また、火口パイプ200の中には、火炎口200aの周端縁から火口パイプ200の軸方向の一方側に所定の間隔を隔てて、且つ、ノズル孔16aと所定の間隔を隔てて、1つの混合カラー部202が配設されている。この混合カラー部202は、たとえば図36(A)および図37(A),37(B)に示すように、その一端側が圧電ユニット20に接続された被覆電線204の他端側を火口パイプ200の中心軸上に支持する機能を有するものである。被覆電線204は、導体部206を含み、当該導体部206の周囲が絶縁体208で被覆されている。
混合カラー部202は、図37(B)に示すように、断面十字状で柱状のカラー本体210を含み、カラー本体210の中心には、たとえば断面円形の貫通孔210aを有する。カラー本体210は、例えば、軸方向の長さを有する円柱状物(図示せず)を準備し、当該円柱状物の外周面周方向において、等間隔に4つの断面半円状の凹溝部212a,212b,212c,212dが形成されることによって作製され得る。この場合、4つの凹溝部212a〜212dは、円柱状物(図示せず)の軸方向に沿って延び設けられる。混合カラー部202は、その直径が火口パイプ200の内径と略等しく形成され、当該火口パイプ200の内側に嵌脱自在に取り付けられている。
したがって、火口パイプ200の内部には、当該火口パイプ200の内周面と混合カラー部202と4つの凹溝部212a〜212dとの間に、火口パイプ200の周方向に等間隔に4つの空隙部212A〜212Dを有するものとなる。この4つの空隙部212A〜212Dは、後述する混合ガスの流路としての機能を有するものである。以下の説明では、この4つの空隙部212A〜212Dを、混合ガス流路212A〜212Dと呼ぶ。
一方、その一端側が圧電ユニット20に接続された被覆電線204は、図36(A),図36(B)に示すように、火口パイプ200の内周面に沿うように配線されて、当該被覆電線204の他端側が混合カラー部202の貫通孔210aに挿通される。この場合、被覆電線204は、その先端側において、導体部206が絶縁体208から露出するように形成されている。この露出した導体部214の先端部214aが、放電端子としての機能を有し、当該先端部214a(放電端子)は、ガスパイプ12、ノズル部16および火口パイプ200の軸中心線上に配置される。
図36および図37に示す点火器10では、ガスコック14を開けることによって、ガスがガスパイプ12を通ってノズル部16に至り、ノズル孔16aからガスが噴射されることによって、火口パイプ200の複数の空気導入孔200aから空気が取り込まれる。取り込まれた空気は、ガスと混合されて混合ガスとなり、ノズル部16の前方の混合カラー202へと進み、上記した混合ガス流路212A〜212Dを通過する。このとき、混合ガスは、たとえば図37(A)に示すように、混合ガス流路212A〜212Dの出口端212A2〜212D2付近で渦巻き状態の流れとなり、混合ガスがより一層均一な状態となる。[図37(A)では、混合ガス流路212Bおよび212Dは図示せず。]
この場合、たとえば図37(A)で詳述すると、混合ガスが、混合ガス流路212A,212Cの入口端212A1,212C1から進入して、それらの出口端212A2,212C2を通過するときに、出口端212A2,212C2付近が負圧状態となるため、当該混合ガスは、出口端212A2,212C2の中心側に引っ張られ、渦巻き状態となる。このとき、混合ガスは、さらに攪拌されるため、混合ガス中の空気とガスがより一層均一に混合されながら、前方の火炎口200a側へと進む。
一方、この点火器10では、ガスコック14を開き、ガスをノズル孔16aから前方に噴出させた後、操作部24を操作して上方に押圧させると、圧電素子に放電電流が発生され、この放電電流は、ガスパイプ12,火口パイプ200および被覆電線204をそれぞれ通って、導体部214の先端部214aと、導体部214の先端部214a周辺の火口パイプ200の内周面との間に放電電圧が印加されることによって、当該導体部214の先端部214aから火花が飛び、火炎口200aから噴出される混合ガスに着火(点火)することができる。放電端子の機能を有するこの導体部214は、混合カラー部202により火口パイプ200の軸中心線上に支持・配置されているため、導体部214の先端部214aから出る火花は、図37(A)に示すように、当該先端部214aから360度放射状に且つ均等に飛び散るものとなる。それゆえ、火口パイプ200の火炎口200aから噴出される混合ガスに確実に着火(点火)することができる。この場合、当該混合ガスは、上述したように、混合カラー部202の混合ガス流路212A〜212Dを通過することによって、均一に攪拌混合されるので、より一層、着火が容易なものとなる。
一方、たとえば図1〜図7に示した点火器10では、放電端子26が、特に、たとえば図3に示すように、火炎筒18の外部に配置され、当該放電端子26の尖端部が火炎筒18のスリット44aに向いて対向配置させた構造を有し、放電端子26を保持している碍子部30は、取り付けブラケット32によって火炎筒18に支持されている。この場合、放電端子26の尖端部と火炎筒18のスリット44aとが正確に対向配置されていないと、着火率が低下し、ときとして、着火しない虞があるなど、不具合の生じるものとなっていた。
それに比べて、図36および図37に示す点火器10では、放電端子として形成される導体部(電極線)214の先端部214aが、特に、図36(A)および図37(A),37(B)に示すように、ガスパイプ12、ノズル部16および火口パイプ200の軸中心線上に配置されているため、上述したように、火口パイプ200の火炎口200aから噴出される混合ガスに確実に着火(点火)することができ、着火率の優れた着火機構を有するものとなっている。
図36および図37に示す点火器10においても、図1〜図7,図8,図10,図16,図22,図28等に示す点火器10と同様に、都市ガスおよびLPガス等のガス供給源の所謂元栓と点火器10のガスコックとをゴムホース等のガス導入路を介して接続することによって、連続してガスを使用することができる。また、図36および図37に示す点火器10は、構造上、軽量に製作することが可能となるため、高い場所や人が入れない狭い場所においても容易に使用することができる。
なお、図36および図37に示す点火器10は、上述した着火機構、すなわち、放電端子の構成および配置以外は、たとえば図1〜図7に示す点火器10と同様の構成を有し、また、たとえば図8に示す点火器10と同様の継手手段90を含み得るものとなっているが、特に、火口パイプ200に保護部材80としての機能を兼用させることにより、保護部材80の筒状体本体82をよりコンパクトで軽量な態様とすることもでき得る。この場合、構造上、さらに軽量に製作することが可能となるため、より一層、高い場所や人が入れない狭い場所においても容易に使用することができる。さらに、図36および図37に示す点火器10では、放電端子26が、ガスパイプ12およびノズル部16の軸中心線上に配置され、且つ、火口パイプ200の内部に配設されているため、たとえば図1〜図7に示す点火器10のように放電端子26がガスパイプ12および火炎筒18の外側に配置されるものと比べて、火口パイプ200の軸中心周りの大きさを小さくコンパクトにすることができる。そのため、図1〜図7に示す点火器10では、着火部位に点火器10の火口を位置させることが困難な狭いスペースでも、図36および図37に示す点火器10では、火口パイプ200の火炎口200aを簡単に着火部位に位置させることができる。
したがって、図36および図37に示す点火器10では、例えば、業務厨房用ガスレンジの五徳に業務用の大きな調理鍋等を置いたときに、着火部位が狭くなっている場合でも、火口パイプ200の火炎口200aを容易に着火部位に挿入して着火することができる。
図38,図39および図40は、それぞれ、図36および図37に示す点火器の変形例の一例を示す図解図である。図38〜図40に示す変形例では、図36および図37に示す点火器10に比べて、特に、混合カラー部202の態様が相違している。この場合、図36および図37に示す点火器の混合カラー部202では、凹溝部212a〜212dと火口パイプ200の内周面との間に、混合ガス流路212A〜212Dが形成されたが、図38〜図40に示す点火器10の混合カラー部では、混合カラー部のカラー本体に貫通孔を配設することによって、混合ガス流路が形成されている。
すなわち、図38に示す混合カラー部216は、たとえば断面円形柱状のカラー本体216Aを含み、カラー本体216Aは、その中心部に貫通孔216aを有する。さらに、カラー本体216Aは、円周方向に等間隔にたとえば断面矩形の4つの貫通孔218a,218b,218c,218dを有する。右側面および左側面から見たとき、貫通孔216aの中心と貫通孔218a〜218dの各中心とを結ぶ線分の長さは、それぞれ、同じ長さとなっている。貫通孔218a〜218dは、真っ直ぐな貫通孔の態様となっている。貫通孔218a〜218dは、それぞれ、混合ガス流路218A〜218Dとしての機能を有する。
図38に示す変形例の混合カラー部216は、図36および図37に示す混合カラー部210と同様の作用・効果を有するものである。
図39に示す混合カラー部220は、たとえば断面円形柱状のカラー本体220Aを含み、カラー本体220Aは、その中心部に貫通孔220aを有する。さらに、カラー本体220Aは、円周方向に等間隔にたとえば断面円形の4つの貫通孔222a,222b,222c,222dを有する。右側面および左側面から見たとき、貫通孔222aの中心と、貫通孔222a〜222dの各中心とを結ぶ線分の長さは、それぞれ、同じ長さとなっている。貫通孔222a〜222dは、それぞれ、混合ガス流路222A〜222Dとしての機能を有する。この変形例では、特に、図39(A)に示すように、貫通孔222a〜222dは、それぞれ、混合ガス流路222A〜222Dの入口端222A1〜222D1から出口端222A2〜222D2にかけて傾斜する態様となっている。この場合、入口端222A1〜222D1の中心位置は、カラー本体220Aの貫通孔220a寄りに位置し、出口端222A2〜222D2の中心位置は、火口パイプ200の内周面寄りに位置している。
図39に示す変形例の混合カラー部220では、たとえば図39(A)で詳述すると、混合ガスが、混合ガス流路222A,222Cの入口端222A1,222C1から進入して、それらの出口端222A2,222C2を通過するときに、混合ガスが、貫通孔222a〜222dの内周面に当たって渦巻き状態となりながら通過していく。それゆえ、混合ガスは、さらに攪拌されて、混合ガス中の空気とガスがより一層均一に混合される。
図40に示す混合カラー部224は、たとえば断面円形柱状のカラー本体224Aを含み、カラー本体224Aは、その中心部に貫通孔224aを有する。さらに、カラー本体224Aは、円周方向に等間隔にたとえば断面矩形の4つの貫通孔226a,226b,226c,226dを有する。右側面および左側面から見たとき、貫通孔226aの中心と、貫通孔226a〜226dの各中心とを結ぶ線分の長さは、それぞれ、同じ長さとなっている。貫通孔226a〜226dは、それぞれ、混合ガス流路226A〜226Dとしての機能を有する。この変形例では、特に、図40(A),図40(B),図40(C)に示すように、貫通孔226a〜226dは、それぞれ、混合ガス流路226A〜226Dの入口端226A1〜226D1から出口端226A2〜226D2にかけて螺旋状の態様となっている。
図39に示す変形例の混合カラー部220では、たとえば図40(A)で詳述すると、混合ガスが、混合ガス流路226A,226Cの入口端226A1,226C1から進入して、それらの出口端226A2,226C2を通過するときに、混合ガスが、貫通孔226a〜226dの内周面に当たって渦巻き状態となりながら通過していく。それゆえ、混合ガスは、さらに攪拌されて、混合ガス中の空気とガスがより一層均一に混合される。
図36および図37に示す点火器では、たとえば4つの混合ガス流路212A〜212Dが断面半円状の態様を有するものであったが、混合ガス流路の数および断面形状はこれに限定されるものではなく、当該混合ガス流路の数は2つ以上設けられていればよく、また、断面形状も三角形、四角形、非円形等、種々の形状の態様が採用され得る。
同様に、図38〜図40に示す点火器10において、混合カラー部216,220,224の貫通孔218a〜218d,貫通孔222a〜222d,貫通孔226a〜226dの数は2つ以上設けられていればよく、断面形状も、三角形、四角形、星形、十字形、楕円形、その他の非円形等々、種々の形状の態様が採用され得る。
10 点火器
12 ガスパイプ
12a,12b,18b,120a,124,136,174,185,192 ネジ面
14,160 ガスコック
16,110 ノズル部
16a,118a ノズル孔
18 火炎筒
18a 火炎口
18c 露出開口部
18H 開放口部
20 圧電ユニット
22 シリンダ部
24 操作部
26 放電端子
28 導線部
30 碍子部
32 取り付けブラケット
34 挿嵌部
36a,36b 連結片
38a,38b 挟持片
40 螺合部材
42 第1の空気導入孔
44a,44b 一対のスリット
50 把持部材
52a,52b 一対の把持部本体
54a,54b 位置決め支持部
56a,56b 切欠き部
58a,58b 一対の支持片
60a,60b 凹部
62a,62b 取り付け口部
64a,64b 位置決め嵌合部
66a,66b 一対の嵌合片
68,70 螺合部材
72a,72b 挿通凸片
74a,74b 台座部
76a,76b 挿通孔
78a,78b 座ぐり部
80 保護部材
80A 開放口部
80B 周端部
82 筒状体本体
82a 正面部
82b 平面部
82c 背面部
82d 底面部
83 筒状体
83A,83B 長片体
84 長孔(第2の空気導入孔)
85 保護片
86 噴出口
88 防風壁部
89 接続孔
90 継手手段
92,94 継手部材
96,100 継手部本体
98,102 連結孔
112 ガス移動経路部
114 ノズル本体
116 連通孔
118 ノズル先端部
118b テーパ状部
120,122 フランジ部
126,188 密封手段
130 調整部材
132 調整部本体
134 先端面部
134a 開口部
137,139 突出部材
137a,139a,148a,149a 貫通孔
138 ハンドル
140a,140b,140c,140d スリット部
142a,142b,142c,142d セグメント(分割片)
144a,145a 作用部材
146 操作体
148,149 操作棒
150 付勢部材
160A ガス通路
162 開閉手段
164 ガスコック本体
166 第1の接続部
166A 第1の連通路
168 第2の接続部
168A 第2の連通路
170 連結手段
172 螺着部
172A 孔部
176 冠着部
176A 嵌合穴
178A 連通孔
180 底面部
182 胴面部
184 ネジ孔
186 係止凹部
187 底面
190 取り付け手段
200 火口パイプ
200a 火炎孔
202,216,220,224 混合カラー部
204 被覆電線
206 導体部
208 絶縁体
210,216A,220A,224A カラー本体
210a,216a,218a〜218d,220a,222a〜222d,224a,226a〜226d 貫通孔
212a〜212d 凹溝部
212A〜212D 空隙部(混合ガス流路)
212A1〜212D1,218A1〜218D1,222A1〜222D1,226A1〜226D1 混合ガス流路の入口端
212A2〜212D2,218A2〜218D2,222A2〜222D2,226A2〜226D2 混合ガス流路の出口端
214 被覆電線の先端側で絶縁体から露出した導体部
214a 被覆電線の絶縁体から露出した導体部の先端部(放電端子)
218A〜218D,222A〜222D,226A〜226D 混合ガス流路
G 間隙

Claims (4)

  1. 長手方向を有し、その一端側に、ガス導入路を介してガス供給源と接続され、ガスの供給量を調整するガスコックが取り付けられ、その他端側に、ガスを噴出するノズル部が取り付けられるガスパイプ、
    前記ノズル部を内設するように、その長手方向の一方側が前記ガスパイプの長手方向の他端側に接続され、その長手方向の他方側先端部に火炎が噴出される火炎口を有する火炎筒、
    前記ガスパイプの長手方向の中間部に配設され、圧電素子および前記圧電素子を殴打する打撃片が内蔵されたシリンダ部と、前記打撃片を操作する操作部と、前記火炎口の近傍に配置された放電端子との間に接続される導線部とを備え、前記放電端子との間に放電電圧を印加する圧電ユニット、
    前記火炎筒の長手方向の一方側の周面で、前記ノズル部のノズル孔近傍に対応する部位に配設され、外部空気を前記ノズル孔近傍に導入する第1の空気導入孔、
    前記操作部の少なくとも一部が外部に露出されるように、前記ガスパイプの長手方向の一端側から中間部をカバーする2分割可能な筒状の把持部材、
    前記把持部材に取り外し自在に接続され、前記導線部および前記放電端子を覆うように、前記ガスパイプの長手方向の中間部から他端側を経由して前記火炎筒の先端方向に延設され、前記ガスパイプおよび前記火炎筒をカバーする筒状の保護部材を含み、
    前記保護部材は、
    前記第1の空気導入孔に外部空気を導入し、且つ、前記火炎筒を冷却する外部空気を導入する第2の空気導入孔、
    前記保護部材の先端部に配設され、少なくとも前記火炎口と対向して連通可能となり、前記火炎口から噴出される火炎を外部に噴出させる噴出口、
    前記噴出口の周縁端と前記保護部材の周縁端との間に配設され、前記噴出口を除く部分の前記保護部材の先端部を閉鎖する防風壁部を含み、
    前記把持部材と前記保護部材との間に配置され、その長手方向の一端側が前記把持部材と取り外し自在に接続され、その長手方向の他端側が前記保護部材に取り外し自在に接続される筒状の少なくとも1つの継手部材をさらに含み、
    前記ガスパイプの長手方向の長さに対応して、前記保護部材の長手方向の延長長さが調整されることを特徴とする、点火器。
  2. 前記ノズル部は、
    内部にガス移動経路部を有し、外周部に前記ガス移動経路部と連通する連通孔を備えた筒状のノズル本体、
    前記ノズル本体の一端に形成され、その先端に前記ガス移動経路部に通じるノズル孔を有し、且つ、テーパ状部を有するノズル先端部、および
    その一端に前記ノズル孔と対向して連通する開口部を有し、前記ノズル本体の軸方向に変位可能に前記ノズル本体に嵌め込まれ、前記ノズル本体と協働して、前記開口部から噴出されるガス量を調整するキャップ状の調整部材を含むことを特徴とする、請求項1に記載の点火器。
  3. 前記ノズル部は、
    ガス移動経路部を有する筒状のノズル本体、
    前記ノズル本体の一端に形成され、その先端に前記ガス移動経路部に通じるノズル孔を有し、且つ、テーパ状部を有するノズル先端部、
    前記ノズル先端部および前記ノズル本体の内、少なくとも前記ノズル先端部をその周方向に分割して前記ノズル先端部に発条作用を付与する複数のスリット部、および
    その一端に前記ノズル孔と対向して連通する開口部を有し、前記ノズル本体の軸方向に変位可能に前記ノズル本体に嵌め込まれ、前記ノズル本体と協働して、前記ノズル孔から噴出されるガス量を調整するキャップ状の調整部材を含むことを特徴とする、請求項1に記載の点火器。
  4. 前記ガスコックは、
    一方側から他方側にガスが通過するガス通路および前記ガス通路を開閉自在とする開閉手段を含むガスコック本体、
    前記ガスコック本体の一方端から外方に突出するように配設され、前記ガス通路と連通する第1の連通路を備えると共に、前記ガス導入路側に接続される第1の接続部、
    前記ガスコック本体の他方端から外方に突出するように配設され、前記ガス通路と連通する第2の連通路を備えると共に、前記ガスパイプ側に接続される第2の接続部、および
    前記第2の接続部と前記ガスパイプとを連結する連結手段を含み、
    前記連結手段は、
    その軸方向の一方側が前記ガスパイプの長手方向の一端側と螺着される筒状の螺着部、および
    その軸方向の他方側に前記第2の接続部が回動自在に嵌挿されて冠着されると共に前記第2の連通路と前記ガスパイプとを連通状態とする筒状の冠着部を含み、
    前記冠着部は、前記第2の接続部に取り外し自在に螺設されることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の点火器。
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