JP2005127276A - タービン用動翼及びタービン - Google Patents

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洋二 天日
Hideo Yoda
秀夫 依田
Kenichi Murata
健一 村田
Kenichiro Nomura
健一郎 野村
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Abstract

【課題】 本発明は、作動流体の流れを変えて漏洩量を低減することができるタービン用動翼及びそれを用いたタービンを提供することにある。
【解決手段】 本発明は、動翼1を、回転軸と同心の回転部材周囲に沿って等間隔に複数配設し、各動翼1の外径側先端に周方向に延在する凸部4を表面に有する翼カバー3を設けると共に、運転時における隣接する前記翼カバー1の凸部4の端部が、軸方向にずれるように設けたのである。
上記構成によれば、運転時において凸部4の端部4Bが軸方向にずれているので、ずれた凸部4の端部4bによって渦7を発生させ、この渦7によって作動流体が漏洩するのを妨げるので、漏洩量を低減できるのである。
【選択図】 図1

Description

本発明は蒸気タービンやガスタービンに用いられるタービン用動翼及びタービンに係り、特に、蒸気や燃焼ガス等の作動流体の漏洩機構を施したタービン用動翼及びそれを用いたタービンに関する。
従来において、作動流体の漏洩機構を施したタービン用動翼及びタービンは、例えば特許文献1に開示されているように、既に提案されている。即ち、動翼の先端部に設けた翼カバーの表面に周方向に延在する凸部を設けると共に、この凸部の外周に形成されたダイヤフラム外輪の内周面に前記凸部に接近するフィンを設け、これら凸部とフィン間の隙間を小さくして作動流体の漏洩を防止している。
特開2001−55902号公報
従来の技術によれば、ある程度の作動流体の漏洩は防止できるが、構造的に翼カバー表面の凸部とダイヤフラム外輪のフィンとの隙間を縮小させるには限度があり、依然として作動流体の漏洩は存在する。そのために、作動流体の有効活用がタービン効率を向上させるための大きな課題となっている。
本発明の目的は、作動流体の流れを変えて漏洩量を低減することができるタービン用動翼及びタービンを提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、動翼を、回転軸と同心の回転部材周囲に沿って等間隔に複数配設し、各動翼の外径側先端に周方向に延在する凸部を表面に有する翼カバーを設けると共に、運転時において隣接する前記翼カバーの凸部の端部が、軸方向にずれるように設けたのである。
上記構成によれば、運転時において凸部の端部が軸方向にずれているので、ずれた凸部の端部によって渦を発生させ、この渦によって作動流体が漏洩するのを妨げるので、漏洩量を低減できるのである。
このように本発明によれば、渦によって作動流体の流れを妨げて漏洩量を低減することができるタービン用動翼及びそれを用いたタービンを得ることができる。
以下本発明による第1の実施の形態を、図1〜図3に示す蒸気タービンに基づいて説明する。
蒸気タービンの動翼周辺の構成は、回転軸(図示せず)と同心の回転部材の周囲に沿って等間隔に複数配設された動翼1(1A,1B)と、これら動翼1(1A,1B)の外周の固定部材に支持されたダイヤフラム外輪2とで構成されている。
前記動翼1(1A,1B)は、その外径側先端部に夫々翼カバー3(3A,3B)を備えており、これら翼カバー3(3A,3B)は隣接動翼間で互いに接触させるようにして全体を環状となるようにしている。さらに、各翼カバー3(3A,3B)の外径側の表面には、前記ダイヤフラム外輪2側に突出し翼カバー3の周方向に全域に亘って延在する2つの凸部4を形成している。そして、隣接する動翼1A,1Bに対向する前記凸部4の端部4A,4Bは、運転時においても一直線とならないように軸方向にずらして設けられている。このため、本実施の形態においては、凸部4は回転方向に対して角度θをもって設けられている。
前記ダイヤフラム外輪2は、その内周面に前記凸部4に接近するように複数のフィン5,6が設けられている。突出寸法外大きいフィン5は前記凸部4の側部に接近するように、また突出寸法が短いフィン6は前記凸部4の頂部に接近するように形成されている。このように、各フィン5,6と前記凸部4によって、翼カバー3とダイヤフラム外輪2との間にラビリンスシール機構を形成している。
上記のように構成したので、いま作動流体である蒸気主流Msが矢印方向に動翼1に向かって供給されると、動翼1は矢印R方向に回転し、同時に漏洩蒸気Lsが矢印で示すように、翼カバー3とダイヤフラム外輪2との間に流入する。
しかしながら、動翼1の回転に伴って前記凸部4の回転方向先端側となる端部4Bによって渦7が発生し、この渦7が漏洩蒸気Lsの流れを乱して進行を妨げるので、翼カバー3とダイヤフラム外輪2との間を通過する漏洩蒸気Lsの漏洩量を少なくすることができる。
尚、前記凸部4は回転方向に対して角度θをもって傾斜させているので、各翼カバー3について同じ凸部の加工を施すことができる。
次に、本発明による第2の実施の形態を、図4及び図5に示す蒸気タービンに基づいて説明する。
本実施の形態の基本構成は第1の実施の形態と同じであるので、再度の詳細な説明は省略する。本実施の形態において第1の実施の形態と異なるのは、翼カバー3の表面に設けた凸部4が回転方向に沿って設けられていることである。
上記のように構成したので、各翼カバー3(3A,3B)に設けた凸部4は周方向にジグザグに、云い代えれば軸方向にずらして配置されることになり、動翼1が矢印R方向に回転した場合、凸部4の回転方向先端部となる端部4Bによって渦7が発生する。この渦7は、翼カバー3とダイヤフラム外輪2との間に流入する漏洩蒸気Lsの流れを乱して進行を妨げるので、翼カバー3とダイヤフラム外輪2との間を通過する漏洩蒸気Lsの漏洩量を少なくすることができる。
以上説明したように、本発明はラビリンスシール機構を構成する凸部4を利用して漏洩蒸気Lsの流れを乱す渦7を発生させることで、漏洩蒸気Lsの漏洩量を減らし、動翼1への蒸気主流Msの量の減少を防止したのである。したがって、漏洩蒸気Lsの漏洩量を減らすために専用の漏洩防止装置を必要とすることはない。
尚、上記各実施の形態は、ダイヤフラム外輪2に複数のフィン5,6を設け、翼カバー3の凸部4との協調でラビリンスシール機構を構成したものであるが、前記凸部4の端部4Bでの渦7による漏洩防止効果が大きい場合には、前記フィン5,6は必ずしも必要とするものではない。また、各実施の形態は、蒸気タービンについて説明したが、本発明はガスタービンについても適用できることは云うまでもない。
本発明による第1の実施の形態であるタービンの一部を示す斜視図。 図1の一部を示す側面図。 図1の翼カバーを示す平面図。 本発明による第2の実施の形態を示す図2相当図。 図4の翼カバーを示す平面図。
符号の説明
1…動翼、2…ダイヤフラム外輪、3(3A,3B)…翼カバー、4…凸部、4A,4B…端部、5,6…フィン、7…渦、Ms…蒸気主流、Ls…漏洩蒸気。

Claims (5)

  1. 回転軸と同心の回転部材の周囲に沿って等間隔に複数配設され、周方向に延在する凸部を表面に有する翼カバーを夫々の外径側先端に設けたタービン用動翼において、隣接する前記翼カバーの凸部の端部を、運転時に、軸方向にずれる位置に設けたことを特徴とするタービン。
  2. 前記凸部は、回転方向に対して角度をもって設けられていることを特徴とする請求項1記載のタービン。
  3. 前記凸部は、回転方向に沿って設けられていることを特徴とする請求項1記載のタービン。
  4. 回転軸と同心の回転部材の周囲に沿って等間隔に配設された複数の動翼と、これら動翼の外径側先端に夫々設けられた翼カバーと、この翼カバーの外周側の固定部に設けられ前記翼カバーに接近するダイヤフラム外輪とを備え、前記翼カバーの表面に前記ダイヤフラム外輪に接近して周方向に延在する凸部を設けてなるタービンにおいて、隣接する前記動翼に設けた翼カバーの凸部の端部を、運転時に、軸方向にずれるように設けたことを特徴とするタービン。
  5. 回転軸と同心の回転部材の周囲に沿って等間隔に配設された複数の動翼と、これら動翼の外径側先端に夫々設けられた翼カバーと、この翼カバーの外周側の固定部に設けられ前記翼カバーに接近するフィンを軸方向に複数形成したダイヤフラム外輪とを備え、前記翼カバーの表面に前記フィンに接近して周方向に延在する凸部を設けてなるタービンにおいて、隣接する前記動翼に設けた翼カバーの凸部の端部を、運転時に、軸方向にずれるように設けたことを特徴とするタービン。
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