JP2012031997A - シールアセンブリ用のシール歯 - Google Patents

Abstract

【課題】回転部品（１２０）のためのシールアセンブリ（１５０）を開示する。
【解決手段】本シールアセンブリ（１５０）は、回転部品（１２０）を近接して囲むアニュラスを形成するように構成された複数の弧状パッキンリング（１５２）と、複数の弧状パッキンリング（１５２）の各々に結合された複数の半径方向にかつ円周方向に延在するシール歯（１５４）とを含み、複数のシール歯（１５４）の少なくとも１つ（１５５）は、複数の軸方向に延在する突出部（１５６）を含む。
【選択図】 図３

Description

本発明は、広義にはシールアセンブリに関し、具体的には、回転機械におけるスワール及び漏洩を低減する突出部をもつシール歯を備えたシールアセンブリに関する。

理想的には、タービンのような回転機械は、静止部品内に配置された回転部品からなる。回転機械内部の流体径路は、一次流体通路及び二次流体通路からなる。二次流体通路から一次流体通路への流体の漏洩又は一次流体通路から二次流体通路への流体漏洩は、タービンの運転効率に悪影響を与えるおそれがある。漏洩を最小限にするため、一般的に弧状パッキンリングを備えたラビリンスシールのようなシールアセンブリが、タービンの静止部品と回転部品の間に配置される。

これらのラビリンスシールは通常回転機械での漏洩を減少させるために用いられる複数の円周方向に延在するシール歯を軸方向に離隔して配置してなる。

高いロータ回転速度での運転中には、回転機械の流体通路に軸方向に流入する流体は、大きな接線方向速度成分（「蒸気スワール」とも呼ばれる）を得る可能性がある。例えば、流体がラビリンスシールを通って移動する際に、流体は軸方向に離隔して配置されたシール歯の間を、円周方向に回転部品の周囲を流れることができる。これにより、流体は大きな接線方向速度成分を取得し、そのためタービン機械のロータ不安定性を引起こす。このロータ不安定性の大きさは、ラビリンスシール内での流体の円周方向流れ成分に比例する。

米国特許第７００４４７５号明細書

本発明の第１の態様は、回転部品のためのシールアセンブリを提供し、本シールアセンブリは、回転部品を近接して囲むアニュラスを形成するように構成された複数の弧状パッキンリングと、複数の弧状パッキンリングの各々に結合された複数の半径方向にかつ円周方向に延在するシール歯とを含み、複数のシール歯の少なくとも１つは、複数の軸方向に延在する突出部を含む。

本発明の第２の態様は、ターボ機械を提供し、本ターボ機械は、回転部品と、回転部品を略囲む静止部品と、静止部品に結合されたシールアセンブリとを含み、シールアセンブリは、回転部品を近接して囲むアニュラスを形成するように構成された複数の弧状パッキンリングと、複数の弧状パッキンリングの各々に結合された複数の半径方向にかつ円周方向に延在するシール歯とを含み、複数のシール歯の少なくとも１つは、複数の軸方向に延在する突出部を含む。

本発明の上記その他の特徴、態様及び利点については、図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって理解を深めることができるであろう。

本発明の実施形態に係る機械の部分断面図。 本発明の実施形態に係るシールアセンブリの部分斜視図。 本発明の実施形態に係るシールアセンブリの部分断面図。 本発明の実施形態に係るシールアセンブリの部分斜視図。 本発明の実施形態に係るシールアセンブリの部分斜視図。 本発明の実施形態に係るシールアセンブリの部分斜視図。

本発明の図面は正確な縮尺でないことに留意されたい。図面は、本発明の典型的な態様のみを示すことを意図しており、従って本発明の技術的範囲を限定するものとして考えるべきではない。図面では、類似の部品には類似の符号を付した。

図１に移ると、本発明の実施形態に係る機械１００の部分断面図を示す。図１〜図６は蒸気タービンに関して図示しているが、本発明の様々な実施形態の教示は、他の回転機械にも同様に適用することができること、また蒸気タービンは本発明の態様を説明するための特定のタイプの回転機械を例に取っているにすぎないことを理解されたい。

機械１００は、回転部品１２０と静止部品１３０とを含むことができる。静止部品１３０は、回転部品１２０をほぼ囲繞する。機械１００はまた、静止部品１３０に結合したシールアセンブリ１５０を含むことができる。図示するようにシールアセンブリ１５０は、静止部品１３０のグルーブ１３２内に弧状パッキンリング１５２の取付け部分１５１を嵌合することによって静止部品１３０に取り付けることができる。

次に図２を参照すると、本発明の実施形態に係るシールアセンブリ１５０の部分斜視図を示す。シールアセンブリ１５０は、複数の弧状パッキンリング１５２（１つのみを示す）を含むことができる。弧状パッキンリング１５２は、回転部品１２０を近接して取り囲むアニュラスを形成するように構成することができる（図１）。シールアセンブリ１５０は、各弧状パッキンリング１５２に結合された複数のシール歯１５４を含むことができる。複数のシール歯１５４は、それに限定されないが埋め込み、かしめ又は機械加工のような現在公知の或いは今後開発される方法により各弧状パッキンリング１５２に結合することができる。複数のシール歯１５４は、回転部品１２０（図１）に向けて半径方向にかつまた回転部品１２０（図１）の周りで円周方向に延在して、複数のシール歯１５４は、機械１００（図１）に沿って存在する可能性がある流れ漏洩をシールするようにすることができる。複数のシール歯１５４の少なくとも１つのシール歯１５５は、該シール歯１５５に沿って回転部品１２０（図１）の軸方向に延在する複数の突出部１５６を含んで、回転部品１２０（図１）の円周方向周りでの該複数のシール歯１５４の各々間におけるロータ誘起スワール及び漏洩を減少させることができて、少なくとも１つのシール歯１５５の輪郭を形成する。

次に図３を参照すると、本発明の実施形態に係るシールアセンブリ１５０の断面図を示す。複数のシール歯１５４の各シール歯は、回転部品１２０に向けて半径方向に第１の半径方向高さ（Ｒ１）又は第２の半径方向高さ（Ｒ２）のいずれかまで延在することができる。第１の半径方向高さ（Ｒ１）は、第２の半径方向高さ（Ｒ２）よりも大きくして複数のシール歯１５４が高／低シール歯構成を形成するようにすることができる。それに代えて、Ｒ１及びＲ２は、同じ半径方向高さのものとすることができる。複数のシール歯１５４の少なくとも１つのシール歯１５５は、該シール歯１５５に沿って回転部品１２０の軸方向に延在する複数の突出部１５６を含んで、回転部品１２０の円周方向周りでの該複数のシール歯１５４の各々間におけるロータ誘起スワール及び漏洩を減少させることができる。複数の突出部１５６を含む少なくとも１つのシール歯１５５は、第１の半径方向高さ（Ｒ１）を含むことができる。図３に示すように、第１の半径方向高さ（Ｒ１）を含む核シール歯１５４は、複数の軸方向に延在する突出部１５６を含むことができる。

複数の突出部１５６は、回転部品１２０の１つの軸方向に（図３の右側に向けて）延在するように示しているが、複数の突出部１５６は、回転部品１２０の反対軸方向に（図３の左側に向けて）延在することができることを理解されたい。それに代えて、複数の突出部１５６は、交互のパターンとして回転部品１２０の両軸方向に（図３の右側及び左側に向けて）延在することができる。

複数の軸方向に延在する突出部１５６は、流体が回転部品１２０の周りで複数のシール歯１５４の間を円周方向に流れるのを防止する形状に構成すればよい。図２〜図３に示すように、複数の軸方向に延在する突出部１５６は、略方形形状とすることができる。しかしながら、複数の軸方向に延在する突出部１５６はまた、略半円形形状（図４）又は略三角形形状（図５）とすることができる。さらに、複数の軸方向に延在する突出部１５６は、波形のような略連続的正弦波表面（図６）を形成することができる。複数の軸方向に延在する突出部１５６は略連続的なものとして図示しているが、正弦波表面は断続的にすることができることを理解されたい。それに代えて、複数の軸方向に延在する突出部１５６は、異なる形状の組合せを含むことができる。

上述したように、シールアセンブリ１５０は、回転部品１２０を近接して取り囲むアニュラスを形成するように構成することができる。図１に戻って参照すると、シールアセンブリ１５０は、漏洩防止及びスワール減少を必要とする回転部品１２０の部分を近接して囲むことができる。例えば、シールアセンブリ１５０は、ロータ１２０を近接して囲むことができる。それに代えて、シールアセンブリ１５０は、バケットアセンブリ１２４を近接して囲んでバケット先端漏洩及びスワールを減少させることができる。

本明細書で用いた用語は、もっぱら実施形態を説明することを目的としたものであり、本発明を限定するものではない。本明細書では、数詞を付していない表現は、文脈から別途明らかでない限り、複数の場合も含むことを意図している。さらに、本明細書で用いる「含む」及び／又は「備える」という用語は、標記の特徴、回数、ステップ、操作、要素及び／又は部品が存在することを意味するものであるが、その他の１以上の特徴、回数、ステップ、操作、要素、部品及び／又はそれらの群が存在すること或いは追加されること排除するものではない。

本明細書では、本発明を最良の形態を含めて開示するとともに、装置又はシステムの製造・使用及び方法の実施を始め、本発明を当業者が実施できるようにするため、例を用いて説明してきた。本発明の特許性を有する範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者に自明な他の実施例も包含する。かかる他の実施例は、特許請求の範囲の文言上の差のない構成要素を有しているか、或いは特許請求の範囲の文言と実質的な差のない均等な構成要素を有していれば、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に属する。

１００ 機械
１２０ 回転部品
１２４ バケットアセンブリ
１３０ 静止部品
１３２ グルーブ
１５０ シールアセンブリ
１５１ 取付け部分
１５２ 弧状パッキンリング
１５４ 複数のシール歯
１５５ 少なくとも１つのシール歯
１５６ 複数の突出部

Claims (10)

1. 回転部品（１２０）のためのシールアセンブリ（１５０）であって、
   前記回転部品（１２０）を近接して囲むアニュラスを形成するように構成された複数の弧状パッキンリング（１５２）と、
   前記複数の弧状パッキンリング（１５２）の各々に結合された複数の半径方向にかつ円周方向に延在するシール歯（１５４）と
   を備えていて、前記複数のシール歯（１５４）の少なくとも１つ（１５５）が、複数の軸方向に延在する突出部（１５６）を含む、シールアセンブリ（１５０）。
2. 前記複数の半径方向にかつ円周方向に延在するシール歯（１５４）の各々が、第１の半径方向高さ（Ｒ１）又は第２の半径方向高さ（Ｒ２）のいずれかを含み、前記第１の半径方向高さ（Ｒ１）が、前記第２の半径方向高さ（Ｒ２）よりも大きい、請求項１記載のシールアセンブリ（１５０）。
3. 前記複数の軸方向に延在する突出部（１５６）を備えた前記複数の半径方向にかつ円周方向に延在するシール歯（１５４）の少なくとも１つが、前記第１の半径方向高さ（Ｒ１）を含む、請求項２記載のシールアセンブリ（１５０）。
4. 前記第１の半径方向高さ（Ｒ１）を備えた前記複数の半径方向にかつ円周方向に延在するシール歯（１５４）の各々が、複数の軸方向に延在する突出部（１５６）を含む、請求項２記載のシールアセンブリ（１５０）。
5. 前記複数の軸方向に延在する突出部（１５６）が略半円形である、請求項１記載のシールアセンブリ（１５０）。
6. 前記複数の軸方向に延在する突出部（１５６）が略三角形である、請求項１記載のシールアセンブリ（１５０）。
7. 前記複数の軸方向に延在する突出部（１５６）が略方形である、請求項１記載のシールアセンブリ（１５０）。
8. 前記複数の軸方向に延在する突出部（１５６）が略連続的正弦波表面を形成する、請求項１記載のシールアセンブリ（１５０）。
9. 前記回転部品（１２）がロータ（１２０）である、請求項１記載のシールアセンブリ（１５０）。
10. 前記回転部品（１２）がバケットアセンブリ（１２４）である、請求項１記載のシールアセンブリ（１５０）。