JP2005126917A - 鉄骨造竹割り坑門 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 この鉄骨造竹割り坑門1は、トンネルT断面にほぼ相当する内空断面を有する鉄骨製の骨組み部2と、この骨組み部2の径内側に貼り付けられた内側化粧部3とを備えた、坑外側に向かって次第に高さが低くなるように傾斜する坑口5とを有する。前記骨組み部2は、トンネルT縦断方向に延びる複数本の水平鉄骨11と、トンネルT周方向に延びる湾曲した複数本の鋼製アーチ12と、前記坑口5の縁形状に沿うように傾斜状に架設された湾曲した傾斜アーチ13とを互いに交差状に枠組みすることによって構成されている。
【選択図】 図2
Description
かかる理由から、竹割り坑門は、道路トンネル坑門工の主流となりつつある。
上記のような竹割り坑門は、一般的に、現場打ちコンクリートによって構築される(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記のコンクリートからなる竹割り坑門を構築するには、施工現場(坑口)で型枠を組み立て、生コンクリートを打設した後、所定期間養生し、型ばらしをする必要があるため、比較的長期間に亘る交通閉鎖を行わなければならない。
そこで、トンネルの縦断方向に延びる複数本の水平鉄骨とトンネル周方向に延びる湾曲した鋼製アーチとを互いに枠組みしてなる骨組み部と、この骨組み部の径内側に貼り付けられた内側化粧部とから、鉄骨プレハブ構造を採用することにより、竹割り坑門の軽量化を図るとともに、現場での型枠の組み立て、コンクリートの養生及び型ばらしを省略し、施工期間の短縮化を図ることが考えられる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、坑口の構造強度の低下を防止できる鉄骨プレハブ構造を実現して、工期を短縮化できしかも強度も安定した鉄骨造竹割り坑門を提供することを目的とする。
上記のように構成された鉄骨造竹割り坑門においては、傾斜アーチが当該坑門の坑口の縁形状に沿うように傾斜状に架設されているので、傾斜した坑口の縁部分が骨組み部の傾斜アーチで補強される。これにより、当該坑口の構造強度の低下を防止することができる。
この場合には、骨組み部の径内側に内側化粧部が取り付けるための取付梁材が、トンネルの縦断方向に延びて架設されているので、坑口から進入する自動車が坑門の内側化粧部に衝突する事故が発生した場合においても、その自動車は取付梁材に沿ってスライドする。このため、自動車が鋼製アーチに引っ掛かって大破損する恐れを低減することができる。
この場合には、鋼製杭と枕梁とからなる基礎を採用しているので、車幅方向のスペースが少ない場合でも十分な支持力の基礎を構築することができる。このため、法面がすぐ近くまで迫っているような現場(例えば、道路トンネルの中央分離帯側)にも、当該竹割り坑門を施工することができる。
図1は、本実施形態の鉄骨造竹割り坑門1を既設の面壁型のトンネルTに設置した状態の正面断面を示し、図2,図3及び図4は、それぞれ上記坑門1の左側面、右側面及び平面を示している。また、図5は、2分割された上記坑門1の左ユニット1Lと右ユニット1Rとを締結した状態を示している。なお、図2,3は、内外側化粧部3,4などを適宜省略しており、図2においては、右ユニット1Rに設けられる外側取付梁材7及び縦桟14を省略している。
図1〜4に示すように、鉄骨造竹割り坑門1は、既設のトンネルT断面にほぼ相当する内空断面を有する鉄骨製の骨組み部2と、この骨組み部2の径内側に貼り付けられた内側化粧部3と、同径外側に貼り付けられた外側化粧部4と、坑外側に向かって次第に高さが低くなるように傾斜する坑口5とを備えている。
トンネルTの面壁Twと坑門1の坑内側端部1aとは、打ち込み式アンカーボルト(図示せず)によって固定されており、この固定部分には、水密性を有するシール部材27が介在されている。具体的には、シール部材27として、例えば、ゴムからなる板状の目地材が、トンネルTの面壁Twと坑門1の坑内側端部1aとの間に間挿されている。
図5に示すように、上記の鉄骨造竹割り坑門1は、骨組み部2に内側化粧部3及び外側化粧部4が設けられた状態で、トンネルTの幅方向ほぼ中央部で左ユニット1Lと右ユニット1Rとに2分割されている。左右のユニット1L,1Rの上端部同士は、プレート9を介してボルト10によって締結されており、この固定部分には、シール性を有するシール部材27が介在されている。具体的には、シール部材27として、例えば、ゴムからなる板状の目地材が、左右のユニット1L,1Rの上端部同士の間に間挿されている。
本実施形態では、2本の鋼製アーチ12がトンネルTの縦断方向に並設されており、傾斜アーチ13の頂部が、坑外側に配置される鋼製アーチ12の頂部と連結されている。また、水平鉄骨11は、坑門1の周方向における頂部に2本配置され、同周方向の中間部に2本配置されている。これら4本の水平鉄骨11によって、2本の鋼製アーチ12と傾斜アーチ13とが水平方向に連結されている。
図6に示すように、内側取付梁材6及び外側取付梁材7は、例えば、複数本のH形綱からなるもので、坑門1の周方向に所定の間隔を設けて骨組み部2の内径側及び外径側にそれぞれ配置されている。各内側取付梁材6及び各外側取付梁材7は、ボルト15によって鋼製アーチ12及び縦桟14にそれぞれ締結されている。
なお、重畳された外側化粧プレート18の重なり代には、伸縮自在の防水シール剤19が塗布されており、坑門1外部側から内部側への雨水などの浸入が防止されている。
上記のように構成された基礎部8は、左右のユニット1L,1Rの鋼製アーチ12、傾斜アーチ13及び縦桟14の各下端部が、左右の枕梁21,23にL字状の接続具25を介してボルト26によって締結されている。
図9(a)に示すように、第一工程では、既設のトンネルTの坑口Tk前における幅方向両側に左右の基礎8L,8Rを構築する。左基礎8Lは、同坑口Tk前の幅方向左側の下面を掘削し、独立基礎の鉄筋を組み立て、左枕梁21を設置し、型枠を組み立てる。この型枠内にコンクリートを打設し、養生期間をおいて左基礎8Lを構築する。右基礎8Rは、同坑口Tk前の幅方向右側の下面を掘削し、鋼製杭22を打ち込む。鋼製杭22の上端部と右枕梁23の下端部とを溶接によって結合し、独立基礎の鉄筋を組み付け、型枠を組み立てる。この型枠内にコンクリートを打設し、養生期間をおいて右基礎8Rを構築する。
このように、上記の一連の工程によって、既設のトンネルTに鉄骨造竹割り坑門1を構築することができる。
例えば、左基礎8Lは、鋼製杭22と右枕梁23とからなる右基礎8Rと同様の基礎を採用しても良い。
2 骨組み部
3 内側化粧部
5 坑口
6 内側取付部梁材
7 外側取付部梁材
10 水平鉄骨
11 鋼製アーチ
12 傾斜アーチ
20 鋼製杭
21 右枕梁(枕梁)
T トンネル
Claims (3)
- トンネル断面にほぼ相当する内空断面を有する鉄骨製の骨組み部と、この骨組み部の径内側に貼り付けられた内側化粧部とを備えた、坑外側に向かって次第に高さが低くなるように傾斜する坑口を有する鉄骨造の竹割り坑門であって、
前記骨組み部は、トンネルの縦断方向に延びる複数本の水平鉄骨と、トンネル周方向に延びる湾曲した複数本の鋼製アーチと、前記坑口の縁形状に沿うように傾斜状に架設された湾曲した傾斜アーチとを互いに交差状に枠組みすることによって構成されていることを特徴とする鉄骨造竹割り坑門。 - 骨組み部の径内側に内側化粧部を取り付けるための取付梁材がトンネルの縦断方向に延びて架設されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄骨造竹割り坑門。
- トンネルの縦断方向に並ぶように現場打ちされた複数本の鋼製杭と、この鋼製杭の上端部同士を互いに連結するようにトンネル縦断方向に延設された枕梁とを備えており、
骨組み部を構成する鋼製アーチ及び傾斜アーチの下端部が前記枕梁に連結されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄骨造竹割り坑門。
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