JP2005125413A - ワイヤ電極の切断片の回収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイヤ電極の線径に関係なく切断片をより確実に回収できる回収装置を提供する。
【解決手段】自動結線装置4の切断装置33は、先端処理するときにワイヤ電極1を切断する。先端処理で生じる不要なワイヤ電極1を回収する回収装置34は、切断片を把持する把持装置41と、切断片を吸引して排出する吸引装置42と、把持装置41を往復移動させる移送装置43と、回収箱44とを備える。吸引装置61は、円筒形状の吸引パイプ61Aを有する。把持装置41の把持部材51は、把持面が切断片をクランク形状に折り曲げる形状に形成されている。クランク形状に折り曲げられた切断片は、円筒形状の吸引管61の内壁面に点的に接触する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ワイヤカット放電加工装置の自動結線装置に関する。特に、自動結線装置に設けられ、先端が切断されて不要になったワイヤ電極の切断片を吸引装置で吸引して排出する回収装置に関する。
ワイヤ電極の結線作業を自動で行なうことができる自動結線装置(AWT, Auto Wire Treading Device)を備えたワイヤカット放電加工装置がある。自動結線装置の本体は、ワイヤ電極の走行経路における上側ワイヤガイドの上流に配置される。ワイヤ電極を加工開始孔に挿通して一対のワイヤガイド間に結線する作業は、自動結線装置と、ワイヤ電極の供給装置と、ワイヤ電極の搬送装置と、ワイヤ電極の巻取装置の協同動作で実現される。
ワイヤカット放電加工に使用されるワイヤ電極のほとんどは、線径がφ0.5mm以下の細線である。ほとんどのワイヤカット放電加工装置では、ワイヤボビンに巻き回されたワイヤ電極をワイヤボビンから繰り出して加工部位に供給するように構成されているので、新しく放電加工をするときにワイヤ電極を結線する場合は、新しいワイヤ電極に巻き癖がついていたり、ワイヤ電極の先端にばりが発生していることがある。また、ワイヤ電極が放電加工中に予期せず断線したときは、断線したワイヤ電極の先端が荒れている。そのため、ワイヤカット放電加工装置の自動結線装置の多くは、ワイヤ電極の先端をカッタで切断したり、ワイヤ電極に張力を付与した状態で通電して切断するように構成されている。以下、結線しようとするワイヤ電極の先端を整えるためにワイヤ電極を切断する作業を“先端処理”という。
先端処理を行なうと、不要なワイヤ電極の切断片が生じる。ワイヤ電極の切断片がワイヤ電極の走行経路や加工部位に残されていると、以後の放電加工や結線作業に障害を与える虞れがあるので、ワイヤ電極の切断片を回収箱に収容させるように考えられている。ワイヤ電極の切断片を廃棄処理する回収装置を備えた自動結線装置の基本的な構成は、切断片を自動結線装置の下側に設けられた回収箱に自由落下させる、あるいは離れた位置にある回収箱まで搬送して落下させる構成である。しかしながら、φ0.1mm以下のワイヤ電極を使用する場合では、そのような極細のワイヤ電極は、比重が小さく剛性がないために、その切断片が落下しにくく引っ掛かりやすいことから、上記構成の回収装置では、極細の切断片を回収する確実性に欠ける。
そのため、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4のようにワイヤ電極の切断片をクランプして搬送する装置と吸引装置とを組み合わせたものが考えられている。このタイプの回収装置は、吸引装置によって切断片を吸引する構成上、ワイヤ電極を確実に排出するためにポンプの吸引能力を大きくするとともに吸引管を細径の吸引パイプとして吸引装置の吸引能力を大幅に増大させているのがふつうである。このタイプの回収装置は、特に比重が小さく剛性がより弱い線径がφ0.1mm以下の極細のワイヤ電極を使用するときに、不要になったワイヤ電極の切断片をより確実に回収できる点で優れている。
しかしながら、吸引装置を使用する回収装置は、吸引装置の吸引能力を大幅に増大させているにも関わらず、線径がφ0.1mmより大きく比重が大きい太いワイヤ電極を使用するときは、その切断片が極端に吸引しにくくなる問題がある。しかも、ワイヤ電極が加工液で濡れているため、切断片が吸引パイプやフレキシブルホースのような吸引管の内壁にくっつきやすく、切断片が吸引管の内壁に張り付いた場合は、さらに切断片を吸引しにくくなる。吸引管内の空気は、粘性抵抗によって吸引管の内壁に近いほど流速が低下して圧力が弱くなり、切断片を搬送する力が小さくなるので、線径が大きいワイヤ電極の切断片が吸引管の内壁に張り付いてしまった場合は、もはや全く排出することができなくなる。そして、最悪の場合、切断片が吸引管に詰まってしまうことがある。したがって、上記タイプの回収装置は、線径が大きいワイヤ電極を使用するワイヤカット放電加工装置の自動結線装置には不向きである。
特許第2518040号公報 特開平3−190626号公報 特開昭63−11233号公報 特開平10−180548号公報
このようなことから、ワイヤ電極の切断片を回収する回収装置の構成によって自動結線装置が使用できるワイヤ電極の線径が左右されてしまう虞れがあり、結果的にワイヤカット放電加工装置全体の仕様を決めてしまう。そのため、線径に関係なく確実に自動結線できるようにするためには、比較的線径の大きなワイヤ電極の切断片に有効な回収方法と比較的線径の小さなワイヤ電極の切断片に有効な回収方法との少なくとも異なる2種類の方法が実施できる回収装置が要求される。
本発明は、先端処理によって不要になったワイヤ電極の切断片を搬送して回収箱に排出する回収装置において、ワイヤ電極の線径に関係なく切断片をより確実に回収できる回収装置を提供することを目的とする。その他、本発明の具体的な利点は、実施の形態の説明において、その都度示される。
本発明は、上記の目的を達成するため、走行経路上にあるワイヤ電極(1)を切断する切断装置(33)の下側に設けられ切断装置(33)で切断されて発生する不要なワイヤ電極(1)の切断片を把持する把持装置(41)と、上記走行経路から離れた位置に開口が設けられた円筒形状の吸引管(61)を有し把持装置(41)で把持された上記切断片を吸引して排出する吸引装置(42)と、把持装置(41)を上記開口まで移動させて上記切断片を上記開口まで移送する移送装置(43)と、を有するワイヤ電極の切断片の回収装置において、開閉可能であってかつ把持面(53)が上記切断片をクランク形状に折り曲げる形状に形成された把持部材(51)を有する把持装置(41)を備えたワイヤ電極の切断片の回収装置とする。なお、符号は、便宜上付されたものであり、本発明を図面に示される実施の形態に限定するものではない。
本発明のワイヤ電極の切断片の回収装置は、把持装置の把持部材の把持面が切断片をクランク形状に折り曲げる形状に形成されている。また、その吸引装置の吸引管が円筒形状の吸引パイプあるいはフレキシブルホースのような導管であり、吸引管の内面が曲面になっている。したがって、吸引管に吸入される切断片と吸引管とが接触する状態をより点接触に近い状態にすることができる。そのため、たとえ切断片が加工液に濡れていたとしても、その線径に関わりなく、切断片の表面張力による吸引管の内壁への付着が防止される。
また、クランク形状に折り曲げられた切断片は、直線的な切断片に比べて吸引管の断面に対するボリュームがあり、吸引管の内部における円筒軸中心の流速が速く圧力の高い部分に位置しやすくなる。そのため、切断片に作用する吸引力がより大きくなり、その線径に関わりなく、切断片がより確実に吸引される。また、クランク形状に折り曲げられた切断片は、空気の流れが生じる方向から風圧を受ける面積が増大する、言い換えれば、直線的な切断片に比べて空気抵抗が大きくなるので、吸引して排出するのに十分な吸引力を切断片により作用させやすくし、ワイヤ電極の線径が大きく比重が大きい場合でも、より確実に切断片を吸引させることができる。
このように、本発明のワイヤ電極の切断片の回収装置は、ワイヤ電極の切断片をより確実に回収することができ、使用するワイヤ電極の線径に関係なく、自動結線の作業の中断を少なくし、加工効率が向上するという効果を奏する。また、異なる線径のワイヤ電極を使用することができるようにするために回収装置を2種類の方法が実施できる回収装置に構成させる必要がなく、不要なワイヤ電極の切断片を確実に回収する上での費用に対する効果に優れる。
図1は、本発明の回収装置を備えたワイヤカット放電加工装置の全体の構成を示す。図2および図3は、回収装置の要部を示している。以下、本発明の回収装置の好適な実施の形態について、具体的に説明する。なお、ワイヤ電極1と被加工物2とに加工電流を供給する加工電源装置およびワイヤ電極1と被加工物2とを相対移動させる相対移動装置は、説明および図示を省略する。
ワイヤカット放電加工装置は、供給装置3、上側ワイヤガイド4、下側ワイヤガイド5、搬送装置6、巻取装置7、自動結線装置8、制御装置9を備える。供給装置3から送り出されるワイヤ電極1は、自動結線装置8によって上側ワイヤガイド4と下側ワイヤガイド5との間に張架される。放電加工中、ワイヤ電極1は巻取装置7に巻き取られて、所定のテンションが付与された状態で、供給装置3から加工部位10に供給され続ける。搬送装置6は、下側ワイヤガイド5を通過したワイヤ電極1を巻取装置7まで搬送する。各装置の動作は、制御装置9によって制御される。
供給装置3は、新しいワイヤ電極1が巻き回されたワイヤボビン11を装着するリール12と、複数の案内ローラ13と、サーボプーリ14と、テンションローラ15と、を備える。リール12とテンションローラ15は、図示しない電磁ブレーキが接続される。サーボプーリ14は、リール12とテンションローラ15との間のテンションの変動を抑制する。ワイヤ電極1は、テンションローラ15と巻取装置7との間で所定のテンションが付与される。
上側ワイヤガイド4は、上側通電体21とともに図示しない上アームに取り付けられる上側ガイド組体のハウジング内に収納される。下側ワイヤガイド5は、下側通電体22とともに図示しない下アームに取り付けられる下側ガイド組体のハウジング内に収納される。上側ワイヤガイド4と下側ワイヤガイド5は、ワイヤボビン11から繰り出され走行するワイヤ電極1を位置決め案内する。方向転換プーリ16を通過したワイヤ電極1の先端は、搬送装置6に捉えられ、搬送装置6の案内管内に供給される流体に乗せられアスピレータによって吸収されて巻取装置7まで搬送される。
巻取装置7は、巻取ローラ17と細断装置18とでなる。巻取ローラ17は、ワイヤ電極1を巻き取るときに働く引張力によって、バックテンションを付与しているテンションローラ15との間でワイヤ電極1に所定のテンションを付与する。ワイヤ電極1のテンションは、巻取ローラ17の速度に対してテンションローラ15に作用するブレーキ力を調整することによって所要の値に設定される。巻取ローラ17によって巻き取られるワイヤ電極1は、細断装置18によって小さく切断され、バケット19に回収される。なお、ワイヤカット放電加工装置は、リミットスイッチのような断線検出器20を備えている。
自動結線装置8は、送出ローラ31と、ガイドパイプ32と、切断装置33と、回収装置34を備える。実施の形態の切断装置33は、カッタとカッタを開閉する図示しない開閉装置を含む。自動結線装置8は、送出ローラ31でワイヤ電極1の先端を送り出して、上側ワイヤガイド4から加工部位10を通って下側ワイヤガイド5を通過させ、ワイヤ電極1を結線する。また、先端処理のために、送出ローラ31を逆転させてワイヤ電極1を巻き上げ、切断装置33で走行経路上にあるワイヤ電極1を切断するとともに、切断装置33で切断されて発生する不要なワイヤ電極1の切断片を回収する。
回収装置34は、把持装置(クランパ)41と、吸引装置42と、移送装置43と、回収箱44とを備える。回収装置34は、切断装置33でワイヤ電極1を切断して生じた切断片を吸引装置42によって吸引して回収箱44に回収する。回収装置34は、より具体的には、切断片をクランク形状に折り曲げて吸引装置42の吸引パイプ61Aの開口まで移送し、吸引パイプ61Aを通して回収箱44に排出する。
把持装置41は、ワイヤ電極1の走行経路上にあるワイヤ電極1を切断する切断装置33の下側に設けられ切断装置33で切断されて発生する不要なワイヤ電極1の切断片を把持する。把持装置41は、図2に示されるように、把持部材であるハンド51とエアチャック(アクチュエータ)52を有する。ハンド51は、制御装置9で制御されるエアチャック52によって開閉可能である。また、図3に示されるように、把持面53が切断片をクランク形状に折り曲げる形状に形成されている。
吸引装置42は、吸引管61と真空ポンプ62とを含む。吸引装置42は、把持装置41で把持されたワイヤ電極1の切断片を吸引して排出する。円筒形状の吸引管61は、吸引パイプ61Aまたはフレキシブルホースのような導管61Bである。円筒形状の吸引パイプ61Aは、ワイヤ電極1の走行経路から離れた位置に下向きに開口が設けられる。吸引パイプ61Aには、図2に示されるように、開口端側に長手方向に沿って切欠63が設けられる。切欠63は、ハンド51でクランプされている切断片を吸引パイプ61Aの側面から吸引パイプ61Aの中に導入する。また、吸引パイプ61Aには、2枚の案内板64,65が設けられる。案内板64,65は、それぞれ切欠63に沿って吸引パイプ61Aの外壁に取り付けられる。吸引パイプ61Aは、自動結線装置8の本体に支点66を中心に回動可能に取り付けられる。
真空ポンプ62は、回収箱44の近くに設けられる。そのため、回収箱44が、吸引管61の開口の上側付近から離れた場所に設けられるときは、吸引管61を可撓性を有するフレキシブルホースのような導管61Bにするか、または、吸引パイプ61Aと真空ポンプ62との間を上記導管61Bで接続する。吸引パイプ61Aと真空ポンプ62との間を結ぶ導管61Bは、吸引パイプ61Aと同じように円筒形状である。
移送装置43は、把持装置41を吸引パイプ61Aの開口まで移動させてワイヤ電極1の切断片を吸引パイプ61Aの開口まで移送する。移送装置43は、図2に示されるように、エアシリンダ71を含んでなる。制御装置9で制御されるエアシリンダ71は、自動結線装置8の本体に取り付けられる。把持装置41は、エアシリンダ72によって、ロッドに沿ってワイヤ電極1の走行経路と吸引パイプ61Aの下向きの開口との間を水平に往復移動する。
制御装置9は、供給装置3、搬送装置6、巻取装置7、自動結線装置8の動作を制御する。また、ワイヤガイドと通電体が開閉する構成であるときは、上側ワイヤガイド4と通電体21ないしは下側ワイヤガイド5と通電体22の開閉を制御する。制御装置9は、例えば、コンピュータ数値制御装置(CNC,Computerized Numerical Controller)である。制御装置9は、予めプログラムされたシーケンスに従って、切断装置33、把持装置41、吸引装置42、移送装置43を動作させて、先端処理によって生じた不要なワイヤ電極1の切断片を回収箱44に排出させる。
図4には、クランク形状に折り曲げられたワイヤ電極の切断片が示される。また、図5は、吸引管の断面とワイヤ電極の切断片を示している。図5の上図には、切断片が直線状のときの切断片と吸引管の内壁面との位置関係が示され、図5の下図には、切断片がクランク形状のときの切断片と吸引管の内壁面との位置関係が示されている。
ワイヤ電極1は、図3に示されるような特別な把持面53を有するハンド51にクランプされたとき、図4に示されるように、クランク形状に折り曲げられる。ハンド51の把持面53およびワイヤ電極1の切断片におけるクランク形状は、ジグザグ形状、山切り形状、あるいは凹凸形状とも表現できる。何れにしても、切断片が吸引管61の内壁に可能な限り点的に接触させようとするものである。したがって、図4に例示されている2種類のワイヤ電極1の切断片は、何れも本発明の回収装置によって形成されるものであるが、図4の右側に示されるクランク形状のワイヤ電極1の切断片よりも、図4の左側に示されるクランク形状の切断片の方がより好ましい。設計上、ハンド51が閉じたときのフィンガの位置(押圧力)を調整したり、把持面の形状(曲げ部の角度等)を工夫することによって、ワイヤ電極1を切断しないでクランク形状に形成することができる。
直線状のワイヤ電極1の切断片は、図5の上図に示されるように、吸引管61の円筒軸中心から離れて外周側に位置するとき、吸引管61の内壁面に線的に接触しやすくなる。そのため、切断片が吸引管61の内壁面にくっつきやすくなる。特に、ワイヤ電極1が加工液によって濡れているときは、液体の表面張力によって張り付きやすくなる。また、切断片が直線状であるとき、吸引管61の断面に対するボリュームが小さいので、特に比重が大きい場合は、吸引管61内における円筒軸中心で捕捉されにくく、それだけ吸引管61の内壁面にくっつきやすくなる。しかも、直線状の切断片は、吸引される方向(空気の流れが生じる方向)に対する面積が比較的小さい。そのため、吸引管61の内壁面に付着した切断片が吸引されるのはより困難になる。
図4に示されるようなクランク形状に形成されたワイヤ電極1の切断片は、円筒形状の吸引管61の円筒軸中心から離れて外周側に位置したとしても、図5の下図に示されるように、吸引管61の内壁面に点的に接触する。そのため、切断片が吸引管61の内壁面にくっつきにくい。そして、たとえワイヤ電極1が加工液によって濡れていたとしても、液体の表面張力が切断片の全体に作用することがないから、切断片が吸引管61の内壁面に付着しにくい。
本発明における円筒形状の吸引管は、断面内側の形状が曲線であることが重要であるが、真円形状である必要はない。また、吸引管の外側の形状に関わらず、内面が曲面であるものは、実質的に同一の作用効果を有する。また、本発明における吸引管は、円筒形状とほとんど同じ作用効果を発揮する円筒形状に近似する多角形状の吸引管を実質的に含む。同様に、全てが円筒形状の吸引管とほとんど同じ作用効果を発揮する長い管路の僅かな部分が円筒形状でないものを含む。当然のことであるが、吸引管の少なくとも一部分が可撓性であるときは、吸引管が直線に配設されている必要はない。一方、クランク形状に形成されたワイヤ電極の切断片が吸引部材の内壁面に線的に接触する可能性を高くする、例えば、断面内側の形状が四角形状の吸引パイプを含む吸引装置は、本発明の技術思想の範囲外である。
クランク形状に折り曲げられた切断片は、図5で明らかなように、直線的な切断片に比べてパイプの断面に対するボリュームがあるので、吸引管61における円筒軸中心の流速が速く圧力の高い空気に捕捉されやすい。そのため、切断片に十分な吸引力が作用し、切断片はより確実に吸引される。また、クランク形状に折り曲げられた切断片は、図5に示されるように、直線状の切断片に比べて空気の流れが生じる方向から風圧を受ける面積が大きいから、ワイヤ電極の線径が大きく比重が大きい場合でも、吸引して排出するのに十分な吸引力を切断片に作用させることができる。したがって、切断片が吸引管61の内壁面に付着しようとしても、付着しないで確実に吸引される。
本発明は、自動結線装置を備えたワイヤカット放電加工装置に適用される。本発明の回収装置は、最良の形態として開示された実施の形態に関わらず、本発明の技術思想に基づいて、開示されている装置部材を変形、置換、追加などによって、実施の形態と異なる形態で実施することができる。本発明は、自動結線の作業の中断を防止して、加工効率を向上させることに有益である。また、不要なワイヤ電極の切断片を確実に回収する上で費用に対する効果に優れる。
本発明の回収装置を含むワイヤカット放電加工装置の全体構成を示す模式図である。 本発明の回収装置を含む自動結線装置の要部を下側から見た平面図である。 本発明の回収装置の把持装置を示す斜視図である。 本発明の回収装置の把持装置によってクランク形状に形成されたワイヤ電極の切断片を示す平面図である。 吸引管の断面に対するワイヤ電極の切断片の接触状態を示し、上図は、切断片が直線状のときの吸引管の断面図であり、下図は、切断片がクランク形状のときの吸引管の断面図である。
符号の説明
1 ワイヤ電極
2 被加工物
3 供給装置
4 上側ワイヤガイド
5 下側ワイヤガイド
6 搬送装置
7 巻取装置
8 自動結線装置
9 制御装置
10 加工部位
31 送出ローラ
33 切断装置
34 回収装置
41 把持装置
42 吸引装置
43 移送装置
44 回収箱
61 吸引管
61A 吸引パイプ
61B 導管

Claims (1)

  1. 走行経路上にあるワイヤ電極を切断する切断装置の下側に設けられ前記切断装置で切断されて発生する不要なワイヤ電極の切断片を把持する把持装置と、上記走行経路から離れた位置に開口が設けられた円筒形状の吸引管を有し前記把持装置で把持された前記切断片を吸引して排出する吸引装置と、前記把持装置を前記開口まで移動させて前記切断片を前記開口まで移送する移送装置と、を有するワイヤ電極の切断片の回収装置において、開閉可能であってかつ把持面が前記切断片をクランク形状に折り曲げる形状に形成された把持部材を有する把持装置を備えたワイヤ電極の切断片の回収装置。

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