JP2005123584A - 抵抗体および電子部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基板上に抵抗体層を有する抵抗体であって、基板上に、鉛を実質的に含まずにCaO及びB2 O3 を含むガラス材料と、鉛を実質的に含まない導電性材料と、有機ビヒクルとを含む抵抗体ペーストを形成した後、830〜870℃の温度で5〜15分焼成して得られ、前記抵抗体層の厚み方向に沿った断面を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察したときに、前記観察断面の抵抗体層中に析出した結晶物CaB2 O4 の占有面積が、前記観察断面の抵抗体層の面積の30.0%未満である、抵抗体。
【選択図】 なし
Description
しかしながら、鉛を含有した抵抗体ペーストを用いることは、環境汚染の観点から望ましくないため、鉛フリーの厚膜抵抗体ペーストについて種々の提案がなされている(特許文献1〜5参照)。
基板上に、鉛を実質的に含まずにCaO及びB2 O3 を含むガラス材料と、鉛を実質的に含まない導電性材料とを含む抵抗体層を有する抵抗体であって、
前記抵抗体層の厚み方向に沿った断面を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察したときに、前記観察断面の抵抗体層中に析出した結晶物CaB2 O4 の占有面積が、前記観察断面の抵抗体層の面積の30.0%未満(好ましくは28.0%以下)である、抵抗体が提供される。
好ましくは、前記ガラス材料が、CaOを含むA群と、B2 O3 を含むB群と、SiO2 を含むC群と、ZrO2 、SrO及びCuOの少なくとも1種を含むD群と、NiOを含むE群とを有し、各群の含有量は、A群:25〜40モル%、B群:20〜40モル%、C群:20〜40モル%、D群:0〜10モル%(但し、0モル%を除く)、E群:0.1〜10モル%、である。
本発明に係る抵抗体は、基板上に抵抗体層を有する。また、本発明に係る抵抗体は、前記抵抗体層の厚み方向に沿った断面を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察したときに、前記観察断面の抵抗体層中に析出した結晶物CaB2 O4 の占有面積が、前記観察断面の抵抗体層の面積の30.0%未満、好ましくは28.0%以下、より好ましくは15.0%以下である。
基板としては、たとえばアルミナ、ガラスセラミックス、誘電体、AlNなどが挙げられる。
抵抗体層は、鉛を実質的に含まずにCaO及びB2 O3 を含むガラス材料と、鉛を実質的に含まない導電性材料とを含む。
CaOを含むA群と、
B2 O3 を含むB群と、
SiO2 を含むC群とを、有するものであることが好ましい。
より好ましくは、前記ガラス材料として、CaOと、B2 O3 と、SiO2 とを、有するものを用いる。
A群:25〜40モル%、
B群:20〜40モル%、
C群:20〜40モル%、であることが好ましく、
より好ましくは、
A群:29〜38モル%、
B群:22〜36モル%、
C群:24〜40モル%、である。
前記ガラス材料は、上記A〜D群の他に、さらに、NiOを含むE群を有することが好ましい。より好ましくは、前記ガラス材料として、CaOと、B2 O3 と、SiO2 と、ZrO2 と、NiOとを、有するものを用いる。
ガラス材料中に、NiOを含むE群を含ませることにより、抵抗体層中に析出する結晶物CaB2 O4 の占有面積を抑制でき、得られる抵抗体のTCRとSTOLのバランスが図られるとともに、経時変化の抑制に効果的である。
この場合のE群の含有量は、好ましくは0.1モル%以上、より好ましくは1モル%以上、さらに好ましくは2モル%以上で、好ましくは10モル%以下、より好ましくは6モル%以下である。
次に、上記抵抗体の製造方法を例示する。
抵抗体ペーストは、上記鉛を実質的に含まずにCaO及びB2 O3 を含むガラス材料と、上記鉛を実質的に含まない導電性材料と、有機ビヒクルとを含む。
本発明に係る電子部品としては、特に限定されないが、回路基板、コンデンサ、インダクタ、チップ抵抗器、アイソレータなどが挙げられる。
導電性材料を次のように作製した。所定量のCaCO3 またはCa(OH)2 粉末と、RuO2 粉末とを、CaRuO3 の組成となるように秤量し、ボールミルにて混合して乾燥した。得られた粉末を5℃/minの速度で1400℃まで昇温し、その温度を5時間保持した後に5℃/minの速度で室温まで冷却した。得られたCaRuO3 化合物をボールミルにて粉砕し、CaRuO3 粉末を得た。得られた粉末はXRDにて所望の化合物が単一相で得られていることを確認した。
96%のアルミナ基板上に、Ag−Pt導体ペーストを所定形状にスクリーン印刷して乾燥させた。Ag−Pt導体ペーストにおけるAgは95重量%、Ptは5重量%であった。このアルミナ基板をベルト炉に入れ、投入から排出まで1時間のパターンで、該基板上に導体を焼き付けした。焼き付け温度は850℃、この温度の保持時間は10分とした。導体が形成されたアルミナ基板上に、前述のごとく作成した抵抗体ペーストを所定形状(1×1mm)にスクリーン印刷して乾燥させた。そして、導体の焼き付けと同じ条件で抵抗体ペーストを焼き付け、厚膜抵抗体を得た。抵抗体の厚みは12μmであった。幾つか、焼き付け温度(焼成温度)を変更した試料も準備した。
得られた厚膜抵抗体に対して、抵抗値、STOL、結晶物占有面積(結晶物面積%)、経時変化の特性評価を行った。
経時変化%は、85℃・85%RHにおいて、1000時間放置したときの抵抗値の変化率を測定することにより行った。表2では試料数10個の平均値を示す。本実施例では、経時変化≦±1.0%を特性の基準とした。
試料番号20〜23において、焼成温度を変化させた場合、温度が高いほど結晶物面積は大きくなり、900℃ではSTOLが悪くなる。しかし、焼成温度800℃に場合は、結晶物面積は小さいが、STOLは悪い。これは抵抗体が十分に焼結していないためで、CaO−B2 O3 −SiO2 系のガラスを用いた場合は、およそ830℃以上で焼き付けることが必要であり、830℃〜870℃程度がより好ましいことが確認できた。
試料番号28〜30において、NiOを含むガラス材料を用いることにより、NiOを含まないガラス材料をほぼ同量で用い、しかも導電性材料の種類及び量、焼成温度、並びに焼成保持時間の各条件がほぼ同じの試料番号13〜16と比較して、抵抗体層中に析出する結晶物CaB2 O4 の占有面積を抑制できており、TCRとSTOLのバランスが図られ、しかも経時変化を抑制できていることが確認できる。
Claims (7)
- 基板上に、鉛を実質的に含まずにCaO及びB2 O3 を含むガラス材料と、鉛を実質的に含まない導電性材料とを含む抵抗体層を有する抵抗体であって、
前記抵抗体層の厚み方向に沿った断面を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察したときに、前記観察断面の抵抗体層中に析出した結晶物CaB2 O4 の占有面積が、前記観察断面の抵抗体層の面積の30.0%未満である、抵抗体。 - 基板上に抵抗体層を有する抵抗体であって、
基板上に、鉛を実質的に含まずにCaO及びB2 O3 を含むガラス材料と、鉛を実質的に含まない導電性材料と、有機ビヒクルとを含む抵抗体ペーストを形成した後、830〜870℃の温度で5〜15分焼成して得られ、
前記抵抗体層の厚み方向に沿った断面を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察したときに、前記観察断面の抵抗体層中に析出した結晶物CaB2 O4 の占有面積が、前記観察断面の抵抗体層の面積の30.0%未満である、抵抗体。 - 前記ガラス材料が、CaOを含むA群と、B2 O3 を含むB群と、SiO2 を含むC群とを有し、各群の含有量は、A群:25〜40モル%、B群:20〜40モル%、C群:20〜40モル%、である請求項1または2に記載の抵抗体。
- 前記ガラス材料が、CaOを含むA群と、B2 O3 を含むB群と、SiO2 を含むC群と、ZrO2 、SrO及びCuOの少なくとも1種を含むD群と、NiOを含むE群とを有し、各群の含有量は、A群:25〜40モル%、B群:20〜40モル%、C群:20〜40モル%、D群:0〜10モル%(但し、0モル%を除く)、E群:0.1〜10モル%、である請求項1または2に記載の抵抗体。
- 前記導電性材料が、BaRuO3 、SrRuO3 、RuO2 及びCaRuO3 から選ばれる少なくとも一つを含む、請求項1〜4の何れかに記載の抵抗体。
- 前記抵抗体層が、65〜93体積%の前記ガラス材料と、7〜35体積%の前記導電性材料とを含む、請求項1〜5の何れかに記載の抵抗体。
- 請求項1〜6の何れかに記載の抵抗体を有する電子部品。
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