JP2005123584A - 抵抗体および電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高い抵抗値を有しながらも、短時間過負荷(STOL)が小さい鉛フリーの抵抗体を提供すること。
【解決手段】 基板上に抵抗体層を有する抵抗体であって、基板上に、鉛を実質的に含まずにCaO及びBを含むガラス材料と、鉛を実質的に含まない導電性材料と、有機ビヒクルとを含む抵抗体ペーストを形成した後、830〜870℃の温度で5〜15分焼成して得られ、前記抵抗体層の厚み方向に沿った断面を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察したときに、前記観察断面の抵抗体層中に析出した結晶物CaBの占有面積が、前記観察断面の抵抗体層の面積の30.0%未満である、抵抗体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、抵抗体および電子部品に関する。
抵抗体ペーストは、一般に、抵抗値の調節及び結合性を与えるためのガラス材料と、導電体材料と、有機ビヒクル(バインダーと溶剤)とで主として構成されており、これを基板上に印刷した後、焼成することによって厚膜(5〜25μm程度)の抵抗体が形成される。
従来の多くの抵抗体ペーストは、ガラス材料として酸化鉛系のガラスを、導電性材料として酸化ルテニウムまたはこの酸化ルテニウムおよび鉛の化合物を、それぞれ用いており、従って鉛を含有したペーストとなっている。
しかしながら、鉛を含有した抵抗体ペーストを用いることは、環境汚染の観点から望ましくないため、鉛フリーの厚膜抵抗体ペーストについて種々の提案がなされている(特許文献1〜5参照)。
通常、シート抵抗値が10kΩ/□以上の抵抗体には、導電材として抵抗率の高いPbRuが用いられている。このため、高抵抗を得ることは比較的容易であった。しかしながら、前述のように環境を配慮した場合、PbO系ガラスは勿論のこと、導電材としてのPbRuの使用を避けることが望ましい。PbRuの同程度の抵抗率を持つ導電材としては、BaRuO、CaRuO、SrRuO、BiRuなどが挙げられるが、これら導電材と、鉛を含まないガラスとで抵抗体を形成した場合、100kΩ/□以上の抵抗値を持つ抵抗体において、特に、耐電圧特性の一つであるSTOL(短時間過負荷)の悪化が問題となり、特性の調節が困難であった。その困難な理由としては、これまで、鉛を含有しない厚膜抵抗体では、鉛を含有する厚膜抵抗体と比較してその研究の歴史は浅く、STOLを抑制するための知見は得られていないことが挙げられる。
特開平8−253342号公報 特開平10−224004号公報 特開2001−196201号公報 特開平11−251105号公報 特許第3019136号
本発明の目的は、高い抵抗値を有しながらも、短時間過負荷(STOL)が小さい鉛フリーの抵抗体と、該抵抗体を有する回路基板などの電子部品とを、提供することである。
上記目的を達成するために、本発明によれば、
基板上に、鉛を実質的に含まずにCaO及びBを含むガラス材料と、鉛を実質的に含まない導電性材料とを含む抵抗体層を有する抵抗体であって、
前記抵抗体層の厚み方向に沿った断面を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察したときに、前記観察断面の抵抗体層中に析出した結晶物CaBの占有面積が、前記観察断面の抵抗体層の面積の30.0%未満(好ましくは28.0%以下)である、抵抗体が提供される。
本発明者らは、試行錯誤の末、基板上に形成した抵抗体層の厚み方向に沿った断面をTEM観察したときに、前記観察断面の抵抗体層中に析出した結晶物の占有面積が、前記観察断面の抵抗体層の面積の30.0%未満の場合に、高い抵抗値を有しながらも、STOLが小さい鉛フリーの抵抗体を提供できることを見出した。
本発明の抵抗体は、基板上に、鉛を実質的に含まずにCaO及びBを含むガラス材料と、鉛を実質的に含まない導電性材料と、有機ビヒクルとを含む抵抗体ペーストを形成した後、830〜870℃の温度で5〜15分焼成して得られることが好ましい。
好ましくは、前記ガラス材料が、CaOを含むA群と、Bを含むB群と、SiOを含むC群とを、有し、各群の含有量は、A群:25〜40モル%、B群:20〜40モル%、C群:20〜40モル%、である。
好ましくは、前記ガラス材料が、CaOを含むA群と、Bを含むB群と、SiOを含むC群と、ZrO、SrO及びCuOの少なくとも1種を含むD群と、NiOを含むE群とを有し、各群の含有量は、A群:25〜40モル%、B群:20〜40モル%、C群:20〜40モル%、D群:0〜10モル%(但し、0モル%を除く)、E群:0.1〜10モル%、である。
好ましくは、前記導電性材料が、BaRuO、SrRuO、RuO及びCaRuOから選ばれる少なくとも一つを含む。
好ましくは、前記抵抗体層が、65〜93体積%の前記ガラス材料と、7〜35体積%の前記導電性材料とを含む。
本発明によれば、上記何れかの抵抗体を有する電子部品が提供される。
本発明において、”鉛を実質的に含まない”とは、不純物レベルとは言えない量を超える鉛を含まないことを意味し、不純物レベルの量(たとえばガラス材料または導電性材料中の含有量が0.05体積%以下)であれば含有されていてもよい趣旨である。鉛は、不可避的不純物として極微量程度に含有されることがある。
本発明によれば、高い抵抗値(たとえば100kΩ/□以上、好ましくは1MΩ/□以上)を有しながらも、STOLが小さい(たとえば±7%未満、好ましくは±5%未満)鉛フリーの抵抗体を提供することができる。すなわち、本発明の抵抗体は、使用環境における温度や印加電圧が変化しても、良好な特性を保持することができるので、その有用性が高い。
抵抗体
本発明に係る抵抗体は、基板上に抵抗体層を有する。また、本発明に係る抵抗体は、前記抵抗体層の厚み方向に沿った断面を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察したときに、前記観察断面の抵抗体層中に析出した結晶物CaBの占有面積が、前記観察断面の抵抗体層の面積の30.0%未満、好ましくは28.0%以下、より好ましくは15.0%以下である。
本発明者らは、結晶物CaBの占有面積が少ないほど、高い抵抗値を有しながらも、STOLを低く抑えることができることを見出した。その一方で、結晶物CaBの占有面積があまりに少なすぎると、ZrOを含むガラス材料を用いたときに、該ZrOが析出し、結果としてSTOLを悪化させる要因ともなりうる。このため、結晶物CaBの占有面積の下限は、好ましくは5%程度であることが望ましい。
基板
基板としては、たとえばアルミナ、ガラスセラミックス、誘電体、AlNなどが挙げられる。
抵抗体層
抵抗体層は、鉛を実質的に含まずにCaO及びBを含むガラス材料と、鉛を実質的に含まない導電性材料とを含む。
鉛を実質的に含まずにCaO及びBを含むガラス材料としては、特に限定されないが、
CaOを含むA群と、
を含むB群と、
SiOを含むC群とを、有するものであることが好ましい。
より好ましくは、前記ガラス材料として、CaOと、Bと、SiOとを、有するものを用いる。
各群の含有量は、
A群:25〜40モル%、
B群:20〜40モル%、
C群:20〜40モル%、であることが好ましく、
より好ましくは、
A群:29〜38モル%、
B群:22〜36モル%、
C群:24〜40モル%、である。
前記ガラス材料は、上記A〜C群の他に、さらに、ZrO、SrO、CuO、ZnO、MnO、CoO、LiO、NaO、KO、P、TiO、Bi、V、及びFeから選ばれる少なくとも1種(好ましくはZrO、SrO及びCuOの少なくとも1種)を含むD群を有していてもよい。好ましくは、前記ガラス材料として、CaOと、Bと、SiOと、ZrOとを、有するものを用いる。
この場合のD群の含有量は、好ましくは0〜10モル%(但し、0モル%を除く)、より好ましくは0〜7モル%(但し、0モル%を除く)である。
前記ガラス材料は、上記A〜D群の他に、さらに、NiOを含むE群を有することが好ましい。より好ましくは、前記ガラス材料として、CaOと、Bと、SiOと、ZrOと、NiOとを、有するものを用いる。
ガラス材料中に、NiOを含むE群を含ませることにより、抵抗体層中に析出する結晶物CaBの占有面積を抑制でき、得られる抵抗体のTCRとSTOLのバランスが図られるとともに、経時変化の抑制に効果的である。
この場合のE群の含有量は、好ましくは0.1モル%以上、より好ましくは1モル%以上、さらに好ましくは2モル%以上で、好ましくは10モル%以下、より好ましくは6モル%以下である。
鉛を実質的に含まない導電性材料としては、特に限定されないが、ルテニウム酸化物の他、Ag−Pd合金、TaN、LaB、WC、MoSiO、TaSiO、及び金属(Ag、Au、Pd、Pt、Cu、Ni、W、Moなど)などが挙げられる。これらの物質は、それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いても良い。中でも、ルテニウム酸化物が好ましい。
ルテニウム酸化物としては、酸化ルテニウム(RuO、RuO、RuO)の他、ルテニウム系パイロクロア(BiRu7−x 、TlRuなど)やルテニウムの複合酸化物(SrRuO、CaRuO、BaRuOなど)なども含まれる。中でも、酸化ルテニウムやルテニウムの複合酸化物が好ましく、より好ましくはRuOやSrRuO、CaRuO、BaRuOなどである。
抵抗体層中の前記ガラス材料及び導電性材料の含有量は、ガラス材料:好ましくは65〜93体積%、より好ましくは68〜90体積%、導電性材料:好ましくは7〜35体積%、より好ましくは8〜30体積%、である。
抵抗体層の膜厚は、薄膜であっても良いが、通常は1μm以上、好ましくは10〜15μm程度の厚膜とされる。
抵抗体の製造方法
次に、上記抵抗体の製造方法を例示する。
(1)まず、抵抗体ペーストを準備する。
抵抗体ペースト
抵抗体ペーストは、上記鉛を実質的に含まずにCaO及びBを含むガラス材料と、上記鉛を実質的に含まない導電性材料と、有機ビヒクルとを含む。
有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中に溶解したものである。有機ビヒクルに用いるバインダは特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等の通常の各種バインダから適宜選択すればよい。
また、用いる有機溶剤も特に限定されず、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン等の各種有機溶剤から適宜選択すればよい。
ペースト中での前記ガラス材料の含有量は、粉末の体積を100とした場合に、好ましくは65〜93体積%、より好ましくは68〜90体積%である。
ペースト中での導電性材料の含有量は、粉末の体積を100とした場合に、好ましくは7〜35体積%、より好ましくは8〜30体積%である。
なお、ペースト中には、上記成分以外に、添加物が含有してあってもよい。
添加物としては、CuO、ペロブスカイト型結晶構造(ABXで表現される結晶構造)を持つ酸化物、ZnO、MgOなどが挙げられる。
CuOは、抵抗値の温度特性(TCR)調整剤としての役割を果たす。この場合のCuOの含有量は、好ましくは0.1〜2体積%、より好ましくは0.5〜2体積%である。CuOの添加量が増加すると、STOLが悪化する傾向にある。
ペロブスカイト型結晶構造を持つ酸化物としては、CaTiO、SrTiO、BaTiO、CaZrO、SrZrOなどの単純ペロブスカイトの他に、欠陥ペロブスカイト、複合ペロブスカイトなども挙げられる。中でも、CaTiO、SrTiO及びBaTiOの少なくともいずれかを用いることが好ましく、より好ましくはCaTiOを用いる。ペロブスカイト型結晶構造を持つ酸化物は、TCRとSTOLのバランスを調整する作用を持つ。この場合のペロブスカイト型結晶構造を持つ酸化物の含有量は、好ましくは0.1〜12体積%、より好ましくは1〜10体積%である。
ZnOは、TCR調整剤としての役割を果たす。この場合のZnOの含有量は、好ましくは0.1〜5体積%、より好ましくは1〜4体積%である。ZnOの添加量が増加すると、STOLが悪化する傾向にある。
MgOは、TCR調整剤としての役割を果たす。この場合のMgOの含有量は、好ましくは1〜8体積%、より好ましくは2〜6体積%である。MgOの添加量が増加すると、STOLが悪化する傾向がある。
なお、その他のTCR調整剤としての役割を果たす添加物としては、たとえば、MnO、V、TiO、Y、Nb、Cr、Fe、CoO、Al、ZrO、SnO、HfO、WO及びBiなどが挙げられる。
抵抗体ペーストは、導電性材料、ガラス材料及び必要に応じて配合される各種添加物に、有機ビヒクルを加えて、たとえば3本ロールミルで混練して製造される。
この場合、ガラス材料、導電性材料および必要に応じて添加される添加物の各粉末を合計した重量(W1)と、有機ビヒクルの重量(W2)との比(W2/W1)が、0.25〜4であることが好ましく、より好ましくは0.5〜2である。
(2)次に、上記抵抗体ペーストを、基板上に、たとえばスクリーン印刷法などにより形成して乾燥させ、所定の焼成温度で所定時間、焼き付けて抵抗体を製造する。
本発明では、焼成条件を、焼成温度を830〜870℃、好ましくは840〜860℃とし、該焼成温度保持時間を5〜15分、好ましくは8〜12分とすることが好ましい。このような条件で焼き付けることにより、抵抗体層の厚み方向に沿った断面を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察したときに、前記観察断面の抵抗体層中に析出した結晶物CaBの占有面積を、前記観察断面の抵抗体層の面積の30.0%未満とすることができる。そして、結晶物CaBの占有面積が30.0%未満であるときに、たとえば100kΩ/□以上、好ましくは1MΩ/□以上と高い抵抗値を有しながらも、たとえば±7%未満、好ましくは±5%未満とSTOLが小さい鉛フリーの抵抗体を提供することができる。
製造された抵抗体は、電子部品としての、単層または多層の回路基板の他、コンデンサやインダクタなどの電極部分に適用することもできる。
電子部品
本発明に係る電子部品としては、特に限定されないが、回路基板、コンデンサ、インダクタ、チップ抵抗器、アイソレータなどが挙げられる。
次に、本発明の実施の形態をより具体化した実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
抵抗体ペーストの作製
導電性材料を次のように作製した。所定量のCaCOまたはCa(OH)粉末と、RuO粉末とを、CaRuOの組成となるように秤量し、ボールミルにて混合して乾燥した。得られた粉末を5℃/minの速度で1400℃まで昇温し、その温度を5時間保持した後に5℃/minの速度で室温まで冷却した。得られたCaRuO化合物をボールミルにて粉砕し、CaRuO粉末を得た。得られた粉末はXRDにて所望の化合物が単一相で得られていることを確認した。
ガラス材料を次のように作製した。所定量のCaCO、B、SiO、ZrO、SrO、CuO及びNiOを、表1に示す最終組成(10種類)となるように秤量し、ボールミルにて混合して乾燥した。得られた粉末を5℃/minの速度で1300℃まで昇温しその温度を1時間保持した後に水中投下することによって急冷し、ガラス化した。得られたガラス化物をボールミルで粉砕し、ガラス粉末を得た。得られたガラス粉末はXRDにより非晶質であることを確認した。
Figure 2005123584
有機ビヒクルを次のように作製した。溶剤としてのターピネオールを加熱撹拌しながら、樹脂としてのエチルセルロースを溶かして有機ビヒクルを作製した。
作製した導電性材料の粉末及びガラス粉末を、表2に示す各組成になるように秤量し、これに有機ビヒクルを加えて、3本ロールミルで混練し、抵抗体ペーストを得た。導電性粉末及びガラス材料の各粉末の合計重量と有機ビヒクルの重量比は、得られたペーストがスクリーン印刷に適した粘度となるように、重量比で1:0.25〜1:4の範囲内で適宜、調合してペースト化した。
厚膜抵抗体の作製
96%のアルミナ基板上に、Ag−Pt導体ペーストを所定形状にスクリーン印刷して乾燥させた。Ag−Pt導体ペーストにおけるAgは95重量%、Ptは5重量%であった。このアルミナ基板をベルト炉に入れ、投入から排出まで1時間のパターンで、該基板上に導体を焼き付けした。焼き付け温度は850℃、この温度の保持時間は10分とした。導体が形成されたアルミナ基板上に、前述のごとく作成した抵抗体ペーストを所定形状(1×1mm)にスクリーン印刷して乾燥させた。そして、導体の焼き付けと同じ条件で抵抗体ペーストを焼き付け、厚膜抵抗体を得た。抵抗体の厚みは12μmであった。幾つか、焼き付け温度(焼成温度)を変更した試料も準備した。
厚膜抵抗体の特性評価
得られた厚膜抵抗体に対して、抵抗値、STOL、結晶物占有面積(結晶物面積%)、経時変化の特性評価を行った。
抵抗値は、Agilent Technologies社製の製品番号34401Aにより測定した。結果を表2に示す。表2では試料数36個の平均値を示す。本実施例では、抵抗値>100kΩを特性の基準とした。
STOL(短時間過負荷)の評価は、厚膜抵抗体に試験電圧を5秒印加した後に30分放置し、その前後における抵抗値の変化率を確認することにより行った。試験電圧は、定格電圧の2.5倍とした。定格電圧は、√(R/8)とした。ここで R:抵抗値(Ω/□)である。なお、計算した試験電圧が200Vを越える抵抗値をもつ抵抗体については、試験電圧を200Vにて行った。結果を表2に示す。表2では試料数10個の平均値を示す。本実施例では、STOL<±5%を特性の基準とした。
結晶物面積%は、アルミナ基板上に焼き付けた抵抗体をFIB加工によりサンプリングし、断面をTEM観察した。抵抗体(試料番号14)の断面のTEM写真を図1に示す。抵抗体(試料番号29)の断面のTEM写真を図2に示す。結晶物の領域を計測することにより、結晶物の面積%を算出した。結果を表2に示す。表2では試料数5個の平均値を示す。各サンプルともに平均値に対して±5%程度のばらつきがあった。
経時変化%は、85℃・85%RHにおいて、1000時間放置したときの抵抗値の変化率を測定することにより行った。表2では試料数10個の平均値を示す。本実施例では、経時変化≦±1.0%を特性の基準とした。
Figure 2005123584
表2に示すように、試料番号1〜19において、それぞれの導電性材料において結晶物CaBの占有面積の平均が、観察断面の抵抗体層の面積の30.0%未満であるときに、STOLが良好になることが確認できた。
試料番号20〜23において、焼成温度を変化させた場合、温度が高いほど結晶物面積は大きくなり、900℃ではSTOLが悪くなる。しかし、焼成温度800℃に場合は、結晶物面積は小さいが、STOLは悪い。これは抵抗体が十分に焼結していないためで、CaO−B−SiO系のガラスを用いた場合は、およそ830℃以上で焼き付けることが必要であり、830℃〜870℃程度がより好ましいことが確認できた。
試料番号24〜27において、焼成温度の保持時間を変えた場合、保持時間が長くなるほど結晶物面積は大きくなり、20分ではSTOLが悪くなる。焼成温度を変化させるほど、結晶物面積は変化しない。5〜15分程度がより好ましいことが確認できた。
試料番号28〜30において、NiOを含むガラス材料を用いることにより、NiOを含まないガラス材料をほぼ同量で用い、しかも導電性材料の種類及び量、焼成温度、並びに焼成保持時間の各条件がほぼ同じの試料番号13〜16と比較して、抵抗体層中に析出する結晶物CaBの占有面積を抑制できており、TCRとSTOLのバランスが図られ、しかも経時変化を抑制できていることが確認できる。
なお、試料1,5,9,10,13,20,23,27は比較例を示し、その他の試料は実施例を示す。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
図1は実施例での抵抗体(試料番号14)の断面のTEM写真である。 図2は実施例での抵抗体(試料番号29)の断面のTEM写真である。

Claims (7)

  1. 基板上に、鉛を実質的に含まずにCaO及びBを含むガラス材料と、鉛を実質的に含まない導電性材料とを含む抵抗体層を有する抵抗体であって、
    前記抵抗体層の厚み方向に沿った断面を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察したときに、前記観察断面の抵抗体層中に析出した結晶物CaBの占有面積が、前記観察断面の抵抗体層の面積の30.0%未満である、抵抗体。
  2. 基板上に抵抗体層を有する抵抗体であって、
    基板上に、鉛を実質的に含まずにCaO及びBを含むガラス材料と、鉛を実質的に含まない導電性材料と、有機ビヒクルとを含む抵抗体ペーストを形成した後、830〜870℃の温度で5〜15分焼成して得られ、
    前記抵抗体層の厚み方向に沿った断面を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察したときに、前記観察断面の抵抗体層中に析出した結晶物CaBの占有面積が、前記観察断面の抵抗体層の面積の30.0%未満である、抵抗体。
  3. 前記ガラス材料が、CaOを含むA群と、Bを含むB群と、SiOを含むC群とを有し、各群の含有量は、A群:25〜40モル%、B群:20〜40モル%、C群:20〜40モル%、である請求項1または2に記載の抵抗体。
  4. 前記ガラス材料が、CaOを含むA群と、Bを含むB群と、SiOを含むC群と、ZrO、SrO及びCuOの少なくとも1種を含むD群と、NiOを含むE群とを有し、各群の含有量は、A群:25〜40モル%、B群:20〜40モル%、C群:20〜40モル%、D群:0〜10モル%(但し、0モル%を除く)、E群:0.1〜10モル%、である請求項1または2に記載の抵抗体。
  5. 前記導電性材料が、BaRuO、SrRuO、RuO及びCaRuOから選ばれる少なくとも一つを含む、請求項1〜4の何れかに記載の抵抗体。
  6. 前記抵抗体層が、65〜93体積%の前記ガラス材料と、7〜35体積%の前記導電性材料とを含む、請求項1〜5の何れかに記載の抵抗体。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の抵抗体を有する電子部品。
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