JP2005122917A - 収納体、電池収納部、測定器および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 電池収納部5は、電池4を受け入れ可能な電池収納凹部51と、電池収納凹部51を開閉可能に閉塞する蓋体52と、電池収納凹部51が蓋体52に閉塞された状態で電池収納凹部51の内部を液密に封止する封止手段53と、を備える。封止手段53は、電池収納凹部51の開口511の全周を囲んで配設された弾性シール部材54と、スライダ3の表面において電池収納凹部51の開口511を囲んで刻設され弾性シール部材54が嵌入される溝部55と、弾性シール部材54を溝部55に係着する係着手段56を備える。係着手段56は、リング部541の外側面から突起形成された係合突起部542と、スライダ3の表面において溝部55に連設して形成された係合孔部552と、を備えている。
【選択図】 図1
Description
図3に、防水防塵性能を備えた従来の測定器としてのノギス1を示す。
このノギス1は、長手状の本尺2と、本尺2の長手方向にスライド移動可能に設けられたスライダ3と、を備え、スライダ3には、内部の電気動作部(不図示)に電力を供給する電源としての電池4を収納する電池収納部33が設けられている。
電池収納部33は、スライダ3の外表面において電池4を受け入れ可能な凹状に形成された電池収納凹部34と、電池収納凹部34を開閉可能に閉塞して電池収納凹部34を外部から区画する蓋体35と、電池収納凹部34が蓋体35に閉塞された状態で電池収納凹部34の内部を外部から液密に封止する封止手段36と、を備えている。
このような構成において、蓋体35を電池収納凹部34に被せて蓋体35で電池収納凹部34を閉塞するとき、弾性シール部材37が蓋体35と溝部38の底面とにて挟持された状態で弾性変形する。すると、電池収納凹部34が液密に封止され、水、油、塵埃などが多量に存在する環境下においても電池収納凹部34の内部への水や塵埃等の侵入が防止される。
その一方、弾性シール部材37に変形を与えない程度に弾性シール部材37を溝部38に軽く押し込むだけでは、蓋体35を開いたときに弾性シール部材37が脱落しやすいという問題が生じる。
このように、弾性シール部材37をしっかりと固定しつつ防水防塵性を向上させることは困難を有していた。
そして、このような問題は、防水防塵性を備えたハンドツール型測定器に限られず、防水防塵性を保って電池などの電気動作部を収納しなければならない電子機器に共通する問題である。
この状態で、収納空間の開口に蓋体を被せて閉塞する。すると、弾性シール部材が蓋体とケース本体とにて挟持されて弾性変形される。弾性シール部材の変形により、溝部の隙間が埋められて、さらに、蓋体とケース本体の表面との隙間が埋められる。このとき、収納空間が外部から液密に区画され、収納空間の内部への水、油、塵埃などの侵入が防止される。
また、蓋体を外したときでも、係合突起部が係合孔部に圧入されて係着されているので、弾性シール部材が溝部から外れることがない。
係合突起部が係合孔部に圧入されて係着されているので、弾性シール部材が溝部に嵌合された状態でその位置が保たれ、簡単に脱落することがない。そして、係合突起部が係合孔部に圧入されていても弾性シール部材には変形が及ばないので、弾性シール部材によって収納空間の液密性は良好に保たれる。
請求項4に記載の測定器は、請求項1または請求項2のいずれかに記載の収納体を有し、前記収納空間に電気動作部を液密に収納する。
請求項5に記載の電子機器は、請求項1または請求項2のいずれかに記載の収納体を有し、前記収納空間に電気動作部を液密に収納する。
図1および図2に、本発明の測定器(電子機器)の一実施形態としてのノギス1を示す。
ノギス1は、長手の基端に測定ジョー21を有する本尺2と、本尺2の測定ジョー21に対をなす測定ジョー31を有し本尺2の長手方向にスライド移動可能に設けられたスライダ3と、本尺2に対するスライダ3の変位量を検出する図示しない変位検出手段と、を備えている。
電池収納凹部51は、ボタン電池4の直径や厚みなどの形状に合わせて凹設された略円形の穴部である。ここに、電池収納凹部51は電池を収納する収納空間となり、スライダ3は電池収納凹部51の開口511を有し内部に電池4を収納するケース本体となる。
蓋体52は、電池収納凹部51の開口511を含んだスライダ3表面の一部を覆う面積を有する板体である。なお、特に図示しないが、電池収納凹部51の開口511を閉塞する状態で蓋体52を固定する固定手段が設けられている。このような固定手段は、一方に設けられた係止孔に他方に設けられた係止爪が係合する構成でもよく、あるいは、蓋体52をスライダ3にねじ止めする構成でもよい。
弾性シール部材54は、例えばシリコン樹脂などの弾性部材で形成され、電池収納凹部51の開口511の周囲を囲む略円形リング形状に形成されたリング部541を有する。
溝部55は、スライダ3の表面において電池収納凹部51の開口511の周囲を囲んで略円形に刻設されたリング受容部551を有する。
係合突起部542は、弾性シール部材54の直径方向において弾性シール部材54に一体的に二つ設けられている。係合突起部542は、リング部541の外周からスライダ3に垂直に差し込む方向へ突起したピン形状である。
係合孔部552は、係合突起部542に対応してリング受容部551の直径方向において二つ設けられ、リング受容部551よりも深く形成された孔である。
すなわち、弾性シール部材54を溝部55に嵌入したときに弾性シール部材54とスライダ3の表面とが接するところ、弾性シール部材54がスライダ3に接する接合面から係合突起部542が突起形成され、スライダ3が弾性シール部材54に接する接合面には係合孔部552が設けられている。
一方、係合孔部552の径は、係合突起部542の径に比べて若干小さめであり、係合突起部542を係合孔部552に押し込んで圧入したときに、係合突起部542と係合孔部552とが強固に係着する程度の径である。
また、電池4の交換などに際して蓋体52を開放したとき、係合突起部542が係合孔部552に圧入されて係着されているので、弾性シール部材54が溝部55から外れることがない。
(1)リング部541はリング受容部551に嵌合されている状態では、特に無理な変形を受けていないので、蓋体52で挟持されたときに変形して隙間を埋めるように十分に広がることができる。よって、弾性シール部材54によって電池収納凹部51内の液密性を確実に保つことができる。
例えば、溝部55はスライダ3の表面に設けられ、弾性シール部材54はスライダ3に固定されていたが、溝部55が蓋体52に設けられて弾性シール部材54が蓋体52に固定されていてもよい。さらには、弾性シール部材54および溝部55がスライダ3と蓋体52との両方に設けられていてもよい。
また、係着手段56としては、弾性シール部材54に係合孔部が設けられ、溝部55に係合突起部が設けられていてもよい。
収納空間としては、電池4を収納する電池収納凹部51に限られず、液密に保護すべき要素を収納する収納空間であれば本発明を適用できることはもちろんである。
測定器としてはノギス1を例に説明したが、ノギスに限られず水、油および塵埃等が存在する環境下で使用される種々の測定器でもよく、例えば、マイクロメータやマイクロメータヘッド、ダイヤルゲージなどでもよい。また、電気動作部を液密に保護すべき電子機器に適用できることはもちろんである。そして、内部の収納空間を外部から液密に保護する種々の収納体に適用できることはもちろん、内部に収納した液体等を外部に漏らさずに収納する収納体にも適用できる。
Claims (5)
- 内部の収納空間に連通する開口を有するケース本体と、
前記開口を開閉可能に閉塞する蓋体と、
前記蓋体にて前記開口が閉塞された際に、前記開口の周囲をリング状に囲んだ状態で前記ケース本体と前記蓋体とにて挟持されて弾性変形する弾性シール部材と、
前記ケース本体および前記蓋体の少なくとも一方に刻設され前記弾性シール部材が嵌入される溝部と、
前記弾性部材を前記溝部に嵌入された状態に保持する係着手段と、を備え、
前記係着手段は、前記弾性シール部材と、前記溝部が設けられた前記ケース本体および前記蓋体の少なくとも一方との接合面において、一方の前記接合面から突起形成された係合突起部と、他方の前記接合面に設けられ前記係合突起部が圧入されて係着する係合孔部と、を備える
ことを特徴とする収納体。 - 請求項1に記載の収納体において、
前記係合突起部は、前記弾性シール部材のリング形状の直径方向で対向した位置に設けられ、
前記係合孔部は、前記溝部が設けられた前記ケース本体および前記蓋体の少なくとも一方において前記係合突起部に対応する位置に設けられている
ことを特徴とする収納体。 - 請求項1または請求項2に記載の収納体を有し、
前記収納空間に電池を液密に収納する電池収納部。 - 請求項1または請求項2のいずれかに記載の収納体を有し、
前記収納空間に電気動作部を液密に収納する測定器。 - 請求項1または請求項2のいずれかに記載の収納体を有し、
前記収納空間に電気動作部を液密に収納する電子機器。
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