JP2005122613A - 変形画像生成方法および変形画像生成装置ならびに変形画像生成プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 元画像を幾何変形させて変形画像を生成する場合、画質の優れた変形画像を生成可能とする。
【解決手段】 元画像を構成する元画像画素に対し、ある幾何変形関数を用いて前記元画像画素に対応した幾何変形座標を生成する幾何変形手段1と、前記幾何変形手段1で生成された幾何変形座標上の元画像画素の画素情報を用いて、幾何変形後の変形画像を構成する変形画像画素のうちの画素値算出対象となる変形画像画素の画素値をある補間関数により求める変形画像画素補間手段2とを有する。さらに、前記変形画像画素補間手段2には、前記変形画像画素の画素値に影響を与える範囲を設定する影響範囲生成手段21を含み、この影響範囲生成手段21により設定された影響範囲内の前記元画像画素の画素値を用いて前記補間関数を計算する。
【選択図】 図1
【解決手段】 元画像を構成する元画像画素に対し、ある幾何変形関数を用いて前記元画像画素に対応した幾何変形座標を生成する幾何変形手段1と、前記幾何変形手段1で生成された幾何変形座標上の元画像画素の画素情報を用いて、幾何変形後の変形画像を構成する変形画像画素のうちの画素値算出対象となる変形画像画素の画素値をある補間関数により求める変形画像画素補間手段2とを有する。さらに、前記変形画像画素補間手段2には、前記変形画像画素の画素値に影響を与える範囲を設定する影響範囲生成手段21を含み、この影響範囲生成手段21により設定された影響範囲内の前記元画像画素の画素値を用いて前記補間関数を計算する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ディジタル画像データに対して幾何変形を加えた変形画像を生成する変形画像生成方法および変形画像生成装置ならびに変形画像生成プログラムに関する。
ディジタル画像データに対して幾何変形を加えて編集・合成することで、新しい画像を生成する変形画像生成技術が種々提案されている。そして、これらの変形画像生成技術は、たとえば、コンピュータ・グラフィックスやデスクトップ・パブリッシングなどを提供するシステムにハードウエアあるいはソフトウエアとして組み込まれて利用されている。
このような変形画像生成技術の従来例としては、たとえば、特開平7−192122号公報に記載の「画像変形方法およびその装置」(以下、特許文献1という)や特開平10−283469号公報に記載の「画像変形方法およびその装置」(以下、特許文献2という)などがある。
特許文献1の技術は、画像データ中の幾何変形対象部分を複数個の小多角形で分割し、それらの小多角形の頂点位置が幾何変形後にどの位置に移動するかを算出するものである。そして、多角形ごとに幾何変形に基づく画像データ補間を行う。
また、特許文献2の技術は、複数の幾何変形方法がプリセットとして用意されており、ユーザはプリセットとして用意された幾何変形方法の中から所望とする幾何変形方法を選択することで、幾何変形の施された変形画像を生成するものである。
特開平7−192122号公報
特開平10−283469号公報
ディジタル画像に幾何変形を加えて変形画像を生成する場合、より自然な変形画像を得るために画像データの補間が行われるが、特許文献1の技術では、多角形ごとにその多角形の幾何変形に基づく画像データ補間を行うものであるが、この画像データ補間方法では、多角形の辺上では滑らかで自然な画像データ補間は行えず、変形後の画像に不自然さが残るおそれが多い。また、この特許文献1の技術では、幾何変形対象部分を幾つの多角形で分割するのが最適であるかが不明確であるという問題もある。一般には、幾何変形対象部分を、より多くの多角形で分割すればより良い結果がえられるとは限らないので、最適な分割数を設定することが求められる。
一方、特許文献2の技術では、プリセットされている幾何変形に対してはそのプリセットに対応した画像データ補間方法が予め設定されているが、プリセットされていない任意の幾何変形では適切な画像データ補間方法を設定することはできない。ユーザが変形画像を生成しようとする際、プリセットされていない任意の変形画像を生成したいという要望もある。このような場合にはこの特許文献2では対応できないという問題がある。
以上説明したように、従来の変形画像生成方法で用いられている画像データ補間方法は、幾何変形の度合いが異なる場合であっても、単一の画像データ補間方法を用いるものや、プリセットとして設定されている画像データ補間方法の中から幾何変形に合った画像データ補間方法を用いるといったことが一般的である。
したがって、幾何変形の度合い応じた最適な画像データ補間が行えないという問題があり、それによって生成される変形画像も滑らかで自然な画像が得られない場合が多く、複雑な幾何変形に対応できるものではないことは明らかである。
また、従来技術における幾何変形後の画像データ補間方法は、幾何変形後の画像上のある画素の画素値を求める場合、その画素が元画像(幾何変形前の画像)のどこに位置するかを調べて、その結果から幾何変形後のある画素の画素値を求めるようにしている。このため、幾何変形の度合いが複雑であるような場合は、幾何変形後のそれぞれの画素において適切な画素値を得ることができないことが多い。
そこで本発明は、幾何変形の内容に応じた最適な画像データ補間を可能とし、それによって見た目に自然な変形画像の生成を可能とする変形画像生成方法および変形画像生成装置ならびに変形画像生成プログラムを提供することを目的としている。
(1)本発明の変形画像生成手段は、元画像を幾何変形させて変形画像を生成する変形画像生成方法であって、前記元画像を構成する元画像画素に対し、ある幾何変形関数を用いて前記元画像画素に対応した幾何変形座標を生成する幾何変形ステップと、前記幾何変形ステップで生成された幾何変形座標上の元画像画素の画素情報を用いて、幾何変形後の変形画像を構成する変形画像画素のうちの画素値算出対象となる変形画像画素の画素値をある補間関数により求める変形画像画素補間ステップとを含むことを特徴としている。
このように、本発明の変形画像生成方法は、幾何変形後の変形画像画素の画素値を求める場合、元画像を幾何変形させた幾何変形後の画像に元画像画素の画素情報を散らばせて、その幾何変形後の画像上に散らばった元画像画素の画素情報を用いて変形画像画素を求めるようにしている。これによって、従来の変形画像生成方法に比べると、変形画像画素の画素値をより適切に求めることができ、変形画像の画素補間をより滑らかで自然なものとすることができる。これにより、複雑な幾何変形に十分対応できるものとなる。
(2)前記(1)の変形画像生成方法において、前記変形画像画素補間ステップには、前記画素値算出対象となる変形画像画素に影響を与える範囲を設定する影響範囲生成ステップが含まれ、この影響範囲生成ステップにより設定された影響範囲内に含まれる前記元画像画素の画素情報を用いて前記補間関数により前記画素値算出対象となる変形画像画素の画素値を算出するようにしている。
このように、画素値算出対象となる変形画像画素に影響を与える範囲を設定して、その影響範囲内の元画像画素の画素情報を用いて画素値算出対象となる変形画像画素の画素値を求めるようにしている。これにより、画素値算出に有効な元画像画素の画素情報を用いた画素値算出処理が行えばよいことから、画素値算出処理の効率化を図ることができ、しかも、適切な画素値を求めることが可能となる。
(3)前記(2)に記載の変形画像生成方法において、前記影響範囲生成ステップは、所定の影響範囲を設定し、設定された影響範囲内に含まれるN個(Nは正の整数)の元画像画素を特定することが可能である。
これは、影響範囲をあらかじめ設定しておいて、その影響範囲に含まれる元画像画素を特定する処理であるので、処理の単純化と高速化を図ることができる。
(4)前記(2)に記載の変形画像生成方法において、前記影響範囲生成ステップは、あらかじめ設定されたN個(Nは正の整数)の元画像画素を特定し、該N個の元画像画素が含まれるように影響範囲の設定を行うことも可能である。
これは、あらかじめ設定されたN個の元画像画素が含まれるような影響範囲を設定する処理であり、これによれば、画素値算出対象となる変形画像画素に影響を与える可能性の高い元画像画素を適切かつ効率よく選ぶことができるので、より適切な画素値を求めることができる。
(5)前記(2)に記載の変形画像生成方法において、前記影響範囲生成ステップは、あらかじめ設定されたN個(Nは正の整数)の元画像画素を特定し、該N個の元画像画素が含まれるように、該N個の元画像画素のそれぞれの画素情報に基づいて影響範囲設定を行うためのパラメータを設定することも可能である。
これは、元画像画素が予め定めたN個以上含まれるように影響範囲の形状を設定するためのパラメータを変えて行くものである。これによって、画素値算出対象となる変形画像画素に影響を与えそうな元画像画素の分布状態や元画像画素間の画素値の変化に対応できるような広さ、形状、さらには、傾き(たとえば、影響範囲の形状が楕円であればその楕円の傾き)に設定することができ、より適切な影響範囲を設定することができる。
(6)前記(2)から(5)のいずれかに記載の変形画像生成方法において、前記補間関数は、前記画素値算出対象となる変形画像画素に対して設定された影響範囲内に含まれる前記元画像画素の画素情報に基づいて決定される補間関数未知係数を有し、前記変形画像画素補間ステップには、前記影響範囲内に含まれる元画像画素の位置に基づいて設定された重みを考慮した重み付き最小2乗法により前記補間関数未知係数を決定する補間関数未知係数算出ステップと、求められた補間関数未知係数を用いて前記補間関数により前記画素値算出対象となる変形画像画素の画素値を求める変形画像画素値算出ステップとが含まれている。
これによって、画素値算出対象となる変形画像画素からの距離に応じた重み付けを考慮した補間関数未知係数を求めることができる。そして、その求められた補間関数未知係数を用いて補間関数を計算することによって、前記画素値算出対象となる変形形画像画素を求めるようにしている。これにより、画素値算出対象となる変形画像画素に与える影響の大きさを適切に反映した変形画像画素を求めることができる。
(7)前記(2)から(6)のいずれかに記載の変形画像生成方法において、前記補間関数未知係数の算出を行う際は、前記影響範囲内に含まれる元画像画素の画素情報に応じて複数種類の補間関数を用意し、前記影響範囲内に含まれる元画像画素の画素情報に応じた補間関数を前記複数種類の補間関数の中から選択可能とすることが好ましい。
これによって、補間関数未知係数を算出する際、影響範囲内に含まれる元画像画素の画素情報に応じた最適な補間関数を選択することができ、それによって求められた補間関数未知係数を用いることにより、画素値算出対象となる変形画像画素の画素値をより適切な値とすることができる。
(8)前記(1)から(7)のいずれかに記載の変形画像生成方法において、前記元画像画素の画素情報は、該元画像画素の幾何変換後の座標位置と該元画像画素の画素値を表す情報を含んでいる。
このように、画素情報が元画像画素の座標位置と画素値を表す情報を含むものであるので、たとえば、上述した複数種類の補間関数からある補間関数を選択するような場合、画素情報に含まれる元画像画素の座標位置と画素値によって、影響範囲内における元画像画素の散らばり具合や元画像画素間の画素値の変化の度合いなどに応じた最適な補間関数を選択することができる。
(9)前記(3)から(8)のいずれかに記載の変形画像生成方法において、前記予め設定されたN個は、少なくとも前記補間関数未知係数の数+1個とすることが好ましい。
このように、影響範囲内に含まれる元画像画素の数を、補間関数未知係数の数+1個以上とすることによって、補間関数未知係数を確実に求めることができる。これは、補間関数未知係数を決定するために必要な式の数は、影響範囲内に含まれるそれぞれの元画像画素に対応した数の式が生成されるので、影響範囲内に含まれる元画像画素の数を、補間関数未知係数の数+1個以上とすれば、補間関数未知係数を確実に求めることができるからである。
(10)本発明の変形画像生成装置は、元画像を幾何変形させて変形画像を生成する変形画像生成装置であって、前記元画像を構成する元画像画素に対し、ある幾何変形関数を用いて前記元画像画素に対応した幾何変形座標を生成する幾何変形手段と、前記幾何変形手段で生成された幾何変形座標上の元画像画素の画素情報を用いて、幾何変形後の変形画像を構成する変形画像画素のうちの画素値算出対象となる変形画像画素の画素値をある補間関数により求める変形画像画素補間手段とを含むことを特徴としている。
この変形画像生成装置においても、前記(1)に記載の変形画像生成方法と同様の効果が得られる。また、この変形画像生成装置においても、前記変形画像画素補間手段には、前記画素値算出対象となる変形画像画素に影響を与える範囲を設定する影響範囲生成手段含まれ、この影響範囲生成手段により設定された影響範囲内に含まれる前記元画像画素の画素情報を用いて前記補間関数により前記画素値算出対象となる変形画像画素の画素を算出することができる。
また、この変形画像生成装置においても、前記影響範囲生成手段は、所定の影響範囲を設定し、設定された影響範囲内に含まれるN個(Nは正の整数)の元画像画素を特定することが可能である。また、前記影響範囲生成手段は、あらかじめ設定されたN個(Nは正の整数)の元画像画素を特定し、該N個の元画像画素が含まれるように影響範囲の設定を行うことも可能である。さらに、前記影響範囲生成手段は、あらかじめ設定されたN個(Nは正の整数)の元画像画素を特定し、該N個の元画像画素が含まれるように、該N個の元画像画素のそれぞれの画素情報に基づいて影響範囲設定を行うためのパラメータを設定することも可能である。
また、この変形画像生成装置においても、前記補間関数は、前記画素値算出対象となる変形画像画素に対して設定された影響範囲内に含まれる前記元画像画素の画素情報に基づいて決定される補間関数未知係数を有し、前記変形画像画素補間手段には、前記影響範囲内に含まれる元画像画素の位置に基づいて設定された重みを考慮した重み付き最小2乗法により前記補間関数未知係数を決定する補間関数未知係数算出手段と、求められた補間関数未知係数を用いて前記補間関数により前記画素値算出対象となる変形画像画素の画素値を求める変形画像画素値算出手段とが含まれている。
また、この変形画像生成装置においても、前記補間関数未知係数の算出を行う際は、前記影響範囲内に含まれる元画像画素の画素情報に応じて複数種類の補間関数を用意し、前記影響範囲内に含まれる元画像画素の画素情報に応じた補間関数を前記複数種類の補間関数の中から選択可能とすることが好ましい。
また、この変形画像生成装置においても、前記画素情報は、該元画像画素の幾何変換後の座標位置と該元画像画素の画素値を表す情報を含んでいる。
また、この変形画像生成装置においても、前記予め設定されたN個は、少なくとも前記補間関数未知係数の数+1個とすることが好ましい。
(11)本発明の変形画像生成プログラムは、元画像を幾何変形させて変形画像を生成する処理をコンピュータに実行させるための変形画像生成プログラムであって、この変形画像生成プログラムは、前記元画像を構成する元画像画素に対し、ある幾何変形関数を用いて前記元画像画素に対応した幾何変形座標を生成する幾何変形手順と、前記幾何変形プログラムで生成された幾何変形座標上の元画像画素の画素情報を用いて、幾何変形後の変形画像を構成する変形画像画素のうちの画素値算出対象となる変形画像画素の画素値をある補間関数により求める変形画像画素補間手順とを含むことを特徴としている。
これによっても、前記(1)と同様の効果が得られる。また、この変形画像生成プログラムにおいても、前記変形画像画素補間手順には、前記画素値算出対象となる変形画像画素に影響を与える範囲を設定する影響範囲生成手順が含まれ、この影響範囲生成手順により設定された影響範囲内に含まれる前記元画像画素の画素情報を用いて前記補間関数により前記画素値算出対象となる変形画像画素の画素を算出することができる。
また、この変形画像生成プログラムにおいても、前記影響範囲生成手順は、所定の影響範囲を設定し、設定された影響範囲内に含まれるN個(Nは正の整数)の元画像画素を特定することが可能である。また、前記影響範囲生成手順は、あらかじめ設定されたN個(Nは正の整数)の元画像画素を特定し、該N個の元画像画素が含まれるように影響範囲の設定を行うことも可能である。さらに、前記影響範囲生成手順は、あらかじめ設定されたN個(Nは正の整数)の元画像画素を特定し、該N個の元画像画素が含まれるように、該N個の元画像画素のそれぞれの画素情報に基づいて影響範囲設定を行うためのパラメータを設定することも可能である。
また、この変形画像生成プログラムにおいても、前記補間関数は、前記画素値算出対象となる変形画像画素に対して設定された影響範囲内に含まれる前記元画像画素の画素情報に基づいて決定される補間関数未知係数を有し、前記変形画像画素補間手順には、前記影響範囲内に含まれる元画像画素の位置に基づいて設定された重みを考慮した重み付き最小2乗法により前記補間関数未知係数を決定する補間関数未知係数算出手順と、求められた補間関数未知係数を用いて前記補間関数により前記画素値算出対象となる変形画像画素の画素値を求める変形画像画素値算出手順とが含まれている。
また、この変形画像生成プログラムにおいても、前記補間関数未知係数の算出を行う際は、前記影響範囲内に含まれる元画像画素の画素情報に応じて複数種類の補間関数を用意し、前記影響範囲内に含まれる元画像画素の画素情報に応じた補間関数を前記複数種類の補間関数の中から選択可能とすることが好ましい。
また、この変形画像生成プログラムにおいても、前記画素情報は、該元画像画素の幾何変換後の座標位置と該元画像画素の画素値を表す情報を含んでいる。
また、この変形画像生成プログラムにおいても、前記予め設定されたN個は、少なくとも前記補間関数未知係数の数+1個とすることが好ましい。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態で説明する内容は、本発明の変形画像生成方法、変形画像生成装置、変形画像生成プログラムの説明を含むものである。
図1は本発明の変形画像生成装置の概略的な構成を説明する図であり、元画像を構成するそれぞれの画素(元画像画素という)に対し、ある幾何変形関数を用いて前記それぞれの元画像画素に対応した幾何変形座標を出力する幾何変形手段1と、この幾何変形手段1で生成された元画像画素の画素情報を用いて、幾何変形画像を構成する画素(変形画像画素という)のうちの画素値算出対象となる変形画像画素の画素値をある補間関数により求める変形画像画素補間手段2とを有している。
なお、この変形画像画素補間手段2は、影響範囲生成手段21、補間関数未知係数算出手段22、変形画像画素値算出手段23を有しているが、これらの機能などについては後述する。
また、本発明の変形画像生成方法および変形画像生成装置を実現する上で入力されるデータおよび生成(または更新)されるデータとしては、元画像データ31、幾何変形関数32、変形画像データ33、幾何変形座標データ34、影響範囲データ35、補間関数データ36、補間関数未知係数データ37などがある。なお、元画像データ31には元画像画素値データ311と元画像位置座標データ312が含まれ、変形画像データ33には変形画像位置座標データ331と変形画像画素値データ332が含まれる。
なお、これら各データにおいて、図1における白色で示した元画像画素値データ311、元画像位置座標データ312、幾何変形関数32、変形画像位置座標データ331、補間関数データ36は、本発明の変形画像生成装置を使用するに際して、ユーザが入力したり、他の情報機器やネットワークから供給されるデータである。また、それ以外の灰色で示した変形画像画素値データ332、幾何変形座標データ34、影響範囲データ35、補間関数未知係数データ37は、本発明が動作することによって生成(または更新)されるデータである。これら各データについて以下に詳細に説明する。
元画像データ31は幾何変形が施される前の画像(元画像という)の画素情報を表すデータであり、上述したように、元画像画素値データ311と元画像位置座標データ312が含まれる。
元画像画素値データ311は、元画像を構成するそれぞれの元画像画素の「画素番号」と「画素番号に対応した画素値の大きさ」からなる。ここでの画素値とは、たとえば、白黒2値画像データであれば各画素の濃淡の度合いを示す値であり、たとえば、元画像画素値データがΦA=255のように表されるものとすれば、このΦA=255の画素番号はAであって、その画素値は255であることを示している。また、ΦB=0のように表されるものとすれば、画素番号はBであって、その画素値は0であることを示している。なお、ここでは、それぞれの画素における色や輝度などを表現する値を画素値と呼ぶことにする。
また、元画像位置座標データ312は、元画像を構成するそれぞれの元画像画素の「画素番号」と「画素番号に対応した画素の位置座標」からなる。
一般的な画像データでは各画素が正方格子状の配列で表されるため、元画像位置座標データの指定(あるいは特定)は、たとえば、その正方格子におけるそれぞれの格子を左端(または右端)からi番目、上端(または下端)からj番目の画素というように特定(指定)することができる。
たとえば、元画像位置座標データ312が(wA,hA)=(iΔw,(j−1)Δh)のように表されるものとすれば、この(wA,hA)=(iΔw,(j−1)Δh)は、画素番号がAであって、その位置座標が(iΔw,(j−1)Δh)であることを示している。
変形画像データ33は、元画像に対して幾何変形を施したあとの変形画像を表す画像データであり、上述したように、変形画像位置座標データ331と変形画像画素値データ332とで構成される。
変形画像位置座標データ331は、変形画像を構成するそれぞれの変形画像画素の「画素番号」と「画素番号に対応した画素の位置座標」からなる。また、変形画像画素値データ332は、変形画像を構成するそれぞれの変形画像画素の「画素番号」と「画素番号に対応した画素値の大きさ」からなる。
ここで、元画像と変形画像の関係を図2により説明する。元画像を構成する一部の元画像画素(その画素番号をA,B,C,Dとし、以下では、元画像画素A,元画像画素Bというように表す)が図2(a)に示すような配列となっているとする。ここでは、正方格子の交点(この正方格子点の交点のことを格子点と呼ぶことにする)が変形画像画素の存在する位置であるとし、また、それぞれの変形画像画素の画素値は元画像画素と同様、0から255の値で表されるものとする。
なお、この図2(b)では、変形画像における正方格子は、座標軸h’に沿う方向に番号が与えられた格子線の一部がs−1,s,s+1というように表され、座標軸w’に沿う方向に番号が与えられた格子線の一部がr−1,r,r+1というように表されている。
元画像画素Aは元画像画素値データ311としてΦA=255で表され、元画像画素Bと元画像画素Eは元画像画素値データとしてΦB=0,ΦE=0で表されるとする。また、中間的な濃淡の度合いを有する元画像画素Cと元画像画素Dは、元画像画素CがΦC=127、元画像画素DがΦD=190で表わされるものとする。
また、これら元画像画素A,B,C,D,Eを元画像位置座標データ312で表すと、元画像画素Aは(wA,hA)=(iΔw,(j−1)Δh)で表され、元画像画素Bは(wB,hB)=((i−1)Δw,jΔh)で表され、元画像画素Cは、(wC,hC)=(iΔw,jΔh)で表され、元画像画素Dは、(wD,hD)=((i+1)Δw,jΔh)で表され、元画像画素Eは、(wE,hE)=(iΔw,(j+1)Δh)で表される。
再び図1の構成要素の説明に戻る。図1における幾何変形関数32は、それぞれの元画像画素を幾何変形によってどの位置座標に移動させるのかを設定する関数である。たとえば、図2(a)における元画像の2次元座標の直交軸をw,h、図2(b)における変形画像の2次元座標の直交軸をw’,h’で表せば、幾何変形関数32は、
w’=fw(w,h) (1)
h’=fh(w,h) (2)
で表すことができる。
w’=fw(w,h) (1)
h’=fh(w,h) (2)
で表すことができる。
幾何変形座標データ34は、元画像を構成するそれぞれの元画像画素が(1)式および(2)式で示される幾何変形関数によって幾何変形されたあとの幾何変形座標を表すもので、それぞれの元画像画素の「画素番号」と「画素番号に対応した元画像画素位置座標データが幾何変形関数の作用によって移動した先の移動先座標」からなる。たとえば、図2(a)の元画像に存在している元画像画素A,B,C,D,Eは、上述の(1)式、(2)式により、図2(b)に示す変形画像の(wA’,hA’)、(wB’,hB’)、(wC’,hC’)、(wD’,hD’)、(wE’,hE’)の位置に移動する。
この図2においては、元画像画素Aの幾何変形座標データ34は、(wA’,hA’)=(fw(iΔw,(j−1)Δh),fh(iΔw,(j−1)Δh))で表され、これは元画像画素Aの移動先座標が(fw(iΔw,(j−1)Δh)、fh(iΔw,(j−1)Δh))であることを表している。
同様に、元画像画素Bの幾何変形座標データ34は、(wB’,hB’)=(fw((i−1)Δw,jΔh),fh((i−1)Δw,jΔh))であって、これは、元画像画素Bの移動先座標が(fwfw((i−1)Δw,jΔh),fh((i−1)Δw,jΔh))であることを表している。
同様に、元画像画素Cの幾何変形座標データ34は、(wC’,hC’)=(fw(iΔw,jΔh),fh(iΔw,jΔh))であって、これは、元画像画素Cの移動先座標が(fw(iΔw,jΔh),fh(iΔw,jΔh))であることを表している。
同様に、元画像画素Dの幾何変形座標データ34は、(wD’,hD’)=(fw((i+1)Δw,jΔh),fh((i+1)Δw,jΔh))であって、これは、元画像画素Dの移動先座標が(fw((i+1)Δw,jΔh),fh((i+1)Δw,jΔh))であることを表している。
同様に、元画像画素Eの幾何変形座標データ34は、(wE’,hE’)=(fw(iΔw,(j+1)Δh),fh(iΔw,(j+1)Δh))であって、これは、元画像画素Eの移動先座標が(fw(iΔw,(j+1)Δh),fh(iΔw,(j+1)Δh))であることを表している。
次に、影響範囲データ35について説明する。この影響範囲データ35は、画素値算出対象となる個々の変形画像画素に影響を与えると考えられる影響範囲を表すデータであり、「変形画像画素の画素番号」と「変形画像画素の画素番号に対応した影響範囲内に含まれる元画像画素の画素番号」と「変形画像画素の画素番号に対応した影響範囲の形状を表す関数データ」からなる。
すなわち、この影響範囲データ35は、変形画像上の画素値算出対象となる変形画像画素について画素値を計算する際、その変形画像画素に影響を与えると考えられる影響範囲の形状と、その形状を有する影響範囲内にどのような元画像画素が入っているかを示すデータである。
たとえば、図2におけるある変形画像画素(これを変形画像画素C’とする)の値を計算するための影響範囲データが、
IC’=(A,B,C,D,E,fL(w’,h’)) (3)
で表されるとすると、この(3)式における変形画像画素の画素番号はC’であって、この画素番号がC’の変形画像画素(変形画像画素C’)に対して設定された影響範囲内に含まれる元画像画素の画素番号はA,B,C,D,E(元画像画素A,B,C,D,E)であって、変形画像画素C’に対して設定された影響範囲の形状を表す関数データ(これを影響範囲形状関数データという)は、fL(w’,h’)である。
IC’=(A,B,C,D,E,fL(w’,h’)) (3)
で表されるとすると、この(3)式における変形画像画素の画素番号はC’であって、この画素番号がC’の変形画像画素(変形画像画素C’)に対して設定された影響範囲内に含まれる元画像画素の画素番号はA,B,C,D,E(元画像画素A,B,C,D,E)であって、変形画像画素C’に対して設定された影響範囲の形状を表す関数データ(これを影響範囲形状関数データという)は、fL(w’,h’)である。
また、補間関数データ36は、「補間関数」と「重み関数」からなる。この「補間関数」は、図2の例では、
これら(5)式、(6)式からもわかるように、p,qの値を選ぶことによって、補間関数が一次関数から二次関数、さらには、三次関数というように関数の種類を変化させることができる。このように、補間関数の種類を種々設定できるようにすることによって、たとえば、変形画像画素C’に対して設定された影響範囲内に含まれる元画像画素の分布やその影響範囲内に含まれる複数の元画像画素間の画素値の変化に追従した画素値を求めることができ、より適切な画素値を得ることができる。
また、重み関数は、L(w’,h’)で表される。この重み関数も影響範囲の広さや形状などによって最適なものを設定することができる。
補間関数未知係数データ37は、「変形画像データの画素番号」と「変形画像データの画素番号に対応した補間関数未知係数」からなる。
たとえば、補間関数未知係数データ37がNC’=(α00,α01,・・・,α0n,・・・,αm0,αm1,・・・,αmn)で表されるとすれば、この式における変形画像画素の画素番号はC’であって、この画素番号C’の変形画像画素(変形画像画素C’)に対応した補間関数未知係数はα00,α01,・・・,α0n,・・・,αm0,αm1,・・・,αmnであることを示している。なお、この場合、上述した(4)式におけるαpqにおいて、p=0,1,2,・・・,m、q=0,1,2,・・・,nとした場合である。
以上が本発明において使用される各種データであり、これら各種データは、前述したように、ユーザが入力するデータと本発明の処理過程で生成(または更新)されるデータとがある。次に、図1に示した構成要素について詳細に説明する。
まず、幾何変形手段1は、元画像を構成する元画像画素の元画像位置座標データ312と、(1)式および(2)式で示される幾何変形関数32を受け取り、これら元画像位置座標データ312と幾何変形関数32から幾何変形座標データ34を生成する。
影響範囲生成手段21は、変形画像位置座標データ331と幾何変形手段1で生成された幾何変形座標データ34とを受け取り、影響範囲データ35を生成する。この影響範囲データ35は、前述したように、「変形画像画素の画素番号」と「変形画像画素の画素番号に対応した影響範囲内に含まれる元画像画素の画素番号」と「変形画像画素の画素番号に対応した影響範囲の形状を表す関数データ」からなり、たとえば、変形画像画素C’に対しては、前述した(3)式のように表される。
補間関数未知係数算出手段22は、元画像画素値データ311と幾何変形座標データ34と変形画像位置座標データ331と影響範囲データ35と補間関数データ36を受け取り、補間関数未知係数データ37を生成する。なお、補間関数データ36は上述した(4)式に示されるような補間関数とL(w’,h’)で表される重み関数からなる。
変形画像画素値算出手段23は、変形画像位置座標データ331と補間関数データ36と補間関数未知係数データ37を受け取り、変形画像画素値データ332を生成する。この変形画像画素値データ332は、画素値算出対象となる変形画像画素の画素値であり、たとえば、図2(b)における変形画像画素C’に対しては、ΦC’=Φ(rΔw,sΔh)のように、画素値Φとその座標(rΔw,sΔh)で表される。
なお、ここでは、変形画像画素C’に注目して考えたが、変形画像画素C’だけではなく、変形画像位置座標データ331の画素値算出対象となっているすべて変形画像画素についてその画素値を求める。
このような構成において、上述の幾何変形手段1は、各元画像位置座標データ312に対応する元画像画素が幾何変形後の変形画像上のどの位置に移動するかを求める機能を持つ。
たとえば、図2(a)に示す元画像上においては、元画像画素Aの元画像位置座標データ312は、(wA,hA)=(iΔw,(j−1)Δh)、元画像画素Bの元画像位置座標データ312は、(wB,hB)=((i−1)Δw,jΔh)、元画像画素Cの元画像位置座標データ312は、(wC,hC)=(iΔw,jΔh)、元画像画素Dの元画像位置座標データ312は、(wD,hD)=((i+1)Δw,jΔh)、元画像画素Eの元画像位置座標データ312は、(wE,hE)=(iΔw,(j+1)Δh)であるが、これら各元画像画素は、(1)式および(2)式の幾何変形関数によって、図2(b)の変形画像上においては、幾何変形後の座標データ(幾何変形座標データ34)にそれぞれ変換される。
すなわち、元画像画素Aは変形画像上においては(wA’,hA’)の位置に変換され、元画像画素Bは変形画像上においては(wB’,hB’)の位置に変換され、元画像画素Cは変形画像上においては(wC’,hC’)の位置に変換され、元画像画素Dは変形画像上においては(wD’,hD’)の位置に変換され、元画像画素Eは変形画像上においては、(wE’,hE’)の位置に変換される。
図3はこの幾何変形手段1の処理手順を説明するフローチャートである。図3において、まず、元画像位置座標データ312を取得するとともに幾何変形関数32を取得し(ステップS1,S2)、取得した元画像位置座標データ312を(1)式および(2)式で表される幾何変形関数32を用いて個々の元画像画素が幾何変形後に変形画像のどの位置に移動するかを計算し、それによって、幾何変形座標データ34を生成する(ステップS3)。
影響範囲生成手段21は、変形画像上の各変形画像位置座標データにおいて、格子点に存在する各変形画像画素の画素値を求める際に、求めるべき変形画像画素の画素値に影響を与えると思われる影響範囲を生成するものである。これを図4により説明する。
図4(a)は図2(b)と同じ変形画像を示すものであり、図4(b)はその変形画像における変形画像画素C’に注目して、その変形画像画素C’に対して影響範囲を設定した例を示すものである。この影響範囲は影響範囲データ35として表され、この影響範囲データ35は前述した(3)式で表すことができる。
この影響範囲生成手段21が行う影響範囲生成方法についてここでは3つの方法を採用し、これら3つの方法を第1の影響範囲生成方法、第2の影響範囲生成方法、第3の影響範囲生成方法として、これらを図5から図7のフローチャートを参照しながら説明する。
第1の影響範囲生成方法は、影響範囲があらかじめ設定されている場合(ただし、複数の影響範囲から適当な影響範囲を選択できるものとする)である。
図5において、まず、画素値算出対象となる変形画像画素に対する変形画像位置座標データ331を取得し(ステップS11)、ある影響範囲に設定された影響範囲データ35を選択して取得する(ステップS12)。そして、取得した影響範囲データ35に基づいて、その影響範囲形状関数で表される影響範囲内に含まれる幾何変形座標データ34(元画像画素の画素番号とその画素番号の移動先座標とからなる)を取得する(ステップS13)。そして、この取得された幾何変形座標データ34とその時点で画素値算出対象となっている変形画像位置座標データ311によって影響範囲データ35の更新を行う(ステップS14)。
また、第2の影響範囲生成方法は、あらかじめ設定された個数の元画像画素が含まれるような影響範囲データを設定するものである。
図6において、まず、画素値算出対象となる変形画像画素に対する変形画像位置座標データ331を取得し(ステップS21)、取得された変形画像位置座標データ331に対する影響範囲データ35を選択して取得する(ステップS22)。そして、画素値算出対象となる変形画像画素に対する変形画像位置座標データ(たとえば、変形画像画素C’の変形画像位置座標データ(wC’’,hC’’))近傍のN個の元画像画素それぞれに対応する幾何変形座標データを取得する(ステップS23)。この取得されたN個の元画像画素に対応したN個の幾何変形座標データに基づいて、これらN個の元画像画素が含まれるような影響範囲形状関数を設定する(ステップS24)。そして、この設定された影響範囲形状関数とその時点で画素値算出対象となっている変形画像位置座標データ311によって影響範囲データ355の更新を行う(ステップS25)。
なお、N個の元画像が含まれるような影響範囲形状関数を生成する際、影響範囲内に含まれる元画像画素の個数Nは、前述した補間関数未知係数の数に1を加えた個数、すなわち、「補間関数未知係数の数+1」以上に設定されることが望ましい。
このように、影響範囲内に含まれる元画像画素の数を、補間関数未知係数の数+1個以上とすることによって、補間関数未知係数を確実に求めることができる。これは、補間関数未知係数を決定するために必要な式の数は、影響範囲内に含まれるそれぞれの元画像画素に対応した数の式が生成されるので、影響範囲内に含まれる元画像画素の数を、補間関数未知係数の数+1個以上とすれば、補間関数未知係数を確実に求めることができるからである。
また、第3の影響範囲生成方法は、あらかじめ設定された個数の元画像画素が含まれるような影響範囲をその元画像画素の分布状態や元画像画素間の画素値の変化に対応できるように設定するものである。
図7において、まず、画素値算出対象となる変形画像画素に対する変形画像位置座標データ331を取得し(ステップS31)、取得された変形画像位置座標データ331に対する影響範囲データ35を選択して取得する(ステップS32)。そして、画素値算出対象となる変形画像画素に影響を与えると考えられる元画像画素に対応する幾何変形座標データがあらかじめ定めたN個含まれるように影響範囲形状関数のパラメータを設定する(ステップS33)。そして、この設定された影響範囲形状関数とその時点で画素値算出対象となっている変形画像位置座標データ311によって影響範囲データの更新を行う(ステップS34)。
この第3の影響範囲生成方法により設定される影響範囲は、画素値算出対象となる変形画像画素に影響を与えそうな元画像画素の分布状態や元画像画素間の画素値の変化に対応できるような広さ、形状、さらには、傾き(たとえば、影響範囲の形状が楕円であればその楕円の傾き)に設定されるので、より適切な影響範囲となる。
なお、この第3の影響範囲生成方法においても、N個の元画像が含まれるような影響範囲形状関数データを生成する際、未知係数の算出を確実なものとするために、影響範囲内に含まれる元画像画素の個数Nは、「補間関数の未知係数の数+1」以上に設定されることが望ましい。
次に、補間関数未知係数算出手段22について説明する。この補間関数未知係数算出手段22は、元画像画素値データ311と、変形画像位置座標データ331と、幾何変形座標データ34と、影響範囲データ35と、補間関数データ36とから画素値算出対象となる変形画像画素の画素値を算出するために必要な補間関数未知係数データを決定するものである。
具体的には、影響範囲データ35により設定された影響範囲内に含まれる元画像画素に関する重み付き最小2乗法を導入し、これにより、(4)式で示される補間関数未知係数を決定する。ここで、この重み付き最小2乗法は、
この、(7)式において、iは影響範囲内に存在する元画像画素A,B,C,・・・のいずれかを表すものである。この(7)式から補間関数未知係数αpqを求めることができる(ただし、p=0,1,・・・,m、q=0,1,・・・,n)。
図8は図2で示した元画像と変形画像との関係において、画素値算出対象となる変形画像画素C’に対して影響範囲形状関数fL(w’,h’)による影響範囲の設定がなされた例を示すもので、この図8において、Φ(rΔw,sΔh)は位置座標(rΔw,sΔh)上における変形画像画素C’の求めるべき画素値であり、L(w’,h’)は、ある座標(w’,h’)上の元画像画素の重み関数であり、Φ(w’,h’)は、前述の(4)式で表される補間関数である。
なお、最も単純な例として、補間関数Φ(w’,h’)が、
Φ(w’,h’)=α00+α10w’+α01h’+α11w’h’ (8)
で表され、影響範囲が画素値算出対象となる変形画像画素C’を中心とした半径Rの真円であるとすれば、ある元画像画素i(iは元画像画素A,B,C,・・・のいずれか)の重み関数L(ri’)は、
Φ(w’,h’)=α00+α10w’+α01h’+α11w’h’ (8)
で表され、影響範囲が画素値算出対象となる変形画像画素C’を中心とした半径Rの真円であるとすれば、ある元画像画素i(iは元画像画素A,B,C,・・・のいずれか)の重み関数L(ri’)は、
なお、この(9)式において、ri’は、
なお、前述の(7)式において補間関数未知係数を求める際に用いる補間関数については、予め用意された一種類のもの、すなわち、前述の(4)式において、p,qをある1つの値に選んだ1種類の補間関数を用いる方法であってもよいが、数種類の補間関数、すなわち、前述の(4)式において、p,qを種々の値とした複数種類の補間関数を用意し、用意された複数種類の補間関数の中から、変形画像位置座標データ331、幾何変形座標データ34、影響範囲データ35によって適切なものを選択するようにしてもよい。さらに、重み関数についても変形画像位置座標データ331、幾何変形座標データ34、影響範囲データ35によって適切な重み関数を設定することが可能である。
この補間関数未知係数算出手段22の処理手順を図9および図10により説明する。なお、図9は予め決められた一種類の補間関数と重み関数を用いる場合の処理手順、図10は変形画像位置座標データ331、幾何変形座標データ34、影響範囲データ35を参照して、その参照結果に基づいて、最適な補間関数と重み関数を選択する場合の処理手順を説明するものである。
図9において、元画像画素値データ311、変形画像位置座標データ331、幾何変形座標データ34、影響範囲データ35、補間関数データ36を取得し(ステップS41〜S45)、これら各データに基づいて、前述の(7)式で示した重み付き最小2乗法の生成と補間関数未知係数の算出を行い(ステップS46)、補間関数未知係数データ37を生成する(ステップS47)。
図10もその基本的な処理手順は図9と同様であるが、この図10は変形画像位置座標データ331、幾何変形座標データ34、影響範囲データ35を参照して、その参照結果に基づいて、最適な補間関数と重み関数を選択するものであるため、図9のステップS45に対応するステップS55の処理が図9のステップS45と異なっている。
すなわち、この図10では、補間関数未知係数算出手段22は、元画像画素値データ311、変形画像位置座標データ331、幾何変形座標データ34、影響範囲データ35をそれぞれ取得すると(ステップS51〜S54)、これら取得した各データのうち、変形画像位置座標データ331、幾何変形座標データ34、影響範囲データ35を参照して、これら参照した各データに適した補間関数データ(補間関数と重み関数)36を選択して取得する点が図9と異なっている。
なお、この図10において、補間関数データの選択・取得処理(ステップS55)において、変形画像位置座標データ331、幾何変形座標データ34、影響範囲データ35を参照して補間関数データを取得する処理を破線で示している。
このようにして、補間関数未知係数データ37が生成されると、変形画像画素値算出手段23はこの補間関数未知係数データ37と、(4)式で示される補間関数データと、変形画像位置座標データ331を受け取って変形画像画素値データを生成する。その処理手順を図11のフローチャートにより説明する。
図11において、変形画像画素値算出手段23は、(4)式で示される補間関数を取得し(ステップS61)、さらに、補間関数未知係数データ37と変形画像位置座標データ331を取得する(ステップS62,S63)。そして、これら補間関数未知係数データ37と変形画像位置座標データ331を用いて変形画像画素値データ332を算出し(ステップS64)、変形画像画素値データ332を生成する(ステップS65)。
この図11の処理によって、ある変形画像位置座標データの画素値が求められる。たとえば、この実施形態では、変形画像画素C’を画素値算出対象として考えているので、この変形画像画素C’の画素値を得ることができる。この処理を変形画像上のすべての格子点における画素値算出対象となるすべての変形画像画素について行うことによって、元画像をある幾何変形関数によって幾何変形した幾何変形後の画像(変形画像)を生成することができる。
以上説明したように、この実施形態では、幾何変形後の変形画像における格子点に存在する変形画像画素(この実施形態では変形画像画素C’に注目して考えている)の画素値を求める場合、その変形画像画素C’の画素値に影響を与えると考えられる元画像画素の画素値を用いて求めるようにしている。これによって、従来の変形画像生成方法に比べると、変形画像画素の画素値をより高精度に求めることができ、変形画像の画素補間をより滑らかで自然なものとすることができる。これにより、複雑な幾何変形に十分対応できるものとなる。
また、変形画像画素の画素値を算出する際には、注目した変形画像画素(たとえば、変形画像画素C’)に影響を与える範囲を影響範囲として設定し、その影響範囲内に存在する元画像画素の画素値を用いて変形画像画素の画素値を決めるようにしているので、画素補間処理の効率化を図ることができる。しかも、変形画像画素の画素値を算出するに有効な元画像画素を用いて変形画像画素の画素値を算出することができるので、より適切な画素値を得ることができる。
さらに、この変形画像画素の画素値を算出する際に用いる補間関数は、影響範囲内の元画像画素の散らばり具合や元画像画素間の画素値の変化などに応じた最適な補間関数の設定を行うことができ、それによって、影響範囲内の元画像画素の散らばり具合や元画像画素間の画素値の変化などに対応した高精度な画素補間を行うことができる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。また、本発明は以上説明した本発明を実現するための変形画像生成手順が記述された変形画像生成プログラムを作成し、それをフロッピィディスク、光ディスク、ハードディスクなどの記録媒体に記録させておくこともできる。したがって、本発明は、その変形画像生成プログラムの記録された記録媒体をも含むものである。また、ネットワークからその変形画像生成プログラムを得るようにしてもよい。
1 幾何変形手段、2 変形画像画素補間手段、21 影響範囲生成手段、22 補間関数未知係数算出手段、23 変形画像画素値算出手段、31 元画像データ、32 幾何変形関数、33 変形画像データ、34 幾何変形座標データ、35 影響範囲データ、36 補間関数データ、37 補間関数未知係数データ、311 元画像画素値データ、312 元画像位置座標データ、331 変形画像位置座標データ、332 変形画像画素値データ
Claims (11)
- 元画像を幾何変形させて変形画像を生成する変形画像生成方法であって、
前記元画像を構成する元画像画素に対し、ある幾何変形関数を用いて前記元画像画素に対応した幾何変形座標を生成する幾何変形ステップと、
前記幾何変形ステップで生成された幾何変形座標上の元画像画素の画素情報を用いて、幾何変形後の変形画像を構成する変形画像画素のうちの画素値算出対象となる変形画像画素の画素値をある補間関数により求める変形画像画素補間ステップと、
を含むことを特徴する変形画像生成方法。 - 前記変形画像画素補間ステップには、前記画素値算出対象となる変形画像画素に影響を与える範囲を設定する影響範囲生成ステップが含まれ、この影響範囲生成ステップにより設定された影響範囲内に含まれる前記元画像画素の画素情報を用いて前記補間関数により前記画素値算出対象となる変形画像画素の画素値を算出すること特徴する請求項1記載の変形画像生成方法。
- 前記影響範囲生成ステップは、所定の影響範囲を設定し、設定された影響範囲内に含まれるN個(Nは正の整数)の元画像画素を特定することを特徴とする請求項2記載の変形画像生成方法。
- 前記影響範囲生成ステップは、あらかじめ設定されたN個(Nは正の整数)の元画像画素を特定し、該N個の元画像画素が含まれるように影響範囲の設定を行うことを特徴とする請求項2記載の変形画像生成方法。
- 前記影響範囲生成ステップは、あらかじめ設定されたN個(Nは正の整数)の元画像画素を特定し、該N個の元画像画素が含まれるように、該N個の元画像画素のそれぞれの画素情報に基づいて影響範囲設定を行うためのパラメータを設定することを特徴とする請求項2記載の変形画像生成方法。
- 前記補間関数は、前記画素値算出対象となる変形画像画素に対して設定された影響範囲内に含まれる前記元画像画素の画素情報に基づいて決定される補間関数未知係数を有し、前記変形画像画素補間ステップには、前記影響範囲内に含まれる元画像画素の位置に基づいて設定された重みを考慮した重み付き最小2乗法により前記補間関数未知係数を決定する補間関数未知係数算出ステップと、求められた補間関数未知係数を用いて前記補間関数により前記画素値算出対象となる変形画像画素の画素値を求める変形画像画素値算出ステップとが含まれることを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の変形画像生成方法。
- 前記補間関数未知係数の算出を行う際は、前記影響範囲内に含まれる元画像画素の画素情報に応じて複数種類の補間関数を用意し、前記影響範囲内に含まれる元画像画素の画素情報に応じた補間関数を前記複数種類の補間関数の中から選択可能とすることを特徴する請求項2から6のいずれかに記載の変形画像生成方法。
- 前記元画像画素の画素情報は、該元画像画素の幾何変換後の座標位置と該元画像画素の画素値を表す情報を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の変形画像生成方法。
- 前記予め設定されたN個は、少なくとも前記補間関数未知係数の数+1個とすることを特徴する請求項3から8のいずれかに記載の変形画像生成方法。
- 元画像を幾何変形させて変形画像を生成する変形画像生成装置であって、
前記元画像を構成する元画像画素に対し、ある幾何変形関数を用いて前記元画像画素に対応した幾何変形座標を生成する幾何変形手段と、
前記幾何変形手段で生成された幾何変形座標上の元画像画素の画素情報を用いて、幾何変形後の変形画像を構成する変形画像画素のうちの画素値算出対象となる変形画像画素の画素値をある補間関数により求める変形画像画素補間手段と、
を含むことを特徴する変形画像生成装置。 - 元画像を幾何変形させて変形画像を生成する処理をコンピュータに実行させるための変形画像生成プログラムであって、この変形画像生成プログラムは、
前記元画像を構成する元画像画素に対し、ある幾何変形関数を用いて前記元画像画素に対応した幾何変形座標を生成する幾何変形手順と、
前記幾何変形プログラムで生成された幾何変形座標上の元画像画素の画素情報を用いて、幾何変形後の変形画像を構成する変形画像画素のうちの画素値算出対象となる変形画像画素の画素値をある補間関数により求める変形画像画素補間手順と、
を含むことを特徴する変形画像生成プログラム。
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CN113808510A (zh) * | 2020-06-15 | 2021-12-17 | 明基智能科技(上海)有限公司 | 影像调整方法 |
CN113808510B (zh) * | 2020-06-15 | 2024-04-09 | 明基智能科技(上海)有限公司 | 影像调整方法 |
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