JP2005122090A - 光アイソレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】光アイソレータにおいて、光学素子の脱落、クラック、接合強度の低下、光学特性の劣化を解決する。
【解決手段】ファラデー回転子及び偏光子を含む光学素子と磁石とが、平板状の実装基板上面に接合剤を介して一体化されている光アイソレータにおいて、前記接合剤が実装基板上面で光学素子と接合する領域と磁石と接合する領域とに分離されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光源から出射された光を各種光学素子や光ファイバに導入した際に生じる戻り光を除去するために用いられる光アイソレータに関するものである。
光通信用モジュール等において、レーザ光源等の光源から出射した光は、各種光学素子や光ファイバに入射されるが、入射光の一部は各種光学素子や光ファイバの端面や内部で反射されたり散乱されたりする。この反射や散乱した光の一部は、戻り光として光源に戻ろうとするが、この戻り光を防止するために光アイソレータが用いられる。
従来、この種の光アイソレータは、2枚の偏光子の間に平板状のファラデー回転子を設置し、これら3つの部品を筒状の磁石内に各部品ホルダを介して収納することにより構成されていた。通常、ファラデー回転子は飽和磁界内において所定の波長をもつ光の偏光面を45°回転する厚みに調整され、また2つの偏光子はそれぞれの透過偏光方向が45°回転方向にずれるように回転調整されて構成されている。
このような構成の光アイソレータは、ファラデー回転子と2つの偏光子が別部品で各素子にホルダが必要であり、そのため部品点数が多くなり組立工数が多くなるばかりか、各部品間の光学上の調整作業が煩雑で、コスト高を招いていた。また、小型化が難しく、さらに、光源モジュールに組み込む際に、光アイソレータの偏波面の調整が必要となり実装が煩雑であった。
このため、ファラデー回転子と偏光子の各光学素子と、直方体の磁石を、平板状の実装基板に設置した光アイソレータも提案されている。
特許文献1には図5に示す従来の小型化された光アイソレータ15が示されており、以下にその構成について説明する。
光アイソレータ15はファラデー回転子16、偏光子17、18の各光学素子と、直方体の磁石19が、平板状の実装基板20上に配置した構造を有している。ここで偏光子17、18は透過する光の一方向の偏波成分を吸収し、その偏波成分に直交する偏波成分を透過する機能を有し、また、ファラデー回転子16は飽和磁界強度において所定波長の光の偏波面を約45度回転する機能を有する。また2つの偏光子17、18は、それぞれの基板20に接する面を基準面とし、この基準面に対し透過偏波方向が0度および45度となるように切り出されている。
特開平10−227996号
しかしながら図5の特許文献1に示すように、ファラデー回転子16、偏光子17、18の各光学素子と、直方体の磁石19が、平板状の実装基板20上に配置した光アイソレータ15においては、これら各光学素子21と平板状の実装基板20、あるいは磁石19と平板状の実装基板20との接合方法の記載がなく、その接合方法によっては光学素子の脱落、クラック接合強度の低下、光学特性の劣化が発生するという問題がある。
具体的には、単一の実装基板20の表面という狭小領域に光学素子21と磁石19を固定する構造のため、高温で溶融固着する接合剤を使用する場合は、磁石19の熱膨張係数が光学素子21に対して大きいため、隣接する光学素子21に影響し、引っ張りの応力を発生させることが一つの原因である。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ファラデー回転子及び偏光子を含む光学素子と磁石とが、平板状の実装基板上面に接合剤を介して一体化されている光アイソレータにおいて、前記接合剤が実装基板上面で光学素子と接合する領域と磁石と接合する領域とに分離されていることを特徴とする。
ここで、前記光学素子と実装基板の間には、前記ファラデー回転子と実装基板の熱膨張係数のいずれか小さい方と同じかそれ以下の熱膨張係数を有する接合剤が介在していることを特徴とする。
また、前記磁石と実装基板の間には、いずれかの熱膨張係数が小さい方と同じかそれ以下の熱膨張係数を有する接合剤が介在していることを特徴とする。
さらに、前記磁石と実装基板の間には、いずれかの熱膨張係数が小さい方と同じかそれ以下の熱膨張係数を有する接合剤が介在し、かつ、前記光学素子と実装基板の間には、前記ファラデー回転子と実装基板の熱膨張係数のいずれか小さい方と同じかそれ以下の熱膨張係数を有する接合剤が介在していることを特徴とする。
また、前記接合剤が低融点ガラスからなることを特徴とする。
さらに、前記実装基板の光学素子の接合領域と、前記実装基板の磁石の接合領域との間に溝が形成されていることを特徴とすることを特徴とする。
本発明の構成によれば、磁石と光学素子を共通の実装基板に高温にて溶融、接合する接合剤を用いて接合する構成の光アイソレータにおいて、磁石を接合する接合剤と、光学素子をする接合剤は互いに接触しない構成とすることで、光学素子への応力を緩和することができ、光学素子の特性劣化、クラック、脱落の課題を解決することができる。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
図1は、本発明の光アイソレータの実施形態を示す斜視図である。
図に示すように、本発明の光アイソレータ10は、上面に接合剤5a、5bを形成した実装基板6と、偏光子3、ファラデー回転子2、偏光子4からなる光学素子1と、磁石7とから成り、磁石7は接合剤5aを介して実装基板6と接合され、光学素子1は接合剤5bを介して実装基板6と接合されている。
実装基板6の材質として光アイソレータ10を半導体レーザモジュールに実装する実装方法によって選択され、例えば、YAG溶接で半導体レーザモジュールのサブマウントに固定される場合は、ステンレス、コバール、パーマロイ等の金属が選択され、また、ハンダによる実装の場合は、前記金属、あるいはセラミック、ガラス等の材料が用いられ実装面にたとえばCr下地でAuメッキを施こしているものが選択される。
光学素子1は、平板状の偏光子3、ファラデー回転子2、偏光子4からなり、これら光学素子1の底面は実装基板6上に精度良く低融点ガラス5bを介して接合されている。
接合剤5a、5bには低融点ガラスが用いられ、それらは同一の材料かあるいは異なる組成材料でもよく、ガラス材であるSiOに他の金属酸化物、例えば酸化鉛や酸化リンや酸化亜鉛を混ぜ合わせ、その融点を低くなるように調整したもので、溶剤とともにクリーム状にしたものを、実装基板6上にあらかじめ塗布し、仮焼成により溶剤をとばしておくか、あるいは実装基板6の上面の5a、5bの領域とほぼ同じ大きさの平板状に形成したプリフォームがもちいられる。このように実装基板6上に形成された低融点ガラス5bと光学素子1、低融点ガラス5aと磁石7をそれぞれ密着させたまま300〜420度の高温炉で数秒から数分間焼成することで接合することができる。
次に光アイソレータ10の光学素子1とこれらの構成について説明する。
偏光子3の透過偏波方向は、実装基板6の上面と平行な1辺(これを基準辺と呼ぶ)に対し平行な方向に設定されており、他方の偏光子4の透過偏波方向は、その基準辺に対して45度の方向に設定されている。ここで、実装基板6の上面と偏光子3と偏光子4の基準辺と略一致させ、固定することにより、偏光子3と偏光子4の透過偏波方向は回転調整することなく、互いに45度ずれた状態となり、ファラデー回転子2のファラデー回転角が略45度の場合、最良の挿入損失特性とアイソレーション特性を得ることができる。
偏光子3、4は、入射する光の1方向の偏光成分を吸収する機能を有する吸収型偏光子、あるいは入射する光の1方向の偏光成分を分離または合成する複屈折性偏光子で構成される。吸収型偏光子は例えば楕円体形の金属粒子がガラス内に分散された構造の偏光ガラスからなる。この偏光ガラスは長く延伸された金属粒子をガラス自身の中に一方向に配列させることにより偏光特性を持たせたガラスであり、金属粒子の延伸方向に垂直な偏波面を持つ光が透過し、平行な偏波面を持つ光は吸収される。例えば楕円体形の金属粒子がガラス内に分散された構造の偏光ガラスからなる。この偏光ガラスは長く延伸された金属粒子をガラス自身の中に一方向に配列させることにより偏光特性を持たせたガラスであり、金属粒子の延伸方向に垂直な偏波面を持つ光が透過し、平行な偏波面を持つ光は吸収される。
ファラデー回転子2は常温において入射した光の偏波方向が45度回転する厚みに調整されている。また、光アイソレータ10に高いアイソレーションが要求される場合は、ファラデー回転子2の偏波回転角度45+α度に対し、偏光子3と偏光子4の回転ズレを45−α度に精密に調整する必要があり、光を逆方向から(偏光子4側から)入射し、透過してくる光が最も小さくなるように偏光子2を回転調整する方法がある。そこであらかじめ偏光子3と偏光子4の透過偏波方向を45−α度ずらして切り出し、例えば偏光子4の透過偏波方向を基準辺に対して45−α度とすることも可能である。また、ファラデー回転子の偏波回転角の精度±αは光アイソレータの特性上、1度程度とすることが望ましく、また実装基板6の上面に精度良く設置する。
ファラデー回転子2は、例えば、ビスマス置換ガーネット結晶等で、その厚みは所定の波長をもつ入射光線の偏光面が45度回転する様に設定する。一般に、偏波面を回転させるためには、入射光線の光軸L方向に十分な磁界を印可することが必要であり、磁石7がファラデー回転子2の両脇に配置されている。
磁石7の材料としては、例えばサマリウムコバルトからなる材料が適している。磁石7は光学素子1の両側に配置されており、磁石7には、ファラデー回転子2を通過する光軸方向の磁力線が最大になるような向きに磁極が配置されており、ファラデー回転子2が所定の波長をもつ入射光線の偏光面を45度回転させるだけの磁界強度を有する。また、磁石の形状はこれに限ることもなく、ファラデー回転子に所定の磁界強度を満足すれば、1個でも良く、その形状も限定されない。
ここで、ファラデー回転子2の熱膨張係数は約10×10−6/℃であり、偏光ガラスの熱膨張係数は約6.5×10−6/℃であり、また磁石7の熱膨張係数は約13×10−6/℃であり、これらの熱膨張係数の異なる部材を共通の実装基板6に堅固に実装し、かつ所望の光学特性を得るために本発明は考え出されたものである。すなわち、本発明の構成は実装基板6に形成する接合剤5aと5bが互いに接触していないため、磁石7による引っ張り応力が光学素子1、特にファラデー回転子2にかかることなく、良好な特性を示すこと発明した。
ここで、より強固な接合状態を得るためには、最適な熱膨張係数を有する低融点ガラスを用いる方がよい。ファラデー回転子2及び接合剤5に生じる応力は、接合剤5を介した磁石7による引っ張りだけではなく、接合剤5自身の熱収縮も原因となり得る。低融点ガラスを用いる場合は、この材料特性として引っ張り応力に弱く、引っ張り応力がかかった状態ではガラスの破断が発生し接合強度の劣化につながるため、接合する部材同士の内、一番熱膨張係数が小さい部材にあわせるか、それ以下の熱膨張係数を有する低融点ガラスを介在することが接合強度の点から望ましい。そのため、ファラデー回転子2と実装基板6の接合には、ファラデー回転子2と実装基板6のいずれか熱膨張係数が小さい方と同じかそれ以下の熱膨張係数を有する接合剤低融点ガラスを介在することが望ましい。これは後述の通り、光アイソレータの特性を左右するファラデー回転子への残留応力の点からも好ましい。また、磁石7と実装基板6の接合には、磁石7と実装基板6のいずれか熱膨張係数が小さい方と同じかそれ以下の熱膨張係数を有する低融点ガラスを介在することが望ましい。このように選択した結果、接合剤5aと接合剤5bで異なる材料配合の低融点ガラスを用いてもよい。
図2は本発明の効果について説明した断面図である。
図2は図1に示す磁石とファラデー回転子を通る断面A−A断面を示した図で、図2(a)は接合剤5が実装基板6の全面に形成され、磁石7とファラデー回転子2が共に接合剤5により固着されている様子を示す。図2(b)は接合剤5a、5bが実装基板6上で互いに接触せずに別領域に形成され、磁石7が接合剤5aによって、光学素子1が接合剤5bにより固着されている様子を示す。ガラスは引っ張り応力に対して弱いので、接合相手との応力が許容範囲を超えないように熱膨張係数や固着温度を最適に設定しておく。
物体は温度の上昇により膨張し、温度の降下により収縮する。温度1℃の変化によって生じる単位長さあたりの収縮量を熱膨張係数といい、これをαで表す。各接合部における応力は、接合剤5、5a、5bの固着温度(ほぼガラス転移温度Tgと等しい)付近で発生し始め、ここから温度が下がるほど各残留応力は大きくなる。図中の磁石7、ファラデー回転子2内の矢印は各部材が温度降下時に収縮する方向を示している。
また、光学素子1の内、ファラデー回転子2はその残留応力、特に引っ張り応力により、その消光比が大幅に低下することがわかっている。ファラデー回転子2の消光比とは、入射した直線偏波の光のうち、どれだけの光が直線偏波を保持したまま回転するかをパワーの比で表したものである。
以上の考察から、図2(a)の構成では、熱膨張係数が大きい磁石7が接合剤5の固着温度から常温への温度降下に伴い大きく収縮し、図中の矢印Fの方向に接合剤5を介してファラデー回転子2を引っ張るため、ファラデー回転子の消光比の低下や、低融点ガラス5にクラック発生という問題が生じる。これに対し本発明の図2(b)では接合剤5aと5bが分離しているため、磁石7の収縮に伴う影響をファラデー回転子2が受けにくい構成となっているために、ファラデー回転子2の特性低下や接合剤5のクラックが発生しにくくなる。
本発明は接合剤5a、5bとして低融点ガラスを用いた場合について説明したが、これに限ることはなく、常温より高い温度で硬化する接合剤、たとえば熱硬化型の樹脂接着剤や、ハンダ、ロウ材による接合についても同様の効果を得ることができる。特に本実施例で説明した低融点ガラス5を接合剤として用いた場合、光学素子2、3、4のメッキ等の前処理は不要であり工数の削減が実現する、または、樹脂による接合に比較して非常に堅固な固定が実現し、高温高湿化での特性劣化がなくなり、信頼性の高い光アイソレータが実現する、等の効果が期待される。
図3は、本発明の光アイソレータの第2の実施形態を示す斜視図である。
実装基板6に形成される接合剤5a、5bの間には、互いが接触しないように実装基板6に溝8が形成されており、溝8は、実装基板6の上面を横断して形成されており、2本の溝8に囲まれた平面には光学素子1が接合され、2本の溝8、8の外側の2平面に磁石が固定される構成としている。これにより、特に接合剤5a、5bの焼成時に発生しやすい接触による不良を確実に防止する効果がある。本実施例も第一の実施例と同様の効果を有し、磁石7からの引っ張り応力を光学素子1がさらに受けにくい構成である。
以上説明したように、本発明の構成によれば、磁石7と光学素子1を共通の実装基板6に高温にて溶融、接合する接合剤を用いて接合する構成の光アイソレータにおいて、磁石7を接合剤5aで、光学素子1を接合剤5bで接合し、接合剤5aと接合剤5bとは互いに確実に接触しない構成とすることで、光学素子1への応力を緩和することができ、光学素子の特性劣化、クラック、脱落の課題を解決することができる。
本発明の実施例として図2(a)に示した従来の接合基板を用いた光アイソレータAと、図2(b)に示した本発明の光アイソレータBを試作し、その特性について比較した。各部品と構成について以下に説明する。
偏光子は、コーニング社製のポーラコア(製品名)を用い、サイズは1mm角で厚み0.2mmのものを使用し、基板との実装辺を基準辺とし、入射側の偏光子3は基準辺に平行な偏波方向を透過し、出射側の偏光子4は基準辺に対して45度の偏波方向を透過するように設定した。偏光子の熱膨張係数は6.5×10−6/℃である。
ファラデー回転子はビスマス置換ガーネットを用い、サイズは1mm角で厚み0.4mm、飽和磁界強度中における偏波回転角は45度であった。いずれも波長1.55μmの光に対して動作する素子であり、偏光子、ファラデー回転子の両面には対空気(n=1)の反射防止膜が施されている。ファラデー回転子の熱膨張係数は10×10−6/℃である。
光アイソレータA、Bとも実装基板材料にジルコニア基板を用い、その上面に低融点ガラスをあらかじめ塗布しておく。ジルコニアの熱膨張係数は10.5×10−6/℃であり、ファラデー回転子の熱膨張係数とほぼ同じであり、ファラデー回転子に実装基板からの応力の影響を受けない構成とした。低融点ガラスについても同様にファラデー回転子への応力を考慮して10.5×10−6/℃より若干小さく、8×10−6/℃のものを選択した。
実装基板のサイズは幅W=3mm、長さD=1.5mm、厚みt=0.3mmで、光アイソレータAに用いる実装基板Aは幅W=3mm、長さD=1.5mmのほぼ全面に低融点ガラス5を塗布した。光アイソレータBに用いる実装基板Bは、そのほぼ中央部に幅W=1mm、長さD=1.5mmの第一の低融点ガラスを塗布し、第一の低融点ガラス領域の両側に幅W=0.8mm、長さD=1.5mmの第二の低融点ガラスを塗布し、第一の低融点ガラスと第二の低融点ガラスは約0.2mmの幅で分離されている。磁石は幅W=0.8mm、長さD=1.4mm、厚みT=1.4mmの略直方体の磁石を2個用いた。
光アイソレータA、Bとも試作条件は同じくし、低融点ガラスを介して偏光子とファラデー回転子と偏光子の各光学素子の基準辺、および磁石を実装基板A、あるいは実装基板Bに接合した。接合は、低融点ガラスの溶融温度380度、1分で焼成した。
表1は試作した5個の光アイソレータのアイソレーション特性とその平均値を示す。
Figure 2005122090
光アイソレータAについては、アイソレーション特性の平均値が23.2dBと非常に低く、磁石の高熱膨張の影響をファラデー回転子が受けていることが予想される。これに対し、光アイソレータBはアイソレーション特性の平均値が44.6dBと高く、本発明による特性の改善が確認できた。
以上の試作の結果から、50個の光アイソレータBを作製し特性を測定した。その結果すべての光アイソレータは、挿入損失が0.3dB以下、アイソレーションが35dB以上の、良好で均一な特性を有することを確認した。
次に作製した光アイソレータの信頼性評価を行った。試験は、Telcordia1221に示される振動試験、衝撃試験、温度サイクル試験、高温保持試験、低温保持試験、高温高湿試験を実施し、すべての試験において、挿入損失の変化量が±0.2dB以下、アイソレーションの変化量が±3dB以下と良好な結果を得ることができた。
以上の試作により、光学特性が安定し、かつ、組み立てが容易で工数が少なく、光学素子の脱落、クラック、特性劣化がない信頼性に優れた光アイソレータを提供することができる。
本発明の第2の実施例として、光アイソレータの熱応力の数値解析を行った。解析条件としては、ファラデー回転子2の熱膨張係数を10.0×10−6(1/℃)、偏光子3、4の熱膨張係数を6.34×10−6(1/℃)、磁石5の熱膨張係数を光軸方向を6.5×10−6(1/℃)、光軸と垂直方向を13.0×10−6(1/℃)、接合剤5の熱膨張係数を9.0×10−6(1/℃)及び6.0×10−6(1/℃)の二種類、接合剤5の融点を380℃とし、20℃まで温度を下げた際の熱応力を見た。この時の実装基板6の材質をアルミナとし、その熱膨張係数を7.1×10−6(1/℃)とした。
解析のパターンとしては、図2(a)の光アイソレータで接合剤5の熱膨張係数が9.0×10−6(1/℃)(パターン1)、図2(a)の光アイソレータで接合剤5の熱膨張係数が6.0×10−6(1/℃)(パターン2)、図2(b)の光アイソレータで接合剤5の熱膨張係数が9.0×10−6(1/℃)(パターン3)、図2(b)の光アイソレータで接合剤5の熱膨張係数が6.0×10−6(1/℃)(パターン4)の4パターンについて解析を行った。解析結果を表2に示す。また、パターン1、2についての応力分布を図4に示す。
Figure 2005122090
以上の解析より、接合剤5の熱膨張係数が低い方がファラデー回転子への応力が低くなることがわかった。この場合も、図2(b)に示される接合剤5a、bの分離は、ファラデー回転子2の応力低減に有効であり、クラックや特性劣化に効果があることが確認できた。
本発明の第3の実施例として、磁石と実装基板の接合剤と、光学素子と実装基板の接合剤を、熱膨張係数の異なる材料で試作した本発明の光アイソレータCを試作し、実施例1で試作した光アイソレータBと接合強度と特性の比較を行った。接合剤として用いた低融点ガラスの熱膨張係数以外は、実施例1に示した本発明の光アイソレータBと同じ構成である。
光アイソレータBは、磁石と実装基板の接合、及び光学素子と実装基板の接合に、8×10−6/℃の熱膨張係数の1種類の低融点ガラスを用いた。
光アイソレータCは、磁石と実装基板の接合には実装基板のジルコニアより若干熱膨張係数が小さい9.5×10−6/℃の低融点ガラスを用い、光学素子と実装基板の接合には光学素子の内、熱膨張係数の小さい偏光子の熱膨張係数6.5×10−6/℃より若干熱膨張係数が小さい6.0×10−6/℃の低融点ガラスを用い、以上2種類の低融点ガラスを用いた。
光アイソレータB、Cとも試作条件は同じくし、低融点ガラスを介して偏光子とファラデー回転子と偏光子の各光学素子の基準辺、および磁石を実装基板に接合した。接合は、低融点ガラスの溶融温度380度、1分で焼成した。
表3は試作した5個の光アイソレータのアイソレーション特性、磁石と実装基板の圧縮せん断強度、光学素子と実装基板の圧縮せん断強度、とその平均値を示す。圧縮方向は光軸Zの方向とした。

Figure 2005122090
光アイソレータCのアイソレーション特性は、光アイソレータBに対して4dBほど劣るものの、一般的なアイソレーション特性35dB以上をクリアしている。また接合強度の点では、磁石および光学素子ともその接合強度は光アイソレータBに対して平均値で3.6〜4.2N/mmほど大きくなり、本発明による接合強度の改善が確認できた。
本発明の光アイソレータの実施形態を示す斜視図である。 本発明の効果について説明する断面図である。 本発明の光アイソレータの第2の実施形態を示す斜視図である。 応力解析結果の応力分布の斜視図である。 従来の小型化された光アイソレータの構成を示す図である。
符号の説明
1、21:光学素子
10、11、15:光アイソレータ
2、16:ファラデー回転子
3、4、17、18:偏光子
5:接合剤
6、20:実装基板
7、19、22:磁石
8:溝

Claims (6)

  1. ファラデー回転子及び偏光子を含む光学素子と磁石とが、平板状の実装基板上面に接合剤を介して一体化されている光アイソレータにおいて、前記接合剤が実装基板上面で光学素子と接合する領域と磁石と接合する領域とに分離されていることを特徴とする光アイソレータ。
  2. 前記光学素子と実装基板の間には、前記ファラデー回転子と実装基板の熱膨張係数のいずれか小さい方と同じかそれ以下の熱膨張係数を有する接合剤が介在していることを特徴とする請求項1に記載の光アイソレータ。
  3. 前記磁石と実装基板の間には、いずれかの熱膨張係数が小さい方と同じかそれ以下の熱膨張係数を有する接合剤が介在していることを特徴とする請求項1又は2に記載の光アイソレータ。
  4. 前記磁石と実装基板の間には、いずれかの熱膨張係数が小さい方と同じかそれ以下の熱膨張係数を有する接合剤が介在し、かつ、前記光学素子と実装基板の間には、前記ファラデー回転子と実装基板の熱膨張係数のいずれか小さい方と同じかそれ以下の熱膨張係数を有する接合剤が介在していることを特徴とする請求項1に記載の光アイソレータ。
  5. 前記接合剤が低融点ガラスからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光アイソレータ。
  6. 前記実装基板の光学素子の接合領域と、前記実装基板の磁石の接合領域との間に溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光アイソレータ。
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