JP2005121232A - 防錆カバーの製造方法及びこれを用いた防錆カバー - Google Patents

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Abstract

【課題】組付時には充分な強度を確保することができ、しかも不要時には簡単に取り外すことができるようにする。
【解決手段】従来のDFM製法に替えてWFM製法によって防錆カバーを製造することとした。即ち、水槽64内には紙繊維62を主材とする混合水溶液74が貯留されており、その中に多孔質の防錆カバー型76を浸漬させる。次に、バキュームポンプ92によって混合水溶液74ごと吸引する。これにより、防錆カバー型76の型本体80におけるマスキングされていない部分の表面に、後に防錆カバーとなる紙繊維層が形成される。上記製法によれば、バキュームポンプ92による吸引時間を調整することで、組付時の要求強度に見合う任意の板厚の防錆カバーを得ることができ、しかも紙繊維62による結合を基調としているため破断し易く取り外し易い。
【選択図】 図5

Description

本発明は、防錆カバーの製造方法及びこれを用いた防錆カバーに関する。
自動車は、組立完了後から納車までの間、保管等のために長期間露天下に晒されることがある。この状態で放置した場合、ディスクブレーキ装置の一要素を構成するディスクロータ等に錆が発生することがあるため、従来から防錆カバーを使用している。なお、防錆カバーには、ディスクロータの防錆性能確保(第1の要求性能〔基本性能〕)以外に、製品として出荷されてから組立工場に納品されるまでの輸送の間並びに組立工場でのライン組付時に変形しない(開かない)こと(第2の要求性能)、車両への組付後も容易には外れないこと(第3の要求性能)、不要時に簡単に取り外せること(第4の要求性能)といった性能も要求される。
実開昭57−80734号公報(下記特許文献1)にはこの種の防錆カバーが開示されており、以下この公報に開示された構成について簡単に説明する。
図13に示されるように、防錆カバー150は略環状に形成されており、一般面を構成するハット部152と、このハット部152の一部を切り欠いて形成した狭幅のブリッジ部154と、ハット部152とブリッジ部154とを接続する一対のフラットな当接部156と、を備えている。なお、ハット部152の周方向所定位置には、組付用の一対の係合突起158が形成されている。また、ハット部152におけるブリッジ部154と反対側には、防錆カバー150の取外し時に把手として利用される脚部160が一体に形成されている。
さらに、上述したブリッジ部154の中央部には、径方向外側へ突出する回り止め部162が一体に形成されている。この回り止め部162の軸心側には第1スリット164が形成されており、又回り止め部162と一方の当接部156との間には第2スリット166が形成されている。
上記構成によれば、防錆カバー150は、ディスクブレーキ装置の一要素を構成する図示しないディスクロータとタイヤを支持するディスクホイールのディスク部との間に介在される。これにより、第1の要求性能であるディスクロータの防錆性能確保は満たされる。
また、防錆カバー150は、回り止め部162がキャリパの一対の爪部間に配置されることでキャリパに対する回り止めがなされ、かつ、この状態で一対の当接部156にキャリパのトルクメンバの端部がそれぞれ当接されると共に係合突起158がディスクロータの内側に配置された図示しないダストカバーの外周部と係合されることで弾性的な組付状態となる。これにより、車両への組付後も容易には外れないという第3の要求性能が満たされる。
ここで、第2の要求性能及び第4の要求性能に対する達成度について考察すると、以下の点で問題が残る。
すなわち、上述した防錆カバー150は、木材のチップを一旦繊維化して板状に成形したベースとなるボードを製作した後、型で打ち抜き、その後プレス成形を行う所謂DFM(ドライ・ファイバー・モールド)製法によって製作されることが多い。この場合、木材繊維という結合強度が比較的高い材料から防錆カバー150が製作されることになるため、製品として出荷されてから組立工場に納品されるまでの輸送の間に変形しない(開かない)という第2の要求性能の一部は満たされる。しかしながら、結合強度が比較的高いことを考慮して第1スリット164及び第2スリット166を設けているため、組立工場でのライン組付時に変形し易いという問題がある。
また、上記構成によれば、把手である脚部160が矢印A方向へ引っ張られることにより、第2スリット166から破断して防錆カバー150が取り外される。なお、この際、上記構成では、矢印A方向への引張力によってブリッジ部154に作用する矢印B方向への引張力により、回り止め部162がキャリパの爪部に当接して破断荷重が吸収されるのを避けるべく、前述した第1スリット164が形成されている。すなわち、この第1スリット164によって回り止め部162が結果的には湾曲方向が反転するように弾性変形することで、第2スリット166に破断荷重を集中させてこれを破断させるようになっている。しかしながら、前述した如く、結合強度が高いことから、第2スリット166での破断強度も高くなり、不要時に簡単に取り外せるという第4の性能に対しては未だ不充分な感がある。
実開昭57−80734号公報
本発明は上記事実を考慮し、組付時には充分な強度を確保することができ、しかも不要時には簡単に取り外すことができる防錆カバーの製造方法及びこれを用いた防錆カバーを得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係る防錆カバーの製造方法は、紙材の繊維を粉砕する第1の工程と、粉砕された繊維を水に溶かして水溶液とする第2の工程と、水溶液中に多孔質の防錆カバー型を浸漬し、当該防錆カバー型の内部からバキュームポンプを用いて所定の吸引力で吸引することにより当該防錆カバー型の表面に防錆カバーを構成する紙繊維層を形成する第3の工程と、別のバキュームポンプが連結された吸引型を前記防錆カバー型に被嵌させて吸引することにより、前記紙繊維層を防錆カバー型から離脱させて吸引型内に吸着させる第4の工程と、前記別のバキュームポンプを逆転駆動させることにより、前記紙繊維層を加圧して吸引型から離脱させる第5の工程と、当該紙繊維層を乾燥させた後にプレスして加圧及び加熱成形しながら紙繊維層の形状を整える第6の工程と、を有する、ことを特徴としている。
請求項1記載の本発明によれば、第1の工程によって紙材の繊維が粉砕される。次いで、第2の工程によって、粉砕された繊維が水に溶かされて水溶液が作られる。その後、第3の工程によって、水溶液中に多孔質の防錆カバー型が浸漬され、防錆カバー型の内部からバキュームポンプを用いて所定の吸引力で吸引することにより、当該防錆カバー型の表面に紙繊維層が形成される。上記工程を経て得られた紙繊維層によって防錆カバーが構成される。その後、第4の工程によって、吸引型が防錆カバー型に被嵌されて、別のバキュームポンプを用いて吸引することにより、前記紙繊維層が防錆カバー型から離脱され、吸引型内に吸着される。次いで、第5の工程によって、別のバキュームポンプが逆転駆動される。これにより、前記紙繊維層が加圧されて吸引型から離脱される。次いで、第6の工程によって、吸引型から離脱された紙繊維層を乾燥させる。その後、当該紙繊維層をプレスして加圧及び加熱成形しながら紙繊維層の形状が整えられる。
このように本発明によれば、第3の工程における吸引時間を調整することで、任意の板厚の防錆カバーが得られる。すなわち、組付時の要求強度に対しては、防錆カバーを構成する紙繊維層の板厚をコントロールすることで確保することが可能となる。
また、従来のDFM製法による場合、結合強度が比較的高い木材繊維による結合を基調としているため、組付時の要求強度と取外し時に破断し易い破断強度との調和点が見出しにくく、必要以上に強度が高くなりがちである。その結果、スリットを設ける必要が生じ、これが組付時の変形の誘因になると共に、不要時に防錆カバーを取り外す際に、破断強度が高すぎて防錆カバーが取外しにくくなる。これに対し、本発明の製法による場合、結合強度が比較的低い紙繊維による結合を基調としているため、組付時の要求強度と取外し時に破断し易い破断強度との調和点を板厚をコントロールすることで容易に見出すことができ、更にスリット等を設ける必要もなくなる。
総じていえば、本発明では、組付時の強度確保については防錆カバーの板厚をコントロールすることで対処し、取外し性については結合強度が比較的低い紙繊維を利用することで対処している。
請求項2記載の本発明によれば、請求項1記載の発明において、第2の工程で得られた水溶液中に、更に劣化防止用材料を添加したので、防錆カバーが劣化しにくくなる。
請求項3記載の本発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の製造方法によって防錆カバーを製造したので、組付時の要求強度の確保と取外し時の取外し性の向上との両立が達成された防錆カバーが得られ、更には劣化しにくい防錆カバーが得られる。
以上説明したように請求項1記載の本発明に係る防錆カバーの製造方法は、紙材の繊維を粉砕する第1の工程と、粉砕された繊維を水に溶かして水溶液とする第2の工程と、水溶液中に多孔質の防錆カバー型を浸漬し、当該防錆カバー型の内部からバキュームポンプを用いて所定の吸引力で吸引することにより当該防錆カバー型の表面に防錆カバーを構成する紙繊維層を形成する第3の工程と、別のバキュームポンプが連結された吸引型を防錆カバー型に被嵌させて吸引することにより、紙繊維層を防錆カバー型から離脱させて吸引型内に吸着させる第4の工程と、別のバキュームポンプを逆転駆動させることにより、紙繊維層を加圧して吸引型から離脱させる第5の工程と、当該紙繊維層を乾燥させた後にプレスして加圧及び加熱成形しながら紙繊維層の形状を整える第6の工程と、を有するので、組付時には充分な強度を確保することができ、しかも不要時には簡単に取り外すことができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る防錆カバーの製造方法は、請求項1記載の発明において、さらに、水溶液中に、劣化防止用材料を添加したので、防錆カバーの耐久性を取外し性を阻害しない範囲で向上させることができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る防錆カバーは、請求項1又は請求項2に記載の製造方法によって製造したので、組付時には充分な強度を確保することができると共に不要時には簡単に取り外すことができ、更には取外し性を阻害しない範囲で耐久性を向上させることができるという優れた効果を有する。
以下、図1〜図12を用いて、本発明の一実施形態について説明する。
図10には、車両のホイール付近の縦断面構造が示されている。この図に示されるように、上部にショックアブソーバの下端部がブラケット10を介して固定され、下部にロアアーム12の外端部がロアボールジョイント14を介して連結されたステアリングナックル16の軸心部には、アンギュラボールベアリング18を介してアクスルハブ20のボス部20Aが軸支されている。アクスルハブ20のボス部20Aはアクスル22の小径軸22Aにスプライン嵌合されており、この状態でナット24が螺合されることによりアクスルハブ20がアクスル22に固定されている。
また、アクスルハブ20のフランジ部20Aの外側には、ディスクロータ26が配置されている。ディスクロータ26は、アクスルハブ20のフランジ部20Bに当接状態で配置される有底円筒状の取付部26Aと、この取付部26Aの外周部から半径方向外側へ延出されたフランジ部26Bと、から成り、ディスクブレーキ装置28の一部を構成する。ディスクブレーキ装置28の他の一部を構成する浮動型のキャリパ30はステアリングナックル16に取り付けられており、キャリパ30内に配置されたインナパッド32及びアウタパッド34がディスクロータ26のフランジ部26Bの外周部に対向して配置されている。
また、ディスクロータ26の外側には、ディスクホイール36が配置されている。ディスクホイール36は、ディスクロータ26の取付部26Aに当接状態で配置されるディスク部36Aと、このディスク部36Aから一体的に形成されタイヤを支持する円筒状のリム部36Bと、から成る。このうち、ディスク部36Aがディスクロータ26の取付部26Aと共にハブボルト38及びハブナット40によって共締めされることにより、ディスクロータ26及びディスクホイール36がアクスルハブ20のフランジ部20Bに固定されている。
上述したディスクロータ26のフランジ部26Bの内側にはその内側面を覆うようにダストカバー42が配設されており、又ディスクロータ26のフランジ部26Bの外側(ディスクロータ26のフランジ部26Aとディスクホイール36のディスク部36Aとの間)にはその外側面を覆うように防錆カバー44が配設されている。なお、ダストカバー42はディスクロータ26に塵埃等が付着するのを防止するためのものであり、又防錆カバー44はディスクロータ26が長期間の保管時等に錆びるのを防止するためのものである。
図11に示されるように、防錆カバー44は、一般面を構成するハット状のカバー本体46と、このカバー本体46の一部を切り欠いて形成した狭幅のブリッジ部48と、を含んで構成されている。このうち、ブリッジ部48の切欠きには、前述したキャリパ30が配置されている。別言すれば、キャリパ30との干渉を避けるべく、切欠きを設けてブリッジ部48としている。また、カバー本体46におけるブリッジ部48と反対側には、取外し用の把手50(図9参照)が一体に形成されている。
さらに、図11及び図12(A)に示されるように、カバー本体46の外周部所定位置には、弾性変形可能な複数の係合突起52が一体に形成されている。これらの係合突起52は、ディスクホイール36のディスク部36Aに周方向に所定の間隔で形成された開口54内へ弾性的に係合されるようになっている。また、図10及び図12(B)に示されるように、カバー本体46の外周縁の所定部位には、鉤状の係合鉤部56が一体に形成されている。この係合鉤部56には、前述したダストカバー42の外周縁42Aが弾性的に係合されるようになっている。そして、これらの係合突起52及び係合鉤部56によって防錆カバー44は、ディスクホイール36とダストカバー42とに取り付けられている。なお、係合突起52及び係合鉤部56といった構成を用いる以外でも、防錆カバー44を確実に組付けることができる係合手段であればすべて適用することができる。 次に、上述した防錆カバー44の製造方法について説明し、この説明を通して本実施形態の作用並びに効果を説明する。なお、以下に説明する製法は、WFM(ウェット・ファイバー・モールド)製法と呼ばれるものである。
まず、原料用の混合水溶液の製造工程が行われる。
具体的には、図1に示されるように、廃品回収により回収された紙材としての古新聞58やダンボール60が、図示しないミキサーによって粉砕される。これにより、古新聞58やダンボール60は繊維化されて紙繊維62となる。なお、以上が、請求項1記載の「第1の工程」に相当する。
次に、この紙繊維62が水槽64内へ投入されて、水中に紙繊維62を溶け込ませた水溶液66が作られる。次いで、図2に示される如く、水槽64内へ劣化防止材料としての撥水剤68、及びバージンパルプ70が投入され、攪拌機72によって攪拌される。なお、撥水剤68を投入するのは、防錆カバー44が製品化された後に雨水や湿気等を吸水して必要以上に劣化するのを防止するためである。また、撥水剤68としては、本実施形態では環境に対する配慮からワックス(蝋)を使用しているが、樹脂を使用することも可能である。また、バージンパルプ70を投入するのは、製品化された防錆カバー44の強度をある程度コントロールするためである。これにより、図3に示されるように、原料となる混合水溶液74が完成する。なお、以上が、請求項1記載の「第2の工程」に相当する。
次に、防錆カバー型への吸着工程が行われる。
図4に示されるように、防錆カバー型76は、方形板状の基台78と、この基台78の上端面に立設された円柱形状の型本体80と、によって構成されており、セラミック製とされている。なお、防錆カバー型76は、木型から転写することにより製作される。基台78の四隅には、ボルト挿通孔82が形成されている。また、型本体80の上端面及び周面には、多数の吸引孔84が形成されている(なお、本図では、吸引孔84を点描で示している)。さらに、型本体80の上端面所定範囲及び周面所定範囲には、紙繊維62を吸着させないためのマスキング86が施されている。上述した防錆カバー型76を用いて、以下の如くして吸着工程が行われる。
図5に示されるように、まず、基台78のボルト挿通孔82内へ固定ボルト88を挿通させてワーク90に螺合させることにより、防錆カバー型76がワーク90に取り付けられる。なお、ワーク90には吸引手段ともいえるバキュームポンプ92がホース94を介して接続されており、コントロール弁96の開度を調節することにより吸引速度等を調整することができるようになっている。また、ワーク90には、ワーク90を貫通するシャフト98及びこのシャフト98の端部に設けられたモータ100を含んで構成される回転ユニット102が設けられている。
上述したワーク90を前述した水槽64にセットした後、モータ100を駆動してワーク90を回転させながら、防錆カバー型76を混合水溶液74中に浸漬させる。次いで、バキュームポンプ92を駆動させて混合水溶液74ごと吸引する。これにより、混合水溶液74はマスキング86が施された以外の部分の吸引孔84から吸引されて、マスキング86が施された以外の部分の表面に紙繊維層104(図6(A)に図示)が形成される。このとき、バキュームポンプ92による吸引時間を調整することで、紙繊維層104の板厚を任意にコントロールすることができる。なお、以上が、請求項1記載の「第3の工程」に相当する。
次に、紙繊維層の水分を除去するべく、乾燥工程が行われる。
まず、図6(A)に示される如く、ワーク90を水槽64から離脱させると共に、モータ100を駆動させて防錆カバー型76が上方を向くようにこれを反転させる。次いで、図6(B)に示される如く、別のバキュームポンプ106が連結された吸引型108を防錆カバー型76に被嵌させて吸引する。これにより、図6(C)に示される如く、防錆カバー44を構成する紙繊維層104が型本体80から離脱して吸引型108内に吸着される。なお、以上が、請求項1記載の「第4の工程」に相当する。
次いで、図7に示される如く、バキュームポンプ106を逆転駆動させる等により紙繊維層104を加圧する。これにより、紙繊維層104は吸引型108から離脱してベルトコンベア110上に落下する。次いで、ベルトコンベア110によって紙繊維層104が乾燥炉112に搬送されてきたら、ベルトコンベア110を一旦停止させて紙繊維層104を乾燥させる。紙繊維層104が乾燥したら、ベルトコンベア110を再び駆動させて台車114に積層させていく。なお、乾燥炉112の長手方向寸法や乾燥温度等によってはベルトコンベア110を停止させる必要はない。なお、以上が、請求項1記載の「第5の工程」に相当する。
次に、製品精度を確保するべく、最終プレス工程が行われる。
まず、図8に示されるように、下型116の凹部118内に一方の紙繊維層104(本図では図示省略)をセットすると共に、上型120の凸部122に他方の紙繊維層104を被嵌させる。なお、このとき、凹部118の内周面及び凸部122の外周面に離型剤(油)が塗布される。次いで、上型120を下型116にプレスして、双方の紙繊維層104を加圧及び加熱成形しながら形状を整える。これにより、図9に示される如く、紙繊維62を主材料とした防錆カバー44の完成品が得られる。なお、以上が、請求項1記載の「第6の工程」に相当する。
このように本実施形態では、従来のDFM製法に替えてWFM製法によって防錆カバー44を製造することとしたので、以下の効果が得られる。
第一に、第3の工程におけるバキュームポンプ92による吸引時間を調整することで、任意の板厚の防錆カバー44を得ることができる。すなわち、防錆カバー44のディスクホイール36等への組付時の要求強度に対しては、防錆カバー44を構成する紙繊維層104の板厚をコントロールすることで容易に確保することができる。なお、このことから、当然に、製品として出荷されてから組立工場に納品されるまでの輸送の間に要求される強度に対しても充分な強度が確保される。この結果、製品として出荷されてから組立工場に納品されるまでの輸送の間並びに組立工場でのライン組付時に変形しない(開かない)こと(第2の要求性能)を満足する。
第二に、本実施形態によれば、結合強度が比較的低い紙繊維62による結合を基調とするWFM製法を採用したので、組付時の要求強度と取外し時に破断し易い破断強度との調和点を板厚をコントロールすることで容易に見出すことができる。すなわち、本実施形態によれば、防錆カバー44が紙繊維層104によって構成されているため、不要時に防錆カバー44を取り外す場合には、ディスクホイール36の外側から手を入れて把手50を持って引っ張れば容易に破断してこれを取り外すことができる。この結果、不要時に簡単に取り外せること(第4の要求性能)も満足する。
総じていえば、本実施形態によれば、組付時の強度確保については防錆カバー44の板厚をコントロールすることで対処し、取外し性については結合強度が比較的低い紙繊維62を利用することで対処し、第2の要求性能確保と第4の要求性能確保との両立を図ることができる。
なお、防錆カバー44は、前述した係合突起52をディスクホイール36の開口54へ弾性的に係合させると共に係合鉤部56にダストカバー42の外周縁46Aを弾性的に係合させることによりディスクロータ26の外側に組付けられ、これによりディスクロータ26の防錆性能確保(第1の要求性能〔基本性能〕)並びに車両への組付後も容易には外れないこと(第3の要求性能)をも満足することになる。
また、本実施形態では、第2の工程で得られた混合水溶液74中に、更に劣化防止用材料である撥水剤68を添加したので、防錆カバー44が雨水や湿気等で容易に劣化するのを防止することができる。
なお、本実施形態では、劣化防止材料である撥水剤68を添加したが、この撥水剤68は必要に応じて添加すればよいものであり、必ずしも添加する必要はない。
紙繊維が溶け込んだ水溶液が作られるまでの工程を示す工程図である。 水溶液に撥水剤及びバージンパルプが添加されて攪拌される工程を示す工程図である。 図2に示される工程を経て得られた混合水溶液を示す工程図である。 吸着工程で用いられる防錆カバー型の斜視図である。 防錆カバー型が混合水溶液中に浸漬されて吸着がなされる工程を示す工程図である。 バキュームポンプに防錆カバーが吸着されるまでの工程を示す工程図である。 乾燥工程を示す工程図である。 最終成形工程を示す工程図である。 以上の工程を経て得られた防錆カバーの完成品を示す斜視図である。 防錆カバーの組付状態を示す車両のホイール付近の縦断面図である。 防錆カバーが組付けられた状態をホイール側方から見て示す正面図である。 防錆カバーの組付時に用いられる係合手段の構成を示す概略図である。 従来の防錆カバーの構成を示す斜視図である。
符号の説明
44 防錆カバー
58 古新聞(紙材)
60 ダンボール(紙材)
62 紙繊維
66 水溶液
68 撥水剤(劣化防止材料)
76 防錆カバー型
92 バキュームポンプ
104 紙繊維層
106 バキュームポンプ
108 吸引型
112 乾燥炉
116 下型
120 上型

Claims (3)

  1. 紙材の繊維を粉砕する第1の工程と、
    粉砕された繊維を水に溶かして水溶液とする第2の工程と、
    水溶液中に多孔質の防錆カバー型を浸漬し、当該防錆カバー型の内部からバキュームポンプを用いて所定の吸引力で吸引することにより当該防錆カバー型の表面に防錆カバーを構成する紙繊維層を形成する第3の工程と、
    別のバキュームポンプが連結された吸引型を前記防錆カバー型に被嵌させて吸引することにより、前記紙繊維層を防錆カバー型から離脱させて吸引型内に吸着させる第4の工程と、
    前記別のバキュームポンプを逆転駆動させることにより、前記紙繊維層を加圧して吸引型から離脱させる第5の工程と、
    当該紙繊維層を乾燥させた後にプレスして加圧及び加熱成形しながら紙繊維層の形状を整える第6の工程と、
    を有する、
    ことを特徴とする防錆カバーの製造方法。
  2. さらに、前記水溶液中に、劣化防止用材料を添加した、
    ことを特徴とする請求項1記載の防錆カバーの製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の製造方法によって製造した、
    ことを特徴とする防錆カバー。
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