JP2005120691A - 節水具及び節水装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 1つの節水具で複数の吐水流量に対応し、かつ誰でもが簡単に吐水流量の調整を行うことのできる節水具及び節水装置の提供。
【解決手段】 1又は複数の通水孔(2b)を設けた水流調整部(2)と、円筒部(1c)に対して相対的に変位可能な流量調整部(4)とを具備する。流量調整部(4)の相対的変位に伴う該流量調整部(4)と水流調整部(2)の通水孔(2b)との相対的位置関係の変化に基づいて、流量調整部(4)と水流調整部(2)の通水孔(2b)との間に形成される流路の大きさが変化する。そのため、流量調整部(4)を変位するだけで吐水流量の調整を簡単に図ることができる。また、この節水具(1)は水流出口に設置するタイプの節水具として使用するのに適する。さらに、適用する水栓のタイプ又は流路の途中若しくは出口といった配置場所の相違など、その用途に応じて、水流方向に対する上下の向きを適宜反転して使用することもできる。
【選択図】 図1(a)

Description

この発明は、水栓からの吐水流量を調整することによって節水効果を得ることのできる節水具及び節水装置に関する。特に、ハンドルコック式の水栓だけでなくシングルレバー式の水栓にも共用することができ、かつ吐水流量を簡単に調整することが可能な節水具及び節水装置に関する。
一般家庭やレストランあるいはホテル等における調理場、洗面所、浴室等において調理や洗浄や入浴などのために水やお湯を使用する際、使用者は手動式の回転可能なハンドルコックを操作することによって単水栓や湯水混合栓等の自在水栓から流れ出る水やお湯などの吐水流量(吐出量)を調整することができるようになっている。すなわち、使用者によるハンドルコックの回転量に応じて前記水栓の弁開度が変わり、それに従い水栓から流れ出る水やお湯などの吐水流量が変化する。また、浴室などに設備されるシャワーにおいても、湯水混合栓から分岐したホースの根元に設けられたハンドルコックの操作によって吐水流量を調整できるようになっているのが一般的である。このようなハンドルコック式の水栓やシャワー設備では、従来から節水を図るために当該水栓出口とスパウト内との結合部や、ホースとシャワーヘッドとの結合部などに節水具を組み込むことが行われている。こうした節水具としては、例えば下記に示す特許文献1、2に開示されている節水具(節水コマ)などが従来から知られている。下記公報に記載の節水具やその他の従来知られた節水具においては、水栓本体やシャワーヘッドの内部流量を節水具内部に設けた孔で絞ることにより、水栓の弁開度にほぼ比例する吐水流量を前記孔の大きさにより調整して節水を行うようにしている。
実開昭59-158794号公報 実開昭60-21089号公報
ところで、最近では一般家庭やレストランあるいはホテルなどにおいて、レバーの上下動に応じて水栓の弁開度を変えることのできる、つまり使用者がレバーを上げ下げするだけで水栓からの吐水流量を変えることのできるようにした所謂シングルレバー式(又はワンタッチレバー式とも呼ぶ)の水栓が普及してきている。こうしたシングルレバー式の水栓においては、僅かなレバー操作が行われただけで急激に吐水流量が変化してしまう。そのため、使用者が必要とする水量に調節するためにはレバーの微調整を行わなければならずこうした操作は面倒であること、特に幼児や高齢者等の使用者にとってはこうしたレバー操作が非常に難しいこと、などからついつい水を出し過ぎた状態のままで使用してしまうことが多い。そこで、シングルレバー式の水栓においてはこうした水の出し過ぎを防止するために予め元栓を絞っておくという方法が考えられるが、こうした方法を採用すると使用者の使用感が失われるだけでなく、建物全体における水圧が落ちてしまい建物の至る場所で水の出が悪くなってしまうことが生じることから、こうした方法は実用的とは言えず採用できないものである。そこで、シングルレバー式の水栓に適した節水具が望まれるが、上述したような従来知られた節水具は水栓出口とその先のスパウトとの結合部に節水具を組み込む形式のものであったため、シングルレバー式の水栓にそれらの節水具をそのまま適用することはできなかった。すなわち、仮に従来公知の節水具を単純にシングルレバー式水栓の出口に組み込めるような何らかの構造を工夫したとしても、それだけでは単に水量を調整できるだけにすぎず、日常的に使い易い、滑らかな吐出流を生じさせるものとはならない。このように、シングルレバー式の水栓に適した節水具は従来なかったために、シングルレバー式の水栓に対して節水を施すことは非常に難しい、という問題点があった。同様の問題点はシングルレバー式水栓に限らず、水流吐出口に節水具を設けるタイプのすべての節水具において存在する。
また、従来においては、節水具内部に設けた孔の大きさがそれぞれ異なる多種類の節水具を予め用意しておき、必要とされる吐水流量にあった大きさの孔が設けられている節水具をその都度交換しながら取り付ける必要があった。しかし、吐水流量に応じて孔の大きさの異なる多種類の節水具を予め用意しておくことはコストが高くなってしまい都合が悪い。さらに、単に孔の大きさの異なる節水具を交換することだけでは、感覚的に異なりうる個々のユーザ毎の使用感を満足させる吐水流量への微妙な調整が非常に難しかった。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、節水を施すことのできるようにシングルレバー式の水栓に対して取り付けるのに適した節水具を提供しようとするものである。また、水流吐出口に設置するタイプの節水具及び節水装置の改良を図ることを目的とする。また、ハンドルコック式の水栓に対する節水具のように、水流路の途中に取り付け配置するのにも適した節水具を提供しようとするものである。すなわち、シングルレバー式水栓及びハンドルコック式水栓など、適用する水栓のタイプ、又は流路の途中若しくは出口といった配置場所の相違など、その用途に応じて、水流方向に対する上下の向きを適宜反転して使用できる節水具を提供しようとするものである。さらに、1つの節水具で複数の吐水流量に対応し、かつ誰でもが簡単に微妙な吐水流量の調整を行うことのできるようにした節水具を提供しようとするものである。
参考として添付図における参照番号を括弧付きで引用すると、本発明に係る節水具(1)は、円筒部(1c)と、前記円筒部(1c)の所定個所に形成される水流調整部(2)であって、1又は複数の通水孔(2b)が設けられているものと、前記円筒部(1c)に対して相対的に変位可能な流量調整部(4)とを具備し、前記流量調整部(4)の想定的変位に伴う該流量調整部(4)と前記水流調整部(2)の通水孔(2b)との相対的位置関係の変化に基づいて、前記流量調整部(4)と前記水流調整部(2)の通水孔(2b)との間に形成される流路の大きさの変化に応じて吐水流量の調整を行うことを特徴とする。
1又は複数の通水孔(2b)を設けた水流調整部(2)と円筒部(1c)に対して相対的に変位可能な流量調整部(4)の存在により、水流量を絞ること(節水)のみならず、干渉/緩衝作用による水流の調整を簡単に図ることができる。これにより、この節水具(1)が、水流出口に設置するタイプの節水具として使用するのに適したものとなっている。また、この節水具(1)を、適用する水栓のタイプ又は流路の途中若しくは出口といった配置場所の相違など、その用途に応じて、水流方向に対する上下の向きを適宜反転して使用することを行えるものとしている。さらに、この節水具(1)だけで複数の吐水流量に対応し、かつ誰でもが簡単に微妙な吐水流量の調整を行うことができるようになっている。
一般に、シングルレバー式(ワンタッチレバー式)の水栓は、水流の途中に節水器を設置するのに適していない。この点、本発明の節水具(1)は、水流出口に設置するタイプの節水具として使用するのに適するので、これをシングルレバー式(ワンタッチレバー式)の水栓の水流出口に設置することで、シングルレバー式(ワンタッチレバー式)の節水具として使用することができる。なお、この節水具(1)を水流出口に設置するタイプの節水具として使用する場合、突出部(3)を水流出口寄りに位置させて配置することで、該節水具(1)を水流出口に係止させ易くなり、ねじ式キャップ等の固定手段(C)を介した固定を容易に行うことができる。
水流調整部(2)は、前記円筒部(1c)の両端部(1a,1b)よりも内部寄りの個所に形成されていることが好ましい。これにより、円筒部(1c)内において、水流調整部(2)の位置から端部(1a,1b)までに或る程度の距離が存在することとなり、この距離分の円筒内側壁が水流ガイド壁となり、整流作用を得ることができる。特に、そのような場合に、水流方向に対する節水具(1)の上下の向きをどちらに設定したとしても、円筒部(1c)内において水流調整部(2)から出た水流は、すぐに円筒部(1c)の端部から出ることなく、端部(1a,1b)に至るまでの或る程度の距離だけ存在している内側壁によってガイドされて端部(1a,1b)から出る。従って、水流調整部(2)において水流を絞ることによって生じるかもしれない好ましくないジェット流のような急勢な水流が蛇口から出る恐れを軽減することができる。
本発明の節水具(1)を使用して、水流出口に設置するタイプの節水装置(10)を構成する場合、必要に応じて、水流を整流化したりソフトにするための手段を付加するとよい。例えば、そのような節水装置(10)は、上記の節水具(1)と、前記節水具(1)で流量調整された水流を減圧し整流する整流手段(5)と、上記節水具(1)及び整流手段(5)を水流出口に着脱可能に固定する固定手段(C)とを具備する。一例として、前記整流手段(5)は、前記節水具(1)で流量調整された水流を受圧して通過させる受圧部(5a)と、該受圧部(5a)から出る水流を出口面積に略均等に振り分けるよう複数の通水孔を略均等に設けてなる均等板(5b,5c)とを含んでいてよい。一例として、前記受圧部(5a)は、前記節水具(1)の前記突出部(3)寄りの端部から前記円筒部(1c)の内部に延びて、前記水流調整部(2)の通水孔(2b)から出る水流を受圧し、かつ通過させる構造からなっていてよい。
本発明によれば、水流出口に設置し易く、また、水流出口に設置した場合に水量制限と干渉/緩衝作用による水流調整とを実現する構造からなる節水具が提供される、という優れた効果を奏する。これにより、水流出口に設置した場合に、日常的に使い易い性能を持つ、つまり使用感のよい節水具を提供することができることとなり、従来は良いものがなかったシングルレバー式(ワンタッチレバー式)の水栓に適した節水具を提供することができる。さらに、この節水具と、該節水具で調整された水流を減圧し整流する整流手段とを組み合わせることで、水流を整流化したりソフトにすることが促進され、水流出口に設置するのに最適化した節水装置を提供することができる。また、本発明に係る節水具は、水流方向に対する上下の向きをどちらにも設定できるので、シングルレバー式水栓又はハンドルコック式水栓などの適用する水栓のタイプ、又は流路の途中若しくは出口といった配置場所の相違など、その用途に応じて、水流方向に対する上下の向きを適宜反転して使用できる、という優れた効果を奏する。
さらに、本発明に係る節水具は、節水具内部に設けた通水孔の大きさを適宜の大きさに変更することにより、吐水流量の調整を行うことができる。これにより、1つの節水具で異なる吐水流量に対応することのできる節水具を提供することができる。また、感覚的に異なる個々のユーザ毎の使用感を満足させるための僅かな吐水流量の調整が簡単にできるようになる、という優れた効果を奏する。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。
まず、本発明に係る節水具の一実施形態について、図1を用いて説明する。図1は本発明に係る節水具1の一実施例を示す略図であって、図1(a)は同節水具1の全体構造を示す斜視図、図1(b)は同節水具1を水流吐出口側である下面から見た下面図、図1(c)は同節水具1の縦断面図である。
この実施例に示す節水具1の本体は、その両端部1a,1bが水流の出入り口として開口した円筒部1cからなっている。この円筒部1cの外部形状は、この節水具1を、シングルレバー式水栓における水やお湯などを吐出する出口である水栓吐出部(蛇口の出口)Sに既設されているキャップCや板状メッシュ部Mなどを利用して該水栓吐出部S内に着脱可能に装着することのできるように(後述する図3参照)、該水栓吐出部S内部の形状に略フィットする形状に形成されている。勿論、この円筒部1cの断面形状は、真円に限ることなく、楕円や面取りされた多角形など、適用する水栓流路の断面に適したものであればよく、要するに円筒部1cは概して筒状をなしていればよい。節水具1の一端部1b(図示例では水流吐出口側)には、節水具1の本体円筒(円筒部1c)の径よりも幾分大径のフランジ(突出部)3が一体的に形成されている。このフランジ(突出部)3は、水栓吐出部Sの端部に当該節水具1を係止するためのものである。このフランジ(突出部)3は、完全な円形のものに限らず、要するに、係止可能なように、円筒部1cから外向きに突出しているものであればよい。また、フランジ3は円筒部1cと一体形成される例に限らず、別体からなっていて、ねじ係合等により着脱されるようになっていてもよいし、あるいはゴム等で圧接させて係合する構成であってもよい。
節水具1の円筒部1c内には、通水用の開口を有する水流調整部2と流量調整板4とが配置される。水流調整部2は節水具1本体である円筒部1c内に板(あるいは隔壁)状に一体形成されており、流量調整板4はこの節水具1本体から着脱可能な別体物として形成されている。流量調整板4は、取付部材Nによって水流調整部2の上に載置した状態に着脱可能に装着することのできるようになっており、また円筒部1c内部の形状に略フィットする形状に形成される。取付部材Nは軸部がスクリュー形状に形成された一種のネジであって、ヘッド部にはドライバーなどの取付器具を嵌め込むための溝が形成されている。ヘッド部に嵌め込んだ取付器具により該取付部材Nを回転させると、取付部材Nの軸部が流量調整板4の中央孔4aを通って水流調整部2の中央孔2aに入り込んでいき、流量調整板4を水流調整部2の上に固定することができる。例えば、取付部材Nの軸部の外周に雄ネジ、調整部2の中央孔2aの内周に雌ネジがそれぞれ切ってあり、取付部材Nをネジ廻して締め込むことにより、ヘッド部と水流調整部2とで流量調整板4を挟み込むようにして固定する。調整部2及び流量調整板4には中央孔2a,4aの他に、1又は複数の通水孔2b,4bがそれぞれ適切な形状及び個数、配置及び寸法で開口形成されている。ここでは一例として、通水孔2b,4bはそれぞれ円形のものを4つ設けたものを図示したが、円形に限らず適宜の形状及び個数であってよく、またその開口面積及び配置は、追って説明するように、所望の節水量及び減圧若しくは緩衝作用が得られるように適宜設計して調整する。また、例えば、水流調整部4の4つの通水孔4bは図示例では完全に分離されているが、図2に示すように2つの通水孔4bがそれぞれつながっているような形状の孔であってもよい。
なお、一般的には、ステンレスあるいは真鍮などの耐腐食性金属素材を切削加工することで、所望の構造/形状の円筒部1cと調整部2(さらにはフランジ3)を一体的に具備する節水具1の本体を製造するのがよいが、これに限らず、適宜の素材及び製造法により節水具1の本体を製造してよい。
なお、流量調整板4を水流調整部2の下側に着脱可能に装着することのできるように構成してもよいことは言うまでもない。
円筒部1c内に形成された通水孔(開口)付きの水流調整部2と、該水流調整部2上に載置された同じく通水孔(開口)付きの流量調整板4は、水流量を絞る(節水)作用をもたらすのみならず、水流が調整部2及び流量調整板4の開口以外の個所(障害物)に当たることによる緩衝作用による水流の調整を図ることができる。すなわち、各通水孔の重ね合わせの状態を変えることに応じて、水流量の絞り込みによる流量の調整を図ることができる。具体的な作用は、調整部2及び流量調整板4に設ける各通水孔2b,4bの形状及び個数、開口面積及び配置等、あるいは水流の向きによって異なり得る。
まず、図1(a)に示すように、フランジ3とは反対側の端部1aを水流入口とし、フランジ3側の端部1bを水流出口とし、水流の向きが矢印X方向である場合について説明する。端部1a寄りに配置される流量調整板4及び端部1b寄りの水流調整部2には、それぞれ同じ形状,個数,配置の4つの通水孔2a,4aがそれぞれ形成されている。流量調整板4は取付部材Nにより水流調整部2上に載置されていることから、取付部材Nによる締め付けをゆるめて該流量調整板4を水流調整部2上で回転させると、該回転量に応じた分だけ流量調整板4の通水孔4bの位置と調整部2の通水孔2bとの相対的な位置が変わり、調整部2に設けた通水孔2bの実質的な開口面積が変化することになる。この開口面積の大小(つまり、前記流量調整板4と調整部2の通水孔2bとの間に形成される流路の大きさ)によって水流の絞り込み量が決まり、流量調整が行われる。また、流量調整板4に設けた複数の通水孔4bと調整部2に設けた通水孔2bとの相対的な位置が変化すると、水流が開口部以外の個所(障害物)に当たる面積も変わることから、これにより生ずる干渉/緩衝作用による水流の調整を行うこともできる。なお、最終的な節水量(絞り量)は、上記のように調整部2と流量調整板4とが重ね合わされたときの調整部2の通水孔2bの開口面積の大小によって決まるので、所望の節水量(絞り量)が得られるように調整部2及び流量調整板4の通水孔2b,4bのサイズを設計・加工時において適宜調整すればよい。また、調整部2及び流量調整板4の通水孔2b,4bは厚さを考慮して調整するとよい。すなわち、絞り量を相対的に大きくすると、水の勢いが相対的に減ぜられて、使用者の使用感を損なうことがあり得る。そこで、絞り孔の厚さを増すとそれに応じて水の勢いが増すことが知られているので、調整部2及び流量調整板4の通水孔2b,4bの厚さ(つまり調整部2,流量調整板4の厚さ)を適宜の厚み加減に調整することによって、使用者の使用感を損なわないように、調整水流に勢いをつけることができる。
なお、上記したような各通水孔2b,4bの重ね合わせの状態を変えることに応じて変化する調整部2の通水孔2bの実質的な開口面積の大小による流量調整においては、通水孔2b,4bの口径の大小やその数や形状などに応じて制御できる流量の範囲が決まる。そのため、特に節水割合や使用者の使用感などを大きく変えるには、通水孔2b,4bの口径の大小やその数や形状などが大きく異なって構成された調整部2及び流量調整板4を用いるとよい。すなわち、使用者が求める減水量や使用感などに応じてだけでなく、取り付ける箇所における水量や水圧などにも応じて、調整部2及び流量調整板4の構成を決定するとよい。例えば、高層ビルやマンションなどにおいて、ビル上層部用として大径(開口面積大)、ビル中層部用として中径(開口面積中)、ビル下層部用として小径(開口面積小)にすれば、高さの違いによる水圧の相違に伴って異なる吐水流量(吐出量)に調整・制御することができる。
次に、上記節水具1をシングルレバー式水栓の節水装置に適用する実施例について、図3により説明する。図3は、図1に示した節水具1をシングルレバー式水栓の蛇口出口に取り付けるようにした節水装置10の一実施例を示す断面図である。
シングルレバー式水栓においては、水栓吐出部(蛇口出口)Sの外周に雄ネジ、キャップCの内周に雌ネジがそれぞれ切ってあり、複数枚のメッシュ部MをキャップCと吐出部(蛇口出口)Sとの間に挟み込み、キャップCをネジ廻して締め込むようになっているものがある。図3に示す節水装置10は、そのようなタイプのシングルレバー式水栓において、上記節水具1をそのフランジ3側の端部1bが水流の下流寄りになるように配置し、その円筒部1cを該シングルレバー式水栓の水栓吐出部S内部に嵌め入れ、適宜のパッキンPを介在させて水栓吐出部Sの端部にフランジ3を当接させ、その下流に複数枚のメッシュ部Mを配置し、キャップCをネジ廻して締め込むことで、これら全体をキャップCと水栓吐出部Sの端部との間に挟み込んで固定するようにしたものである。この構成によれば、上述の節水具1にパッキンPを付加するだけで、既存の蛇口出口にメッシュ部M及びキャップC付きのシングルレバー式水栓に容易に適用できる節水装置10が提供される。
なお、こうした節水装置10は、流れ出る水に対して空気を含ませることのできる泡沫水栓用のキャップ内にも同様に取り付けることができることは言うまでもない。
上記実施例2の例では、メッシュ部Mでは網目が粗過ぎるため、節水具1の各通水孔2b、4bで絞られた水流が、その下流のメッシュ部Mであまり干渉されることなく、そのまま通過してしまい、最終的に吐き出される水流が蛇口出口一杯に広がらず、比較的細い流れになりがちである。よって、そのままでは使用者に対して視覚的にその水量の少なさを感じさせてしまうことがある。図4に示す実施例は、そのような不都合を改善できるものである。図4の実施例では、既存のメッシュ部Mに代えて、整流手段5を設けたものである。図4(a)は、節水具1の下流に設置される整流手段5の一例を示す分解斜視図、(b)は節水具1と整流手段5を含む節水装置10を水栓吐出部(蛇口出口)Sに取り付けた状態の断面図である。
図4に示す節水装置10は、図1に示した節水具1と、複数の部材からなる整流キット(整流手段)5とを組み合わせて構成される。節水具1については上記実施例1に示した節水具1(図1参照)と同じ構成であるから、ここでの説明は省略する。整流キット5は該節水具1の下流に配置されるものであって、図4(a)に示すように、この実施例に示す整流キット5は上から順に受圧部5aと2枚の均等板5b、5cとにより構成される。受圧部5aは、中央部分が凸状に突出した突出部5a0に形成されており、周辺はフランジ部となっている。該受圧部5aの突出部5a0は、節水具1の円筒部1a内にフランジ3側から略ぴたりと嵌め込まれるように配置されるようになっており、そのような嵌め込みに適した寸法を持つ。また、該受圧部5aの突出部5a0には、通水孔2bの直下に位置する箇所を除いて、比較的小さい多数の通水孔が設けられており、これらの通水孔の合計開口面積は、絞り量を決定する調整部2の通水孔2bの合計開口面積よりも広い。周辺のフランジ部の外径は、節水具1のフランジ3の外径よりも幾分大きく、キャップCの内径にフィットして嵌り込むサイズである。
受圧部5aの下流に配置される2枚の均等板5b、5cは、比較的小さい多数の通水孔が設けられた多孔板部からなっていて、その周縁のリム部が多孔板部より幾分高い。よって、各均等板5b、5cにおける多孔板部は図示のような凹みを成しており、多孔板部の全域にわたる凹みに対応して適宜の空間をそれぞれ存在させている。また、受圧部5aと同様に、均等板5b、5cの外径も、節水具1のフランジ3の外径よりも幾分大きく、キャップCの内径にフィットして嵌り込むサイズである。各均等板5b、5cの通水孔の合計開口面積も、絞り量を決定する調整部2の通水孔2bの合計開口面積よりも広い。
図4(b)に示すように、上記節水具1をそのフランジ3側の端部1bが水流の下流寄りになるように配置し、その円筒部1cをシングルレバー式水栓の水栓吐出部Sの内部に嵌め入れ、パッキンPを介在させて水栓吐出部Sの端部にフランジ3を当接させ、その下流に受圧部5a、均等板5b、5cからなる整流キット5を配置し、キャップCをネジ廻して締め込むことで、これら全体をキャップCと水栓吐出部Sの端部との間に挟み込んで固定する。
上記構成からなる整流キット5の作用について説明する。節水具1の調整部2の通水孔2bから吐き出された水流は、その直下の受圧部5aの突出部5a0の通水孔のない部分に当接する(受圧される)。そのため、吐き出された水流は該部分に当接して周囲に広がり、その回りにある多数の通水孔を通って落下する。こうして、受圧部5aの存在により、節水具1において調整された水流が減圧される。次に、受圧部5aを通過した水流は、最初の均等板5bの多孔板部の全域にわたる凹みに対応した空間に入り、該多孔板部の全域にわたって広がる。こうして、受圧部5aから出る水流が蛇口出口面積の全体にわたって略均等に振り分けられる。蛇口出口面積の全体にわたって略均等に振り分けられた水流は、均等板5b(多孔板部)の全域にわたって略均等に設けられた多数の通水孔を通過し、落下する。こうして、最終的に吐き出される水流が蛇口出口一杯に広がるようにする整流効果が実現される。すなわち、節水作用によって、水流量が減少されても、蛇口出口一杯に広がるよう整流された吐出水流によって、感覚的にも視覚的にも、使用者の使用感が損なわれることがない、という優れた効果を奏する。
この実施例では、2枚の均等板5b,5cが設けられている。これは、均等板による整流効果を相加的若しくは相乗的に高めるためである。すなわち、上段の均等板5bを通過した水流は、さらに、2段目の均等板5cの多孔板部の全域にわたる凹みに対応した空間に入り、該多孔板部の全域にわたって広がる。こうして、上段の均等板5bから出る水流が蛇口出口面積の全体にわたって更に均等に振り分けられるようにされる。こうして、蛇口出口面積の全体にわたって一層均等に振り分けられた水流は、均等板5c(多孔板部)の全域にわたって略均等に設けられた多数の通水孔を通過し、落下する。こうして、最終的に吐き出される水流が蛇口出口一杯により一層均等に広がるようにする整流効果が実現される。明らかなように、2枚の均等板5b,5cの各通水孔がそれぞれ同位置で重なったのでは、相加的若しくは相乗的な整流効果は薄れる。よって、複数枚の均等板5b、5cを重ねて配置する場合には、各均等板5b、5cの多孔板部に形成された複数の通水孔の位置がすべて一致することのないように、それぞれが適宜ずれた状態となるようにして配置するとよい(図4(b)参照)。そのためには、各均等板5b、5cとしてその多孔板部における通水孔の配置パターンが互いに異なるものを使用するか、あるいは同一構成の多孔板部からなる均等板を使用する場合は、通水孔の配置パターンが同位置で重ならないように適宜相対的に回転させた状態で配置すればよい。後者の配置を容易にするためには、各均等板5b、5c同士の周縁リム部に簡単なキー結合構造(一方にキー凹み、他方にキー突起)を設け、所定の相対的回転ずれをもたせて各均等板5b、5c同士を容易に積み重ねることができるようにするとよい。なお、均等板5b、5cは、2枚重ねに限らず、1枚だけであってもよいし、あるいは3枚以上重ねてもよい。
なお、整流キット5を構成する受圧部5a及び均等板5b、5cの数やこれらの板に形成する孔の数、あるいは各板を設定する際の各板の組み合わせ方などは上記のものに限らず、適宜のものであってよい。例えば、受圧部や均等板のそれぞれを1段又は多段構成にするなどしてよい。
図5は、整流キット5における受圧部5aの変形例を示す。この変形例に係る受圧部5a1は、図4の突出部5a0と略同様に円筒部1cの内部に嵌まり込む外径と多数の通水孔を設けて成る突出部5a10を具備しており、さらにその上に突出した複数の突出部5a11を具備する。上部の突出部5a11はその上部に位置する調整部2の通水孔2bの数と同じ数だけ形成されており、その外径は通水孔2bの径と同程度の大きさを持つ。また、この突出部5a11に通水孔はない。この構成により、調整部2の通水孔2bから吐き出された水流の一部は、その直下の受圧部5a1の上部の突出部5a11に当接し(受圧され)、該上部突出部5a11の周縁を伝って、下部突出部5a10の上に落下する。落下した水流は下部突出部5a10の上を広がり、そこに設けられている多数の通水孔を通って落下する。こうして、前述と同様に、受圧部5a1の存在により、節水具1において調整された水流が減圧される。受圧部5a1を通過した水流は、前述と同様に、均等板5b,5cで処理される。図5の受圧部5a1は、図4の受圧部5aよりも減圧効果が高く、水流の勢いをより一層減ずるので、均等板5b,5cの数を減らし、その代わりにメッシュ板M等で代替するようにしてもよい。
図6は、整流キット5における受圧部5a1の更なる変形例を示す。この変形例に係る受圧部5a2は、図4の突出部5a10と略同様に円筒部1cの内部に嵌まり込む外径と多数の通水孔を設けて成る突出部5a20とその上に突出した突出部5a21とを具備しており、さらにその上に突出した突出部5a22を具備する。中間の突出部5a21の外径は円筒部1cの内径よりも十分小さく、また通水孔は不要である。さらにその上部の突出部5a22は、図4の突出部5a0と略同様に、円筒部1cの内部に略ぴたりと嵌まり込む外径と多数の通水孔を設けて成り、かつ、通水孔2b直下の部分に通水孔はない。この構成により、調整部2の通水孔2bから吐き出された水流は、その直下の受圧部5a2の上部の突出部5a22の通水孔のない部分に当接し(受圧され)、そのために吐き出された水流は該部分に当接して周囲に広がり、そこにある多数の通水孔を通って落下し、次いで、中間の突出部5a21に当接し(受圧され)該突出部5a21の周縁を伝って、あるいは直接的に、下部突出部5a20の上に落下する。落下した水流は下部突出部5a20の上を広がり、そこに設けられている多数の通水孔を通って落下する。こうして、前述と同様に、受圧部5a2の存在により、節水具1において調整された水流がより一層減圧される。受圧部5a2を通過した水流は、前述と同様に、均等板5b,5cで処理される。図6の受圧部5a2は、図4、図5の受圧部5a、5a1よりも一層減圧効果が高く、水流の勢いを更により一層減ずるので、均等板5b,5cの数を減らし、その代わりにメッシュ板M等で代替するようにしてよい。
一般的に、節水具1に流入する水の水圧が増すと、調整部3の通水孔3aから吐き出される水流も勢いを増す。そこで、整流キット5における受圧部5aを、流入する水の水圧にあわせて上記図5又は図6に示したような受圧部5a1,5a2に適宜に取り替えて節水具1を設置するとよい。こうすると、受圧部を交換するだけで調整部2の通水孔2bから吐き出される水流の勢いを調整することができ、どのような水圧のシングルレバー式の水栓であってもソフトな水流を得ることができるようになる。
図4〜図6に示されたような新規かつ有用な整流キット5は、図1に示されたような節水具1に限らず、既知又は未知の他の如何なる節水具と組み合わせてもよく、その場合でも、上述したような減圧と整流(蛇口出口面積全域にわたる略均一的な水流の広がり)に関して有利な作用・効果をもたらす。
上記各実施例では、本実施例に係る節水具1を、蛇口出口に設置するタイプの節水装置10に適用する例、例えばシングルレバー式水栓の蛇口出口に設置する節水装置10に適用する例について説明したが、これに限らず、該節水具1をハンドルコック式水栓用節水器あるいはシャワー用節水器などのように流路の途中に設置するタイプの節水器としても使用することができる。その場合、該節水具1の水流方向に対する上下の向きを反転して使用する。以下、この場合の実施例について図7を用いて説明する。図7は、上記節水具1をハンドルコック式水栓用節水器あるいはシャワー用節水器などのように流路の途中に設置するタイプの節水器としても使用する場合を示す側断面図である。
図7に示すように、本実施例に係る上述の節水具1をハンドルコック式水栓用節水器あるいはシャワー用節水器などのように流路の途中に設置するタイプの節水器として使用する場合には、シングルレバー式水栓用節水器として使用する場合とは逆に、該節水具1の上下を反対にして、フランジ3側の端部1bを上流寄りに配置し、該フランジ3をスパウトZの上端に係止させ、該スパウトZを締め付け固定するためのキャップネジ等の手段によって固定する。このように流路の途中のスパウトZの上端に節水具1を設置するための構造は公知のものを適宜用いればよいため、その詳細は特に説明しない。
図1に示したような節水具1を単に反転して設置した状態では、絞り量を設定する通水孔2bを設けた調整部2が上に、通水孔4bを設けた調整部4が下に位置することになるが、これでは調整部4が水圧により取れてしまう恐れがある。そこで、この図7に示した実施例のように、節水具1本体のみを反転した状態で調整部4を上から取付部材Nによって取り付けたものをスパウトZに取り付けるとよい。この構成によると、上述したのと同様に、各調整部2,4の通水孔2b,4bの相対的な位置関係により決まる通水孔2bの実質的な開口面積に応じて、水流が絞られ、通水孔2bの実質的な開口面積以外の個所(障害物)によって干渉/緩衝され、水流調整がなされる。また、調整部2から円筒部1cの下流端部1aまでに或る程度の距離が存在するので、この距離分の円筒内側壁が水流ガイド壁(若しくはスリーブ)6となり、整流作用を得ることができる。これによっても、調整部2において水流を絞ることによって生じるかもしれない好ましくないジェット流のような急勢な水流が蛇口から出る恐れを軽減することができる。すなわち、調整部2において絞られた水流が勢いよく飛び出すが、該飛び出した水は当該節水具1の下流寄りに形成された水流ガイド壁(若しくはスリーブ)6の壁面に衝突することから、該スリーブ6において水の整流が行われてスパウトZ内を水が滑らかに流れていくようになる。なお、一般に、このように流路の途中に節水具1を配置する場合は、上述のような整流キット5(図4参照)を配置しなくても、スパウトZ等の流路の存在によって水流の整流化が図れる。しかし、スパウトZ自体の長さが短い場合には、スパウトZによる整流作用があまり期待できず、好ましくないジェット流が吐出されるおそれがある。しかし、本実施例のように、円筒部1cの下流端部1a寄りに水流ガイド壁(若しくはスリーブ)6を形成することにより、水流の整流化を促進することができ、短いスパウトZを使用する場合であっても、好ましくないジェット流が吐出されるおそれを軽減できる。このように、本発明に係る節水具1はシングルレバー式水栓に用いることができるだけでなく、ハンドルコック式水栓にも用いることができるようになっている。こうしたことは、節水具1を製作する際にかかるコストを低減することができる、実際に節水具を配置する際に持ち運ぶ部材が少なくて済む、などの点で有利である。
節水具1の具体的構成は、上述したものに限らず、種々に変形可能である。図8は、節水具1の変形例を示す断面図である。図8に示す節水具1は、水流調整部2の他に、さらにフランジ3とは反対側の端部1a(つまり水流入口)の円筒部1c内に水流調整部2´を一体的に形成してある。すなわち、通水用の開口を有する隔壁状の2つの調整部2,2´が節水具1の円筒部1c内に形成されている。各調整部2,2´には1又は複数の通水孔2b,2b´がそれぞれ適切な形状、配置及び寸法で開口形成されている。ここでは、中央部に1つの通水孔2bを有する調整部2と、中央孔の周囲に4つの通水孔2b´を有する調整部2´を具えたものを例に示している。流量調整部材7は軸部がスクリュー形状に形成され且つヘッド部にはドライバーなどの取付器具を嵌め込むための溝が形成されており、取付器具により当該流量調整部材7を調整部2´の中央孔に上下動可能な状態で取り付けることができるようになっている。この流量調整部材7のヘッド部と反対側の端面には所定形状の孔を有しない流量調整板7aが形成されており、この流量調整板7aの外形形状は調整部2の通水孔2bに略ぴたりの形状に形成される。流量調整部材7を上下動すると、それに従い水流調整部2の通水孔2bの上面と流量調整部材7の流量調整板7aの下面との間の間隔が変化する。この間隔の大きさ(つまり、前記流量調整板4と調整部2の通水孔2bとの間に形成される流路の大きさ)に応じた水流量の絞り込みがなされることから、間隔の大小を調整することによりスムーズな流量調整を行うことができる。また、調整部2´の通水孔2b´から流れ出る水流が流量調整部材7の流量調整板7aに当たることにより、干渉/緩衝作用が生じ、水流を調整することができるようにもなっている。また、図8(b)に示す変形例のように、水流調整部2´の通水孔2b´の下面部と流量調整部材7の流量調整板7aの上面部との間の間隔を調整することにより、流量調整を行うようにしてあってもよい。
なお、流量調整板7aに所定形状の孔を形成してもよい。こうした場合には、流量調整板7aが調整部2の通水孔2bをほぼ完全に塞ぐ位置まで下降したとしても、所定の吐水流量を確保することができることから都合がよい。
図9は、節水具1の別の変形例を示す断面図である。図9の例では、水流絞り量を調整する調整部2の通水孔(開口)2bを、水流方向に平行ではなく、適宜斜めを成して形成した構成である(好ましくは下面側で中心寄りとなり、その反対側で外側寄りとなっているような斜め方向)。この実施例では流量調整部材7の軸部自身が、流量調整部材7の上下動に従って流量調整を行うようになっている。勿論、この場合においても図8に示すように流量調整部材7の先端部に流量調整板7aを設けておき、これにより流量調整を行うようにしてあってもよい。
図10は、節水具1の更なる別の変形例を示す断面図である。図10の例では、流路を横切る板(又は隔壁)状に水流調整部2を構成することなく、水流調整部2の複数の通水孔2bを円筒部1cの壁面に形成している。この図10に示す実施例においては、90度の間隔で所定の大きさの開口部をもつ4つの長方形状の通水孔2bが形成されたものを示した。図示で上から来る水流は円筒部1cの外側と管路の内壁との間に入り込み、円筒部1cの側壁面の複数の通水孔2bから円筒部1cの内部に入り込むようになっている。円筒部1cの内部には流量調整部材7が配置されており、該流量調整部材7は円筒部1cの内部に外周面が略一致する形状をした凸部を有する。この構成では、流量調整部材7の上下動により流量調整を行う。すなわち、流量調整部材7を上下動すると該流量調整部材7における凸部の外周面が複数の通水孔2bを部分的に塞いでいくことになるので、これにより通水孔2bの開口面積が変化することになる。こうした複数の通水孔2bの開口面積が変化することに伴い、複数の通水孔2bから円筒部1cの内部に入り込む水量が変化する。つまり、流量調整を実現することができる。
なお、図10(a)に示すように、流量調整部材7の両方に取付器具を嵌め込むための溝が形成されていると、上下どちらの方向からも取り付けることができるようになり便利である。
図10(b)に示すように、円筒部1cの側壁面に形成する複数の通水孔2bは、水流方向に垂直ではなく、適宜斜めを成して形成した構成であってよい。また、ここに示す実施例の節水具1は、流量調整部材7の軸部の外周面が前記複数の通水孔2bを部分的に塞ぐことで流量調整を実現するものである。
なお、この場合において、流量調整部材7の軸部に側面から底面へと抜ける所定の大きさ・形状の複数の孔を設けておき、この孔と側面の通水孔との重ね合わせにより、実質的な開口面積(つまり流路の大きさ)を決定して流量を調整することができるようにしてよい。
図11は、節水具1の更なる別の変形例を示す断面図である。図11の例では、円筒部1cの内部にではなく、円筒部1cの外部に流量調整部材Rを配置している。上述した図10と同様に、調整部2の複数の通水孔2bが円筒部1cの壁面に形成されており、図示で上から来る水流は該円筒部1cの側壁面の複数の通水孔2bから円筒部1cの内部に入り込むようになっている。この構成では、円筒部1cの外部にネジ式に取付可能なリング状の流量調整部材Rを上下動することにより、流量調整を行う。すなわち、流量調整部材Rを上下動すると該流量調整部材Rにおける内周面が複数の通水孔2bを部分的に塞いでいくことになるので、これにより通水孔2bの実質的な開口面積(つまり流路の大きさ)が変化することになる。こうした複数の通水孔2bの実質的な開口面積が変化することに伴い、複数の通水孔2bから円筒部1cの内部に入り込む水量が変化する。つまり、流量調整を実現することができる。
また、図11(b)に示すように、円筒部1cの外部に配置する流量調整部材Rの側面に通水孔Raを設けておき、この通水孔Raと円筒部1cの側面の通水孔2bとの重ね合わせ具合により、流量を調整することができるようにしてよい。この場合には、円筒部1cの外周に沿ってリング状の流量調整部材Rを自在に回転する。すると、円筒部1cの側面の通水孔2bの位置と流量調整部材Rの通水孔Raの位置との相対的な位置が変化し、通水孔2b,Raの重ね合わせ状態が変わる。すなわち、通水孔2bの実質的な開口面積(つまり流路の大きさ)が変化する。この開口面積の大小によって、水流量の絞り込みがなされ、スムーズな流量調整が行われる。流量調整部材Rは、取付部材Nにより円筒部1cの上端に締め付けられて固定される。
なお、上記した図11(b)に示す実施例においては円筒部1cの側面に通水孔2bが形成されているものを例に説明したが、円筒部1cの上端面に通水孔2bが形成されているものであってもよい(図示せず)。ただし、その場合には円筒部1cの外部に配置する流量調整部材Rの上端面に通水孔Raを形成する。すなわち、円筒部1cの上端面に通水孔2bを、円筒部1cの外部に配置する流量調整部材Rの上端面に通水孔Raをそれぞれ設けておき、通水孔Raと円筒部1cの上端面の通水孔2bとの重ね合わせ具合により、流量を調整することができるようにしてあってもよい。
なお、図8から図11に示した各実施例において、流量調整部材7の軸上に吐水水量に応じた所定位置を示す表示を予めいくつか記しておき、必要とされる吐水水量に応じて前記表示に従い適宜の位置で流量調整部材7をポンチ打ちして固定することができるようにするとよい。こうすると、誰でもが所望の吐水水量が得られるように流量の調整を行うことが簡単にできるようになる。
図4〜図6に示す節水装置10において、受圧部5a,5a1,5a2を省略し、節水具1と均等板5c,5bとで節水装置10を構成することも可能である。そのような構成は、水圧の低い場所で使用するのに適する。
さらに、均等板5c,5bは、従来知られたメッシュ部Mの代替品として、蛇口出口にて用いることができる。メッシュ部Mではごみがつまり易かったり、耐久性に乏しいなどの欠点があるが、本発明に係る均等板5c,5bは、金属板等を多孔加工するものであるので、耐久性があり、また、メッシュのような目づまりも起こりにくい。
なお、上述した各実施例においては回転変位により流量調整を行うことができるようにしたものを示したがこれに限らず、直線変位や斜行的な変位により流量調整を行うことができるようにしたものであってもよい。
本発明に係る節水具の一実施例を略示する斜視図。 同実施例に係る節水具を水流吐出口側から見た平面略図。 同実施例に係る節水具の縦断面図。 流量調整板の一実施例を示す平面図。 同節水具をシングルレバー式水栓の節水装置として適用する実施例を説明するための縦断面図。 同節水具をシングルレバー式水栓の節水装置として適用する別の実施例を説明する図であって、(a)は同節水装置における整流キットの一例の分解斜視図、(b)は同節水装置の縦断面図。 同節水具をシングルレバー式水栓の節水装置として適用する更に別の実施例を説明する縦断面図。 同節水具をシングルレバー式水栓の節水装置として適用する更なる他の実施例を説明する縦断面図。 本発明に係る節水具をハンドルコック式水栓用節水器あるいはシャワー用節水器などのように流路の途中に設置するタイプの節水器としても使用する場合の一実施例を示す断面略図。 節水具の変形例を示す断面図。 節水具の別の変形例を示す断面図 節水具のさらに別の変形例を示す断面図 節水具のさらにまた別の変形例を示す断面図
符号の説明
1…節水具
2…水流調整部
2b、4b、Ra…通水孔
3…フランジ
4、7a…流量調整板
5…整流キット
5a、5a1、5a2…受圧部
5b、5c…均等板
6…水流ガイド壁(スリーブ)
7、R…流量調整部材
C…キャップ
M…板状メッシュ部
N…取付部材
P…パッキン
S…水栓吐出部
Z…スパウト

Claims (10)

  1. 円筒部(1c)と、
    前記円筒部(1c)の所定個所に形成される水流調整部(2)であって、1又は複数の通水孔(2b)が設けられているものと、
    前記円筒部(1c)に対して相対的に変位可能な流量調整部(4)と
    を具備し、
    前記流量調整部(4)の相対的変位に伴う該流量調整部(4)と前記水流調整部(2)の通水孔(2b)との相対的位置関係の変化に基づいて、前記流量調整部(4)と前記水流調整部(2)の通水孔(2b)との間に形成される流路の大きさの変化に応じて吐水流量の調整を行うことを特徴とする節水具(1)。
  2. 前記流量調整部(4)は1又は複数の通水孔(4b)が設けられており、前記流量調整部(4)の相対的変位に伴う該流量調整部(4)の通水孔(4b)と前記水流調整部(2)の通水孔(2b)との相対的位置関係の変化に基づき、前記水流調整部(2)の通水孔(2b)の実質的な開口面積が変化することによる流路の大きさの変化に応じて吐水流量の調整を行うことを特徴とする節水具(1)。
  3. 前記水流調整部(2)は、前記円筒部(1c)の両端部(1a,1b)よりも内部寄りの所定個所に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の節水具。
  4. 前記円筒部(1c)の一端部(1b)にて外向きに突出する突出部(3)を具えてなり、前記突出部(3)を水流出口寄りに位置させて配置し、前記節水具(1)を水流出口に設置するタイプの節水具として用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の節水具(1)。
  5. 請求項4に記載の節水具(1)と、
    前記節水具(1)で流量調整された水流を減圧し整流する整流手段(5)と、
    上記節水具(1)及び整流手段(5)を水流出口に着脱可能に固定する固定手段(C)と
    を具備することを特徴とする水流出口に設置するタイプの節水装置。
  6. 前記整流手段(5)は、前記節水具(1)で流量調整された水流を受圧して通過させる受圧部(5a)と、該受圧部(5a)から出る水流を出口面積に略均等に振り分けるよう複数の通水孔を略均等に設けてなる均等板(5b,5c)とを含む請求項5に記載の節水装置。
  7. 前記受圧部(5a)は、前記節水具(1)の前記突出部(3)寄りの端部から前記円筒部(1c)の内部に延びて、前記水流調整部(2)の通水孔(2b)から出る水流を受圧し、かつ通過させる構造からなる請求項6に記載の節水装置。
  8. 前記突出部(3)を水流上流寄り、前記円筒部(1c)の他端部(1a)を水流下流寄りに位置させた配置で、流路の途中の所定個所に前記突出部(3)を介した係合により前記節水具(1)を設置し、前記円筒部(1c)内の前記水流調整部(2)から出た水流が前記円筒部(1c)の内壁にて整流されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の節水具(1)。
  9. 前記流量調整部(4)は、前記円筒部(1c)に対して相対的に回転することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の節水具(1)。
  10. 前記流量調整部(4)を前記円筒部(1c)に対して相対的に回転させるためのねじ手段を含むことを特徴とする請求項9に記載の節水具(1)。
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