JP2005120459A - 形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板及びその製造方法 - Google Patents

形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板を提供する。
【解決手段】 少なくとも1/2板厚における板面の(1){100}<011>〜{223}<110>方位群のX線ランダム強度比の平均値(A)が4以上、(2){554}<225>、{111}<112>及び{111}<110>の結晶方位のX線ランダム強度比の平均値(B)が6以下、(3)(A)/(B)≧1.2 を満足し、更に、圧延方向及びそれと直角方向のr値のうち少なくとも1つが0.7以下、BH量が50MPa以上であることを特徴とする形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板。
【選択図】 なし

Description

本発明は、曲げ加工を主とする形状凍結性が優れた冷延鋼板(以下、単に鋼板又は薄鋼板ともいう)に関するもので、自動車部品等が主たる用途である。
自動車からの炭酸ガスの排出量を抑えるために、高強度鋼板を使用して自動車車体の軽量化が進められている。また、搭乗者の安全確保のためにも、自動車車体には軟鋼板の他に高強度鋼板が多く使用されるようになってきている。更に、自動車車体の軽量化を今後進めていくために、従来以上に高強度鋼板の使用強度レベルを高めたいという新たな要請が非常に高まりつつある。
しかしながら、高強度鋼板に曲げ変形を加えると、加工後の形状はその高強度ゆえに、加工冶具の形状から離れて加工前の形状の方向にもどりやすくなるスプリング・バック現象や、成形中の曲げ−曲げ戻しからの弾性回復により側壁部の平面が曲率を持った面になってしまう壁そり現象が起こり、狙いとする加工部品の形状が得られないという寸法精度不良が生じる。
従って、従来の自動車の車体では、主として、440MPa以下の高強度鋼板に限って使用されてきた。自動車車体にとっては、490MPa以上の高強度鋼板を使用して車体の軽量化を進めていく必要があるにもかかわらず、スプリング・バックや壁そりが少なく形状凍結性の良い高強度鋼板が存在しないのが実状である。
付け加えるまでもなく、440MPa以下の高強度鋼板や軟鋼板の加工後の形状凍結性を高めることは、自動車や家電製品などの製品の形状精度を高める上で、極めて重要である。
また、近年、高強度鋼板への焼付硬化(BH:Bake Hardening)能の付与の要望も大きい。従来、ボディー外板用軟鋼板の耐デント性向上のために付与されていた焼付硬化能であるが、衝撃吸収能の向上の観点から、高強度鋼板への安定付与が期待されている。
本発明者らは、特許文献1にて、板厚中心での集合組織を制御することによって形状凍結性に優れた熱延鋼板及び冷延鋼板を製造する方法を開示している。しかし、この方法で冷延鋼板を製造するためには、熱延鋼板の段階で集合組織を集積させるために、低温+大圧下熱延を指向せざるを得ず、熱延工程に大きな負荷をかける。加えて、冷間圧延中に形状凍結性を劣化させる結晶方位が発達する傾向にあることから、圧延率を低くする必要がある。
一方、本発明者らの一部は、特許文献2にて,スプリングバック量を小さくする技術として、板面に平行な{100}面の反射X線強度比が3以上である冷延鋼板を開示したが、この発明は、板厚最表面でのX線強度比の規定を特徴としており、1/2板厚におけるX線強度比を規定する本発明とは全く異なるものである。
また、いずれの技術も、焼付硬化能については、全く規定しておらず、形状凍結性と焼付硬化能の両立についても、全く言及していない。
特開2001−303175号公報 特開2001−64750号公報
軟鋼板や高強度鋼板に曲げ加工を施すと、鋼板の強度に依存しながら大きなスプリング・バックが発生し、加工成形部品の形状凍結性が悪いのが現状である。本発明は、この問題を、集合組織制御と固溶C制御によって抜本的に解決し、形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板及びその製造方法を提供するものである。
従来の知見によれば、スプリング・バックを抑えるための方策としては、鋼板の降伏点を低くすることがとりあえず重要であると考えられていた。そして、降伏点を低くするためには、引張強さの低い鋼板を使用せざるをえなかった。しかし、これだけでは、鋼板の曲げ加工性を向上させ、スプリング・バック量を低く抑えるための根本的な解決にはならない。
そこで、本発明者らは、曲げ加工性を向上させてスプリング・バックの発生を根本的に解決するために、新たに、鋼板の集合組織の曲げ加工性への影響に着目して、その作用効果を詳細に調査、研究した。そして、曲げ加工性に優れた鋼板を見いだした。
その結果、{100}<011>〜{223}<110>方位群と{554}<225>、{111}<112>、{111}<110>の各方位の強度を制御すること、更には、圧延方向のr値及び圧延方向と直角方向のr値のうち少なくとも1つを、できるだけ低い値にすることで、曲げ加工性が飛躍的に向上することを明らかにしてきた。
今回、更に鋭意研究の結果、冷延鋼板において、このような形状凍結性に優位な結晶方位を更に高めるためには、冷延母材としての熱延板に固溶Cを残存させることが極めて重要であることを新たに見いだした。
加えて、適切な冷延・焼鈍によって固溶Cを製品板の状態まで残存させることによって、更に形状凍結性が向上するのと同時に焼付硬化性が付与され、衝撃吸収能が著しく向上することを新たに見いだした。
本発明は、前述の知見に基づいて構成されており、その主旨とするところは、以下のとおりである。
(1) 少なくとも1/2板厚における板面の
(1){100}<011>〜{223}<110>方位群のX線ランダム強度比の平均値(A)が4.0以上、
(2){554}<225>、{111}<112>及び{111}<110>の結晶方位のX線ランダム強度比の平均値(B)が6.0以下、
(3)(A)/(B)≧1.2
を満足し、更に、圧延方向及びそれと直角方向のr値のうち少なくとも1つが0.7以下、BH量が50MPa以上であることを特徴とする形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板。
(2) 質量%で、C:0.001%以上、0.25%以下
Si:0.001%以上、2.5%以下、
Mn:0.01%以上、2.5%以下、
P:0.15%以下、
S:0.03%以下、
Al:0.01%以上、2.0%以下、
N:0.01%以下、
O:0.01%以下
を含有し、更に、Ti、Nbの1種又は2種を合計で0.01%以上、0.40%以下を含有し、かつ、式(1)の関係を満足し、
C%−{(Ti%−48/32S%−48/14N%)+48/93Nb%}/4
>0.001 ・・・(1)
残部が鉄及び不可避的不純物からなることを特徴とする(1)に記載の形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板。
(3) 更に、質量%で、 V:0.20%以下、
Cr:1.5%以下及び
B:0.007%以下
の1種又は2種以上を含有することを特徴とする(1)又は(2)に記載の形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板。
(4) 更に、質量%で、Mo≦1%、
Cu≦2%、
Ni≦1%、及び
Sn≦0.2%
の1種又は2種以上を含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法。
(5) (1)〜(4)のいずれかに記載の化学成分を有するスラブを1150〜1350℃に再加熱し、Ar3変態温度以上で熱間圧延を終了し、巻取までの平均冷却速度が20℃/s以上になるように冷却し、600℃以下で巻き取り、酸洗後、25%以上80%以下の冷間圧延を施し、更に、3〜100℃/sで700℃〜(Ac3+100)℃の温度範囲に加熱した後、平均冷却速度3〜250℃/sで冷却することを特徴とする形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法。
(6) 熱間圧延のAr3変態温度〜(Ar3変態温度+100)℃温度範囲における圧下率の合計を20%以上とすることを特徴とする(5)に記載の形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法。
(7) (5)又は(6)に記載の形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法により製造した冷延鋼板に、冷延後、焼鈍温度550℃以下の過時効処理を施すことを特徴とする形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法。
(8) 前記熱間圧延で得た熱延鋼板中のパーライトの体積分率が5%以下であることを特徴とする(5)〜(7)のいずれかに記載の形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法。
(9) 前記熱間圧延で得た熱延鋼板の時効指数A.I.が20MPa以上であることを特徴とする(5)〜(8)のいずれかに記載の形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法。
(10) 前記熱間圧延で得た熱延鋼板の集合組織と冷延圧下率が、次式(2)と(3)を満足することを特徴とする(5)〜(9)のいずれかに記載の形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法。
(a)+0.02×CR≧3.5 ・・・(2)
(b)+0.04×exp(0.05×CR)≦5.5 ・・・(3)
ここで
(a):熱延板の少なくとも1/2板厚における板面の{100}<011>〜{223}<110>方位群のX線ランダム強度比の平均値
(b):熱延板の少なくとも1/2板厚における板面の{554}<225>、{111}<112>及び{111}<110>の結晶方位のX線ランダム強度比の平均値
CR:冷延圧下率(%)
(11) 前記冷間圧延時の通板温度を50〜400℃にすることを特徴とする(5)〜(10)のいずれかに記載の形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法。
(12) (5)〜(11)のいずれかに記載の形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法により製造した冷延鋼板にめっきを施すことを特徴とする形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法。
(13) (5)〜(12)のいずれかに記載の形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法により製造した冷延鋼板に0.4%以上5%以下のスキンパス圧延を施すことを特徴とする形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法。
本発明により、スプリング・バック量が少なく、曲げ加工を主体とする形状凍結性に優れ、かつ、高いBH量を有する薄鋼板を提供できる。特に、従来は形状不良の問題から高強度鋼板の適用が難しかった部品にも、高強度鋼板を使用できるようになる。
以下に本発明の内容を詳細に説明する。
1/2板厚における板面の{100}<011>〜{223}<110>方位群のX線ランダム強度比の平均値(A):
本発明で特に重要な特性値である。板厚中心位置での板面のX線回折を行い、ランダム試料に対する各方位の強度比を求めたときの、{100}<011>〜{223}<110>方位群の平均値は4.0以上でなくてはならない。
これが4.0未満では形状凍結性が劣悪となる。この観点から、X線ランダム強度比の平均値は、より望ましくは4.5以上、更に望ましくは5.0以上である。
この方位群に含まれる主な方位は、{100}<011>、{116}<110>、{114}<110>、{113}<110>、{112}<110>、{335}<110>及び{223}<110>である。
これら各方位のX線ランダム強度比は、{110}極点図に基づきベクトル法により計算した3次元集合組織や、{110}、{100}、{211}、{310}極点図のうち複数の極点図(好ましくは3つ以上)を用いて級数展開法で計算した3次元集合組織から求めればよい。
例えば、後者の方法における上記各結晶方位のX線ランダム強度比には、3次元集合組織のφ2=45゜断面における(001)[1−10]、(116) [1−10]、(114) [1−10]、(113) [1−10]、(112) [1−10]、(335) [1−10]、(223) [1−10]の強度をそのまま用いればよい。
{100}<011>〜{223}<110>方位群の平均値とは、上記の各方位の相加平均である。上記の全ての方位の強度を得ることができない場合には、{100}<011>、{116}<110>、{114}<110>、{112}<110>、{223}<110>の各方位の相加平均で代替してもよい。
1/2板厚における板面の{554}<225>、{111}<112>及び{111}<110>の結晶方位のX線ランダム強度比の平均値(B):
1/2板厚における板面の{554}<225>、{111}<112>及び{111}<110>の結晶方位のX線ランダム強度比の平均値は、6.0以下でなくてはならない。これが6.0超であると、{100}<011>〜{223}<110>方位群の強度が適正であっても、良好な形状凍結性を得ることが困難となる。
{554}<225>、{111}<112>及び{111}<110>のX線ランダム強度比も、上記の方法に従って計算した3次元集合組織から求めればよい。更に望ましくは、{554}<225>、{111}<112>及び{111}<110>のX線ランダム強度比の相加平均値が5.0未満、より望ましくは3.5未満である。
(A)/(B):
上記の二つの結晶方位群の平均値の比は1.2以上でなければならない。この比が1.2未満では、(A)、(B)それぞれの値が適正な範囲に入っていても形状凍結性が確保できない。
一方、この比が大きくなるほど形状凍結性は向上することから、この比の上限は規定しない。
なお、当然のことであるが、上述のX線強度の限定が板厚1/2近傍だけでなく、なるべく多くの厚みについて満たされることで、より一層形状凍結性が良好になる。
以上述べた冷延板のX線強度が曲げ加工時の形状凍結性に重要であることの理由は必ずしも明らかではないが、曲げ変形時の結晶のすべり挙動と関係があるものと推測される。
X線回折に供する試料は、機械研磨などによって鋼板を所定の板厚まで減厚し、次いで、化学研磨や電解研磨などによって歪みを除去すると同時に、板厚1/2面が測定面となるように作製する。
鋼板の板厚中心層に偏析帯や欠陥などが存在し、測定上不都合が生ずる場合には、板厚の3/8〜5/8の範囲で、適当な面が測定面となるように上述の方法に従って試料を調整して測定すればよい。
当然のことであるが、上述のX線強度の限定が板厚1/2近傍だけでなく、なるべく多くの厚み(特に最表層〜板厚の1/4)について満たされることで、より一層形状凍結性が良好になる。
なお、{hkl}<uvw>で表される結晶方位とは、板面の法線方向が<hkl>に平行で、圧延方向が<uvw>と平行であることを示している。
圧延方向のr値(rL)及び圧延方向と直角方向のr値(rC):
本発明において重要である。すなわち、本発明者等が鋭意検討の結果、上述した種々の結晶方位のX線強度が適正であっても、必ずしも良好な形状凍結性が得られないことが判明した。上記のX線強度と同時に、rL及びrCのうち少なくとも1つが0.7以下であることが必須である。より好ましくは0.55以下である。なお、rL及びrCの下限は特に定めることなく、本発明の効果を得ることができる。
r値はJIS5号引張試験片を用いた引張試験により評価する。引張歪みは、通常15%であるが、均一伸びが15%を下回る場合には、均一伸びの範囲で、できるだけ15%に近い歪みで評価すればよい。
なお、曲げ加工を施す方向は加工部品によって異なるので、特に限定するものではないが、r値が小さい方向に対して垂直もしくは垂直に近い方向に折り曲げる加工を主とすることが好ましい。
ところで、一般に、集合組織とr値とは相関があることが知られているが、本発明においては、既述の結晶方位のX線強度比に関する限定とr値に関する限定とは互いに同義ではなく、両方の限定が同時に満たされなくては、良好な形状凍結性と加工性を得ることはできない。
本発明は、引張強度レベルの低い軟鋼板から高強度鋼板にいたる全ての冷延鋼板に適用できるものであり、上記の限定が満たされれば、冷延鋼板の曲げ加工性は飛躍的に向上する。換言すれば、冷延鋼板の機械的強度レベルの制約を越えた、曲げ加工変形に関する基本的材料指標であるということである。
BH量:
BH量が50MPa未満では焼付硬化能付与による衝撃吸収エネルギーの上昇、形状凍結性の向上のいずれも十分ではない。そこで、BH量の下限を50MPaとする。望ましくはBH量は60MPa以上とする。焼付硬化能の付与、すなわち、固溶Cの残存が形状凍結性を向上させる理由については明らかではないが、固溶Cの存在が、曲げ変形時のすべりに何らかの影響を及ぼしていると考えられる。
なお、本発明中で述べるBH量とは、圧延直角方向に切り出したJIS5号引張試験片に2%の予ひずみを与えた後に、一旦除荷し、170℃、20分間の熱処理を施した後、再度引張試験を行った際の時効後降伏荷重から予ひずみ荷重を引いた値を予ひずみ前の試験片平行部断面積で割ったものとする。
次に、成分の限定条件について述べる。なお。%は、質量%を意味する。
C:
Cの下限を0.001%としたのは、0.001%未満では固溶Cを残すのが難しくなり、集合組織、BH量ともに劣化するためである。Cが0.25%超になると加工性が悪くなるので、0.25%を上限とする。
Si:
Siは鋼板の機械的強度を高めるのに有効な元素であるが、2.5%超となると加工性が劣化したり、表面疵が発生したりするので、2.5%を上限とする。一方、実用鋼でSiを0.001%未満とするのは困難であるので、0.001%を下限とする。
Mn:
Mnも鋼板の機械的強度を高めるのに有効な元素であるが、2.5%超となると加工性が劣化するので、2.5%を上限とする。一方、実用鋼でMnを0.01%未満とするのは困難であるので、0.01%を下限とする。また、Mn以外に、Sによる熱間割れの発生を抑制するTiなどの元素が十分に添加されない場合には、質量%で、Mn/S≧20となるMnを添加することが望ましい。
P、S:
これらは不純物であり、それぞれ0.15%以下、0.03%以下とする。これは、加工性の劣化や熱間圧延又は冷間圧延時の割れを防ぐためである。
Al:
Alは脱酸のために0.01%以上添加する。しかし、多すぎると加工性が低下したり、表面性状が劣悪となるので、上限を2.0%とする。
NとOは不純物であり、加工性を悪化させないように、ともに0.01%以下とする。
Ti、Nb:
これらの元素は本発明において非常に重要である。すなわち、これらの元素を添加することによって、焼鈍中の再結晶及び粒成長が抑制され、熱延・冷延中に形成された形状凍結性に有利な集合組織が破壊されることなく保存される。
したがって、1種又は2種を合計で0.01%以上添加する。ただし、過度の添加は加工性を劣化させるだけでなく、炭化物を形成して固溶Cを低減することで集合組織の形成を阻害することから、上限を1種又は2種の合計で0.40%と設定した。
加えて、C、Ti、Nb、S、Nは、式(1)の関係を満足しなければならない。この関係を満足できない場合には、熱延板及び製品板に固溶Cを残存させることができず、その結果、集合組織が劣化し、形状凍結性が向上しない。また、焼付硬化能を付与することもできない。
C%−{(Ti%−48/32S%−48/14N%)+48/93Nb%}/4
>0.001 ・・・(1)
V、Cr、B:
炭素、窒素の固定、析出強化、組織制御、細粒強化などの機構を通じて材質を改善するので、必要に応じて、各成分とも0.0001%以上添加することが望ましい。ただし、過度に添加しても格段の効果はなく、むしろ加工性や表面性状を劣化させるので、それぞれ、0.20%,1.5%,0.007%を上限として設定した。
Mo、Cu、Ni、Sn:
これらの元素は機械的強度を高めたり、材質を改善する効果があるので、必要に応じて、各成分とも0.001%以上を添加することが望ましい。しかし、過度の添加は、逆に、加工性を劣化させるので、上限を、それぞれ1%、2%、1%、0.2%とする。
なお、本発明では特に限定しないが、脱酸の目的や硫化物の形態制御の目的で、CaやMg、Ceを適量添加しても構わない。
次に、製造方法について詳細に述べる。
熱間圧延に先行する製造方法は特に限定するものではない。すなわち、高炉や電炉等による溶製に引き続き各種の2次製錬を行い、次いで、通常の連続鋳造、インゴット法による鋳造の他、薄スラブ鋳造などの方法で鋳造すればよい。連続鋳造の場合には、一度低温まで冷却したのち、再度加熱してから熱間圧延してもよいし、鋳造スラブを連続的に熱延してもよい。原料にはスクラップを使用しても構わない。
スラブ再加熱温度:
スラブを再加熱して熱間圧延を行う場合には再加熱温度は1150〜1350℃の範囲に限定する。スラブ再加熱温度が1150℃未満では、Nb、Tiの再固溶が不十分で熱延中に集合組織が発達しない。この観点から、スラブ再加熱温度の下限は望ましくは1200℃、更に望ましくは1250℃である。
また、スラブ再加熱温度を1350℃超にしても特段の効果が得られないばかりでなく、設備への負荷が高くなることから、1350℃を上限とする。
熱延圧下率:
熱延中にAr3変態温度℃〜(Ar3変態温度+100)℃の温度範囲における圧下率の合計は20%以上とするのが望ましい。20%未満では、熱延中の集合組織の発達が不十分で形状凍結性が向上しにくい。この観点から、望ましくは圧下率の合計は25%以上、更に望ましくは30%以上とする。
圧下率の合計の上限は特に規定しないが、90%超にするためには設備の増強が不可欠で、かつ、特段の効果が得られないことから、90%以下とすることが望ましい。
熱延終了温度:
熱間圧延の終了温度がAr3変態温度未満になると形状凍結性に好ましくない方位が熱延中に発達する場合があることから、熱延終了温度はAr3変態温度以上とする。熱延終了温度の上限は特に規定しないが、集合組織発達の観点から、(Ar3変態温度+100)℃以下とすることが望ましい。
平均冷却速度:
熱延終了から巻取りまでの平均冷却速度は20℃/s以上とする。平均冷却速度が20℃/s未満では、冷却中に固溶C量が低減し、熱延板の固溶C量が確保できないため、形状凍結性が劣化する。この観点から、30℃/s以上で冷却することが望ましい。更に望ましくは50℃/s以上である。
冷却速度が早いほど固溶Cを確保できることから、上限は特に規定しないが、250℃/s超で冷却しても格段の効果は得られず、新たな冷却設備投資が必要となることから、250℃/sを上限とすることが望ましい。
巻取温度:
巻取温度が600℃超では巻取り中にパーライト変態が起こり固溶C量が低下し、その後の冷延・焼鈍集合組織の発達が不十分となることから、巻取温度の上限は600℃とする。この観点から、望ましくは580℃、更に望ましくは550℃を上限とする。
下限は特に規定しないが、室温以下にすることに特段のメリットがないことから、室温以上で巻き取ることが望ましい。
冷間圧下率:
この様にして得られた熱延鋼板を冷間圧延し、焼鈍して最終的な薄鋼板とする際に、冷間圧延の全圧下率が80%を超えると、一般的な冷間圧延−再結晶集合組織である板面に平行な結晶面のX線回折積分面強度比の{111}面や{554}面成分が高くなり、本発明の特徴である結晶方位の規定を満たさなくなるので、冷間圧延の圧下率の上限を80%とした。
形状凍結性を高めるためには、冷間圧下率を70%以下に制限することが望ましい。更に望ましくは冷間圧延率の上限は60%である。
一方、冷間圧延率を25%未満にするためには熱延板の板厚を薄くする必要があることから、熱延工程に大きな負荷をかかる。したがって、冷間圧延の圧下率の下限は25%とする。この観点から、30%以上に制限することが望ましい。更に望ましくは35%以上である。
加熱速度:
上記の範囲で冷間加工された冷延鋼板を焼鈍する際に、加熱速度が3℃/s未満では、加熱中に再結晶が進行し集合組織が破壊されることから、加熱速度の下限を3℃/sとした。この観点からは、5℃/s以上に制限することが望ましい。更に望ましくは10℃/s以上である。
一方、加熱速度を100℃/s以上にすることは過剰な設備投資を必要とすることから、100℃/sを加熱速度の上限とした。
焼鈍温度:
焼鈍温度が700℃未満の場合には加工組織が残存することから、加工性が劣化する。したがって、焼鈍温度の下限を700℃とする。一方、焼鈍温度が過度に高い場合には、再結晶によって生成したフェライトの集合組織が、オーステナイトへ変態後、オーステナイトの粒成長によってランダム化され、最終的に得られるフェライトの集合組織もランダム化される。
特に、焼鈍温度が(Ac3+100)℃を越える場合には、そのような傾向が顕著となる。したがって、焼鈍温度は(Ac3+100)℃以下とする。この観点からは焼鈍温度の上限はAc3変態温度以下とすることが望ましい。
冷却速度:
焼鈍後、冷却する際に、平均冷却速度が3℃/s未満の場合には、最終的に得られる冷延鋼板の集合組織の発達が十分でなく、良好な形状凍結性が得られないため、3℃/sを冷却速度の下限とした。この観点からは、冷却速度の下限は5℃/sとすることが望ましい。更に望ましくは10℃/s以上である。
また、冷却速度を250℃/s超とすることは、過剰の設備投資を必要とするので、250℃/sを冷却速度の上限とした。
ここで述べた冷却速度は、一時冷却停止温度までの平均冷却速度のことであり、低冷却速度での冷却と高冷却速度での冷却の組み合わせによって上述の冷却速度を達成してもかまわない。
再加熱温度(過時効処理):
焼鈍・冷却の後に連続焼鈍工程や、連続溶融亜鉛めっき工程での温度履歴に相当するような徐冷もしくは等温保持、又は、連続溶融めっき工程の合金化処理工程での再加熱の過程を採用してもよい。ただし、その場合の平均焼鈍温度は550℃以下とする。平均焼鈍温度が550℃超になると炭化物が析出し、固溶Cが減少することから形状凍結性、焼付硬化能が低下する。
一方、平均焼鈍温度の下限は特に規定しないが、200℃未満にすることは特段の効果をもたらさないことから、200℃を下限とすることが望ましい。なお、ここで述べる焼鈍温度とは平均焼鈍温度のことであり、最高到達温度が550℃を超えてもかまわない。
次に、熱延板の条件について述べる。
熱延板の時効指数A.I.:
冷延母材となる熱延板の時効指数A.I.(Aging Index)は20MPa以上とすることが望ましい。20MPa未満では、冷延中に形状凍結性に良くない結晶方位である{111}及び{554}が発達しやすくなるためである。この観点からA.I.の下限は30MPaとするのが望ましい。更に望ましくは40MPa以上である。
また、熱延中のA.I.が高い方が形状凍結性、焼付硬化性の観点から望ましいため、A.I.の上限は特に規定しない。
本発明におけるA.I.とは、圧延直角方向に切り出したJIS5号引張試験片に10%の予ひずみを与えた後に、一旦除荷し、100℃、60分間の熱処理を施した後、再度引張試験を行った際の時効後降伏荷重から予ひずみ荷重を引いた値を予ひずみ前の試験片平行部断面積で割ったものとする。
なお、均一伸びが10%を下回る場合には、均一伸びの範囲で、できるだけ10%に近い歪で評価すればよい。
熱延板のミクロ組織:
冷延母材となる熱延板はフェライト又はベイナイトを体積分率最大の相とし、パーライトの体積分率は5%以下とすることが望ましい。パーライトの体積分率が5%超になると、熱延板中の固溶C量が低下し、冷延・焼鈍中に形状凍結性によくない{111}、{554}方位が発達することから、5%を上限とした。これらの相以外にマルテンサイトやオーステナイトをそれぞれ20%以下含んでいてもよい。
冷間圧延率と熱延板集合組織の関係:
形状凍結性向上の観点から、熱延板の集合組織とその後行う冷間圧延の圧下率は、次式(1)と(2)を満足するのが望ましい。
(a)+0.02×CR≧3.5 ・・・(1)
(b)+0.04×exp(0.05×CR)≦5.5 ・・・(2)
ここで
(a):熱延板の少なくとも1/2板厚における板面の{100}<011>〜{223}<110>方位群のX線ランダム強度比の平均値
(b):熱延板の少なくとも1/2板厚における板面の{554}<225>、{111}<112>及び{111}<110>の3つの結晶方位のX線ランダム強度比の平均値
CR:冷延圧下率(%)
冷間圧延温度:
冷間圧延を行う際に、通板温度を50℃〜400℃に制御すると固溶Cによるひずみ時効が促進され、圧延中に形状凍結性に有利な集合組織の形成が進むことから、上述の温度範囲に制御することが望ましい。通板温度を50℃未満にしても、集合組織形成の観点で室温での圧延と何ら変わりがないことから、50℃を下限とした。
また、ひずみ時効の温度依存性は300〜400℃近傍で最大となり、それ以上に加熱しても、逆に、集合組織が劣化することから、400℃を上限とした。この観点からは、300℃以下にすることが更に望ましい。
加熱方法については特に規定せず、通電過熱、雰囲気炉加熱、ロールと板の摩擦による発熱、いずれでも同様の効果が得られる。
めっき:
本発明によって製造された冷延鋼板にメッキを施す場合、メッキの種類は特に限定するものではなく、電気めっき、溶融めっき、蒸着めっき等のいずれでも本発明の効果が得られる。
スキンパス:
以上の方法で製造された冷延鋼板にスキンパス圧延を施してもよい。スキンパス圧延を施すと、鋼板の形状を良好にするばかりでなく、鋼板の衝突エネルギー吸収能を高めることになる。この時、スキンパス圧延における圧下率が0.4%未満ではこの効果が小さいので、0.4%を下限とする。
また、圧下率が5%超になると通常、スキンパス圧延機の改造が必要となり、経済的なデメリットを生じるとともに、鋼板の加工性を著しく劣化させるので、5%を上限とする。
以上のような方法によって製造される冷延鋼板のミクロ組織はフェライトを主体とするが、目的に応じてベイナイト、オーステナイト、マルテンサイト、パーライト、炭化物等の析出物を含んでいてもよい。
本発明の実施例を挙げながら、本発明の技術的内容について説明する。
実施例として、表1に示した成分組成を有するAからLまでの鋼を用いて検討した結果について説明する。これらの鋼は、鋳造後そのまま、もしくは、一旦室温まで冷却された後に再加熱され、1200℃〜1330℃の温度範囲に加熱された後、表2に示す条件で熱間圧延され、種々の厚みの熱延鋼板とされた。
その後、この熱延鋼板に表2に示した冷延率の冷間圧延を施すことによって1.0mm厚とし、その後連続焼鈍工程にて焼鈍を行った。
これら1.0mm厚の鋼板から45mm幅,270mm長さの試験片を作成し、ポンチ幅78mm、ポンチ肩R5、ダイス幅81mm、ダイ肩R4の金型を用いてハット曲げ試験を行った。成型高さは75mmとした。
曲げ試験を行った試験片は、三次元形状測定装置にて板幅中心部の形状を測定し、図1に示した様に、点(i)と点(ii)の接線と点(iii)と点(iv)の接線の交点の角度から90°を引いた値の左右での平均値をスプリング・バック量、点(iii)と点(v)間の曲率の逆数を左右で平均化した値を1000倍したものを壁そり量、左右の点(v)間の長さからポンチ幅を引いた値を寸法精度として形状凍結性を評価した。なお曲げはr値の低い方向と垂直に折れ線が入るように行った。
ところで、スプリングバック量や壁そり量は、BHF(しわ押さえ力)によっても変化する。本発明の効果は、いずれのBHFで評価を行ってもその傾向は変わらないが、実機で実部品をプレスする際には、設備上の制約からあまり高いBHFはかけられないため、今回は、BHF28kNで各鋼種のハット曲げ試験を行った。なお、曲げは、r値の低い方向と垂直に折れ線が入るように行った。
表2及び表3(表2の続き)には、各鋼板の製造条件が、本発明の範囲内にあるか否かを示している。
表4には、前記の方法によって製造した1.0mm厚の冷延鋼板のr値、集合組織、BH量、及び、形状凍結性の指標が示されている。これから明らかなように、本発明で限定された条件を満たしているものは、いずれも良好な形状凍結性と焼付硬化能が両立している。
Figure 2005120459
Figure 2005120459
Figure 2005120459
Figure 2005120459
自動車の軽量化を推進するためには、高強度鋼板の使用は是非とも必要である。本発明により、スプリング・バック量が少なく、形状凍結性に優れ、かつ、焼付硬化能を有する高強度鋼板が適用できるようになると、自動車車体の軽量化をより一層推進することができる。従って、本発明は、工業的に極めて高い価値のある発明である。
ハット曲げ試験に用いた試験片の断面を示す図である。

Claims (13)

  1. 少なくとも1/2板厚における板面の
    (1){100}<011>〜{223}<110>方位群のX線ランダム強度比の平均値(A)が4.0以上、
    (2){554}<225>、{111}<112>及び{111}<110>の結晶方位のX線ランダム強度比の平均値(B)が6.0以下、
    (3)(A)/(B)≧1.2
    を満足し、更に、圧延方向及びそれと直角方向のr値のうち少なくとも1つが0.7以下、BH量が50MPa以上であることを特徴とする形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板。
  2. 質量%で、C:0.001%以上、0.25%以下
    Si:0.001%以上、2.5%以下、
    Mn:0.01%以上、2.5%以下、
    P:0.15%以下、
    S:0.03%以下、
    Al:0.01%以上、2.0%以下、
    N:0.01%以下、及び、
    O:0.01%以下
    を含有し、更に、Ti、Nbの1種又は2種を合計で0.01%以上、0.40%以下を含有し、かつ、式(1)の関係を満足し、
    C%−{(Ti%−48/32S%−48/14N%)+48/93Nb%}/4
    >0.001 ・・・(1)
    残部が鉄及び不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1に記載の形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板。
  3. 更に、質量%で、 V:0.20%以下、
    Cr:1.5%以下、及び
    B:0.007%以下
    の1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板。
  4. 更に、質量%で、Mo≦1%、
    Cu≦2%、
    Ni≦1%、及び
    Sn≦0.2%
    の1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の化学成分を有するスラブを1150〜1350℃に再加熱し、Ar3変態温度以上で熱間圧延を終了し、巻取までの平均冷却速度が20℃/s以上になるように冷却し、600℃以下で巻き取り、酸洗後、25%以上80%以下の冷間圧延を施し、更に、3〜100℃/sで700℃〜(Ac3+100)℃の温度範囲に加熱した後、平均冷却速度3〜250℃/sで冷却することを特徴とする形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法。
  6. 前記熱間圧延のAr3変態温度〜(Ar3変態温度+100)℃温度範囲における圧下率の合計を20%以上とすることを特徴とする請求項5に記載の形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法。
  7. 請求項5又は6に記載の形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法により製造した冷延鋼板に、冷延後、焼鈍温度550℃以下で過時効処理を施すことを特徴とする形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法。
  8. 前記熱間圧延で得た熱延鋼板中のパーライトの体積分率が5%以下であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法。
  9. 前記熱間圧延で得た熱延鋼板の時効指数A.I.が20MPa以上であることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法。
  10. 前記熱間圧延で得た熱延鋼板の集合組織と冷延圧下率が、次式(2)と(3)を満足することを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法。
    (a)+0.02×CR≧3.5 ・・・(2)
    (b)+0.04×exp(0.05×CR)≦5.5 ・・・(3)
    ここで
    (a):熱延板の少なくとも1/2板厚における板面の{100}<011>〜{223}<110>方位群のX線ランダム強度比の平均値
    (b):熱延板の少なくとも1/2板厚における板面の{554}<225>、{111}<112>及び{111}<110>の結晶方位のX線ランダム強度比の平均値
    CR:冷延圧下率(%)
  11. 前記冷間圧延時の通板温度を50〜400℃にすることを特徴とする請求項5〜10のいずれか1項に記載の形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法。
  12. 請求項5〜11のいずれか1項に記載の形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法により製造した冷延鋼板にめっきを施すことを特徴とする形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法。
  13. 請求項5〜12のいずれか1項に記載の形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法により製造した冷延鋼板に0.4%以上5%以下のスキンパス圧延を施すことを特徴とする形状凍結性と焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法。
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