JP2005120249A - メタリック塗料及びメタリック塗膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗装構造中での光輝材の配向性が良好で、金属自体に近い外観を実現でき、しかも短時間で広い領域を塗装でき、優れた塗装効率を実現し得るメタリック塗料、塗膜及び塗膜形成方法を提供すること。
【解決手段】メタリック塗料は、固形分中、10〜30%の光輝材と、10〜50%のCAB樹脂と、残量としてのアクリル−メラミン樹脂を含有する塗料基材を含み、この塗料基材をエステル系溶剤やケトン系溶剤で固形分が1〜10%となるようにな希釈率にて希釈したものである。
メタリック塗膜は、このメタリック塗料で形成されるメタリック塗膜であって、そのFI値が21以上である。
メタリック塗膜形成方法は、このメタリック塗料を用い、ベル型塗装機によって塗装する方法で、シェーピングエアー流量を400〜800Nl/minとする。
【選択図】なし

Description

本発明は、メタリック塗装に用いられる塗料に係り、更に詳細には、蒸着金属薄片などの光輝材の配向性が良好であり、金属的で意匠性に優れた外観を有するメタリック塗装を実現し得るメタリック塗料、メタリック塗膜及びメタリック塗膜の形成方法に関する。
従来より、自動車車体のメタリック塗装においては、金属的な外観を発現させるべく、光輝材として光反射性の良好な蒸着アルミニウム薄片などを用いた塗装が行われてきたが、かかる光輝材を用いたメタリック塗料で金属のような意匠を実現しようとしても、小型製品や部品等の小さな被塗物でしか実現できておらず、自動車ボディにおける自動塗装のような広い面積で生産タクトの短い塗装では実質的に実現できていなかった。
また、従来の自動車ボディ塗装ラインにおけるメタリック塗料及び塗装方法は、メタリック用ベル塗装機を用いて2ステージで15μm程度の膜厚を塗装するものであるが、この際の塗料NV値(Non Volatile値;不揮発固形分含有量)は20%程度であり、かかる従来のメタリック塗料に反射性の強い蒸着アルミニウム薄片等を用いても、得られるメタリック塗装構造中での蒸着アルミニウム薄片の配向性が未だ十分とは言えず、金属的な意匠性が得られていなかった。
これに対し、本発明者らは、自動車等の塗装工程において光輝材の配向を制御する技術を開発し、2002年4月19日付けの特許出願にて、蒸着アルミ等を用いた金属調を有するメタリック塗装などを提案している(例えば、特許文献1参照)。
特願2002−117497号明細書
しかしながら、本発明者らが更に検討を加えたところ、上記特許出願に係るメタリック塗料やメタリック塗装にも更なる改良の余地があることが判明した。
即ち、この特許出願に係るメタリック塗装は、従来のメタリック塗装に比し優れた金属的意匠性を有するものであるが、X−Rite社のメタリック感指標であるFI値は18〜20レベルである。これに対し、モーターショー等に出品される自動車に施されているメタリック塗装は、展示に特化された仕様であり、耐久性、耐候性、塗膜密着性及び耐チッピング性などに劣り実用に供するには不十分なものの、そのFI値は21レベル以上であり、金属そのものに近い意匠を有している。
このように、上記特許出願に係るメタリック塗料やメタリック塗装であっても、実用に供せる耐久性などの諸特性を有するメタリック塗装であって、FI値が21レベル以上の金属自体に近い優れた意匠性を有する塗装を実際の製造ラインにおいて実現するには至っていないことが判明した。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、塗装構造中での光輝材の配向性が良好で、金属自体に近い外観を実現でき、しかも短時間で広い領域を塗装でき、優れた塗装効率を実現し得るメタリック塗料、塗膜及び塗膜形成方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、光輝材の配向性を左右する因子の解明が未だ十分ではなく、かかる因子の制御が不十分であることを知見し、塗料の塗着後の所定状態を適切に制御できるような配合組成を採用することなどにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のメタリック塗料は、固形分中10〜30%の光輝材と、固形分中10〜50%の分子量25,000〜50,000のセルロースアセテートブチレート樹脂と、残量としてのアクリル−メラミン樹脂を含有する塗料基材を含有するものであり、この塗料基材をエステル系溶剤及び/又はケトン系溶剤で固形分が1〜10%となるような希釈率にて希釈したものである。
また、本発明のメタリック塗膜は、上述の如きメタリック塗料を用いて形成されるメタリック塗膜であって、
固形分中10〜30%の光輝材と、固形分中10〜50%のセルロースアセテートブチレート樹脂と、残量としてのアクリル−メラミン樹脂を含有し、そのFI値が21以上である。
更に、本発明のメタリック塗膜形成方法は、上述の如きメタリック塗料を用い、ベル型塗装機によって塗装する方法であるが、シェーピングエアー流量を400〜800Nl/minとすることが好ましい。
本発明によれば、塗料の塗着後の所定状態を適切に制御できるような配合組成を採用することなどとしたため、塗装構造中での光輝材の配向性が良好で、金属自体に近い外観を実現でき、しかも短時間で広い領域を塗装でき、優れた塗装効率を実現し得るメタリック塗料、塗膜及び塗膜形成方法を提供することができる。
以下、本発明のメタリック塗料につき詳細に説明する。なお、本明細書及び請求の範囲において、「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
上述の如く、本発明のメタリック塗料は、所定の塗料基材をエステル系溶剤及び/又はケトン系溶剤でその固形分が1〜10%となるような希釈率にて希釈したものであり、この塗料基材は、固形分中、10〜30%の光輝材と、10〜50%のセルロースアセテートブチレート樹脂と、残量としてのアクリル−メラミン樹脂を含有する。
なお、この塗料基材において、光輝材、セルロースアセテートブチレート樹脂(以下、「CAB樹脂」と略す)及びアクリル−メラミン樹脂は不揮発性固形分であって塗膜形成要素として機能し、CAB樹脂はいわゆる粘性樹脂として機能する。
図1に、本発明のメタリック塗料における塗膜形成のメカニズムを示す。
同図において、まず、光輝材1を含む飛行塗料粒子10が被塗物20の表面に塗着すると(図1(a))、その飛行速度、粒径及び塗料基材の希釈率などに応じて、塗料粒子10は変形して偏平化するとともに、鱗片状の光輝材1はその平面部位が被塗物20の表面と平行になるように配向しようとする。
塗着後、塗料10は飛行速度などに起因する粒子変形エネルギーや粘度に応じて更に周囲に広がって未硬化膜を形成しようとし、これに応じて光輝材1も更に平行に配向しようとする(図1(b))。
次いで、塗料10の拡散が終了して塗料の未硬化膜が形成されると、塗料10の被塗物へのセッティングが完了し(図1(c)〜(d))、しかる後、溶剤の蒸発に応じて、塗料未硬化膜が体積収縮する。これに応じて光輝材1はいっそう平行に配向し(図1(d))、メタリック塗膜が完成する。
本発明は、上述のようなメタリック塗膜形成過程において、特に塗料の被塗物へのセッティング時の初期(図1(c)参照)に、光輝材を流動させないがウェットな状態に塗料を導き、その後の体積収縮による光輝材の平行配向を更に促進させることを主眼としており、また、これを実現できるような塗料組成や塗料性状を提案するものである。
かかる主眼点を塗料(塗膜)粘性の変化から観察すると、図2に示すような関係が得られる。
図2において、曲線Aは本発明のメタリック塗料の一例における粘性の経時変化を示し、曲線Bは従来のメタリック塗料の一例における粘性の経時変化を示している。
なお、縦軸の転球所要時間は、図3に示すように、常温常圧下、A4版サイズの中塗り塗装を施したブリキ板に供試塗料を10μm塗布し、このブリキ板を5゜以下の所定角度θに傾けて配置した後、11mmφで5.5gの鉄球をブリキ板の頂上から静かに転がし、その所要時間を一定時間毎に時系列で測定したものである。
図2に示したように、本発明のメタリック塗料(曲線A)では、代表的に、塗着から塗膜形成までに、転球所要時間が10秒未満の未乾燥時間域と、10〜30秒の粘度上昇時間域と、3秒未満の指触乾燥時間域がこの順で存在し、しかも未乾燥時間域が塗着時から2分間以内で、粘度上昇時間域がその後3分間以内で、その後に、指触乾燥時間域となることが分かる。なお、本発明で着目する塗料の被塗物へのセッティング時の初期は、曲線Aにおいて、粘度上昇時間域の初期に相当する。
これに対し、従来のメタリック塗料(曲線B)では、塗着後に転球所要時間が増大して粘度が上昇することはなく、しかも塗着後約1分経過後は粘度の下降も極めて緩やかである。よって、上述したような塗料セッティング時以降における光輝材の平行配向を生ずることもないのである。
なお、本発明のメタリック塗料においては、転球所要時間の最大値は、粘度上昇時間域に存在し、且つ15〜30秒であることが好ましく、20〜30秒であることが更に好ましく、25〜30秒であることが一層好ましい。
転球所要時間の最大値が15秒未満では、既にベース塗膜表面が乾燥しており塗膜収縮時にアルミニウム等の光輝材が配向し難く、30秒を超えると、塗膜の粘度自体が高く、この場合も光輝材が配向し難い。
また、本発明のメタリック塗料は、初期状態(塗着前)において、代表的に不揮発固形分を全量で1〜10%の割合で含む、即ちNV値が1〜10%であるが、未乾燥時間域におけるNV値が20〜30%、好ましくは25〜30%であり、且つ粘度上昇時間域におけるNV値が40〜60%、好ましくは50〜55%であることが望ましい。
未乾燥時間域におけるNV値が20%未満では、塗膜粘度が低く配向が自ら乱れてしまうことがあり、30%を超えると、塗膜粘度上昇率が高すぎて光輝材の配向が十分に起こらないことがある。
また、粘度上昇時間域におけるNV値が40%未満では、塗膜粘度が上昇せず転球所要時間15秒以下になってしまうことがあり、60%を超えると、塗膜が乾燥して転球所要時間が15秒よりも短くなってしまうことがある。
次に、本発明のメタリック塗料に用いる成分につき説明する。
まず、塗料基材に含まれる光輝材としては、パール顔料や金属フレークを挙げることができ、特に蒸着法で形成された金属フレークが代表的であるが、反射性の良好さから蒸着アルミニウムフレークを好適に用いることができる。
また、このような光輝材は典型的には鱗片状をなすが、その大きさは最大長部位が10〜100μmで、厚みが0.01〜0.2μmであることが好ましい。
最大長部位が10μm未満では、十分な光の反射が得られないことがあり、100μmを超えると、塗料循環装置における光輝材の沈降性に問題が発生することがある。
一方、厚みが0.01μm未満では、塗料循環での形状安定性に劣ることがあり、0.2μmを超えると、光輝材一枚当たりの重量が重くなり、例えばアルミフレーク自体の枚数が制限されることがある。
なお、かかる光輝材の配合量は、塗料基材の10〜30%である。10%未満では、光輝材表面の面積が小さく十分な光の反射が得られないことがあり、30%を超えると、光輝材の量が多いため塗料循環時に光輝材の沈降等の問題が生ずることがある。
また、CAB樹脂は、いわゆる粘性樹脂として機能し、塗着後にエステル系溶剤やケトン系溶剤が蒸発するに従って粘性を強く発現する。
このように、塗着した塗料の溶剤成分が蒸発するにつれて粘性樹脂の粘性が発現するので、上述のように平行に配置された光輝材の流動が抑制され、これにより、金属に近い外観を有する塗装が得られ易くなる。
かかるCAB樹脂の分子量としては、25,000〜50,000のものを用いるが、25,000〜35,000が好ましく、26,000〜34,000が更に好ましく、28,000〜32,000がいっそう望ましい。
CAB樹脂の分子量が25,000未満では、塗膜粘度が低く光輝材の配向が乱れてしまう。また、50,000を超えると、粘度が高すぎて光輝材が十分に配向できない。
なお、かかるCAB樹脂の配合量は、塗料基材の10〜50%である。10%未満では、十分な粘性を発現できず、50%を超えると、塗膜を硬化させるアクリル−メラミン樹脂が相対的に少なくなって塗膜密着性などの十分な性能が発揮できなくなる。
更に、アクリル−メラミン樹脂は、主に塗膜を硬化させるものとして機能する。
かかるアクリル−メラミン樹脂の配合量は、塗料基材の残量、即ち、これに上述の光輝材とCAB樹脂を合算したものが100%となるような量とする。
なお、本発明において、塗料基材には、上述のような成分以外にも、塗膜形成要素としての顔料や可塑剤、硬化剤、表面調整剤、沈降防止剤、付着付与剤及びタレ防止剤などの添加剤を添加することも可能であるが、この場合もアクリル−メラミン樹脂の配合量は、他の全ての成分とこのアクリル−メラミン樹脂とを合算したものが100%となるような量でよい。
更にまた、エステル系溶剤及びケトン系溶剤は、上述した塗料基材の希釈剤として機能するが、具体的には、3−酢酸−メトキシ−ブチル、2−エタノールアセテート、アルキルベンゼン、酢酸エチル及びトルエンなどを主成分とするシンナーを挙げることができる。
上述の如く、本発明のメタリック塗料は、上記塗料基材をかかるエステル系溶剤若しくはケトン系溶剤又はこれらの混合溶剤で希釈したものであるが、その希釈率は塗料中の固形分を1〜10%とするものである。
本発明では、かかる希釈率を採用することにより、塗着する塗料粒子(飛行粒子)の粘度を低下させて、被塗物表面での塗着粒子の変形を従来のメタリック塗装の場合と比較して強く起こし、塗料中のアルミ薄片などの蒸着金属薄片を被塗物表面に対して平行に近く配置させることができる(図1(a)参照)。
なお、希釈率が10%を超えると、塗着時における塗料粒子の変形が十分に起こらず、1%未満では、塗装機の吐出量が増加してしまい、塗装ラインでは実質的に適用困難になる。
次に、本発明のメタリック塗膜について説明する。
このメタリック塗膜は、上述ようなメタリック塗料を用いて形成されるものであり、10〜30%の光輝材と、10〜50%のセルロースアセテートブチレート樹脂と、残量としてのアクリル−メラミン樹脂を含み、FI値が21以上のものである。
ここで、FI値は、上述の如くX−Rite社のメタリック感指標であるが、具体的には、次式(A)
FI=2.69×{(L15゜−L110゜1.11/(L45゜0.86}…(A)
(式中のL15゜、L45゜及びL110゜は、JISに規定される標準光源D65を光源とし、平板状の塗膜表面にそれぞれ15゜、45゜及び110゜の角度で入射させた際の反射光の強度を示す)で表される。
本発明のメタリック塗膜は、このFI値が21以上であるが、23以上が更に好ましい。FI値が21未満では、「まさに金属」という反射が得られない。
なお、本発明のメタリック塗膜では、ベース塗膜表面から3μmまでの深さの表層領域に99.7%以上の上記光輝材が存在することが好ましく、これにより、いっそう優れた金属感外観を実現することができる。
また、同量のアルミニウム光輝材が3μm以上の深さに亘って存在するようになると、深さが大きくなるにつれて反射が弱くなり、6μmではFI値が19を下回るようになってしまう。
次に、本発明のメタリック塗膜の形成方法について説明する。
本発明のメタリック塗膜形成方法は、上述のようなメタリック塗料を用い、ベル型塗装機によって塗装する方法であり、このメタリック塗料をベル型塗装機で被塗物に吐出することにより、塗装を行う方法である。
ここで、ベル型塗装機は従来公知のものであれば十分であるが、そのシェーピングエアー流量を400〜800Nl/minとすることが好ましく、これにより、塗料粒子の飛散速度を確保し、塗着時の塗料粒子変形エネルギーを十分に付与することができる。
シェーピングエアー流量が400Nl/min未満では、塗料粒子の変形エネルギーが不十分となることがあり、800Nl/minを超えると、塗装機側のエアー供給対応が難しくなる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
光輝材として蒸着アルミペースト(最大長部位40μm)を固形分中20%、CAB樹脂としてCAB381−0.5(商品名:EASTMAN社製、分子量30,000)を固形分中49%、アクリル−メラミン樹脂(日本ペイント製)を固形分中31%の割合にて配合し、これを酢酸エチルを用い固形分が3.6%となるように希釈し、本例のメタリック塗料を得た。
(比較例1)
CAB381−0.5の代わりにCAB500−5樹脂(商品名:EASTMAN社製、分子量57,000)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例のメタリック塗料を得た。
[性能評価]
実施例1及び比較例1のメタリック塗料を用い、下記の条件下で塗装を行い、塗膜形成を行った。
得られた各例のメタリック塗膜につき、X−Rite社製のFI値測定機(商品名;MA68 II)を用いFI値を測定した。
また、被塗物への塗着後における塗料の粘性経時変化を、上述した転球試験(図3参照;角度θ=3.6゜)にて評価し、得られた結果を図4に示す。
更に、各例の塗膜をレーザー顕微鏡(倍率1000倍)で表面観察し、得られた結果を図5に示す。
下記の条件で2回塗装し、平均膜厚3μmのベース塗膜を得た。
(塗装条件)
・塗装機;ABBメタリックベル型塗装機、カップ径φ=70
・塗装条件;吐出量150ml/min、ベル回転数;25krpm
・シェーピングエアー流量;700Nl/min
・印加電圧;−60kV、塗装線速;54m/min
・塗り重ね回数;4回
・被塗物
日本ペイント製の中塗り塗装を30μm施したブリキ板、ポリエステル−メラミン焼付タイプ、明度N=6
ベース塗装後5分間室温にて放置し、日本油脂(株)製の商品名ベルコートNo.6200(アクリル−メラミン塗料)を用いエアスプレーガンにて30μm厚のクリアー塗装を実施し、140℃で20分間の焼付乾燥を行った。
FI値の測定結果は、実施例1のメタリック塗膜が23で、比較例1のメタリック塗膜が18.7であり、実施例1では蒸着アルミが良好に配向したが、比較例1では配向が不十分であった。
また、図4に示すように、実施例1では、転球所要時間で4分経過後に20秒のピークが見られたが、比較例1では、このようなピークをとる挙動は示されなかった。
更に、図5及び図6に示すように、実施例1では、蒸着アルミの99.7%が深さ3μmの範囲に分布していたが、比較例2では蒸着アルミの99.7%が深さ6μmの範囲に分布していた。
本発明のメタリック塗料における塗膜形成のメカニズムを示す断面説明図である。 メタリック塗料の一例における粘性の経時変化を示すグラフである。 転球試験の概要を示す側面説明図である。 実施例及び比較例のメタリック塗料の粘性経時変化を示すグラフである。 実施例のメタリック塗膜表面のレーザー顕微鏡による顕微鏡写真である。 比較例のメタリック塗膜表面のレーザー顕微鏡による顕微鏡写真である。
符号の説明
1 光輝材
10 塗料粒子
20 被塗物

Claims (8)

  1. 光輝材10〜30%と、分子量25,000〜50,000(MWn)のセルロースアセテートブチレート樹脂10〜50%と、残量としてのアクリル−メラミン樹脂を含有する固形分たる塗料基材を、エステル系溶剤及び/又はケトン系溶剤を用い、上記固形分が1〜10%となるような希釈率で希釈して成ることを特徴とするメタリック塗料。
  2. 常温常圧の条件下、塗着から塗膜形成の間に、転球試験による転球所要時間が10秒未満の未乾燥時間域と、転球所要時間が10〜30秒の粘度上昇時間域と、転球所要時間が3秒未満の指触乾燥時間域が順次存在し、
    上記未乾燥時間域が塗着時から2分間以内で、上記粘度上昇時間域がその後3分間以内であり、しかる後、上記指触乾燥時間域となることを特徴とする請求項1に記載のメタリック塗料。
  3. 上記転球所要時間の最大値が、上記粘度上昇時間域に存在し、且つ15〜30秒であることを特徴とする請求項2に記載のメタリック塗料。
  4. 上記未乾燥時間域におけるNV値が20〜30%であり、且つ上記粘度上昇時間域におけるNV値が40〜60%であることを特徴とする請求項2又は3に記載のメタリック塗料。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つの項に記載のメタリック塗料を用いて形成されるメタリック塗膜であって、
    固形分中10〜30%の光輝材と、固形分中10〜50%のセルロースアセテートブチレート樹脂と、残量としてのアクリル−メラミン樹脂を含有し、FI値が21以上であることを特徴とするメタリック塗膜。
  6. ベース塗膜表面から3μmまでの深さの表層領域に99.7%以上の上記光輝材が存在することを特徴とする請求項5に記載のメタリック塗膜。
  7. 請求項1〜4のいずれか1つの項に記載のメタリック塗料を用い、ベル型塗装機によって塗装することを特徴とするメタリック塗膜の形成方法。
  8. シェーピングエアー流量を400〜800Nl/minとすることを特徴とする請求項7に記載のメタリック塗膜の形成方法。
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