JP2005120079A - アクリル酸の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 活性、選択性および触媒寿命ともに優れる触媒の存在下にアクロレインを気相接触酸化して、長期にわたって高収率でアクリル酸を製造する方法を提供する。
【解決手段】 気相接触酸化に用いるアクリル酸製造用触媒として、下記一般式(1)で表され、該触媒を調製する際におけるA成分の供給源がバナジウムとの複合体である複合酸化物触媒を用い、かつ、固定床多管式反応器の各反応管の内部を管軸方向に複数個の反応帯に分けて各反応帯に、占有容積の異なる複合酸化物触媒を、各反応管のガス入口側からガス出口側に向けて占有容積が小さくなるように充填する。
MoaVbWcAdBeOx (1)
(Aはコバルト、ニッケル、鉄、鉛、銅およびビスマスから選ばれる少なくとも一種の元素、Bはアンチモン、ニオブおよびスズから選ばれる少なくとも一種の元素)
【選択図】 なし

Description

本発明は、複合酸化物触媒を用いたアクリル酸の製造方法に関する。
アクロレインの気相接触酸化反応によってアクリル酸を効率よく製造するための改良触媒が数多く提案されている。
例えば、モリブデン、バナジウム、タングステンからなる触媒(例えば、特許文献1参照。)、モリブデン、バナジウム、銅、タングステン、クロムからなる触媒(例えば、特許文献2参照。)、モリブデン、バナジウムからなる触媒(例えば、特許文献3参照。)、モリブデン、バナジウム、銅、(アンチモン、ゲルマニウムの少なくとも一種の元素)からなる触媒(例えば、特許文献4参照。)が提案されている。
しかしながら、これら従来の触媒の欠点の一つとして、触媒の長期間の使用においてモリブデン成分が昇華し、触媒性能が徐々に低下することがあり、更に、この現象は、触媒が高温に曝されることによって助長される。この防止策の一つとして、ホットスポット部の温度を抑制する方法が提案されている。例えば、原料ガス入口側の触媒層を不活性物質で希釈する方法(例えば、特許文献5参照。)、原料ガス入口側から出口側に向かって触媒活性物質の担持率を順次大きくする方法(例えば、特許文献6参照。)が提案されている。
しかしながら、これらの方法を用いてもアクリル酸収率、触媒寿命の点において改良すべき余地がある。
また、原料ガス入口側から出口側に向かって触媒の占有容積が小さくする方法(例えば、特許文献7参照。)によってホットスポット部の温度を抑制する効果は認められるが、モリブデン成分の昇華、飛散による触媒性能の低下を完全に防止することは困難であった。
特公昭44−12129号公報 特公昭49−11371号公報 特公昭50−25914号公報 特開昭52−85091号公報 特公昭53−30688号公報 特開平7−10802号公報 特開平9−241209号公報
本発明が解決しようとする課題は、活性、選択性および触媒寿命ともに優れ、長期にわたって安定した性能を示す触媒の存在下にアクロレインを分子状酸素または分子状酸素含有ガスにより気相接触酸化して、長期にわたって高収率でアクリル酸を製造する方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、モリブデン、バナジウム、タングステンを必須成分として含み、かつ、コバルト、ニッケル、鉄、鉛、銅およびビスマスから選ばれる少なくとも一種の元素をも含む複合酸化物触媒であって、前記コバルト、ニッケル、鉄、鉛、銅およびビスマスから選ばれる少なくとも一種の元素の供給源として、バナジウムとの複合体を用いて調製された触媒を用い、かつ、占有容積の異なる前記複合酸化物触媒を特定の方法で、固定床多管式反応器内部に設けた複数個の反応帯に充填することにより、アクロレインを分子状酸素の存在下で気相接触酸化して、長期にわたって高収率でアクリル酸を製造することができることを見出した。さらに、この方法により、従来は触媒劣化が増大するために回避されていた高濃度プロセスへの適用が可能となった。
すなわち、本発明にかかるアクリル酸の製造方法は、固定床多管式反応器を用いてアクロレインを分子状酸素の存在下で気相接触酸化してアクリル酸を製造する方法において、前記気相接触酸化に用いるアクリル酸製造用触媒が、下記一般式(1)で表される触媒であって、該触媒を調製する際におけるA成分の供給源がバナジウムとの複合体である、複合酸化物触媒であり、かつ、
MoaVbWcAdBeOx (1)
(ここで、Moはモリブデン、Vはバナジウム、Wはタングステン、Aはコバルト、ニッケル、鉄、鉛、銅およびビスマスから選ばれる少なくとも一種の元素、Bはアンチモン、ニオブおよびスズから選ばれる少なくとも一種の元素、Oは酸素であり、a、b、c、d、eおよびxはそれぞれMo、V、W、A、BおよびOの原子比を表し、a=12の時、2≦b≦15、0<c≦10、0<d≦30、0≦e≦6であり、xはそれぞれの元素の酸化状態によって定まる数値である。)
該複合酸化物触媒の前記固定床多管式反応器への充填が、該反応器の各反応管の内部を管軸方向に複数個の反応帯に分けて各反応帯に、占有容積の異なる触媒を、各反応管のガス入口側からガス出口側に向けて占有容積が小さくなるように充填する方法により行われている、ことを特徴とする。
本発明によれば、活性、選択性および触媒寿命ともに優れ、長期にわたって安定した性能を示す触媒の存在下にアクロレインを分子状酸素により気相接触酸化して、長期にわたって高収率でアクリル酸を製造することができる。さらに、本発明の方法により、従来は触媒劣化が増大するために回避されていた高濃度プロセスへの適用が可能となった。
以下、本発明にかかるアクリル酸の製造方法について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
本発明で用いる複合酸化物触媒(アクリル酸製造用触媒)は、下記一般式(1)で表される触媒である。
MoaVbWcAdBeOx (1)
ここで、Moはモリブデン、Vはバナジウム、Wはタングステン、Aはコバルト、ニッケル、鉄、鉛、銅およびビスマスから選ばれる少なくとも一種の元素、Bはアンチモン、ニオブおよびスズから選ばれる少なくとも一種の元素、Oは酸素であり、a、b、c、d、eおよびxはそれぞれMo、V、W、A、BおよびOの原子比を表し、a=12の時、2≦b≦15、0<c≦10、0<d≦30、0≦e≦6であり、xはそれぞれの元素の酸化状態によって定まる数値である。
本発明で用いる複合酸化物触媒は、該触媒を調製する際におけるA成分の供給源が、そのA成分とバナジウムとの複合体であることが重要である。ここにいう複合体とは、各元素原料が水性媒体中(一般に100℃以下)で合体して得られるものや、これを乾燥(一般に100℃以上300℃以下)して得られる固形物(粉体)や、この固形物を更に高温で処理することにより得られる酸化物複合体等をいう。
A成分の供給源としてA成分とバナジウムとを予め複合体を用いることによって、活性、選択性および触媒寿命ともに優れ、長期にわたって安定した性能を示す触媒が得られる。この原因としては、例えば、A成分とバナジウムを予め複合体とすることによって、長期間の反応においてモリブデン成分が昇華、飛散する状況下であっても触媒活性種の安定性が向上したことが考えられる。
本発明で用いる複合酸化物触媒の調製方法は、上述のように、A成分の供給源としてA成分とバナジウムとを予め複合体としておく点を除けば、この種の触媒の調製に一般に用いられている方法と本質的には異ならない。例えば、従来からよく知られている蒸発乾固法、造粒法、押出し成型法などの任意の方法に従って行うことができる。
本発明で用いる複合酸化物触媒の形状については特に制限はなく、リング状、球状、円柱状、タブレット状など任意の形状にすることができる。もちろん、球状の場合、真球である必要はなく、実質的に球状であればよい。円柱状あるいはリング状についても同様である。
本発明で用いる複合酸化物触媒の大きさについては、充填する反応管の内径(D)に対する触媒の粒径(d)の比率D/dが2/1〜15/1となるように選択するのが好ましく、2.5/1〜10/1となるように選択するのがより好ましい。ここで、触媒の粒径とは、球状の触媒の場合はその直径を、円柱もしくはリング状の場合はその円柱部の直径を、その他の形状の場合は触媒の任意の二端の距離の中で最長のものをさすものとする。なお、円柱状あるいはリング状の触媒の場合、その粒長は、粒長と粒径との比、すなわち、粒長/粒径が0.3/1〜3/1の範囲から適宜選択するのが、触媒の製造上あるいは使用上の理由から好ましい。使用する反応管の内径は、10〜50mmの範囲が好ましく、特に15〜40mmの範囲にあるのがより好ましい。上記範囲内の比率D/dを有するような粒径の大きな触媒を用いると、触媒層の圧力損失が低下し、原料ガスを反応器に導入するに要するエネルギーなどを低減することができる。
本発明で用いる複合酸化物触媒の平均直径は、好ましくは1〜15mm、より好ましくは3〜10mmである。この際、触媒の強度、紛化度を改善する効果があるとして一般によく知られているガラス繊維などの無機繊維、各種ウィスカーなどを添加しても良い。また、触媒物性を再現よく制御するために硝酸アンモニウム、セルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、ステアリン酸など一般に粉体結合剤として知られた添加物を使用することもできる。
本発明で用いる複合酸化物触媒はそれ自体単独で使用することができるが、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリコンカーバイド、酸化チタン、アルミニウムスポンジなどの不活性担体に担持して使用することもできる。この場合、一般式(1)で表される複合酸化物触媒の担持率(%)(=複合酸化物触媒の重量/(不活性担体の重量+複合酸化物触媒の重量)×100)は、好ましくは10〜70%、より好ましくは15〜50%である。
本発明で用いる複合酸化物触媒の調製時の熱処理温度(焼成温度)は、特に限定されないが、好ましくは300〜600℃、より好ましくは350℃〜500℃の温度で、1〜10時間程度焼成することにより、目的とする複合酸化物触媒が得られる。
本発明で用いる複合酸化物は、活性、選択性および触媒寿命ともに優れ、長期にわたって安定した性能を示すことができるので、この触媒の存在下にアクロレインを分子状酸素により気相接触酸化することにより長期にわたって高収率でアクリル酸を製造することが可能となる。
すなわち、本発明にかかるアクリル酸の製造方法は、固定床多管式反応器を用いてアクロレインを分子状酸素の存在下で気相接触酸化してアクリル酸を製造する方法において、前記気相接触酸化を本発明の複合酸化物触媒(アクリル酸製造用触媒)を用いて行うことを特徴とする。なお、本発明でいう「分子状酸素の存在下」とは、少なくとも分子状酸素が存在する状態であればよく、分子状酸素の存在下での気相接触酸化は、分子状酸素のみによるものであってもよいし、分子状酸素含有ガスによるものであってもよいものとする。
上記製造方法の原料ガスであるアクロレインとしては、アクロレイン、酸素および不活性ガスからなる混合ガスはもとよりのこと、プロピレンを直接酸化して得られるアクロレイン含有の混合ガスも、必要に応じて空気または酸素、さらには水蒸気やその他のガスを添加して使用することもできる。
上記製造方法の実施に際しての装置、条件などについては特に制限はない。例えば、1〜15容量%、好ましくは4〜12容量%のアクロレイン、0.5〜25容量%、好ましくは2〜20容量%の酸素、0〜30容量%、好ましくは0〜25容量%の水蒸気および20〜80容量%、好ましくは50〜70容量%の窒素などの不活性ガスなどからなる混合ガスを200〜400℃、好ましくは200〜350℃の温度範囲で、0.1〜1MPaの圧力下に、300〜10000hr−1(STP)、好ましくは500〜5000hr−1(STP)の空間速度で、本発明の複合酸化物触媒と接触させて反応させればよい。
さらに、本発明で用いる複合酸化物は、活性、選択性および触媒寿命ともに優れ、長期にわたって安定した性能を示すことができることから、従来は触媒劣化が増大するために回避されていた高濃度プロセスへの適用が可能となった。
すなわち、本発明にかかるアクリル酸の製造方法においては、前記固定床多管式反応器に供給する原料ガスが、高濃度プロピレンおよび酸素は含有するが実質的にスチームを含有しない混合ガスを、モリブデンおよびビスマスを必須成分とする複合酸化物触媒が充填された固定床多管式第1反応器に導入することにより製造されたアクロレイン含有ガスであることが、好ましい態様の一つである。
上記好ましい態様の製造方法は、アクロレイン含有ガスを製造する工程(1)と、工程(1)で得られるアクロレイン含有ガスからアクリル酸含有ガスを製造する工程(2)とを含む。さらに、後述するように、工程(2)で得られるアクリル酸含有ガスをアクリル酸吸収塔に導入し、高濃度アクリル酸溶液として捕集する工程(3)とを含むことが好ましい。以下、工程(1)、(2)、(3)という表現を用いて説明する場合がある。
工程(1)で用いる原料ガスは、高濃度でプロピレンを含有する。ここでいう高濃度とは、原料ガス中のプロピレン濃度が、好ましくは7容量%以上、より好ましくは8容量%以上20容量%以下、さらに好ましくは9容量%以上15容量%以下をいう。このようにプロピレン濃度が高められることによって、アクリル酸の生産性が高まる。
一方、原料ガス中のプロピレン濃度を増加させると、触媒への負荷量は増大し、従来以上に触媒の劣化は加速されることになる。特に、モリブデンおよびバナジウムを必須成分とする従来触媒においては劣化が大きく、アクリル酸を長期にわたって安定して製造することができないという問題があった。しかしながら、固定床多管式反応器に導入される複合酸化物触媒として上述の複合酸化物触媒を用いるとともに、後述するように、前記固定床多管式反応器の各反応管の内部を管軸方向に分割することにより複数個の反応帯を設け、占有容積の異なる前記複合酸化物触媒を、各反応管のガス入口側からガス出口側に向けて占有容積が小さくなるように各反応帯に充填するという方法を採用することによって、上記問題が解決できることが判明した。
工程(1)で用いる原料ガスは、酸素をも含有する。原料ガス中のプロピレンと酸素との容量比(プロピレン:酸素)は、好ましくは1:1〜2.5、より好ましくは1:1.05〜2.2、さらに好ましくは1:1.1〜2.0である。
工程(1)で用いる原料ガス、すなわち、固定床多管式第1反応器に導入される混合ガスが、当該反応器内においては実質的に酸化反応しない、言い換えれば、プロピレンの気相酸化反応において実質的に不活性な飽和炭化水素をも含んでいてもよい。このような飽和炭化水素としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン等が挙げられる。このような飽和炭化水素が原料ガスに添加される主な目的は、バランスガスとしての役割であり、さらには、一般に不活性希釈ガスとして用いられるスチームの代替成分としての役割である。不活性な飽和炭化水素からなるバランスガスとプロピレンの容量比(飽和炭化水素/プロピレン)は、0以上1.5以下が好適な範囲である。
工程(1)で用いる原料ガスは、実質的にスチームを含有しない。これは、工程(1)で用いる原料ガスに意図的に(積極的に)スチームを添加しないことを意味する。したがって、分子状酸素の供給源、特に空気を用いた場合に含まれる大気中の水分(湿度)はここでいうスチームには該当しない。
工程(1)で用いる原料ガス中にスチームが実質的に含有されないため、高い濃度のアクリル酸溶液が得られる。この結果、アクリル酸を精製する工程で消費されるスチーム等のエネルギー消費を削減することができる。また、系外に排出される排水量を削減することができる。
上記スチーム濃度は、0容量%がアクリル酸吸収塔でのアクリル酸濃度を上げる点で最も好ましいが、大気中の湿度と温度から求まるスチーム濃度は本発明では許容する。好適な形態としては、分子状酸素の供給源である空気等を除湿機能を備えた装置に導入することにより、湿度および温度の影響を受けることのない分子状酸素供給源として使用する形態を挙げることができる。
また、スチーム濃度が下がると、モリブデンおよびバナジウムを必須成分とする従来触媒においては劣化が大きく、アクリル酸を長期にわたって安定して製造することができないという問題があったが、前述したように、固定床多管式反応器に導入される複合酸化物触媒として前述の複合酸化物触媒を用いるとともに、前記固定床多管式反応器の各反応管の内部を管軸方向に分割することにより複数個の反応帯を設け、占有容積の異なる前記複合酸化物触媒を、各反応管のガス入口側からガス出口側に向けて占有容積が小さくなるように各反応帯に充填することを採用することによって、上記問題は解決できた。
固定床多管式第1反応器に充填されるモリブデンおよびビスマスを必須成分とする複合酸化物触媒としては、特に限定されず、例えば、従来公知のモリブデンおよびビスマスを必須成分とする複合酸化物触媒を用いることができる。具体的には、例えば、特開昭59−76541号公報、特開平8−47462号公報、特開2000−325795号公報などに記載の触媒を用いることができる。
工程(2)において固定床多管式反応器に供される反応ガスは、固定床多管式第1反応器から流出するガスをそのまま使用することができるが、場合により分子状酸素含有ガスを固定床多管式第1反応器から流出するガスと混合した後に固定床多管式反応器に導入することもできる。この場合、追加される酸素濃度は、固定床多管式第1反応器に供される反応ガスと固定床多管式第1反応器からの流出ガスに追加される分子状酸素含有ガスとの合計において、プロピレン:酸素(容量比)が、好ましくは1:1.5〜3.5、より好ましくは1:1.55〜3.0、さらに好ましくは1:1.6〜2.5になるように分子状酸素含有ガスを追加する。
工程(2)において、固定床多管式反応器に導入される複合酸化物触媒として前述の特定の複合酸化物触媒を用いることにより、原料ガス中のプロピレン濃度を増加させたり、スチームを実質的に含有させなくても、触媒の劣化を抑制でき、アクリル酸を長期にわたって安定して製造することができる。
本発明にかかるアクリル酸の製造方法においては、前述の特定の複合酸化物触媒を用いるとともに、さらに、該複合酸化物触媒の前記固定床多管式反応器への充填が、該反応器の各反応管の内部を管軸方向に複数個の反応帯に分けて各反応帯に、占有容積の異なる前記複合酸化物触媒を、各反応管のガス入口側からガス出口側に向けて占有容積が小さくなるように各反応帯に充填する方法により行われていることを特徴とする。この構成をなすことにより、ホットスポット部の発生やホットスポット部における蓄熱を抑制できるので、原料ガス中のプロピレン濃度を増加させたり、スチームを実質的に含有させなくても、触媒の劣化を抑制でき、アクリル酸を長期にわたって安定して製造することができる。
本発明にいう触媒の占有容積とは、同一反応帯に充填される触媒(粒)の体積の平均値であり、例えば便宜上、同一反応帯に充填する触媒(粒)から任意に選ばれた複数個(例えば、10個など)の触媒の体積の平均値とすることができる。触媒がリング状のような中空部分を含む形状の場合には、その最外郭の形状が占める体積をもって本発明の占有容積とする。その他の球状または円柱状の触媒の場合、その体積は通常の計算法によって求めることができる。また、本発明にいう占有容積とは、前記触媒成分を一定の形状にした成型触媒の場合には、その成型触媒の体積であり、また、触媒成分を担体上に担持した担持触媒の場合には、その担体を含めた担持触媒の体積を意味する。
なお、本発明においては、同一反応帯に充填する触媒としては、実質的に同一な体積を有する触媒を充填するのが望ましい。したがって、実質的に同一な体積を有する触媒を使用する場合には、その触媒(粒)の一つの体積をもって、本発明にいう占有容積とすることができる。
さらに、本発明においては、一つの反応帯に充填された触媒の占有容積とそれに隣接する反応帯に充填された触媒の占有容積との比が1.2/1〜27/1であることが好ましく、より好ましくは1.5/1〜24/1の範囲とすることが、ホットスポット部における蓄熱の防止のためにも、反応を効果的に行うためにも望ましい。上記の占有容積の比が1.2/1よりも小さいと、相異なる占有容積を有する複数種の触媒を用いる効果が十分に得られず、反応帯の数を多くすることが必要になり、占有容積の異なる多くの触媒を準備したり、触媒の充填に多大の労力を要するようになる。また、占有容積の比が27/1よりも大きい場合にも、同様に、相異なる占有容積を有する複数種の触媒を用いる効果が十分に得られず、ガス入口側の触媒層長が著しく長くなったり、出口側の触媒が小粒となるため触媒層での圧力損失が大きくなるなどの不都合が生じる。
本発明においては、各反応帯に充填する触媒として担体形状が同じ担持触媒であって触媒成分やその担持方法が同じである場合は、担体の体積(球状担体の場合は平均粒径でもよい)が異なる担持触媒を、各反応管のガス入口側からガス出口側に向けて担体の体積(球状担体の場合は平均粒径でもよい)が小さくなるように各反応帯に充填すればよい。
反応管内の管軸方向に複数個に分けられる各反応帯の長さは、上記のようにして選ばれた触媒がその効果を最大に発揮するように適宜決定すればよい。通常、反応ガス入口側に充填される最大の占有容積を有する触媒の反応帯の長さは、全触媒層長の10〜80%であることが好ましく、より好ましくは15〜70%である。
本発明においては、複数個の反応帯に充填される複数種の触媒の組成は、同一でも、異なっていてもよい。異なった組成の組み合わせであっても、占有容積の異なる触媒を複数種用いることによって、ホットスポット部の温度は抑制され、本発明の効果を得ることができる。ただし、同一の反応帯に充填する触媒は同一組成のものを用いるのが触媒活性の均一化、作業性などを考慮すると好ましい。したがって、同一反応帯には同一組成および実質的に同一な占有容積を有する触媒を充填するのが好ましい。
本発明において、各反応帯に充填する触媒は、触媒成分を一定の形状にした成型触媒であっても、触媒成分を一定の形状を有する任意の不活性な担体上に担持させた担持触媒でも、あるいは、これら成型触媒と担持触媒との組み合わせであってもよい。また、各反応帯に充填する触媒の形状は同一でも、あるいは異なっていてもよいが、通常、同一反応帯には同一形状の成型触媒および/または担持触媒を充填するのが好ましい。
担持型触媒の場合、各反応帯に充填される触媒の担体に対する触媒成分の割合は、同一でも、あるいは、異なっていてもよいが、通常、同一な担持率の触媒を用いる方が、触媒製造の点からは簡便であり、また、触媒寿命の面からも有利である。
固定床多管式反応器における各反応管の内部を管軸方向に分ける際の反応帯の数は、特に限定されず、多いほど触媒層のホットスポット温度を制御しやすくなるが、反応帯の数が多すぎると触媒充填作業が煩雑になるなどの新たな問題が発生する。工業的には好ましくは2〜6程度、より好ましくは2または3程度にすることで十分目的とする効果を得ることができる。また、触媒層の分割比については、酸化反応条件や各層に充填された触媒の組成、形状、サイズなどによって最適値が左右されるため一概に特定できず、全体としての最適な活性および選択率が得られるように適宜選択すればよい。
触媒の各反応管への充填に際しては、不活性物質で希釈した触媒を各反応帯に充填することもできる。
また、固定床多管式反応器の各反応管に複合酸化物触媒を充填するに際しては、上述の充填方法を用いるとともに、さらに、従来公知の充填方法、例えば、反応管の原料ガス入口側から出口側に向けて触媒活性物質の担持率がより大きい触媒を順次充填する方法(特開平7−10802号公報)、原料ガス入口側の触媒を不活性物質で希釈する方法(特公昭53−30688号公報)などと組み合わせることも可能である。
本発明にかかるアクリル酸の製造方法においては、前記気相接触酸化で得られるアクリル酸含有ガス、すなわち、前述の特定の複合酸化物触媒を用いてアクロレインを気相接触酸化して得られるアクリル酸含有ガスを、捕集用溶媒と接触させることにより、アクリル酸濃度が70%以上のアクリル酸含有溶液として、捕集することが好ましい。より好ましくは、アクリル酸含有溶液のアクリル酸濃度は80%以上であるのがよく、さらに好ましくは85%以上であるのがよい。本発明の製造方法においては、前述したように、活性、選択性および触媒寿命ともに優れ、長期にわたって安定した性能を示すことができる特定の複合酸化物をアクリル酸製造用触媒として用いることから、本発明の好ましい態様として上述した特定のアクロレイン含有ガスを前記固定床多管式反応器に供給する原料ガスとする高濃度プロセスを採用することが可能となり、その結果、前記範囲のような高濃度のアクリル酸含有溶液を捕集することができることになる。例えば、前述したように、上記好ましい態様の製造方法においては、工程(2)で得られるアクリル酸含有ガスをアクリル酸吸収塔に導入し、高濃度アクリル酸溶液として捕集する工程(3)とを含むようにすればよい。
捕集用溶媒としては、アクリル酸を捕集できる溶媒であれば特に制限はなく、例えば、水、有機溶媒、もしくはこれらの任意の混合溶媒等、従来から使用されている溶媒を用いることができる。捕集用溶媒の温度は、0〜50℃、好ましくは10〜40℃としておくことが好ましい。
アクリル酸含有ガスと捕集用溶媒との接触方法としては、公知の接触方法を採用すればよい。具体的には、例えば、泡鐘トレイ、ユニフラットトレイ、多孔板トレイ、ジェットトレイ、バブルトレイ、ベンチュリートレイ等を用いる十字流接触;ターボグリッドトレイ、デュアルフロートレイ、リップルトレイ、キッテルトレイ、ガーゼ型、シート型、グリット型等の規則充填物や不規則充填物を用いる向流接触;等が挙げられる。
本発明にかかるアクリル酸の製造方法においては、前記アクリル酸含有溶液中のアクリル酸の結晶化を行うことが好ましい。これにより、例えば共沸蒸留を主体として精製を行う場合に比べ、コスト的に有利に精製アクリル酸を得ることができるようになる。詳しくは、本発明においては、結晶化のみにより精製アクリル酸を得るようにしてもよいし、前記アクリル酸含有溶液を蒸留に供したのちに結晶化を行うことにより精製アクリル酸を得るようにしてもよいが、蒸留を行う場合においても、のちに結晶化を行うようにすることで蒸留工程での負荷を低減することができるのである。
前記アクリル酸含有溶液中のアクリル酸の結晶化方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を採用すればよい。例えば、連続式、回分式のいずれであってもよく、また、1段で行ってよいし、2段以上で行ってもよい。
本発明にかかるアクリル酸の製造方法においては、上述のように、結晶化を含む精製工程を経て精製アクリル酸を得ることが望ましいのであるが、本発明における前記気相接触酸化によって得られたアクリル酸含有ガスは、従来公知のいかなる方法で製品化(捕集、精製)してもよい。
本発明における前記気相接触酸化によって得られたアクリル酸含有ガスの製品化(捕集、精製)にあたり、特に好ましく採用される方法としては、以下の方法が挙げられる。
1)(a)アクリル酸濃度が80重量%以上であるアクリル酸含有溶液に蒸留を施し、粗アクリル酸を塔側部および/または塔底部より分離するとともに、塔頂液をアクリル酸製造工程に戻すようにし、(b)得られた粗アクリル酸を結晶化に供し、溶融結晶化により精製アクリル酸と残留母液とを分離するとともに、(c)残留母液の少なくとも一部および/または前記(a)で得られる塔底流の少なくとも一部をアクリル酸二量体分解工程に供給し、その留出液を前記(a)の蒸留および/または前記(b)の結晶化に供する方法、
2)(a)水を主成分とする捕集溶媒を用いてアクリル酸含有溶液を得、(b)該アクリル酸含有溶液を結晶化に供して(好ましくは、FallingFilm形式晶析器を用いるのがよい)、精製アクリル酸と残留母液とを分離するとともに、(c)残留母液の少なくとも一部を蒸留して、その留出液を前記(a)の捕集溶媒として循環させ、必要に応じて、(d)前記(c)の蒸留で得られた缶出液をアクリル酸二量体分解工程に供給し、その留出液を前記(c)の蒸留に供する方法。
また、本発明における前記気相接触酸化によって得られたアクリル酸含有ガスを製品化(捕集、精製)にあたり採用することができる方法として、前記1)、2)以外に、例えば、特公昭46−30493号公報等に開示されている、アクリル酸含有溶液から適当な溶剤を用いてアクリル酸を抽出した後、蒸留する方法;特開平9−227445号公報等に開示されている、高沸点溶剤で捕集したアクリル酸含有溶液から低沸点化合物を除去し、その後、蒸留塔で高沸点物質と低沸点物質を分離して塔中段から粗アクリル酸を抜き出し、これを結晶化に供する方法;特開平5−246941号公報等に開示されている、酢酸等の有機溶媒の水溶液で捕集したアクリル酸含有溶液を2種以上の共沸溶媒混合液で共沸脱水し、その後、高沸点物質を除去したのち精製する方法;特開2001−199931号公報等に開示されている、アクリル酸含有ガスを捕集する際に、共沸脱水工程から排出した回収液を用いるようにしてアクリル酸含有溶液を得、これを共沸脱水したのちに結晶化により精製する方法;特表2001−516736号公報等に開示されている、アクリル酸含有溶液を直接もしくは軽沸点物を除去したのちに結晶化により精製する方法;等が挙げられる。
本発明にかかるアクリル酸の製造方法で得られたアクリル酸は、例えば、引き続き隣接されたポリマー製造用プラントに供給することにより、各種アクリル系重合体の製造に効率よく利用することができる。例えば、本発明にかかるアクリル酸の製造方法で得られたアクリル酸もしくはその塩を使用して重合を行うことで、各種ポリアクリル酸を製造することができる。各種ポリアクリル酸とは、アクリル酸および/またはその塩を主成分(アクリル酸および/またはその塩が、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上)とする(共)重合体であって、具体的には、水溶液ポリアクリル酸(塩)、吸水性ポリアクリル酸(塩)(吸水性樹脂)が挙げられる。ここで、好適なポリアクリル酸は、好ましくは一価塩、より好ましくはアルカリ金属塩やアンモニウム塩等である。これらポリアクリル酸(塩)は、他の単量体と共重合させたものであってもよいし、例えば0.001〜5モル%程度の架橋剤で架橋させたものであってもよく、また、澱粉やポリビニルアルコールなどの他の親水性ポリマーにグラフト重合させたものであってもよい。
前記水溶液ポリアクリル酸(塩)とは、実質的に水に溶解する重合体を指し、熱重合や光重合によって製造され、増粘剤、パップ剤、土処理剤等に用いることができる。
前記吸水性ポリアクリル酸(塩)(吸水性樹脂)とは、水膨潤性水不溶性の架橋構造を有するポリアクリル酸(塩)であり、自重の3倍以上(好ましくは10〜1000倍)の純水ないしは生理食塩水を吸水して、実質的に水不溶性(水溶性成分が25質量%以下、より好ましくは10質量%以下)のヒドロゲルを生成するものを指す。前記吸水性樹脂のより詳しい例示や物性測定法などについては、米国特許第6107358号(特開平10−114801号公報、特開平11−43508号公報、特開平10−251530号公報、特開平10−57805号公報、特開平10−60014号公報)、米国特許第6174978号(特開平11−228604号公報)、米国特許第6241928号(特開2000−34305号公報、特開2000−17004号公報、特開2000−136203号公報)等に開示されている。なお、前記吸水性樹脂は、各種熱可塑性樹脂を使用して被覆することによりゲルブロックを低減させた被覆吸水性樹脂としてもよいし、アクリルアミド系モノマー等を共重合することにより耐塩性を向上させるようにしてもよい。また、必要に応じ、加熱や光等を用いた手段で表面架橋を施してもよい。
以下に、実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
(Mo−Bi系触媒の調製)
特開2000−325795号公報の実施例1の記載に従って、Mo−Bi系触媒(A1)を調製した。
(Mo−V系触媒の調製)
純水500mlを加熱撹拌しながら、この中にメタバナジン酸アンモニウム39gを溶解した。別に純水200mlを加熱攪拌しながら、この中に硝酸第二銅80gを溶解した。得られた2つの液を混合した後、攪拌しながら80℃の温度にて1時間保持し、Cu−V前駆体を調製した。
次に、純水2000mlを加熱撹拌しながら、この中にパラモリブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモニウム58gおよびパラタングステン酸アンモニウム45gを溶解した。得られた液に、予め調製したCu−V前駆体および三酸化アンチモン12gを混合した後、平均粒径が8mmのシリカ−アルミナからなる球状担体1200gを加え、撹拌しながら蒸発乾固して担体に付着させた後、400℃で6時間焼成して触媒(B1)を調製した。
触媒(B1)の酸素を除く金属元素の組成は次の通りであり、担持率は26質量%であった。
触媒(B1) Mo12CuSb0.5
さらに、触媒(B1)の調製において球状担体の平均粒径を5mmに変更した以外は触媒(B1)と同様の方法にて、触媒(B2)を調製した。
(酸化反応)
熱媒循環用ジャケットを備えた内径25mm、長さ3500mmの反応管2系列からなり、各反応管一つの端所が配管にて接続された第1反応器の反応ガス入口側から出口側に向かって、(1)触媒(A1)と希釈剤(セラミックボール)とを容量比で70:30に混合したもの、(2)触媒(A1)の順に、各充填層長が1000mm、2000mmになるように充填した。
第1反応器と配管にて接続され、第1反応器と同様の構造を有する第2反応器の反応ガス入口側から出口側に向かって、(1)触媒(B1)、(2)触媒(B2)の順に、各充填層長が800mm、2200mmになるように充填した。
第1反応器に、純度96容量%(他成分は主にプロパン)のプロピレンを218L(normal)/時間、温度25℃、相対湿度80容量%の空気を1997L(normal)/時間の割合で供給した。
この時、第2反応器出口圧0.15MPa(絶対圧)にて、プロピレン転化率が97.5±0.5モル%、アクロレイン収率が1±0.5モル%になるように、第1反応器、第2反応器それぞれの熱媒温度を調節しながら反応を継続した。
反応開始から100時間後の第2反応器の熱媒温度は265℃、アクリル酸収率は87.5モル%であった。
反応開始から4000時間後の第2反応器の熱媒温度は272℃、アクリル酸収率は87.3モル%であった。
〔比較例1〕
(Mo−V系触媒の調製)
実施例1において、メタバナジン酸アンモニウムの使用量を97gとし、予めCu−V前駆体を調製することなくCu−V前駆体に代えて、硝酸第二銅80gを純水200mlに溶解した硝酸銅水溶液を加えた以外は、実施例1と同様に行い、平均粒径が8mmのシリカ−アルミナ球状担体を用いて触媒(B3)を調製し、平均粒径が5mmのシリカ−アルミナ球状担体を用いて触媒(B4)を調製した。
(酸化反応)
実施例1において、触媒(B1)の代わりに触媒(B3)を用い、触媒(B2)の代わりに触媒(B4)を用いた以外は、実施例1と同様に酸化反応を行った。
反応開始から100時間後の第2反応器の熱媒温度は267℃、アクリル酸収率は87.1モル%であった。
反応開始から4000時間後の第2反応器の熱媒温度は276℃、アクリル酸収率は86.7モル%であった。
本発明にかかる製造方法は、アクリル酸の工業的な製造プロセスに好ましく適用することができる。

Claims (3)

  1. 固定床多管式反応器を用いてアクロレインを分子状酸素の存在下で気相接触酸化してアクリル酸を製造する方法において、
    前記気相接触酸化に用いるアクリル酸製造用触媒が、下記一般式(1)で表される触媒であって、該触媒を調製する際におけるA成分の供給源がバナジウムとの複合体である、複合酸化物触媒であり、かつ、
    MoaVbWcAdBeOx (1)
    (ここで、Moはモリブデン、Vはバナジウム、Wはタングステン、Aはコバルト、ニッケル、鉄、鉛、銅およびビスマスから選ばれる少なくとも一種の元素、Bはアンチモン、ニオブおよびスズから選ばれる少なくとも一種の元素、Oは酸素であり、a、b、c、d、eおよびxはそれぞれMo、V、W、A、BおよびOの原子比を表し、a=12の時、2≦b≦15、0<c≦10、0<d≦30、0≦e≦6であり、xはそれぞれの元素の酸化状態によって定まる数値である。)
    該複合酸化物触媒の前記固定床多管式反応器への充填が、該反応器の各反応管の内部を管軸方向に複数個の反応帯に分けて各反応帯に、占有容積の異なる触媒を、各反応管のガス入口側からガス出口側に向けて占有容積が小さくなるように充填する方法により行われている、
    ことを特徴とする、アクリル酸の製造方法。
  2. 前記固定床多管式反応器に供給する原料ガスが、高濃度プロピレンおよび酸素は含有するが実質的にスチームを含有しない混合ガスを、モリブデンおよびビスマスを必須成分とする複合酸化物触媒が充填された固定床多管式第1反応器に導入することにより製造されたアクロレイン含有ガスである、請求項1に記載のアクリル酸の製造方法。
  3. 前記混合ガスが、前記固定床多管式第1反応器内においては実質的に酸化反応しない飽和炭化水素をも含む、請求項2に記載のアクリル酸の製造方法。
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