JP2005119551A - ステアリングジョイントカバー - Google Patents

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Abstract

【課題】たとえどのような形状のトーボードであっても容易に取り付けることができ、安価で、外れたり、がたつきが生じることなく確実に固定する。
【解決手段】ステアリングジョイントカバー13は、ジョイント部4を挿通する開口孔26を有する板部14と、板部14から車室内側に向けて突出し、ジョイント部4を覆う突出部15とを有している。板部14は、弾性変形自在で、突出部15の両脇と板部14の下端には、開口孔10の周囲から立設されたスタッドボルト16,16,18を挿通するボス孔17,17,19が設けられている。ボス孔17,17,19は、内部に弾性変形自在なスタッドボルト16,16,18のねじ部に係合される爪部20が形成されている。トーボード9から立設されたスタッドボルト16,16とスタッドボルト18とは、トーボード9の曲面に沿って突出方向が異なっており、板部14を挟み込んで固定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車室内のステアリングコラムと車室外のステアリングギヤボックスとを連結するジョイント部を車室内側で覆うステアリングジョイントカバーに関する。
一般に、車室内のステアリングコラムと車室外のステアリングギヤボックスとを連結するジョイント部は、ステアリングギヤボックスへの異物の落下の防止、ジョイント部の回転に車室内のものが干渉することの防止、車室外から車室内への騒音進入の防止等を目的としてステアリングジョイントカバーで覆われている。
このようなステアリングジョイントカバーとして、例えば、特開平7−257403号公報では、トーボードのジョイント部を挿通する開口部の周辺を平らに形成し、この平らな面に複数のボルト・ナットを利用してステアリングジョイントカバーのフランジ部分を当接し固定する技術が開示されている。
特開平7−257403号公報
しかしながら、上述の特許文献1に開示される技術では、トーボードにステアリングジョイントカバーを取り付けるために、トーボードのジョイント部を挿通する開口部の周辺にステアリングジョイントカバーのフランジのための平らな面を形成しなければならず、トーボードの加工が複雑になるという問題がある。また、ボルト・ナットは、同一平面から全て同一方向に向けて立設されているため、ボルト・ナットの締め付けに緩みが生じた場合、ステアリングジョイントカバーに浮き上がり等のがたつきが生じたりしてしまう虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、たとえどのような形状のトーボードであっても容易に取り付けることができ、安価で、外れたり、がたつきが生じることなく確実に固定することができるステアリングジョイントカバーを提供することを目的とする。
本発明は、車室内のステアリングコラムと車室外のステアリングギヤボックスとを連結するジョイント部を車室内側で覆うステアリングジョイントカバーにおいて、上記ジョイント部を挿通自在な開口孔を有すると共に、トーボード側から少なくとも1つの突出方向が他の突出方向とは異なる複数の係合突起を立設して該複数の係合突起に対応する各係合部を係合させ固設する弾性変形自在な板部と、上記板部から車室内側に向けて突出し、上記ジョイント部を覆う突出部とを備えたことを特徴としている。
本発明によるステアリングジョイントカバーは、たとえどのような形状のトーボードであっても容易に取り付けることができ、安価で、外れたり、がたつきが生じることなく確実に固定することが可能となる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1〜図7は本発明の実施の形態を示し、図1はステアリングコラムからステアリングギヤボックスにかけての概略構成説明図、図2はステアリングジョイントカバーの正面図、図3はステアリングジョイントカバーの側面図、図4はステアリングジョイントカバーの背面図、図5はステアリングジョイントカバーの上面図、図6は図2のA−A断面図、図7はクラッチペダルとステアリングジョイントカバーの位置関係の説明図である。
図1において、符号1はステアリング装置を示し、このステアリング装置1のステアリングコラム2とステアリングギヤボックス3とはジョイント部4を介して連結されている。
ジョイント部4は、上下2つのユニバーサルジョイント5、6とジョイント軸7とを有して構成されている。上側のユニバーサルジョイント5と下側のユニバーサルジョイント6との間のジョイント軸7は車室内に臨まされ、下側のユニバーサルジョイント6は、ステアリングギヤボックス3より突出し、エンジンルームより車室内側へ延出されるピニオン軸8と連結されている。
すなわち、下側のユニバーサルジョイント6は、車室内と車室外とを隔てるトーボード9の開口孔10近傍に位置されており、トーボード9の開口孔10を筒状に前方に突出して形成した突出部11内に配設されている。
トーボード9の突出部11の前面側(車室外側)には、ステアリングギヤボックス3との間で下側のユニバーサルジョイント6からピニオン軸8を覆うステアリングホールカバー12が連結されている。
一方、トーボード9の突出部11の後端側(車室内側)には、図示しないインシュレータ、フロアマット等を介してステアリングジョイントカバー13が設けられている。
図2〜図5に示すように、ステアリングジョイントカバー13は、インシュレータ、フロアマット等を挟んで、フロアマットに接触しながら取り付けられて、ジョイント部4を挿通する開口孔26を有する板部14と、この板部14から車室内側に向けて突出し、ジョイント部4を覆う突出部15とを一体に成形して形成されている。
ステアリングジョイントカバー13は、特に板部14には、補強リブ等が設けられず、板部14での湾曲変形が許容できるようになっている。
また、ステアリングジョイントカバー13の材料としては、バンパー材(例えば、ポリプロピレンにゴム材を混入した材料)等を用いて積極的に弾性変形ができるものが用いられている。
ステアリングジョイントカバー13の板部14は、トーボード9の開口孔10を閉塞するように下方に広く形成されており、上方の突出部15の両脇には、トーボード9の開口孔10の周囲から立設されたスタッドボルト16,16を挿通するボス孔17,17が設けられている。
また、ステアリングジョイントカバー13の板部14の下端には、同じくトーボード9の開口孔10の周囲下端から立設されたスタッドボルト18を挿通するボス孔19が設けられている。
そして、ステアリングジョイントカバー13の板部14の3つのボス孔17,17,19には、それぞれ、図6に示すように、内部に弾性変形自在な爪部20が形成されており、これら爪部20は、内部に挿通された、トーボード9からのスタッドボルト16,16,18のねじ部に係合して、上側から嵌め込まれたステアリングジョイントカバー13の板部14が上に外れることを防止する構造となっている。尚、図6は、ボス孔19を代表として説明している。
トーボード9から立設されたスタッドボルト16,16とスタッドボルト18とは、トーボード9の曲面に沿って、その突出方向が異なっており、この突出方向の違いによってもステアリングジョイントカバー13の板部14を挟み込んで固定している。尚、図2〜図5中の一点破線は、それぞれのスタッドボルトの方向を示している。従って、たとえ、何れかの爪部20が何等かの原因により係止機能が失われたとしても、このスタッドボルト16,16,18の突出方向の違いによる挟持により、ステアリングジョイントカバー13の板部14ががたついたり、外れたりすることが防止されるように構成されている。
また、ステアリングジョイントカバー13の板部14は、上述したように、弾性変形自在なため、異なる突出方向のスタッドボルト16,16,18への係合が容易であり、これらスタッドボルト16,16,18へ係合しながらフロアマットに突き当てれば、確実にトーボード9の面に沿って取り付けることが可能になっている。
一方、ステアリングジョイントカバー13の突出部15は、2段(基端側突出部15aと先端側突出部15b)に形成されており、基端側突出部15aは、下側のユニバーサルジョイント6に対して一定のクリアランスを確保して形成されている。
また、先端側突出部15bは、基端側突出部15aからジョイント軸7の中途部に向けて次第に径が細くなるテーパ状に形成され、上端にものが引っ掛かることがなく上方からの異物の侵入の防止、車室内にあるものとジョイント軸7との接触の防止が図られるようになっている。
尚、基端側突出部15aと先端側突出部15bとの間の径の変化はできるだけ少ない方が引っ掛かりを防止する上で望ましく、基端側突出部15aと先端側突出部15bとの間に、図3中の破線で示すような、緩やかなRを形成しても良い。
基端側突出部15aと先端側突出部15bの前方側は、縦方向に分割開口部21が形成されており、また、基端側突出部15aの先端側から先端側突出部15bには複数(3本)の拡径スリット22が形成されて、基端側突出部15aと先端側突出部15bとを広げながら、横方向からジョイント軸7を覆うことが可能になっている。
また、基端側突出部15aの左側斜め上方には、斜面部23が形成されており、図7に示すように、クラッチペダル24を踏み込むドライバの靴と干渉しないようになっている。
以上のように本発明の実施の形態によれば、ステアリングジョイントカバー13の板部14は、弾性変形自在なため、異なる突出方向のスタッドボルト16,16,18への係合が容易であり、これらスタッドボルト16,16,18へ係合しながらフロアマットに突き当てれば、確実にトーボード9の面に沿って取り付けることが可能で取り付け作業性が良い。
また、ステアリングジョイントカバー13の板部14は、トーボード9の形状に合わせて取り付けることができるため、トーボード9の設計も、ステアリングジョイントカバー13の位置(従来の取り付け位置の平面出し等)を特に考慮することなく自由に設計できる。
更に、ステアリングジョイントカバー13の板部14は、トーボード9からのスタッドボルト16,16,18とボス孔17,17,19の係合のみならず、スタッドボルト16,16,18の突出方向の違いによっても挟持される。従って、たとえ、何れかの爪部20が何等かの原因により係止機能が失われたとしても、ステアリングジョイントカバー13の板部14ががたついたり、外れたりすることが防止される。
また、ステアリングジョイントカバー13の板部14は、インシュレータ、フロアマット等を介して固定されるため、ステアリングジョイントカバー13の板部14の取付により、これらの部品の固定もできる。
また、基端側突出部15aと先端側突出部15bの前方側は、縦方向に分割開口部21が形成されており、また、基端側突出部15aの先端側から先端側突出部15bには複数(3本)の拡径スリット22が形成されて、基端側突出部15aと先端側突出部15bとを広げながら、横方向からジョイント軸7を覆うことが可能になっているため、ステアリングジョイントカバー13の組み付け作業性が良い。
更に、横方向からジョイント軸7を覆うことができるので、ジョイント部4を先端側突出部15bの上端孔から挿通する必要がない。従って、ジョイント部4の先端側突出部15bをユニバーサルジョイント5、6の大きさを考慮した太径に形成する必要がなく、小型、軽量にでき、安価となる。
また、基端側突出部15aと先端側突出部15bとでジョイント部4の必要な部位を上端にものが引っ掛かることがなく上方からの異物の侵入の防止、車室内にあるものとジョイント軸7との接触の防止を確実に図りながら覆い、且つ、ステアリングジョイントカバー13の小型化が実現できるため、ドライバの足部分のスペースを広く確保することができ、運転し易く、室内居住性能に優れた車両を実現できる。
更に、基端側突出部15aと先端側突出部15bの長さは、ジョイント部4を覆うのに最小限の長さで形成して軽量、小型であるため、上方を特に固定する必要が無く、部品点数の低減と、作業工程の削減を図ることができる。
尚、ステアリングジョイントカバー13の板部14の弾性を確保するため、特に一部分だけ肉厚が薄い部分を設定して剛性の低い部分を作り、弾性変形を促進するようにしても良い。
ステアリングコラムからステアリングギヤボックスにかけての概略構成説明図 ステアリングジョイントカバーの正面図 ステアリングジョイントカバーの側面図 ステアリングジョイントカバーの背面図 ステアリングジョイントカバーの上面図 図2のA−A断面図 クラッチペダルとステアリングジョイントカバーの位置関係の説明図
符号の説明
1 ステアリング装置
2 ステアリングコラム
3 ステアリングギヤボックス
4 ジョイント部
5 ユニバーサルジョイント
6 ユニバーサルジョイント
7 ジョイント軸
8 ピニオン軸
9 トーボード
13 ステアリングジョイントカバー
14 板部
15 突出部
15a 基端側突出部
15b 先端側突出部
16 スタッドボルト
17 ボス孔
18 スタッドボルト
19 ボス孔
20 爪部
21 分割開口部
22 拡径スリット
23 斜面部
26 開口孔
代理人 弁理士 伊 藤 進

Claims (2)

  1. 車室内のステアリングコラムと車室外のステアリングギヤボックスとを連結するジョイント部を車室内側で覆うステアリングジョイントカバーにおいて、
    上記ジョイント部を挿通自在な開口孔を有すると共に、トーボード側から少なくとも1つの突出方向が他の突出方向とは異なる複数の係合突起を立設して該複数の係合突起に対応する各係合部を係合させ固設する弾性変形自在な板部と、
    上記板部から車室内側に向けて突出し、上記ジョイント部を覆う突出部と、
    を備えたことを特徴とするステアリングジョイントカバー。
  2. 上記係合突起はスタッドボルトとし、上記板部の係合部は該スタッドボルトのねじ部に係合するボスに形成した孔内に設けた弾性変形自在な爪部としたことを特徴とする請求項1記載のステアリングジョイントカバー。
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