JP2005119087A - 塩化ビニル系樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂成形体の製造方法 Download PDF

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Norifumi Osako
憲史 大迫
Yuuki Ujie
勇貴 氏江
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】 本発明は、塩化ビニル系樹脂の優れた性質を低下することなく、外観に優れた
塩化ビニル系樹脂成形体を成形安定性よく安価に製造することのできる製造方法を提供す
る。
【解決手段】 押出機で塩化ビニル系樹脂を溶融押出成形する際に、ガスボンベから、ベ
ント注入口を通って押出機に、窒素ガスを0.1〜4MPaの注入圧力で、好ましくは0
.3〜3MPaの注入圧力で、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し0.05〜1.0重
量部、好ましくは0.07〜0.5重量部注入し、溶融した塩化ビニル系樹脂に外部滑剤
的な作用を与えて成形安定性よく押出成形することを特徴とする塩化ビニル系樹脂成形体
の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、塩化ビニル系樹脂成形体の製造方法に関し、特に押出機による塩化ビニル系
樹脂成形体の製造方法に関する。
従来から塩化ビニル系樹脂成形体は、機械的強度、耐候性、耐薬品性等において優れた
性質を有しており、他のプラスチック材料と比較しても安価であることから建築部材、管
工機材、住宅資材等に幅広く用いられている。
塩化ビニル系樹脂を成形加工する一般的な方法の一つとして押出成形があり、大量生産
するために、長期の成形安定性が求められているが、金型出口からの塩化ビニル系樹脂の
吐出バランスが変化して加工製品の寸法精度が低下して成形不良品が発生したり、塩化ビ
ニル系樹脂が成形ラインの途中で詰まってしまい成形トラブルが発生する等の問題があっ
た。
上記の吐出バランスの変化や成形ラインの目詰まり等の流れ変動を引き起こす原因とし
ては、ビルドアップ等の金型流路表面への付着、熱分解による塩化ビニル系樹脂の流れ特
性変化、成形条件(樹脂温度、金型温度、押出量)の変動等を挙げることができ、これら
の問題を解決するため、塩化ビニル系樹脂には、各種配合剤が配合されている。
ビルドアップの付着を防止する塩化ビニル系樹脂組成物としては、例えば、塩化ビニル
系樹脂に、(a)鉛白、塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜燐酸鉛、二塩基性
フタル酸鉛、三塩基性マレイン酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛及びステアリン酸鉛からな
る群より選ばれる1以上の鉛化合物、(b)塩基性亜硫酸亜燐酸鉛及び(c)金属石鹸が
配合されてなることを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物が提案されている(例えば、特
許文献1参照。)。
特開平10−298383号公報
又、熱分解による流れ特性変化を防止する塩化ビニル系樹脂組成物としては、例えば、
塩化ビニル系樹脂に素練り促進剤及び珪酸鉛を含有せしめてなる塩化ビニル系樹脂組成物
が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平10−219058号公報
更に、成形条件の変動を防止する塩化ビニル系樹脂組成物としては、例えば、塩化ビニ
ル系樹脂100重量部に、分子量が1,500〜3,000、酸価0.5〜3mKOHg
/gの酸化ポリエチレンワックス0.1〜1重量部と、分子量が1,000〜5,000
、酸価10〜30mKOHg/gの酸化ポリエチレンワックス0.3〜2重量部と、エス
テル系ワックス0.1〜1重量部とを配合してなる、JISK7199に準拠して、測定
温度190℃かつ剪断速度50〜300s-1の領域で測定した、その溶融粘度特性カーブ
(見かけ粘度)が、その溶融粘度特性カーブを下記式(1)で近似したときに、この式(
1)中のBの値が−0.4〜0となるものであることを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成
物、
Y=A・XB (1)
[式(1)中、Yは粘度(Pa・s)、Xは剪断速度(s-1)、Aは剪断速度が1s-1
ときの粘度、Bは剪断速度変化に対する粘度変化の度合いを表す係数をそれぞれ示す。]
が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開2001−279041号公報
しかし、雨樋、デッキ材、プラスチックサッシ等の異型押出成形においては、金型内で
の樹脂の流れが複雑であり、成形条件(樹脂温度、金型温度、押出量)の変化により流動
バランスが大きく変動し、樹脂の偏流や目詰まり等の成形トラブルが発生するので、成形
加工時の溶融樹脂と押出機の金属面との滑り効果を向上させるために、外部滑剤が添加さ
れているが、添加量が少ないと滑り効果を向上せず、得られた成形体の外観が悪くなり、
多くなると長期間押出をした際にビルドアップが発生したり、耐熱性が低下するという欠
点があり、又、コストが高くなるという欠点があった。
一方、上記各問題点を改良する押出装置としては、例えば、難成形材料に対して超臨界
流体を注入して溶融・混練・混合するための溶融・混練・混合装置(E1 )と、前記溶融
・混練・混合装置から吐出された溶融難成形材料より含浸された超臨界流体をガス化させ
て除去するためのベント口を有するタンク(11)と、前記タンクにより超臨界流体が除
去された溶融難成形材料を押出成形するための押出成形機(E2 )とを備えた超臨界流体
を利用した混練・混合押出成形装置であって、前記溶融・混練・混合装置は、上流側から
下流側へ順次、輸送部、溶融部、混練・混合部および排出部を備え、前記混練・混合部に
対応する部位に超臨界流体注入口(7)を有するとともに前記混練・混合部の上流側に逆
流防止手段(6)を有する二軸スクリュ式押出機(1)と、前記排出部に吸込側が接続さ
れたギヤポンプ(5)と、一端が前記ギヤポンプの吐出側に接続されているとともに他端
が前記タンクの上方部に接続された吐出管路(8)と、前記吐出管路に介在された前記ギ
ヤポンプの吐出圧力を制御するための圧力調整弁(9)とを備えたことを特徴とする超臨
界流体を利用した混練・混合押出成形装置が提案されている(例えば、特許文献4参照。
)。
特開2002−273777号公報
上記混練・混合押出成形装置は、超臨界流体を利用した物であるが、超臨界流体を樹脂
に十分含浸させるために高圧制御ができる特殊な装置を必要とするため、高価であり、従
来の押出機を使用できず新しく設備投資が必要となってしまうという問題があった。
本発明の目的は、上記の問題点に鑑み、塩化ビニル系樹脂の優れた性質を低下すること
なく、外観に優れた塩化ビニル系樹脂成形体を成形安定性よく安価に製造することのでき
る製造方法を提供することにある。
本発明の塩化ビニル系樹脂成形体の製造方法は、押出機で塩化ビニル系樹脂を押出成形
する際に、押出機に窒素ガスを0.1〜4MPaの注入圧力で、塩化ビニル系樹脂100
重量部に対し0.05〜1.0重量部注入することを特徴とする。
本発明で使用される塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル単独重合体または塩化ビニルを主
成分(50重量%以上)とし、塩化ビニルモノマーと共重合可能なモノマーや重合体との
共重合体、及びこれらの後塩素化物が挙げられる。これらは単独で用いられても良く、2
種類以上併用して用いても良い。
上記塩化ビニルモノマーと共重合可能なモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピ
レン、ブチレン等のα−オレフィン類;プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;エチ
ルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;メチル(メタ)アクリ
レート、ブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メ
タ)アクリレート類;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;フッ化ビニル
、フッ化ビニリデン、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類;N−フェニルマレイミド
、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類等が挙げられる。これらのそ
の他の共重合性モノマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い
又、上記塩化ビニルモノマーと共重合可能な重合体としては、例えば、アルキル(メタ
)アクリレートモノマーなどからなるアクリル系共重合体等が挙げられ、これらのその他
の共重合性重合体は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
尚、ここで言う(メタ)アクリレートとはアクリレート又はメタクリレートを意味する
塩化ビニルモノマーと、上記その他の共重合性モノマーや重合体とを併用する場合、そ
の他の共重合性モノマーや重合体の使用量は、塩化ビニル系樹脂に付与したい性能や目的
に応じて適宜設定されれば良く、特に限定されるものではない。
上記塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、特に限定されないが、小さくなると機械的物性
が低下し、大きくなると熱流動性が低下し、成形しにくくなるので、一般に400〜12
00が好ましく、より好ましくは500〜1000である。
尚、上記平均重合度とは、塩化ビニル単独重合体や塩化ビニル系共重合体をテトラヒド
ロフラン(THF)に溶解させ、濾過により不溶成分を除去した後、濾液中のTHFを乾
燥除去して得た樹脂を試料とし、JIS K−6721「塩化ビニル樹脂試験方法」に準
拠して測定した平均重合度を意味する
又、塩化ビニル系樹脂の塩素含有率も特に限定されないが、小さいと難燃性が不十分に
なり、大きいと熱成形性が低下するので、塩素含有量は60〜72重量%が好ましく、よ
り好ましくは64〜70重量%である。
本発明の塩化ビニル系樹脂には、必要に応じて、塩化ビニル系樹脂成形体の製造の際に
一般に使用されている熱安定剤、安定化助剤、滑剤、加工助剤、衝撃改良剤、酸化防止剤
、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、充填剤、可塑剤、帯電防止剤等の配合剤が添加されて
もよい。
上記熱安定剤としては、塩化ビニル系樹脂成形体の製造の際に一般に使用されている熱
安定剤であれば特に限定されず、例えば、ステアリン酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、三塩基
性硫酸鉛等の鉛系安定剤、カルシウム−亜鉛系安定剤、バリウム−亜鉛系安定剤、バリウ
ム−カドミウム系安定剤、ジアルキル錫マレート、ジアルキル錫ビス(モノアルキルマレ
ート)、ジブチル錫マレートポリマー、ジアルキル錫ラウレート、ジアルキル錫メルカプ
ト、ジアルキル錫ビス(メルカプト脂肪酸エステル)、ジアルキル錫サルファイド、ジオ
クチル錫マレートポリマー等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併
用してもよい。
上記安定化助剤としては、塩化ビニル系樹脂成形体の製造の際に一般に使用されている
安定化助剤であれば特に限定されず、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ豆油
、エポキシ化テトラヒドロフタレート、エポキシ化ポリブタジエン、リン酸エステル等が
挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記滑剤としては、内部滑剤、外部滑剤等が挙げられる。
上記内部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂の流動粘度を下げ、摩擦発熱を防止する目的で
使用される。上記内部滑剤としては、塩化ビニル系樹脂成形体の製造の際に一般に使用さ
れている内部滑剤であれば特に限定されず、例えば、ブチルステアレート、ラウリルアル
コール、ステアリルステアレート、エポキシ化大豆油、グリセリンモノステアレート、ス
テアリン酸、ビスアミド等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。
上記外部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂と金属面との滑り効果を上げる目的で使用され
る。上記外部滑剤としては、塩化ビニル系樹脂成形体の製造の際に一般に使用されている
外部滑剤であれば特に限定されず、例えば、モンタン酸ワックス、パラフィンワックス、
ポリオレフィンワックス、酸化ポリオレフィンワックス、エステル系ワックス等が挙げら
れる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記加工助剤としては、塩化ビニル系樹脂成形体の製造の際に一般に使用されている加
工助剤であれば特に限定されず、例えば、重量平均分子量3万〜500万のアルキルアク
リレート−アルキルメタクリレート共重合体、アルキルアクリレート−アルキルメタクリ
レート−スチレン共重合体等のアクリル系加工助剤が挙げられ、具体例としては、n−ブ
チルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体、2−エチルヘキシルアクリレート−
メチルメタクリレート−ブチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。これらは単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記衝撃改質剤としては、塩化ビニル系樹脂成形体の製造の際に一般に使用されている
衝撃改質剤であれば特に限定されず、例えば、メチルメタクリレート−ブタジエンースチ
レン共重合体(MBS樹脂)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。
上記酸化防止剤としては、塩化ビニル系樹脂成形体の製造の際に一般に使用されている
酸化防止剤であれば特に限定されず、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデ
シル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
−m−トリル) プロピオネート]等のフェノール系抗酸化剤、硫黄系抗酸化剤、ホスファ
イト系抗酸化剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
上記光安定剤としては、塩化ビニル系樹脂成形体の製造の際に一般に使用されている光
安定剤であれば特に限定されず、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)セバケート、デカン二酸(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキ
シ)−4−ピペリジニル) エステルと1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオク
タンの反応生成物等のヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。これらは単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。
上記紫外線吸収剤としては、塩化ビニル系樹脂成形体の製造の際に一般に使用されてい
る紫外線吸収剤であれば特に限定されず、例えば、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノ
ン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤が挙げられる。こ
れらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記顔料としては、塩化ビニル系樹脂成形体の製造の際に一般に使用されている顔料で
あれば特に限定されず、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染料レーキ系等
の有機顔料、酸化物系、クロム酸モリブデン系、硫化物・セレン化物系、フェロシアン化
物系等の無機顔料等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用しても
よい。
上記充填剤としては、塩化ビニル系樹脂成形体の製造の際に一般に使用されている充填
剤であれば特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニ
ウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、タルク、マイカ、クレー、
フライアッシュ等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
上記可塑剤としては、塩化ビニル系樹脂成形体の製造の際に一般に使用されている充填
剤であれば特に限定されず、例えば、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタ
レート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
上記帯電防止剤としては、塩化ビニル系樹脂成形体の製造の際に一般に使用されている
帯電防止剤であれば特に限定されず、例えば、カチオン系帯電防止剤、非イオン系帯電防
止剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の塩化ビニル系樹脂成形体の製造方法においては、上記塩化ビニル系樹脂を押出
機で押出成形する際に、押出機に窒素ガスを0.1〜4MPaの注入圧力で、塩化ビニル
系樹脂100重量部に対し0.05〜1.0重量部注入することを特徴とする。
上記窒素ガスの注入圧力は、小さくなると押出機に均一に注入できず、大きくなると塩
化ビニル系樹脂が発泡して得られた成形体の外観が悪くなるので0.1〜4MPaであり
、好ましくは0.3〜3MPaである。
上記窒素ガスの注入量は、少なくなると塩化ビニル系樹脂の滑りを向上させる効果が低
下し、得られた成形体の外観が悪くなり、多くなるとガス抜けが発生して成形安定性が低
下し、得られた成形体の外観が悪くなるので0.05〜1.0重量部であり、好ましくは
0.07〜0.5重量部である。
窒素ガスが、塩化ビニル系樹脂を押出成形する際に、外部滑剤的に働くことの証明は、
塩化ビニル系樹脂の溶融粘度特性(見かけ粘度)は、粘性流動成分と滑りによる流動成分
から構成されているので、窒素ガスにより、どちらの成分が変化するかを検討すればよい
上記粘性流動成分と滑りによる流動成分の測定方法としては、例えば、塩化ビニル系樹
脂を厚さの異なるスリットを有する金型から溶融押出し、押出時の溶融粘度特性から滑り
速度を算出する方法がある(例えば、非特許文献1参照。)。
岡本純一、石橋亮、「スリットダイを用いた硬質塩化ビニルの流動特性」日本レオロジー学会誌、1992年、Vol.20、178−183、
本発明の塩化ビニル系樹脂成形体の製造方法の構成は上述の通りであり、押出機で塩化
ビニル系樹脂を押出成形する際に、押出機に窒素ガスを0.1〜4MPaの注入圧力で、
塩化ビニル系樹脂100重量部に対し0.05〜1.0重量部注入するのであるから窒素
ガスは、塩化ビニル系樹脂溶融体に外部滑剤的な作用をし、少量の外部滑剤を添加するだ
けで、成形安定性が優れ、塩化ビニル系樹脂の優れた性質を低下することなく、外観に優
れた塩化ビニル系樹脂成形体が安価に得られる。従って、建築部材、管工機材、住宅資材
等の製造方法として好適に使用される。
次に、本発明の塩化ビニル系樹脂成形体の製造方法を図面を参照して説明する。図1は
塩化ビニル系樹脂成形体の製造方法で使用する押出装置の一例を示す説明図である。
図中1は押出機であり、バレル11内に周動可能にスクリュウ12が設置され、バレル
11の後方端部付近に塩化ビニル系樹脂を供給するためのホッパー13が設置され、バレ
ル11の中間部にベント注入口14が設置されている。
ベント注入口14は、配管41により、ニードルバルブ43及び減圧弁42を介して窒
素ガスボンベ4に接続されている。窒素ガスボンベ4中の窒素ガスは、ニードルバルブ4
3及び減圧弁42により圧力を調整してバレル11内に供給するようになされている。又
、ベント注入口14は逆止弁構造になっており、バレル11内に注入された窒素ガスが配
管41に戻らないようになされている。
図中2は金型であり、バレル11の吐出口に接続されており、金型2には冷却装置3が
接続され、金型2で成形された成形体が冷却されるようになされている。バレル11及び
金型2には温度制御装置が設置され、所定温度に制御できるようになされてる。
塩化ビニル系樹脂成形体を製造するには、ホッパー13からバレル11内に塩化ビニル
樹脂を供給し、加熱すると共にスクリュウ12で混練し、溶融した塩化ビニル系樹脂にベ
ント注入口14から窒素ガスを供給し、更に、混練して金型3から押出賦形し、冷却装置
3で冷却固化する。
尚、ベント注入口14から供給された窒素ガスが抜けないように、バレル11の上流側
は粉体シ−ルされているのが好ましく、下流側は溶融した塩化ビニル系樹脂でシールでき
るように設定しておくのが好ましい。又、窒素ガスががホッパー13から抜けないように
、スクリュウ12は逆方向フライト構造を有しているのが好ましい。
以下に、実施例および比較例を示すことにより、本発明を具体的に説明する。尚、本発
明は下記実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
塩化ビニル樹脂(平均重合度:1, 000 徳山積水工業社製、商品名「TS−100
0R」)100重量部、ジオクチル錫メルカプト(三共有機合成社製、商品名「ONZ−
142F」)3.0重量部、酸化ポリエチレンワックス(三井化学社製、商品名「Hiw
ax220MP」)0.5重量部、アクリル系加工助剤(三菱レイヨン社製、商品名「メ
タブレンP−530A」)2.0重量部、エステル系ワックス(コグニスジャパン社製、
商品名「VPN963」)0.7重量部、炭酸カルシウム(白石工業社製、商品名「白艶
華CCR」)3重量部及び顔料0.5重量部をヘンシェルミキサーに供給し混合して塩化
ビニル系樹脂組成物を得た。
得られた塩化ビニル系樹脂組成物を、図1に示した2軸押出機(プラスチック工学研究
所製、商品名「BT−50」)に供給し、押出機出口での塩化ビニル系樹脂組成物(樹脂
溶融体)温度が187℃になるようバレル温度を調整した後、窒素ガスをボンベから注入
圧力4MPaで112g/hour(塩化ビニル系樹脂組成物100重量部に対し0.7
重量部)供給し、スクリュ回転数32rpm、押出量16kg/hourで、押出機に取
り付けた異クリアランス金型から押出成形を行った(成形条件1 )。
尚、異クリアランス金型は、幅40mm、クリアランスが2.2mm、2.0mm及び
1.8mmの3種類の異なる吐出口を有していた。
各クリアランス毎の樹脂の吐出量を測定し、全体の吐出量に占める割合を算出して表1
に示した。又、金型の各クリアランスの金型出口から30mmの位置に取り付けた樹脂圧
力計で樹脂圧力を測定した。
続いて、押出機出口での樹脂温度はそのままで、窒素ガスをボンベから注入圧力4MP
aで108g/hour(塩化ビニル系樹脂組成物100重量部に対し0.9重量部)供
給し、スクリュ回転数32rpm、押出量を12kg/hourとなるよう設定して同様
に押出成形を行った(成形条件2 )。
各クリアランス毎の樹脂の吐出量を測定し、全体の吐出量に占める割合を算出して表1
に示した。又、金型の各クリアランスの金型出口から30mmの位置に取り付けた樹脂圧
力計で樹脂圧力を測定した。
得られた、各クリアランスからの吐出量と樹脂圧力から、以下の方法で滑り速度と粘性
流動成分のせん断粘度を算出した。
各押出量での見かけのせん断速度を下記式(1)に従い計算した。
γa=6Q/WH2 (1)
γa:見かけのせん断速度
Q:体積流量
W:スリット幅
H:スリット厚み
又、金型出口での圧力を0kgf/cm2 として、測定した樹脂圧力から下記式(2)
に従いせん断応力を算出した。
τa=ΔPH/2L (2)
τa:壁でのせん断応力
ΔP:2 点間の壁圧力差
L:2 点間の距離
H:スリット厚み
上記見かけのせん断速度及びせん断応力を両対数グラフにプロットし、それぞれの対数
値を最小2乗法で1次直線に近似した。
このようにして得られた、各厚みのスリットでの1次近似直線から、せん断応力が一定
の時のせん断速度をスリットの厚みの逆数に対してプロットした。そして、この時得られ
た直線の傾きが6 ×(滑り速度)であり、Y軸との切片(Hが無限大の時のせん断速度)
が滑りのない粘性流動成分のせん断速度となる。このようにして得られた線図より、せん
断応力の代表値0.5、1.0、2.0及び3.0(Pa/105 )における滑り速度の
値を読み取り、表1に示した。
又,せん断粘度を粘性流動成分のせん断速度に対してプロットした溶融粘度特性カーブ
を下記式(3)で近似したときに、この式(3)中のBの値を読み取り、表1に示した。
Y=A・XB (3)
Y:せん断粘度(Pa・s)
X:せん断速度(s-1
A:せん断速度が1s-1のときのせん断粘度
B:せん断速度変化に対する粘度変化の度合いを表す係数
(比較例1)
窒素ガスを供給しない以外は実施例1で行ったと同様にして塩化ビニル系樹脂組成物を
異クリアランス金型から押出成形を行い、各クリアランス毎の樹脂の吐出量と樹脂圧力を
測定し、滑り速度とBの値を読み取って表1に示した。
Figure 2005119087
表1から明らかなように、窒素ガスの注入により金型の流動バランスはほとんど変化し
ないが、滑り速度は、窒素ガスによって約7倍増加している。しかし、粘性流動成分のせ
ん断速度変化の度合いを表すBは殆ど変化していないことから、窒素ガスが外部滑剤的に
作用し、滑り性を塩化ビニル系樹脂溶融体に付与していることがわかる。
(実施例2〜5、比較例2〜5))
表2に示した所定量の塩化ビニル樹脂(平均重合度:1, 000 徳山積水工業社製、
商品名「TS−1000R」)、ジオクチル錫メルカプト(三共有機合成社製、商品名「
ONZ−142F」)、酸化ポリエチレンワックス(三井化学社製、商品名「Hiwax
220MP」)、アクリル系加工助剤(三菱レイヨン社製、商品名「メタブレンP−53
0A」)、エステル系ワックス(コグニスジャパン社製、商品名「VPN963」)、炭
酸カルシウム(白石工業社製、商品名「白艶華CCR」)及び顔料をヘンシェルミキサー
に供給し混合して塩化ビニル系樹脂組成物を得た。
得られた塩化ビニル系樹脂組成物を、図1に示した2軸押出機(プラスチック工学研究
所製、商品名「BT−50」)に供給し、押出機出口での塩化ビニル系樹脂組成物(樹脂
溶融体)温度が187℃になるようバレル温度を調整した後、窒素ガスをボンベから表2
に示した所定の注入圧力で所定量注入し、スクリュ回転数32rpm、押出量15kg/
hourで、押出機に取り付けた角樋用金型から押出成形を行った。尚、押出機のバレル
先端の樹脂圧力を測定し、表2に示した。
得られた角樋の引張強度、発泡倍率、外観を測定し、結果を表2に示した。又、押出時
の金型出口における樹脂の流動状態を観察し、結果を表2に示した。引張強度及び発泡倍
率の測定方法並びに外観及び流動状態の評価方法は下記の通りである。
(1)引張強度
得られた角樋から切り出したサンプルをダンベル形状に切削し、JIS K7113に
準拠して測定した。
(2)発泡倍率
得られた角樋から切り出したサンプルの比重を水置換式比重計で測定し、下記式によっ
てサンプルの発泡倍率を算出した。
発泡倍率=ガスを注入しない場合の成形体の比重/ガスを注入した場合の成形体の比重
(3)外観
目視により、得られた角樋を観察し、やけや発泡のないものを○とし、やけ及び発泡の
あるものはその状態を示した。
(4)流動状態および成形体外観
目視により、金型出口からの流動状態を観察し、偏流のないものを○とし、偏流のある
ものを×とした。
Figure 2005119087
表2から明らかなように、実施例2〜5の場合、外部滑剤(高分子複合エステル)を減
量した塩化ビニル系樹脂組成物においても、窒素ガスを注入することにより、外部滑剤が
多く添加された比較例2と同様に樹脂圧力が小さく、金型出口からの流動状態がよく、機
械的強度が優れ、外観に優れた塩化ビニル系樹脂成形体を得ることができる。
比較例3及び4の場合は、外部滑剤が減量されているために、樹脂圧力が上昇し、金型
出口からの流動状態における偏流が発生し、成形体表面にやけが生じることがわかる。又
、比較例5のように、窒素ガスの注入圧力が高くなり、注入量が多くなると、成形体が発
泡してしまうため、物性の低下や外観が発泡してしまうことがわかる。
本発明の塩化ビニル系樹脂成形体の製造方法で使用する押出装置の一例を示す説明図である。
符号の説明
1 押出機
11 バレル
12 スクリュウ
13 ホッパー
14 ベント注入口
2 金型
3 冷却装置
4 ガスボンベ
41 配管
42 減圧弁
43 ニードルバルブ

Claims (1)

  1. 押出機で塩化ビニル系樹脂を押出成形する際に、押出機に窒素ガスを0.1〜4MPa
    の注入圧力で、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し0.05〜1.0重量部注入するこ
    とを特徴とする塩化ビニル系樹脂成形体の製造方法。
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