JP5637789B2 - セルロース強化樹脂組成物 - Google Patents
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Description
本仮出願は、2004年3月15日付け出願の米国仮出願第60/553,432号と2004年6月30日付け出願の米国仮出願第60/584,546号(これらの仮出願を参照により本明細書に含める)に関連しており、これらの仮出願の優先権を請求する。
本発明は、強化樹脂含有組成物、このような組成物の製造において使用するための潤滑組成物、このような組成物から製造される成形品、およびこのような成形品の製造法に関する。
押出適性)、カレンダー適性、およびモールド成形適性(moldability)、ならびに成形可能な組成物から製造される成形品の機械的特性と外観特性は相互に関係しており、組成物が変わることによる、これらの関連特性に及ぼす全ての影響の組み合わせは、簡単には予測できない。
(a) 少なくとも1種の熱可塑性樹脂;
(b) 少なくとも1種の強化材;および
(c) 少なくとも1種のエステルワックス;
を含む。
(a) (i) 塑性流動を受けることを特徴とする少なくとも1種の樹脂;
(ii) 少なくとも1種の強化材;
(iii) エステルワックスを含む潤滑剤、および好ましくはさらに酸化ポリエチレン
とステアリン酸亜鉛;ならびに
(iv) 必要に応じた他の添加剤;
を含んだ成形可能な組成物を得ること;および
(b) 前記成形可能な組成物を、好ましくは前記成形可能な組成物を剪断応力にさらすことによって、そして好ましくは前記成形可能な組成物を、射出成形機のノズル、カレンダーロールのニップ、または押出機のダイに強制的に通すことによって成形して、成形品を形成させること;
を含む、成形組成物(shaped compositions)を製造する方法を含む。
(a) 1つ以上の比較的硬い金属表面を有する成形用部品(a shaping part)を得ること;
(b) (i) 塑性流動を受けることができることを特徴とする少なくとも1種の樹脂;
(ii) エステルワックスと酸化ポリエチレンを含んだ潤滑組成物;および
(iii) 必要に応じた他の添加剤;
を含む組成物を得ること;ならびに
(c) 前記組成物と前記1つ以上の比較的硬い金属表面とを、組成物の少なくとも1つの物理的特性、組成物の形状、またはこれらのいずれか2つ以上を変えるのに有効な条件下にて充分に接触させること;
を含む、樹脂性成形品(好ましくはPVCシート)を製造する方法を提供する。
特定の用語についての下記の定義は、本発明の組成物および本発明の組成物から製造される押出品に関する。
本発明は、1つの態様においては、PVC樹脂、強化材、およびエステルワックスを含んだ押出品の製造に関する。本発明のこの態様による押出品は、同等の組み込み量の強化材を含んでいて、エステルワックスが実質的に存在しない押出品と同等以上の外観特性と機械的特性を有しており、少なくとも1つの特性が優れているのが好ましい。本発明に潜在的に関連した外観特性は、押出品の寸法安定性、表面粗さ、および表面光沢を含む。向上させることができる、潜在的に関連した機械的特性は、押出品の固有の曲げ強度と引張強度、ならびに押出品の見かけの弾性係数と破壊係数を含む。
本発明は、1つの態様においては、好ましくは、エステルワックス(好ましくは、本発明の潤滑組成物の成分としての)、樹脂(好ましくはPVC樹脂)、および多くの実施態様においては強化材を含んだ押出可能な組成物から成形品を製造する方法に関する。本明細書に詳細に説明されているように、本発明の組成物は、組成物から製造される押出品の機械的特性の向上だけでなく、押出可能な組成物の押出適性特性(extrudability properties)の1つ以上、および押出品の外観特性の向上をもたらす。本発明による向上は、実質的に同等の重量%の潤滑剤を含有するものの、本発明の組成物の必須成分の1種以上が実質的に存在しない押出可能な組成物と比較して、標準的な条件下で測定するのが好ましい。このような記載での押出可能な組成物を、ここでは便宜上、比較上の押出可能な組成物と呼ぶ。幾つかの好ましい方法においては、本発明の成形品は、比較上の押出可能な組成物から製造される成形品が有する機械的特性より優れた機械的特性を有し、本発明の成形品が製造される押出可能な組成物は、少なくとも実質的には、比較上の押出可能な組成物と同等であるような、そして好ましくは比較上の押出可能な組成物より優れた押出適性特性を有するのが好ましい。幾つかの好ましい実施態様においては、本発明の成形品は、比較上の押出可能な組成物から製造される押出品と少なくとも同じ機械的特性を有しており、本発明の成形品が製造される押出可能な組成物の押出適性特性の少なくとも1つが、比較上の押出可能な組成物の押出適性特性より優れている。
本発明は、押出可能な組成物、押出可能な組成物の配合において有用な添加組成物、および本発明の押出可能な組成物から作製される押出組成物(成形品を含む)を提供する。
本発明の押出可能な組成物は、樹脂、強化材、エステルワックスと酸化ポリエチレンワックトとの組み合わせ物、およびステアリン酸亜鉛を含む。特定の実施態様においては、組成物は、追加の熱安定剤(たとえばステアリン酸カルシウム)や追加の潤滑剤(たとえばパラフィンワックス)を必要に応じて含んでよい。エステルワックスと酸化ポリエチレンワックスとの組み合わせ物、ステアリン酸亜鉛成分、および必要に応じた他の成分(たとえば、ステアリン酸カルシウムやパラフィンワックス)は、別個の組成物として作製することができる。押出可能な組成物に個々の成分として加えられようと、別個の組成物として作製して、押出可能な組成物に成分の混合物として加えられようと、本明細書で便宜上、これらの成分を“潤滑組成物(lubricant composition)”と呼ぶことがある。樹脂、強化材、および潤滑組成物のほかに、本発明の好ましい押出可能な組成物は、押出可能な組成物において同一もしくは類似の機能の幾つかを果たすことがある他の成分を含めた他の添加剤〔たとえば、他の潤滑成分、耐衝撃性改良剤、充填剤(たとえば炭酸カルシウム)、熱安定剤(たとえば、ローム&ハース社から市販のTM281(登録商標)等の錫ベースの安定剤)、加工助剤(たとえばアクリルコポリマー)、結合剤、着色剤、ならびに他の物質、たとえば、「Handbook of Plastic Materials and Technology,Ed.I.Rubin,Wiley-Interscience,John Wiley & Sons,Inc.New York,1990」に記載の物資や「Plastics Additives and Modifires Handbook.Ed.J.Edenbaum,Van Nostrand Reinhold,New York 1992,Chapter 3」に記載の物質(これら2つの文献を参照により本明細書に含める)〕を必要に応じて含んでよい。
本発明の押出可能な組成物は、熱可塑性を示すか、またはそうでなければ押出可能であるような熱可塑性樹脂を含んでよい。したがって、ポリカーボネート、ABSプラスチック、およびハイ・エンジニアリングプラスチック(high engineering plastics)等の樹脂を使用することができると考えられる。しかしながら一般には、本発明の樹脂は、ビニルベースの樹脂〔すなわち、ビニル基(CH2=CH)を出発構造単位として共有する、ホモポリマー、コポリマー、およびターポリマー等を含めた1種以上のポリマー〕を含むのが、そして好ましくは、本質的にこのようなビニルベース樹脂からなるのが好ましい。好ましいのはポリ塩化ビニル(PVC)であり、とりわけバルクPVCの懸濁液、分散液、またはエマルジョンが好ましく、バルクPVC樹脂の懸濁液が特に好ましい。好ましい実施態様においては、本発明のPVC樹脂は、約50〜約70(さらに好ましくは約55〜約65)のフィレンチャーK値(Filentscher K-value)を有する。
本発明の押出可能な組成物および前記組成物から製造される押出品は、主として樹脂(本明細書に詳細に説明されている)を含み、好ましい実施態様においては、実質的に均一に分散された強化材(便宜上“強化剤”とも呼ぶことがある)が混合されている。言うまでもないが、強化剤は、さまざまな形状を有してよい(たとえば、繊維、チップ、および粒状物)。さまざまな強化材(たとえば、ガラス繊維、タルク、およびアラミド繊維等)を組み込むことができるけれども、強化材はセルロース材料(便宜上“セルロース強化成分”と呼ぶことがある)を含むのが好ましい。適切なセルロース強化成分の例としては、のこ屑、木材チップ、木粉、バイサル(bisal)、麻繊維、および亜麻繊維などがある。市販されているセルロース系強化繊維は、たとえばアメリカン・ウッド・ファイバー社(American Wood Fiber Co.)からの、60メッシュのサザン・イエロー・パイン(southern yellow pine)である。
潤滑組成物
本発明の押出可能な組成物に使用するための、および本発明の添加組成物の製造において使用するための好ましい潤滑組成物は、(i)エステルワックス;(ii)酸化ポリエチレンワックス;および好ましくは(iii)ステアリン酸亜鉛;を含む。幾つかの好ましい潤滑組成物においては、ステアリン酸カルシウム成分とパラフィンワックス成分も組み込まれている。
本発明の潤滑組成物と押出可能な組成物に使用するのに適したエステルワックスの例としては、単官能の脂肪酸(たとえばステアリン酸)もしくは他の単官能の親油性有機酸の存在下にて、二官能カルボン酸もしくは多官能カルボン酸(たとえばアジピン酸)と二官能もしくは多官能アルコール(たとえばペンタエリスリトール)との縮合によって製造することができるポリマー化合物がある。上記の反応物はいずれも市販品である。
酸化ポリエチレンポリマー(以後、酸化ポリエチレンまたはOPEと呼ぶ)は、長年にわたって表面活性物質として知られている。これらの物質は一般に、オレフィンポリマー(たとえばポリエチレン)または“ポリエチレンワックス”オレフィンコポリマー(たとえば、ポリエチレン/ポリブタジエンやポリエチレン/ポリメタクリル酸)から、酸素官能価(oxygen functionality)(たとえば、カルボニル官能基の形の)がポリマー中に導入されて、これによって疎水性がより低くなるように、ポリマーまたはコポリマーを酸化処理することによって製造される。多くの出版物〔たとえば、Deckersらによる米国特許第6,060,565号、Hettcheらによる米国特許第4,459,388号、Bushらによる米国特許第3,322,711号、およびBauumによる米国特許第3,234,197号(これら特許の開示内容を参照により本明細書に含める)〕に、これらの物質の製造法と種々の用途が記載されている。
本発明の潤滑組成物に使用するためには、最も有用な酸化ポリエチレン物質は、以下のような特性を有する:(i)140℃にて約200cps(センチポイズ)〜150℃にて約85,000cpsの範囲のブルックフィールド粘度;および(ii)物質1g当たり約5mgKOH〜物質1g当たり約19gKOHの範囲の、ASTM D-1386、305-OR-1、またはTMP-QCL-006にしたがって測定される酸価。酸価ポリエチレンワックス成分が、少なくとも150℃にて6000cpsのブルックフィールド粘度、およびワックス1g当たり20mgKOH以下の酸価を有するのがさらに好ましい。OPE成分が、150℃にて約8,500cps〜約85,000cpsのブルックフィールド粘度、および物質1g当たり約7mgKOH〜物質1g当たり約20mgKOHの酸価(ASTM D638およびD6109にしたがって測定)を有するのがさらに好ましい。この範囲内である市販の物質は、AC316酸化ポリエチレンとAC307酸化ポリエチレンであり、どちらもハネウェル社から入手することができる。
本発明の潤滑組成物に使用するのに適したステアリン酸亜鉛は、“ステアリン酸”として一般的に認識されている脂肪酸の亜鉛塩(市販されている)のいずれかを表わしている。ここで言うステアリン酸亜鉛は、本質的にオクタデカン酸亜鉛からなる高純度の塩だけでなく、該物質が製造される脂肪酸源のある範囲の脂肪酸亜鉛塩成分を含んだ食品用グレードと工業用グレードの塩も含む。これらのバリエーションは、当業者にはよく知られている。一般に、押出可能な組成物における熱安定剤として使用するのに許容可能なグレードと純度を有するいかなるステアリン酸亜鉛も、本発明の組成物中に使用することができる。適切なステアリン酸亜鉛の例としては、ノラック社(NORAC)から市販のCOAD(登録商標)ステアリン酸亜鉛がある。
本発明の潤滑組成物のパラフィンワックス成分(存在する場合)は、十分な分子量を有する直鎖脂肪族炭化水素と分岐鎖脂肪族炭化水素との混合物を含む。このような炭化水素は一般に、約60℃未満の温度にて固体物質であり、100℃にて5センチストークスより高い粘度を有する。周知のように、パラフィンワックスは炭化水素潤滑剤と呼ばれることもある。押出可能な組成物に使用するのに適したパラフィンワックスが、「Handbook of Plastic Materials and Technology,Ed.I.Rubin,Wiley-Interscience,John Wiley & Sons,Inc.New York,1990」(該文献を参照により本明細書に含める)に記載されている。
本発明の組成物に使用するための適切なステアリン酸カルシウム(存在する場合)は、予備形成された塩の形態であっても、あるいは潤滑組成物の調製時において、ステアリン酸を含有する組成物成分の混合物をカルシウム塩基(a calcium base)で処理することによって、その場で形成させてもよい。たとえば、遊離のステアリン酸を酸化カルシウムで中和してカルシウム塩を形成させる。
(a)約1重量%〜約10重量%のパラフィンワックス;
(b)約10重量%〜約60重量%のエステルワックス;
(c)約5重量%〜約30重量%の酸化ポリエチレンワックス;
(d)約5重量%〜約25重量%のステアリン酸カルシウム;および
(e)約1重量%〜約25重量%のステアリン酸亜鉛;
を含む。言うまでもないが、これらの好ましい範囲をはずれた値の成分も公知の原則にしたがって使用することができ、本発明の範囲内に含まれる。
前述したように、本発明の押出可能な組成物はさらに、熱安定化特性を有する添加剤、ならびに内部潤滑特性や外部潤滑特性を有する添加剤を含めて、押出可能な組成物中に一般的に組み込まれる他の添加剤(好ましくは、前述したようなPVC樹脂)を含んでよい。ここでは、潤滑化特性と熱安定化特性を有する本発明の潤滑組成物と区別するために、これらの添加剤を“補足添加剤(supplemental)”と呼ぶ。したがって、使用する潤滑組成物の量と潤滑組成物を構成する成分の量は、組成物中の補足潤滑剤や安定剤等の量に応じて、公知の原則にしたがって調整することができる。
本発明の潤滑組成物は、固体、半固体、もしくは液体物質と、他の固体、他の半固体、もしくは他の液体物質とをブレンドするいかなる公知の方法によっても製造することができる。
重量部当たり約0.5重量部(PHR)〜約6重量部(PHR)の上記潤滑組成物を加えることによって押出可能な組成物に供給され、約1PHR〜約5.5PHRの潤滑組成物を押出可能な組成物に加えるのが好ましく、約2.0PHR〜約5.0PHRの潤滑組成物を押出可能な組成物に加えるのが最も好ましい。公知の原則にしたがって、また押出可能な組成物の所望の特性、および押出可能な組成物中に存在してよい補足添加剤を考慮して、より多くの量またはより少ない量も使用することができる。たとえば、本発明の潤滑組成物が加えられる押出可能な組成物は、他の内部潤滑剤や外部潤滑剤をさらに含んでよい。したがって、潤滑組成物の使用量は、他の潤滑成分の組み込みまたは除外に応じて、より多い量またはより少ない量に調整される。
(a) 100重量%の1種以上の押出可能な樹脂、PVC樹脂を含むのが好ましく、実質的にPVC樹脂からなるのがさらに好ましい;
(b) 約0.1PHR〜約5.0PHRの、さらに好ましくは約0.1PHR〜約3.5PHRの、そしてさらに好ましくは約0.1PHR〜約2.0PHRのエステルワックス;
(c) 約0.05PHR〜約1.4PHRの、さらに好ましくは約0.05PHR〜約1.4PHRの、そしてさらに好ましくは約0.05PHR〜約0.6PHRの酸化ポリエチレンワックス;
(d) 約0.1PHR〜約0.6PHRの、さらに好ましくは約0.1PHR〜約0.5PHRの、そしてさらに好ましくは約0.1PHR〜約0.4PHRのステアリン酸亜鉛;
(e) 必要に応じて約0.4PHR〜約2PHRの、そしてさらに好ましくは約0.6PHR〜約1.0PHRのパラフィンワックス;
(f) 必要に応じて約0.3PHR〜約2.0PHRの、好ましくは約0.4PHR〜約1.5PHRの、そしてさらに好ましくは約0.5PHR〜約1.0PHRのステアリン酸カルシウム;
(g) 必要に応じて約0.4PHR〜約1.6PHRの、好ましくは約0.5PHR〜約1.5PHRの、そしてさらに好ましくは約0.6PHR〜約1.4PHRの1種以上の錫安定剤;
(h) 必要に応じて最大約10PHRまでの、好ましくは約0.5PHR〜約7.0PHRの、そしてさらに好ましくは約0.5PHR〜約5.0PHRの1種以上の加工助剤;
(i) 必要に応じて最大約15PHRまでの、好ましくは最大約10PHRまでの、そしてさらに好ましくは最大約7PHRまでの1種以上の改質剤;
(j) 必要に応じて最大約15PHRまでの、好ましくは約1PHR〜約10PHRの、そしてさらに好ましくは約2PHR〜約7PHRの炭酸カルシウム;および
(k) 必要に応じて最大約1PHRまでの、好ましくは最大約0.5PHRまでの、そしてさらに好ましくは最大約0.1PHRまでの1種以上のポリエチレンワックスホモポリマー;
を含み、このとき強化材が、組成物の約20重量%〜約70重量%を構成し、好ましくは組成物の約30重量%〜約60重量%を構成し、さらに好ましくは組成物の約30重量%〜約50重量%を構成し、そしてさらに好ましくは組成物の約40重量%〜約50重量%を構成し、強化材が、セルロース強化材を含むのが好ましく、実質的にセルロース強化材からなるのがさらに好ましく、狭い範囲のメッシュサイズから選択される木粉であるのがさらに好ましい。
(a) 100重量部の1種以上のPVC樹脂成分;
(b) (i) 約50重量%〜約80重量%のエステルワックス;
(ii) 約5重量%〜約50重量%の酸化ポリエチレンワックス;
(iii) 約1重量%〜約20重量%のステアリン酸亜鉛;
(iv) 必要に応じて約10重量%〜約20重量%のステアリン酸カルシウム;および
(v) 必要に応じて約3重量%〜約7重量%のパラフィンワックス;
を含んだ約0.5PHR〜約6.0PHRの、さらに好ましくは約1.0PHR〜約5.5PHRの、さらに好ましくは約2.0PHR〜約5.0PHRの潤滑組成物;
(c) 最大約15PHRまでの、好ましくは約1PHR〜約10PHRの、そしてさらに好ましくは約2PHR〜約7PHRの炭酸カルシウム;
(d) 約0.4PHR〜約1.6PHRの、好ましくは約0.5PHR〜約1.5PHRの、そしてさらに好ましくは約0.6PHR〜約1.4PHRの1種以上の錫安定剤;
(e) 最大約10PHRまでの、好ましくは約0.5PHR〜約7.0PHRの、そしてさらに好ましくは約0.5PHR〜約5.0PHRの1種以上の加工助剤;
(f) 最大約15PHRまでの、好ましくは最大約10PHRまでの、そしてさらに好ましくは最大約7PHRまでの1種以上の改質剤;
(g) 約0.3PHR〜約2.0PHRの、好ましくは約0.4PHR〜約1.5PHRの、そしてさらに好ましくは約0.5PHR〜約1.0PHRのステアリン酸カルシウム;および
(h) 最大約1PHRまでの、好ましくは最大約0.5PHRまでの、そしてさらに好ましくは最大約0.1PHRまでの1種以上のポリエチレンワックスホモポリマー成分;
を含み、このとき強化材が、組成物の約20重量%〜約70重量%を構成し、好ましくは組成物の約30重量%〜約60重量%を構成し、さらに好ましくは組成物の約30重量%〜約50重量%を構成し、そしてさらに好ましくは組成物の約40重量%〜約50重量%を構成し、強化材が、セルロース強化材を含むのが好ましく、実質的にセルロース強化材からなるのがさらに好ましく、狭い範囲のメッシュサイズから選択される木粉であるのがさらに好ましい。
本発明の潤滑組成物に種々の補足成分、強化用成分、および樹脂成分を加えて、押出可能な樹脂組成物を得ることができる。これらの潤滑組成物は、現行の押出可能な樹脂組成物(たとえばPVC組成物)と組み合わせて、組成物から製造される押出品に改良された押出適性特性と改良された物理的・機械的特性をもたらすことができる潤滑添加剤として使用することができる。本発明の潤滑組成物を加えて本発明の押出可能な組成物を得ることができる、PVCを含有するセルロース強化の押出可能な組成物の例が、Zehnerによる米国特許第6,248,813号と第6,103,791号(これらの特許を参照により本明細書に含める)に記載されている。
押出可能な組成物に関して前述したように、本発明の添加組成物は、固体、半固体、または液体物質と、他の固体、半固体、または液体物質とを混合するためのいかなる公知の方法によっても製造することができる。こうした方法としては、混和性物質の混合物(たとえば、単一の相を形成する2種以上の成分の混合物)に対して使用される方法があるが、これに限定されない。さらに、2種以上の不混和性もしくはある程度不混和性のドメイン分離領域(domain-separated regions)を有する密な相互貫入構造物を形成するよう、相分離した物質をブレンドするのに使用される方法もある。さらに、周知のように、2成分間の反応が、組成物の成分をその場で生成させるように行われる実施態様(たとえば、金属石けん潤滑剤の供給)を除いて、添加組成物の種々の成分は、いかなる順序でもブレンドすることができ、こうしたことも本発明の範囲内に含まれる。
本発明の潤滑組成物を含んだ押出可能な組成物から製造される押出品に付与される機械的特性の向上が、本発明の潤滑剤が存在している押出可能な組成物中にアミドワックスが含まれている場合は、少なくともある程度は打ち消されることがある、ということを本発明者らは驚くべきことに見出した。
下記の表1に示す成分を、樹脂100重量部当たりの重量部(PHR)にて含有する、セルロース強化したPVC樹脂を含有する押出可能な組成物を製造した。表1には、比較例A(ビスアミドワックス成分を含有し、ステアリン酸亜鉛を実質的に含有しない押出可能な組成物)と比較例B(PVC樹脂の潤滑用に市販されている特許潤滑組成物を含有する押出可能な組成物)が記載されている。表1にはさらに、本発明の潤滑組成物を含有する押出可能な組成物(実施例1)も記載されている。
上記にて製造したそれぞれの押出可能な組成物(実施例1および比較例AとBの組成物)のアリコートから押出品を製造した。それぞれの押出可能な組成物に対し、組成物のアリコートを、0.3インチ×1.3インチの公称寸法を有する長方形プロフィールのダイを取り付けた28mmのパラレル二軸スクリューラボ押出機中に入れた。押出機を一定の条件下で操作し、それぞれの押出可能な組成物から長方形プロフィールの押出品を形成させた。押出品を水のスプレーによって冷却し、3フィートの長さに切断して機械的試験に供した。
本発明の添加潤滑組成物は、表3に示す量の成分を、それほど強力ではないミキシングブレードとスチーム加熱ジャケットを装備した容器中に入れ、ミキサーのミキシングブレードを作動させながら、成分を110℃より高い温度に加熱することによって製造される。これらの添加潤滑組成物を、PVC樹脂と木材強化材とを含んだ押出可能な組成物に、許容されうる押出適性特性をもたらすような量にて加えると、こうした組成物から製造される押出品は改良された機械的特性を有する、ということが見出されるであろう。
Claims (20)
- 押出可能な組成物であって、
(a) ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂;
(b) セルロースを基材とする強化材;および
(c) 潤滑組成物であって、前記潤滑組成物の総重量に基づいて50%〜70%のエステルワックス、10%〜30%の酸化ポリエチレンワックス、及び1%〜10%のステアリン酸亜鉛を含む潤滑組成物;
を含む組成物。 - 請求項1に記載の押出可能な組成物であって、エステルワックスがPVC樹脂100重量部当たり0.1重量部〜5.0重量部の量で存在する組成物。
- 請求項1に記載の押出可能な組成物であって、前記セルロースを基材とする強化材がセルロース強化材である組成物。
- 請求項1に記載の押出可能な組成物であって、前記潤滑組成物が、破壊係数と見かけの弾性係数の両方の増大をもたらす組成物。
- 請求項1に記載の押出可能な組成物であって、前記セルロースを基材とする強化材が組成物の30重量%〜60重量%の量にて存在し、残部が、
(a) 100重量部のPVC樹脂;
(b) 樹脂100重量部当たり0.1重量部〜5.0重量部のエステルワックス;
(c) 樹脂100重量部当たり0.05重量部〜1.4重量部の酸化ポリエチレン;および
(d) 樹脂100重量部当たり0.1重量部〜0.6重量部のステアリン酸亜鉛;
を含んだ可塑性組成物である組成物。 - 請求項5に記載の押出可能な組成物であって、樹脂100重量部当たり0.5重量部〜1.5重量部のパラフィンワックスと0.3重量部〜2.0重量部のステアリン酸カルシウムをさらに含む組成物。
- 請求項1に記載の押出可能な組成物であって、アミドワックスを含まないことをさらに特徴とする組成物。
- 請求項1に記載の押出可能な組成物であって、前記酸化ポリエチレンが、7mgKOH/g〜20mgKOH/gの酸価と150℃にて8,500cP〜85,000cPの粘度を有する酸化ポリエチレンを含む組成物。
- 請求項1に記載の押出可能な組成物であって、酸化ポリエチレン成分が、10mgKOH/g〜20mgKOH/gの酸価と140℃にて200cps〜1,000cpsの粘度を有する組成物。
- 請求項1に記載の押出可能な組成物であって、エステルワックスが、10mgKOH/g〜14mgKOH/gの酸価と116℃(240°F)にて50cStの粘度を有する組成物。
- 請求項1に記載の押出可能な組成物を得ること、および前記組成物を押出すことを含む、押出品の製造法。
- a. (a)ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂;(b)少なくとも1種のセルロースを基材とする強化材;(c)潤滑組成物であって、前記潤滑組成物の総重量に基づいて50%〜70%のエステルワックス、10%〜30%の酸化ポリエチレンワックス、及び1%〜10%のステアリン酸亜鉛を含む潤滑組成物;を含む成形可能な組成物を得ること;ならびに
b. 前記成形可能な組成物を成形すること;
を含む、成形可能な物品の製造法。 - 請求項12に記載の製造法であって、前記成形可能な組成物が、アミドワックスを含有しないことをさらに特徴とする製造法。
- 請求項12に記載の製造法であって、前記セルロースを基材とする強化材がセルロース強化材を含む製造法。
- 請求項1に記載の押出可能な組成物から製造される製品。
- PVC樹脂、
セルロースを基材とする強化材、および
潤滑組成物であって、
a. 50重量%〜70重量%のエステルワックス;
b. 10重量%〜30重量%の酸化ポリエチレンワックス;および
c. 1重量%〜10重量%のステアリン酸亜鉛;
を前記潤滑組成物の総重量に基づいて含み、アミドワックスを含まず、(i)前記潤滑組成物の総重量に基づいて1重量%〜10重量%のパラフィンワックス;および(ii)前記潤滑組成物の総重量に基づいて5重量%〜25重量%のステアリン酸カルシウム;を追加的に含む潤滑組成物
を含んだ成形可能な組成物であって、
前記潤滑組成物が、成形可能な組成物中に、前記潤滑組成物が存在しない成形可能な組成物から製造される成形品と比較して、前記組成物から製造される成形品において、破壊係数、見かけの弾性係数、引張強度、および曲げ強度からなる群から選択される、ASTM D6109−97e1またはASTM D4761−02aにしたがって測定される機械的特性の1つ以上に有利な増大がもたらされる量にて存在する組成物。 - 木粉を含んだ強化材と、
(a) 100重量部のPVC樹脂;
(b) 樹脂100重量部当たり1.0重量部〜5.5重量部の、請求項1に記載の潤滑組成物;
(c) 樹脂100重量部当たり1重量部〜10重量部の炭酸カルシウム;
(d) 樹脂100重量部当たり0.5重量部〜1.5重量部のスズ安定剤;および
(e) 樹脂100重量部当たり0.5重量部〜5.0重量部の、少なくとも1種の加工助剤;
を含んだ可塑性組成物とのブレンド物を含み、
強化材が組成物中に、組成物の20重量%〜60重量%の量にて存在する、押出可能な組成物。 - (a) ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂;
(b) セルロースを基材とする強化材;および
(c) 潤滑組成物であって、前記潤滑組成物の総重量に基づいて50%〜70%のエステルワックス、10%〜30%の酸化ポリエチレンワックス、及び1%〜10%のステアリン酸亜鉛を含む潤滑組成物;
を含み、ASTM D6109−03による測定にて、少なくとも780,000psiの見かけの弾性係数を有することをさらに特徴とする物品。 - 請求項18に記載の物品であって、押出によって製造される物品。
- 請求項18に記載の物品であって、ASTM D6109−03による測定にて少なくとも7,000psiの破壊係数を有することをさらに特徴とする物品。
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