JP2005118957A - ホーニング加工工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 マシニングセンタにおいて、工具交換を行うことなく2種類の砥石を使用してホーニング加工の荒仕上げ及び精密仕上げを行うことを可能とさせる。
【解決手段】 ホーニング加工工具10は、主軸に装着される工具本体13と、その周方向に互いに離間して設けられ半径方向に進退可能となっている2種類の砥石39、40と、各砥石を保持する砥石ホルダ37、38と、回転軸線方向において互いに逆向きに傾斜した第1のテーパ面29a及び第2のテーパ面29bを有し且つ工具本体13内を回転軸線方向に移動する移動体29とを備える。移動体29が外部から工具本体13に供給されるクーラントの流体圧によって回転軸線方向に移動したときに、第1及び第2のテーパ面の何れかが一方の種類の砥石を保持する砥石ホルダと係合して、当該一方の種類の砥石を工具本体13から半径方向に選択的に突出せしめ、円筒ボア内面に接触させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、工作機械の主軸に装着され、ワークに形成された円筒ボア内面を加工するホーニング加工工具に関する。
ホーニング加工は、精密中ぐり盤や内面研削盤などにより加工されたワークの円筒ボア内面の真円度を向上させるために行われる。ホーニング加工に用いるホーニング加工工具は、工具の外周部に複数の角形棒状の細粒砥石を保持しており、砥石とワークの円筒ボア内面とを面接触又は線接触状態に保ちながら二次元的な運動を与えられることにより加工を行う。このようなホーニング加工は、大別して、バネ又は油圧によって一定圧力で砥石をワーク内面に接触させながら加工を行う定圧ホーニングと、一定の速度で砥石を工具の半径方向外側に送りながら加工を行う定速ホーニングとに分けられる。
従来、ホーニング加工を行うときには、予めマシニングセンタなどの工作機械を用いてワークに円筒ボア等の下穴を形成した後、前処理加工済みのワークを専用機であるホーニング盤等に再度取り付けてホーニング加工を行うことが一般的であった。このため、一連の加工に複数種類の工作機械が必要とされており、マシニングセンタを用いてホーニング加工を行うことが所望されていた。
この要望に応える第1の従来技術として、特許文献1に開示されるホーニングヘッドが挙げられる。これは、工作機械の主軸に装着されるホーニング加工工具であって、スルースピンドル方式で供給される冷却液をホーニングヘッドの拡径用流体通路に供給することにより、流体の圧力でヘッド本体内においてその軸線方向に押圧軸体を移動させ、押圧軸体の外周面に形成されたテーパ部と砥石保持具のテーパ部との摺接により砥石保持具に保持される砥石を拡径させてワークの円筒ボア内面に接触させ、ホーニング加工を行うものである。したがって、このホーニングヘッドは一般的なスルースピンドル方式で加工液を工具に供給するマシニングセンタにおいて使用可能であり、定圧ホーニングに向いている。
また、上記要望に応える第2の従来技術として、特許文献2に開示される数値制御ホーニング装置もある。この装置で用いられるホーニングユニットは、連結軸と、連結軸に係合するナットと、ナットと連接して軸方向に移動するくさび形の径方向制御軸とを備え、径方向制御軸の軸方向への移動によって径方向制御軸の斜面に摺接配置された径方向に移動可能な砥石ホルダの外面に取り付けられた砥石を径方向に移動させるようにしたものである。そして、マシニングセンタとして、主軸内のドローバーの貫通孔内に設けられた制御軸と、制御軸に数値制御によって主軸と相対的な回転を与えるホーニングユニット制御機構とを備えるマシニングセンタを使用し、主軸に上記ホーニングユニットを装着したときに制御軸が連結軸と係合させ、制御軸によって連結軸に回転を与えて砥石を径方向に移動させるようにしている。したがって、この数値制御ホーニング装置は、機械的に砥石を径方向に移動させるので、定速ホーニングに向いている。
特開平2−106267号公報 特開平8−216015号公報
ホーニング加工では、砥石の目詰まりや摩耗などを考慮して、荒仕上げ用の荒い砥石から精密仕上げ用の細かい砥石へ砥石を交換しながら段階的に加工を行うことが一般的である。このため、異なる粗さの砥石を有したホーニング工具を準備する必要があると共に、工具交換が原因で加工時間を長くさせているという問題があった。
また、上記従来技術1及び2の装置は、マシニングセンタでホーニング加工を行えるようにし、マシニングセンタからホーニング盤へのワークの移動など段取り作業を省略させ、加工効率を向上させている。しかしながら、上記従来技術1及び2で使用されるホーニングヘッド及びホーニングユニットはいずれも一種類の砥石しか使用していないので、砥石の目詰まりや摩耗を起こしやすく、これを回避させるためには、工具交換が必要となる。このため、同様に、異なる粗さの砥石を有したホーニング工具を準備する必要があると共に、工具交換が原因で加工時間を長くさせているという問題があった。
本発明は前述の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、マシニングセンタにおいて、工具交換を行うことなく2種類の砥石を使用してホーニング加工の荒仕上げ及び精密仕上げを行うことを可能とさせるホーニング加工工具を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、工作機械の主軸に設けられた1つの流体供給口から供給される流体を用いて2種類の砥石の切り換えを行うことを可能にすることにある。
前述の目的を達成するため、工作機械の主軸に装着され、ワークに形成された円筒ボア内面を加工するホーニング加工工具において、前記工作機械の主軸に装着され回転軸線周りに回転する工具本体と、該工具本体の周方向に互いに離間して設けられ前記工具本体の半径方向に進退可能となっている2種類の砥石と、各砥石を保持する砥石ホルダと、前記回転軸線方向において互いに逆向きに傾斜した第1のテーパ面及び第2のテーパ面を有し且つ前記工具本体内を前記回転軸線方向に移動する移動体とを備え、前記移動体が前記工作機械を通して前記工具本体に供給される流体の流体圧によって前記中心軸線方向に移動したときに、前記第1のテーパ面と前記第2のテーパ面の何れかが一方の種類の砥石を保持する砥石ホルダと係合して該砥石ホルダに保持される砥石を前記工具本体から半径方向に選択的に突出せしめ、前記円筒ボア内面に接触させるホーニング加工工具が提供される。
工作機械から供給される流体の流体圧によって中心軸線方向に駆動される移動体が回転軸線方向において互いに逆向きに傾斜した第1のテーパ面と第2のテーパ面を有し、第1のテーパ面、第2のテーパ面にそれぞれ異なる種類の砥石を保持する砥石ホルダが対応付けられている。したがって、一方のテーパ面に係合する砥石ホルダに保持された砥石が工具本体から半径方向外方へ突出するとき、他方のテーパ面に係合する砥石ホルダに保持された砥石は半径方向内方へ工具本体内に後退する。したがって、例えば工作機械の主軸に設けられた一つの流体供給ポートから供給される流体を利用して、工具本体に設けられた2種類の砥石を工具本体から半径方向に選択的に突出させ、2種類の砥石の切り換えを行うことが可能となる。
なお、本願における「テーパ面」とは、工具本体の軸線に対して傾斜している面を意味し、円錐台の傾斜面、くさび形状体の傾斜面などを含むものとする。
また、前記工具本体内に形成されたピストン室内にピストンを移動可能に設けて該ピストン室を第1の空間と第2の空間とに隔て、供給路切換手段を用いて、前記工作機械を通して供給される流体を前記第1の空間又は前記第2の空間へ選択的に供給して前記ピストンを駆動し、前記移動体を前記ピストンと連動させて移動させるホーニング加工工具が提供される。例えば、このような構造をとることにより、工作機械側の流体供給源からの流体供給を停止させることなく、工具本体内で回転軸線方向にピストンを駆動することが可能となる。工作機械から供給される流体を加工領域(すなわち、砥石で円筒ボア内面を加工している領域)に噴射する加工液としても使用する場合、工作機械からの流体の供給を停止すると加工領域への加工液の噴射も停止してしまうので、工作機械からの流体供給を停止させることなく砥石の切り換えを行い得ることが有効となる。
また、前記供給路切換手段が前記工作機械から供給される加圧空気によってスプールを移動させるスプール弁であるホーニング加工工具が提供される。マシニングセンタの主軸頭などには、加圧空気を工具に供給する空気供給ポートを備えたものも多く、この加圧空気を利用して作動するスプール弁を供給路切換手段として使用することが可能である。
さらに、工作機械の主軸に装着され、ワークに形成された円筒ボア内面を加工するホーニング加工工具において、前記工作機械の主軸に装着され回転軸線周りに回転する工具本体と、該工具本体の周方向に互いに離間して設けられ前記工具本体の半径方向に進退可能となっている2種類の砥石と、各砥石を保持する砥石ホルダと、前記回転軸線方向に傾斜したテーパ面を有し且つ前記工具本体内を前記軸線方向に選択的に駆動される第1の移動体及び第2の移動体とを備え、前記第1の移動体が前記工作機械に設けられたアクチュエータによって前記回転軸線方向に機械的に駆動され、前記第2の移動体が前記工作機械を通して前記工具本体に供給された流体の流体圧によって前記回転軸線方向に駆動され、前記第1の移動体が前記回転軸線方向に駆動されたときに、前記第1の移動体のテーパ面が一方の種類の砥石を保持する砥石ホルダと係合して、この砥石ホルダにより保持された砥石を半径方向に円筒ボア内面に向かって移動させ、前記第2の移動体が前記中心軸線方向に駆動されたときに、前記第2の移動体のテーパ面が他方の種類の砥石を保持する砥石ホルダと係合して、この砥石ホルダにより保持された砥石を半径方向に前記円筒ボア内面に押し付けるホーニング加工工具が提供される。
工具本体内に回転軸線方向に第1の移動体及び第2の移動体が設けられており、第1の移動体のテーパ面、第2の移動体のテーパ面にそれぞれ異なる種類の砥石を保持する砥石ホルダが対応付けられている。そして、第1の移動体は工作機械の主軸頭などに設けられたアクチュエータによって回転軸線方向に機械的に駆動され、第2の移動体は工作機械から供給される流体の流体圧によって回転軸線方向に駆動されるので、第1の移動体及び第2の移動体が選択的に駆動され、駆動された移動体のテーパ面と係合する砥石ホルダに保持された砥石を選択的に工具本体から半径方向外方に移動させることができる。したがって、例えば工作機械の主軸に設けられた一つの流体供給ポートから供給される流体と、例えば工作機械の主軸頭に設けられたアクチュエータから機械的に付与される駆動力とを利用して、工具本体に設けられた2種類の砥石を工具本体から半径方向に選択的に突出させ、2種類の砥石の切り換えを行うことが可能となる。
また、荒仕上げ用砥石が前記第1の移動体に係合する砥石ホルダに保持され、精密仕上げ用砥石が前記第2の移動体に係合する砥石ホルダに保持されるホーニング加工工具が提供される。第2の移動体は流体圧によって駆動されるので、それによって駆動される砥石ホルダに保持された砥石は圧力を制御しながら円筒ボア内面に押し付けられ得る。したがって、第2の移動体のテーパ面に係合する砥石ホルダに精密仕上げ用砥石が保持されていれば、精密仕上げ加工の際に精密仕上げに適した定圧ホーニングを行うことが可能となり、良好な仕上げ面を得ることができる。
マシニングセンタには、主軸を通すスルースピンドル方式や主軸を通さないスルーホルダ方式で工具にクーラントを供給するタイプのものがある。また、マシニングセンタには、主軸頭などにU軸モータを備えるものも市販されている。本願発明では、このように工作機械から供給されるクーラントの流体圧や工作機械に設けられたU軸モータなどのアクチュエータから機械的に伝達された駆動力を利用して、工具本体に設けられた砥石を工具本体に対して進退させている。したがって、本発明のホーニング加工工具を使用すれば、ホーニング盤を用いることなくマシニングセンタにおいてホーニング加工を行うことが可能となる。
また、本発明のホーニング加工工具は2種類の砥石を備え、2種類の砥石を選択的に使用することができるので、ホーニング加工工具を交換することなく、ホーニング加工の荒仕上げ及び精密仕上げを行うことが可能となり、加工時間を短縮させる効果を奏する。
さらに、本発明のホーニング加工工具では、工作機械から供給される流体の流体圧を利用して砥石を工具本体に対して半径方向に移動させている。したがって、円筒ボア内面に向かって一定圧力を砥石に付与した状態でホーニング加工を行ういわゆる定圧ホーニングが可能となり、ホーニング加工において精密仕上げを行うのに効果的であり、良好な加工面を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施形態によるホーニング加工工具の部分断面図、図2は図1のホーニング加工工具において異なる種類の砥石を突出させた状態を示す部分断面図、図3は図1の線III−IIIに沿った断面図、図4は本発明の第2の実施形態によるホーニング加工工具の部分断面図、図5は本発明のホーニング加工工具が装着される工作機械の側面図である。
最初に、図5を参照して、本発明のホーニング加工工具が装着される工作機械の一例を説明する。マシニングセンタ200は、機械の基台となるベッド201と、ベッド201上の後部でX軸方向に延びる案内203に沿って移動するコラム205と、ベッド201上の前部でZ軸方向に延びる案内207に沿って移動し、ワークWを載置するテーブル209と、コラム205の前部でY軸方向に延びる案内211に沿って移動し、先端に工具を装着する主軸213を有した主軸頭215と、コラム205、テーブル209、主軸頭215をそれぞれX、Y、Z軸方向に駆動するための送りモータ(図示せず)及び主軸213を回転させる主軸モータ(図示せず)を制御するNC装置217とを主要素として備えている。また、主軸213の先端部には、ホーニング加工工具のテーパ部と係合するテーパ穴213aが形成されている。
ここでは、コラム205がX軸方向、主軸頭215がY軸方向、テーブル209がZ軸方向へ移動するものと説明しているが、本発明のホーニング加工工具が装着される工作機械の軸構成はこれに限定されるものではない。
マシニングセンタ200は、さらに、所望される圧力でクーラントを供給することができるクーラント圧調整機能付きのクーラント供給源219と、加圧空気を供給するための空圧源221と、主軸頭にU軸アクチュエータとして設けられたU軸モータ223とを備えている。U軸モータ223は一般に複合加工工具などで使用される。クーラント供給源219は、ロータリジョイント225を介して主軸213の中心軸線に沿って延びるクーラント通路213bに連通しており、主軸213の先端部に形成されたテーパ穴213a内に設けられたクーラント供給ポートにいわゆるスルースピンドル方式で主軸213の内部を通過させてクーラントを供給するようになっている。また、空圧源221は、主軸頭215を通って延びる空気通路215aに連通しており、主軸頭215に設けられた継手部227に形成された空気供給ポートにいわゆるスルーホルダ方式で主軸213の内部を通過させずに加圧空気を供給するようになっている。そして、主軸213のテーパ穴213a内にホーニング加工工具が装着されたときに、流体供給ポート及び空気供給ポートを通してホーニング加工工具にクーラント及び加圧空気を供給する。
ここでは、マシニングセンタ200が、クーラントをスルースピンドル方式で、加圧空気をスルーホルダ方式で、ホーニング加工工具に供給するとして説明しているが、本発明のホーニング加工工具が装着される工作機械はこのタイプのものに限定されるものではない。例えば、クーラントをスルーホルダ方式で、加圧空気をスルースピンドル方式で、ホーニング加工工具に供給するタイプや、クーラント及び加圧空気を共にスルーホルダ方式でホーニング加工工具に供給するタイプの工作機械において本発明のホーニング加工工具を使用することも可能である。
次に、図1〜図3を参照して、本発明のホーニング加工工具10の第1の実施形態を説明する。ホーニング加工工具10は、主軸213に装着されて回転軸線11周りに回転する工具本体13と、工具本体13の周囲に回転可能に結合された工具ホルダ15とを備えている。工具本体13の基端部には、図5に示されているマシニングセンタ200の主軸213の先端部に形成されたテーパ穴213aに係合するテーパ部17が設けられている。
工具ホルダ15は、主軸頭215等の静止部に連結するための継手部15aと、工具本体を通すための中央穴15bとを有している。中央穴15bの周囲には軸受19が配設され、中央穴15bの内周面には環状溝15cが形成されている。また、環状溝15cには継手部15aから延びる空気供給路15dが連通している。
工具本体13には、テーパ部17から延びるクーラント供給路13aが形成されている。工具本体13のクーラント供給路13aは、工具本体13のテーパ部17がマシニングセンタ200の主軸213のテーパ穴213aに装着されたときに、マシニングセンタ200のクーラント供給ポートと連通し、クーラント供給源219からクーラントの供給を受けるようになっている。クーラント供給路13aは流路切換手段に接続されており、流路切換手段によって二つのクーラント分岐路13b、13cに選択的に連通するようになっている。また、工具本体13にはピストン室13dが形成されており、ピストン室13dは、回転軸線11方向に移動可能に収容されているピストン21によって、先端側空間23と基端側空間25とに隔てられている。そして、二つのクーラント分岐路の一方13bが先端側空間23に連通し、他方のクーラント分岐路13cが基端側空間25に連通しており、流路切換手段により先端側空間23及び基端側空間25の何れか一方に選択的にクーラントを供給することにより、ピストン21を回転軸線11の方向に移動させることができるようになっている。図1〜図3の実施形態では流路切換手段として、付勢バネ27bによって一方の極端位置に付勢されたスプール27aを加圧空気によって他方の極端位置に移動させることによって流路の切り換えを行うスプール弁27が使用されている。しかしながら、流路切換手段はスプール弁27に限定されるものではなく、流路の切り換えを行うことができれば、他の切換弁など他の装置を使用することも可能である。
工具本体13内には、さらに、一端がスプール弁27に接続している空気通路13eが形成されており、その他端は工具ホルダ15の中央穴15bの内周面に形成された環状溝15c内に開口している。この構成により、工具ホルダ15に対して工具本体13が回転しても、工具ホルダ15の空気供給路15dと工具本体13の空気通路13eとが環状溝15cを介して常時連通する。したがって、工具ホルダ15の継手部15aを主軸頭215の継手部227に形成された空気供給ポートに接続することによって、静止部に設けられた空圧源221から回転部である工具本体13に設けられたスプール弁27に加圧空気を供給することが可能となり、空圧源221のオンオフによってスプール弁27のスプール27aを図1に示されている位置と図2に示されている位置との間で切り換えることができるようになる。
さらに、工具本体13の先端部領域の内部には、一つの移動体29が回転軸線11の方向に移動可能に配設されており、この移動体29がピストン21から先端部に向かって延びる連結棒31の途中に固定的に結合されている。なお、連結棒31の先端は付勢バネ33によって工具本体13の基端部に向かって付勢されており、ピストン室13dへの流体供給が停止されると、ピストン21を図1に示されている位置と図2に示されている位置との中間の中立位置に復帰させるようになっている。移動体29は二つの切頭円錐台を細い頂部が両端にくるように逆向きに接合したような形状をしており、回転軸線11の方向において互いに逆向きに傾斜したテーパ面29a、29bを有している。また、工具本体13の先端部領域の外周部には、砥石ホルダ収容部としての六つの凹部35(図3参照)が周方向に等間隔で配置されており、各凹部35に砥石ホルダ37、38が半径方向に進退可能に収容されている。
砥石ホルダ37、38は、半径方向内側に延び且つ先端部にテーパ面37b、38bを有した脚部37a、38aを備えており、各脚部37a、38aは移動体29のテーパ面29a、29bに対して摺動可能に係合している。また、砥石ホルダ37、38の外面には柱状の砥石39、40が取り付けられており、砥石39、40の周囲には、砥石39、40及び砥石ホルダ37、38を半径方向内側に付勢するための環状の戻りバネ41が配設されている。なお、加工の際に戻りバネ41が円筒ボアWbの内面に接触することを防止するために、戻りバネ41は工具本体13の外周に設けられた環状溝13f内に収容されている。
本発明のホーニング加工工具10は、砥石として、2種類の砥石39、40を備えており、荒仕上げ用砥石39と精密仕上げ用砥石40とからなる2種類の砥石が、図3に示されているように、周方向に配置された六つの砥石ホルダ37、38上に交互に配置されている。そして、荒仕上げ用砥石39を保持する砥石ホルダ37の脚部37aが移動体29の二つのテーパ面のうちの一方29aに係合し、精密仕上げ用砥石40を保持する砥石ホルダ40が移動体29の他方のテーパ面29bに係合している。したがって、ピストン21を回転軸線11の方向に駆動することにより移動体29が回転軸線11の方向に移動すると、各砥石39、40を保持する砥石ホルダ37、38が移動体29のテーパ面29a、29b上を摺動して、一方の種類の砥石39、40を保持する砥石ホルダ37、38を同期して半径方向外側に進出させ、他方の種類の砥石40、39を保持する砥石ホルダ38、37を同期して半径方向内側に後退させる。すなわち、ピストン21を駆動して移動体29を回転軸線11の方向に移動させることによって、図3に示されているように、2種類の砥石39、40の一方のみを工具本体13から選択的に突出させることができるようになっている。
以下、図1〜図3に示されているホーニング加工工具10を用いたホーニング加工の手順について説明する。ワークWには、中ぐり加工工具などを用いて円筒ボアWbが加工されているものとする。ホーニング加工の開始に先立って、ホーニング加工工具10のテーパ部17をマシニングセンタ200の主軸213のテーパ穴213aに嵌合させてホーニング加工工具10を主軸213に装着する。このとき、工具ホルダ15の継手部15aは、静止部であるマシニングセンタ200の主軸頭215に設けられた対応の継手部227に接続され、そこに設けられた空気供給ポートと工具ホルダ15の継手部15aの空気供給路15dとを連通させる。ホーニング加工工具10を主軸213に装着すると、クーラント供給源219が主軸213の中心軸線に沿って設けられたクーラント通路213bを介して工具本体13のクーラント供給路13aに連通する。これと同時に、空圧源221が、主軸頭215の空気通路215a、工具ホルダ15の空気供給路15d、環状溝15c、工具本体13の空気通路13eを介してスプール弁27に連通する。
ワークWはホーニング加工工具10に対向して配置されたテーブル209上に載置、固定される。ワークWがテーブル209上に固定されると、NC装置217からの移動指令に基づいてX、Y及びZ軸の各送りモータにより主軸213とワークWとを相対移動させ、ホーニング加工工具10の回転軸線11とワークWの円筒ボアWbの中心軸線とを一致させ、主軸213とワークWとをZ軸方向に接近させる。このとき、クーラント供給源219は、NC装置217からの指令に基づいてクーラントの供給を停止させる。すると、ピストン21が付勢バネ33の作用によってピストン室13d内において中立位置に移動し、移動体29も中立位置に移動する。このとき、2種類の砥石39、40を保持する砥石ホルダ37、38は、工具本体13の凹部35内において、砥石39、40を円筒ボアWbの内面に接触させない位置へ配置される。
円筒ボアWb内にホーニング工具10の先端部が挿入されると、NC装置217の指令により、クーラント供給源219からホーニング加工工具10へクーラントの供給を開始する。このとき、空圧源221は加圧空気の供給を停止しており、スプール弁27のスプール27aは付勢バネ27bによって図1の位置に付勢されている。したがって、クーラント供給源219から供給されたクーラントは、スプール弁27からクーラント分岐路13bを通って先端側空間23に供給され、ピストン21を基端側に移動させる。これによって、ピストン21と連結されている移動体29も基端側に移動し、移動体29の基端側テーパ面29aに係合する砥石ホルダ37を半径方向外方へ移動させ、この砥石ホルダ37に保持された荒仕上げ用砥石39を工具本体13から突出させて円筒ボアWbの内面に押し付ける一方、移動体29の先端側テーパ面29bに係合する砥石ホルダ38を半径方向内方へ移動させ、この砥石ホルダ38に保持された精密仕上げ用砥石40を工具本体13内に後退させて円筒ボアWbの内面に接触しないようにさせる。そして、NC装置217の指令に基づいて主軸213を回転させつつZ軸方向に往復動作させ、荒仕上げ用砥石39によるホーニング加工を行う。このとき、荒仕上げ用砥石39のみがクーラントの圧力に応じた力で円筒ボアWbの内面に押し付けられ、定圧ホーニングを行う。なお、クーラント供給源219は、NC装置217の圧力指令に基づいて、供給するクーラントの圧力を調整することができるようになっており、所望される圧力で定圧ホーニングを行うことができる。
荒仕上げ工程が終了すると、ホーニング加工工具10を円筒ボアWbから引き抜くことなく、引き続き、精密仕上げ砥石40を用いた精密仕上げ工程が開始される。NC装置217は空圧源221に動作指令を出して、空圧源221からホーニング加工工具10への加圧空気の供給を開始させる。空圧源221は、主軸頭215の空気通路215a、工具ホルダ15の空気供給路15d、工具本体13の空気通路13eを介してスプール弁27に加圧空気を供給し、スプール27aを付勢バネ27bの付勢力に抗して図2に示されている位置に移動させる。これにより、クーラント供給路13aは、スプール弁27、クーラント分岐路13cを介して基端側空間25に連通し、クーラント供給源219から供給されるクーラントは基端側空間25に供給され、ピストン21を先端側に移動させる。このピストン21の移動により、移動体29も先端側に移動し、移動体29の基端側テーパ面29aに係合する砥石ホルダ37を半径方向内方へ移動させ、荒仕上げ用砥石39を工具本体13内に後退させて円筒ボアWbの内面と接触しないようにする一方、移動体29の先端側テーパ面29bに係合する砥石ホルダ38を半径方向外方へ移動させ、精密仕上げ用砥石40を工具本体13から突出させて円筒ボアWbの内面に押し付ける。そして、NC装置217の指令に基づいて主軸213を回転させつつZ軸方向に往復動作させ、精密仕上げ用砥石40によるホーニング加工を行う。このときも荒仕上げ工程と同じように定圧ホーニングが行われる。
その後、精密仕上げ工程が完了すると、主軸213をワークWから後退させて、ホーニング加工工具10を円筒ボアWbから引き抜き、ホーニング加工を終了する。なお、このとき、クーラント供給源219からホーニング加工工具10へのクーラントの供給を停止させ、全ての砥石39、40を工具本体13内に後退させ、砥石39、40が円筒ボアWbの内面から離れた状態にして引き抜くことが好ましい。
本実施形態によれば、ホーニング加工工具10が2種類の砥石39、40を備え、マシニングセンタ200から供給される加圧空気及びクーラントを利用して2種類の砥石39、40を選択的に使用することができるので、マシニングセンタ200において、工具交換を行うことなく、ホーニング加工の荒仕上げ工程から精密仕上げ工程までを行うことが可能となる。
次に、図4を参照して、本発明の第2の実施形態によるホーニング加工工具110を説明する。図4に示されているホーニング加工工具110は、第1の実施形態と同様に、主軸213に装着されて回転軸線111周りに回転する工具本体113と、工具本体113の周囲に回転可能に結合された工具ホルダ115とを備えている。工具本体113の基端部には、図5に示されているマシニングセンタ200の主軸213の先端に形成されたテーパ穴213aに係合するテーパ部117が設けられている。
工具ホルダ115は、図1に示されている実施形態と同様に、主軸頭215の静止部に連結するための継手部115aと、工具本体113を通すための中央穴115bとを有し、中央穴115bの周囲には軸受119が配設されている。しかしながら、工具ホルダ115は、回転軸線111と平行に延び且つ継手部115aに回転可能に保持されたボールネジ143と、このボールネジ143と係合するナット部145aを備え且つボールネジ143の回転により工具ホルダ115内を回転軸線111の方向に移動する連結ブラケット145とを備えている点において、図1に示されている実施形態と異なっている。連結ブラケット145は、工具ホルダ115の中央穴115bと同軸の貫通孔145bを有し、この貫通孔145bを工具本体113が通るようになっている。
工具本体113の内部には、外側駆動ロッド147が回転軸線111の方向に移動可能に収容されており、その先端部に配設された付勢バネ149によって基端部へ向けて付勢されている。外側駆動ロッド147は、図4中の上下方向に延びる2本の突出柱部147aを有しており、この突出柱部147aの外側端部は軸受151を介して連結ブラケット145の貫通孔145bの内周面に回転可能に保持されており、外側駆動ロッド147は、連結ブラケット145に対して、回転軸線111周りに回転可能に且つ回転軸線111の方向に移動不能になっている。なお、外側駆動ロッド147の突出柱部147aは工具本体113に形成された回転軸線111の方向に延びたスロット153を貫通しており、工具本体113に対して回転軸線111の方向に移動できるようになっている。また、外側駆動ロッド147の内部には、ピストン155を回転軸線111の方向に移動可能に収容しているピストン室147bが形成されており、ピストン155からは外側駆動ロッド147の内部を通って工具本体113の先端部に向けて内側駆動ロッド157が延びている。
ピストン室147bの基端側端部には、外側駆動ロッド147及び工具本体113を通って工具本体113のテーパ部117まで延びるクーラントジョイント159が接続されている。クーラントジョイント159は、工具本体113のテーパ部117がマシニングセンタ200の主軸213のテーパ穴213aに装着されたときに、マシニングセンタ200のクーラント供給ポートと連通し、クーラント供給源219からクーラントの供給を受けるようになっている。そして、クーラント供給源219からピストン室147bにクーラントを供給することにより、ピストン155を回転軸線111の方向に先端部に向けて移動させることができるようになっている。なお、内側駆動ロッド157はその先端部に配設された付勢バネ161によって基端部へ向けて付勢されており、クーラント供給源219からピストン室147bへのクーラントの供給が停止すると、付勢バネ161の付勢力が内側駆動ロッド157を介してピストン155に伝達し、ピストン155がピストン室147bにおいて基端部側に移動する。
外側駆動ロッド147及び内側駆動ロッド157の先端部には、それぞれ、移動体としてのテーパコーン部163、165が設けられており、それぞれのテーパコーン部163、165は回転軸線111の方向に傾斜したテーパ面163a、165aを有している。また、工具本体113の先端部領域の外周部には、砥石ホルダ収容部としての六つの凹部が周方向に等間隔で配置されており、各凹部に砥石ホルダ137、138が半径方向に進退可能に収容されている。
砥石ホルダ137、138は、半径方向内側に延び且つ先端部にテーパ面137b、138bを有した脚部137a、138aを備えており、各脚部137a、138aは外側駆動ロッド147又は内側駆動ロッド157のテーパコーン部163、165のテーパ面163a、165aに対して摺動可能に係合している。砥石ホルダ137、138の外面に取り付けられている砥石としては、図1の実施形態と同じく、荒仕上げ用砥石139と精密仕上げ用砥石140の2種類の砥石が用いられており、周方向に配置された六つの砥石ホルダ137、138上に交互に配置されている。荒仕上げ用砥石139を保持する砥石ホルダ137は外側駆動ロッド147のテーパコーン部163のテーパ面163aに係合し、精密仕上げ加工用砥石140を保持する砥石ホルダ138は内側駆動ロッド157のテーパコーン部165のテーパ面163a、165aに係合している。なお、内側駆動ロッド157のテーパコーン部165は外側駆動ロッド147のテーパコーン部163の内部に形成されたボア147c内に配置されており、内側駆動ロッド157のテーパコーン部165と砥石ホルダ138との係合は、外側駆動ロッド147のテーパコーン部163に形成され且つ外側駆動ロッド147の外周面からボア147cまで貫通するスロット147dを通して行われる。
また、本実施形態では、図1に示されている環状の戻りバネ41に代えて、外側駆動ロッド147及び内側駆動ロッド157に、カムピン167を設けている一方、砥石ホルダ137、138には、対応するテーパコーン部163、165のテーパ面163a、165aと平行となるように傾斜したピン穴169が形成されている。このピン穴169にカムピン167が摺動可能に挿入されることにより、外側駆動ロッド147及び内側駆動ロッド157の移動に応じて砥石ホルダ137、138を半径方向に強制的に進退させることができる。
次に、図4に示されているホーニング加工工具110を用いたホーニング加工の手順について説明する。ホーニング加工の開始に先立って、ホーニング加工工具100のテーパ部117をマシニングセンタ200の主軸213のテーパ穴213aに嵌合させてホーニング加工工具110を主軸213に装着する。このとき、工具ホルダ115の継手部115aは、静止部であるマシニングセンタ200の主軸頭215に設けられた対応する継手部に接続され、継手部115aに保持されたボールネジ143をマシニングセンタ200のU軸モータ223に接続する。ホーニング加工工具110を主軸213に装着すると、クーラント供給源219が主軸213の中心軸線に沿って設けられたクーラント通路213bを介して工具本体113のクーラントジョイント159に連通する。
ワークWはホーニング加工工具110に対向して配置されたテーブル209上に載置、固定される。ワークWがテーブル209上に固定されると、NC装置217からの移動指令に基づいてX、Y及びZ軸の各送りモータにより主軸213とワークWとを相対移動させ、ホーニング加工工具110の回転軸線111とワークWの円筒ボアWbの中心軸線とを一致させ、主軸213とワークWとをZ軸方向に接近させる。このとき、U軸モータ223を用いて、連結ブラケット145に機械的に力を伝達させ、連結ブラケット145を基端側に移動させておく。すると、突出柱部147aを介して連結ブラケット145に保持される外側駆動ロッド147が内側駆動ロッド157と共に基端側に移動し、外側駆動ロッド147のテーパコーン部163が基端部側極端位置に移動する。また、クーラント供給源219もクーラントの供給を停止させておく。すると、内側駆動ロッド157を付勢する付勢バネ161の付勢力がピストン155に伝達され、ピストン155が外側駆動ロッド147のピストン室147b内において基端側極端位置に移動し、内側駆動ロッド157のテーパコーン部165も基端側極端位置に移動する。これにより、2種類の砥石139、140を保持する砥石ホルダ137、138は共に、工具本体113の凹部内において、砥石139、140を円筒ボアWbの内面に接触させない位置へ移動せしめられる。
円筒ボアWb内にホーニング加工工具110の先端部が挿入されると、NC装置217の指令により、U軸モータ223を作動させ、連結ブラケット145を先端側に移動させる。すると、連結ブラケット145の移動に伴って連結部ロケット145に保持される外側駆動ロッド147が内側駆動ロッド157と共に先端側に移動する。これによって、外側駆動ロッド147のテーパコーン部163も先端側に移動し、そのテーパ面163aに係合する砥石ホルダ137を半径方向外方へ移動させ、この砥石ホルダ137に保持された荒仕上げ用砥石139を工具本体113から突出させて円筒ボアWbの内面に接触させる。なお、外側駆動ロッド147が先端側極端位置にあるときでも、内側駆動ロッド157に結合されるピストン155がピストン室147bにおける基端側極端位置にあるときには、荒仕上げ用砥石139が精密仕上げ用砥石140よりも工具本体113の半径方向外側に位置するように設定されているものとし、上記の状態では、内側駆動ロッド157のテーパコーン部165のテーパ面165aに係合する砥石ホルダ138に保持された精密仕上げ用砥石140は、円筒ボアWbの内面に接触しない。
次に、NC装置217は、その指令により、主軸213を回転させつつZ軸方向に往復動作させ、荒仕上げ用砥石139によるホーニング加工を行わせる。このとき、NC装置217は、U軸モータ223を一定の回転速度で回転させて、荒仕上げ用砥石139を一定の速度(単位時間当たり一定の送り量)で半径方向外方に進出させ、いわゆる定速ホーニングを行う。
荒仕上げ工程が終了すると、ホーニング加工工具110を円筒ボアWbから引き抜くことなく、引き続き、精密仕上げ砥石140による精密仕上げ工程が開始される。NC装置217は、U軸モータ223に動作指令を出して逆回転させ、連結ブラケット145を基端側に移動させる。これにより、外側駆動ロッド147及びそのテーパコーン部163も基端側に移動して、このテーパコーン部163のテーパ面163aに係合する砥石ホルダ137に保持される荒仕上げ用砥石139が半径方向内方に後退せしめられ、円筒ボアWbの内面から引き離される。さらに、NC装置217はクーラント供給源219に指令を出して、クーラント供給源219からホーニング加工工具110へのクーラントの供給を開始させる。クーラント供給源219は、マシニングセンタ200のクーラント通路213b、工具本体113のクーラントジョイント159を介してピストン室147bにクーラントを供給し、ピストン155を先端側に移動させる。すると、ピストン155に連結された内側駆動ロッド157及びそのテーパコーン部165が先端側に移動するのに伴って、このテーパコーン部165のテーパ面165aに係合する砥石ホルダ138に保持される精密仕上げ用砥石140が半径方向外方に移動し、円筒ボア内面に接触せしめられる。そして、NC装置217の指令に基づいて主軸213を回転させつつZ軸方向に往復動作させ、精密仕上げ用砥石140によるホーニング加工を行う。このとき、精密仕上げ用砥石140のみがクーラントの圧力に応じた力で円筒ボアWbの内面に押し付けられ、定圧ホーニングを行う。
その後、精密仕上げ工程が完了すると、主軸213をワークWから後退させて、ホーニング加工工具110を円筒ボアWbから引き抜き、ホーニング加工を終了する。
本実施形態によれば、ホーニング加工工具110が2種類の砥石139、140を備え、マシニングセンタ200から供給されるクーラントの圧力及びU軸モータから機械的に伝達される駆動力を利用して2種類の砥石139、140を選択的に使用することができるので、マシニングセンタ200において、工具交換を行うことなく、ホーニング加工の荒仕上げ工程から精密仕上げ工程までを行うことが可能となる。また、要求精度の低いホーニング加工の荒仕上げ工程では加工速度の速い定速ホーニングを行い、要求精度の高い精密仕上げ工程では精密な仕上げ面を得られる定圧ホーニングを行うことが可能となる。
本発明の第1の実施形態によるホーニング加工工具の部分断面図である。 図1のホーニング加工工具において他の種類の砥石を突出させた状態を示す部分断面図である。 図1の線III−IIIに沿った断面図である。 本発明の第2の実施形態によるホーニング加工工具の部分断面図である。 本発明のホーニング加工工具が装着される工作機械の側面図である。
符号の説明
10 ホーニング加工工具
11 回転軸線
13 工具本体
21 ピストン
23 先端側空間
25 基端側空間
27 スプール弁
29 移動体
29a、29b テーパ面
37 砥石ホルダ
38 砥石ホルダ
39 荒仕上げ用砥石
40 精密仕上げ用砥石

Claims (5)

  1. 工作機械の主軸に装着され、ワークに形成された円筒ボア内面を加工するホーニング加工工具において、
    前記工作機械の主軸に装着され回転軸線周りに回転する工具本体と、該工具本体の周方向に互いに離間して設けられ前記工具本体の半径方向に進退可能となっている2種類の砥石と、各砥石を保持する砥石ホルダと、前記回転軸線方向において互いに逆向きに傾斜した第1のテーパ面及び第2のテーパ面を有し且つ前記工具本体内を前記回転軸線方向に移動する移動体とを備え、前記移動体が前記工作機械を通して前記工具本体に供給される流体の流体圧によって前記中心軸線方向に移動したときに、前記第1のテーパ面と前記第2のテーパ面の何れかが一方の種類の砥石を保持する砥石ホルダと係合して該砥石ホルダに保持される砥石を前記工具本体から半径方向に選択的に突出せしめ、前記円筒ボア内面に接触させることを特徴としたホーニング加工工具。
  2. 前記工具本体内に形成されたピストン室内にピストンを移動可能に設けて該ピストン室を第1の空間と第2の空間とに隔て、供給路切換手段を用いて、前記工作機械を通して供給される流体を前記第1の空間又は前記第2の空間へ選択的に供給して前記ピストンを駆動し、前記移動体を前記ピストンと連動させて移動させる請求項1に記載のホーニング加工工具。
  3. 前記供給路切換手段は、前記工作機械から供給される加圧空気によってスプールを移動させるスプール弁である請求項2に記載のホーニング加工工具。
  4. 工作機械の主軸に装着され、ワークに形成された円筒ボア内面を加工するホーニング加工工具において、
    前記工作機械の主軸に装着され回転軸線周りに回転する工具本体と、該工具本体の周方向に互いに離間して設けられ前記工具本体の半径方向に進退可能となっている2種類の砥石と、各砥石を保持する砥石ホルダと、前記回転軸線方向に傾斜したテーパ面を有し且つ前記工具本体内を前記軸線方向に選択的に駆動される第1の移動体及び第2の移動体とを備え、前記第1の移動体が前記工作機械に設けられたアクチュエータによって前記回転軸線方向に機械的に駆動され、前記第2の移動体が前記工作機械を通して前記工具本体に供給された流体の流体圧によって前記回転軸線方向に駆動され、前記第1の移動体が前記回転軸線方向に駆動されたときに、前記第1の移動体のテーパ面が一方の種類の砥石を保持する砥石ホルダと係合して、この砥石ホルダにより保持された砥石を半径方向に円筒ボア内面に向かって移動させ、前記第2の移動体が前記中心軸線方向に駆動されたときに、前記第2の移動体のテーパ面が他方の種類の砥石を保持する砥石ホルダと係合して、この砥石ホルダにより保持された砥石を半径方向に前記円筒ボア内面に押し付けることを特徴としたホーニング加工工具。
  5. 荒仕上げ用砥石が前記第1の移動体に係合する砥石ホルダに保持され、精密仕上げ用砥石が前記第2の移動体に係合する砥石ホルダに保持される請求項4に記載のホーニング加工工具。
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