JP2005118720A - フィルタ - Google Patents

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裕 石井
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Abstract


【課題】 バインダによる温度制限などを受けることがなく、高温処理に耐え得るフィルタを実現して、厨房の換気扇や高温ダクトなどに最適なフィルタを提供することを目的とする。
【解決手段】 繊維材料を一定の密度で密集させて、気体の流通経路に設置されるフィルタ10であって、炭化珪素からなる短繊維11aをバインダによらずに互いに絡ませて集積させたフェルト状のフィルタ本体11を、網部材12の間に挟んでスペーサ13、押さえ部材14および受け部材15により組み立てる。このフィルタ10は、フィルタ本体11の短繊維11aの延在する向きが上下方向に多く分布するように設置する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フィルタに関し、詳しくは、流通させる気体内に含まれている物質を効率よく捕集することができるとともに、高温処理に対する耐性にも優れるものに関する。
従来より、気体を流通させる箇所に、フィルタを設置することにより、下流に到達させたくない不要な物質などを捕集させることが行われている。このようなフィルタは、例えば、一般家庭の台所や業務用厨房における換気扇に設置されたり、また、工業用ダクト間に設置されるなどしている。
この種のフィルタとしては、例えば、換気扇に設置される場合には、発生する油煙などを室内に充満させることがないように作製されており、設定されている必要な風量を損なわないように、繊維材料が一定密度で密集する不織布などにより作製されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開平 6−154530号公報 特開平10− 15324号公報
このように繊維材料を用いるフィルタにあっては、上記文献1に記載のように、少ない圧損で気体を流通させるとともに、油煙に含まれる油成分などを効率よく捕集する必要があることから、長繊維を設計面積内に集積させてバインダによりその絡まり状態を維持するのが一般的である。また、上記文献2にはバインダを添加した水中に繊維を攪拌・分散させて板状に凝集させることによりフィルタとすることが記載されている。
しかしながら、繊維材料を集積させるためにバインダを用いると、そのバインダの成分に応じてフィルタの設置場所に制限が掛かる。例えば、有機材料からなるバインダを用いると、厨房などの換気扇に設置すると、短期間に劣化してしまい、使い物にならない。
このことから、上記文献1、2には、無機材料からなる繊維材料と、ガラスなどの無機材料のバインダとを用いてフィルタを作製することが提案されている。しかし、これらにおいて提案されている繊維やバインダを用いることによりある程度の設置環境に耐え得るフィルタとすることはできるが、バインダは繊維材料ほどの耐性を有しないことから、繊維材料と同等の温度環境内に曝すことができない。
また、無機材料は、上記文献1に記載のように湾曲させた状態にするのは不可能ではないが可撓性を有する材料と比較すると難しく、例えば、炭化珪素からなる繊維などでは湾曲不能で上記文献1に記載のフィルタにすることは不可能である。さらに、上記文献2に記載のように、水中に繊維を攪拌・分散させて凝集させるのでは、繊維の向きを調整することはできず、また、炭化珪素からなる繊維などでは攪拌時の負荷により折れてしまって使い物にならない可能性がある。
そこで、本発明は、バインダによる温度制限などを受けることがなく、高温処理に耐え得るフィルタを実現して、厨房の換気扇や高温ダクトなどに最適なフィルタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するフィルタの第1の発明は、繊維材料を一定の密度で密集させて、気体の流通する経路に設置されるフィルタであって、短繊維が互いに絡むフェルト状に集積されているとともに、該短繊維の延在する向きが上下方向に多く分布するように設置されることを特徴とするものである。
この発明では、所定の温度・圧力では液体となる成分を含む気体、例えば、常温・常圧では液状となる油成分を含む油煙が流通する際には、その油成分などが繊維に接触して付着することによりしずく状になる。このしずく状の成分が付着する短繊維は、上下方向に多く分布することから、その液状成分を自然に下方に流し落として捕集することができる。したがって、圧損の上昇や捕集率の低下を抑えることができる。
上記課題を解決するフィルタの第2の発明は、上記第1の発明の特定事項に加え、前記短繊維が炭化珪素からなり、該短繊維がバインダによらずに互いに絡んでフェルト状に集積されていることを特徴とするものである。
ここで、前記短繊維は5μm以上の繊維径であるのが好適である。
この発明では、炭化珪素でも短繊維にすることにより設計面積内に集積させることができ、この短繊維は互いに絡むフェルト状にすることにより一定厚さで密集するフィルタとすることができる。したがって、炭化珪素の繊維からなるフィルタをバインダを用いることなく作製することができ、その炭化珪素の耐性に応じた温度で処理することができる。例えば、フィルタに付着する油分などを無酸素内で加熱分解させてフィルタを容易に再生することができる。
上記課題を解決するフィルタの第3の発明は、上記第1または第2の発明の特定事項に加え、前記短繊維はフェルト状に集積されて両面側を少なくとも設定量以上の気体を流通可能な網部材間に挟まれて保持されていることを特徴とするものである。
この発明では、フィルタの圧損の要因にならない網部材間にフェルト状の短繊維を挟むことにより、そのフェルト状の形態を網部材により保持することができ、また、その厚さを調整することもできる。したがって、使用時にフェルト状の厚さが変化してフィルタとしての機能が変化してしまうことを回避することができ、また、所望の性能を発揮するように調整することができる。
上記課題を解決するフィルタの第4の発明は、上記第1から第3のいずれかの発明の特定事項に加え、前記短繊維は前記流通経路への設置姿勢を規制する手段を備える枠部材により保持されていることを特徴とするものである。
この発明では、短繊維の延在向きに対する設置方向を規制することにより、短繊維の向きをおおよそ揃えて流通経路内に設置することができる。したがって、例えば、短繊維の延在する向きを上下方向に多く分布させるようにミスなく設置することができる。
上記課題を解決するフィルタの第5の発明は、上記第1から第4の発明の特定事項に加え、前記短繊維は耐熱性材料からなる部材により保持されていることを特徴とするものである。
この発明では、フィルタ本体を保持する部材も耐熱性を有することにより、そのまま高温処理などすることができる。したがって、フィルタを分解することなく、例えば、加熱などする再生処理を行うことができる。
本発明によれば、捕集した油成分などの液状成分を積極的に流下させて、圧損の上昇や捕集率の低下を抑えることができ、さらに、炭化珪素により作製することによって、耐熱性に優れて取り扱いも容易なフィルタとすることができる。したがって、圧損の上昇や捕集率の低下が少なく、特に、厨房の換気扇や高温ダクトなどに最適なフィルタとすることができる。
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図6は本発明に係るフィルタの一実施形態を示す図である。
図1において、フィルタ10は、フィルタ本体11および網部材12を1セットとして、直列に3列並置させるように組み立てられている。このフィルタ10は、例えば、図2に示すように、業務用厨房100の換気扇101に繋がる排気ダクト102の前段に設置するように設計されており、厨房100内に発生する油煙Sが通過する際に、含まれている油分(oil)を捕集して、フィルタ本体11の設置位置に連通するドレンパイプ103を介してドレインタンク104内に滴下させることにより、換気扇101が吸引して排気する空気Aの清浄性を設定基準以下にする。
フィルタ本体11は、炭化珪素からなる短繊維がバインダによらずに互いに絡み合うことによりフェルト状に作製されており、短繊維が一定の密度で密集することにより、一面側から他面側に向かって通過する気体中に含まれる成分を除去するフィルタとして機能する。このフィルタ本体11は、排気ダクト102の縦断面形状に相似する長方形に形成されて、2枚重ねた状態にして排気ダクト102にセットされる。本実施形態においては、排気ダクト102の厨房100側から室外側に向かって排気する油煙S中に含まれている油成分(常温・常圧では液状になる)をフィルタ本体11の短繊維に付着させて除去する。
ここで、短繊維とする炭化珪素は、剛直で加工性に劣るが耐熱性に優れており、高温の気体を処理するフィルタに適している。例えば、チタン(Ti)やアルミニウム(Al)を含有させた炭化珪素繊維などが知られているが、特に、ジルコニウム(Zr)を含む組成(Si−Zr−C−O)の炭化珪素繊維が高温の熱処理などを行っても繊維の表面等に変化が現れないなどの耐熱性に優れていて最適である。
網部材12は、重ねた2枚のフィルタ本体11の両面側を挟むように同様の長方形に形成されており、2枚一組にしてそのフィルタ本体11の両面側に面することにより脱落しないように保持しつつ、排気ダクト102にセットされる。この網部材12は、フィルタ本体11による圧力損失(流通性能)に影響を与えない程度に気体を流通可能に(排気ダクト102内を設定量以上の気体が流通可能に)表裏間が開口する網状に作製されている。これにより、この網部材12ではほとんど圧損が生じないようにフィルタ本体11を保持しつつ、排気ダクト102内を流通させる油煙Sなどの気体を流通させる。
このフィルタ本体11および網部材12は、スペーサ13と押さえ部材14または受け部材15との間に挟むことにより、直列に3列並置された状態で排気ダクト102内に設置するようになっている。スペーサ13は、フィルタ本体11を挟んで保持する網部材12間に面するように挟まれて排気ダクト102にセットされており、そのフィルタ本体11間における気体の流通をスムーズにするための空間を確保する。押さえ部材14および受け部材15は、スペーサ13の反対側の網部材12に面するように排気ダクト102内にセットされており、フィルタ10の最外郭の外面を構成する。
また、受け部材15は、図2に示すように、業務用厨房100の壁面100aに取り付けられて、その業務用厨房100側の外面を構成するとともに、換気扇101側に向かって排気ダクト102内に取り付けられるフィルタ本体11などが脱落しないように受け止める。押さえ部材14は、排気ダクト102内の換気扇101側に取り付けられて外面を構成すると共に、フィルタ本体11および網部材12がスペーサ13を挟んで直列の3列になるように押さえる。この押さえ部材14は、排気ダクト102の側壁面に固設されているブラケット16に螺合させるボルト17により受け部材15側に押されてフィルタ10を所望の組立寸法に押さえる。このとき、フィルタ本体11は、網部材12間に挟まれて保持されているので、その厚さを保持することができるとともに、分解したときには形を崩すことなく取り扱うことができ、また、ブラケット16へのボルト17の螺合量によりその厚さを調整することもできる。
これらスペーサ13、押さえ部材14および受け部材15は、フィルタ本体11や網部材12と同様に、排気ダクト102の縦断面形状に相似する長方形に形成することにより、保持するフィルタ本体11や網部材12と共に排気ダクト102を閉止する鉛直面となるように排気ダクト102内に設置することができ、また、これにより、縦向きの誤った姿勢で排気ダクト102内に設置されることを規制して、フィルタ10としての機能を十分に発揮する適正な姿勢にミスなく設置されることを実現している。
ここで、少なくとも網部材12は、フィルタ本体11と同様に、炭化珪素により作製、あるいは、炭化珪素と同等の耐熱性を有する材料により作製することによって、フィルタ本体11などに付着する油分などを燃焼させてフィルタ10を再生する際には、スペーサ13などを外すだけで空気中あるいは無酸素中で加熱してその油分などを消失させることができ、網部材12の耐熱性により制限されてしまうことなく、フィルタ本体11の再生処理を繰り返し行うことができる。また、スペーサ13、押さえ部材14および受け部材15も、フィルタ本体11と同様の耐熱性を持たせることにより、そのままフィルタ10の再生処理を繰り返し行うことができる。また、網部材12などは、炭化珪素などの高耐熱性材料に限らず、例えば、油分を空気中で燃焼させるだけの低温の再生処理で十分な場合には、ステンレスなどの金網としてもよいことはいうまでもない。
なお、これらスペーサ13、押さえ部材14および受け部材15は、排気ダクト102内の気体の流通を妨げることがないように(設定量以上の気体の流通を確保するように)、その排気ダクト102の縦断面形状を3分割する窓形状の枠部材に形成されており、油煙Sなどの気体をフィルタ本体11および網部材12を問題なく通過させることができ、また、窓形状の外周縁部および内方柱部により網部材12を押さえている。
そして、これらスペーサ13、押さえ部材14および受け部材15により設置姿勢を規制されるフィルタ本体11は、図3に示すように、構成する短繊維11aの延在する向きが、上下方向(図3における上下方向)に対して挟角45度の範囲内のものが多く、言い換えると、構成する短繊維11aの延在する向きが上下方向に多く分布している。これにより、フィルタ本体11が捕集した油分は、短繊維11aに接触してしずく状(液状)になった状態では、その短繊維11aが上下方向に多くが向いているために自重により流下し易い。このため、フィルタ本体11の短繊維11aに付着した油分は、多くを短時間に(粘化してしまう前に)ドレンパイプ103を介してドレインタンク104内に滴下させることができ、フィルタ本体11の通気・流下経路を詰めてしまって、フィルタ10の圧損を上昇させたり、捕集率を低下させてしまうことを抑えて、再生処理を行う間隔を長くすることができる。
ここで、このフィルタ本体11は、例えば、特開2000−199160号公報に記載されている製造装置により作製することにより、炭化珪素からなる短繊維11aをバインダによらずに互いに絡み合わせて一定の密度で密集させるとともに、その短繊維11aの延在向きの方向が一方向に多く分布するように集積するフェルト状に作製されている。
この製造装置は、簡単に説明すると、図4に示すように、不図示の供給装置から送られてくる短繊維11aを受け取るフィードロール21と、このフィードロール21から送られてきた短繊維11aの絡まりを解く解繊シリンダー22と、この解繊シリンダー22により絡まりを解かれた短繊維11aを外周面に吹き付けられて未完全に交絡・集積する仮フェルト状の仮フェルト材料31にするケージロール23と、このケージロール23の外周面上の仮フェルト材料31を剥がすように引き取る取り出しロール対24と、この取り出しロール対24により引き取られた仮フェルト材料31を搬送するベルトコンベア25、26と、このベルトコンベア25上の仮フェルト材料31の短繊維11aを十分に交絡するフェルト状のフェルト材料32にする穴あきロール27と、この穴あきロール27によりフェルト状にされたフェルト材料32とベルトコンベア26との間に基布33を供給する供給ロール28と、この供給ロール28からの基布33と共にフェルト材料32をベルトコンベア26から巻き取る巻き取りロール29とを備えており、短繊維11aをフェルト状に集積したフェルト材料32を基布33上に成形することにより、フィルタ本体11の原材料のフェルト材料32を作製して、取り扱い易いフェルト布34とする。
この製造工程において、解繊シリンダー22は、外周面に形成されている解繊刃22aが突起などを有する対向面の解繊バーに対して相対回転することにより、フィードロール21からの短繊維11aを解繊バーとの間で梳って絡まりを取るようになっており、この後には、その短繊維11aをノズル22bから噴出される圧搾空気によりケージロール23に向けて吹き飛ばす。一方、ケージロール23は、図5に示すように、外周面に吸引孔23aが多数開口して、内部を負圧にするように排気・吸引されており、吹き飛ばされてきた短繊維11aを回転しつつ引き付けて、その外周面に不完全な交絡ながら集積させて仮フェルト材料31とする。このとき、短繊維11aは、解繊された状態で、ノズル22bから噴出されてケージロール23の吸引孔23aに吸引される空気の流れに乗って、そのケージロール23の外周面に集積されるので、ケージロール23の回転方向(工程の流れ方向)に延在する向きが揃う傾向にあるものと思われる。
また、ベルトコンベア25は、図6に示すように、多数の円形凹み25aが形成される一方、穴あきロール27は、網状ロール27a内に、回転軸方向に延在するスリット27bが形成された円筒部材27cを収装している。この穴あきロール27は、円筒部材27cのスリット27bから圧搾空気を網状ロール27aを介して噴出させるようになっており、ベルトコンベア25との間に挟んで搬送する仮フェルト材料31にその圧搾空気を吹き付ける。このとき、圧搾空気は、仮フェルト材料31の搬送方向に向かって噴出されることにより、ベルトコンベア25の円形凹み25aの表面に突き当たるとともに跳ね返えされて、ベルトコンベア25上の仮フェルト材料31の短繊維11aをフェルト状に交絡させてフェルト材料32とする。また、このとき、仮フェルト材料31の短繊維11aをフェルト状に交絡させるのは、噴出する空気であることから、脆い炭化珪素からなる短繊維11aでもフェルト状に交絡させてフェルト材料32とすることができる。この噴出空気は、仮フェルト材料31の搬送方向に向かって噴出されるので、その搬送方向(工程の流れ方向)に延在する向きが揃う傾向にあるものと思われる。ここで、スリット27bからの空気は、仮フェルト材料31に対して垂直に噴出させるのではなく、例えば5°〜30°程度の傾斜角αを持たせて噴出するのが、噴出空気と跳ね返り空気とを有効に仮フェルト材料31に作用させることができて好ましい。なお、ベルトコンベア25の円形凹み25aは、例えば、40mm程度の短繊維11aを用いる場合には、直径:5〜20mm、深さ:3〜10mm程度に形成するのが好ましい。また、短繊維11aは脆いことから、所謂、エアーパンチングを流用してもよい。
さらに、供給ロール28は、図7に示すように、フェルト材料32とベルトコンベア26との間に基布33を供給してフェルト布34とする。このことから、フェルト布34は、フェルト材料32を基布33に保持してもらうことにより、バインダを用いずに交絡するだけでフェルト状の形態にされている短繊維11a同士が負荷により滑って形状が崩れるなどすることを回避することができ、巻き取りロール29に巻き取らせるなど取り扱いを容易にすることができる。このように作製されたフェルト布34は、一定の長さに切断して基布33を外したフェルト材料32の状態として網部材12間に挟んで保持することによりフィルタ本体11となる。
このようにして作製したフィルタ本体11によるフィルタ10を、図8に示す施設に設置して捕集率や圧損変化の試験を行うとともに、そのフィルタ本体11の流下速度や油分の保持量に関する試験を行った。
<捕集率試験>
作製したフィルタ本体11は、繊維径が5μm以上の炭化珪素からなる短繊維11aが230g/mの密度(目付け)で集積するフェルト状に成形したものであり、フェルト材料32の作製工程の流れ方向が上下方向になるように幅74cm×高さ44.5cmのサイズに切断している。このフィルタ本体11は、2枚重ねにした状態で網部材12、スペーサ13、押さえ部材14、受け部材15に挟んで3セットとし、ボルト17により厚さが2.4mmになるように調整した。また、フィルタ本体11(網部材12)間には、スペーサ13により12mmの空間が確保されており、フィルタ10全体としては、幅82cm×高さ46.5cm×奥行き12cmの寸法になる。なお、網部材12としては、再生処理を行うわけではないのでステンレス製の金網を使用している。
そして、図8に示すように、油煙Sは、ステンレス鍋111をIHヒータ112により加熱しつつ、そのステンレス鍋111内に水:食用植物性油が3:1になるように水を水タンク113から、食用植物性油を油タンク114から滴下して発生させた。この油煙Sは、換気扇101により127.2〜147m程度の風量で排気することによって、フィルタ10内を通過させた。なお、食用植物性油は、日華油脂株式会社製の大豆白搾油を用いて、142.9g/hrのスピードで滴下させた。
このような条件で6時間の排気試験を行った後に、ステンレス鍋111内に残っている油分やフィルタ10の上流側に付着している油分を拭き取って計量して、ステンレス鍋111内に滴下した食用植物性油から減算することにより、フィルタ10に流入させた油分を算出する。また、フィルタ10全体やフィルタ本体11およびドレインタンク104の試験後の重量から試験前の重量を減算して捕集(付着・滴下)した油分を算出する。これらから捕集率を算出した結果、フィルタ10全体では78.2%、フィルタ本体11では72.8%の油分が捕集されていた。このようにフィルタ10(フィルタ本体11)は、十分なフィルタ能力があることが確認された。
<圧損変化試験>
フィルタ10による圧損は、図8に示すように、圧力計として差圧計(マノスターゲージ)121a、121bを、フィルタ10の前段および後段の排気ダクト102の点検孔122にビニールパイプ122を取り付けて接続することにより、上記の捕集率試験と同時に測定した。試験開始時の圧損は28.5Paであったところ、2時間後の圧損は30.5Paとなり、5時間後の圧損は34.5Paと徐々に上昇するが、以降、時間が経過しても圧損は増加しなかった。すなわち、フィルタ10は、一定量の油分を溜め込んだ状態となった後以降には、それを越える油分を滴下することにより、油分を捕集しつつ気体の流通をそれ以上妨げないことが分かった。したがって、フィルタ10は、厨房などのように油分を扱う場所に設置するフィルタとして最適である。なお、図8中の125は温度計である。
<油分の飽和保持量>
上記のようにフィルタ10に油分の飽和保持量があることが分かったことから、図9に示すように、作製工程の流れ方向が上下方向になるようにフェルト材料32(フィルタ本体11)を幅35mm×長さ110mmのサイズに切断した試験片134を準備して、クリップ135により上辺から10mmの所を掴んで吊り下げた状態とし、油分の飽和保持量の試験を行った。この状態で、ビーカに入れた食用植物性油をそのクリップ135の直下10mmの位置まで浸漬させて3分保持した後に、スタンドにより空中に吊り下げた状態に戻して、この試験片134から滴下する油分を計測することにより、油分の保持量の変化を算出・測定した。なお、本試験は、繊維径が5μm以上の炭化珪素からなる短繊維11aが223g/mの密度で集積するフェルト状に成形した試験片134を用いて行った。
この試験片134による油分の保持量は、図10に示すような結果であり、これをグラフ化すると図11のように示される。これからも、フィルタ本体11(フェルト材料32)は、一定量の油分のみを保持することができ、これ以上の油分は滴下させてしまうことが判る。
<油分の流下速度>
また、上記各種試験は、作製工程の流れ方向(短繊維11aの延在向き)が上下方向になるように切断したフェルト材料32(フィルタ本体11)を用いて、付着した油分の滴下を促す状態で行っていることから、その作製工程の流れ方向が横方向になるように切断したフェルト材料32(フィルタ本体11)を用いた場合とで油分の流下速度を測定して、その効果を確認した。
本試験は、上記の油分の飽和保持量を測定する試験と同様に、繊維径が5μm以上の炭化珪素からなる短繊維11aをフェルト状に成形して同サイズに切断した試験片134を準備し、この試験片134をクリップ135で掴んでスタンドにより空中に吊り下げた状態で行った。そして、試験片134のクリップ135の直下の位置にスポイトで食用植物性油を3ml注入して、この食用植物性油を注入してから試験片134より滴下するまでの時間を計測する。なお、本試験は、サンプル数をn=4として行った。
この結果、図12に示すように、短繊維11aの延在する向きが上下方向の試験片134の方が横方向の試験片134よりも36%程度早く食用植物性油が滴下した。このことから、短繊維11aの延在する向きは横方向よりも、また、一般的な製造装置による場合のようにランダムにするよりも、本実施形態のように、作製工程の流れ方向(短繊維11aの延在向き)が上下方向になるようにフェルト材料32を作製・切断してフィルタ本体11を作製するのが、油分を積極的に滴下させることができて好適であることが確認された。
このように本実施形態においては、フィルタ本体11における短繊維11aの延在向きを上下方向にすることにより付着する油分などを滴下させつつ捕集することができ、経時的に圧損が上昇したり、捕集率が低下することを抑えることができる。
また、炭化珪素からなる短繊維11aをバインダを用いることなくフェルト状にしてフィルタ本体11とすることにより、そのバインダによる作業上の温度制限を解消することができ、炭化珪素と同等の処理温度を施すことができる。例えば、油分を燃焼させるなどの再生処理を繰り返し行っても、フィルタ性能が劣化することがなく、さらに、再生処理を行う場合の燃焼温度を上昇させて、付着する油分などを無酸素中などで極高温処理することにより、フィルタ本体11などの品質を劣化させることなく油分を消失させて再生することができる。さらに、このフィルタ本体11を保持する網部材12などを同様に耐熱性部材にすることにより、再生処理などの取り扱いをより容易にすることができる。
したがって、例えば、厨房の換気扇101などの排気ダクト102に設置するのに最適なフィルタ10を低コストに作製して、長期間にわたって利用することができる。
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことはいうまでもない。例えば、フィルタ本体11は、2枚重ねに限らず、1枚の単層や3枚以上積層させてもよく、また、3列並列させる場合に限らず、1列や2列や4列以上であってもよい。さらに、フィルタ形状においても、平面に限らず、蛇腹を含む断面波形や異形であってもよいことはいうまでもない。なお、本実施形態の短繊維としては、5μm以上を用いるとし、上限の繊維径としては特に規定していないが、フィルタとして使用し得る繊維径であれば十分である。また、厨房用のフィルタに限らず、工場などの高温の気体を処理する排気ダクトなどにも好適に取り付けることができる。
本発明に係るフィルタの一実施形態を示す図であり、その概略全体構成を示す分解者静である。 その設置例を示す縦断面図である。 その要部構成を示す平面図である。 その要部構成を作製する製造装置を示す概略構成図である。 その要部における動作を説明する斜視図である。 その要部における動作を説明する断面側面図である。 その要部構成を説明する斜視図である。 そのフィルタの性能試験を説明する図である。 そのフィルタの性能試験を説明する図である。 そのフィルタの性能試験結果を示す表である。 そのフィルタの性能試験結果を示すグラフである。 そのフィルタの性能試験結果を示す表である。
符号の説明
10 フィルタ
11 フィルタ本体
11a 短繊維
12 網部材
13 スペーサ
14 押さえ部材
15 受け部材
16 ブラケット
17 ボルト
21 フィードロール
22 解繊シリンダー
22a 解繊刃
22b ノズル
23 ケージロール
23a 吸引孔
24 取り出しロール対
25、26 ベルトコンベア
25a 円形凹み
27 穴あきロール
27a 網状ロール
27b スリット
27c 円筒部材
28 供給ロール
29 巻き取りロール
31 仮フェルト材料
32 フェルト材料
33 基布
34 フェルト布
100 業務用厨房
101 換気扇
102 排気ダクト
104 ドレインタンク
A 空気
S 油煙

Claims (6)

  1. 繊維材料を一定の密度で密集させて、気体の流通する経路に設置されるフィルタであって、
    短繊維が互いに絡むフェルト状に集積されているとともに、該短繊維の延在する向きが上下方向に多く分布するように設置されることを特徴とするフィルタ。
  2. 前記短繊維が炭化珪素からなり、該短繊維がバインダによらずに互いに絡んでフェルト状に集積されていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ。
  3. 前記短繊維が5μm以上の繊維径であることを特徴とする請求項2に記載のフィルタ。
  4. 前記短繊維はフェルト状に集積されて両面側を少なくとも設定量以上の気体を流通可能な網部材間に挟まれて保持されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のフィルタ。
  5. 前記短繊維は前記流通経路への設置姿勢を規制する手段を備える枠部材により保持されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のフィルタ。
  6. 前記短繊維は耐熱性材料からなる部材により保持されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のフィルタ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010131580A (ja) * 2008-10-30 2010-06-17 Duskin Co Ltd フィルタ及びそれを用いた排気装置並びにフィルタ製造方法及びフィルタ製造装置
JP2011247590A (ja) * 2010-05-21 2011-12-08 Central Res Inst Of Electric Power Ind 調理排気の測定方法

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