JP2005118719A - 含窒素有機性排水の処理方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】汚泥と処理水の分離に曝気状態での膜分離を適用する硝化脱窒処理において、硝化槽での発泡や脱水効果の悪化などを招くことなく、簡単な構成と操作で処理水中の窒素濃度を低くして、良好な処理水を得ることができる含窒素有機性排水の処理方法および装置を提供する。
【解決手段】1次脱窒槽1において含窒素有機性排水を硝化液と混合して生物脱窒するとともに有機物を分解し、1次硝化槽2において1次脱窒液を生物硝化し、2次脱窒槽3において1次硝化液を実質的に窒素を含まない基質と混合して生物脱窒し、膜分離槽5において2次脱窒液を曝気状態で膜分離し、濃縮液循環工程において膜分離槽5の濃縮液を1次脱窒槽1aに返送すると共に2次脱窒槽3に返送して脱窒し、含窒素有機性排水を処理する。
【選択図】図1

Description

本発明は、含窒素有機性排水の処理方法および装置に関し、特にし尿等の含窒素有機性排水を好気的に処理し、有機物を除去するとともに硝化脱窒を行う処理方法および装置に関するものである。
し尿等の含窒素有機性排水の処理方法および装置として、1次脱窒槽で含窒素有機性排水を硝化液と混合して生物脱窒するとともに有機物を分解し、1次硝化槽で硝化して硝化液の一部を1次脱窒槽に返送するとともに、残部を2次脱窒槽に導入して脱窒し、再曝気槽で再曝気した後、沈殿槽で沈殿分離し、汚泥の一部を第1脱窒槽に返送する方法および装置は良く知られている(例えば特許文献1)。また上記処理方法および装置において、沈澱槽の替わりに、曝気状態で膜分離する膜分離装置を設置し、汚泥と処理水の分離に膜分離を適用する方法も良く知られている(例えば特許文献2)。
図2はこれらを適用した従来の含窒素有機性排水の処理方法および装置を示すフロー図である。処理装置10を構成する1次脱窒槽1は複数段の第1脱窒槽1a、第2脱窒槽1b、第3脱窒槽1c、第4脱窒槽1dからなり、1次硝化槽2は複数段の第1硝化槽2a、第2硝化槽2b、第3硝化槽2c、第4硝化槽2dからなり、これらは交互に配置され、続いて2次脱窒槽3、再曝気槽4、膜分離槽5、ポンプピット6が配置され、全体が1次脱窒槽1a側からポンプピット6側へ液が流れるようにシリーズに連絡している。
原水路11は分岐路11a、11b、11c、11dに分岐して、それぞれ第1脱窒槽1a、第2脱窒槽1b、第3脱窒槽1c、第4脱窒槽1dに連絡している。給気路12は分岐路12a、12b、12c、12d、12eに分岐して、それぞれ第1硝化槽2a、第2硝化槽2b、第3硝化槽2c、第4硝化槽2dおよび再曝気槽4の下部に設けられた散気装置7a、7b、7c、7d、7eに連絡している。2次脱窒槽3には基質供給路13が連絡している。
膜分離槽5には膜モジュール8が配置され、その下部に設けられた散気装置7fに給気路14が連絡している。膜モジュール8は分離膜8aにより濃縮液室8bと透過液室8cとが区画され、濃縮液室8bが膜分離槽5と連通し、透過液室8cにはポンプP1を有する処理水路15が連絡している。1次硝化槽2の最終段の第4硝化槽2dからポンプP2を有する硝化液循環路16が1次脱窒槽1の第1脱窒槽1aに連絡している。ポンプピット6からポンプP3を有する第1の返送路17が1次脱窒槽1の第1脱窒槽1aに連絡し、ポンプピット6からポンプP4を有する余剰汚泥路18が系外に連絡している。
上記の処理装置10においては、原水(含窒素有機性排水)を原水路11から分岐路11a、11b、11c、11dに分配して、それぞれ第1脱窒槽1a、第2脱窒槽1b、第3脱窒槽1c、第4脱窒槽1dに供給し、空気を給気路12から分岐路12a、12b、12c、12d、12eに分配して、それぞれ第1硝化槽2a、第2硝化槽2b、第3硝化槽2c、第4硝化槽2dおよび再曝気槽4の下部に設けられた散気装置7a、7b、7c、7d、7eに供給して曝気する。そして1次硝化槽2の最終段の第4硝化槽2dから硝化液を、ポンプP2により硝化液循環路16から1次脱窒槽1の第1脱窒槽1aに循環し、ポンプピット6の濃縮液を返送汚泥として、ポンプP3により第1の返送路17から1次脱窒槽1の第1脱窒槽1aに返送して処理を行う。
第1脱窒槽1aでは、含窒素有機性排水を循環硝化液および返送汚泥と混合して嫌気状態に保つことにより、脱窒菌の作用によって硝酸または亜硝酸性窒素を窒素ガスに還元して生物脱窒し、同時に原水中の有機物を基質として分解し、1次脱窒が行われる。第1脱窒槽1aの脱窒液は第1硝化槽2aに入り、曝気により残留有機物を分解するとともに、硝化菌の作用によって原水中のアンモニア性窒素を硝酸または亜硝酸性窒素に硝化する。第1硝化槽2aの硝化液は第2脱窒槽1bに入って同様に脱窒され、その後順次第2硝化槽2b、第3脱窒槽1c、第3硝化槽2c、第4脱窒槽1dおよび第4硝化槽2dに入って、硝化または脱窒を受ける。
このようにして1次脱窒槽1の複数段の第1脱窒槽1a、第2脱窒槽1b、第3脱窒槽1c、第4脱窒槽1dにおいて1次脱窒が行われ、1次硝化槽2の複数段の第1硝化槽2a、第2硝化槽2b、第3硝化槽2c、第4硝化槽2dにおいて1次硝化が行われる。第4硝化槽2dの1次硝化液は大部分が循環硝化液として第1脱窒槽1aに循環するが、一部は2次脱窒槽3に入り、ここで基質供給路13から供給されるメタノール等の実質的に窒素を含まない基質と混合して生物脱窒することにより、残留する硝酸または亜硝酸性窒素が除去され、2次脱窒が行われる。2次脱窒槽3の2次脱窒液は再曝気槽4に入り、ここで再曝気することにより、残留する有機物を分解する。
このようにして1次脱窒、1次硝化、2次脱窒、再曝気を交互に繰り返すことにより、原水(含窒素有機性排水)に含まれる有機物およびアンモニア性窒素は除去される。従来例えば特許文献1では、再曝気槽4の再曝気液は沈殿槽で沈殿分離し、分離汚泥の一部を第1脱窒槽1aに返送していたが、分離汚泥の濃度を高めるために、例えば特許文献2では沈澱槽の替わりに、曝気状態で膜分離する膜分離装置を設置し、汚泥と処理水の分離に膜分離を適用するようになり、図2はこのような処理装置を示している。
すなわち図2において、再曝気槽4の再曝気液は膜分離槽5に導入され、給気路14から散気装置7fに空気を供給して、2次脱窒液の再曝気液を曝気した状態で、膜モジュール8により膜分離を行う。膜モジュール8では、汚泥を含む再曝気液は分離膜8aにより膜分離され、分離膜8aを透過した透過液は透過液室8cから、処理水としてポンプP1により処理水路15を通して取り出される。濃縮液室8bの濃縮液は散気装置7fによる曝気により分離膜8aへの付着が防止されて膜分離槽5内に分散する。膜分離槽5の濃縮液はポンプピット6に入り、その一部は返送汚泥としてからポンプP3により、第1の返送路17を通して1次脱窒槽1の第1脱窒槽1aに返送され、他の一部は余剰汚泥としてポンプP4により余剰汚泥路18を通して系外に排出される。
上記のような処理において、2次脱窒槽3でほぼ完全に窒素除去されていても、処理水(分離膜8aの透過液)中に窒素が検出される場合がある。例えば固液分離槽として沈澱槽を用いる場合には、固液分離条件の選択により処理水(分離液)のT−Nを低くすることができるが、膜分離槽5を用いる場合には、処理水のT−Nを低くすることが困難であり、処理水のT−Nを安定して例えば10mg/L以下に維持するのは困難である。その原因を調べたところ、膜分離槽5で曝気を行うことにより、汚泥中の有機窒素化合物の分解または代謝等により窒素成分が濃縮液中に溶出し、これがNOX−Nに硝化されて処理水に混入するものと推定された。
上記の処理水のT−Nの上昇を防止するために、硝化槽の酸素供給量を増加させることにより、少しでも分解を進めることはできるが、酸素供給量を増すと発泡等の障害があり、十分な効果を得ることができない。また返送汚泥量を増加させることにより、膜分離槽のMLSSを低下させたり、汚泥の膜分離槽での滞留時間を短くして、NOX−Nの発生を少なくすることもできるが、膜分離槽から余剰汚泥を引き抜いて脱水する際、汚泥濃度が低くなることは脱水効果を悪化させることになる。
特許文献1では、無希釈のし尿を1次脱窒および硝化した後、水で希釈して2次脱窒を行うので、2次脱窒および再曝気に必要な汚泥濃度とするために、沈澱槽の分離汚泥の一部を2次脱窒槽に返送しているが、ここでは沈殿分離であるため、汚泥中の有機窒素化合物の分解または代謝等により処理水のT−Nが増加するかどうかは不明であり、分離汚泥の一部を2次脱窒槽に返送することによって処理水のT−Nが低くなるかどうかも明らかにされていない。
特開平1−16559号公報 特開平11−28468号公報
本発明の課題は、汚泥と処理水の分離に曝気状態での膜分離を適用する硝化脱窒処理において、硝化槽での発泡や脱水効果の悪化などを招くことなく、簡単な構成と操作で処理水中の窒素濃度を低くして、良好な処理水を得ることができる含窒素有機性排水の処理方法および装置を提供することである。
本発明は次の含窒素有機性排水の処理方法および装置である。
(1) 含窒素有機性排水を硝化液と混合して生物脱窒するとともに有機物を分解する1次脱窒工程と、
1次脱窒液を生物硝化する1次硝化工程と、
1次硝化液を実質的に窒素を含まない基質と混合して生物脱窒する2次脱窒工程と、
2次脱窒液を曝気状態で膜分離する膜分離工程と、
膜分離工程の濃縮液の一部を1次脱窒工程に返送する第1の返送工程と、
膜分離工程の濃縮液の他の一部を2次脱窒工程に返送する第2の返送工程と
を含む含窒素有機性排水の処理方法。
(2) 1次脱窒工程および1次硝化工程はそれぞれ交互に複数段階を行うステップ脱窒、硝化工程である上記(1)記載の方法。
(3) 2次脱窒工程と膜分離工程間に、2次脱窒液を再曝気する再曝気工程を含む上記(1)または(2)記載の方法。
(4) 含窒素有機性排水を硝化液と混合して生物脱窒するとともに有機物を分解する1次脱窒槽と、
1次脱窒液を生物硝化する1次硝化槽と、
1次硝化液を実質的に窒素を含まない基質と混合して生物脱窒する2次脱窒槽と、
2次脱窒液を曝気状態で膜分離する膜分離槽と、
膜分離槽の濃縮液の一部を1次脱窒槽に返送する第1の返送路と、
膜分離槽の濃縮液の他の一部を2次脱窒槽に返送する第2の返送路と
を含む含窒素有機性排水の処理装置。
(5) 1次脱窒槽および1次硝化槽はそれぞれ交互に複数段階を行うステップ脱窒槽および硝化槽である上記(4)記載の装置。
(6) 2次脱窒槽と膜分離槽間に、2次脱窒液を再曝気する再曝気槽を含む上記(4)または(5)記載の装置。
本発明の処理対象となる含窒素有機性排水は、窒素および有機物を含む排水であり、他の元素および無機物を含んでいてもよい。窒素としてはアンモニア性窒素、硝酸または亜硝酸性窒素、有機性窒素などがあるが、通常の含窒素有機性排水はアンモニア性窒素および有機性窒素を含むものが多い。このような含窒素有機性排水には、下水、産業排水、食品排水、し尿などがあげられる。
本発明の含窒素有機性排水の処理方法では、1次脱窒工程において含窒素有機性排水を硝化液と混合して生物脱窒するとともに有機物を分解し、1次硝化工程において1次脱窒液を生物硝化し、2次脱窒工程において1次硝化液を実質的に窒素を含まない基質と混合して生物脱窒し、膜分離工程において2次脱窒液を曝気状態で膜分離し、第1の返送工程において膜分離工程の濃縮液の一部を1次脱窒工程に返送し、第2の返送工程において膜分離工程の濃縮液の他の一部を2次脱窒工程に返送して、含窒素有機性排水を処理する。曝気により発泡が起る場合は、予め被処理水を希釈して処理を行い、途中では希釈を行なわずに処理するのが好ましい。
1次脱窒工程および1次硝化工程はそれぞれ単一の工程の組み合わせであってもよいが、それぞれの工程を交互に複数段階行うステップ脱窒およびステップ硝化工程を採用すると、効率よく窒素および有機物を含む排水を処理できるので好ましい。この場合、原水(含窒素有機性排水)を各段階の1次脱窒工程に分注して脱窒を行い、脱窒液は次段の1次硝化工程に送って硝化し、硝化液は次段の1次脱窒工程に送り、最終階の硝化液は第1段の1次脱窒工程に循環するように構成するのが好ましい。膜分離工程では2次脱窒液を曝気状態に維持するので再曝気工程を兼ねることができ、従来採用されていた再曝気工程を省略することができるが、2次脱窒工程と膜分離工程間に、2次脱窒液を再曝気する再曝気工程を設け、膜分離工程でも曝気状態に維持することができる。膜分離工程の濃縮液は、第1の返送工程において一部を1次脱窒工程に返送し、第2の返送工程において他の一部を2次脱窒工程に返送するが、さらに他の一部を余剰汚泥として系外に排出することができる。
上記の含窒素有機性排水の処理方法に用いるための処理装置は、含窒素有機性排水を硝化液と混合して生物脱窒するとともに有機物を分解する1次脱窒槽と、1次脱窒液を生物硝化する1次硝化槽と、1次硝化液を実質的に窒素を含まない基質と混合して生物脱窒する2次脱窒槽と、2次脱窒液を曝気状態で膜分離する膜分離槽と、膜分離槽の濃縮液の一部を1次脱窒槽に返送する第1の返送路と、膜分離槽の濃縮液の他の一部を2次脱窒槽に返送する第2の返送路とを含む装置が用いられる。
上記の処理装置において、1次脱窒槽および1次硝化槽はそれぞれ交互に複数段階を行うステップ脱窒槽および硝化槽の組み合わせであるのが好ましい。この場合、原水(含窒素有機性排水)を各段階の1次脱窒槽に分注して脱窒を行い、脱窒液は次段の1次硝化槽に送って硝化し、硝化液は次段の1次脱窒槽に送り、最終階の硝化液は第1段の1次脱窒槽に循環するように構成するのが好ましい。また2次脱窒槽と膜分離槽間に、2次脱窒液を再曝気する再曝気槽を設けることができる。膜分離槽の濃縮液(返送汚泥)を複数槽からなる1次脱窒槽に返送する場合、第1の返送路を先頭の1次脱窒槽に連絡するのが好ましい。
膜分離槽に用いる分離膜は、通常固液分離に用いられるMF膜、UF膜等の透過膜が用いられ、分離膜の形態は平膜、チューブラー膜、中空糸膜などがある。このような分離膜は、分離膜により濃縮液室と透過液室とが区画された膜モジュールとして用いるのが好ましい。このような膜モジュールは、設置条件により加圧型、浸漬型のものなどが用いられる。膜分離槽の濃縮液は、膜分離槽から1次脱窒槽および/または2次脱窒槽に返送してもよいが、ポンプピットを設けてポンプピットから返送してもよい。返送手段は専用ポンプ等を用いてもよいし、返送汚泥路または余剰汚泥路から分岐してもよい。余剰汚泥路は膜分離槽またはポンプピットから余剰汚泥を引き抜き、汚泥処理へ送るように設けられる。
本発明の含窒素有機性排水の処理方法では、1次脱窒、1次硝化、2次脱窒、再曝気は従来の硝化脱窒方法と同様に行われる。硝化脱窒方法は標準脱窒素法、高負荷処理方法、浄化槽対応型等の方法が採用できる。2次脱窒液または再曝気液を曝気状態で膜分離することも、膜分離を採用する従来の硝化脱窒方法と同様であるが、膜分離工程の濃縮液を2次脱窒工程に循環して脱窒することにより、処理水の窒素濃度を低下させることができる。膜分離槽で膜分離することにより濃縮液のMLSSは高くなるので、濃縮液の一部を返送汚泥として1次脱窒工程へ返送し、残部を余剰汚泥として脱水処理している。
脱水処理を効率よく行うためには、膜分離工程の濃縮液を高濃度に維持して膜分離を行うのが好ましい。このような高濃度の濃縮液を単に膜分離槽に入れて膜分離すると、嫌気状態になって有機物が溶出して処理水質が悪化し、また汚泥が膜面に付着して膜分離効率が下がるのを防止するために、曝気状態で膜分離することが行われている。一般的には曝気により好気状態に維持すると、有機物が分解され、処理水質が良くなると考えられている。
ところが汚泥濃度が高い状態、例えばMLSSとして10,000〜20,000mg/Lの状態で濃縮液の曝気を継続すると、汚泥中に含まれる有機窒素化合物の分解または代謝等により窒素成分が濃縮液中に溶出し、これが硝酸または亜硝酸性窒素に硝化されるものと推定され、2次脱窒工程でほぼ完全に窒素除去されていても、濃縮液中に窒素が検出され、この窒素成分が処理水(分離膜の透過液)に混入し、処理水質を悪化させる場合がある。
都合のよいことに濃縮液中の窒素は曝気により硝酸または亜硝酸性窒素になっているので、濃縮液の一部を2次脱窒工程に循環することにより脱窒することができ、窒素濃度の低い脱窒液または再曝気液を膜分離工程に循環して、濃縮液中の窒素濃度を低くすることができる。これにより脱水処理を効率よく行うために、膜分離工程の濃縮液を高濃度に維持して膜分離を行っても、濃縮液中の窒素濃度を低く維持して、処理水の窒素濃度を低くすることができる。
このため硝化槽の酸素供給量を増加させたり、膜分離槽のMLSSを低下させたりする必要はなく、硝化槽での発泡や脱水効果の悪化などを招くことはない。2次脱窒工程への濃縮液の返送率は、膜分離槽の濃縮液の窒素濃度により変化させることができる。この場合、濃縮液(処理水)の窒素濃度を例えば3〜7mg/Lを維持するように濃縮液の返送率を選ぶと、上記窒素濃度の処理水を得ることができる。濃縮液の脱窒に必要なメタノール等の実質的に窒素を含まない基質は、2次脱窒工程へ供給される基質の量を増加することにより対応することができる。濃縮液の返送を行う2次脱窒工程あるいはその前後の工程において水による希釈を行う必要はない。
本発明によれば、1次脱窒工程で含窒素有機性排水を硝化液と混合して生物脱窒するとともに有機物を分解し、1次硝化工程で1次脱窒液を生物硝化し、2次脱窒工程で1次硝化液を実質的に窒素を含まない基質と混合して生物脱窒し、膜分離工程で2次脱窒液を曝気状態で膜分離し、第1の返送工程において膜分離工程の濃縮液の一部を1次脱窒工程に返送し、第2の返送工程において膜分離工程の濃縮液の他の一部を2次脱窒工程に返送して脱窒するようにしたので、汚泥と処理水の分離に曝気状態での膜分離を適用する硝化脱窒処理においても、硝化槽での発泡や脱水効果の悪化などを招くことなく、簡単な構成と操作で処理水中の窒素濃度を低くして、良好な処理水を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面により説明する。図1は本発明の実施形態による含窒素有機性排水の処理方法および装置を示すフロー図である。図1の処理装置10は図2の処理装置10とほぼ同様に構成されているので、同一または相当部分に同一符号を付して説明を省略する。図1の処理装置10が図2の処理装置10と相違するところは、ポンプP5を有する第2の返送路21が膜分離槽5の下部から2次脱窒槽3に連絡しているところである。
図1の処理装置10による含窒素有機性排水の処理方法は、図2の処理装置10による含窒素有機性排水の処理方法とほぼ同様に行われる。すなわち1次脱窒槽1における1次脱窒、1次硝化槽2における1次硝化、2次脱窒槽3における2次脱窒、再曝気槽4における再曝気、膜分離槽5における膜分離、硝化液循環路16からの硝化液の循環、第1の返送路17からの一部の濃縮液の返送、余剰汚泥路18からの余剰汚泥の排出などは図2とほぼ同様に行われる。
図1の処理装置10による含窒素有機性排水の処理方法では、膜分離槽5内の膜分離工程の濃縮液の他の一部を第2の返送路21から、2次脱窒槽3における2次脱窒工程に返送して脱窒することにより、処理水の窒素濃度を低下させることができる。膜分離工程は膜分離槽5内の濃縮液を高濃度に維持して膜分離を行うが、このような高濃度の濃縮液を曝気状態で膜分離すると、前述のように汚泥中に含まれる有機窒素化合物の分解または代謝等により窒素成分が濃縮液中に溶出し、これが硝酸または亜硝酸性窒素に硝化されるものと推定され、濃縮液中の窒素濃度が高くなる。
濃縮液中の窒素は曝気により硝酸または亜硝酸性窒素になっているので、濃縮液の一部を2次脱窒槽3に返送すると、1次脱窒槽1の第4硝化槽2dから流入する1次硝化液とともに生物脱窒により脱窒することができる。ここで必要なメタノール等の実質的に窒素を含まない基質は、基質供給路13から供給される基質の量を増加することにより対応することができる。このように返送する濃縮液を脱窒することにより、窒素濃度の低い脱窒液を再曝気槽4で再曝気し、窒素濃度の低い再曝気液を膜分離槽5に循環して、濃縮液中の窒素濃度を低く維持することができる。このため膜分離槽5の濃縮液のMLSSを高濃度に維持して膜分離を行っても、濃縮液中の窒素濃度を低く維持して、処理水の窒素濃度を低くすることができる。
上記の処理では、1次硝化槽2、再曝気槽4、膜分離槽5などにおける酸素供給量を増加させる必要はないので、発泡障害、その他の悪影響を硝化脱窒処理に及ぼすことがない。また膜分離槽5のMLSSを低下させる必要はないので、脱水効果の悪化などを招くこともない。このため簡単な構成と操作により処理水中の窒素濃度を低くして、良好な処理水を得ることができる。
図1において、膜分離槽5で曝気を行うので再曝気槽4を省略することもできるが、膜分離槽5と再曝気槽4で異なる条件で曝気を行うためには、膜分離槽5とは別に再曝気槽4を設けて曝気を行うのが好ましい。またポンプピット6も省略することができるが、濃縮液の返送による膜分離槽5の液面の変動を防止するためにはポンプピット6を設けて濃縮液の返送を行うのが好ましい。この場合、ポンプピット6から濃縮液の一部を2次脱窒槽3に循環することができ、第1の返送路17から分岐路(図示省略)を通して濃縮液の一部を2次脱窒槽3に循環してもよい。
比較例1:
図2の処理装置10において、含窒素有機性排水として、生し尿を希釈水により1.3倍希釈した希釈し尿(BOD5100mg/L、NH4−N:530mg/L、NOX−N:0mg/L、T−N:1000mg/L)を原水とし、原水量100KL/Dで供給して生物硝化脱窒素処理を行い、膜モジュール8として 平膜型浸漬モジュールを用いて、膜分離処理を行い、膜分離槽5の濃縮液を2次脱窒槽3に返送しないで処理を行った。1次硝化液の循環量は360m3/日、第1脱窒槽への返送汚泥量は270m3/日であった。
実施例1:
図1の処理装置10において、比較例1と同様に生物硝化脱窒素処理および膜分離処理を行い、1次硝化液の循環量は360m3/日、第1脱窒槽への濃縮液の返送量は97m3/日とし、膜分離槽5の濃縮液の2次脱窒槽3への濃縮液の返送量は480m3/Dとした。
比較例1および実施例1の各工程の水質を表1に示す。表1の結果から、膜分離槽5の濃縮液の一部を2次脱窒槽3に返送して処理を行うことにより、全窒素濃度の低い高水質の処理水が得られることが分かる。
Figure 2005118719
し尿等の含窒素有機性排水を好気的に処理し、有機物を除去するとともに硝化脱窒を行う処理方法および装置に利用される。
本発明の実施形態による含窒素有機性排水の処理方法および装置を示すフロー図である。 従来の含窒素有機性排水の処理方法および装置を示すフロー図である。
符号の説明
1 1次脱窒槽
1a 第1脱窒槽
1b 第2脱窒槽
1c 第3脱窒槽
1d 第4脱窒槽
2 1次硝化槽
2a 第1硝化槽
2b 第2硝化槽
2c 第3硝化槽
2d 第4硝化槽
3 2次脱窒槽
4 再曝気槽
5 膜分離槽
6 ポンプピット
7a、7b・・・ 散気装置
8 膜モジュール
8a 分離膜
8b 濃縮液室
8c 透過液室
10 処理装置
11 原水路
11a、11b、11c、11d 分岐路
12、14 給気路
12a、12b、12c、12d、12e 分岐路
13 基質供給路
15 処理水路
16 硝化液循環路
17 第1の返送路
18 余剰汚泥路
21 第2の返送路
P1、P2・・・ ポンプ

Claims (6)

  1. 含窒素有機性排水を硝化液と混合して生物脱窒するとともに有機物を分解する1次脱窒工程と、
    1次脱窒液を生物硝化する1次硝化工程と、
    1次硝化液を実質的に窒素を含まない基質と混合して生物脱窒する2次脱窒工程と、
    2次脱窒液を曝気状態で膜分離する膜分離工程と、
    膜分離工程の濃縮液の一部を1次脱窒工程に返送する第1の返送工程と、
    膜分離工程の濃縮液の他の一部を2次脱窒工程に返送する第2の返送工程と
    を含む含窒素有機性排水の処理方法。
  2. 1次脱窒工程および1次硝化工程はそれぞれ交互に複数段階を行うステップ脱窒、硝化工程である請求項1記載の方法。
  3. 2次脱窒工程と膜分離工程間に、2次脱窒液を再曝気する再曝気工程を含む請求項1または2記載の方法。
  4. 含窒素有機性排水を硝化液と混合して生物脱窒するとともに有機物を分解する1次脱窒槽と、
    1次脱窒液を生物硝化する1次硝化槽と、
    1次硝化液を実質的に窒素を含まない基質と混合して生物脱窒する2次脱窒槽と、
    2次脱窒液を曝気状態で膜分離する膜分離槽と、
    膜分離槽の濃縮液の一部を1次脱窒槽に返送する第1の返送路と、
    膜分離槽の濃縮液の他の一部を2次脱窒槽に返送する第2の返送路と
    を含む含窒素有機性排水の処理装置。
  5. 1次脱窒槽および1次硝化槽はそれぞれ交互に複数段階を行うステップ脱窒槽および硝化槽である請求項4記載の装置。
  6. 2次脱窒槽と膜分離槽間に、2次脱窒液を再曝気する再曝気槽を含む請求項4または5記載の装置。
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