JP2005118323A - 車両のシート構造 - Google Patents

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哲也 粥見
Tsutomu Ao
励 青
Kazuyuki Aoki
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Abstract

【課題】 シートの軽量化や、車体設計の自由度の向上を図るとともに、良好な座り心地を確保することができる車両のシート構造を提供する。
【解決手段】 車両のシート構造15は、乗員61が着座するシートクッション21の底フレーム57にクッション材71を設け、このクッション材71を表皮74で覆ったものである。この車両のシート構造15は、底フレーム57のうち、乗員61の臀部62に相当する部位に左右の開口部66,67を形成し、クッション材71を上下の2層72,73で構成し、下層73のクッション材を上層72のクッション材より硬くしたものである。
【選択図】 図4

Description

本発明は、車両のシート構造に係り、乗員が着座するシートクッションの底フレームにクッション材を設け、このクッション材を表皮で覆った車両のシート構造に関する。
車両のなかには6〜7人が乗車できるようにフロントシートの後方に第1リヤシートと第2リヤシートとを備えたものがあり、例えば第2リヤシートを折り畳んで車室内に大きな空間を形成するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
実開平5―40029号公報(図3)
特許文献1を以下の図面に基づいて説明する。
図7は従来の技術の基本構成を説明する図である。
車両のシート構造100は、自動車の最後部に備えた第2リヤシート101を、通常乗員102が座ることができるように実線で示す位置(以下、「着座位置」という)配置しておき、例えば車室103内に大きな荷物を載せる際には、第2リヤシート101を後方のフロア収納凹部104に収納するように構成したものである。
この車両のシート構造100をフロア収納凹部104に収納する一例を次図で詳しく説明する。
図8(a)〜(c)は従来の車両のシート構造の作用を説明する図である。
(a)において、車両のシート構造100の第2リヤシート101をフロア収納凹部104に収納する際には、先ず、シートバック106を矢印の如く前倒して、シートクッション107と重ね合わせる。
(b)において、シートクッション107と重ね合わせたシートバック106からヘッドレスト108を外して車室103内に備えたヘッドレスト収納部109((c)参照)に収納する。
次に、シートクッション107を支軸部110を軸にして矢印の如くシートバック106と一体的に後方にスイング(揺動)させる。
(c)において、シートクッション107およびシートバック106(第2リヤシート101)をフロア収納凹部104に収納する。
ここで、第2リヤシート101はそれ自体が比較的重量物であり、第2リヤシート101を人手で車体後方にスイングさせてフロア収納凹部104に収納するためには、大きな操作力が必要になる。
このため、第2リヤシート101をフロア収納凹部104に収納する際に、操作者に比較的大きな負担がかかり、その点で改良の余地があった。
この不具合を改良する手段として、例えば第2リヤシート201を電動でフロア収納凹部204に収納することが考えられる。
この場合に、電動機構のコンパクト化を図るために、第2リヤシート101のシートクッション107のクッション厚さを小さく抑えて、第2リヤシート101の軽量化を図ることが考えられる。
一方、操作者が手動で第2リヤシート201を収納する場合でも、第2リヤシート101のシートクッション107のクッション厚さを小さく抑えて、第2リヤシート101の軽量化を図ることで、操作者にかかる負担を軽減することは可能である。
しかし、シートクッション107のクッション厚さを小さく抑えると、乗員がシートクッションに着座した際に、クッション材の凹み量が減少する。
クッション材の凹み量が減少すると、乗員がシートクッションに着座した際に、座り心地を良好に確保することは難しい。
また、シートクッション107の厚さが大きいと、フロア収納凹部104の容積を大きくする必要がある。フロア収納凹部104の容積が大きいと車室内空間を小さくする必要がある。
さらに、フロア収納凹部104の容積が大きいとフロア収納凹部104が車両下部から下方向に突出するので、車高を高くする必要がある。
このように、シートクッション107の厚さが大きいと、車体設計の自由度が小さくなる。
本発明は、シートの軽量化や、車体設計の自由度の向上を図るとともに、良好な座り心地を確保することができる車両のシート構造を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、底フレームにクッション材を載置し、このクッション材を表皮で覆った車両のシート構造において、前記底フレームのうち、乗員の臀部に相当する部位に開口部を形成し、前記クッション材を上下の2層で構成するとともに、下層のクッション材を上層のクッション材より硬くしたことを特徴とする。
シートクッションの底フレームのうち、乗員の臀部に相当する部位に開口部を形成した。よって、クッション材を乗員の体重で押圧した際に、クッション材を開口部から外側、すなわち下方に押し出す。
これにより、シートクッションのクッション厚さを小さく抑えても、クッション材の凹み量を十分に確保する。
ところで、シートクッションのクッション厚さを小さくすると、シートクッションに乗員が着座した際に、シートクッションの底フレームに臀部がついて、乗員にごつごつした感じを与えることが考えられる。
そこで、クッション材を2層で構成し、下層のクッション材を上層のクッション材より硬くした。
下層のクッション材を硬くすることで、シートクッションに乗員が着座した際に、硬い方のクッション材で臀部を支える。
これにより、シートクッションの底フレームに臀部がつくことを防ぎ、乗員にごつごつした感じを与えないようにすることができる。
このように、クッション材の凹み量を十分に確保し、かつ乗員にごつごつした感じを与えないようにすることで、クッション厚さを小さく抑えることが可能になる。
これにより、シートクッションを収納する収納凹部を小さく抑えて、車室内空間を大きく確保することができる。
さらに、シートクッションを収納する収納凹部を小さく抑えることで、収納凹部が車両下部から下方向に突出させる必要がなくなり、車高を低く抑えることができる。
請求項1に係る発明では、クッション材の凹み量を十分に確保し、かつ乗員にごつごつした感じを与えないようにすることで、クッション厚さを小さく抑えて、シートの軽量化を図るとともに、良好な座り心地を確保することができるという利点がある。
また、シートクッションの厚さを小さくすることで、車体設計の自由度を高めることができるという利点がある。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。「前」、「後」、「左」、「右」は運転者から見た方向に従う。また、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る車両のシート構造を備えた車両を示す概略図である。
車両10は、車室11を構成するフロア12にドライバーシートおよびパッセンジャシートからなるフロントシート13を備え、フロントシート13の後方に第1リヤシート14を備え、第1リヤシート14の後方に第2リヤシート(車両のシート構造)15を備え、車両のシート構造15の後方に、車両のシート構造15を収納するフロア収納凹部16を備える。
以下、車両のシート構造15について説明する。
図2は本発明に係る車両のシート構造を示す斜視図である。
車両のシート構造15は、フロア12上にシートクッション21を設け、シートクッション21の後部に前倒・後倒可能に左右のシートバック22,23を設け、左シートバック22の頂部に左ヘッドレスト24を設け、右シートバック23の頂部に右ヘッドレスト25を設けたものである。
この車両のシート構造15を後方のフロア収納凹部16(図1参照)に収納する際には、先ず、左右のシートバック22,23を前倒してシートクッション21に重ね合わせる。
次に、この状態で、シートクッション21および左右のシートバック22,23を左右の支持軸27,28を軸にして後方に揺動して、フロア収納凹部16にシートクッション21および左右のシートバック22,23を収納する。
図3は本発明に係る車両のシート構造を構成するフレームを示す斜視図である。
車両のシート構造15は、シートクッション21(図2参照)を構成するクッションフレーム31の左右後端部にそれぞれ左右の支持軸27,28を取り付け、右支持軸28を取付部材33を介してフロア12に回転自在に取り付けるとともに、左支持軸28を揺動駆動機構34に取り付け、この揺動駆動機構34をフロア12に取り付けたものである。
また、車両のシート構造15は、クッションフレーム31の左右前端部に左右のクッションロック機構36,37をそれぞれ備え、クッションフレーム31の左右の着座部位38,39(図2参照)を外した中央に制御部42を備える。
さらに、車両のシート構造15は、クッションフレーム31の後端部左側に、左リクライニングアジャスタ43を介して左シートバック22(図2参照)の左バックフレーム44を車体前後方向に揺動自在に備えるとともに、クッションフレーム31の後端部右側に、右リクライニングアジャスタ45を介して右シートバック23(図2参照)の右バックフレーム46を車体前後方向に揺動自在に備えたものである。
加えて、車両のシート構造15は、左リクライニングアジャスタ43のロックを解除する左ロック解除機構47を取付ブラケット48を介して左バックフレーム44に設け、右リクライニングアジャスタ45のロックを解除する右ロック解除機構51を取付ブラケット52を介して右バックフレーム51に設ける。
揺動駆動機構34は、駆動モータ54を正・逆転させることで左支持軸27を介してシートクッション21を前後方向にスイングさせるものである。
駆動モータ54をオン、オフ操作する操作ボタン55は、一例として左シートバック22(図2参照)の後方の室内装飾用のガーニッシュ(図示せず)に設けたものである。
この操作ボタン55を操作することで、制御部42からの信号で左右のロック解除機構47,51を作動して、左右のシートバック22,23をシートクッション21まで前倒する。
次に、クッションロック機構36,37を解除し、この状態で揺動駆動機構34の駆動モータ54を駆動する。
駆動モータ54を駆動することで、車両のシート構造15を左右の支持軸27,28を軸にして後方にスイングして、フロア収納凹部16(図1参照)内に車両のシート構造15を収納する。
この車両のシート構造15は、シートクッション21(図2参照)の底フレーム57を略矩形状平板に形成し、この底フレーム57のうち、乗員61の臀部62に相当する部位に、それぞれ左右の開口部(開口部)66,67を形成したものである。
左開口部66は、一対の左開口66a,66bからなり、右開口部67は、一対の右開口67a,67bからなる。
なお、右開口部67の一対の開口67a,67bは、左開口部66の一対の開口66a,66bと同一形状なので、以下左開口部66の一対の開口66a,66bについて説明して、右開口部67の一対の右開口67a,67bの説明は省略する。
図4は本発明に係る車両のシート構造に備えた左開口部を説明する図である。
シートクッション21の底フレーム57のうち、左側の乗員61の臀部62に相当する部位に、左開口部66を備える。
開口部66のうちの、外側の開口66aを、乗員61の左側の臀部62a下方に相当する部位に形成する。さらに、左開口部66のうちの、内側の開口66bを、乗員61の右側の臀部62b下方に相当する部位に形成する。
このように、左開口部66を2個の開口66a,66bで構成することで、開口66a,66b間にリブ68を形成する。
なお、図2に示すように、右開口部67を外側の開口67aおよび内側の開口67bで構成することで、2個の開口67a,67b間にリブ69を形成する。
これにより、シートクッション21の底フレーム57の剛性を確保した状態で、底フレーム57に左右の開口部66,67(右開口部67は図3参照)を形成することができる。
さらに、図2に示すように、左右の開口部66,67を構成する開口66a,66b,67a,67bを、前後方向に延びる長孔に形成する。
これにより、開口66a,66b,67a,67bを乗員61の左右の臀部62a,62bに合わせて確保することが可能になる。
図5は図2の5−5線断面図である。
車両のシート構造15のシートクッション21は、底フレーム57にクッション材71を設け、クッション材71を表皮74で覆ったものである。
このクッション材71を上下の2層72,73に構成する。上層72のクッション材を、一例としてウレタンフォームの材質で形成し、下層73のクッション材を、一例として上層72よりも高密度ウレタンフォームの材質で形成する。
この上層72よりも高密度ウレタンフォームは、上層72に用いたウレタンフォームより硬いので、下層73を上層72より硬くすることができる。
これにより、乗員61(図4参照)がシートクッション21に着座した際に、比較的硬いクッション材で構成した下層73で、乗員61の臀部62(図4参照)を支える。
よって、シートクッション21のクッション厚さtを小さく抑えても、臀部62(図4参照)がシートクッション21の底フレーム57につくことを防ぐ。
このように、臀部62がシートクッション21の底フレーム57につくことを防ぐことで、シートクッション21に乗員61(図4参照)が着座した際にごつごつした感じを与えないようにする。
これに対して、クッション材を2層に分けないで、比較的柔らかいシートクッション材を使用すると、乗員61がシートクッションに着座した際に、シートクッションの底フレームに臀部62がついて、乗員61にごつごつした感じを与える虞がある。
一方、クッション材を2層に分けないで、比較的硬いシートクッション材を使用すると、乗員61がシートクッションに着座した際に、シートクッションの弾性凹み量が小さくなり、座り心地を良好に確保することが難しくなる。
また、シートクッション21の底フレーム57のうち、乗員61の臀部62に相当する部位に、それぞれ一対の開口(図4参照)を形成する。
よって、乗員61の体重でクッション材71を押圧した際に、クッション材71を左開口部66の一対の開口66a,66bから外側に押し出す。
これにより、シートクッション21のクッション厚さtを小さく抑えても、クッション材71の凹み量を十分に確保することが可能になる。
この際に、比較的硬い下層73のクッション材で臀部62(図4参照)を支えることで、シートクッション21に乗員61が着座した際にごつごつした感じを与えないようにする。
このように、シートクッション21のクッション材の凹み量を十分に確保し、かつ乗員にごつごつした感じを与えないようにすることで、シートクッション21のクッション厚さtを小さく抑えることが可能になる。
これにより、シートクッション21を収納するフロア収納凹部16を小さく抑えて、車室11内の空間を大きく確保することができる。
さらに、シートクッション21を収納するフロア収納凹部16を小さく抑えることで、フロア収納凹部16が車両下部から下方向に突出させる必要がなくなり、車高を低く抑えることができる。
次に、図6に基づいて車両のシート構造10を構成するシートクッション21の作用を説明する。
図6(a),(b)は本発明に係る車両のシート構造を構成するシートクッションの作用を説明する図である。
(a)は、シートクッション21の左右の着座部位38,39(図2も参照)に、乗員61,61が着座した状態を示す。
(b)において、乗員61の臀部62がシーとクッション21の左着座部位38に乗り、左臀部62aが外側の開口66aの上方に位置し、右臀部62bが内側の開口66bの上方に位置する。
よって、左右の開口66a,66bの上方のクッション材71を、乗員61の体重で矢印の如く押圧する。
これにより、左右の開口66a,66bの上方のクッション材71が、乗員61の体重で凹む。この際に、クッション材71の下面、すなわち下層73の下面73aを左右の開口66a,66bから外側に押し出す。
下層73の下面73aを左右の開口66a,66bから外側に押し出すことで、シートクッション21のクッション厚さtを小さく抑えても、クッション材71の凹み量δを十分に確保することができる。
加えて、クッション材71の下層73を上層72より硬くすることで、乗員61がシートクッション21に着座した際に、比較的硬いクッション材で構成した下層73で、乗員61の臀部62を支える。
よって、シートクッション21のクッション厚さtを小さく抑えても、臀部62がシートクッション21の底フレーム57につくことを防ぐ。
これにより、シートクッション21に乗員61が着座した際にごつごつした感じを与えないようにする。
このように、シートクッション21の底フレーム57に左右の開口66a,66bを形成し、かつクッション材71の下層73を上層72より硬くすることで、車両のシート構造15の軽量化を図るとともに、良好な座り心地を確保することができる。
また、左右の開口66a,66bの間にリブ68を形成することで、シートクッション21の底フレーム57の剛性を確保することができる。
なお、前記実施の形態では、左開口部66を一対の開口66a,66bで形成することで一対の開口66a,66b間にリブ68を形成し、右開口部67を一対の開口67a,67bで形成することで一対の開口67a,67b間にリブ69を形成した内容を例示したが、これに限らないで、左右の開口部66,67をぞれぞれ1個の開口で形成することも可能である。
また、前記実施の形態では、開口66a,66b,67a,67bを前後方向に延びる長孔に形成した内容を例示したが、開口66a,66b,67a,67bの形状はこれに限定するものではない。
さらに、前記実施の形態では、本発明を、電動でフロア収納凹部16に収納する車両のシート構造15に適用した例を示したが、これに限らないで、手動でフロア収納凹部16に収納する車両のシート構造に適用することも可能である。
加えて、車両のシート構造をフロア収納凹部16に収納しないように構成した場合でも、本発明をそのシートクッションに適用することは可能である。
また、前記実施の形態では、本発明に係る車両のシート構造15を、最後部の第2リヤシートに適用した内容を例示したが、これに限らないで、その他のシートに適用しても同様の効果を得ることができる。
本発明の車両のシート構造は、乗員が着座するシートクッションの底フレームにクッション材を設け、このクッション材を表皮で覆った車体に好適である。
本発明に係る車両のシート構造を備えた車両を示す概略図である。 本発明に係る車両のシート構造を示す斜視図である。 本発明に係る車両のシート構造を構成するフレームを示す斜視図である。 本発明に係る車両のシート構造に備えた左開口部を説明する図である。 図2の5−5線断面図である。 本発明に係る車両のシート構造を構成するシートクッションの作用を説明する図である。 従来の技術の基本構成を説明する図である。 従来の車両のシート構造の作用を説明する図である。
符号の説明
15…車両のシート構造、21…シートクッション、57…シートクッションの底フレーム、61…乗員、62…臀部、62a…左臀部、62b…右臀部、66…左開口部(開口部)、66a…外側の開口、66b…内側の開口、67…右開口部(開口部)、67a…外側の開口、67b…内側の開口、71…クッション材、72…上層、73…下層、74…表皮。

Claims (1)

  1. 底フレームにクッション材を載置し、このクッション材を表皮で覆った車両のシート構造において、
    前記底フレームのうち、乗員の臀部に相当する部位に開口部を形成し、
    前記クッション材を上下の2層で構成するとともに、下層のクッション材を上層のクッション材より硬くしたことを特徴とする車両のシート構造。
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