JP2007153220A - 車両のシート配設構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い走行性を確保するために低い車高及び前後長が制限されるスポーツカーのような車両の特徴を維持したままで、同乗者の快適性や利便性を高める。
【解決手段】スポーツカー1は4人乗りであり、助手席側後部シート12は子供が着座可能なシートで構成され、運転席側後部シート11は大人が着座できるシートで構成されている。助手席側後部シート12の下方には相対的に高さの高いメインタンク31が配設され、運転席側後部シート11の下方には比較的扁平なサブタンク32が配設される。運転席側後部シート11はシートバック50を後方に倒して着座角度を調整することができ、また、昇降機構55のよって座面を上下できる。助手席シート8は運転席シート7よりも前方にオフセットして配設されている。
【選択図】図1

Description

本発明は車両のシート配設構造に関するものである。
例えばワンボックスカーではシートアレンジの多様性を提供する努力がなされている。特許文献1では、助手席シートのシートバックを前倒しにした状態でインストルメントパネルの下方のフットスペースに格納可能にし、そして、その後に位置する助手席側後列シートを前方に大きくスライド可能にすることを提案している。これによれば、運転席とその後方の運転席側後列シートとの車体前後方向中間部分に助手席側後列シートを位置させることで、これら3つのシートに着座した乗員同士のコミュニケーションが取りやすくなるという利点を備えている。
特許文献2にも、その図17及びその説明に見られるように、助手席シートのヘッドレストを取り外した後に、助手席シートのシートバックを前倒しにした状態でインストルメントパネルの下方のフットスペースに格納することが提案されている。
特許文献3、4は、後突時の衝撃荷重に対する安全性を確保しつつ大きなタンク容量を確保するために、後列シートの下方に燃料タンクを配置することが開示されている。
特開2000−238560号公報 特開2003−165367号公報 特開平5−627号公報 特開平6−211169号公報
ところで、スポーツカーは、走行性能に最大の力点を置いた設計となるため、低い車高且つキャビンの前後長も大幅に制限されることから2人乗車が基本であり、仮に4人乗車のために後席を設けたとしても固定したサービスシートに止まり、子供や比較的小さな荷物を載せるのに利用できる程度であった。
本発明の目的は、高い走行性を確保するために低い車高及び前後長が制限されるスポーツカーのような車両の特徴を維持したままで、同乗者の快適性や利便性を高めることのできる車両のシート配設構造を提供することにある。
かかる技術的課題は、本発明によれば、
車室のフロアパネルの上に、インストルメントパネルに対向して左右に横並びに配設された運転席シート及び助手席シートからなる前列シートと、該前列シートの後方に左右に横並びに配設された2つの後部シートからなる後列シートとを有する車両のシート配設構造であって、
前記助手席シートが前記運転席シートよりも前方にオフセットして配設され、また、前記後列シートのうち前記運転席側の後部シートに、該シートクッションの座面高さを調整するシート座面高さ調整機構が設けられていることを特徴とする車両のシート配設構造を提供することにより達成される。
本発明のシート配設構造によれば、助手席シートが運転席シートよりも前方にオフセットして配設されていることから、助手席シートとその後方の後席側後部シートとの間に運転席シートが位置することになり、これら3つのシートに着座した乗員間のコミュニケーションが容易になる。また、運転席側の後部シートにシート座面高さ調整機構を設けることにより、運転席側の後部シートに着座した乗員、例えば子供が着座した場合や、この運転席側後部シートにチャイルドシートを設置した場合に、シートの座面を適当な高さに調整することができる。
前記助手席側の後部シートに着座角度を調整することのできる着座角度調整機構が設けてもよく、これにより助手席側の後部シートに着座した乗員にとって都合良いシート着座角度に調整することができる。
また、本発明の好ましい実施の形態では典型的な例として、運転席側の後部シートに大人が着座可能な比較的大型のシートが配設され、助手席側の後部シートには子供などが着座できる比較的小型のシートが配設される。これによれば、大人3人、子供1人に限定されるものの、路肩側の運転席側の後部シートに大人を着座させるようにすることで、後部シートに着座した乗員の乗降の安全性を確保することができる。
本発明の好ましい実施の形態では、前記後列シートが配設される後席設置フロア部分が、前記前列シートを設置した前席設置フロア部分との間の高さの異なる第1、第2のキックアップ部により段上げされて前記前席設置フロア部分よりも高所に位置決めされると共に、前記2つの後部シートのうち前記運転席側の後部シートが設置される第1部分が前記助手席側の後部シートが設置される第2部分よりも相対的に低く設定されている。これによれば、運転席側の後部シートのフロア面を相対的に低く設計することで比較的大きな後部シートを設置することが容易になる。
本発明の好ましい実施の形態では、前記後席フロア部分の前記第1部分及び前記第2部分の下方に、夫々、高さの異なる補機が配設されており、この補機の典型例として燃料タンクを挙げることができる。燃料タンクを後席設置フロア部分の第1、第2部分の下方に配設することで、燃料タンクの容量を確保できると共に、後突時の衝撃荷重に対する安全性を確保することができる。
以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。
図1、図2を参照して、車両1はFR駆動形式の車両であり、ルーフ2で覆われたキャビン3に4名の乗車を可能にしたスポーツカーである。そして、キャビン3の前方に位置するエンジンルーム4にはレシプロエンジン(図示せず)が横置きに配置されている。図1はキャビン3の様子を運転席側から見た図であり、図2は助手席側から見た図である。なお、この車両1は左ハンドル車であり、図1の参照符号Hはハンドルである。
キャビン3の床を構成するフロアパネル5には、図3、図4に示すように、その車幅方向中央部分にトンネル部6が形成され、このトンネル部6に配置された駆動シャフト(図示せず)を介してエンジンの駆動力が後輪に伝達される。
フロアパネル5は、前方から後方に向け手順に、運転席シート7及び助手席シート8の前列シート9(図3)が配設される前席設置部分10と、左右に分離された第1、第2の後部シート11、12からなる後列シート13が配設される後席設置部分14と、荷室15の床を構成するリアフロア部分16とを有する。
図4を参照して、フロアパネル5は、後席設置部分14を前席設置部分10から段上げするための段部を構成する第1キックアップ部20が設けられ、また、後席設置部分14をリアフロア部分16から段上げするための段部を構成する第2キックアップ部21が設けられている。図3、図4において、参照符号22〜25は第1〜第4のクロスメンバであり、また、26は、トンネル部6を挟んで左右に位置し且つ車体前後方向に延びるフロアフレームを示し、リヤフロア部分16の両側に、左右の後輪サスペンション機構27及び左右の後輪28が配設されている。
第1キックアップ部20により段上げされた後席設置部分14は、トンネル部6を挟んで左右で高さが異なっている。すなわち、図4を参照して、この車両1は左ハンドル車であることに関連して、運転席後方(左側)の後席設置部分14aが相対的に低く、助手席後方(右側)の後席設置部分14bが相対的に高い。
また、第1キックアップ部20は、上述した後席設置部分14aと14bとを形成する運転手側キックアップ部20aと助手席側キックアップ部20bとで構成されるが、運転手側キックアップ部20aは、助手席側キックアップ部20bよりも後方にオフセットされており、このオフセットを図3にL1で示してある。
また、図4から最も良く理解できるように、後席設置部分14を段上げしてリアフロア部分16を形成するための第2キックアップ部21は、運転席側キックアップ部21aと助手席側キックアップ部21bとで構成されるが、運転手側キックアップ部21aは、助手席側キックアップ部21bよりも後方にオフセットされており、このオフセットを図4にL2で示してある。
フロアパネル5において、前席設置部分10に対して第1キックアップ部20によって段上げされた後席設置部分14には、その下方に補機としての燃料タンク30が配設されている。
燃料タンク30は、図3に示すように、左右に分離されたメインタンク部31及びサブタンク部32とを有し、このメインタンク部31とサブタンク部32とは、上方に隆起したトンネルタンク部33とで連結されており、メインタンク部31にフューエルポンプ34が配設されている。メインタンク部31は、サブタンク部32よりも上下方向の高さ寸法が大きく設計されており、サブタンク部32は比較的高さ寸法が小さい。
フロアパネル5の後席設置部分14の下方に配設された燃料タンク30は、比較的扁平なサブタンク部32が運転席側後席設置部分14aの下方に配置され、メインタンク部31が助手席側後席設置部分14bの下方に配置され、トンネルタンク部33がトンネル部6の下方に配置され、燃料タンク30はタンクバンド35(図1、図2)によって車体に支持されている。
このように、第1キックアップ部20によって後席設置部分14を段上げし、その下方に燃料タンク30を配設するようにしたことから、後突時の衝撃荷重に対する安全性を確保することができる。そして、燃料タンク30を、左右に分離したメインタンク部31及びサブタンク部32と、このメインタンク部31とサブタンク部32とを連結するトンネルタンク部33とで構成したことから、スポーツカー1の車高を低く維持しながら燃料タンク30の容量を十分に確保することができる。
運転席側から見た図1に戻って、運転席シート7はそのシートバック40が、助手席シート8のシートバック41(図2)も同様であるが、第1の軸42を中心にリクライニングが可能であり、このシートバック40の上部にヘッドレスト43が一体に組み込まれている。
図1に見られる後部シート11は、大人が着座可能な比較的大きなシートで構成されている。これに対して、図2に見られる後部シート12は、子供や小柄な女性が着座することのできる比較的小型のシートで構成されている。上記の運転席後方の後部シート11は、図1に示すように、そのシートバック50が軸53を中心に後方に若干倒すことができ、また、前方にも倒すことができる。この運転席後方の後部シート11のシートバック50を前方に倒すことにより、荷室から延びる長尺の荷物を積載したり、この前倒しにした後部シート11のシートバック50の上に荷物を置くことができる。
運転席後方の後部シート11は、また、段上げされた後席設置部分14の相対的に低い運転席側後席設置部分14aに昇降機構55を介して取り付けられており(図6)、この昇降機構55によって運転席側の後部シート11のシートクッション54を上げ下げすることができる。シートクッション54の昇降は、シートクッション54の前部だけを上下させるものであってもよいし、シートクッション54の全体を上下させるものであってもよい。昇降機構55は従来から様々な機構が知られているが、例えば図6に例示するように、減速機構付きモータ56によって回転するネジ棒57によって揺動する一対のリンク58で構成することができる。また、昇降機構55の変形例として、シートクッション54を例えば上下2層で構成し、上層のクッションを脱着することによりシートクッション54の実施的な座面高さを変更できるようにしてもよい。脱着可能なクッションはシートクッション54の前部など部分的なクッションであってもよい。このような昇降機構55及び/又は前述した着座角度調整機構を上述した助手席側後部シート12に採用してもよい。
上述した実施例の車両1では、スポーツカーでありながら、後列シート13を備え、運転席後方に大人1名、助手席後方に子供1名の乗車が可能である。助手席シート8は、運転席シート7よりも前方にオフセットして配置するのが好ましい(図3のL3)。これにより、前方に位置する助手席シート8と、その後方の後部シート12との間に運転席シート7が位置することになるため、助手席側後部シート12に着座した乗員(子供)との間のコミュニケーションが容易になる。この助手席側後部シート12に着座角度調整機構を設けた場合には、この助手席側後部シート12に着座した子供や女性とって快適な着座角度を提供することができる。
また、大人3名で乗車する場合に、運転席側の比較的大きな後部シート11に乗員が着座することになるが、この者が乗降する際には路肩側のドアから乗り降りできるため安全である。また、この運転席側後部シート11には、シート座面高さ調整機構(昇降機構55)が設けられているため、この後部シート11に着座した乗員の好みや体格に応じた座面高さに調整することができる。このことは、この運転席側後部シート11にチャイルドシートを設置した場合でも同様である。また、この運転席側後部シート11に設けた着座角度調整機構によって、この後部シート11に着座した乗員にとって快適な着座角度を提供することができる。
如上のように、車両1はスポーツカー特有の低い車高及び比較的制限されたキャビンスペースを維持しながら、2つのセパレートした後部シート11、12のうち助手席側の後部シート12を比較的体格が小さい乗員用とし、他方の運転席側の後部シート11を大人が着座するシートに設定するというスポーツカーでは今までにない割り切りなかで、後席乗員の乗降時の安全性、乗員の快適性や利便性を向上することができる。
実施例の4名乗車可能なスポーツカーを運転席側から見た図である。 実施例の4名乗車可能なスポーツカーを助手席側から見た図である。 実施例の車両の前列シート及び後列シートのシート配列を説明するための図である。 車室フロアを構成するフロアパネルの構造を示す斜視図である。 後列シートが設置される段上げしたフロア部の下方に配置される燃料タンクの斜視図である。 運転席側後部シートの座面を上下させる昇降機構の一例を説明するための図である。
符号の説明
1 車両
5 フロアパネル
6 トンネル部
7 運転席シート
8 助手席シート
11 運転席側後部シート
12 助手席側後部シート
14 フロアパネルの後席設置部分
30 燃料タンク
40 運転席シートのシートバック
41 助手席シートのシートバック
42 シートバックのリクライニング軸
50 運転席側後部シートのシートバック
53 運転席側後部シートのシートバックの揺動軸
54 運転席側後部シートのシートクッション
55 昇降機構
56 減速機構付きモータ
57 ネジ棒
58 リンク

Claims (5)

  1. 車室のフロアパネルの上に、インストルメントパネルに対向して左右に横並びに配設された運転席シート及び助手席シートからなる前列シートと、該前列シートの後方に左右に横並びに配設された2つの後部シートからなる後列シートとを有する車両のシート配設構造であって、
    前記助手席シートが前記運転席シートよりも前方にオフセットして配設され、また、前記後列シートのうち前記運転席側の後部シートに、該シートクッションの座面高さを調整するシート座面高さ調整機構が設けられていることを特徴とする車両のシート配設構造。
  2. 前記助手席側の後部シートに、この後部シートのシート着座角度を調整することのできる着座角度調整機構が設けられている、請求項1に記載の車両のシート配設構造。
  3. 前記助手席側の後部シートよりも、前記運転席側の後部シートの方が大きな体格の乗員の着座を許容することができる、請求項1又は2に記載のシート配設構造。
  4. 前記後列シートが配設される後席設置フロア部分が、前記前列シートを設置した前席設置フロア部分との間の高さの異なる第1、第2のキックアップ部により段上げされて前記前席設置フロア部分よりも高所に位置決めされると共に、前記2つの後部シートのうち前記運転席側の後部シートが設置される第1部分が前記助手席側の後部シートが設置される第2部分よりも相対的に低く設定されている、請求項1〜3に記載のシート配設構造。
  5. 前記後席フロア部分の前記第1部分及び前記第2部分の下方に、夫々、高さの異なる補機が配設されている、請求項4に記載の車両のシート配設構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022030769A (ja) * 2020-08-07 2022-02-18 株式会社デンソー シートリクライニング位置制御装置

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