JP2005117886A - 多出力dc−dcコンバータ - Google Patents

多出力dc−dcコンバータ Download PDF

Info

Publication number
JP2005117886A
JP2005117886A JP2004259691A JP2004259691A JP2005117886A JP 2005117886 A JP2005117886 A JP 2005117886A JP 2004259691 A JP2004259691 A JP 2004259691A JP 2004259691 A JP2004259691 A JP 2004259691A JP 2005117886 A JP2005117886 A JP 2005117886A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
output
voltage
signal
inductor
main switch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004259691A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Tanaka
田中    淳
Tsukasa Kawahara
司 川原
Kazuhiko Nagaoka
一彦 長岡
Satoshi Wada
聡 和田
Shusaku Goto
周作 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2004259691A priority Critical patent/JP2005117886A/ja
Publication of JP2005117886A publication Critical patent/JP2005117886A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Dc-Dc Converters (AREA)

Abstract

【課題】 一つのインダクタをON/OFF制御して複数の電圧を出力する多出力DC−DCコンバータおいて、各出力電圧を任意のタイミングで起動する。
【解決手段】 所定周期でオン・オフを繰り返し、オン時にインダクタ2に直流電源1の入力直流電圧を印加させる主スイッチSW1と、主スイッチSW1のオフ時にインダクタ2に発生する電圧を整流する複数のダイオード31,32と、ダイオード31,32のそれぞれに直列接続された補助スイッチSW2,SW3と、ダイオード31,32と補助スイッチSW2,SW3との直列回路のそれぞれに接続され、複数の出力電圧をそれぞれ出力する複数のコンデンサ41,42とを設ける。制御回路600により、主スイッチSW1を所定の周期毎にオン・オフし、且つ所定の周期毎に複数ある補助スイッチSW2,SW3のいずれか一つを選択する時分割制御を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多出力DC−DCコンバータに係り、特に一つのインダクタを用いて、大きさの異なる複数の変換直流電圧を出力し、かつ変換動作の起動タイミングを複数の変換直流電圧毎に任意に設定可能で、複数の変換直流電圧の出力を任意のタイミングで開始させることを可能とする、多出力DC−DCコンバータに関するものである。
多出力DC−DCコンバータの先行技術としては、複数の昇圧コンバータが単一のインダクタを共用する構成のものがある。その多出力DC−DCコンバータには、図13に示すような昇圧チャンネルのみ複数持つ構成のものがあった(例えば、特許文献1参照)。
この多出力DC−DCコンバータは、図13に示すように、直流電源1から入力直流電圧Eiが入力されている。そして、インダクタ2と、主スイッチSW1と、補助スイッチSW2と、ダイオード31と、第1の出力キャパシタ41と、補助スイッチSW2と直列回路を形成するダイオード32と、第2の出力キャパシタ42と、主スイッチSW1と補助スイッチSW2とをそれぞれ所定のオン期間とオフ期間で駆動する制御回路60とで昇圧回路が構成されている。
第1の出力キャパシタ41から第1の出力電圧VO1を第1の負荷51へ出力し、第2の出力キャパシタ42から第2の出力電圧VO2を第2の負荷52へ出力する。入出力条件はVO1>Ei>0かつ、VO2>Ei>0である。補助スイッチSW2がOFFの場合は、インダクタ2と主スイッチSW1とダイオード31とキャパシタ41とが昇圧コンバータを構成する。一方、補助スイッチSW2がONの場合は、インダクタ2と主スイッチSW1とダイオード32とキャパシタ42とが昇圧コンバータを構成する。
制御回路60において、出力検出回路70は、第1の出力電圧VO1と第2の出力電圧VO2とをそれぞれ検出し、それぞれ所望値との誤差が増幅された誤差電圧Ve1および誤差電圧Ve2を出力する。発振回路61は、所定の周期Tを有する鋸波電圧Vtと、クロック信号Vt1とを出力する。パルス幅変調(PWM)回路80は、誤差電圧Ve1と鋸波電圧Vtとの比較結果である信号V1と、誤差電圧Ve2と鋸波電圧Vtとの比較結果である信号V2とを出力する。分周器62は、信号Vt1が入力され、分周信号Vt2を出力する。駆動回路90は、信号V1と信号V2と分周信号Vt2とが入力され、主スイッチSW1の駆動信号Vg1と補助スイッチSW2の駆動信号Vg2とを出力する。駆動信号Vg2は分周信号Vt2と同じである。また、主スイッチSW1の駆動信号Vg1としては、分周信号Vt2がローレベルの場合は信号V1が選択出力され、分周信号Vt2がハイレベルの場合は信号V2が選択出力される。
図14は以上の各信号およびインダクタ2を流れる電流ILを示す波形図である。
以下に図13と図14を用いて、多出力DC−DCコンバータの先行技術における通常時の動作を説明する。まず、図14の時刻t0において、クロック信号Vt1によって分周信号Vt2がローレベルになり、鋸波信号Vtが上昇を開始するものとする。この時、分周信号Vt2すなわち駆動信号Vg2のローレベルにより補助スイッチSW2はOFF状態となる。一方、鋸波信号Vtと誤差電圧Ve1との比較結果である信号V1はハイレベルとなり、これが駆動信号Vg1として出力される。すなわち、主スイッチSW1はON状態となり、インダクタ2には入力直流電圧Eiが印加され、電磁エネルギーが蓄えられていく。時刻t1において、信号V1がローレベルとなると、駆動信号Vg1はローレベルとなり、主スイッチSW1はOFF状態となる。この時、補助スイッチSW2がOFFであるので、インダクタ2に蓄えられた電磁エネルギーは、ダイオード31を介してキャパシタ41を充電する電流として放出される。この電流は減少していき、やがてゼロとなる。時刻t2において、クロック信号Vt1によって分周信号Vt2がハイレベルになり、鋸波信号Vtは急速に減少した後再び上昇を開始する。この時、駆動信号Vg2もハイレベルとなり、補助スイッチSW2はON状態となる。一方、鋸波信号Vtと誤差電圧Ve2との比較結果である信号V2はハイレベルとなり、これが駆動信号Vg1として出力される。すなわち、主スイッチSW1はオン状態となる。この時、インダクタ2には入力直流電圧Eiが印加され、電磁エネルギーが蓄えられていく。時刻t3において、信号V2がローレベルとなると、駆動信号Vg1はローレベルとなり、主スイッチSW1はオフ状態となる。この時、インダクタ2に蓄えられた電磁エネルギーは、補助スイッチSW2がON状態であるので、ダイオード32を介してキャパシタ42を充電する電流として放出される。この電流は減少していき、やがてゼロとなる。時刻t4において、駆動信号Vg2はローレベルとなり、時刻t0以降の動作を繰り返す。誤差電圧Ve1およびVe2はそれぞれ第1および第2の出力電圧VO1およびVO2を所望の電圧に安定化するように増減するため、主スイッチSW1のオン期間は調整される。すなわち、主スイッチSW1とインダクタ2とを共有する2つの昇圧コンバータが、発振器61の発振周波数の1/2で時分割制御されることによって、第1および第2の出力電圧をそれぞれ所望の電圧に安定化する。
特開2002−354822号公報
一つのインダクタを多出力で共用する形の先行技術の多出力DC−DCコンバータにおいては、各スイッチSW1、SW2のON/OFFを制御する論理波形が一意的に設計されており、回路の起動開始から定常状態を経て回路が停止するまでの間、常に全ての出力電圧は交互に昇圧動作を繰り返すことになる。そのため回路の起動時には、全ての出力電圧は一斉に起動を開始し、回路の停止時には、全ての出力の昇圧動作は停止するものであった。
さらに、VO1>VO2>Eiという入力条件が存在しているため、図13において補助スイッチSW2がONの期間には、ダイオード32のアノード側の電圧は、(出力電圧VO2+順方向ダイオード電圧)で固定される。そのため、上記期間においてインダクタ2に蓄えられ、発生した昇圧エネルギーは第1の出力電圧VO1の昇圧のために流れることはなく、すべて第2の出力電圧VO2の昇圧エネルギーとなった。
しかし、先に第2の出力電圧VO2の起動を開始し、第2の出力電圧VO2が安定になってから、次に第1の出力電圧VO1の起動を開始させる場合では、第2の出力電圧VO2が起動を開始してから第1の出力電圧VO1が昇圧を完了するまでの間、一時的にVO2>VO1となり、入力条件に違反するため制御が不能となった。
本発明の目的は、単一のインダクタを多出力で共用する形の多出力DC−DCコンバータにおいて、各出力電圧を他の出力電圧の影響を受けることなく任意に設定することができる多出力DC−DCコンバータを提供することである。
本発明の他の目的は、単一のインダクタを多出力で共用する形の多出力DC−DCコンバータにおいて、各出力電圧の出力開始および停止タイミングに任意の時間差をもたせるような起動開始および停止を可能とする多出力DC−DCコンバータを提供することである。
上記課題を解決するために、第1の発明の多出力DC−DCコンバータは、入力直流電圧を出力する直流電源と、前記直流電源に接続されたインダクタと、所定の周期でオン・オフを繰り返し、オン時に前記インダクタに前記直流電源の入力直流電圧を印加させる主スイッチと、前記主スイッチのオフ時に前記インダクタに発生する電圧を整流する複数の整流手段と、前記複数の整流手段のそれぞれに直列接続された補助スイッチと、前記複数の整流手段と前記補助スイッチとの直列回路のそれぞれに接続され、複数の出力電圧をそれぞれ出力する複数の平滑手段と、制御回路とを備えている。
上記の制御回路は、前記主スイッチを前記所定の周期毎にオン・オフし、且つ前記所定の周期毎に複数ある前記補助スイッチのいずれか一つを選択する時分割制御を行って、選択された前記補助スイッチを介して出力電圧を出力し、イネーブル信号が停止を指示している場合には、そのイネーブル信号に対応する補助スイッチを強制的にオフ状態とする。
この構成によれば、各出力電圧を他の出力電圧の影響を受けることなく任意に設定することができる。また、各出力電圧の出力開始タイミングに時間差をもたせるような起動開始や各出力電圧の出力停止タイミングに時間差を持たせる停止を可能とする。
ここで、イネーブル信号が停止を指示している場合は、対応した出力電圧を出力するための補助スイッチを選択している期間、主スイッチをオフ状態とすることが好ましい。
また、制御回路は、ある補助スイッチを選択している期間、前記補助スイッチに対応する出力電圧が所定の目標電圧となるように、前記インダクタへのエネルギーの蓄積時間を制御し、かつ前記インダクタに蓄積されたエネルギーを前記複数の平滑手段のうち該当する平滑手段へ放出させるようにしていることが好ましい。これによって、複数の電圧出力端子の電圧が所望の電圧で安定する。
第2の発明の多出力DC−DCコンバータは、入力直流電圧を出力する直流電源と、インダクタと、前記インダクタと接地との間に直列に接続された第1の主スイッチと、前記直流電源とインダクタとの間に直列に接続された第2の主スイッチと、前記第1の主スイッチと前記インダクタの接続点に接続された第1の整流手段と、前記第1の整流手段に直列接続され、正電圧を出力する第1の平滑手段と、前記第2の主スイッチと前記インダクタの接続点に接続された第2の整流手段と、前記第2の整流手段に直列接続され、負電圧を出力する第2の平滑手段と、制御回路とを備えている。
上記の制御回路は、正電圧を出力する第1の状態と負電圧を出力する第2の状態とを所定の期間で繰り返し選択し、前記第1の状態の期間中は、前記第2の主スイッチのオン状態を継続させ、且つ前記第1の主スイッチをオン・オフすることにより前記インダクタに発生する電圧を前記第1の整流手段で整流し、前記第2の状態の期間中は、前記第1の主スイッチのオン状態を継続させ、且つ前記第2の主スイッチをオン・オフすることにより前記インダクタに発生する電圧を前記第2の整流手段で整流し、正電圧用の第1のイネーブル信号が停止を指示しており且つ前記第1の状態である期間中は前記第1の主スイッチをオフ状態にする一方、負電圧用の第2のイネーブル信号が停止を指示しており且つ前記第2の状態である期間中は前記第2の主スイッチをオフ状態にする。
この構成によれば、各出力電圧を他の出力電圧の影響を受けることなく任意に設定することができる。また、各出力電圧の出力開始タイミングに時間差をもたせるような起動開始や各出力電圧の出力停止タイミングに時間差を持たせる停止を可能とする。
ここで、上記の制御回路は、前記第1の状態もしくは前記第2の状態の期間、前記正電圧および前記負電圧がそれぞれ所定の目標電圧となるように、前記インダクタへのエネルギーの蓄積時間を制御して、前記インダクタに蓄積されたエネルギーを前記第1および第2の平滑手段のうち該当する平滑手段へ放出させるようにしていることが好ましい。これによって、複数の電圧出力端子の電圧が所望の電圧で安定する。
本発明の多出力DC−DCコンバータは、上記構成を有し、各出力電圧を他の出力電圧の影響を受けることなく任意に設定することができる。また、各出力電圧の出力開始および停止タイミングに任意の時間差をもたせるような起動開始および停止を可能とする。
以下、本発明の実施の形態1について図1を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における多出力DC−CDコンバータの構成を示す回路図である。図1において、図13と同じ構成については同じ符号を用い、説明を省略する。
この実施の形態の多出力DC−DCコンバータは、図1に示すように、直流電源1から入力直流電圧Eiが入力されている。そして、この多出力DC−DCコンバータは、インダクタ2と、NチャネルMOSFETからなる第1の主スイッチSW1と、バックゲートをインダクタ2側に接続したPチャネルMOSFETからなる補助スイッチSW2と、補助スイッチSW2と直列回路を形成するダイオード31と、第1の出力キャパシタ41と、バックゲートをインダクタ2側に接続したPチャネルMOSFETからなる補助スイッチSW3と、補助スイッチSW3と直列回路を形成するダイオード32と、第2の出力キャパシタ42と、主スイッチSW1と補助スイッチSW2と補助スイッチSW3とをそれぞれ所定のオン期間とオフ期間で駆動する制御回路600と、第1の出力電圧(変換直流電圧)VO1、第2の出力電圧VO2のそれぞれに対応するイネーブル信号を入力する入力端子CONT1、CONT2からなるイネーブル信号入力端子100より昇圧回路が構成されている。
主スイッチSW1と補助スイッチSW2と補助スイッチSW3はスイッチ回路を構成していて、インダクタ2へのエネルギーの蓄積とインダクタ2からのエネルギーの放出とを切り替えるとともに、インダクタ2から複数のキャパシタ(41または42)へ至るエネルギーの放出経路を選択する機能を有する。
制御回路600は、スイッチ回路がインダクタ2へのエネルギーの蓄積とインダクタ2からのエネルギーの放出とを周期的に切り替えるとともに、インダクタ2から複数のキャパシタ(41または42)へ至るエネルギーの放出経路を時分割で排他的に選択するように、スイッチ回路(SW1〜SW3)を制御する機能を有する。また、制御回路600は、複数の電圧出力端子に現れる電圧がそれぞれ所定の目標電圧となるように、該当する放出経路が選択された期間におけるインダクタ2へのエネルギーの蓄積時間を制御し、かつ該当する期間内にインダクタ2に蓄積されたエネルギーを全て該当するキャパシタ(41または42)へ放出させるように制御する機能を有する。さらに、制御回路600は、複数の補助スイッチ(SW2,SW3)にそれぞれ対応して設定されたイネーブル信号の状態に応じて複数のキャパシタ(41または42)へ至るエネルギーの放出経路の導通遮断を選択する機能を有し、さらに、キャパシタ(41または42)へ至るエネルギーの放出経路が遮断状態にある期間は、インダクタ2へのエネルギーの蓄積を停止する機能を有する。
出力検出回路700は、検出抵抗701、702、704、705と、エラーアンプ706、707、基準電圧VREFを発生する基準電圧源708とで構成されており、第1の出力電圧VO1は、検出抵抗701、702によって検出され、第2の出力電圧VO2は、検出抵抗704、705によって検出され、それぞれエラーアンプ706、707によって、所望の電圧値との差電圧が増幅された誤差電圧Ve1、Ve2が出力される。
パルス幅変調回路800は、比較器801、802で構成されており、上記誤差電圧Ve1と鋸波電圧Vtとの比較結果である信号V1と、誤差電圧Ve2と鋸波電圧Vtとの比較結果である信号V2を出力する。
駆動回路900は、AND回路901、902と、OR回路903と、NAND回路904、905とで構成されている。
符号51、52は負荷を示している。
イネーブル信号入力端子100内の入力端子CONT1にハイレベル信号を投入することにより第1の出力電圧VO1が起動を開始し、入力端子CONT2にハイレベル信号を投入することで、第2の出力電圧VO2が起動を開始する。本実施の形態の説明における起動順序に関しては、最初に起動が開始する出力電圧をVO2、後に起動を開始する出力電圧をVO1としている。
各出力電圧の起動を開始するときの状態を、図1と図2を使って説明する。第1および第2の出力電圧VO1、VO2ともに起動を開始する前の状態では、入力端子CONT1、CONT2ともにイネーブル信号が投入されず、ローレベルを維持している。入力端子CONT1の信号はAND回路902において、パルス信号V1が主スイッチSW1の駆動信号Vg1として出力されるのをシャットアウトしている。また、入力端子CONT2の信号はAND回路901において、パルス信号V2が主スイッチSW1の駆動信号Vg1として出力するのをシャットアウトしている。そのため、主スイッチSW1のONタイミングは存在せず、よってインダクタ2に電磁エネルギーが蓄えられることはない。また、入力端子CONT1、CONT2の信号はそれぞれNAND回路905、NAND回路904にも入力され、補助スイッチSW2、SW3の駆動信号Vg2、Vg3をハイレベルに固定することで、補助スイッチSW2、SW3を常時OFF状態にしている。
次に、図2の時刻t5は、入力端子CONT2の信号にのみハイレベルが投入される時刻であり、第1の出力電圧VO1が未だ起動を開始しない状態で、第2の出力電圧VO2のみが起動を開始する時刻である。このとき、入力端子CONT1はローレベルが入力されているため、AND回路902は何も出力されないが、AND回路901へ入力される入力端子CONT2の信号はハイレベルであるので、AND回路901の出力は、分周信号Vt2とパルス信号V2の論理積が出力される。つまり、OR回路903の出力である主スイッチSW1の駆動信号Vg1としては、分周信号Vt2がハイレベルの期間においてパルス信号V2のみが選択出力されることとなる。
また、入力端子CONT2の信号がハイレベルであるため、NAND回路904は分周信号Vt2の反転信号を出力することになり、その信号が補助スイッチSW3の駆動信号Vg3となる。PチャンネルMOSFETである補助スイッチSW3は、分周信号Vt2がハイレベルでONすることとなる。この期間における回路の振舞いは、第2の出力電圧VO2に対する昇圧コンバータとして動作し、先行技術の図14における、時刻t2から時刻t4間の振舞いをすることになる。さらに、入力端子CONT1の信号がローレベルであるため、NAND回路905の出力はハイレベルで固定される。上記NAND回路905の出力は、補助スイッチSW2の駆動信号Vg2であるため、第1の出力電圧VO1が昇圧を開始しない間は、PチャンネルMOSFETである補助スイッチSW2はOFF状態を維持する。そのため、第1の出力電圧VO1の出力部にインダクタ2からエネルギーが流れ込むことはない。
最後に、図2の時刻t6は、入力端子CONT1の入力信号にもハイレベルが投入され、第1の出力電圧VO1も起動を開始する時刻である。入力端子CONT1の信号がハイレベルに変化することで、AND回路902の出力としては分周信号Vt2の反転信号とパルス信号V1の論理積が出力される。この論理積出力信号と、上記したAND回路901の出力である分周信号Vt2とパルス信号V2の論理積出力信号とを、OR回路903に入力することで、OR回路903の出力である主スイッチSW1の駆動信号Vg1は、分周信号Vt2がハイレベルの期間においてパルス信号V2が選択出力され、分周信号Vt2がローレベルの期間においてパルス信号V1が選択出力される。
また、入力端子CONT1、CONT2の信号がともにハイレベルになっているため、補助スイッチSW2の駆動信号Vg2であるNAND回路905の出力は分周信号Vt2と同じ信号となり、補助スイッチSW3の駆動信号Vg3であるNAND回路904の出力信号は分周信号Vt2を反転した信号となる。
したがって、PチャンネルMOSFETである、補助スイッチSW2は分周信号Vt2のローレベルの期間でONし、同じく補助スイッチSW3は分周信号Vt2のハイレベルでONすることとなる。そして、補助スイッチSW2と補助スイッチSW3とを交互にON状態にすることで、補助スイッチSW2がONの期間は、主スイッチSW1と、インダクタ2と、ダイオード31と、出力キャパシタ41とで構成される第1の昇圧コンバータ(第1の出力電圧VO1を発生する)の状態を実現し、補助スイッチSW3がONの期間は、主スイッチSW1と、インダクタ2と、ダイオード32と、出力キャパシタ42とで構成される第2の昇圧コンバータ(第2の出力電圧VO2を発生する)の状態を実現する。これらの2つの状態は、互いに独立した昇圧回路と見なすことができ、両方の出力電圧VO1、VO2の大小関係を任意に設定することができる。また、両方の出力電圧VO1、VO2の大小関係に束縛されることなく、任意のタイミングで両方の出力電圧VO1、VO2の起動および停止が可能となる。
上記動作では、出力電圧VO1による出力消費電力と出力電圧VO2による出力消費電力とが同程度であると想定し、出力電圧VO1を発生する第1の昇圧コンバータと出力電圧VO2を発生する第2の昇圧コンバータとが交互に同じ回数だけ昇圧動作を繰り返すという、発振周波数の1/2で時分割制御される多出力DC−DCコンバータについて説明した。
しかし、出力電圧VO1による出力消費電力と出力電圧VO2による出力消費電力との間に差がある場合では、出力電圧VO1を発生する第1の昇圧コンバータの昇圧動作の回数と出力電圧VO2を発生する第2の昇圧コンバータの昇圧動作の回数とに差をつけるようにする。例えば出力電圧VO1による出力消費電力が、出力電圧VO2による出力消費電力の3倍である場合、出力電圧VO1の昇圧動作、すなわち先行技術の図14における、時刻t0から時刻t2間の振舞いを3回繰り返し、出力電圧VO2の昇圧動作、すなわち先行技術の図14における、時刻t2から時刻t4間の振舞いを1回行うというように発振周波数の1/4で時分割制御する。このように、実施の形態1においては昇圧動作を出力端子毎に交互に実行する必要はない。
なお、上記の実施の形態では、出力端子を2つ有する多出力DC−DCコンバータについて説明したが、出力端子の数は3つ以上であってもよい。
図3は入力端子CONT1、CONT2へのイネーブル信号の入力条件と、出力電圧VO1、VO2の起動状態との関係を示したものである。図2および上記説明は、図3の(A)の起動状態を詳細に示したものである。つまり、最初に入力端子CONT2の起動信号(イネーブル信号)をローレベルからハイレベルに変化させ、その後一定時間経過して入力端子CONT1の起動信号(イネーブル信号)をローレベルからハイレベルに変化させることで、最初に出力電圧VO2、一定時間後に出力電圧VO1といった順序で起動させている。
これに対し、図3の(B)に示すように、最初に入力端子CONT1の起動信号をローレベルからハイレベルに変化させ、その後一定時間経過して入力端子CONT2の起動信号をローレベルからハイレベルに変化させることで、最初に出力電圧VO1、一定時間後に出力電圧VO2といった順序で起動させることも可能である。
また、入力端子CONT1、CONT2へのイネーブル信号の投入タイミングは同時でも構わない。
次に、図4は入力端子CONT1、CONT2へのイネーブル信号の入力条件と、出力電圧VO1、VO2の停止状態との関係を示したものである。図4の(A)に示すように、最初に入力端子CONT2の起動信号をハイレベルからローレベルに変化させ、その後一定時間経過して入力端子CONT1の起動信号をハイレベルからローレベルに変化させることで、最初に出力電圧VO2、一定時間後に出力電圧VO1といった順序で停止させることが可能である。
また、図4の(B)に示すように、最初に入力端子CONT1の起動信号をハイレベルからローレベルに変化させ、その後一定時間経過して入力端子CONT2の起動信号をハイレベルからローレベルに変化させることで、最初に出力電圧VO1、一定時間後に出力電圧VO2といった順序で停止させることも可能である。
また、入力端子CONT1、CONT2の停止信号の投入タイミングは同時でも構わない。
さらに、入力端子CONT1の起動信号をローレベルに固定して、入力端子CONT2の起動信号のみをハイレベルに設定することで、出力電圧VO2の単一コンバータとして使用することも可能であり、入力端子CONT2の起動信号をローレベルに固定して、入力端子CONT1の起動信号のみをハイレベルに設定することで、出力電圧VO1の単一コンバータとして使用することも可能である。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2について図5を参照しながら説明する。
図5は本発明の実施の形態2における、多出力DC−DCコンバータの構成を示す回路図である。前述の実施の形態1では2つの昇圧出力をもつ多出力DC−DCコンバータに本発明を適用した場合について説明した。本実施の形態2においては、1つの昇圧出力と1つの反転出力をもつ多出力DC−DCコンバータに本発明を適用した場合について説明する。
図5に示すように、実施の形態2の多出力DC−DCコンバータは、直流電源1から入力直流電圧Eiが入力されている。そして、この多出力DC−DCコンバータは、インダクタ2とNチャネルMOSFETからなる第1の主スイッチSW1と、PチャネルMOSFETからなる第2の主スイッチSW4と、ダイオード31と、第1の出力キャパシタ41と、ダイオード33と、第2の出力キャパシタ43と、第1の主スイッチSW1および第2の主スイッチSW4を所定のオン期間とオフ期間で駆動する制御回路600Aと、第1の出力電圧VO1のイネーブル信号を入力する入力端子CONT1と第2の出力電圧VO3のイネーブル信号を入力する入力端子CONT3からなるイネーブル信号入力端子100Aとで構成されている。
出力検出回路700Aは、検出抵抗701、702、710、711と、エラーアンプ706、714と、基準電圧VREFを発生する基準電圧源708と、基準電圧VREFより低い電圧を出力する基準電圧源709とで構成されている。第1の出力電圧VO1は、検出抵抗701、702によって検出され、第3の出力電圧VO3は、検出抵抗710、711によって検出される。そして、これらの検出電圧と所望の電圧値との差電圧が増幅された誤差電圧Ve1、Ve3がそれぞれエラーアンプ706、714から出力される。
パルス幅変調回路800Aは、比較器801、803で構成されており、誤差電圧Ve1と鋸波電圧Vtとの比較結果である信号V1と、誤差電圧Ve3と鋸波電圧Vtとの比較結果である信号V3を出力する。
駆動回路900Aは、インバータ906、AND回路907、OR回路908、AND回路909、およびNOR回路910で構成されている。
そして、この多出力DC−DCコンバータでは、第1の出力コンデンサ41から第1の出力電圧VO1が第1の負荷51へ出力され、第2の出力コンデンサ43から第2の出力電圧VO3が第2の負荷53へ出力される。入出力条件はVO1>Ei>0>VO3である。
制御回路600Aにおいて、出力検出回路700Aと、発振回路61と、パルス幅変調回路800Aと、分周器62とは、図13に示した先行技術の多出力DC−DCコンバータと同じ構成要素であるので、同じ符号を付与して、その詳細な説明は省略する。
図6は前述の図5の回路の各部の信号、およびインダクタ2を流れる電流ILを示す波形図である。図5と図6を用いて本発明の実施の形態2におけるDC−DCコンバータの基本動作を説明する。
第1の主スイッチSW1がオン状態の場合には、インダクタ2と第2の主スイッチSW4とダイオード33とコンデンサ43とが反転コンバータを構成し、一方、第2の主スイッチSW4がオン状態の場合には、インダクタ2と第1の主スイッチSW1とダイオード31とコンデンサ41とが昇圧コンバータを構成する。
制御回路600Aにおいて、出力検出回路700Aは、第1の出力電圧VO1と第3の出力電圧VO3とを検出し、エラーアンプ706、714によってそれぞれ所望値との誤差が増幅された誤差電圧Ve1および誤差電圧Ve3を出力する。発振回路61は、所定の周期Tを有する鋸波電圧Vtとクロック信号Vt1とを出力する。パルス幅変調回路800Aは、誤差電圧Ve1と鋸波電圧Vtとの比較結果である信号V1と、誤差電圧Ve3と鋸波電圧Vtとの比較結果である信号V3とを出力する。分周器62は、信号Vt1が入力され、分周信号Vt2を出力する。駆動回路900Aは、信号V1と信号V2と分周信号Vt2とイネーブル信号入力端子100Aからのイネーブル信号とを入力して、第1の主スイッチSW1の駆動信号Vg1と第2の主スイッチSW4の駆動信号Vg4とを出力する。
第1の出力電圧VO1のイネーブル信号である、入力端子CONT1への入力信号がローレベルの場合は、AND回路907が閉となることにより信号V1は出力されない。そのため、駆動信号Vg1は分周信号Vt2をインバータ906で反転した信号がOR回路908に入力され、OR回路908は分周信号Vt2の反転信号が出力される。
第1の出力電圧VO1のイネーブル信号である入力端子CONT1の信号がハイレベルの場合は、駆動信号Vg1は分周信号Vt2がローレベルの期間と信号V1がハイレベルの期間にハイレベルとなり、NMOSFETによる第2の主スイッチSW4をONする。
第2の出力電圧VO3のイネーブル信号である入力端子CONT3の入力信号がローレベルの場合は、AND回路909によって信号V3は出力されないため、駆動信号Vg4は分周信号Vt2がNOR回路910に入力され、NOR回路910は分周信号Vt2の反転信号が出力される。
第2の出力電圧VO3のイネーブル信号である入力端子CONT3の電圧がハイレベルの場合は、駆動信号Vg4は分周信号Vt2がハイレベルの期間と信号V3がハイレベルの期間がローレベルとなり、PMOSFETによる第2の主スイッチSW4をONする。
イネーブル信号入力端子100Aである入力端子CONT1、CONT3の電圧がともにローレベルの場合は、駆動信号Vg1および駆動信号Vg4としては分周信号Vt2の反転信号が出力され、NMOSFETである第1の主スイッチSW1とPMOSFETである第2の主スイッチSW2は交互にON/OFFする。そのため、直流電源1よりインダクタ2に電磁エネルギーを蓄える充電電流が流れることはなく、出力電圧VO1、VO3ともに無電圧である。
次に、図6の時刻t7において、第2の出力電圧VO3のイネーブル信号である入力端子CONT3の入力信号がハイレベルになると、NOR回路910には、分周信号Vt2の他に、AND回路909により信号V3が入力され、駆動信号Vg4は分周信号Vt2がハイレベルの期間と信号V3がハイレベルの期間にローレベルとなり、PMOSFETによる第2の主スイッチSW4をONする。これにより、信号V3がハイレベルの期間、NMOSFETである第1の主スイッチSW1とPMOSFETである第2の主スイッチは同時にONし、インダクタ2に電磁エネルギーを蓄える。やがて、信号V3がローレベルとなり、駆動信号Vg4がハイレベルになって、PMOSFETである第2のスイッチSW4をOFFさせると、インダクタ2に蓄えられた電磁エネルギーは、ダイオード33を介して、コンデンサ43のマイナス電位への充電を開始し、反転出力電圧である第2の出力電圧VO3を発生する。駆動信号Vg4としてはこの状態の信号が繰り返し継続する。
次に、図6の時刻t8において、第1の出力電圧VO1のイネーブル信号である入力端子CONT1の入力信号がハイレベルになると、OR回路908には、分周信号Vt2の反転信号の他に、AND回路907により信号V1が入力され、駆動信号Vg1は分周信号Vt2がローレベルの期間と信号V1がハイレベルの期間にハイレベルとなり、NMOSFETによる第1の主スイッチSW1をONする。これにより、信号V1がハイレベルの期間、NMOSFETである第1の主スイッチSW1とPMOSFETである第2の主スイッチSW4は同時にONし、インダクタ2に電磁エネルギーを蓄える。やがて、信号V1がローレベルとなり、駆動信号Vg1がローレベルになって、NMOSFETである第1の主スイッチSW1をOFFさせると、インダクタ2に蓄えられた電磁エネルギーは、ダイオード31を介して、コンデンサ41を入力直流電圧Eiよりも高い電位に充電を開始する。さらに、時刻t7より第2の出力電圧VO3の反転動作を開始しているため、分周信号Vt2がハイレベルの期間では信号V1のハイレベル時間でインダクタ2を充電し、昇圧電圧である第1の出力電圧VO1を出力し、分周信号Vt2がローレベルの期間では信号V3のハイレベル時間でインダクタ2を充電し、反転出力電圧である第2の出力電圧VO3を出力することになる。
また、誤差電圧Ve1およびVe2はそれぞれ第1および第2の出力電圧VO1およびVO2を所望の電圧に安定化するように増減し、第1の主スイッチSW1および第2の主スイッチSW4のON期間が調整される。すなわち、インダクタ2を共有する昇圧コンバータと反転コンバータとが、発振器61の発振周波数の1/2で時分割制御されることによって、第1および第2の出力電圧VO1、VO3をそれぞれ所望の電圧に安定化する。また、入力端子CONT1、CONT2の入力信号をハイレベルからローレベルに変化させることにより、上記説明と逆の動作をさせることで、任意のタイミングで停止させることも可能である。
以上の回路構成を採用することにより、昇圧出力と反転出力とをもつ多出力DC−DCコンバータにおいて、任意のタイミングで各出力電圧の起動および停止が可能となる。また、昇圧出力と反転出力とを、互いの電圧に影響を受けることなく任意に設定することができる。
上記動作では、出力電圧VO1による出力消費電力と出力電圧VO3による出力消費電力とが同程度であると想定し、出力電圧VO1を発生する昇圧コンバータと反転出力電圧VO3を発生する反転コンバータとが交互に同じ回数だけ昇圧動作と反転動作とを交互に繰り返すという、発振周波数の1/2で時分割制御される多出力DC−DCコンバータについて説明した。
しかし、出力電圧VO1による出力消費電力と出力電圧VO3による出力消費電力との間に差がある場合では、出力電圧VO1を発生する昇圧コンバータの昇圧動作の回数と出力電圧VO3を発生する反転コンバータの反転動作の回数とに差をつけるようにする。このように、実施の形態2においては実施の形態1と同様に、昇圧動作と反転動作を出力端子毎に交互に実行する必要はない。
なお、上記の実施の形態では、出力端子は昇圧1つ反転1つの多出力DC−DCコンバータについて説明したが、昇圧出力端子の数は2出力以上でもよい。反転出力端子の数は少なくとも1つあれば良く、複数にしても構わない。
図7はイネーブル信号CONT1、CONT3の入力条件と、出力電圧VO1、VO3の起動状態との関係を示したものである。図6および上記説明は、図7の(B)の起動状態を詳細に示したものである。つまり、最初に入力端子CONT3の起動信号(イネーブル信号)をローレベルからハイレベルに変化させ、その後一定時間経過して入力端子CONT1の起動信号(イネーブル信号)をローレベルからハイレベルに変化させることで、最初に出力電圧VO3、一定時間後に出力電圧VO1というような順序で起動させている。
これに対して、図7の(A)に示すように、最初に入力端子CONT1の起動信号をローレベルからハイレベルに変化させ、その後一定時間経過して入力端子CONT3の起動信号をローレベルからハイレベルに変化させることで、最初に出力電圧VO1、一定時間後に出力電圧VO3というような順序で起動させることも可能である。また、入力端子CONT1、入力端子CONT3のイネーブル信号の投入タイミングは同時でも構わない。
次に、図8はイネーブル信号CONT1、CONT3の入力条件と、出力信号VO1、VO3の停止状態との関係を示したものである。図8の(A)に示すように、最初に入力端子CONT1の起動信号をハイレベルからローレベルに変化させ、その後一定時間経過して入力端子CONT3の起動信号をハイレベルからローレベルに変化させることで、最初に出力電圧VO1、一定時間後に出力電圧VO3といった順序で停止させることが可能である。
また、図8の(B)に示すように、最初に入力端子CONT3の起動信号をハイレベルからローレベルに変化させ、その後一定時間経過して入力端子CONT1の起動信号をハイレベルからローレベルに変化させることで、最初に出力電圧VO1、一定時間後に出力電圧VO3といった順序で停止させることも可能である。
さらに、入力端子CONT1の起動信号をローレベルに固定して、入力端子CONT3の起動信号のみをハイレベルに設定することで、出力電圧VO3の単一反転コンバータとして使用することも可能であり、入力端子CONT3の起動信号をローレベルに固定して、入力端子CONT1の起動信号のみをハイレベルに設定することで、出力電圧VO1の単一昇圧コンバータとして使用することも可能である。
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3について図9を参照しながら説明する。
図9は本発明の実施の形態3における、多出力DC−DCコンバータの構成を示す回路図である。前述の実施の形態1では2つの昇圧出力をもつ多出力DC−DCコンバータに本発明に適用した場合について説明した。また、実施の形態2においては、1つの昇圧出力と1つの反転出力をもつ多出力DC−DCコンバータを本発明に適用した場合について説明した。本実施の形態3においては、2つの昇圧出力と2つの反転出力をもつ多出力DC−DCコンバータに本発明を適用した場合について説明する。
図9に示すように、実施の形態3の多出力DC−DCコンバータは、直流電源1から入力直流電圧Eiが入力されている。そして、この多出力DC−DCコンバータは、インダクタ2とNチャネルMOSFETからなる第1の主スイッチSW1と、PチャネルMOSFETからなる第2の主スイッチSW4と、バックゲートをインダクタ2側に接続したPチャネルMOSFETからなる補助スイッチSW2と、補助スイッチSW2と直列回路を形成するダイオード31と、第1の出力キャパシタ41と、バックゲートをインダクタ2側に接続したPチャネルMOSFETからなる補助スイッチSW3と、補助スイッチSW3と直列回路を形成するダイオード32と、第2の出力キャパシタ42と、バックゲートをインダクタ2側に接続したNチャネルMOSFETからなる補助スイッチSW5と、補助スイッチSW5と直列回路を形成するダイオード33と、第3の出力キャパシタ43と、バックゲートをインダクタ2側に接続したNチャネルMOSFETからなる補助スイッチSW6と、補助スイッチSW6と直列回路を形成するダイオード34と、第3の出力キャパシタ44と、制御回路600Bと、イネーブル信号入力端子100Bとで構成されている。
制御回路600Bは、第1の主スイッチSW1、第2の主スイッチSW4、補助スイッチSW2、補助スイッチSW3、補助スイッチSW5、および補助スイッチSW6を所定のオン期間とオフ期間で駆動する。
イネーブル信号入力端子100Bは、第1の出力電圧VO1のイネーブル信号を入力する入力端子CONT1と、第2の出力電圧VO2のイネーブル信号を入力する入力端子CONT2と、第3の出力電圧VO3のイネーブル信号を入力する入力端子CONT3と、第4の出力電圧VO4のイネーブル信号を入力する入力端子CONT4とからなる。
出力検出回路700Bは、検出抵抗701、702、704、705、710、711、712、713と、エラーアンプ706、707、714、715、基準電圧VREFを発生する基準電圧源708と、基準電圧VREFより低い電圧を出力する基準電圧源709とで構成されている。第1の出力電圧VO1は、検出抵抗701、702によって検出され、第2の出力電圧VO2は、検出抵抗704、705によって検出され、第3の出力電圧VO3は、検出抵抗710、711によって検出され、第4の出力電圧VO4は、検出抵抗712、713によって検出される。そして、それぞれの検出電圧と所望の電圧値との差電圧が増幅された誤差電圧Ve1、Ve2、Ve3、Ve4がそれぞれエラーアンプ706、707、714、715から出力される。
パルス幅変調回路800Bは、比較器801、802、803、804で構成されている。そして、誤差電圧Ve1と鋸波電圧Vtとの比較結果である信号V1と、誤差電圧Ve2と鋸波電圧Vtとの比較結果である信号V2と、誤差電圧Ve3と鋸波電圧Vtとの比較結果である信号V3と、誤差電圧Ve4と鋸波電圧Vtとの比較結果である信号V4とがパルス幅変調回路800Bから出力される。
駆動回路900Bは、AND回路911〜920、OR回路921、AND回路922、923、NOR回路924、インバータ回路925、926で構成されている。
この多出力DC−DCコンバータでは、第1の出力コンデンサ41から第1の出力電圧VO1が第1の負荷51へ出力され、第2の出力コンデンサ42から第2の出力電圧VO2が第2の負荷52へ出力され、第3の出力コンデンサ43から第3の出力電圧VO3が第3の負荷53へ出力され、第4の出力コンデンサ44から第4の出力電圧VO4が第4の負荷54へ出力される。この場合の入出力条件は、VO1>Ei>0かつ、VO2>Eiかつ、0>VO3かつ、0>VO4である。
制御回路600Bにおいて、発振回路61は、図13に示した先行技術の多出力DC−DCコンバータと同じ構成要素であるので、同じ符号を付与して、その詳細な説明は省略する。
図10、図11および図12は前述の図9の回路の各部の信号、およびインダクタ2を流れる電流ILを示す波形図である。図9、図10を用いて本発明の実施の形態3におけるDC−DCコンバータの基本動作を説明する。
第2の主スイッチSW4がオンであり、かつ第1の補助スイッチSW2がON状態の場合は、インダクタ2と第1の主スイッチSW1と第1の補助スイッチSW2とダイオード31とコンデンサ41とが第1の昇圧コンバータを構成する。また、第2の主スイッチSW4がオンであり、かつ第2の補助スイッチSW3がON状態の場合は、インダクタ2と第1の主スイッチSW1と第2の補助スイッチSW3とダイオード32とコンデンサ42とが第2の昇圧コンバータを構成する。
一方、第1の主スイッチSW1がオンであり、かつ第3の補助スイッチSW5がON状態の場合には、インダクタ2と第2の主スイッチSW4と第3の補助スイッチSW5とダイオード33とコンデンサ43とが第1の反転コンバータを構成する。また、第1の主スイッチSW1がオンであり、かつ第4の補助スイッチSW6がON状態の場合には、インダクタ2と第2の主スイッチSW4と第4の補助スイッチSW6とダイオード34とコンデンサ44とが第2の反転コンバータを構成する。
制御回路600Bにおいて、出力検出回路700Aは、第1の出力電圧VO1、第2の出力電圧VO2、第3の出力電圧VO3および第4の出力電圧VO4を検出する。そして、これらの検出値と所望値との誤差が増幅された誤差電圧Ve1、誤差電圧Ve2、誤差電圧Ve3及び誤差電圧Ve4がそれぞれエラーアンプ706、707、714、715から出力される。
パルス幅変調回路800Bは、誤差電圧Ve1と鋸波電圧Vtとの比較結果である信号V1と、誤差電圧Ve2と鋸波電圧Vtとの比較結果である信号V2と、誤差電圧Ve3と鋸波電圧Vtとの比較結果である信号V3と、誤差電圧Ve4と鋸波電圧Vtとの比較結果である信号V4を出力する。
分周器62Bは、信号Vt1が入力され、2分周された分周信号Vt2と4分周された分周信号Vt3を出力する。
駆動回路900Bは、信号V1と信号V2と信号V3と信号V4と分周信号Vt2と分周信号Vt3とイネーブル信号入力端子100Bからのイネーブル信号とを入力して、第1の主スイッチSW1の駆動信号Vg1と、第2の主スイッチSW4の駆動信号Vg4と、第1の補助スイッチSW2の駆動信号Vg2と、第2の補助スイッチSW3の駆動信号Vg3と、第3の補助スイッチSW5の駆動信号Vg5と、第4の補助スイッチSW6の駆動信号Vg6とを出力する。
まず初めに、第1の出力電圧VO1のイネーブル信号の入力端子CONT1、第2の出力電圧VO2のイネーブル信号の入力端子CONT2、第3の出力電圧VO3のイネーブル信号の入力端子CONT3、第4の出力電圧VO4のイネーブル信号の入力端子CONT4の全てにハイレベルが入力され、全ての出力端子電圧が昇圧電圧もしくは反転電圧を出力する、定常状態の動作について説明する。
分周器62Bより出力された2分周信号Vt2と4分周信号Vt3のAND回路911による出力を信号Vp1’、2分周信号Vt2の反転信号と4分周信号Vt3のAND回路912による出力を信号Vp2’、2分周信号Vt2と4分周信号Vt3の反転信号のAND回路913による出力を信号Vp3’、2分周信号Vt2の反転信号と4分周信号Vt3の反転信号のAND回路914による出力を信号Vp4’とし、信号Vp1’、Vp2’、Vp3’、Vp4’のハイレベル期間を、それぞれ「電圧VO1の昇圧期間」、「電圧VO2の昇圧期間」、「電圧VO3の反転期間」、「電圧VO4の反転期間」と呼ぶことにする。
AND回路915による、信号Vp1’と電圧VO1のイネーブル信号の入力端子CONT1の入力信号との論理積Vp1は、信号Vp1’と電圧VO1のイネーブル信号の入力端子CONT1の入力信号とがともにハイレベルの場合のみ、「電圧VO1の昇圧期間」にハイレベルを出力する。
また、AND回路916による、信号Vp2’と電圧VO2のイネーブル信号の入力端子CONT2の入力信号との論理積Vp2は、信号Vp2’と電圧VO2のイネーブル信号の入力端子CONT2の入力信号がハイレベルの場合のみ、「電圧VO2の昇圧期間」にハイレベルを出力する。
また、AND回路917による、信号Vp3’と電圧VO3のイネーブル信号の入力端子CONT3の入力信号との論理積Vp3は、信号Vp3’と電圧VO3のイネーブル信号の入力端子CONT3の入力信号がハイレベルの場合のみ、「電圧VO3の反転期間」にハイレベルを出力する。
また、AND回路918による、信号Vp4’と電圧VO4のイネーブル信号の入力端子CONT4の入力信号との論理積Vp4は、信号Vp4’と電圧VO4のイネーブル信号の入力端子CONT4の入力信号がハイレベルの場合のみ、「電圧VO4の反転期間」にハイレベルを出力する。
信号Vp3は、駆動信号Vg5として、NMOSFETで構成される第3の補助スイッチSW5のゲートを駆動する。これによって、電圧VO3のイネーブル信号の入力端子CONT3にハイレベルが入力されている場合に限り、「電圧VO3の反転期間」のみ第3の補助スイッチSW5をオンにする。また、電圧VO3の起動信号(イネーブル信号)がローレベルの場合には、信号Vp3は常にローレベルを出力するため、電圧VO3が起動することを要求しない場合、入力端子CONT3をローレベルに固定することで、第3の出力コンデンサ43への経路が閉され、電圧VO3は出力されない。
また、信号Vp4は、駆動信号Vg6として、NMOSFETで構成される第4の補助スイッチSW6のゲートを駆動する。これによって、電圧VO4のイネーブル信号の入力端子CONT4にハイレベルが入力されている場合に限り、「電圧VO4の反転期間」のみ第4の補助スイッチSW6をオンにする。また、電圧VO4の起動信号がローレベルの場合には、信号Vp4は常にローレベルを出力するため、電圧VO4が起動することを要求しない場合、入力端子CONT4をローレベルに固定することで、第4の出力コンデンサ44への経路が閉され、電圧VO4は出力されない。
また、信号Vp1をインバータ925により反転した反転信号は、駆動信号Vg2として、PMOSFETで構成される第1の補助スイッチSW2のゲートを駆動する。これによって、電圧VO1のイネーブル信号の入力端子CONT1にハイレベルが入力されている場合に限り、「電圧VO1の昇圧期間」のみ第1の補助スイッチSW2をオンにする。また、電圧VO1の起動信号がローレベルの場合には、信号Vp1は常にローレベルを出力し、駆動信号Vg2は常にハイレベルになるため、電圧VO1が起動することを要求しない場合、入力端子CONT1をローレベルに固定することで、第1の出力コンデンサ41への経路が閉され、電圧VO1は出力されない。
また、信号Vp2をインバータ926により反転した反転信号は、駆動信号Vg3として、PMOSFETで構成される第2の補助スイッチSW3のゲートを駆動する。これによって、電圧VO2のイネーブル信号の入力端子CONT2にハイレベルが入力されている場合に限り、「電圧VO2の昇圧期間」のみ第2の補助スイッチSW3をオンにする。また、電圧VO2の起動信号がローレベルの場合には、信号Vp2は常にローレベルを出力し、駆動信号Vg3は常にハイレベルになるため、電圧VO2が起動することを要求しない場合、入力端子CONT2をローレベルに固定することで、第2の出力コンデンサ42への経路が閉され、電圧VO2は出力されない。
以上により、インダクタ2から複数のキャパシタ41,42,43,44へ至るエネルギーの放出経路を時分割で排他的に選択するとともに、電圧VO1から電圧VO4までの各電圧の出力端子にそれぞれ対応して設定されたイネーブル信号、すなわち入力端子CONT1から入力端子CONT4の入力状態に応じて複数のキャパシタ41,42,43,44へ至るエネルギーの放出経路の導通遮断が選択されるようになっている。
OR回路921には、分周信号Vt3の反転信号の他に、AND回路920により信号V1と信号Vp1との論理積と、信号V2と信号Vp2との論理積とが入力される。そして、入力端子CONT1および入力端子CONT2がハイレベルの場合は、駆動信号Vg1は、分周信号Vt3がローレベルの期間と信号V1がハイレベルの期間と信号V2がハイレベルの期間にハイレベルとなり、NMOSFETによる第1の主スイッチSW1をONする。
また、NOR回路924には、分周信号Vt3の他に、AND回路922により信号V3と信号Vp3との論理積と、信号V4と信号Vp4との論理積とが入力され、入力端子CONT3および入力端子CONT4がハイレベルの場合は、駆動信号Vg4は分周信号Vt3がハイレベルの期間と信号V3がハイレベルの期間と信号V4がハイレベルの期間にローレベルとなり、PMOSFETによる第2の主スイッチSW4をONする。
これにより、図10の「電圧VO1の昇圧期間」において、信号V1がハイレベルの期間、NMOSFETである第1の主スイッチSW1とPMOSFETである第2の主スイッチSW4は同時にONし、インダクタ2に電磁エネルギーを蓄える。やがて、信号V1がローレベルとなり、駆動信号Vg1がローレベルになって、NMOSFETである第1のスイッチSW1をOFFさせる。そうすると、「電圧VO1の昇圧期間」において、駆動信号Vg2によって、電圧VO1の昇圧経路が導通されているため、インダクタ2に蓄えられた電磁エネルギーは、ダイオード31を介して、コンデンサ41の入力直流電圧Eiよりも高い電位への充電を開始する。
また、図10の「電圧VO2の昇圧期間」において、信号V2がハイレベルの期間、NMOSFETである第1の主スイッチSW1とPMOSFETである第2の主スイッチSW4は同時にONし、インダクタ2に電磁エネルギーを蓄える。やがて、信号V2がローレベルとなり、駆動信号Vg1がローレベルになって、NMOSFETである第1の主スイッチSW1をOFFさせる。そうすると、「電圧VO2の昇圧期間」において、駆動信号Vg3によって、電圧VO2の昇圧経路が導通されているため、インダクタ2に蓄えられた電磁エネルギーは、ダイオード32を介して、コンデンサ42の入力直流電圧Eiよりも高い電位への充電を開始する。
次に、図10の「電圧VO3の反転期間」において、信号V3がハイレベルの期間、NMOSFETである第1の主スイッチSW1とPMOSFETである第2の主スイッチSW4は同時にONし、インダクタ2に電磁エネルギーを蓄える。やがて、信号V3がローレベルとなり、駆動信号Vg4がハイレベルになって、PMOSFETである第2の主スイッチSW4をOFFさせる。そうすると、「電圧VO3の反転期間」において、駆動信号Vg5によって、電圧VO3の昇圧経路が導通されているため、インダクタ2に蓄えられた電磁エネルギーは、ダイオード33を介して、コンデンサ43のマイナス電位への充電を開始する。
また、図10の「電圧VO4の反転期間」において、信号V4がハイレベルの期間、NMOSFETである第1の主スイッチSW1とPMOSFETである第2の主スイッチSW4は同時にONし、インダクタ2に電磁エネルギーを蓄える。やがて、信号V4がローレベルとなり、駆動信号Vg4がハイレベルになって、PMOSFETである第2の主スイッチSW4をOFFさせる。そうすると、「電圧VO4の反転期間」において、駆動信号Vg6によって、電圧VO4の昇圧経路が導通されているため、インダクタ2に蓄えられた電磁エネルギーは、ダイオード34を介して、コンデンサ44のマイナス電位への充電を開始する。
次に図11に示すように、電圧VO3のイネーブル信号の入力端子CONT3への入力信号と電圧VO4のイネーブル信号の入力端子CONT4への入力信号とをローレベルにした場合について、図9および図11を使って説明する。
入力端子CONT3および入力端子CONT4への入力信号がローレベルなので、信号Vp3および信号Vp4もローレベルとなっている。そのため、AND回路922、923の出力信号もローレベルとなり、NOR回路924には分周信号Vt3以外何も入力されていない状態であり、NOR回路924の出力信号は分周信号Vt3の反転信号となり、第2の主スイッチSW4は分周信号Vt3がハイレベルの期間のみONするようになる
「電圧VO3の反転期間」および「電圧VO4の反転期間」において第1の主スイッチSW1と第2の主スイッチSW4は同時にONする期間は持たないため、電圧VO3および電圧VO4の反転動作のための電磁エネルギーをインダクタ2に蓄えることはない。
さらに、信号Vp3および信号Vp4はローレベルとなっているため、NMOSFETで構成されている第3の補助スイッチSW5および第4の補助スイッチSW6はOFFを継続し、電圧VO3および電圧VO4への反転経路を遮断することで電圧VO3および電圧VO4を反転することなく、電圧VO1の出力および電圧VO2の出力のみを昇圧することができる。
この動作は、本実施の形態1で示した昇圧2チャンネルの多出力DC−DCコンバータと等価の動作であり、詳細な説明は省略する。
次に、図12に示すような、電圧VO2のイネーブル信号の入力端子CONT2への入力信号と電圧VO4のイネーブル信号の入力端子CONT4への入力信号をローレベルにした場合について、図9および図12を使って説明する。
入力端子CONT2および入力端子CONT4への入力信号がローレベルなので、信号Vp2および信号Vp4もローレベルとなっている。そのため、AND回路919の出力信号もローレベルとなり、OR回路921には分周信号Vt3の反転信号の他に、AND回路920により信号V1が入力され、駆動信号Vg1は分周信号Vt3がローレベルの期間と信号V1がハイレベルの期間のみハイレベルとなり、NMOSFETによる第1の主スイッチSW1をONする。また、AND回路923の出力信号もローレベルとなっており、NOR回路924には分周信号Vt3の他に、AND回路922により信号V3が入力され、駆動信号Vg4は分周信号Vt3がハイレベルの期間と信号V3がハイレベルの期間のみローレベルとなり、PMOSFETによる第2の主スイッチSW4をONする。
これにより、「電圧VO2の昇圧期間」および「電圧VO4の反転期間」において第1の主スイッチSW1と第2の主スイッチSW4は同時にONする期間は持たないため、電圧VO2の昇圧動作のための電磁エネルギーおよび電圧VO4の反転動作のための電磁エネルギーをインダクタ2に蓄えることはない。
さらにこの時、信号Vp2および信号Vp4はローレベルとなっているため、PMOSFETで構成されている第2の補助スイッチSW3にはハイレベルが入力され、NMOSFETで構成される第4の補助スイッチSW6にはローレベルが入力されるため、第2の補助スイッチSW2および第4の補助スイッチSW4はOFFを継続し、電圧VO2の昇圧経路および電圧VO4の反転経路を遮断する。これによって、出力電圧VO2についての昇圧動作を行うことも、出力電圧VO4についての反転動作を行うこともなく、出力電圧VO1の昇圧動作を実行し、出力電圧VO3の反転動作を実行することができる。
この動作は、本実施の形態2で示した昇圧1チャンネル反転1チャンネルの多出力DC−DCコンバータと等価の動作であり、詳細な説明は省略する。
図11では、入力端子CONT1および入力端子CONT2のみをハイレベルに設定することで、出力電圧VO1と出力電圧VO2の昇圧2チャンネルの多出力コンバータとして動作させた場合を説明し、図12では入力端子CONT1および入力端子CONT3のみをハイレベルに設定することで、出力電圧VO1および出力電圧VO2の昇圧1チャンネル、反転1チャンネルの多出力コンバータとして動作させた場合を説明したが、各出力電圧VO1、VO2、VO3、VO4に対応した、イネーブル信号の入力端子CONT1、CONT2、CONT3、CONT4への入力信号のハイレベル、ローレベルの設定は任意であり、任意の出力電圧VO1、VO2、VO3、VO4を任意のタイミングで起動・停止させることが可能である。
上記動作では、出力電圧VO1と出力電圧VO2と出力電圧VO3と出力電圧VO4の出力消費電力が同程度であると想定し、出力電圧VO1と出力電圧VO2と出力電圧VO3と出力電圧VO4とが同じ回数昇圧動作もしくは反転動作を繰り返すという、発振周波数の1/4で時分割制御される多出力DC−DCコンバータについて説明した。
しかし、それぞれの出力電圧VO1、VO2、VO3、VO4における出力消費電力に差がある場合では、各出力端子に対する昇圧動作の回数と反転動作の回数とに差をつけるようにする。このように、実施の形態3においても、実施の形態1や実施の形態2と同様に,昇圧動作および反転動作を出力端子毎に同じ回数動作させる必要はない。
なお、出力端子は昇圧2つ反転2つの出力の多出力DC−DCコンバータで説明したが、昇圧出力端子の数は2出力以上でもよい。反転出力端子の数も2出力以上でも構わない。
本発明にかかる多出力DC−DCコンバータは、各出力電圧を他の出力電圧の影響を受けることなく任意に設定することができ、また各出力電圧の出力開始タイミングに時間差をもたせるような起動開始を可能とするという効果を有し、変換動作の起動タイミングを複数の変換直流電圧毎に任意に設定可能で、複数の変換直流電圧の出力を任意のタイミングで開始させることを可能とする、多出力DC−DCコンバータ等として有用である。
本発明の実施の形態1における、シーケンス起動の昇圧2出力の多出力DC−DCコンバータの構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態1における、シーケンス起動の昇圧2出力の多出力DC−DCコンバータの動作を示す波形図である。 本発明の実施の形態1における、起動シーケンスの投入順序の組み合わせを示す波形図である。 本発明の実施の形態1における、停止シーケンスの投入順序の組み合わせを示す波形図である。 本発明の実施の形態2における、シーケンス起動の昇圧1出力、反転1出力の多出力DC−DCコンバータを示す回路図である。 本発明の実施の形態2における、シーケンス起動の昇圧1出力、反転1出力の多出力DC−DCコンバータの動作を示す波形図である。 本発明の実施の形態2における、起動シーケンスの投入順序の組み合わせを示す波形図である。 本発明の実施の形態2における、停止シーケンスの投入順序の組み合わせを示す波形図である。 本発明の実施の形態3における、昇圧2出力、反転2出力の多出力DC−DCコンバータの動作を示す回路図である。 本発明の実施の形態3における、昇圧2出力、反転2出力の多出力DC−DCコンバータの全ての出力が動作している定常状態の動作を示す波形図である。 本発明の実施の形態3における、昇圧2出力、反転2出力の多出力DC−DCコンバータの昇圧2出力のみが動作している場合の動作を示す波形図である。 本発明の実施の形態3における、昇圧2出力、反転2出力の多出力DC−DCコンバータの昇圧1出力、反転1出力のみが動作している場合の動作を示す波形図である。 先行技術における、多出力DC−DCコンバータを示す回路図である。 先行技術における、多出力DC−DCコンバータにおける動作を示す波形図である。
符号の説明
1 直流電源
2 インダクタ
31 ダイオード
32 ダイオード
33 ダイオード
34 ダイオード
41 第1のキャパシタ
42 第2のキャパシタ
43 第3のキャパシタ
44 第4のキャパシタ
51 第1の負荷
52 第2の負荷
53 第3の負荷
54 第4の負荷
600、600A、600B 制御回路
700、700A、700B 出力検出回路
800、800A、800B パルス幅変調回路
61 発振回路
900、900A、900B 駆動回路
62、62B 分周器
100、100A、100B イネーブル信号入力端子

Claims (5)

  1. 入力直流電圧を出力する直流電源と、
    前記直流電源に接続されたインダクタと、
    所定の周期でオン・オフを繰り返し、オン時に前記インダクタに前記直流電源の入力直流電圧を印加させる主スイッチと、
    前記主スイッチのオフ時に前記インダクタに発生する電圧を整流する複数の整流手段と、
    前記複数の整流手段のそれぞれに直列接続された補助スイッチと、
    前記複数の整流手段と前記補助スイッチとの直列回路のそれぞれに接続され、複数の出力電圧をそれぞれ出力する複数の平滑手段と、
    前記主スイッチを前記所定の周期毎にオン・オフし、且つ前記所定の周期毎に複数ある前記補助スイッチのいずれか一つを選択する時分割制御を行って、選択された前記補助スイッチを介して出力電圧を出力し、イネーブル信号が停止を指示している場合には、そのイネーブル信号に対応する補助スイッチを強制的にオフ状態とする制御回路と
    を備えた多出力DC−DCコンバータ。
  2. イネーブル信号が停止を指示している場合は、対応した出力電圧を出力するための補助スイッチを選択している期間、前記主スイッチをオフ状態とする請求項1記載の多出力DC−DCコンバータ。
  3. 前記制御回路は、ある補助スイッチを選択している期間、前記補助スイッチに対応する出力電圧が所定の目標電圧となるように、前記インダクタへのエネルギーの蓄積時間を制御し、かつ前記インダクタに蓄積されたエネルギーを前記複数の平滑手段のうち該当する平滑手段へ放出させるようにしている請求項1記載の多出力DC−DCコンバータ。
  4. 入力直流電圧を出力する直流電源と、
    インダクタと、
    前記インダクタと接地との間に直列に接続された第1の主スイッチと、
    前記直流電源とインダクタとの間に直列に接続された第2の主スイッチと、
    前記第1の主スイッチと前記インダクタの接続点に接続された第1の整流手段と、
    前記第1の整流手段に直列接続され、正電圧を出力する第1の平滑手段と、
    前記第2の主スイッチと前記インダクタの接続点に接続された第2の整流手段と、
    前記第2の整流手段に直列接続され、負電圧を出力する第2の平滑手段と、
    正電圧を出力する第1の状態と負電圧を出力する第2の状態とを所定の期間で繰り返し選択し、前記第1の状態の期間中は、前記第2の主スイッチのオン状態を継続させ、且つ前記第1の主スイッチをオン・オフすることにより前記インダクタに発生する電圧を前記第1の整流手段で整流し、前記第2の状態の期間中は、前記第1の主スイッチのオン状態を継続させ、且つ前記第2の主スイッチをオン・オフすることにより前記インダクタに発生する電圧を前記第2の整流手段で整流し、正電圧用の第1のイネーブル信号が停止を指示しており且つ前記第1の状態である期間中は前記第1の主スイッチをオフ状態にする一方、負電圧用の第2のイネーブル信号が停止を指示しており且つ前記第2の状態である期間中は前記第2の主スイッチをオフ状態にする制御回路と
    を備えた多出力DC−DCコンバータ。
  5. 前記制御回路は、前記第1の状態もしくは前記第2の状態の期間、前記正電圧および前記負電圧がそれぞれ所定の目標電圧となるように、前記インダクタへのエネルギーの蓄積時間を制御して、前記インダクタに蓄積されたエネルギーを前記第1および第2の平滑手段のうち該当する平滑手段へ放出させるようにしている請求項4記載の多出力DC−DCコンバータ。

JP2004259691A 2003-09-19 2004-09-07 多出力dc−dcコンバータ Withdrawn JP2005117886A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004259691A JP2005117886A (ja) 2003-09-19 2004-09-07 多出力dc−dcコンバータ

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003328081 2003-09-19
JP2004259691A JP2005117886A (ja) 2003-09-19 2004-09-07 多出力dc−dcコンバータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005117886A true JP2005117886A (ja) 2005-04-28

Family

ID=34554631

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004259691A Withdrawn JP2005117886A (ja) 2003-09-19 2004-09-07 多出力dc−dcコンバータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005117886A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007110835A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 Rohm Co Ltd スイッチング電源装置およびその制御回路、ならびにそれを用いた電子機器
US7372239B2 (en) 2006-04-26 2008-05-13 Mitsumi Electric Co., Ltd. Multi-output type DC/DC converter
JP2008148514A (ja) * 2006-12-13 2008-06-26 Toppoly Optoelectronics Corp Dcdcコンバータ
JP2009089522A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Fuji Electric Device Technology Co Ltd Dc−dcコンバータ
US7586212B2 (en) 2006-09-28 2009-09-08 Panasonic Corporation Multi-output power supply apparatus
US7733070B2 (en) 2006-06-13 2010-06-08 Mitsumi Electric Co., Ltd. Multi-output type DC/DC converter
JP2011081734A (ja) * 2009-10-09 2011-04-21 Toshiba Tec Corp 電源制御装置、電子機器、及び電源制御プログラム
CN102422516A (zh) * 2009-05-14 2012-04-18 法国原子能源和替代能源委员会 转换器电路及包括该电路的电子系统
JP2013070499A (ja) * 2011-09-22 2013-04-18 Seiko Epson Corp スイッチング装置及びその制御方法
JP2018521620A (ja) * 2015-06-30 2018-08-02 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 多入力多出力コンバータの制御

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4739901B2 (ja) * 2005-10-13 2011-08-03 ローム株式会社 スイッチング電源装置およびその制御回路、ならびにそれを用いた電子機器
JP2007110835A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 Rohm Co Ltd スイッチング電源装置およびその制御回路、ならびにそれを用いた電子機器
US7372239B2 (en) 2006-04-26 2008-05-13 Mitsumi Electric Co., Ltd. Multi-output type DC/DC converter
US7733070B2 (en) 2006-06-13 2010-06-08 Mitsumi Electric Co., Ltd. Multi-output type DC/DC converter
US7586212B2 (en) 2006-09-28 2009-09-08 Panasonic Corporation Multi-output power supply apparatus
JP2008148514A (ja) * 2006-12-13 2008-06-26 Toppoly Optoelectronics Corp Dcdcコンバータ
JP2009089522A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Fuji Electric Device Technology Co Ltd Dc−dcコンバータ
JP2012527208A (ja) * 2009-05-14 2012-11-01 コミサリア ア レネルジ アトミク エ オウ エネルジ アルタナティヴ コンバータ回路、およびこのコンバータ回路を備える電子システム
CN102422516A (zh) * 2009-05-14 2012-04-18 法国原子能源和替代能源委员会 转换器电路及包括该电路的电子系统
US8937402B2 (en) 2009-05-14 2015-01-20 Commissariat A L'energie Atomique Et Aux Energies Alternatives Converter circuit and electronic system comprising such a circuit
JP2011081734A (ja) * 2009-10-09 2011-04-21 Toshiba Tec Corp 電源制御装置、電子機器、及び電源制御プログラム
JP2013070499A (ja) * 2011-09-22 2013-04-18 Seiko Epson Corp スイッチング装置及びその制御方法
JP2018521620A (ja) * 2015-06-30 2018-08-02 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 多入力多出力コンバータの制御

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4997891B2 (ja) Dc−dcコンバータ及びdc−dcコンバータの制御方法
JP4857888B2 (ja) 多出力型dc/dcコンバータ
US8102157B2 (en) Multi-output power supply device having charge pump circuit
US7327124B2 (en) Control apparatus and method for a boost-inverting converter
JP4651977B2 (ja) Dc−dcコンバータの制御回路、およびその制御方法
JP4693047B2 (ja) 電源回路
US7936087B2 (en) Switching controller for parallel power converters
US20090059626A1 (en) Switching power supply device and control device thereof
JP4857925B2 (ja) 多出力型dc/dcコンバータ
US20040027104A1 (en) Multiple output dc-dc converter
JP2008283819A (ja) 電力変換回路及びその駆動方法並びに駆動装置
JP2009254009A (ja) Dc−dcコンバータおよび電源制御用半導体集積回路
JP2007124850A (ja) Dc/dcコンバータ
US20050088160A1 (en) Multi output DC-DC converter
JP4252269B2 (ja) 多出力dc−dcコンバータ
JP2005117886A (ja) 多出力dc−dcコンバータ
JP4487649B2 (ja) 昇降圧型dc−dcコンバータの制御装置
JP2003164143A (ja) 多出力dc−dcコンバータ
JP2007236141A (ja) 多出力dc−dcコンバータ及び電源装置
JP6794240B2 (ja) 昇降圧dc/dcコンバータ
JP2006042461A (ja) スイッチング電源装置
JP2007110835A (ja) スイッチング電源装置およびその制御回路、ならびにそれを用いた電子機器
JP3625807B2 (ja) 多出力dc−dcコンバータ
WO2024090101A1 (ja) スイッチング電源装置
JP7339859B2 (ja) スイッチング制御回路

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060807

A761 Written withdrawal of application

Effective date: 20061102

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761