JP2005116926A - 半導体レーザ及び半導体レーザの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】発光の高出力化と製造プロセスの簡素化を同時に実現することができる半導体レーザを提供する。
【解決手段】半導体レーザの構成として、基板面に対して傾斜した傾斜面7B,7Cとその下部で基板面と平行をなす凹底面7Aとからなる段差部を有する半導体基板1と、凹底面7Aと傾斜面7B,7Cとを覆う状態で半導体基板1上に形成された第1導電型のバッファ層2と、このバッファ層2上に形成された第1導電型の第1クラッド層3と、この第1クラッド層3上に形成された活性層4と、この活性層4上に形成された第2導電型の第2クラッド層5とを備える水平共振器構造をなし、活性層4から共振器軸方向に沿って出射されるレーザ光の進路上に、傾斜面7Bに沿うバッファ層2の傾斜部を配置するとともに、半導体基板1の傾斜面7B上におけるバッファ層2の厚み寸法と凹底面7A上におけるバッファ層2の厚み寸法とを互いに異なる寸法とした。
【選択図】図1
【解決手段】半導体レーザの構成として、基板面に対して傾斜した傾斜面7B,7Cとその下部で基板面と平行をなす凹底面7Aとからなる段差部を有する半導体基板1と、凹底面7Aと傾斜面7B,7Cとを覆う状態で半導体基板1上に形成された第1導電型のバッファ層2と、このバッファ層2上に形成された第1導電型の第1クラッド層3と、この第1クラッド層3上に形成された活性層4と、この活性層4上に形成された第2導電型の第2クラッド層5とを備える水平共振器構造をなし、活性層4から共振器軸方向に沿って出射されるレーザ光の進路上に、傾斜面7Bに沿うバッファ層2の傾斜部を配置するとともに、半導体基板1の傾斜面7B上におけるバッファ層2の厚み寸法と凹底面7A上におけるバッファ層2の厚み寸法とを互いに異なる寸法とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体レーザとその製造方法に関し、特に、半導体基板の基板面と垂直な方向にレーザ光を出射する半導体レーザ(面発光レーザ)とその製造方法に適用して好適なものである。
並列光情報処理や光インターコネクションなどの新しい応用を目指す面発光レーザは、特にギガビットクラスの光LAN(Local Area Network)用の光源として急速に実用化が進められている。実際850〜890nm,960〜980μm,1.3μm,1.5μm帯については実用デバイスができつつある。
面発光レーザは、その共振器構造の違いから、垂直共振器型、水平共振器型及び曲がり共振器型の三種類に大別される。このうち、垂直共振器型は、レーザ光の取り出し方向に対応して基板面と垂直に共振器を形成したもので、面発光レーザの共振器構造として多用されている。1990年初頭までは水平共振器構造(回折格子や45度反射鏡を用いる構造)や曲がり共振器構造(曲がり導波路や45度反射鏡を用いる構造)も提案されている。現在では、45度の反射鏡を用いた水平共振器型の面発光レーザとして、例えば下記特許文献1に記載されたものが知られている。
また現状では、上述した応用の観点から、モノリシックが可能であること、極低電流動作が可能であることなどの理由で、専ら垂直共振器型の面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser;VCSEL)が一般的になっている。
しかしながら、従来の垂直共振器型の面発光レーザは、発光部面積が非常に小さいため、出力がせいぜいmW(ミリワット)クラスであり、それ以上の高出力化を図ることは困難な状況になっている。また、従来の水平共振器型の面発光レーザや曲がり共振器型の面発光レーザは、レーザ素子構造とは別に45度の反射鏡や回折格子を形成する必要があるため、製造プロセスが複雑になってしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、発光の高出力化と製造プロセスの簡素化を同時に実現することができる半導体レーザとその製造方法を提供することにある。
本発明に係る半導体レーザは、基板面に対して傾斜した第1の面と当該第1の面の下部で基板面と平行をなす第2の面を有する半導体基板と、第1の面と第2の面とを覆う状態で半導体基板上に形成された第1導電型のバッファ層と、このバッファ層上に形成された第1導電型の第1クラッド層と、この第1クラッド層上に形成された活性層と、この活性層上に形成された第2導電型の第2クラッド層とを備える水平共振器構造をなし、活性層から共振器軸方向に沿って出射されるレーザ光の進路上に、第1の面に沿うバッファ層の傾斜部を配置するとともに、半導体基板の第1の面上におけるバッファ層の厚み寸法と第2の面上におけるバッファ層の厚み寸法とを互いに異なる寸法としてなるものである。
本発明の半導体レーザにおいては、第1の面と第2の面とを覆う状態で半導体基板上に形成された第1導電型のバッファ層の厚み寸法を、第1の面上と第2の面上で異なる寸法とすることにより、厚み寸法が異なるバッファ層の各部に異なる光学的特性(反射率特性)を持たせることが可能となる。これにより、半導体基板上で第1の面上のバッファ層の厚み寸法を適宜設定することにより、このバッファ層部分に入射する光を基板面と垂直方向に反射させることが可能となる。また、バッファ層は、第1の面と第2の面とを覆う状態で半導体基板上に形成されるため、従来のように発光素子構造(レーザ素子構造等)と別に反射鏡や回折格子を形成する必要がなくなる。
本発明に係る半導体レーザの製造方法は、半導体基板上に当該基板面に対して傾斜した第1の面と当該第1の面の下部で基板面と平行をなす第2の面とを形成する工程と、第1の面と第2の面とを覆う状態で半導体基板上に、第1導電型のバッファ層、第1導電型の第1クラッド層、活性層及び第2導電型の第2クラッド層を有機金属気相成長法により順に積層して形成する工程と、共振器軸方向において第1の面に沿うバッファ層の傾斜部と向かい合う位置で活性層の端面が露出するように第2クラッド層及び活性層をエッチングする工程とを含むものである。
本発明の半導体レーザの製造方法においては、基板面に対して傾斜した第1の面と当該第1の面の下部で基板面と平行をなす第2の面とを覆う状態で、半導体基板上に第1導電型のバッファ層を有機金属気相成長法により形成する際に、第1の面上と第2の面上で結晶成長方向が異なるものとなる。これにより、半導体基板上に形成されたバッファ層の厚み寸法が、第1の面上と第2の面上で異なる寸法となる。したがって、半導体基板上で第1の面上のバッファ層の厚み寸法を適宜設定することにより、このバッファ層部分に入射する光を基板面と垂直方向に反射させることが可能となる。また、バッファ層は、第1の面と第2の面とを覆う状態で半導体基板上に形成されるため、従来のように発光素子構造(レーザ素子構造等)と別に反射鏡や回折格子を形成する必要がなくなる。
本発明によれば、発光素子構造に含まれるバッファ層の部分的な厚み寸法の違いを利用して、活性層の端面から出射した光をバッファ層で反射させることにより、半導体基板の基板面と垂直な方向に光を取り出す水平共振器構造の半導体レーザを提供することができる。これにより、発光の高出力化と製造プロセスの簡素化を同時に実現することが可能となる。
以下、本発明に係る半導体レーザの具体的な実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る半導体レーザの構成例を示す断面図であり、図2はその斜視図である。図示した半導体レーザにおいては、第1導電型となるn型の半導体基板1上に、n型のバッファ層2と、n型のクラッド層(第1クラッド層)3と、活性層4と、第2導電型となるp型のクラッド層(第2クラッド層)5と、p型のコンタクト層6とが順に積層した状態で形成されている。
半導体基板1は、例えば、GaN(窒化ガリウム)化合物半導体基板からなるもので、一方の面上に略凹状の段差部(凹み部)を有している。半導体基板1の段差部は、当該半導体基板1の基板面と平行な凹底面7Aと、この凹底面7Aの両側から斜めに立ち上がった傾斜面7B,7Cとによって形成されている。各々の傾斜面7B,7Cは、半導体基板1の基板面に対して斜めに傾斜した状態で形成されている。このうち、傾斜面7Bは、半導体基板1の基板面に対して傾斜した第1の面に相当し、凹底面7Aは、第1の面の下部で基板面と平行をなす第2の面に相当する。
バッファ層2は、例えば、n型Al(アルミニウム)0.4Ga0.6Nの半導体膜(低屈折率の半導体膜)とAl0.1Ga0.9Nの半導体膜(高屈折率の半導体膜)をペアとして、これを交互に15ペア積層した超格子構造をなす半導体多層膜からなるものである。このバッファ層2は、上記凹底面7Aと傾斜面7B,7Cとを一様に覆う状態で半導体基板1上に形成されている。
クラッド層3は、例えば、厚さ1μmのn型Al0.07Ga0.09N層からなるものである。このクラッド層3は、バッファ層2の全面を覆う状態で当該バッファ層2上に形成されている。
活性層4は、例えば、In0.1Ga0.9N/In0.02Ga00.98N量子井戸(QW)層からなるものである。この活性層4は、半導体基板1の凹底面7A上に位置してクラッド層3上に形成されている。また、活性層4は、レーザ光の出射側となる端面(図1の左側の端面)が共振器軸方向(図1の左右方向)でバッファ層2の傾斜部と向かい合うように形成(配置)されている。また、活性層4で発生した光は共振器軸方向に往復移動しつつレーザ発振し、これによって生成されたレーザ光が共振軸方向に沿って一方(図1の左側)のレーザ端面から出射される。ちなみに、バッファ層2の傾斜部とは、基板1の傾斜面(第1の面)7Bに沿って傾斜したバッファ層2部分をいう。また、活性層4の端面とバッファ層2の傾斜部の位置関係として「共振器軸方向で向かい合う」状態とは、活性層4と平行な面上において、レーザ端面から出射されるレーザ光の進路上にバッファ層2の傾斜部が位置する状態をいう。
クラッド層5は、例えば、厚さ0.5μmのp型のAl0.15Ga0.85NとGaNの多層膜からなるものである。このクラッド層5は、半導体基板1の凹底面7A上に位置して活性層4上に形成されている。
コンタクト層6は、例えば、高不純物濃度のp型GaN層からなるものである。このコンタクト層6は、半導体基板1の凹底面7A上に位置してクラッド層5上に形成されている。なお、図示はしないが、コンタクト層6は電流狭窄層によってストライプ状に形成されている。
また、コンタクト層6上には第1電極8が形成され、この第1電極8と反対側となる半導体基板1の裏面に第2電極9が形成されている。p側の第1電極8は例えばPd(パラジウム)とPtとAuの積層構造からなるもので、n側の第2電極9は例えばTi(チタン)とPt(プラチナ)とAuの積層構造からなるものである。第1電極8は、電流狭窄構造による半導体レーザのストライプ状動作領域に対応する部分(通常はストライプ状動作領域の直上部分)に共振器軸方向に沿ってストライプ状に形成される。
この半導体レーザは、レーザ光を生成する活性層4と、この活性層4を間に挟み込んで光やキャリア(電子、ホール)を閉じ込める役目を果たす2つのクラッド層3,5とが異なる半導体材料で構成されたダブルヘテロ構造となっている。また、半導体レーザは、活性層4と平行な方向に共振器が形成された水平共振器構造となっている。
ここで、半導体基板1の第1の面となる傾斜面7Bと第2の面となる凹底面7Aでは、それぞれの面上に形成(積層)されたバッファ層2の厚み寸法が互いに異なる寸法となっている。具体的には、図3に示すように、傾斜面7Bと垂直な方向において、傾斜面7B上のバッファ層2の厚み寸法は、当該傾斜面7Bの最上部から最下部に向かって徐々に(連続的に)大きくなっている(Tb1<Tb2)。また、基板面上や凹底面7A上のバッファ層2の厚み寸法Tb3との比較では、厚み寸法Tb1からTb2に至るバッファ層2の形成領域のうち、レーザ光が照射される部分の厚み寸法Tb4(ただし、Tb2>Tb4>Tb1)が、上記厚み寸法Tb3と異なる関係、つまりTb3>Tb4又はTb3<Tb4に設定されている。上記厚み寸法Tb4は、例えば500Å〜700Åの範囲内で設定される。
このように半導体基板1上でバッファ層2の厚み寸法に部分的に差をつけることにより、厚み寸法が異なるバッファ層2の各部にそれぞれ異なる光学的特性(反射率特性)を持たせることができる。この場合、傾斜面7B上でレーザ光が照射される部分(厚み寸法Tb4の部分)については、これに照射されるレーザ光を高い反射率で反射するミラー(理想的には全反射ミラー)として機能するように、傾斜面7B上のバッファ層2の厚み寸法Tb4が設定される。
これにより、活性層4の一方の端面から共振器方向の沿って出射したレーザ光は、図4に示すように、光に対して透明なクラッド層3を透過して傾斜面7B上のバッファ層2の一部(傾斜部)に入射し、そこで超格子構造をなす半導体多層膜ミラーにより、半導体基板1の基板面と垂直方向(上方)に反射されるようになる。この場合、傾斜面7B上のバッファ層2部分を覆うクラッド層3が光取り出し用の開口窓となる。これにより、水平共振器構造の面発光レーザが実現される。
なお、本実施形態においては、バッファ層2の傾斜部でレーザ光を半導体基板1の基板面と垂直方向に反射するものとしているが、最終的なレーザ光の取り出し方向(バッファ層2で反射されるレーザ光の進行方向)は、半導体基板1の傾斜面7Bの傾斜角度(図5に示す角度θ)を変えることで任意に変更可能である。
一方、凹底面7A上のバッファ層2部分には、傾斜面7Bに沿うバッファ層2の傾斜部との厚み寸法差を利用してその上層のクラッド層3と同様に光やキャリアを閉じ込める閉じ込め層としての機能をもたせたり、バッファ層2よりも上層の半導体層(クラッド層3、活性層4など)の形成(気相成長)を容易にするための下地層としての機能をもたせたりすることができる。
図5及び図6は本発明の実施形態に係る半導体レーザの製造プロセスの一例を示す図である。
先ず、図5(A)に示すように、n型の半導体基板1上に例えばドライエッチング法により、凹底面7Aと傾斜面7B,7Cからなる凹状の段差部を形成する。このとき、半導体基板1の基板面に対する傾斜面7Bの傾斜角度θは、レーザ光の最終的な取り出し方向(出射方向)に合わせて適宜設定する。
次いで、図5(B)に示すように、凹底面7Aと傾斜面7B,7Cとを覆う状態で半導体基板1上に、例えば成長温度を1000℃に設定した有機金属気相成長法により、n型のバッファ層2と、n型のクラッド層3と、活性層4と、p型のクラッド層5と、p型のコンタクト層6とを順に積層して形成する。
その際、半導体基板1上に有機金属気相成長法でバッファ層2を形成すると、半導体基板1の基板面に平行な凹底面7A上と基板面に対して傾斜する傾斜面7B,7C上では、有機金属気相成長法でバッファ層2を形成するときの結晶成長方向が異なるものとなる。例えば、半導体基板1の基板面に平行な凹底面7Aでは(100)面方向に結晶成長し、半導体基板1の基板面に対して傾斜した傾斜面7Bでは例えば(311),(511),(711)面などの方向に結晶成長する。したがって、凹底面7Aと傾斜面7Bでは、結晶成長方向に応じて結晶成長速度も異なるものとなる。その結果、半導体基板1上には、上記図3に示したように凹底面7A上と傾斜面7B上で厚み寸法が異なるバッファ層2が形成されることになる。
続いて、コンタクト層6上に図示しないマスクパターン(レジストパターン)を形成した状態で、例えばドライエッチング法によりコンタクト層6をエッチングすることにより、図5(C)に示すように、半導体基板1の凹底面7A上にのみコンタクト層6を残す。
次いで、先に残したコンタクト層6の部分をマスクとして、クラッド層5及び活性層4をドライエッチングすることにより、図6(A)に示すように、活性層4の両端面(出射端面、反射端面)を外部に露出させる。このとき、活性層4の両端面が完全に露出するように、クラッド層3の上層部も薄くエッチングする。これにより、共振器軸方向においては、傾斜面7Bに沿うバッファ層2の傾斜部に対し、これと向かい合う位置関係で活性層4の端面(出射端面)が露出した状態となる。この場合、活性層4の出射端面に例えば反射率10%の低反射膜、それと反対側の端面(反射端面)に例えば反射率95%の高反射膜を被着してもよい。
続いて、図6(B)に示すように、コンタクト層6上に例えば真空蒸着法によって電極材料(例えば、Pd,Pt,Au)を順次被着することにより第1電極(オーミック電極)7を形成した後、半導体基板1の裏面(半導体膜が積層される面と反対側の面)を一様に研磨することにより、半導体基板1全体の厚み寸法を所望のレベルまで小さくする。
次いで、図6(C)に示すように、半導体基板1の裏面を必要に応じて平滑化した後、その基板裏面に例えば真空蒸着法によって電極材料(例えば、Ti,Pt,Au)を順に被着することにより第2電極(オーミック電極)9を形成する。
このようにして得られる半導体レーザにおいては、半導体基板1の基板面と平行な方向(水平方向)で光を共振させる水平共振器構造を採用しているため、従来の垂直共振器構造を採用した面発光レーザに比べて高出力のレーザ光が得られる。また、活性層4(共振器)の端面から出射されたレーザ光は、n型のクラッド層3を透過して傾斜面7B上のバッファ層2部分に入射し、そこで基板面と垂直な方向に反射される。そのため、高出力の面発光レーザを実現することができる。また、レーザ光の反射は、半導体基板1の凹底面7Aと傾斜面7B,7Cを含む基板面全体を一様に覆うバッファ層2によって行われる。そのため、従来の水平共振器構造の面発光レーザのようにレーザ素子構造と別に45度の反射鏡や回折格子を形成する必要がない。したがって、従来よりも簡単な製造プロセスによって高出力の面発光レーザを製造することができる。
なお、上記実施形態においては、AlGaN系の半導体レーザに適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えばAlGaAs(砒素)系、AlGaIn(インジウム)P(リン)系又はInP系の半導体レーザにも適用可能である。
AlGaAs系の半導体レーザに適用した場合の構成としては、第1導電型となるn型の単結晶GaAs化合物からなる半導体基板1上に、これと同電型となるn型の例えばAlAsの半導体膜とAl0.1Ga0.9Asの半導体膜をペアとして、これを15ペア積層した超格子構造をなすバッファ層2と、同じくn型の例えば厚さ1μmのAl0.47Ga0.53As層からなるクラッド層3と、例えばAl0.12Ga0.88層からなる活性層4と、第2導電型となるp型の例えば厚さ1μmのAl0.47Ga0.53As層からなるクラッド層5と、これと導電型となるp型の高不純物濃度のGaAs層からなるコンタクト層6とが順に積層され、そのコンタクト層6上に例えばTi、Pt(白金)、Auの積層構造をなす第1電極8が形成されるとともに、これと反対側の基板面に例えばAu、Ge(ゲルマニウム)、Ni、Auの積層構造をなす第2電極9が形成された構成となる。
また、AlGaAs系の半導体レーザに適用した場合の製造プロセスは次のようになる。先ず、GaAs化合物半導体基板1上に例えば硫酸と過酸化水素水を用いたウェットエッチングにより、凹底面7Aと傾斜面7B,7Cからなる段差部を形成した後、凹底面7Aと傾斜面7B,7Cとを覆う状態で半導体基板1上に、例えば成長温度を780℃に設定した有機金属気相成長法により、n型のバッファ層2と、n型のクラッド層3と、活性層4と、p型のクラッド層5と、p型のコンタクト層6とを順に積層して形成する。
次に、コンタクト層6上に図示しないマスクパターン(レジストパターン)を形成した状態で、例えば塩酸系の溶液を用いたウェットエッチングにより、半導体基板1の凹底面7A上にのみコンタクト層6を残し、さらにこのコンタクト層6の部分をマスクとして、クラッド層5及び活性層4を硫酸系の溶液でウェットエッチングすることにより、活性層4の両端面を外部に露出させる。このとき、活性層4の両端面が完全に露出するように、クラッド層3の上層部も薄くエッチングする。これにより、共振器軸方向においては、傾斜面7Bに沿うバッファ層2の傾斜部に対し、これと向かい合う位置関係で活性層4の端面(出射端面)が露出した状態となる。この場合、活性層4の出射端面に例えば反射率10%の低反射膜、それと反対側の端面(反射端面)に例えば反射率95%の高反射膜を被着してもよい。
続いて、コンタクト層6上に例えば真空蒸着法によって電極材料(例えば、Ti,Pt、Au)を順次被着することにより第1電極(オーミック電極)7を形成した後、半導体基板1の裏面(半導体膜が積層される面と反対側の面)を一様に研磨することにより、半導体基板1全体の厚み寸法を所望のレベルまで小さくする。次いで、半導体基板1の裏面を必要に応じて平滑化した後、その基板裏面に例えば真空蒸着法によって電極材料(例えば、Au、Ge、Ni,Au)を順に被着することにより第2電極(オーミック電極)9を形成する。以上の製造プロセスによって上記図1に示す半導体レーザが得られる。
1…半導体基板、2…バッファ層、3…クラッド層(第1クラッド層)、4…活性層、5…クラッド層(第2クラッド層)、6…コンタクト層、7A…凹底面(第2の面)、7B…傾斜面(第1の面)、8…第1電極、9…第2電極
Claims (4)
- 基板面に対して傾斜した第1の面と当該第1の面の下部で前記基板面と平行をなす第2の面を有する半導体基板と、
前記第1の面と前記第2の面とを覆う状態で前記半導体基板上に形成された第1導電型のバッファ層と、
前記バッファ層上に形成された第1導電型の第1クラッド層と、
前記第1クラッド層上に形成された活性層と、
前記活性層上に形成された第2導電型の第2クラッド層とを備える水平共振器構造をなし、
前記活性層から共振器軸方向に沿って出射されるレーザ光の進路上に、前記第1の面に沿う前記バッファ層の傾斜部を配置するとともに、前記半導体基板の前記第1の面上における前記バッファ層の厚み寸法と前記第2の面上における前記バッファ層の厚み寸法とを互いに異なる寸法としてなる
ことを特徴とする半導体レーザ。 - 前記バッファ層は超格子構造をなす半導体多層膜からなる
ことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ。 - 前記バッファ層の傾斜部で前記レーザ光を反射するように構成してなる
ことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ。 - 半導体基板上に当該基板面に対して傾斜した第1の面と当該第1の面の下部で前記基板面と平行をなす第2の面とを形成する工程と、
前記第1の面と前記第2の面とを覆う状態で前記半導体基板上に、第1導電型のバッファ層、第1導電型の第1クラッド層、活性層及び第2導電型の第2クラッド層を有機金属気相成長法により順に積層して形成する工程と、
共振器軸方向において前記第1の面に沿う前記バッファ層の傾斜部と向かい合う位置で前記活性層の端面が露出するように前記第2クラッド層及び前記活性層をエッチングする工程と
を含むことを特徴とする半導体レーザの製造方法。
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