以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の組電池は、フレームに4個の単電池をその幅方向に配列し、このフレームを24枚積層して電池ユニットを構成し、この電池ユニットを積層方向両面からヒートシンクで加圧して一体的に保持してなるものである。組電池ユニットは96個の単電池を有しているが、すべての単電池はフレームやヒートシンクに設けられた接続手段によって直列に接続されている。そして、各単電池の電極タブには、電圧検出用の弾性のある導電材でできたリードが接合されており、このリードがヒートシンク上に設置した充電制御回路に接続されている。
本実施の形態の組電池は概略以上のような構造となっているが、以下にこの組電池の構造とその製造手順を図面に基づいて詳細に説明する。
[組電池の構造]
図1は本発明にかかる組電池の外観の概略を示す斜視図、図2は図1に示した組電池の主要な構成要素の積層状態を示す図1A−A方向の模式的な部分断面図、図3は図2の一部拡大断面図、図4は図1に示した組電池のバスバーと通しボルトとの接続関係を示す図、図5は図1に示した組電池を構成する単電池相互間の接続状態を模式的に示す図、図6はヒートシンク上の集線コネクター部分を示す概略斜視図である。
図1に示すとおり、本願発明にかかる組電池100は、板形状のフレームがその厚み方向に複数個積層されてなる電池ユニット200を、保持手段として機能するヒートシンク300、350でその積層方向の両面から挟んで加圧し一体的に保持したものである。
図示されていないフレームは4個の扁平状の単電池を並列に配置するため4箇所の保持部を有している。組電池100はフレームが24枚積層され、積層方向6枚おきに中間ヒートシンク325が介挿される。したがって、組電池100は4個並列に配置された偏平型単電池がそれぞれ24個ずつ積層されており、合計96個の偏平型単電池を有している。なお、以下では、偏平型単電池を単に単電池と称する。
ヒートシンク300および350は両ヒートシンクを連結する6個の加圧ユニットをナット310A〜310Fで取り付けることによって固定する。加圧ユニットは引っ張りコイルばねの両端にナット310A〜310Fで固定されるシャフトを取り付けたものであり、これをヒートシンク300および350間に取り付けることによって電池ユニット200を構成するすべての単電池に対して積層方向に適切な面圧を与えている。
組電池100の積層構造は図2および図3に示すとおりである。なお、図2および図3においては、説明簡略化のために、フレーム4枚おきに中間ヒートシンク325が介挿されているが、実際には、上述のとおりフレーム6枚おきに中間ヒートシンクが介挿される。
フレーム210(絶縁ワッシャ埋め込みフレーム)の一端部には絶縁ワッシャ212が埋め込まれ、フレーム210の周囲には単電池214の周縁部216を支持する周縁支持部218が形成されている。フレーム210において周縁支持部218によって囲まれているフレーム210の中央部分は開口され、積層方向に隣接する要素(ヒートシンク350および単電池224)と単電池214の外装面とが直接接触するようになっている。フレーム210の他端部には単電池214の電極タブ215Bを、積層方向に隣接する単電池224の電極タブ225Bと超音波溶接するための開口部217Aが設けられている。単電池214の電極タブ215Aは絶縁ワッシャ212と接触している。なお、絶縁ワッシャ212の厚みは、フレーム210の厚みよりも厚く単電池214の厚みよりも薄くしてある。つまり、絶縁ワッシャ212の厚みはフレーム210と単電池214の厚みの間となるようにしている。組電池100を構成するすべての絶縁ワッシャ埋め込みフレームはこのような厚み関係の絶縁ワッシャを使用している。
フレーム220(導通ワッシャ埋め込みフレーム)の一端部には導通ワッシャ222が埋め込まれ、フレーム220の周囲にはフレーム210と同様の周縁支持部228が形成され、また、周縁支持部228によって囲まれているフレーム220の中央部分は開口されている。フレーム220の他端部にはフレーム210と同様の開口部217Bが設けられている。単電池224の一方の電極タブ225Aは導通ワッシャ222と接触している。なお、導通ワッシャ222の厚みは、フレーム220の厚みよりも厚く単電池224の厚みよりも薄くしてある。つまり、導通ワッシャ222の厚みはフレーム220と単電池224の厚みの間となるようにしている。このような厚み関係とすれば、単電池224に所望の面圧を与えつつ電極タブ225Aと導通ワッシャ222とを接触させることができるからである。組電池100を構成するすべての導通ワッシャ埋め込みフレームはこのような厚み関係の導通ワッシャを使用している。
フレーム210に位置決め支持されている単電池214の電極タブ215Bとフレーム220に位置決め支持されている単電池224の電極タブ225Bは、それぞれのフレームに設けられている開口部217A、217Bの両側から図示しない冶具で加圧され超音波溶接が施されている。
フレーム230(絶縁ワッシャ埋め込みフレーム)の一端部には絶縁ワッシャ232が埋め込まれ、フレーム230の周囲にはフレーム210と同様の周縁支持部238が形成され、また、周縁支持部238によって囲まれているフレーム230の中央部分は開口されている。フレーム230の他端部にはフレーム210と同様の開口部217Cが設けられている。単電池234の一方の電極タブ235Aは絶縁ワッシャ232と接触している。フレーム220とフレーム230を積層すると、開口部217Cの存在によって、単電池234の電極タブ235Bが溶接済みの下側の電極タブ215B、225Bと接触してしまうので、電極タブ225Bの上側には絶縁テープ250Aが貼り付けてある。
フレーム265(導通ワッシャ埋め込みフレーム)の一端部には導通ワッシャ266が埋め込まれ、このフレーム265の上に積層される中間ヒートシンク325の載置部273が形成されている。また、フレーム265の周囲にはフレーム210と同様の周縁支持部278が形成され、また、周縁支持部278によって囲まれているフレーム265の中央部分は開口されている。フレーム265の他端部にはフレーム210と同様の開口部277Dが設けられている。単電池274の一方の電極タブ275Aは導通ワッシャ266と接触している。なお、導通ワッシャ266の厚みは、絶縁ワッシャまたは導通ワッシャの厚み(絶縁ワッシャの厚み=導通ワッシャの厚み)に中間ヒートシンク325の厚みを加えた厚みに等しくしている。
以上のようにして、下側の層から(絶縁ワッシャ埋め込みフレーム)−(導通ワッシャ埋め込みフレーム)−(絶縁ワッシャ埋め込みフレーム)−(導通ワッシャ埋め込みフレーム)−(絶縁ワッシャ埋め込みフレーム)−(導通ワッシャ埋め込みフレーム)という順番でフレームが6枚積層される。
フレーム270の載置部273には中間ヒートシンク325が載せられる。中間ヒートシンク325と導通ワッシャ266とはフレーム265によって絶縁されている。
中間ヒートシンク325の上側にはさらに(6枚のフレーム)−(中間ヒートシンク)−(6枚のフレーム)−(中間ヒートシンク)−(6枚のフレーム)−ヒートシンク300がこの順番で積層される。ヒートシンク300の直下のフレーム240は、フレーム220と同様の構成となっている。つまり、フレーム240には導通ワッシャ242が埋め込まれ、フレーム210と同様の周縁支持部248が形成され、また、周縁支持部248によって囲まれているフレーム240の中央部分は開口されている。フレーム240の他端部にはフレーム210と同様の開口部217Eが設けられている。単電池244の一方の電極タブ245Aは導通ワッシャ242と接触している。図示はしていないが、単電池244の電極タブ245Bはその下側に位置する単電池の電極タブと超音波溶接されている。電極タブ245Bの上側にはヒートシンク300との絶縁を図るため絶縁テープ250Bが貼り付けられている。
積層されたすべてのフレームは通しボルト270とナット271とによって固定される。ナット271と導通ワッシャ242との間には絶縁ワッシャ278、ワッシャ279が介在しているが、絶縁ワッシャ278はバスバー262の絶縁用として、ワッシャ279は絶縁ワッシャ278がセラミック製のためその破損防止用としてそれぞれ用いられる。
ヒートシンク350には隣接する単電池同士を電気的に接続するためのバスバー260が設けられている。バスバー260は絶縁ワッシャ261によってヒートシンク350と絶縁されている。バスバー260にはその周囲を絶縁処理した通しボルト270が挿通されている。
図2および図3において、これらの図が図4のA−A断面を表しているとするならば、符番262は強電端子450Aに繋がる部材263を、これらの図が図4のB−B断面を表しているとするならば、符番262はバスバーをそれぞれ表すことになる。
ヒートシンク300と350が電池ユニット200を介在させた状態でボルトおよびナット310A〜310Fによって固定され、6本の通しボルトが6個の連結端子で締め付けられると、組電池100を構成する単電池は図5に示すように直列に接続される。
組電池100は、24個の単電池が積層された4列の単電池積層体を有しているが、図5に示すように、各単電池積層体400、410、420、430は、単電池がその積層方向にすべて直列に接続されている。すなわち、単電池積層体400の左側の単電池同士の接続(図中の×印部分)は超音波溶接によって行われ、単電池同士の絶縁(図中の四角印部分)は絶縁テープ(図2の250A、250B)によって行われている。一方、単電池積層体400の右側の単電池同士の接続(図中の○印部分)は導通ワッシャ(図2の222、266など)によって行われ、単電池同士の絶縁(図示三角印部分)は絶縁ワッシャによって行われている。したがって、組電池100が組み上がると、単電池積層体400を構成するすべての単電池が直列に接続される。他の単電池積層体410、420、430も同一の構造によりすべての単電池が直列に接続される。
各単電池積層体400、410、420、430は、さらにヒートシンク(図2の300、350)に取り付けられたバスバー260、262、264によって直列に接続される。したがって、組電池100を構成するすべての単電池は直列に接続される。このような接続方法を採用すると、電力端子450A、450Bの接続部を一方向(ヒートシンク300の上側)のみにすることができるので、組電池設置後の電力配線が行いやすくなり生産性が向上する。
ヒートシンク300および350上には、図6に示すように、外部の充電制御回路(不図示)と接続するための集線コネクター150が設置されている。充電制御回路は、各単電池の電圧や電流などを検出する検出手段を有し、検出された電圧値や電流値に基づいて単電池の充放電を制御する。また、集線コネクター150には、このほかにたとえば、単電池の容量調整などを行うための回路など、さまざまな制御回路を接続してもよい。
この集線コネクター150は集線手段であり、各単電池の電極タブに接合されているリード151が接続されていて、この集線コネクター150に充電制御回路からの配線を接続するだけで、すべての単電池ごとの電極タブ間電圧を検出し、充電制御が行えるようになっている。なお、図6においてはヒートシンク300側の集線コネクター150を示したが、ヒートシンク350側も同様である。これは、本実施の形態では、単電池の積層数が24個であるため、片側のヒートシンク側に12層分を引き出したことによる。なお、各単電池の電極タブと接続されるリードについては後に詳細に説明する。
組電池100の全体の構造は以上のとおりである。次に、組電池を構成する主要な構成要素について詳細に説明する。
(単電池)
本実施の形態で用いる単電池214は、図7に示すような矩形状の扁平形積層二次電池であり、少なくとも正極板と負極板を順に積層した積層型の発電要素を含んでおり、たとえば、特開2003−059486号公報に開示されているような構造を持つものである。
単電池214はその外装材としてラミネートフィルムが用いられ、内蔵されている発電要素は単電池214の周縁部が熱融着接合されることで封止される。単電池214の長手方向両側面からは電極タブ215A、215Bが引き出されている。電極タブ215Aは+の電極タブであり、たとえば板厚0.2mm程度のアルミニウム薄板で構成されている。一方、電極タブ215Bは−の電極タブであり、たとえば板厚0.2mm程度の銅の薄板で構成されている。両電極タブ215A、215Bには通しボルト(図2の270)を挿入するための挿入孔272A、272Bが開口されている。なお、熱融着接合されている単電池214の周縁部216はフレームに形成されている保持部で位置決め保持される。単電池の積層方向は、この発電要素を構成する正極板と負極板の積層方向と同一の方向である。
(リード)
単電池214の両電極タブ215A、215Bには、図7に示すように、リード手段であるリード151A、151B(なお、これらを総称する場合をリード151と記す)が接合されている。このリード151A、151Bは、たとえば銅またはアルミニウムであり、接合しやすいようにアルミニウム薄板を用いている電極タブ215Aにはアルミニウムのリード151A、銅薄板を用いている電極タブ215Bには銅のリード151Bを用いるとよい。電極タブとリードとの接合には、たとえば、超音波溶接、半田付けなどが用いられる。
このリード151A、151Bの電極タブ215Aまたは215Bと接合されていない側の端部は、組電池として組み立てられる前の状態では、図示するように単電池から垂直上方に延びて開放された状態となっている。
そして、組電池として組み上げられた段階で、単電池が積層された側面に沿って外側のヒートシンク300および350方向へ延伸し、ヒートシンク300および350から出た部分が、ヒートシンク300および350上に設けた集線コネクター150の方向に折り曲げられて(図6参照)、集線コネクター150と接続される。集線コネクター150とリード151との接続は、超音波溶接や半田付けなどによって行われる。
また、このリード151は、銅またはアルミニウムなどを用いることが好ましい。このような銅またはアルミニウムなどの板材は、ある程度の剛性と共に弾性力を有しており、組電池を組み上げる際には、その剛性によって、電極タブに接合された状態で、積層される方向に沿ってその形状が保たれており、組み上げられた後には、その弾性力により折り曲げても破断することがない。また、この弾性力があること、特に、集線コネクターと接続される部分で弾性力を有することで、組電池ができあがった際に、各単電池の厚さばらつきを吸収してリードの厳密な長さ調整を不要としている。
このリード151、151Bの電極タブ215Aまたは215B上での接合位置は、図8Aに示すように、積層される列の単電池ごとに異なる。
これは、図8AおよびBに示すように、一つの積層列内において、各電極タブに接合されたリード151が、ヒートシンク300方向へ直接延ばす際に互いに干渉しないようにするためである。なお、ヒートシンク350側に延ばしたリードについても同様であるので図示省略する。
なお、本実施の形態では、単電池は、図7のように対抗する2辺に別々の極性の電極タブが取り付けられているタイプの単電池を用いて組電池100を構成しているが、特開2003−059486号公報に開示されているように、1辺のみに別々の極性の電極タブが取り付けられているタイプの単電池を用いて組電池100を構成しても良い。このような形態の単電池の場合も、同様に各電極タブにリードを接合して、積層方向に延伸させればよい。ただし、このタイプの単電池を用いた場合には、フレームの構造や単電池同士の接続方法は本実施の形態とは大きく異なる。また、本実施の形態では、1つの扁平形電池を単電池としているが、直列接続された複数の電池、または並列接続された複数の電池、直列と並列の接続を交えて接続された複数の電池をそれぞれ単電池としてフレームに保持させても良く、これらの場合も同様に各電池または、直列に接続されている数個の電池の電極にリードを接合することになる。
(フレーム)
本実施の形態で用いるフレームは、図9Aに示すような絶縁ワッシャ埋め込みフレーム210、図9Bに示すような導通ワッシャ埋め込みフレーム220の2種類である。
絶縁ワッシャ埋め込みフレーム210は、その一端部210Aに絶縁ワッシャ212が埋め込まれている。絶縁ワッシャ212の厚みはフレーム210の厚みよりも若干厚く単電池の厚みよりも薄くなっている。
導通ワッシャ埋め込みフレーム220は、その一端部220Aに導通ワッシャ222が埋め込まれている。導通ワッシャ222の厚みは絶縁ワッシャと同様、フレーム220の厚みよりも若干厚く単電池の厚みよりも薄くなっている。導通ワッシャは、フレームに保持されている単電池の一方の電極タブを積層方向に隣接する他のフレームに保持されている単電池の一方の電極タブと電気的に接続する第1接続手段としての機能を備えている。
上記の各フレーム210、220は、図7に示すように、1の平面上に配列される4個の単電池を位置決め保持する保持部を備えている。すなわち、単電池214(図6参照)の周縁部216の少なくとも1部を支持する周縁支持部218、228と、単電池214を位置決めする位置決め部とを備えている。なお、位置決め部とは、周縁支持部218、228の周囲に形成され、単電池214の周縁端がはまり込むように形取られている部分である。
単電池はフレームの位置決め部によってその位置が固定され、周縁支持部でその周縁部が支持される。単電池の周縁部とフレームの周縁支持部は両面テープで仮止めされる。したがって、製造段階において単電池をフレームに載置した状態で容易に搬送することができる。
各フレームには、いずれも図10に示すように、電極タブが配置される配置部分159の近傍にリード151を通すための貫通穴152が設けてある。この貫通穴152は、設置されるリード151の数と同じ数、またはこれより多い数だけ設けられている。したがって、本実施の形態では、12個設けられている。また、すべてのフレームは絶縁部材(たとえば樹脂部材)であるため、このフレームにあけられた貫通穴152を通すことで、リード151が他のリードと接触したり、他の電極タブと接触することを防止している。シタがって、各フレームが絶縁手段として機能することになる。
なお、この貫通穴は図8Aから分かるとおり、下層のフレームでは上方のフレームよりもリードを通る数が少ないので、層数に合わせて貫通穴の数を異なるようにしてもよいが、そのようにした場合、フレーム製作時に貫通穴の数の違いにより異なる金型が必要となり、また、組電池を組み立てる際も、層に合わせて貫通穴の数のあったフレームを選択する必要があり作業性が悪くなるので好ましくない。
(ヒートシンク)
本実施の形態で用いるヒートシンクは、図1に示したとおり、最上段に位置されるヒートシンク300、積層されているフレーム間に少なくとも1以上介挿される中間ヒートシンク325、最下段に位置されるヒートシンク350の3種類である。
最下段のヒートシンク350は、図11に示すように、積層されるフレームを位置決めするためのロケートピン510、520を備えている。もちろんフレームにはこれらのロケートピン510、520が挿入されるロケートピン挿入孔が開口されている。ヒートシンク350にフレームを積層する場合には、フレームのロケートピン挿入孔をこれらのロケートピン510、520に挿入しフレームの位置決めを行う。また、ヒートシンク350の一端部には隣り合う単電池積層体同士、たとえば単電池積層体400と410(図5参照)を電気的に直列接続するためのバスバー260、264を埋め込むバスバー埋め込み溝360、370が設けられている。バスバー埋め込み溝360、370には通しボルト270(図4参照)をヒートシンク350の底面から立設するための通しボルト挿入孔362、364、372、374が開口されている。さらに、ヒートシンク350には、電池ユニット200に適切な面圧を付与するとともに電池ユニット200をヒートシンク300、350と一体的に保持するための保持手段としての機能を有する加圧ユニットの取り付け孔380〜385が設けられている。
これらの取り付け孔380〜385には図12に示すように、6個の加圧ユニット530〜535が取り付けられる。加圧ユニット530〜535は、ヒートシンク300と350で電池ユニット200を挟み込むときに、電池ユニット200に付与する面圧を容易に微調整できるようにするものである。ヒートシンク300、350の材質としては銅、アルミニウム、マグネシウムなどが適切であるが、放熱性や軽量化を考慮するとアルミニウムが最適である。ヒートシンク350は、放熱効率を向上させるためその長手方向に貫通する通気口352が形成されている。
加圧ユニット530〜535は具体的には次のような構造になっている。図13は加圧ユニットの具体的な構成図、図14は加圧ユニットの動作説明図である。特に、図13(A)は加圧ユニットの全体構成を示す図、図13(B)はバネ保持部の構成を示す図であり、図14(A)は加圧ユニットの初期状態を示す図、図14(B)は加圧ユニットをヒートシンク間に取り付けた様子を示す図である。
加圧ユニット530は、引っ張りコイルバネ542(弾性体)と、引っ張りコイルバネ542の両端を保持するバネ保持部543とからなる。
引っ張りコイルバネ542は、引き延ばされた状態でヒートシンク300、350(図1参照)間に取り付けられる。これによって、引っ張りコイルバネ542は収縮しようと作用し、ヒートシンク300、350を相互に接近させる方向の引っ張り力を発生する。
バネ保持部543は、本体部544と、引っ張りコイルバネ542のピッチP1よりも大きなピッチP2でねじ山が形成された螺合部545と、螺合部545から引っ張りコイルバネ542の中心に向かって伸びる突合せ部546と、本体544から伸びてヒートシンク300、350に挿通される挿通部547とを含む。
本体部544は、引っ張りコイルバネ542より大きな径を有し、引っ張りコイルバネ542が外れないように、これに当接する。また、本体部544は、加圧ユニット530を組電池に取り付けたときに、ヒートシンク300、350と当接する。
螺合部545は、図示のとおり、引っ張りコイルバネ542の端部にねじ込まれて、引っ張りコイルバネ542の内側と螺合し、これを固定する。螺合部545は、図13(B)に示すように、表面にピッチP2のねじ山が形成されている。螺合部545のピッチP2は、引っ張りコイルバネ542のピッチP1より大きい。したがって、螺合部545を図13(B)中矢印の方向にねじ込むことができる。螺合部545をねじ込むことによって、突合せ部546が、引っ張りコイルバネ542の中央に向かって進行する。
引っ張りコイルバネ542の両端から螺合部545をねじ込んで行くと、図13に示すように、両側から進行してきた突合せ部546が突き当たる。この状態で、引っ張りコイルバネ542は自然長より伸ばされ、加圧ユニット530の初期状態として、初期張力が与えられている。
挿通部547は、先端にナット541と締結可能なねじ山が形成されている。挿通部547の頭には、後述する回り止め用のスリット548が設けられている。スリット548に、マイナスドライバー等を挿すことによって、バネ保持部543を容易に回り止めできる。
以上のような、加圧ユニット530を、ヒートシンク300、350間に配置すると、図14(A)に示すようになる。
ここで、挿通部547は、ヒートシンク300取り付け孔に挿通されている。この状態で、一方のバネ保持部543を回り止めしながら、他方のバネ保持部543の挿通部547をナット541で締結する。すると、バネ保持部543がナット541側に引き寄せられる。これを両方のバネ保持部543で行うと、図14(B)に示すように、バネ保持部543が引っ張りコイルバネ542を保持した状態で相対的に引き離され、引っ張りコイルバネ542がヒートシンク300、350間に引き伸ばされた状態で保持される。
このように、ヒートシンク300、350間の幅に合わせて、引っ張りコイルバネ542を引き伸ばすので、ナット541の締め付けトルクに関わらず、引っ張りコイルバネ542による収縮する方向の弾性力が得られる。該弾性力が電池ユニット200を構成する単電池への加圧力となる。
中間ヒートシンク325は、図15に示すように、ロケートピン510、520を貫通するロケートピン貫通孔330、332、加圧ユニット530〜535を貫通させる加圧ユニット貫通孔335〜340、通しボルトを貫通させる通しボルト貫通口341〜344が開口されている。
中間ヒートシンク325はヒートシンク350に取り付けられているロケートピン510、520をロケートピン挿入孔330、332に挿入することで位置決めされる。中間ヒートシンク325は、電池ユニット200に等間隔で3枚介挿される。中間ヒートシンク325の材質としてはヒートシンク350と同一のものでも良いが、軽量化を考慮して樹脂を用いても良い。
最上段のヒートシンク300は、図16に示すように、ロケートピン510、520を挿入するロケートピン挿入孔312、314、加圧ユニット530〜535の上に取り付けられているボルトを貫通させそれをナット310A〜310Fで固定するためのボルト挿入孔315〜320、通しボルトを貫通させる通しボルト貫通口321、322、電力端子450A、450B(図5参照)を取り付けるための電力端子取り付け孔323、324が開口されている。ヒートシンク300はロケートピン挿入孔312、314にロケートピン510、520を挿入することで位置決めされる。ヒートシンク300を位置決めするときに加圧ユニット530〜535の上に取り付けられているボルトをボルト挿入孔315〜320に挿入し、ナット310A〜310Fでヒートシンク300を固定する。この固定によってヒートシンク300と350が電池ユニット200と一体化される。通しボルト貫通口321、322には図示上から下方向に向けて通しボルトが挿入される。この通しボルトにはバスバー262(図5参照)が取り付けられる。電力端子取り付け孔323、324には電力端子450A、450Bが取り付けられ、これらの電力端子が充電装置または動力源のモータに接続される。
ヒートシンク300と350は、電池ユニット200をその積層方向の両面から加圧して一体的に保持する保持手段として機能し、この保持手段は、電池ユニット200を構成するすべての単電池に積層方向の面圧を付与する加圧手段としての機能と、電池ユニット200から生じる熱を放散する冷却手段としての機能とを備えている。また、ヒートシンク300と350は、電池ユニット200を構成する1つの単電池積層体(例えば図5の電池積層体400)を別の単電池積層体(例えば図5の電池積層体410)に電気的に接続する第3接続手段としてのバスバー(例えば図5の260)を取り付ける機能を備えている。
また、ヒートシンク300と350は、フレームと同様に(図10参照)リード151を通すための貫通穴が設けてある。この貫通穴の設置位置や設置数は、フレームの場合と同様に、電極タブ位置の近傍であり、リードの数と同じ数かこれより多い数である。
このヒートシンクに設けた貫通穴内周面には、絶縁のために樹脂などを埋め込んでおき、リードとヒートシンクとの絶縁を図っている。
[組電池の製造手順]
次に、本実施の形態にかかる組電池の製造手順を図面に基づいて詳細に説明する。
まず、図17に示すように、電池ユニット200の最下層に位置されることになるフレーム210に単電池214A〜214Dを載置する。単電池を載置するときには、各単電池の周縁部216に厚みの非常に薄い両面テープを貼り付け、周縁部216をフレーム210の周縁支持部218に載置させてその位置決め部にはめ込むようにする。これによって4個の単電池はフレームに仮止めされ、製造現場での搬送が可能になる。4個の単電池がフレームに載置された状態は図18に示すとおりであるが、単電池をフレームに配列させるときには、その電極タブ215の極性が図17、図18に示すように、単電池の配列方向に正負交互となるようにする。つまり、単電池の極性が+−交互に並ぶように単電池の向きを変えながら配列する。このとき図においてリードが図示下方向を向いているのは、最下層側のフレーム、すなわち、ヒートシンク350側にリードを出す部分を示しているためであり、ヒートシンク300側へ出るリードは本図とは逆方向(図示上方向)を向く。
以上の単電池の配列、電極タブとの接合を、電池ユニット200を構成することになる24枚のフレームに対して行う。なお、単電池を配列するときには図19に示すようにその極性が配列方向が正負交互となるようにするだけではなく、フレームの積層方向にもその極性が正負交互となるように注意する。たとえば、最下層位置されるフレームに載置する単電池の極性が図19に示すように手前左端から「+」、「−」、「+」、「−」と並んでいるのであれば、そのフレームの上に積層されるフレームに載置する単電池の極性は手前左端から「−」、「+」、「−」、「+」となるように配列する。単電池をこのように配列しないと、最終的に図5に示すような回路を構成することができないからである。
次に、導通ワッシャ212が埋め込まれているフレーム210に絶縁ワッシャが埋め込まれているフレーム220を図19に示すように重ねる。重ねるときには、導通ワッシャと絶縁ワッシャが取り付けられている側を同一方向にして重ねる。また、各電極タブに接合されているリード151Aおよび151Bが図では、上層に位置するフレーム220から下層に位置するフレーム210に設けられている貫通穴を通して抜け出るようにする。
フレームの導通ワッシャと絶縁ワッシャが取り付けられていない側の端部には図17に示すように開口部217Aが形成されている。フレーム210の下側およびフレーム220の上側の開口部217Aに超音波溶接装置の冶具を挿入し、フレーム210とフレーム220に載置されている単電池の電極タブをその冶具で挟んで超音波溶接を行う。この超音波溶接は4組の単電池の片側の電極タブ215、225に対して行う。
電極タブ同士の接合に超音波溶接を用いるのは次の2つの理由からである。超音波溶接は、接合される部分に高周波振動を与えることによって金属の原子を拡散させ、再結晶させることによって機械的な接合を行うため、同種、異種の金属の重ね溶接に対して非常に効果的である。本実施の形態で用いている単電池は、その一方の電極タブがアルミニウム箔であり、他方の電極タブが銅箔である。また、バスバーおよび電圧検出用端子は銅製である。したがって、電極タブ同士の接合、電極タブと電圧検出用端子との接合は異種金属同士の接合になる。これがまず1つ目の理由である。次に、超音波溶接は、接合時に高い温度に達することなく、接合面の最高温度は融点の35〜50%程度に抑えることができるため、高温溶接を行ったときに生じる母材の溶融やもろい鋳造組織が形成されることはない。本実施の形態で用いている単電池は、外装がラミネート材であり電極タブをあまり高い温度に上げることができないため、単電池を高温状態にさらすことなく、非常に薄い金属で形成されている電極タブを接合するのには最適である。これが2つ目の理由である。
ここまでの作業によって導通ワッシャ212が埋め込まれているフレーム210と絶縁ワッシャが埋め込まれているフレーム220を1組とするフレームユニットが形成される。フレームユニットが積層されて行くときに、フレームユニット間で溶接した側で、溶接されていない層の電極タブ同士の電気的な絶縁を図るため、図20に示すように電極タブ215の外側の面に絶縁テープ250Aを貼り付ける。
次に、図21に示すように、ヒートシンク350にロケートピン510、520を立て、加圧ユニット530〜535を取り付け、バスバー260、264を設置して通しボルト270、275、280、285を取り付ける。そして、上記のフレームユニット550に設けられているそれぞれの孔に図に示すようにロケートピン510、520、加圧ユニット530〜535、通しボルト270、275、280、285を通し、フレームユニット550をヒートシンク350上に載せる。フレームユニット550は導通ワッシャが取り付けられているフレームを下側にして載置する。フレームに取り付けられている導通ワッシャは、バスバー260または264と直接接触し電気的に接続される。なお、バスバー260、264はヒートシンク350との間では絶縁ワッシャによって絶縁されている。
上記のようにしてフレームユニット550を3組、絶縁ワッシャが取り付けられているフレームを下側にして図22のように積層する。3組のフレームユニットが積層されると6個の単電池が積層されることになる。フレームは単電池を支持する周縁部以外が開口されているので、積層方向に積み重ねられる単電池の外装面同士は直接接触する。3組のフレームユニットの上には図に示すように中間ヒートシンク325が積み重ねられる。したがって、6個の単電池がヒートシンク350と中間ヒートシンク325に挟まれる。単電池の外装面同士は直接接触しているので、単電池の内部で発生した熱はヒートシンク350および中間ヒートシンク325に効率的に伝達されて放熱される。もちろん熱の一部はフレームから間接的にこれらのヒートシンクに伝えられる。放熱性を考慮すれば、フレームの材料は熱伝達特性の良いものを使用することが望ましい。
さらに、中間ヒートシンク325の上に(3組のフレームユニット)−(中間ヒートシンク325)−(3組のフレームユニット)−(中間ヒートシンク325)−(3組のフレームユニット)を積み重ね、最後にヒートシンク300を重ねて、ナット310A〜310F(図1参照)でヒートシンク300を仮止めし、通しボルト270、275、280、285をナットで仮止めする。
なお、本実施の形態においては、導通ワッシャの厚みを単電池の厚み以下としているため、単にフレームユニットを積層しただけでは、フレームユニット間の通電は行われず、作業者は電圧を考慮することなく作業ができる。なお、電圧を考慮することなく作業を容易に行うためには、その電圧を40V以下とすることが望ましい。また、1枚のフレームユニットが積層される度に通しボルト(図5の270)に紙製の絶縁ワッシャを挿入して各フレームユニットを確実に絶縁することが好ましい。これにより組電池としては電力端子450A、450B間には高電圧が得られる。
以上のようにして組電池100が組み立て、フレームユニット間に介在されている紙製の絶縁ワッシャを取り除き、仮止め状態のすべてのナットを締め込むと、組電池100を構成するすべての単電池は、図5に示したように電力端子450A、450B間で直列に接続される。そして、各リードを折り曲げて集線コネクターに接続する。
これにより単電池1個の電圧は3V程度であるので、組電池としては電力端子450A、450B間には300V弱の高電圧が得られる。
以上のように、本実施の形態では、各電池の電極タブから電池積層方向に沿ってリードを取り出し、ヒートシンク上に設けた集線コネクターに接続したので、一つひとつの電池から電圧検出用の端子を取り出しそこから配線する必要がなくなり、集線コネクターに充電制御回路からの配線をコネクター接続するだけで簡単に配線することが可能となる。
また、フレームに組み込まれた複数の単電池してから、フレームの貫通穴を通して出てきたリードを折り曲げて集線コネクターに接続することとしているので、複数の単電池を席そうした段階で、ここの組電池の全体の厚さが異なってもリードの長さ調整が折り曲げ位置を変えるだけで簡単に可能であり、また、リード自体の弾性力によってこの厚さの違いを吸収して確実に集線コネクターと接続することが可能である。さらに、単電池の積層数そのものを変えた場合でも容易に対応することができる。
また、この組電池は単電池間に隙間を設けることなく積層し、必要放熱量に応じた数の中間ヒートシンクを介在させ、各単電池に適切な面圧を付与しているので、小型でエネルギー密度の高い自動車搭載用電池が構成できる。さらに、隙間の存在しない堅固な構造であるので、剛性が高く耐振動性に優れている。また、その組み立てはフレームユニットを単に積み重ねてボルト締めするだけでよいので、組み立て作業性も良好である。
なお、本実施の形態では、一つの単電池の両方の電極タブにそれぞれリードを接合して、一つひとつの単電池ごとに電圧検出ができるようにしているが、これに代えて、たとえば、絶縁ワッシャと接触する側の電極タブ(すなわち超音波溶接されていない側の電極タブ)にのみにリードを設置してもよい。こうすることで超音波溶接によって直列に接続された2つの電池の電極間電圧を検出することになるが、リードの数が減るため組電池の製造工数やそれにかかる時間を短縮することが可能となる。
また、ヒートシンク上には集線コネクターを設けてこの集線コネクターにリードを接続することとしているが、集線コネクターの代わりに各電極からの電圧を検出するための検出手段などを備えた充電制御回路そのものをヒートシンク上に配設して、リードを直接この充電制御回路に接続するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、単電池の一方の電極タブを超音波溶接し、他方の電極タブを通しボルトで固定したが、両側の電極タブを通しボルトで固定するようにしても良い。両側の電極タブを通しボルトで固定する場合には、通しボルトに導通ワッシャと絶縁ワッシャとを交互に入れて隣接する電極タブ同士を導通または絶縁させる。この場合には、電圧検出用端子は導通ワッシャを通しボルトに挿入することによって設置するようにしても良い。また、両方の電極タブを超音波溶接するようにしても良い。この場合、フレームを積層しながら超音波溶接をする必要があるので、超音波溶接の冶具が狭い隙間内でも設置することができるように、単電池の電極タブの引き出し位置を単電池の積層位置によって変えると良い。たとえば、最下層に配置されるフレームユニットに載置する単電池はその電極タブが左側にオフセットされているものを配置し、その上に積層されるフレームユニットに載置する単電池はその電極タブが通常通り中央から引き出されているものを配置し、さらにその上に積層されるフレームユニットに載置する単電池はその電極タブが右側にオフセットされているものを配置する。このようにすれば、フレームユニットを積層した状態でも超音波溶接の冶具の設置スペースを確保しやすくなる。
(変形形態)
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特に、リードの構成にはさまざまな変形形態が可能である。以下、本発明を適用してリードの変形形態について説明する。なお、組電池としての形態は上述した実施の形態と同様であるので、省略する。
図23は、他のリードの構成を示す斜視図であり、図24はこのリードの断面図であって、図24Aは縦断面図、図24Bは図24AにおけるC−C線に沿う断面図である。
このリード171は、全体として棒形状をなし、その表面に、導通部172と非導通部173が設けられている。導通部172は、リード内部においても分離している。
リード171の表面に出ている導通部172は、その間隔Lが積層される単電池の電極タブ間隔とほぼ同じにしてある。表面の導通部172の数は1ないし3程度であり、図25に示すように、電圧を検出するために接触させる電極タブのうち、それぞれ近接した電極タブと接触するようになっている。これは、単電池を積層したときに積層数が多くなると、電極タブの間隔誤差ができあがった組電池ごとに異なるようになるため、積層位置が遠い電極タブ同士を一つのリード171の複数の導通部とうまく接触させことができなくなるので、このように、一つのリード171には、近接する電極タブ同士を接触させるようにしている。なお、図25においては、リード171によって一つおきに電極タブと接触するようにした状態を示している。
一方、非導通部173は絶縁手段となり、他の電極タブやヒートシンクなどとの電気的な絶縁を図っている。
このリード171の電極タブ側とは反対側の端部には、各導通部172に接続されているリード線174が引き出されている。このリード線174はヒートシンク300上に設けられている集線コネクター150に接続される。
なお、ここで棒形状のリード171の形状は、円柱形状の棒形状のみならず、他にも楕円形上や角柱形状などであってもよい。
図26は、この棒形状のリードを用いる場合の電極タブの構成を示す斜視図である。
このリード171を用いる場合、電極タブ215は、リード171表面の導通部172が接触する部分にリング状で導電性の接続部176を接合してある。この接続部176の内径は、リード171の外径よりわずかに小さく、リード171が挿入されたときに嵌合して電極タブ215とリード171の導通部172が電気的に接続される。
また、電極タブ215には、他のリード171を通すためのリード用穴177が設けられている。また、このリード171を用いる場合、ヒートシンク300および350の電極タブ215の貫通穴に対応する位置に、同様な貫通穴を設ける。なお、この貫通穴には、リード171自体に絶縁処理(非導通部)があるため、絶縁処理は必要ない。
したがって、この棒形状のリード171を用いる場合は、組電池を組み上げてから、このリード171を所定の位置に差し込めば簡単に電極タブ215と接続することができる。
このリード171においては、さらにその変形例として、電極タブ側に挿入される先端部の形状を、たとえば、図27に示すように、くびれ178もったプラグ形状としてもよい。この場合、先端のくびれ178が接触する電極タブには、より内径の小さな接続部を設けることで、リード171がいっそう確実に保持されるようになる。
さらに、このリード171においては、集線コネクター150と接続される側に弾性部180を設けるようにしてもよい。弾性部は、たとえば、図28Aに示すように、コイルバネを用いたり、図28Bに示すように、板状の部材を波型に形成して弾性力を持たせた部材181などである。
この弾性部材は、いずれも複数の互いに絶縁された導通部をもち、リード171の導通部172と接続され、前記リード線の代わりとなる。したがって、この弾性部材によって単電池を積層したときの厚さばらつきを吸収して、集線コネクターと電極タブとをこの弾性部材を介してリードにより確実に接続することができる。
また、この弾性部は、前述のリード151と組み合わせてもよい。この場合、各リード151は、各電池の電極タブに接続されたフレームの積層方向のみに延びる部材とし、フレーム積層後にリード151の先端に弾性部を接続することによって実現される。