JP2005116069A - 偏光性回折格子、光ピックアップ、光記録再生装置及び光磁気記録再生装置 - Google Patents

偏光性回折格子、光ピックアップ、光記録再生装置及び光磁気記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 バルクのPBSよりも軽量・省スペースにして回折効率を大きくできる偏光性回折格子を提供する。
【解決手段】 周期的な凸凹断面形状を有する回折格子において、例えば、凸部の媒質を媒質1、凹部の媒質を媒質2、媒質1のs偏光に対する屈折率をn1s、媒質1のp偏光に対する屈折率をn1p、媒質2の屈折率をn2としたとき、n1s>n2>n1pなる関係を満たすよう荷構成することで、バルクのPBSよりも軽量,省スペースな高効率で平面型の偏光性回折格子1を提供することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、記録媒体に対して光学的に情報を記録又は再生する光ピックアップ、当該光ピックアップで用いられる偏光性回折格子、並びに当該光ピックアップを備える情報記録装置及び情報再生装置の技術分野に関する。より詳細には、偏光性回折格子及びその偏光性回折格子を用いて、CD(コンパクト・ディスク)、DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)、Blu-Ray Disc(ブルレイ・ディスク)、MO(光磁気ディスク)などの光記録媒体や光磁気記録媒体に情報を記録再生する光ピックアップ並びに当該光ピックアップを備えた光情報記録再生装置或いは光磁気記録再生装置に関する。
データの記録再生方法の一つとして、光を用いて記録媒体に記録再生する方法がある。このような光記録方法の代表的な例としては、直径12cmの光記録媒体の片面にMPEG2による圧縮画像情報を2時間分以上録画したいという要求から、DVDシステムが商品化されている。DVD規格ではディスクの記憶容量は片面で4.7GBであり、トラック密度は0.74μm/トラック、線密度は0.267μm/ビットである。
DVDのような光記録媒体に記録された情報の再生は、光ヘッドを用いて行われる。光ヘッドにおいては、LD(レーザダイオード)から出射される光ビームが対物レンズにより光記録媒体のトラック上のピット系列に集光される。光記録媒体で反射された光ビームは、集光レンズで光検出器に集光され、再生信号が得られる。この光検出器からの再生信号は再生信号処理系に入力され、データの復号が行われる。DVD規格の場合、光ヘッド中のLDの波長は650nm、対物レンズの開口数NAは0.6である。
更にDVDを高密度化した規格として、Blu-Ray Discがある。これは、波長405nmの青紫色レーザを用いて、CDやDVDと同じ直径12cmの相変化型光記録媒体片面1層に最大27GBの映像データを、繰返して記録再生することができる次世代大容量光記録媒体ビデオレコーダー規格である。Blu-ray Discでは、短波長の青紫色レーザを用いるとともに、レーザを集光する対物レンズの開口数(NA)を0.85とすることにより、ビームスポットを微小化している。また、レンズの高開口化に対応した光透過保護層厚0.1mmの光記録媒体構造を採用することで、光記録媒体の傾きによる収差を低減し、読取りエラーの低減や記録密度の向上を図っている。これにより、光記録媒体の記録トラックピッチをDVDの約半分の0.32μmに微細化し、光記録媒体片面に最大27GBの高密度記録を実現している。
図8にDVDの光ピックアップの概略図を示す。DVDの光ピックアップは、通常、偏光光学系が用いられる。即ち、LDドライバ100により駆動される光源としてのLD101から対物レンズ102までの光路上にコリメートレンズ103とともにPBS(偏光ビームスプリッタ)104を配置し、LD101の直線偏光の偏光面と同じ偏光面の光を透過させ、その先に設置してある1/4波長板105で円偏光となり、対物レンズ102で集光させられ、メディア106の基板下の記録層に照射される。メディア106の反射面からの反射光は入射光と逆回転の円偏光となり、1/4波長板105を透過すると、LD101の偏光面と垂直方向の偏光面を持つ直線偏光となり、PBS104で反射され、集光レンズ107を介して光検出器(PD)108に導かれ、その受光信号が再生信号処理系109により処理されて復号データが得られる。1/4波長板105により完璧な円偏光になっている場合は、PBS104の透過光、即ち、LD101に対する戻り光は0となり、メディア106からの反射光はPD108によって完全に検出される。
光ディスクドライブ装置における光ピックアップとして、光情報記録媒体からの反射光を回折格子により分岐し、光検出器で受光する光学系を備えたものが種々提案されており、回折格子として偏光性の回折格子を用いたものが知られている。例えば、特許文献1の光ヘッド装置及びその製造方法によれば、光源からの光束を回折格子を通して光記録媒体に照射することにより、情報の記録・再生を行う光ヘッド装置において、回折格子として、光学異方性ポリマーにより形成された光学異方性を有する回折格子を用いることが記載されている。
一方、1台の光ディスクドライブ装置で、CD用の記録再生、DVD用の記録再生が行える、いわゆるスーパーコンボドライブが実用化されている。このCD/DVD兼用光ディスクドライブ装置に用いられる光ピックアップでは、CD用の790nm波長帯の半導体レーザ(LD)とDVD用の650nm波長帯の半導体レーザとが分離した状態で配置されている。この光ヘッド装置では、半導体レーザ(650nm波長帯及び790nm波長帯)からの出射光は、波長合成プリズムにより同一光軸上で合成され、ビームスプリッタを透過した後に、コリメートレンズで平行光とされ、対物レンズに入射する。対物レンズを透過し、光ディスクの情報記録面に集光されたビームが、その情報記録面で反射され、反射された光(以下、信号光という)は、元の往路と同じ光路を逆行していく。
即ち、この信号光は、再び、対物レンズによって平行光となり、コリメートレンズとビームスプリッタを介し、光検出器の受光面に集光する。そして、この光検出器で電気信号に変換される。
特開平9−50642号公報
記録用DVDドライブにおいては,現在、主に偏光光学系が用いられており、バルク部品を組み合わせた光学系による記録用DVDドライブが実現されている。偏光分離手段としてPBS(偏光ビームスプリッタ)が用いられているが、一般的に、PBSはサイズが大きく重く、コストも高くなるため、高効率な偏光性回折格子が望まれている。
回折格子を偏光分離手段として用いる場合,現在では復路回折効率が32%程度の偏光性回折格子が用いられている。今後、記録速度が更に高速化すると、回折効率32%の偏光性回折格子ではPD(フォトディテクタ)検出光量が不足し,高速記録ドライブを実現することが困難となる。偏光性回折格子の回折効率が現状の32%から上昇すると、PD検出光量が増加し、更なる高速記録可能なDVD記録ドライブが実現できる。
また、Blu-Ray Discなどの光源波長が400nm帯を用いる光ディスクドライブ装置に用いる光ピックアップにおいては、さらに高効率な回折格子が必要となる。レンズなどの光学材料の透過率が波長660nm帯では95%以上であったが、波長400nm帯では90%に低下する。さらに、球面収差,コマ収差等の各種収差を補正する素子が数多く入り、各光学部品を透過する際に生ずる光量低下が大きな問題となる。また、短波長化による量子効率の低下から光検出器の光電変換効率が低下し、PD検出光量が激減する問題がある。
以上のような検出光量低下を考慮すると、光源波長が400nm帯を用いる光ディスクドライブ装置に用いる光ピックアップにおいては、回折効率が60%以上必要となる。
しかし、狭ピッチ領域における回折効率は、理論的に30%前後に収束し、これより高い回折効率を得ることは難しいため、狭ピッチ回折格子を用いて光ピックアップを構成することは困難である。
本発明の目的は、バルクのPBSよりも軽量・省スペースにして回折効率を大きくすることが可能な偏光性回折格子を提供することである。
請求項1記載の発明の偏光性回折格子は、周期的な凸凹断面形状を有する回折格子において、凸部の媒質を媒質1、凹部の媒質を媒質2、媒質1のs偏光に対する屈折率をn1s、媒質1のp偏光に対する屈折率をn1p、媒質2のs偏光に対する屈折率をn2s、媒質2のp偏光に対する屈折率をn2pとしたとき、
n1s>n2s かつ n1p<n2p
又は、
n1s<n2s かつ n1p>n2p
である。
請求項2記載の発明の偏光性回折格子は、周期的な凸凹断面形状を有する回折格子において、凸部の媒質を媒質1、凹部の媒質を媒質2、媒質1の屈折率をn1、媒質2のs偏光に対する屈折率をn2s、媒質2のp偏光に対する屈折率をn2pとしたとき、
n2s<n1<n2p
又は、
n2s>n1>n2p
である。
請求項3記載の発明の偏光性回折格子は、周期的な凸凹断面形状を有する回折格子において、凸部の媒質を媒質1、凹部の媒質を媒質2、媒質1のs偏光に対する屈折率をn1s、媒質1のp偏光に対する屈折率をn1p、媒質2の屈折率をn2としたとき、
n1s<n2<n1p
又は、
n1s>n2>n1p
である。
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか一記載の偏光性回折格子において、周期的な凸凹断面形状が、面の法線方向に対して非対称である。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の偏光性回折格子において、周期的な凸凹断面形状が、非対称三角波形状,鋸歯形状或いは階段形状により面の法線方向に対して非対称である。
請求項6記載の発明は、請求項4記載の偏光性回折格子において、周期的な凸凹断面形状が、傾斜した矩形形状により面の法線方向に対して非対称である。
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6の何れか一記載の偏光性回折格子において、周期的な凸凹断面形状の凸部を複屈折媒質で形成し凹部を等方性媒質で充填した構造である。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の偏光性回折格子において、凸部の複屈折媒質に有機延伸膜を用いた。
請求項9記載の発明は、請求項7記載の偏光性回折格子において、凸部の複屈折媒質に液晶を用いた。
請求項10記載の発明は、請求項1ないし9の何れか一記載の偏光性回折格子において、s偏光に対する+n次回折光の回折方向はp偏光に対する+n次回折光の回折方向と等しく、s偏光に対する−n次回折光の回折方向はp偏光に対する−n次回折光の回折方向と等しく、s偏光入射に対する+n次回折効率をηs+,−n次回折効率をηs−,p偏光入射に対する+n次回折効率をηp+,−n次回折効率をηp−としたとき、
ηs+>ηs− かつ ηp+<ηp−
又は
ηs+<ηs− かつ ηp+>ηp−
である。
請求項11記載の発明は、光源からの光を対物レンズを介して光記録媒体に集光してデータを記録再生する光ピックアップにおいて、前記光源と前記対物レンズとの間の光路中に配設された、請求項1ないし10の何れか一記載の偏光性回折格子及び位相差板と、前記光記録媒体から反射され前記偏光性回折格子により分岐された反射光を受光する光検出器と、を備える。
請求項12記載の発明は、請求項11記載の光ピックアップにおいて、前記光源、偏光性回折格子及び光検出器が、ユニットとして一体化されている。
請求項13記載の発明の光記録再生装置は、請求項11又は12記載の光ピックアップを備える。
請求項14記載の発明は、光源からの光を対物レンズを介して光磁気記録媒体に集光してデータを記録再生する光ピックアップと、前記光ピックアップと同期して移動して情報を記録するための磁界を前記光磁気記録媒体に加える磁気ヘッドとを備える光磁気記録再生装置において、前記光ピックアップ中に、前記光源と前記対物レンズとの間の光路中に配設された、請求項1ないし10の何れか一記載の偏光性回折格子及び位相差板と、前記光磁気記録媒体から反射され前記偏光性回折格子により2方向に分岐される反射光を各々受光する光検出器と、を備える。
本発明によれば、バルクのPBSよりも軽量,省スペースな高効率で平面型の偏光性回折格子を提供することができる。
よって、本発明の偏光性回折格子を用いた光ピックアップや光記録再生装置或いは光磁気記録再生装置によれば、高い検出効率を得ることができる上に,高速記録再生可能な光ピックアップ及び記録再生装置を実現することができる。
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
図1(a)は、本実施の形態の偏光性回折格子1の原理的構成例を示す模式図である。本実施の形態の偏光性回折格子1は、基本的には周期的な凸凹断面形状を有する平面型の回折格子として構成されている。ここに、その周期的な凸凹断面形状部分として凸部(光の入射方向から見て)の媒質を媒質1、凹部の媒質を媒質2としたとき、媒質1部分はPET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネイト)等の透明な高分子フィルム上にエッチング等により鋸歯状の溝形状を施すことにより形成されている。この際、格子ピッチΛ=7μm、溝深さT=7μmとされている。出射側に位置する媒質2は接着剤などにより溝を埋めたものである。各層の屈折率は、入射側に位置する媒質1のp偏光に対する屈折率n1p=1.5、s偏光に対する屈折率n1s=1.7、接着剤(媒質2)の屈折率n2p(p偏光に対する屈折率)=n2s(s偏光に対する屈折率)=n2=1.6とされている。
このような偏光性回折格子1に対して媒質1側から波長λ=0.66μmの単色光のs偏光及びp偏光を入射させた場合の、透過側の0次回折光、±1次回折光について図1(b)(c)を参照して説明する。
図1(c)に示すように、s偏光を入射したときの0次、±1次回折効率について溝深さTをパラメータにプロットしたグラフを図2に示す。溝深さT=0のときは0次回折光が大きく、溝深さTを大きくしていくと、0次回折光にかわり+1次回折光が大きくなり、溝深さT=7μm弱で最大値の83.0%を示す。その間、−1次回折光は殆ど大きくならず、溝深さT=7μmで−1次光回折効率は1.5%である。また、0次光も小さくなり、0次回折効率は0.8%となる。
また、図1(b)に示すように、p偏光を入射したときの0次、±1次回折効率について溝深さTをパラメータにプロットしたグラフを図3に示す。p偏光の場合は、±1次回折光がほぼ逆転し、−1次回折効率が大きくなる。溝深さT=7μmのとき、−1次回折効率82.8%となり、逆に+1次回折効率は1.2%と低下する。また、そのときの0次回折効率は0.9%となり、透過光の殆どの成分が−1次光に集約される。
以上の回折効率の観測結果をまとめたグラフを図4に示す。入射光の偏光状態(s偏光又はp偏光)により、s偏光成分は+1次回折光になり、p偏光は成分は−1次回折光になる。例えば、入射光が円偏光の場合、出射光は0次回折光は殆ど発生せず、±1次回折光に分岐する。s偏光成分は+1次回折光になり、p偏光は成分はほ1次回折光になり、偏光分離素子としての機能を果たす。
このように、媒質1のs偏光に対する屈折率をn1s、媒質1のp偏光に対する屈折率をn1p、媒質2の屈折率をn2としたとき、
n1s(=1.7)>n2(=1.6)>n1p(=1.5)
なる関係を満足するように構成することによって、回折光の正負により入射光の偏光分離をすることができる偏光性回折格子を実現できる。
なお、屈折率の関係は、逆に、
n1s<n2<n1p
なる関係を満足するように構成してもよい。
つまり、図2〜図4に示す特性によれば、s偏光に対する+n次回折光(+1次回折光)の回折方向はp偏光に対する+n次回折光(+1次回折光)の回折方向と等しく、s偏光に対する−n次回折光(−1次回折光)の回折方向はp偏光に対する−n次回折光(−1次回折光)の回折方向と等しく、s偏光入射に対する+n次回折効率をηs+,−n次回折効率をηs−,p偏光入射に対する+n次回折効率をηp+,−n次回折効率をηp−としたとき、ηs+>ηs−かつηp+<ηp−、又は、逆に、ηs+<ηs−かつηp+>ηp−
を満足するように構成されている。
また、図1では、媒質2の部材が等方性の場合(n2p(p偏光に対する屈折率)=n2s(s偏光に対する屈折率)=n2)で説明したが、この媒質2についても媒質1と同様に屈折率異方性材料を用いて偏光性回折格子1を構成することもできる。その場合、媒質1のs偏光に対する屈折率をn1s、媒質1のp偏光に対する屈折率をn1p、媒質2のs偏光に対する屈折率をn2s、媒質2のp偏光に対する屈折率をn2pとしたとき、
n1s>n2sかつn1p<n2p
又は
n1s<n2sかつn1p>n2p
を満たすように各々の屈折率を設定すると、回折光の正負により入射光の偏光分離をすることができる偏光性回折格子を実現できる。
或いは、図1の場合とは逆に、媒質1側を等方性部材により構成し(n1p(p偏光に対する屈折率)=n1s(s偏光に対する屈折率)=n1(媒質1の屈折率))、媒質2側を屈折率異方性材料を用いて構成し、
n2s<n1<n2p
又は、
n2s>n1>n2p
なる関係を満たすように構成してもよい。
何れにしても、本実施の形態の偏光性回折格子1を構成する上で、周期的な凸凹断面形状部分は素子面の法線に対して非対称形状となっており、この非対称性により図4に示すように入射光の偏光方向によって±n次回折光の回折効率の比率が変わる。この非対称形状は、図1に示したような鋸歯形状、図5(a)に示すような非対称三角波形状、或いは、階段形状(図示せず)や図5(b)に示すような傾斜した矩形形状(平行四辺形状)等がある。
また、本実施の形態の偏光性回折格子1を実現するためには、少なくとも片側の媒質1又は2が複屈折部材である必要があり、有機延伸膜や複屈折性の結晶などを使うことができる。
複屈折媒質は複屈折性を示す透明性物質なら何でもよく、有機膜,有機延伸膜が使用できる。有機延伸膜の材料としては,ポリエステル系,ポリイミド系,ポリエチレン系,ポリカーボネイト系,ポリビニルアルコール系,ポリメタクリル酸メチル系,ポリスチレン系,ポリサルフォン系,ポリエーテルサルフォン系,ポリエチレンテレフタレート系などの有機材料が使える。特に、PET(ポリエチレンテレフタレート),PC(ポリカーボネイト)の延伸膜は、延伸方向とその垂直方向の屈折率差Δnが0.1と大きく、本発明には最適である。
さらに、液晶は大きい複屈折性を有しており、かつ、配向膜や電界印加により容易に任意の方向に分子を配向させることができるので、本実施の形態の偏光性回折格子1には有用な材料である。
液晶の場合の形成方法の一例について説明する。透明基板を配向処理し、その上に光硬化性液晶(媒質1)を均一に塗布し、配向方向に合わせ格子パターンを露光する。ここで、露光するときの格子パターンのラインアンドスペースの比を1:1からずらし、完成状態の回折格子の幅D/ピッチΛが所望の値となるように調整する。硬化後未硬化部を除去すると、液晶の凸凹形状ができる。凹部を等方性物質(媒質2)で充填し、等方性物質表面に透明基板を接着することにより、偏光性回折格子1を形成することができる。
また、別の方法として、以下に示すような液晶偏光性回折格子の形成方法がある。配向処理した2枚の透明基板を、配向面を内側にして配向方向を合わせ向かい合わせて設置する。2枚の基板のギャップは、ギャップを一定に保つギャップ材により一定に保たれている。そのギャップに光硬化性液晶を注入し、格子パターンを露光し、液晶硬化部と未硬化部の回折格子を形成する。ここで露光するときの格子パターンのラインアンドスペースの比を1:1からずらし、完成状態の回折格子の幅D/ピッチΛが所望の値となるように調整する。その後、外部から液晶に電界を印加し、その電界を印加した状態で全面露光する。液晶未硬化部が電界配向状態で硬化し、液晶による偏光性回折格子1を形成することができる。
もっとも、形成方法は以上の方法だけではなく、様々な方法がある。
このように形成された偏光性回折格子1は、液晶の方向とその垂直方向の屈折率差Δnが最大0.2にすることができ、本発明には最適である。
本実施の形態のように、±1次光で各々偏光が異なる成分を回折させるように調整した偏光性回折格子1を光ピックアップに用いることにより、高い検出光率を得ることができ、光速記録・再生可能な光ピックアップを実現できる。また、このような高効率で平面型の偏光性回折格子1を用いて光ピックアップを構成することにより、バルクのPBSよりも軽量、省スペースにして、高い検出効率を得ることができ、高速記録・再生可能な光ピックアップ、光記録再生装置を実現できる。特に、光源、光検出器、偏光性回折格子をユニットとして一体化して構成することにより、光ピックアップの組立を行う際に、その組み立て時間を短縮でき、光学系調整も簡単に行える。
図6はこのような偏光性回折格子1をユニット構成で備える光ピックアップないしは光記録再生装置の構成例を示す概略構成図である。即ち、半導体レーザ等の光源2と前述したような偏光性回折格子1と光検出器3とを一体にユニット化した光源・検出器ユニット4が設けられているとともに、コリメートレンズ5や位相差板としてのλ/4板6や対物レンズ7が設けられて光ピックアップ8が構成され、光記録媒体9に対して記録再生を行う光記録再生装置が構成されている。
また、光磁気記録媒体に記録された偏光成分を検出する光磁気記録再生装置においては、検出光のs偏光成分とp偏光成分を分離検出し、その差をとる検出法であるので、信号バランスや検出方法などにおいて本実施の形態の偏光性回折格子1は極めて有用である。
図7はこのような偏光性回折格子1を備える光ピックアップないしは光磁気記録再生装置の構成例を示す概略構成図である。即ち、半導体レーザ等の光源11からの出射光の光路上には、前述の偏光性回折格子1、コリメートレンズ12、位相差板としてのλ/4板13、対物レンズ14が順に設けられ、かつ、偏光性回折格子1の出射分岐側には、光磁気記録媒体15から反射され当該偏光性回折格子1により2方向に分岐される反射光を各々受光する光検出器16,17が設けられて光ピックアップ18が構成され、かつ、光ピックアップ18と同期して移動して情報を記録するための磁界を光磁気記録媒体15に加える磁気ヘッド19が設けられ、光磁気記録媒体15に対して記録再生を行う光磁気記録再生装置が構成されている。
本発明の実施の形態の偏光性回折格子の原理的構成例を示す模式図である。 s偏光を入射したときの0次、±1次回折効率について溝深さTをパラメータにプロットした特性を示すグラフである。 p偏光を入射したときの0次、±1次回折効率について溝深さTをパラメータにプロットしたグラフである。 回折効率の観測結果をまとめて示すグラフである。 周期的な凸凹断面形状部分の非対称形状例を示す模式図である。 光ピックアップ光学系を示す概略構成図である。 光磁気記録再生装置例を示す概略構成図である。 従来の光ピックアップ光学系を示す概略構成図である。
符号の説明
1 偏光性回折格子
2 光源
3 光検出器
6 位相差板
7 対物レンズ
8 光ピックアップ
9 光記録媒体
11 光源
13 位相差板
14 対物レンズ
15 光磁気記録媒体
16,17 光検出器
18 光ピックアップ
19 磁気ヘッド

Claims (14)

  1. 周期的な凸凹断面形状を有する回折格子において、
    凸部の媒質を媒質1、凹部の媒質を媒質2、媒質1のs偏光に対する屈折率をn1s、媒質1のp偏光に対する屈折率をn1p、媒質2のs偏光に対する屈折率をn2s、媒質2のp偏光に対する屈折率をn2pとしたとき、
    n1s>n2s かつ n1p<n2p
    又は、
    n1s<n2s かつ n1p>n2p
    であることを特徴とする偏光性回折格子。
  2. 周期的な凸凹断面形状を有する回折格子において、
    凸部の媒質を媒質1、凹部の媒質を媒質2、媒質1の屈折率をn1、媒質2のs偏光に対する屈折率をn2s、媒質2のp偏光に対する屈折率をn2pとしたとき、
    n2s<n1<n2p
    又は、
    n2s>n1>n2p
    であることを特徴とする偏光性回折格子。
  3. 周期的な凸凹断面形状を有する回折格子において、
    凸部の媒質を媒質1、凹部の媒質を媒質2、媒質1のs偏光に対する屈折率をn1s、媒質1のp偏光に対する屈折率をn1p、媒質2の屈折率をn2としたとき、
    n1s<n2<n1p
    又は、
    n1s>n2>n1p
    であることを特徴とする偏光性回折格子。
  4. 周期的な凸凹断面形状が、面の法線方向に対して非対称であることを特徴とする請求項1ないし3の何れか一記載の偏光性回折格子。
  5. 周期的な凸凹断面形状が、非対称三角波形状,鋸歯形状或いは階段形状により面の法線方向に対して非対称であることを特徴とする請求項4記載の偏光性回折格子。
  6. 周期的な凸凹断面形状が、傾斜した矩形形状により面の法線方向に対して非対称であることを特徴とする請求項4記載の偏光性回折格子。
  7. 周期的な凸凹断面形状の凸部を複屈折媒質で形成し凹部を等方性媒質で充填した構造であることを特徴とする請求項1ないし6の何れか一記載の偏光性回折格子。
  8. 凸部の複屈折媒質に有機延伸膜を用いたことを特徴とする請求項7記載の偏光性回折格子。
  9. 凸部の複屈折媒質に液晶を用いたことを特徴とする請求項7記載の偏光性回折格子。
  10. s偏光に対する+n次回折光の回折方向はp偏光に対する+n次回折光の回折方向と等しく、s偏光に対する−n次回折光の回折方向はp偏光に対する−n次回折光の回折方向と等しく、s偏光入射に対する+n次回折効率をηs+,−n次回折効率をηs−,p偏光入射に対する+n次回折効率をηp+,−n次回折効率をηp−としたとき、
    ηs+>ηs− かつ ηp+<ηp−
    又は
    ηs+<ηs− かつ ηp+>ηp−
    であることを特徴とする請求項1ないし9の何れか一記載の偏光性回折格子。
  11. 光源からの光を対物レンズを介して光記録媒体に集光してデータを記録再生する光ピックアップにおいて、
    前記光源と前記対物レンズとの間の光路中に配設された、請求項1ないし10の何れか一記載の偏光性回折格子及び位相差板と、
    前記光記録媒体から反射され前記偏光性回折格子により分岐された反射光を受光する光検出器と、
    を備えることを特徴とする光ピックアップ。
  12. 前記光源、偏光性回折格子及び光検出器が、ユニットとして一体化されていることを特徴とする請求項11記載の光ピックアップ。
  13. 請求項11又は12記載の光ピックアップを備えることを特徴とする光記録再生装置。
  14. 光源からの光を対物レンズを介して光磁気記録媒体に集光してデータを記録再生する光ピックアップと、前記光ピックアップと同期して移動して情報を記録するための磁界を前記光磁気記録媒体に加える磁気ヘッドとを備える光磁気記録再生装置において、
    前記光ピックアップ中に、
    前記光源と前記対物レンズとの間の光路中に配設された、請求項1ないし10の何れか一記載の偏光性回折格子及び位相差板と、
    前記光磁気記録媒体から反射され前記偏光性回折格子により2方向に分岐される反射光を各々受光する光検出器と、
    を備えることを特徴とする光磁気記録再生装置。
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