JP2005115977A - 光ピックアップおよび光ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 対物レンズと情報記録媒体とのチルトに起因する波面収差の補正に加えて、光源部から発光された光の波面収差を補正する。
【解決手段】 相対的に移動する情報記録媒体に光源部から発光された光を集光する対物レンズを変位させることで前記対物レンズと情報記録媒体とのチルト補正が可能な光ピックアップで、光源部から発光された光の光路を横切るように配列された屈折率が異なる複数の領域によって形成される所定の補正パターンに応じて、光源部から発光された光の波面収差を補正することで、対物レンズと情報記録媒体とのチルトに起因する波面収差の補正に加えて、光源部から発光された光の波面収差を補正パターンに応じて補正するようにした。
【選択図】 図6
【解決手段】 相対的に移動する情報記録媒体に光源部から発光された光を集光する対物レンズを変位させることで前記対物レンズと情報記録媒体とのチルト補正が可能な光ピックアップで、光源部から発光された光の光路を横切るように配列された屈折率が異なる複数の領域によって形成される所定の補正パターンに応じて、光源部から発光された光の波面収差を補正することで、対物レンズと情報記録媒体とのチルトに起因する波面収差の補正に加えて、光源部から発光された光の波面収差を補正パターンに応じて補正するようにした。
【選択図】 図6
Description
本発明は、光ピックアップおよび光ディスク装置に関する。
光ディスク装置では、光ディスクのスパイラル状又は同心円状のトラックが形成された記録面にレーザ光を照射することにより情報の記録を行い、記録面からの反射光に基づいて情報の記録・再生・消去の動作を行っている。
ここで、図17は、従来の光ディスク装置における光ピックアップを例示する概略図である。図17に示すように、光ディスク装置における光ピックアップ100は、光ディスク101に照射する光を発光する光源102と、光源102から発光した光束の焦点を光ディスク101に集光する対物レンズ103とを有している。また、光ディスク装置は光源102から発光した光束の焦点を光ディスク101に集光するために、対物レンズ103をフォーカシング方向およびトラッキング方向に移動させることでフォーカシング制御およびトラッキング制御を行なう制御フォーカス・トラック制御部104を有している。
ところで、近年、光ディスク101の種類としては、CD(Compact Disc)の他に、記録容量がCDよりも飛躍的に大きなDVD(Digital Versatile Disc)や、さらにBLUE用ディスクの規格が提唱されている。
CDに対して記録及び再生を行なうには、785nmの波長の光を発光する光源が用いられ、DVDに対して記録および再生を行なうには660nmの波長の光を発光する光源が用いられ、BLUE用ディスクに対して記録および再生を行なうには405nmの波長の光を発光する光源が用いられる。
ここで、光源から発光する光の波長が短くなると、図18に示すように、光ディスク101と対物レンズ103との間で発生するチルトによる波面収差の劣化が急増する。一般的に、光ピックアップ100における波面収差の劣化に関する許容値は、通常波長に限らず0.07λまでとされている。なお、この許容値0.07λは、光ディスク101と対物レンズ103との間で発生するチルトによる波面収差劣化のみではなく、フォーカスずれによる波面収差劣化等にも配分した上での許容値とされている。
光ディスク101と対物レンズ103との間で発生するチルトは、通常、±0.5°程度まで許容される。一般的に、光ディスク101としてDVDやBLUE用のディスク(NA0.65)を用いる場合、これらの光ディスク用の光ピックアップでは、チルト補正をすることによって波面収差を抑えることが必要となる。
チルト補正をする技術として従来では、例えば、対物レンズ駆動装置にチルト補正機構を設け、光ディスクのチルトに応じて対物レンズをチルトさせることで波面収差の劣化を抑えるようにした技術がある(例えば、特許文献1参照)。
また、例えば、光源と対物レンズとの間に液晶光学素子を設け、この液晶光学素子によって光ディスクのチルトによる波面収差劣化を補正するようにした技術がある(例えば、特許文献2参照)。
また、光ディスクがチルトした場合には、そのチルトに応じて光ピックアップ自体をチルトさせることで、光ディスクと光ピックアップとの間の相対的なチルトを0にするようにした技術がある(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、例えば、特許文献1に記載された技術では、光ディスクのチルトによって発生する波面収差(コマ収差)を対物レンズのチルトで補正した場合、図19に示すように、残留収差が残る。ここで、図19は、BLUEの光ディスク101が対物レンズ103に対してチルトした場合に対物レンズ103を変位させることによってチルトを補正した前後における波面収差を示すグラフである。図19から判るように、対物レンズ103を変位させることでチルト補正することにより波面収差を改善することはできるが残留収差が残ってしまう。しかしながら、上述したように、光ピックアップ100における波面収差の劣化に関する許容値はチルトによる波面収差劣化のみではなく、フォーカスずれによる波面収差劣化等にも配分した上での許容値とされているため、対物レンズ103の変位によってチルト補正をすることで残った残留収差を波面収差のその他制御誤差に対して上乗せすると、光ピックアップにおける波面収差配分量が狭くなってしまう。
また、一般的に液晶光学素子は透過率が悪いため、例えば、特許文献2に記載された技術をDVDやBLUE用のディスクに対して適用した場合、照明効率が低下してしまい、高速記録に対応ができない。
また、特許文献3に記載された技術では、光ピックアップのチルトによる最外部の稼動範囲が大きくなり、光ディスク装置が大型化してしまう。
本発明の目的は、対物レンズと情報記録媒体とのチルトに起因する波面収差の補正に加えて、光源部から発光された光の波面収差を補正することである。
請求項1記載の発明の光ピックアップは、光を発光する光源部と、相対的に移動する情報記録媒体に前記光源部から発光された光を集光する対物レンズを有する集光光学系と、前記対物レンズを変位させることで前記対物レンズと前記情報記録媒体とのチルトを補正する対物レンズ駆動装置と、前記集光光学系における光路を横切るように配列された屈折率が異なる複数の領域によって形成される所定の補正パターンに応じて前記光源部から発光された光の波面収差を補正する波面収差補正手段と、を具備する。
したがって、対物レンズと情報記録媒体とのチルトに起因する波面収差の補正に加えて、光源部から発光された光の波面収差を補正パターンに応じて補正することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光ピックアップにおいて、前記波面収差補正手段は、前記対物レンズによる集光位置と前記情報記録媒体との相対的な移動方向に直交する方向沿って分割された前記補正パターンに応じて波面収差を調整する。
したがって、対物レンズと情報記録媒体とのチルトに起因する波面収差の補正に加えて、対物レンズによる集光位置と情報記録媒体との相対的な移動方向(ラジアル方向)に沿って発生する波面収差を補正することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の光ピックアップにおいて、前記波面収差補正手段は、前記対物レンズによる集光位置と前記情報記録媒体との相対的な移動方向に沿って分割された前記補正パターンに応じて波面収差を調整する。
したがって、対物レンズと情報記録媒体とのチルトに起因する波面収差の補正に加えて、対物レンズによる集光位置と情報記録媒体との相対的な移動方向に直交する方向(タンジェンシャル方向)に沿って発生する波面収差を補正することができる。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の光ピックアップにおいて、前記波面収差補正手段は、前記対物レンズによる集光位置と前記情報記録媒体との相対的な移動方向と、前記相対的な移動方向に直交する方向とに沿ってそれぞれ分割された前記補正パターンに応じて波面収差を調整する。
したがって、対物レンズと情報記録媒体とのチルトに起因する波面収差の補正に加えて、対物レンズによる集光位置と情報記録媒体との相対的な移動方向(ラジアル方向)と対物レンズによる集光位置と情報記録媒体との相対的な移動方向に直交する方向(タンジェンシャル方向)との2方向に沿って発生する波面収差を補正することができる。
請求項5記載の発明は、請求項2記載の光ピックアップにおいて、光学的に透明な一対の基板とこの基板間に設けられた液晶層と前記基板に設けられて前記補正パターンを形成するように設けられた複数の電極とを有する液晶光学素子と、前記相対的な移動方向に沿って変動するチルト量を検出するチルト量検出手段と、を具備し、前記波面収差補正手段は、検出したチルト量に応じて前記液晶層における屈折率が前記補正パターンに応じて異なるように前記各電極に印加する電圧を調整することにより前記光源部から発光された光の波面収差を補正する。
したがって、液晶光学素子における各電極に印加する電圧を調整することで、ラジアル方向に沿って発生する波面収差を実用上容易に補正することができる。
請求項6記載の発明は、請求項3記載の光ピックアップにおいて、光学的に透明な一対の基板とこの基板間に設けられた液晶層と前記基板に設けられて前記補正パターンを形成するように設けられた複数の電極とを有する液晶光学素子と、前記相対的な移動方向に直交する方向沿って変動するチルト量を検出するチルト量検出手段と、を具備し、前記波面収差補正手段は、検出したチルト量に応じて前記液晶層における屈折率が前記補正パターンに応じて異なるように前記各電極に印加する電圧を調整することにより前記光源部から発光された光の波面収差を補正する。
したがって、液晶光学素子における各電極に印加する電圧を調整することで、タンジェンシャル方向に沿って発生する波面収差を実用上容易に補正することができる。
請求項7記載の発明は、請求項4記載の光ピックアップにおいて、光学的に透明な一対の基板とこの基板間に設けられた液晶層と前記基板に設けられて前記補正パターンを形成するように設けられた複数の電極とを有する液晶光学素子と、前記相対的な移動方向に沿って変動する第一のチルト量を検出する第一のチルト量検出手段と、前記相対的な移動方向に直交する方向沿って変動する第二のチルト量を検出する第二のチルト量検出手段と、を具備し、前記波面収差補正手段は、前記第一および第二のチルト量に応じて前記液晶層における屈折率が前記補正パターンに応じて異なるように前記各電極に印加する電圧を調整することにより前記光源部から発光された光の波面収差を補正する。
したがって、液晶光学素子における各電極に印加する電圧を調整することで、ラジアル方向およびタンジェンシャル方向に沿って発生する波面収差を、それぞれ、実用上容易に補正することができる。
請求項8記載の発明は、請求項1記載の光ピックアップにおいて、光学的に透明な一対の基板とこの基板間に設けられた液晶層と前記基板に設けられて前記補正パターンを形成するように設けられた複数の電極とを有する液晶光学素子を具備し、前記波面収差補正手段は、前記液晶層における屈折率が前記補正パターンに応じて異なるように前記各電極に印加する電圧を調整することにより前記光源部から発光された光の波面収差を補正する。
したがって、対物レンズと情報記録媒体とのチルトに起因する波面収差の補正に加えて、光源部から発光された光の波面収差を補正パターンに応じて実用上容易に補正することができる。
請求項9記載の発明は、請求項2、3、5、6または8記載の光ピックアップにおいて、前記補正パターンは、少なくとも3つの前記領域を有する。
したがって、請求項2、3、5、6または8記載の発明の作用をより確実に得ることが可能になる。
請求項10記載の発明は、請求項4、7または8記載の光ピックアップにおいて、前記補正パターンは、少なくとも4つの前記領域を有する。
したがって、請求項4、7または8記載の発明の作用をより確実に得ることが可能になる。
請求項11記載の発明は、請求項5、6、7または8記載の光ピックアップにおいて、前記光源部は、各々波長の異なる光を発光する複数の光源を具備し、前記集光光学系は、単一の前記対物レンズと、前記各光源から発光される光を前記対物レンズにおいて合成する光路合成素子とを具備し、前記液晶光学素子は、最も短波長の光を発光する前記光源と前記光路合成素子との間に設けられている。
したがって、波長の異なる複数の光源を有する光ピックアップにおいても格別な大型化を伴うことなく、対物レンズと情報記録媒体とのチルトによる波面収差の劣化がより顕著となる短波長の光の波面収差を補正することができる。
請求項12記載の発明は、請求項5、6、7または8記載の光ピックアップにおいて、前記光源部は、各々波長の異なる光を発光する複数の光源を具備し、前記集光光学系は、単一の前記対物レンズと、前記各光源から発光される光を前記対物レンズにおいて合成する光路合成素子とを具備し、前記液晶光学素子は、前記対物レンズと前記光路合成素子との間に設けられている。
したがって、波長の異なる複数の光源を有する光ピックアップにおいても格別な大型化を伴うことなく、対物レンズと情報記録媒体とのチルトによる波面収差の劣化を全ての波長の光に対して補正することができる。
請求項13記載の発明は、請求項5、6、7、8、11または12記載の光ピックアップにおいて、前記液晶光学素子に設けられて球面収差に応じた球面収差補正用パターンを形成するように設けられた球面収差補正用電極と、前記球面収差補正用パターンに応じて異なるように前記球面収差補正用電極に印加する電圧を調整することにより前記光源部から発光された光の球面収差を補正する球面収差補正手段と、を具備する。
したがって、光ピックアップの大型化を伴うことなく、情報記録媒体に集光される光の球面収差を補正することができる。
請求項14記載の発明の光ディスク装置は、請求項1ないし14のいずれか一に記載の光ピックアップと、前記光ピックアップが具備する対物レンズによって光が集光される情報記録媒体と前記光ピックアップとを相対的に移動させる移動機構と、前記情報記録媒体からの反射光を受光する受光素子を備える受光光学系と、を具備する。
したがって、請求項1ないし14のいずれか一に記載の発明の作用を奏する光ディスク装置を得ることが可能になる。
請求項1記載の発明の光ピックアップによれば、対物レンズと情報記録媒体とのチルトに起因する波面収差の補正に加えて、光源部から発光された光の波面収差を補正パターンに応じて補正することができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の光ピックアップにおいて、対物レンズと情報記録媒体とのチルトに起因する波面収差の補正に加えて、対物レンズによる集光位置と情報記録媒体との相対的な移動方向(ラジアル方向)に沿って発生する波面収差を補正することができる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の光ピックアップにおいて、対物レンズと情報記録媒体とのチルトに起因する波面収差の補正に加えて、対物レンズによる集光位置と情報記録媒体との相対的な移動方向に直交する方向(タンジェンシャル方向)に沿って発生する波面収差を補正することができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の光ピックアップにおいて、対物レンズと情報記録媒体とのチルトに起因する波面収差の補正に加えて、対物レンズによる集光位置と情報記録媒体との相対的な移動方向(ラジアル方向)と対物レンズによる集光位置と情報記録媒体との相対的な移動方向に直交する方向(タンジェンシャル方向)との2方向に沿って発生する波面収差を補正することができる。
請求項5記載の発明によれば、請求項2記載の光ピックアップにおいて、液晶光学素子における各電極に印加する電圧を調整することで、ラジアル方向に沿って発生する波面収差を実用上容易に補正することができる。
請求項6記載の発明によれば、請求項3記載の光ピックアップにおいて、液晶光学素子における各電極に印加する電圧を調整することで、タンジェンシャル方向に沿って発生する波面収差を実用上容易に補正することができる。
請求項7記載の発明によれば、請求項4記載の光ピックアップにおいて、液晶光学素子における各電極に印加する電圧を調整することで、ラジアル方向およびタンジェンシャル方向に沿って発生する波面収差を、それぞれ、実用上容易に補正することができる。
請求項8記載の発明によれば、請求項1記載の光ピックアップにおいて、対物レンズと情報記録媒体とのチルトに起因する波面収差の補正に加えて、光源部から発光された光の波面収差を補正パターンに応じて実用上容易に補正することができる。
請求項9記載の発明によれば、請求項2、3、5、6または8記載の光ピックアップにおいて、請求項2、3、5、6または8記載の発明の効果をより確実に得ることができる。
請求項10記載の発明によれば、請求項4、7または8記載の光ピックアップにおいて、請求項4、7または8記載の発明の効果をより確実に得ることができる。
請求項11記載の発明によれば、請求項5、6、7または8記載の光ピックアップにおいて、波長の異なる複数の光源を有する光ピックアップにおいても格別な大型化を伴うことなく、対物レンズと情報記録媒体とのチルトによる波面収差の劣化がより顕著となる短波長の光の波面収差を補正することができる。
請求項12記載の発明によれば、請求項5、6、7または8記載の光ピックアップにおいて、波長の異なる複数の光源を有する光ピックアップにおいても格別な大型化を伴うことなく、対物レンズと情報記録媒体とのチルトによる波面収差の劣化を全ての波長の光に対して補正することができる。
請求項13記載の発明によれば、請求項5、6、7、8、11または12記載の光ピックアップにおいて、光ピックアップの大型化を伴うことなく、情報記録媒体に集光される光の球面収差を補正することができる。
請求項14記載の発明の光ディスク装置によれば、請求項1ないし14のいずれか一に記載の発明の効果を奏する光ディスク装置を得ることができる。
本発明を実施するための第一の実施形態について図1ないし図8を参照して説明する。本実施の形態は、光ディスク装置への適用例を示す。
図1は、本発明を実施するための第一の実施形態の光ディスク装置における光ピックアップを示す概略図である。図1に示すように、本実施の形態の光ディスク装置における光ピックアップ1は、情報記録媒体としての光ディスク2に対する情報の記録や再生に際して、該光ディスク2に対して照射する光を出射する光源3を備えている。本実施の形態では、光源3によって光源部が実現されている。
光ディスク装置は、光ディスク2を回転させる図示しない移動機構としてのスピンドルモータ(図7参照)を備えている。公知の技術であるため説明を省略するが、スピンドルモータは、光ディスク2に対する情報の記録や再生に際して、光ディスク2の中心を回転中心として、光ディスク2を回転駆動する。
光ピックアップ1は、光源3から出射されるレーザ光束を混合するビームスプリッタ4、ビームスプリッタ4を経由した光束を光ディスク2に集光させる対物レンズ5等を備えている。対物レンズ5により集光された光は、光ディスク2の記録層で反射される。
光ピックアップ1は、対物レンズ5を移動することで、光ディスク2に対してフォーカシング方向およびトラッキング方向に移動自在とするとともに、光ディスク2に対する対物レンズ5のチルトを補正する対物レンズ駆動装置6を備えている。光ディスク2に対する情報の記録や再生に際しては、対物レンズ駆動装置6によって対物レンズ5をフォーカシング方向およびトラッキング方向に駆動することで、光ディスク2に集光させる光の焦点を調整する。ここに、集光光学系が実現されている。
光ディスク2で反射された光束は、光ディスク2側から再度対物レンズ5を通過して、ビームスプリッタ4に再入射される。ここで、光ディスク2で反射された光の位相は、反射前の光の位相に対してずれているため、ビームスプリッタ4は、光源3側から入射される光と対物レンズ側から入射される光とを分離させるとともに、対物レンズ5側から入射される光の進行方向を屈曲させる機能を有している。
光ディスク装置1は、ビームスプリッタ4により光路分離された反射光が入射される図示しない受光素子を備える光検出器7を備えている。光検出器7に入射された反射光は、反射信号として検出される。ここに、受光光学系が実現されている。
本実施の形態の光ピックアップ1は、光源3とビームスプリッタ4との間の光路上に設けられた液晶光学素子8を備えている。液晶光学素子8は、例えば、屈折率異方性を持つ液晶分子が所定の向きに配向されたガラス基板対を備える液晶パネル(いずれも図示せず)によって実現することができる。なお、公知の技術であるため液晶パネルの図示および説明は省略するが、液晶パネルにおける一方のガラス基板には、図2に示すように、ガラス基板を3つに分割する複数の領域8a,8b,8cの配列によって形成される補正パターンに応じてパターニングされた電極が設けられている。補正パターンに応じた各領域8a,8b,8cは、ガラス基板表面を光ディスク2に対してラジアル方向に沿って分割するように設けられている。ここで、ラジアル方向とは、スピンドルモータによる光ディスク2の回転駆動によって、対物レンズ5による光ディスク2に対する集光位置と光ディスク2との相対的な移動方向を意味する。
液晶パネルにおける他方の図示しないガラス基板には、一方のガラス基板の電極に対向する別の透明な電極が形成されている。
これらのガラス基板間における液晶分子は、各ガラス基板に形成された電極間に印加された電圧に応じて発生する電界にしたがって配向状態が偏倚する。
液晶光学素子8には、液晶光学素子8が備える各電極に対して、領域8a,8b,8c毎に可変調整した電圧を印加する液晶駆動回路9(図3参照)が接続されている。
ここで、図3は、光ディスク2と光ピックアップ1における対物レンズ5との間のチルト補正に関わる各部について説明するブロック図である。光ディスク装置は、光ディスク2と光ピックアップ1における対物レンズ5とのチルト量を検出するチルト量検出手段としてのチルト検出素子10を備えている。なお、このチルト検出素子10は、例えば、上述の光検出器7によって実現するようにしてもよい。
チルト検出素子10によって検出した光ディスク2と光ピックアップ1における対物レンズ5とのチルトに関するデータは、チルト検出素子10に接続された対物レンズチルト駆動回路11に入力される。
対物レンズチルト駆動回路11は、光ディスク2と光ピックアップ1における対物レンズ5とのチルトに関するデータに基づき対物レンズチルト駆動装置6を駆動制御するとともに、光ディスク2と光ピックアップ1における対物レンズ5とのチルトに関するデータに基づく制御信号を液晶駆動回路9に出力する。
液晶駆動回路9は、対物レンズチルト駆動回路11より入力された制御信号に基づいて液晶光学素子8における各領域8a,8b,8cにおける透過率を調整するよう、各電極に印加する電圧を調整する。
なお、本実施の形態では、図3に示すような構成としたが、これに限るものではなく、例えば、図4に示すように、チルト検出素子10の出力を直接液晶駆動回路9に入力するようにしてもよい。
加えて、特に図示しないが、光ディスク装置は、光源3のON/OFF等、光ディスク装置が備える各部を駆動制御する制御部を備えている。
このような光ディスク装置における記録に際しては、光源3から出射した光を対物レンズ5によって集光した状態で光ディスク2に照射する。これにより、光ディスク2の記録層においてレーザ光が照射された部分の組成が変化し記録マークが形成される。
また、このような光ディスク2に記録された情報の再生に際しては、光源3から発光した光を対物レンズ5によって集光した状態で光ディスク2に照射し、光ディスク2の記録層からの反射光を光検出器7で検出する。
光検出器7は、受光した反射光の強度に応じた反射信号を図示しない制御部に出力する。制御部は、この反射信号に応じて再生信号を生成する。なお、制御部における再生信号の生成については公知の技術であるため説明を省略する。
ところで、光ディスク2に記録された情報の記録や再生に際しては、記録または再生対象とする光ディスク2にレーザ光束を集光させることにより情報を記録または再生するが、光ディスク2が対物レンズ5に対してチルトしている場合、光源3から発光する光の波長が短くなる程、光ディスク2と光ピックアップ1における対物レンズ5との間で発生するチルトによる波面収差の劣化が急増する(図5における「補正前」参照)。図5における「補正前」に示すように、光ディスク2と光ピックアップ1における対物レンズ5との間のチルトは、一般的に、光ディスク2に対してラジアル方向に沿って発生する。
これに対し、本発明の光ディスク装置における光ピックアップ1は、対物レンズチルト制御回路11によって対物レンズ5を変位させることにより、対物レンズ5と光ディスク2とのチルトを調整することができる。なお、対物レンズチルト制御回路11による対物レンズ2の変位駆動については公知の技術であるため説明を省略する。これによって、図5における「補正後」に示すように、対物レンズ5と光ディスク2とのチルトに起因する光学的位相差を補正し、光ディスク2と光ピックアップ1における対物レンズ5との間で発生するチルトによる波面収差の劣化を改善することができる。
しかしながら、図5における「補正後」の残留収差からも判るように、光ディスク2と光ピックアップ1における対物レンズ5との間で発生するチルトを補正しただけでは、波面収差の劣化を十分に補正することはできない。
一般的に、光ピックアップの波面収差の劣化に関する許容値は、チルトによる波面収差劣化のみではなく、フォーカスずれによる波面収差劣化等にも配分した上での許容値である。そして、光ピックアップの波面収差の劣化に関する許容値は、通常、波長に限らず0.07λまでとされている。このため、光ディスクと光ピックアップとの間のチルトの許容範囲は、通常、±0.5°程度までに収める必要がある。
本実施の形態の光ディスク装置では、液晶光学素子8によって、光ディスク2と光ピックアップ1における対物レンズとの間のチルトの補正後の残留収差を低減することができる。
すなわち、本実施の形態の光ピックアップ1では、光ディスク2と光ピックアップ1における対物レンズ5との間のチルトの増加に伴って残留収差が増加した場合に、この残留収差に応じて、液晶光学素子8において3パターンに分割されている各領域8a,8b,8cに対応する電極に印加する電圧値を調整する。ここに、波面収差補正手段が実現される。ここで、図6は、光ディスク2と光ピックアップ1における対物レンズ5との間のチルトを補正する前の残留収差と、光ディスク2、対物レンズ5および液晶光学素子8の位置関係とを示す説明図である。一般的に、光ディスク2と光ピックアップ1における対物レンズ5との間のチルトは光ディスク2に対してラジアル方向に沿ってその大小が変化するように発生するため、光ディスク2と光ピックアップ1における対物レンズ5との間のチルトの補正後の残留収差においてもその大小は、図6中「残留収差補正前」に示すように、光ディスク2に対してラジアル方向に沿った方向において顕著に変化するように発生する。
本実施の形態では、図6中「残留収差補正前」に示すような残留収差が発生している場合に、液晶光学素子8の3つの領域8a,8b,8cのうち中央の領域8bの屈折率が外側の領域8a,8cの屈折率よりも小さくなるように各電極パターンに印加する電圧値を調整する。これにより、図6中「残留収差補正後」に示すように、中央の領域8bを透過する光の波面が外側の領域8a,8cよりも進むため、結果的に波面が揃い、残留波面収差を小さくすることができる。
なお、本実施の形態では、液晶光学素子8の分割領域を3分割として説明したが、これに限るものではなく、例えば、5分割、7分割と増やしてもよい。液晶光学素子8の分割領域数を増やすことにより、より正確に波面を補正することができる。
また、本実施の形態では、液晶光学素子8の分割領域を3分割として説明したが、これに限るものではなく、各領域間の境界を連続的とし、屈折率分布を連続的に変えるようにしてもよい。これによって、残留波面収差をより低減することができる。
さらに、各領域8a,8b,8cにおける屈折率は、予め中央とその外側とを小さくしておき、光ディスク2と対物レンズ5とがチルトした場合には、外側の領域の屈折率を大きくするように制御してもよい。これによっても、上述と同様の効果を得ることができる。
ここで、図8は、波長405nm、NA0.65、液晶光学素子における領域を3分割とした場合の残留収差を補正した際の波面収差特性を示すグラフである。図8に示すように、液晶光学素子によって残留収差を補正することで、光ディスクと光ピックアップとの間のチルト補正後の波面収差を補正前と比較して少なくとも1/2に低減することができることが判る。
本実施の形態によれば、チルト検出素子10で検出される残留収差に応じて液晶光学素子8における各領域8a,8b,8cの透過率を適宜調整することで、残留収差をリアルタイムに低減することが可能となる。
なお、本実施の形態では、液晶光学素子8における電極のパターンを調整し、各電極に印加する電圧を調整することによって液晶光学素子8における透過率を領域8a,8b,8cに応じて調整するようにしたが、これに限るものではなく、例えば、同じ電圧が印加された状態での透過率が異なる複数の液晶材料を電極パターンと同様のパターンで設け、液晶材料自体が有する透過率の違いによって液晶光学素子における各分割パターンの透過率を調整するようにしてもよい。
次に、本発明を実施するための第二の実施形態について図9および図10を参照して説明する。本実施の形態は、光ディスク装置への適用例を示す。なお、第一の実施の形態と同一部分は同一符号で示し、説明も省略する。以下、同様とする。
上述した第一の実施の形態においては、対物レンズ5と光ディスク2との間において光ディスク2の半径方向に沿って変動するチルト(以降、ラジアルチルト)のみが発生する場合について説明したが、対物レンズ5と光ディスク5との間で発生するチルトは、ラジアルチルトだけではなく、ラジアル方向に直交する方向であるタンジェンシャル方向においても発生する(以降、この方向に発生するチルトをタンジェンシャルチルトとする)。例えば、光ディスク装置においては、スピンドルモータ上に光ディスク2を乗せるが、このとき、光ピックアップ1における対物レンズ5とスピンドルモータとの間においては、ラジアル方向に沿った相対チルト誤差が発生することがある。本実施の形態では、このチルトをタンジェンシャルチルトとする。
なお、一般的に、光ディスク2は、ラジアル方向(光ディスク2の半径方向)に沿って大きくチルトする。このため、ラジアル方向のチルト量(ラジアルチルト量)とタンジェンシャル方向のチルト量(タンジェンシャルチルト量)とで比較した場合、その大小は、(ラジアルチルト量)>(タンジェンシャルチルト量)となる。
ここで、図9は、本発明を実施するための第二の実施形態の光ディスク装置の一部を概略的に示すブロック図である。本実施の形態の光ディスク装置は、上述したチルト検出素子10に代えて、第一のチルト量検出手段および第二のチルト量検出手段として機能するラジアル・タンジェンシャルチルト検出素子20を備えている。ラジアル・タンジェンシャルチルト検出素子20は、光ディスク2と対物レンズ5とのラジアル方向のチルトとタンジェンシャル方向のチルトとを検出することが可能である。
本実施の形態の光ディスク装置では、ラジアル・タンジェンシャルチルト検出素子20によって検出した光ディスク2と光ピックアップ1における対物レンス5との間のチルトに関するデータのうち、上述した実施の形態と同様のラジアル方向のチルトに関するデータ(ラジアル制御信号)を、対物レンズチルト駆動回路11および液晶駆動回路9に出力するとともに、液晶駆動回路9に対してタンジェンシャル方向のチルトに関するデータ(タンジェンシャル制御信号)制御信号を出力する。
ここで、図10は、液晶光学素子8における電極のパターンを示す平面図である。図10に示すように、本実施の形態の液晶光学素子8は、領域A,B,Cに分割された補正パターンに応じて設けられた電極を備えている。領域A,Bは、領域C中で、タンジェンシャル方向に沿って配列されている。液晶光学素子8では、各電極に印加する電圧値を調整することにより、領域Cと領域Aとの間、領域Cと領域Bとの間に屈折率差を設けることが可能な構成となっている。
なお、本実施の形態では、電極のパターンを調整することにより領域Cと領域Aとの間、領域Cと領域Bとの間に屈折率差を設けるような液晶光学素子について説明したが、これに限るものではなく、例えば、同じ電圧が印加された状態での透過率が異なる複数の液晶材料を電極パターンと同様のパターンで設け、液晶材料自体が有する透過率の違いによって液晶光学素子における、領域Cと領域Aとの間、領域Cと領域Bとの間に屈折率差を設けるようにしてもよい。
液晶駆動回路9は、領域Cと領域Aとの屈折率差C−A、および領域Cと領域Bとの屈折率差C−Bが、それぞれΔn、−Δnとなるように、各電極に印加する電圧を調整する。
このような光ディスク装置において情報の記録や再生に際しては、上述した実施の形態と同様に、ラジアル・タンジェンシャルチルト検出素子20から出力されるラジアル制御信号に応じた制御信号を対物レンズチルト駆動回路11から対物レンズチルト駆動装置6に対して出力し、対物レンズチルト駆動装置6によって対物レンズ5を変位させることにより、光ディスク2と対物レンズ5との間のチルトを補正する。
これにより、タンジェンシャルチルトによって発生する波面収差の劣化を低減することができる。
次に、本発明を実施するための第三の実施の形態について図11を参照して説明する。本実施の形態は、光ディスク装置への適用例を示す。
図11は、本発明を実施するための第三の実施の光ディスクが備える液晶光学素子における電極のパターンを示す平面図である。図11に示すように、本実施の形態の液晶光学素子8における補正パターンは、領域A,B,C,Dに分割されている。領域A,B,Cは、領域D中でタンジェンシャル方向に沿って配列されている。
液晶駆動回路9は、ラジアル・タンジェンシャルチルト検出素子20から出力されるラジアル制御信号に応じて、領域A,B,Cの屈折率が領域Dの屈折率より小さくなるように調整した電圧を各電極パターンに印加する。
また、液晶駆動回路9は、ラジアル・タンジェンシャルチルト検出素子20から検出されたタンジェンシャル制御信号を応じて、領域A,B,Cに対応する各電極に対して、図12に示すように調整した電圧を印加する。なお、図12中グラフx,y,zは、それぞれ、領域A(またはB)に対応する電極パターンに印加する電圧、領域Cに対応する電極パターンに印加する電圧、領域B(またはA)に対応する電極パターンに印加する電圧である。各グラフx,y,z間の間隔は、ラジアル・タンジェンシャルチルト検出素子20によって検出されるチルト量に応じて適宜設定される。
このような構成において、例えば、対物レンズ5の変位によるラジアルチルト補正によって残留収差が発生した場合には、領域A,B,Cにおける各屈折率nA,nB,nCが、領域Dにおける屈折率nDよりも小さくなるように各領域に対応する電極印加する電圧値を調整する。
本実施の形態では、加えて、タンジェンシャルチルト補正を行うために、タンジェンシャルチルト量に応じて、液晶パターンA,B,Cにおける各屈折率nA,nB,nCの関係が、nA−nC=nC−nBとなるようにnA、nBを制御する。
このように、本実施の形態によれば、液晶光学素子8における補正パターンを4分割にすることで、単一の液晶光学素子8によって、対物レンズ5によるラジアルチルト補正の残留収差を低減するとともに、タンジェンシャルチルトを補正することが可能となる。
次に、本発明を実施するための第四の実施の形態について図13を参照して説明する。本実施の形態は、単一の光ピックアップを用いて、例えば、BLUEやDVD等、異なる複数(本実施の形態では2つ)の情報記録媒体に対する情報の記録や再生を行なう光ディスク装置への適用例を示す。
図13は、本発明を実施するための第四の実施の形態の光ディスク装置における光ピックアップを示すブロック図である。本実施の形態の光ディスク装置における光ピックアップ30は、DVD対応波長の光を発光する図示しないDVD用光源と、BLUE対応波長の光を発光するBLUE用光源31とを備えている。
DVD用光源から出射されるレーザ光束は、光路合成手段32によってBLUE用光源31から発光された光束と合成され、対物レンズ5によって光ディスク2に集光される。そして、光ディスク2の記録層で反射された後、光路合成素子としての光路合成手段32によって反射されてDVD用受光素子33へ入射する。本実施の形態では、DVD用光源からDVD用受光素子33に至る光が経由する光学系をDVD光学系とする。
BLUE用光源31から出射されるレーザ光束はビームスプリッタ34、光路合成手段32を経由した後、対物レンズ5によって光ディスク2に集光される。BLUE用光源31から発光された光は、光ディスク2の記録層で反射された後、光路合成手段32を経由し、ビームスプリッタ34によって反射されてBLUE用受光素子35へ入射する。BLUE用光源31とビームスプリッタ34との間には、上述と同様の液晶光学素子8が設けられている。本実施の形態では、BLUE用光源31からBLUE用受光素子35に至る光が経由する光学系をBLUE光学系とする。
このような光ディスク装置においては、対象とする光ディスク2の種類に応じて対応する波長の光を発光する光源(例えば、BLUE用光源31)を駆動し、光ディスク2からの反射光を対応する受光素子33または35で受光することで上述と同様に情報の記録や再生を行なう。
本実施の形態の光ディスク装置では、対物レンズチルト駆動回路11によって対物レンズ2を駆動することで、ラジアルチルトを補正することができる。
ところで、BLUE用の光の波長域では、DVD用の光の波長域と比較して、光ディスク2のチルトによる波面収差劣化が顕著である。このため、光ディスク2としてBLUE用ディスクを用いる場合、光ディスク2としてDVD用ディスクを用いる場合よりも、光ディスク2のチルトによる波面収差補正がより重要である。
また、上述したように、ラジアルチルトを補正するために対物レンズ5を駆動しただけでは、残留収差が発生する(図5参照)。
このため、本実施の形態では、光ディスク2としてBLUE用ディスクを用いる場合に、検出されるラジアルチルト、タンジェンシャルチルトに応じて液晶光学素子8を駆動することで、光ディスク2と対物レンズ5とのチルトを対物レンズ5の変位によって補正したことによる残留収差とタンジェンシャルチルトとを低減する。
これにより、光ディスク2と対物レンズ5とのチルトの影響を受けやすい短波長の光を発光する光源31を用いた場合にも、波面収差を極力抑えることができる。
本実施の形態では、BLUE用光源31とビームスプリッタ34との間に液晶光学素子を設けることで、光ピックアップ30の格別な大型化を伴うことなく、波長の異なる光の光路を重複させる場合にも、各波長の光のラジアルチルトを補正するとともに、よりチルトの影響を受け易い波長の光に対しては、さらにタンジェンシャルチルトおよび残留収差を補正することができる。このため、チルトの影響異なる複数の波長の光の光路を重複させる場合にも、各波長に応じた補正を行なうことができる。
また、このような構成とすることにより本実施の形態の光ディスク装置は、BLUE用の光路およびDVD用の光路を一部共用することができるので、光ピックアップ30ひいては光ディスク装置の小型化に貢献することができる。
次に、本発明を実施するための第五の実施の形態について図14を参照して説明する。本実施の形態は、単一の光ピックアップを用いて、例えば、BLUEやDVD等、異なる複数(本実施の形態では2つ)の情報記録媒体に対する情報の記録や再生を行なう光ディスク装置への適用例を示す。
図14は、本発明を実施するための第五の実施の形態の光ディスク装置における光ピックアップを示すブロック図である。図14に示すように、本実施の形態の光ディスク装置では、図13に示す光ディスクと比較して、液晶光学素子8が、光路合成手段32と対物レンズ5との間に設けられている。
このように、光路合成手段32と対物レンズ5との間に液晶光学素子8を設けることにより、単一の液晶光学素子8を用いて、BLUE対応波長の光とDVD対応波長の光との両方の残留収差を補正することができる。本実施の形態によれば、DVDの残留収差をより小さくできるので、DVDの波面収差をほとんど残さず良好な再生信号を得ることができる。
次に、本発明を実施するための第六の実施の形態について図15および図16を参照して説明する。本実施の形態は、上述した各種実施の形態の液晶光学素子への適用が可能な液晶光学素子への適用例を示す。
図15は、本発明を実施するための第六の実施の形態の液晶光学素子を示す断面図である。本実施の形態の液晶光学素子40は、図15に示すように、光学的に透明な一対の基板41と、この基板41間に挟持された液晶材料によって形成される液晶層42とを有している。なお、本実施の形態の基板41は、ガラスによって形成されている。液晶層42と各基板41との間には、電極層43,44がそれぞれ設けられている。一方の電極層43には、図16(a)に示すように、タンジェンシャルチルトおよび残留収差を補正するような補正パターンに応じたパターンで電極が形成されている。また、他方の電極層44には、図16(b)に示すように、球面収差を補正するような球面収差補正用パターンに応じたパターンで球面収差補正用電極としての電極が形成されている。
公知の技術であるため説明および図示を省略するが、通常、光ディスク2等の情報記録媒体は、情報信号が記録される記録層上に光透過層を有しており、この光透過層を介して記録層に光を照射することにより記録や再生が行われる。このとき、記録層を2層(またはそれ以上の複数層)有する光ディスク2では、記録や再生の対象とする記録層によって光が透過する層の厚さが異なる。球面収差は、このような光ディスク2において、記録や再生の対象とする記録層によって光が透過する層の厚さが異なることによって発生する収差である。なお、単一の記録層を有する光ディスク2においても、光ディスク2における光照射位置の違いによって、記録層に到達するまでに光が透過する層の厚さが異なる場合等には球面収差が発生する。
本実施の形態の液晶光学素子40では、一方の電極層43にはタンジェンシャルチルトおよび残留収差を補正するような補正パターンに応じた電極として図16(a)に示す電極パターンが形成されており、他方の電極層44には球面収差を補正するような球面収差補正用パターンに応じた電極として図15(b)に示す電極パターンが形成されている。
本実施の形態の光ディスク装置では、光ディスク2として用いたBLUE用ディスクの2層目を再生する場合に、基板厚のずれによって球面収差が発生した場合に、この球面収差に応じて球面収差補正用パターンで設けられた電極に対して電圧を印加する。ここに、球面収差補正手段が実現される。なお、球面収差の検出については公知の技術であるため説明を省略する。
これにより、球面収差に応じて液晶光学素子40における透過率を変化させ、光ピックアップ内に負の球面収差を発生させることができるので、単一の液晶光学素子40を用いて、タンジェンシャルチルトによる波面収差と、球面収差とを補正することができる。
1 光ピックアップ
2 情報記録媒体
3 光源部
5 対物レンズ
6 対物レンズ駆動装置
7 液晶光学素子
10 チルト量検出手段
20 第一のチルト量検出手段、第二のチルト量検出手段
32 光路合成素子
41 基板
42 液晶層
40 液晶光学素子
2 情報記録媒体
3 光源部
5 対物レンズ
6 対物レンズ駆動装置
7 液晶光学素子
10 チルト量検出手段
20 第一のチルト量検出手段、第二のチルト量検出手段
32 光路合成素子
41 基板
42 液晶層
40 液晶光学素子
Claims (14)
- 光を発光する光源部と、
相対的に移動する情報記録媒体に前記光源部から発光された光を集光する対物レンズを有する集光光学系と、
前記対物レンズを変位させることで前記対物レンズと前記情報記録媒体とのチルトを補正する対物レンズ駆動装置と、
前記集光光学系における光路を横切るように配列された屈折率が異なる複数の領域によって形成される所定の補正パターンに応じて前記光源部から発光された光の波面収差を補正する波面収差補正手段と、
を具備する光ピックアップ。 - 前記波面収差補正手段は、前記対物レンズによる集光位置と前記情報記録媒体との相対的な移動方向に直交する方向沿って分割された前記補正パターンに応じて波面収差を調整する請求項1記載の光ピックアップ。
- 前記波面収差補正手段は、前記対物レンズによる集光位置と前記情報記録媒体との相対的な移動方向に沿って分割された前記補正パターンに応じて波面収差を調整する請求項1記載の光ピックアップ。
- 前記波面収差補正手段は、前記対物レンズによる集光位置と前記情報記録媒体との相対的な移動方向と、前記相対的な移動方向に直交する方向とに沿ってそれぞれ分割された前記補正パターンに応じて波面収差を調整する請求項1記載の光ピックアップ。
- 光学的に透明な一対の基板とこの基板間に設けられた液晶層と前記基板に設けられて前記補正パターンを形成するように設けられた複数の電極とを有する液晶光学素子と、
前記相対的な移動方向に沿って変動するチルト量を検出するチルト量検出手段と、
を具備し、
前記波面収差補正手段は、検出したチルト量に応じて前記液晶層における屈折率が前記補正パターンに応じて異なるように前記各電極に印加する電圧を調整することにより前記光源部から発光された光の波面収差を補正する請求項2記載の光ピックアップ。 - 光学的に透明な一対の基板とこの基板間に設けられた液晶層と前記基板に設けられて前記補正パターンを形成するように設けられた複数の電極とを有する液晶光学素子と、
前記相対的な移動方向に直交する方向沿って変動するチルト量を検出するチルト量検出手段と、
を具備し、
前記波面収差補正手段は、検出したチルト量に応じて前記液晶層における屈折率が前記補正パターンに応じて異なるように前記各電極に印加する電圧を調整することにより前記光源部から発光された光の波面収差を補正する請求項3記載の光ピックアップ。 - 光学的に透明な一対の基板とこの基板間に設けられた液晶層と前記基板に設けられて前記補正パターンを形成するように設けられた複数の電極とを有する液晶光学素子と、
前記相対的な移動方向に沿って変動する第一のチルト量を検出する第一のチルト量検出手段と、
前記相対的な移動方向に直交する方向沿って変動する第二のチルト量を検出する第二のチルト量検出手段と、
を具備し、
前記波面収差補正手段は、前記第一および第二のチルト量に応じて前記液晶層における屈折率が前記補正パターンに応じて異なるように前記各電極に印加する電圧を調整することにより前記光源部から発光された光の波面収差を補正する請求項4記載の光ピックアップ。 - 光学的に透明な一対の基板とこの基板間に設けられた液晶層と前記基板に設けられて前記補正パターンを形成するように設けられた複数の電極とを有する液晶光学素子を具備し、
前記波面収差補正手段は、前記液晶層における屈折率が前記補正パターンに応じて異なるように前記各電極に印加する電圧を調整することにより前記光源部から発光された光の波面収差を補正する請求項1記載の光ピックアップ。 - 前記補正パターンは、少なくとも3つの前記領域を有する請求項2、3、5、6または8記載の光ピックアップ。
- 前記補正パターンは、少なくとも4つの前記領域を有する請求項4、7または8記載の光ピックアップ。
- 前記光源部は、各々波長の異なる光を発光する複数の光源を具備し、
前記集光光学系は、単一の前記対物レンズと、前記各光源から発光される光を前記対物レンズにおいて合成する光路合成素子とを具備し、
前記液晶光学素子は、最も短波長の光を発光する前記光源と前記光路合成素子との間に設けられている請求項5、6、7または8記載の光ピックアップ。 - 前記光源部は、各々波長の異なる光を発光する複数の光源を具備し、
前記集光光学系は、単一の前記対物レンズと、前記各光源から発光される光を前記対物レンズにおいて合成する光路合成素子とを具備し、
前記液晶光学素子は、前記対物レンズと前記光路合成素子との間に設けられている請求項5、6、7または8記載の光ピックアップ。 - 前記液晶光学素子に設けられて球面収差に応じた球面収差補正用パターンを形成するように設けられた球面収差補正用電極と、
前記球面収差補正用パターンに応じて異なるように前記球面収差補正用電極に印加する電圧を調整することにより前記光源部から発光された光の球面収差を補正する球面収差補正手段と、
を具備する請求項5、6、7、8、11または12記載の光ピックアップ。 - 請求項1ないし14のいずれか一に記載の光ピックアップと、
前記光ピックアップが具備する対物レンズによって光が集光される情報記録媒体と前記光ピックアップとを相対的に移動させる移動機構と、
前記情報記録媒体からの反射光を受光する受光素子を備える受光光学系と、
を具備する光ディスク装置。
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