JP2005114036A - パネルの孔に挿入可能なクランプ部材 - Google Patents

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フォルケル ディークマン
Dieter Dr Grotmann
ディーテル Dr. グロットマン
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Abstract

【課題】
締め付けネジを受け入れる保持部と、パネルに支持される座板部と、保持部と座板部を連結する二つの翼部とからなる、パネルの孔に挿入して取り付けるクランプ部材であって、パネルへの固定の容易なものを提供する。
【解決手段】
保持部にネジを受け入れるナットを形成し、座板部がパネルの一方の側に当接し、座板部に当接する翼部のアームがパネルの反対側に当接するとき、相互に係合するラッチ部を保持部と座板部に設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、パネルの孔に挿入可能なクランプ部材に関するものであり、そのクランプ部材は保持部とパネルに着座する座板部と2つの翼部とを備え、その翼部はそれぞれがV字形を形成する二つのアームを有し、その二つのアームは頂上でフィルムヒンジを介して連結し、アームを展開すると、フィルムヒンジは保持部のパネル孔への挿入を許容し、アームを折り畳むと、フィルムヒンジは座板部の反対側のパネルの後方に位置する。いずれの場合も、曲げ領域を介して、各翼部の一方のアームは保持部と、他方のアームは座板部とそれぞれ連結する。
このようなクランプ部材は、EP1081395A1公報に記載されている。そのクランプ部材は、自動車車体の内装フック取付用であり、車体部分の孔に挿入してラッチ係合させることができる。このため、クランプ部材は、保持部を孔内に挿入して座板部を押し付ける。保持部片側の二つの翼部が保持部からフィルムヒンジを介して隔たり車体部分の後方に位置する。その結果、翼部は、クランプ部材が後戻りして車体から離れることを阻止する。このように、クランプ部材は、先ず、外方に伸びる翼部により、次に、クランプ部材と一体連結するラッチフックにより、車体に対して拘束されるから、フックアタッチメントは、クランプ部材を車体に強固に固定する。
EP1081395A1公報
本発明の課題は、クランプ部材のパネルへの取付を容易にすることである。
本発明は前記課題を達成するため、締め付けネジを受け入れる保持部と、パネルに支持される座板部と、保持部と座板部に設けられて相互に係合するラッチ部とからなる、パネルに取り付けるクランプ部材において、座板部がパネルの一方の側に当接し、座板部に当接する翼部のアームがパネルの他方の側に当接するとき、ラッチ部を相互に係合させる。
二つの翼部を介して連結する保持部と座板部に集中するラッチ部は、他の組立部材を使用せずに、クランプ部材をパネルの孔に挿入して固定することが可能であるから、クランプ部材のパネルへの取付は至極簡単である。即ち、始めに、クランプ部材が座板部でパネルに支持されるまでクランプ部材の保持部を挿入し、ついで、翼部を畳まずに、保持部を引き戻して保持部と座板部のラッチ部同士を係合させる。
ラッチ部が係合しても翼部が畳まれていないため、座板部はパネルの一方の側(表面)を押圧し、翼部はパネルの他方の側(裏面)を押圧する。その結果、クランプ部材は、パネルに拘束されているが、座板部と翼部のパネルに対する圧力が限定されるため、孔の寸法の範囲でクランプ部材はパネルに対して移動可能である。これは、温度変動などによる公差を補償する。連結される別の組立部材の位置により、クランプ部材はパネルに対して整列させることができる。クランプ部材を別の組立部材と共に使用する詳細については後記する。
保持部と座板部のラッチ部は、相互に係合するラッチ突起とラッチ孔とすることが有利である。このために、座板部に垂下部を形成し、そこにラッチ突起又はラッチ孔を設けることが好ましい。
クランプ部材は、プラスチックナットとすることが有利である。保持部にはネジ受入れ孔を設け、座板部にはネジ貫通孔を設ける。パネルに取り付けるクランプ部材は、クランプ部材をプラスチックナットとして使用することにより、別の組立部材のねじ止めに使用することができる。
開口を備える保持部の座板部側にストップを設けてネジ締め付けに一定の限度を設けることが有利である。ストップは座板部の切り欠きの中に入り、そこで、ラッチ状態のとき、ストップは、ねじ止めされる組立部材に接触し、それ故に、ネジが締め付けられるときに、保持部と座板部が合体することを規制する。保持部の座板側の面をストップとすることが有利である。
アームの運動中にフィルムヒンジに生じる応力を制限するため、フィルムヒンジには曲げ領域を形成することが有利である。その曲げ領域は厚さが漸増する遷移領域を介してアームに連結する。これは、曲げ領域と遷移領域にすべての応力が平等に分配されると共に負担されることを保証する。保持部が座板部の方に押されるとき、フィルムヒンジの二つの遷移領域の長さが異なると、フィルムヒンジの二つのアームは必ず外側に弾み、押されても、完全に展開して平坦になることはない。
アームの座板部又は保持部と連結する曲げ領域の厚さは、座板部側又は保持部側に
漸減することが有利である。これにより、曲げ応力はアームの端部に発生するから、翼部の展開から折り畳みの運動又はその逆の運動を所望の様式にすることが可能となる。
各翼部のアームは、相互に対接する側にロック係合する突起を備えることが有利である。挿入時、係合突起はアームが相互にフィルムヒンジ側に動くことを制止する。これにより、翼部が折り畳まれたとき、アームの相互運動を規制して過度の引張力又は圧縮力が二つのアームを連結するフィルムヒンジに作用することを防止する。
保持部側の翼部のアームは他の側のアームよりも長くすることが有利である。これは、折り畳まれた翼部の座板部及び保持部からの引き抜きに対する抵抗力を増大させる。
プラスチック製クランプ部材が高熱に曝されても緩まないようにするためには、保持部側の翼部のアームと保持部を他のアームの材料よりも高耐熱性の材料から製造することが有利である。
本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
図1は、クランプ部材の斜視図、
図2は、クランプ部材の側面図、
図3は、図2のIII−III線矢視図、
図4は、パネルの孔に挿入中のクランプ部材を示す図、
図5は、パネル挿入後のクランプ部材を示す図、
図6は、クランプ部材の保持部と座板部のラッチ部同士の係合を示す図、
図7は、別の実施例の翼部を示す図、
図8は、アームをロックする突起を備えた翼部のアームを示す図。
図1は、クランプ部材の斜視図であり、そのクランプ部材は、保持部1と、座板部2と、二つの翼部3、4とからなり、翼部3は二つのアーム5、6を、翼部4は二つのアーム7、8をそれぞれ含む。アーム5、7は座板部2の図1には見えない下側(図2参照)において座板部に連結され、アーム7、8は保持部1に連結される。アーム5、6とアーム7、8は、V字形に連結し、折り畳みも、及び完全展開も可能(図4,図6参照)である。これは、アーム5、6が頂上でフィルムヒンジ9を介して、アーム7、8が頂上でフィルムヒンジ10を介して、それぞれ連結することによる。各アーム5、6、7、8と座板部2及び保持部1とは曲げ領域(図2参照)を介して連結する。これも、翼部3、4の上記運動に寄与する。
垂下部11、12は、座板部2から保持部1の方向に突出し、保持部1が座板部2側へ押されたとき(図6に押された状態を示す)、垂下部11、12は保持部1の側面を撫でるように保持部1の側面を囲む。保持部に設けられて垂下部11、12のラッチ孔15、16と係合するラッチ突起13、14(図3参照)は、保持部1と座板部2が押し付けられたとき(図6参照)、両者がラッチ係合することを保証する。ラッチ突起13、14の斜面17、18(図3参照)は、垂下部11、12の間に保持部1が完全に挿入されると、垂下部11、12が反発して保持部1をラッチ位置に固定するように、垂下部11、12がラッチ突起13、14を滑り、少し開くことを可能にする。ラッチ突起とラッチ孔は相互に交代可能であり、ラッチ突起を垂下部に設けるときは、ラッチ孔を保持部に設ける。
座板部2は、貫通孔19を備え、その貫通孔において保持部1と座板部2が押し付け状態になるときに座板部2と対面する保持部1の面20が突出する。貫通孔19は、保持部1の関連部分を受け入れる。この面20は、組立部材29(図6参照)に対するストップとして作用する。この詳細については後記する。
図2は、保持部1と座板部2を備えたクランプ部材の側面図であり、二つの部品は、アーム5、6、7、8を備える翼部3、4を介して連結することを示す。アーム5、6、7、8と保持部1及び座板部2との連結は、曲げ領域22、23、24、25を介して形成される。
図3は、図2のIII−III線に沿うクランプ部材の断面図であり、保持部1の開口26を示す。開口26は、ネジを受入れることにより、プラスチック製の保持部1と座板部2からなるクランプ部材に、設計により、プラスチックナットの機能を付与する。開口26は図1のものと同じである。
図4は、パネル21の孔27に挿入中のクランプ部材を示す。このため、クランプ部材は、翼部3、4が保持部1に矢印方向に押し付けられて孔27を通過できるた状態となる。
クランプ部材を、座板部2がパネル21に当接するまで挿入すると、翼部3、4が再び図1に示す正常な状態になる。
座板部2を押し下げたまま、保持部1を座板部2に押し付けて、保持部1を貫通孔19(図1及び図3参照)に入れ、図1と同じ面20を組立部材29(図6参照)に当接させる。この保持部1と座板部2の押し付け中、翼部3、4は、横に折り畳まれ、相互に近接し、アーム5、7はパネル21と当接する。このとき、ラッチ突起13、14はラッチ孔15、16(図1、図3参照)と係合し、その結果、クランプ部材はパネル21に強固に固定される。
図6に示す状態でパネル21に連結されるクランプ部材はプラスチックナットを形成し、その保持部1にはネジ頭部28のネジが通る。ネジのねじ部は図3に示す保持部1の開口26の中に突出し、保持部1を座板部2に対し強固に引き付ける。組立部材29は、保持部1にねじ込まれたネジの頭部28の直下にあり、クランプ部材により組立部材はこのようにパネル21に固定される。
図7は、翼部のアームの特別な態様を示す。図は二つのアーム5、6を備える翼部3と、座板部2と、ラッチ孔16を備える垂下部12と、保持部1を示す(図2参照)。
アーム5は曲げ領域30を経て座板部2に移り、曲げ領域30の厚さは保持部1側に減少する。同様な設計がアーム6にもなされ、アーム6は曲げ領域31を経て保持部1に移る。曲げ領域の厚さは再びアーム6から保持部1にかけて減少する。翼部3の頂上の領域(フィルムヒンジ)には二つの遷移領域、即ち、アーム5への遷移領域32とアーム6への遷移領域33が形成される。遷移領域32は遷移領域33よりも短いので、遷移領域33にはフィルムヒンジ9の頂上からアーム6までのより長い曲げ領域が存在する。さらに、アーム6はアーム5よりも長い。その結果、クランプ部材がパネルと係合するとき(図6参照)、アーム5はパネル2を特別な圧力で押し付ける。
図6の要部を示す図8は、翼部3のアーム5、6の特別な設計を示す。アーム5、6は、ロック係合する突起35、36を備え、その突起35、36は、クランプ部材の係合時、即ち、アーム5、6の相互近接時に、相互に係合してアーム5、6の長手方向の相対運動を規制するように設計され配置されれている。この効果は、保持部1と座板部2の押し付け時に二つのアーム5、6が相互に接近して突起35、36がロック係合すると、アーム6に対して外方に作用する剪断力が集中しないことであり、それにより、フィルムヒンジ9への圧力が減少することである。もし、ロック係合する突起34、35が存在しないと、アーム6の長手方向に作用する圧力は、フィルムヒンジ9を外方に押圧し、フィルムヒンジ9の抵抗を越えるテンションがフィルムヒンジにかかるおそれがある。このように、フィルムヒンジ9は大きな負荷に耐えるように保護されている。
クランプ部材の斜視図、 クランプ部材の側面図、 図2のIII−III線に沿うクランプ部材の断面図、 パネルの孔に挿入中のクランプ部材を示す図、 パネル挿入後のクランプ部材を示す図、 クランプ部材の保持部と座板部のラッチ係合を示す図、 翼部の特別な形状を示す図、 アームをロックする突起を備えた翼部のアームを示す図。
符号の説明
1:保持部
2:座板部
3、4:翼部
5、6、7、8:アーム
9、10:フィルムヒンジ
11、12:垂下部
13、14:ラッチ突起(ラッチ部)
15、16:ラッチ孔(ラッチ部)
17、18:斜面
19:貫通孔
20:面(ストップ)
22、23、24、25:曲げ領域
26:開口
27:孔
28:ネジ頭部
29:組立部材
30、31:曲げ領域
32、33:遷移領域
34、35:突起

Claims (12)

  1. 保持部(1)と、パネル(21)に支持される座板部(2)と、2つの翼部(3、4)とを有し、前記翼部(3、4)は、それぞれV字形のアーム(5、6;7、8)を有し、頂上ではフィルムヒンジ(9、10)を介して連結し、前記アームを展開すると、前記フィルムヒンジ(9、10)は前記保持部(1)の孔(27)へ挿入を許容し、前記アームを折り畳むと、前記フィルムヒンジ(9、10)は座板部の反対側のパネル(21)の後方に位置し、いずれの場合も、曲げ領域(22、23、24、25)を介して、各翼部(3、4)の一方のアームは前記保持部と、他方のアームは前記座板部とそれぞおれ連結してなる、前記パネルの孔(27)に挿入可能なクランプ部材において、
    前記保持部(1)は、ネジ(28)を受け入れるナットを形成し、前記保持部(1)と前記座板部(2)は相互に係合するラッチ部(13、14、15、16)を備え、前記座板部(2)が前記パネル(21)の一方の側に当接し、さらに、前記座板部に当接する前記翼部(3、4)の前記アーム(5、6、7、8)が前記パネル(21)の反対側に当接するとき、前記ラッチ部(13、14、15、16)は係合状態となることを特徴とするパネルの孔に挿入可能なクランプ部材。
  2. 保持部(1)はラッチ突起(13、14)を備え、前記ラッチ突起(13、14)は垂下部(11、12)に設けるラッチ孔(15、16)に入り、前記垂下部(11、12)は前記座板部(2)から突出して前記保持部(1)の側面を覆うことを特徴とする請求項1に記載のクランプ部材。
  3. 保持部(1)は側面にラッチ孔(15、16)を備え、ラッチ突起(13、14)は前記ラッチ孔(15、16)に入り、前記ラッチ突起(13、14)は前記座板部(2)から突出する垂下部(11、12)から延長することを特徴とする請求項1に記載のクランプ部材。
  4. 保持部(1)はネジ(28)を受け入れるネジ孔(26)を備え、座板部(2)はラッチ突起(13、14)を備え、前記座板部(2)は前記ネジの通る貫通孔(19)を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のクランプ部材。
  5. 保持部(1)は座板部(2)を向く側にストッパ(20)を有し、前記ストッパは前記座板部の貫通孔(19)に入り、ラッチ係合時には、締め付けられる組立部材(29)に当接し、それにより、ネジ(28)が締め付けられるとき、前記保持部と前記座板部の接近を制限することを特徴とする請求項4に記載のクランプ部材。
  6. 保持部(1)の座板部(2)を向く面はストッパ(20)を形成することを特徴とする請求項5に記載のクランプ部材。
  7. フィルムヒンジ(9、10)は曲げ領域(22、23、24、25)を形成し、前記曲げ領域は厚さが漸増する遷移域(32、33)を介してアーム(5、6、7、8)と連結することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載のクランプ部材。
  8. フィルムヒンジ(9、10)の遷移域(32、33)は異なる長さであることを特徴とする請求項7に記載のクランプ部材。
  9. アーム(5、6、7、8)を連結する曲げ領域(30、31)の厚さは座板部(2)又は保持部(1)に向けて漸減することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載のクランプ部材。
  10. 各翼部(3、4)のアーム(5、6、7、8)は相互に向き合う側にロック係合する突起(34、35)を備え、挿入位置において、前記係合突起は前記アームのフィルムヒンジ(9、10)側への相対的運動を規制することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載のクランプ部材。
  11. 翼部(3、4)の保持部(1)側のアーム(6、8)は反対側のアーム(5、7)よりも長いことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載のクランプ部材。
  12. 翼部(3、4)の保持部(1)側のアーム(6、8)と前記保持部は反対側のアーム(5、7)よりも高耐熱性の材料から製造されることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載のクランプ部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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