JP2005113907A - 斜板式圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ピストンの耐久性低下及び大型化を抑制しつつ、斜板及びシューの耐久性を向上させることが可能な斜板式圧縮機を提供すること。
【解決手段】 駆動軸16には第1斜板18が一体回転可能に連結され、第1斜板18には第2斜板51が相対回転可能に支持されている。第1斜板18及び第2斜板51には、第1斜板18に当接する第1シュー25A、及び第2斜板51に当接する圧縮反力を受ける側の第2シュー25Bを介してピストン23が係留されている。駆動軸16の回転にともなう第1斜板18の回転によって、ピストン23が往復直線運動されて冷媒ガスの圧縮が行われる。第2斜板51は、第1斜板18に対して上死点位置にあるピストン23A側に偏心配置されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 駆動軸16には第1斜板18が一体回転可能に連結され、第1斜板18には第2斜板51が相対回転可能に支持されている。第1斜板18及び第2斜板51には、第1斜板18に当接する第1シュー25A、及び第2斜板51に当接する圧縮反力を受ける側の第2シュー25Bを介してピストン23が係留されている。駆動軸16の回転にともなう第1斜板18の回転によって、ピストン23が往復直線運動されて冷媒ガスの圧縮が行われる。第2斜板51は、第1斜板18に対して上死点位置にあるピストン23A側に偏心配置されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば、車両用空調装置の冷凍回路を構成して冷媒ガスの圧縮を行う斜板式圧縮機に関する。
図8に示すように、この種の斜板式圧縮機は、駆動軸91に対して斜板92が一体回転可能に連結されている。斜板92の外周部には、それぞれ半球状をなす第1シュー93A及び第2シュー93Bを介して、片頭型のピストン94が係留されている。従って、駆動軸91の回転によって斜板92が回転すると、斜板92は、第1シュー93A及び第2シュー93Bに対して摺動し、ピストン94が往復直線運動されて、冷媒ガスの圧縮が行われる。
第1シュー93A及び第2シュー93Bは、斜板92との相対回転に応じて自身の軸線S(球面の曲率中心点Pを通りかつ斜板92と摺動する平面に垂直な線)を中心とした回転運動を行うこととなる。軸線Sを中心とした第1シュー93A及び第2シュー93Bの回転運動は、斜板92の内外周における外周側が大となる周速の差から、トータルとして、第1シュー93A及び第2シュー93Bに対して軸線S周りの一方向への回転力が付与されることと同義な状態となって行われる。
つまり、図8に示す斜板式圧縮機は、斜板92に対して第1シュー93A及び第2シュー93Bが直接摺動される構成を有している。従って、第1シュー93A及び第2シュー93Bは、斜板92との相対回転に基づく摺動によって、軸線Sを中心とした回転運動を無駄に行わざるを得なかった。よって、特に、ピストン94と、圧縮反力を受ける側の第2シュー93Bとの摺動部分における機械損失が大きくなるし、該摺動部分において焼付き等の不具合を発生する問題があった。
このような問題を解決するために、例えば図9に示すような技術が提案されている(例えば特許文献1参照。)。即ち、斜板(以下、第1斜板92Aとする)の後面(図面右方側に向かう面)において中央部には、段差部92aが円環状に設けられている。第1斜板92Aにおいて段差部92aの外側には、円環状をなす摺動板(以下、第2斜板95とする)が、第1斜板92Aに対して同軸位置で相対回転可能に支持されている。第2斜板95の外周部は、第1斜板92Aと第2シュー93Bと間において、第1斜板92A及び第2シュー93Bに対して摺動可能に配設されている。
従って、第1斜板92Aが回転すると、第1斜板92Aと第2斜板95との間に滑りが生じ、第2斜板95の回転速度は第1斜板92Aの回転速度よりも低下される。よって、第2斜板95と第2シュー93Bとの相対回転速度が、第2シュー93Bと第1斜板92Aとの相対回転速度よりも低下される。その結果、第2斜板95と第2シュー93Bとの相対回転に起因する、軸線Sを中心とした第2シュー93Bの回転運動を抑制することができ、前述した機械損失や不具合の発生を抑制することができる。
ここで、第1シュー93Aと第2シュー93Bとの間において、第1斜板92Aと第2斜板95との間に転動素子を介在させることも提案されている(例えば特許文献2参照。)。なお、特許文献2においては、スラストベアリングが有する第2シュー93B側のレースを、第2斜板95として把握することができる。このようにすれば、第1斜板92Aと第2斜板95との間の滑りが良好となり、第2斜板95と第2シュー93Bとの相対回転速度を、第2シュー93Bと第1斜板92Aとの相対回転速度よりも大きく低下させることができる。
特開平8−338363号公報(第4頁、第1図)
特開平8−28447号公報(第3頁、第1図)
ところが、第1斜板92Aに加え、第2斜板95、さらには転動素子を備える斜板構造では、該斜板構造における第1シュー93Aと第2シュー93Bとの間での厚みが厚くなってしまう。従って、駆動軸91に対して傾斜する第1斜板92Aは、上死点位置にあるピストン94(図9の状態)付近に対応する外周縁部において、第2斜板95と反対側の凸角部92bが、駆動軸91の径方向(図面上方)へ向かって大きく突出することとなる。また、駆動軸91に対して傾斜する第2斜板95は、下死点位置にあるピストン94(図示しない状態)付近に対応する外周縁部において、第1斜板92Aと反対側の凸角部95bが、駆動軸91の径方向へ向かって大きく突出することとなる。
第1斜板92Aの凸角部92b及び第2斜板95の凸角部95bが駆動軸91の径方向へ大きく突出すると、該突出部分との干渉を回避するために、ピストン94において該突出部分に対応する部分の肉厚を薄くするか、ピストン94を径方向に大型化する必要がある。ピストン94の薄肉化は耐久性低下につながるし、ピストン94の大型化は斜板式圧縮機が大型化することにつながってしまう。従って、従来においては、斜板構造の厚みを厚くせざるを得ない場合には、第1斜板92A及び第2斜板95の半径を小さくして、前述した凸角部92b,95bとピストン94との干渉を回避するようにしていた。
しかし、第1斜板92A及び第2斜板95の半径を小さくすると、特に、上死点位置付近(圧縮行程)にあるピストン94において、大きな圧縮反力を受ける第2シュー93Bと第2斜板95との接触面積が狭くなり、第2斜板95及び第2シュー93Bの耐久性が低下する問題があった。
近年、冷凍回路の冷媒として、二酸化炭素を用いることが一般化されつつある。二酸化炭素冷媒を用いた場合には、フロン冷媒(例えばR134a)を用いた場合よりも冷凍回路内の圧力が非常に高くなる。従って、斜板式圧縮機においてもピストン94に作用する圧縮反力が大きくなり、前述した問題(第2斜板95及び第2シュー93Bの耐久性が低下する)が大きく取り上げられるようになってきた。
本発明の目的は、ピストンの耐久性低下及び大型化を抑制しつつ、斜板及びシューの耐久性を向上させることが可能な斜板式圧縮機を提供することにある。
本発明は、駆動軸には第1斜板が一体回転可能に連結され、該第1斜板には第2斜板が支持され、前記第1及び第2斜板には、前記第1斜板に当接する第1シュー、及び前記第2斜板に当接する圧縮反力を受ける側の第2シューを介してピストンが係留されており、前記駆動軸の回転にともなう前記第1斜板の回転によって、前記ピストンが往復直線運動されてガスの圧縮が行われる斜板式圧縮機を対象とし、請求項1の発明の斜板式圧縮機は、前記第2斜板の外周の全周の一部が、前記第1斜板に対して前記駆動軸側から上死点位置にある前記ピストン側にずれていることを特徴とする。
第2斜板の外周の全周の一部が第1斜板に対して駆動軸側から上死点位置にあるピストン側にずれているとは、第1斜板の中心軸線の方向に見た場合に、第2斜板の外周の全周の一部が駆動軸側から上死点位置にあるピストン側に第1斜板から飛び出していることを意味する。従って、第1及び第2斜板を大径化しなくとも、上死点位置付近にあるピストンの第2シューと第2斜板との接触面積を広くできる。よって、第2斜板と第2シューとの接触摺動性が良好となり、ピストンの耐久性低下及び大型化を抑制しつつ、第2斜板及び第2シューの耐久性を向上させることができる。
好適な例では、前記第2斜板は、前記第1斜板に対して前記駆動軸側から上死点位置にある前記ピストン側に偏心させて配置されている。
好適な例では、前記第1斜板には支持部が前記駆動軸を取り囲むようにして突設されており、前記第2斜板は、前記支持部によって支持されており、前記支持部は、前記第1斜板に対して前記駆動軸側から上死点位置にある前記ピストン側に偏心させて配置されている。
好適な例では、前記第1斜板には支持部が前記駆動軸を取り囲むようにして突設されており、前記第2斜板は、前記支持部によって支持されており、前記支持部は、前記第1斜板に対して前記駆動軸側から上死点位置にある前記ピストン側に偏心させて配置されている。
好適な例では、前記第2斜板は、前記第1斜板において該第1斜板に対して相対回転可能に支持されている。
従って、第1斜板が回転すると、該第1斜板と第2斜板との間に滑りが生じ、該第2斜板の回転速度は第1斜板の回転速度よりも低下される。よって、第2斜板と第2シューとの相対回転速度が、第2シューと第1斜板との相対回転速度よりも低下される。その結果、第2斜板と第2シューとの相対回転に起因する該第2シューの回転運動を抑制することができ、斜板式圧縮機の機械損失や不具合の発生を抑制することができる。
従って、第1斜板が回転すると、該第1斜板と第2斜板との間に滑りが生じ、該第2斜板の回転速度は第1斜板の回転速度よりも低下される。よって、第2斜板と第2シューとの相対回転速度が、第2シューと第1斜板との相対回転速度よりも低下される。その結果、第2斜板と第2シューとの相対回転に起因する該第2シューの回転運動を抑制することができ、斜板式圧縮機の機械損失や不具合の発生を抑制することができる。
好適な例では、前記第2斜板は、前記第1斜板において該第1斜板に対して相対回転可能に支持されており、前記第2斜板は、ラジアル軸受を介して前記支持部に支持されている。
好適な例では、前記第1斜板と前記第2斜板との間にはスラスト軸受が介在されている。
従って、第1斜板と第2斜板との間の滑りが良好となり、第2斜板の回転速度は第1斜板の回転速度よりも大きく低下される。よって、第2斜板と第2シューとの相対回転に起因する該第2シューの回転運動を効果的に抑制することができ、斜板式圧縮機の機械損失や不具合の発生を効果的に抑制することができる。
従って、第1斜板と第2斜板との間の滑りが良好となり、第2斜板の回転速度は第1斜板の回転速度よりも大きく低下される。よって、第2斜板と第2シューとの相対回転に起因する該第2シューの回転運動を効果的に抑制することができ、斜板式圧縮機の機械損失や不具合の発生を効果的に抑制することができる。
前記第1及び第2斜板に加えてスラスト軸受を備える斜板構造では、該斜板構造における第1シューと第2シューとの間での厚みが厚くなってしまう。このような条件的に厳しい構成において、第2斜板の外周の全周の一部を前記第1斜板に対して前記駆動軸側から上死点位置にある前記ピストン側にずらして、上死点位置付近にあるピストンの第2シューと第2斜板との接触面積を広くできることは、ピストンの耐久性低下及び大型化を抑制しつつ第2斜板及び第2シューの耐久性を向上させる上で特に有効となる。
好適な例では、前記スラスト軸受は、コロを備えた転がり軸受である。
好適な例では、前記第1斜板と前記転がり軸受との間には環状のレースが介在されており、前記第2斜板、前記転がり軸受け及び前記レースは、前記第1斜板に対して前記駆動軸側から上死点位置にある前記ピストン側に偏心させて配置されている。
好適な例では、前記第1斜板と前記転がり軸受との間には環状のレースが介在されており、前記第2斜板、前記転がり軸受け及び前記レースは、前記第1斜板に対して前記駆動軸側から上死点位置にある前記ピストン側に偏心させて配置されている。
好適な例では、前記斜板式圧縮機は、前記第1斜板及び第2斜板の傾斜角度が変更されることによって吐出容量が変更される容量可変型斜板式圧縮機である。
好適な例では、前記ガスは冷凍回路に用いられる冷媒であって、該冷媒としては二酸化炭素が用いられている。
好適な例では、前記ガスは冷凍回路に用いられる冷媒であって、該冷媒としては二酸化炭素が用いられている。
二酸化炭素冷媒を用いた場合には、フロン冷媒(例えばR134a)を用いた場合よりも冷凍回路内の圧力が非常に高くなる。従って、斜板式圧縮機においてもピストンに作用する圧縮反力が大きくなり、よって第2斜板と第2シューとの圧接力が強くなる。このような態様において本発明を具体化することは、ピストンの耐久性低下及び大型化を抑制しつ第2斜板及び第2シューの耐久性を向上させる上で特に有効となる。
以上のように本発明によれば、ピストンの耐久性低下及び大型化を抑制しつつ、斜板及びシューの耐久性を向上させることが可能となる。
図1は、容量可変型の斜板式圧縮機(以下単に圧縮機10とする)の縦断面図を示す。図1において左方を圧縮機の前方とし、右方を圧縮機の後方とする。
図1に示すように、圧縮機10のハウジングは、シリンダブロック11と、シリンダブロック11の前端に接合固定されたフロントハウジング12と、シリンダブロック11の後端に弁・ポート形成体13を介して接合固定されたリヤハウジング14とを備えている。
図1に示すように、圧縮機10のハウジングは、シリンダブロック11と、シリンダブロック11の前端に接合固定されたフロントハウジング12と、シリンダブロック11の後端に弁・ポート形成体13を介して接合固定されたリヤハウジング14とを備えている。
圧縮機10のハウジング内において、シリンダブロック11とフロントハウジング12との間には、クランク室15が区画形成されている。シリンダブロック11とフロントハウジング12との間には、クランク室15を通過するようにして、駆動軸16が回転可能に配設されている。駆動軸16には、車両の走行駆動源であるエンジンEが、クラッチレスタイプ(常時伝達型)の動力伝達機構PTを介して作動連結されている。従って、エンジンEの稼動時においては、該エンジンEから動力の供給を受けて駆動軸16が常時回転される。
クランク室15内において駆動軸16には、ロータ17が一体回転可能に固定されている。クランク室15内には、実質的に円盤状をなす第1斜板18が収容されている。第1斜板18の中央部には、挿通孔18aが貫通形成されている。第1斜板18の挿通孔18aには駆動軸16が挿通されている。第1斜板18は、挿通孔18aを介して駆動軸16に、スライド移動可能でかつ傾動可能に支持されている。ロータ17と第1斜板18との間にはヒンジ機構19が介在されている。
ヒンジ機構19は、ロータ17の後面に突設された二つ(紙面手前側の一方は図示されていない)のロータ側突起41と、第1斜板18の前面においてロータ17側に向かって突設された斜板側突起42とからなっている。斜板側突起42は、先端側が二つのロータ側突起41間に入り込んでいる。従って、ロータ17の回転力は、ロータ側突起41及び斜板側突起42を介して第1斜板18に伝達される。
第1斜板18の後面中央部には、実質的に円筒状をなす支持部39が、駆動軸16を取り囲むようにして突設されている。第1斜板18において支持部39の外側には、円盤状をなす第2斜板51が、その中央部に貫通形成された支持孔51aに支持部39が挿通された状態で配置されている。第2斜板51としては、第1斜板18とほぼ同じ半径のものが用いられている。
支持部39の外周面と第2斜板51の支持孔51aの内周面との間には、ラジアル軸受52が介在されている。第1斜板18の後面と第2斜板51の前面との間には、スラスト軸受53が介在されている。スラスト軸受53は、転動素子としてのコロ53aを複数有しており、複数のコロ53aは保持器53bによって回転可能に保持されている。
第2斜板51は、ラジアル軸受52及びスラスト軸受53を介することで、第1斜板18と相対回転可能でかつ一体的に傾動可能となるように、第1斜板18(支持部39)によって支持されている。
ロータ側突起41の基部にはカム部43が形成されている。カム部43において第1斜板18を臨む後端面にはカム面43aが形成されている。斜板側突起42の先端は、カム部43のカム面43aに対して摺動可能に当接されている。従って、ヒンジ機構19は、斜板側突起42の先端がカム部43のカム面43a上を駆動軸16に対する接離方向へ移動されることで、第1斜板18及び第2斜板51の傾動を案内する。
シリンダブロック11において駆動軸16の軸線L周りには、複数のシリンダボア22が等角度間隔で前後方向(紙面左右方向)に貫通形成されている。片頭型のピストン23は、各シリンダボア22内に前後方向へ移動可能に収容されている。シリンダボア22の前後開口は、弁・ポート形成体13の前端面及びピストン23によって閉塞されており、このシリンダボア22内にはピストン23の前後方向への移動に応じて容積変化する圧縮室24が区画されている。
ピストン23は、シリンダボア22に挿入される円柱状の頭部37と、シリンダボア22の外方でクランク室15に位置する首部38とが前後方向に連接されてなる。頭部37及び首部38は、アルミニウム系の金属材料(純アルミニウム又はアルミニウム合金のことを指す)よりなっている。首部38の内側には、一対のシュー座38aが凹設されている。首部38内には、半球状をなす第1シュー25A及び第2シュー25Bが内装されている。第1シュー25Aと第2シュー25Bとは鉄系の金属材料よりなっている。なお、本明細書において「半球」とは、球体を二等分したもののみを意味するものではなく、球体の球面の一部を備えたもののことを指す。
第1シュー25A及び第2シュー25Bは、それぞれ半球面25aを以て対応するシュー座38aによって球面受けされている。第1シュー25Aの半球面25aと第2シュー25Bの半球面25aとは、点Pを中心とした同一球面上に存在する。各ピストン23は、第1シュー25A及び第2シュー25Bを介して第1斜板18及び第2斜板51の外周部に係留されている。圧縮室24と反対側に位置する第1シュー25Aは、半球面25aと反対側の平面形状の摺接面25bを以て、第1斜板18の前面に当接されている。圧縮室24側つまり圧縮反力を受ける側の第2シュー25Bは、半球面25aと反対側の摺接面25bを以て、第2斜板51の後面に当接されている。
駆動軸16の回転によって第1斜板18が回転すると、ピストン23が前後方向に往復直線運動される。
ここで、第1斜板18が回転すると、ラジアル軸受52及びスラスト軸受53の作用によって、第1斜板18と第2斜板51との間に滑りが生じ、第2斜板51の回転速度は第1斜板18の回転速度よりも低下される。従って、第2斜板51と第2シュー25Bとの相対回転速度が、第2シュー25Bと第1斜板18との相対回転速度よりも低下される。よって、第2斜板51と第2シュー25Bとの相対回転に起因する、軸線S(半球面25aの曲率中心点Pを通りかつ摺接面25bに垂直な線)を中心とした第2シュー25Bの回転運動を抑制することができ、該回転運動に起因した機械損失や不具合の発生を抑制することができる。
ここで、第1斜板18が回転すると、ラジアル軸受52及びスラスト軸受53の作用によって、第1斜板18と第2斜板51との間に滑りが生じ、第2斜板51の回転速度は第1斜板18の回転速度よりも低下される。従って、第2斜板51と第2シュー25Bとの相対回転速度が、第2シュー25Bと第1斜板18との相対回転速度よりも低下される。よって、第2斜板51と第2シュー25Bとの相対回転に起因する、軸線S(半球面25aの曲率中心点Pを通りかつ摺接面25bに垂直な線)を中心とした第2シュー25Bの回転運動を抑制することができ、該回転運動に起因した機械損失や不具合の発生を抑制することができる。
圧縮機10のハウジング内において、弁・ポート形成体13とリヤハウジング14との間には、吸入室26及び吐出室27がそれぞれ区画形成されている。弁・ポート形成体13には、圧縮室24と吸入室26との間に位置するようにして、吸入ポート28及び吸入弁29がそれぞれ形成されている。弁・ポート形成体13には、圧縮室24と吐出室27との間に位置するようにして、吐出ポート30及び吐出弁31がそれぞれ形成されている。
前記冷凍回路の冷媒としては二酸化炭素が用いられている。図示しない外部回路から吸入室26に導入された冷媒ガスは、各ピストン23の上死点位置から下死点位置側への移動により、吸入ポート28及び吸入弁29を介して圧縮室24に吸入される。圧縮室24に吸入された冷媒ガスは、ピストン23の下死点位置から上死点位置側への移動により所定の圧力にまで圧縮され、吐出ポート30及び吐出弁31を介して吐出室27に吐出される。吐出室27の冷媒ガスは外部回路へと導出される。
圧縮機10のハウジング内には、抽気通路32及び給気通路33並びに制御弁34が設けられている。抽気通路32は、クランク室15と吸入室26とを接続する。給気通路33は、吐出室27とクランク室15とを接続する。給気通路33の途中には、電磁弁よりなる周知の制御弁34が配設されている。
制御弁34の開度を、外部からの給電制御によって調節することで、給気通路33を介したクランク室15への高圧な吐出ガスの導入量と、抽気通路32を介したクランク室15からのガス導出量とのバランスが制御され、クランク室15の内圧が決定される。クランク室15の内圧の変更に応じてクランク室15の内圧と圧縮室24の内圧との差が変更され、第1斜板18及び第2斜板51の傾斜角度が変更される結果、ピストン23のストローク即ち圧縮機の吐出容量が調節される。
例えば、制御弁34の弁開度が減少すると、クランク室15の内圧が低下される。従って、第1斜板18及び第2斜板51の傾斜角度が増大してピストン23のストロークが増大し、圧縮機10の吐出容量が増大される。逆に、制御弁34の弁開度が増大すると、クランク室15の内圧が上昇される。従って、第1斜板18及び第2斜板51の傾斜角度が減少してピストン23のストロークが減少し、圧縮機10の吐出容量が減少される。
さて、図1及び図2に示すように、第1斜板18において第2斜板51を支持する支持部39は、第1斜板18の中心軸線M1に対して、上死点位置にあるピストン23A側に偏心して設けられている。別の言い方をすれば、支持部39は、中心軸線M1から第1斜板18の径方向を見たとき、ピストン23を上死点位置にもたらす部位側(ヒンジ機構19側)に偏心して設けられている。つまり、支持部39は、第1斜板18に対して駆動軸16側から、ヒンジ機構19付近に対応する第2斜板51の外周縁部側に偏心させて配置されている。つまり、支持部39は、第1斜板18に対して駆動軸16側から上死点位置にあるピストン23A側に偏心させて配置されている。つまり、支持部39は、第1斜板18に対して駆動軸16側から、ピストン23を上死点位置に配置する第1斜板18の周方向の範囲側に偏心して配置されている。
従って、第2斜板51及びラジアル軸受52並びにスラスト軸受53(保持器53b)は、第1斜板18に対して、駆動軸16側から上死点位置にあるピストン23A側に偏心されている。つまり、第2斜板51の外周の全周の一部は、第1斜板18に対して駆動軸16側から上死点位置にあるピストン23A側にずれている。つまり、第2斜板51の外周の全周の一部は、第1斜板18に対して駆動軸16側から、ピストン23を上死点位置に配置する第1斜板18の周方向の範囲側にずれている。
よって、第2斜板51及びラジアル軸受52並びにスラスト軸受53の中心軸線M2は、第1斜板18の中心軸線M1に対して、上死点位置にあるピストン23Aが備える第1シュー25A及び第2シュー25Bの中心点P側に若干量(例えば、0.05〜5mm。図面では誇張して描いてある。)だけ平行にずれている。
よって、第2斜板51の外周縁部において、上死点位置にあるピストン23A付近に対応する部分は、第1斜板18の外周縁部から第1斜板18の径方向に若干はみ出している。つまり、第1斜板18の中心軸線M1の方向に見た場合、第2斜板51の外周の全周の一部は、駆動軸16側から上死点位置にあるピストン23A側に第1斜板18から飛び出している。つまり、第1斜板18の中心軸線M1の方向に見た場合、第2斜板51の外周の全周の一部は、駆動軸16側から、ピストン23を上死点位置に配置する第1斜板18の周方向の範囲側に第1斜板18から飛び出している。第2斜板51の外周の全周の一部が第1斜板18に対して駆動軸16側から上死点位置にあるピストン23A側にずれているとは、第1斜板18の中心軸線M1の方向に見た場合に、第2斜板51の外周の全周の一部が駆動軸16側から上死点位置にあるピストン23A側に第1斜板18から飛び出していることを意味する。従って、例えば、第2斜板51が第1斜板18に対して偏心していない場合と比較して、上死点位置付近にあるピストン23の第2シュー25Bと、第2斜板51との接触面積は広くなっている。
なお、第2斜板51の外周縁部において、下死点位置にあるピストン23B付近に対応する部分は、第1斜板18の外周縁部よりも第1斜板18の径方向内側に位置することとなる。従って、例えば、第2斜板51が第1斜板18に対して偏心していない場合と比較して、下死点位置付近にあるピストン23の第2シュー25Bと、第2斜板51との接触面積は狭くなる。しかし、下死点位置付近にあるピストン23の第2シュー25Bに作用する圧縮反力は、上死点位置付近にあるピストン23の第2シュー25Bに作用する圧縮反力よりも遙かに小さい。このため、下死点位置付近にあるピストン23の第2シュー25Bと、第2斜板51との接触面積が狭くなっても、第2斜板51及び第2シュー25Bの耐久性に関して何ら問題が生じることはない。
第1斜板18の外周縁部において、上死点位置にあるピストン23Aに対応する部分及び該部分に対して周方向前後に位置する部分には、第2斜板51と反対側の凸角部18bに傾斜面(面取り)が設けられている。つまり、ヒンジ機構19付近に対応する第2斜板51の外周縁部の部分において、第2斜板51と反対側の凸角部18bには傾斜面(面取り)が設けられている。つまり、ピストン23を上死点位置に配置する第1斜板18の周方向の範囲に対応する第1斜板18の外周縁部の部分において、ピストン23Aと反対側の凸角部18bに傾斜面が設けられている。凸角部18bの傾斜面(面取り)は、上死点位置にあるピストン23Aに対応する部分が最も大きく、該部分から周方向へ離れるにつれて徐々に小さくなるようにして設けられている。凸角部18bの傾斜面(面取り)は、上死点位置にあるピストン23Aに対応する部分を中間とした、四半周領域〜半周領域の範囲内で設けられている。
第1斜板18の外周縁部において、下死点位置にあるピストン23Bに対応する部分及び該部分に対して周方向前後に位置する部分には、第2斜板51側の凸角部18cに傾斜面(面取り)が設けられている。つまり、ピストン23Bを下死点位置に配置する第1斜板18の周方向の範囲に対応する第1斜板18の外周縁部の部分において、ピストン23Bと反対側の凸角部18cに傾斜面が設けられている。
該傾斜面(面取り)は、下死点位置にあるピストン23Bに対応する部分が最も大きく、該部分から周方向へ離れるにつれて徐々に小さくなるようにして設けられている。凸角部18cの傾斜面(面取り)は、下死点位置にあるピストン23Bに対応する部分を中間とした、四半周領域〜半周領域の範囲内で設けられている。なお、凸角部18cの傾斜面(面取り)は、第1斜板18の中心軸線M1周りでの重量バランスを考慮して、凸角部18bの傾斜面(面取り)とほぼ同じ大きさで設けられている。
上記構成の本実施形態においては次のような効果を奏する。
(1−1)第2斜板51を、第1斜板18に対して上死点位置にあるピストン23A側に偏心させて配置することで、第1斜板18及び第2斜板51を大径化しなくとも、上死点位置付近にあるピストン23の第2シュー25Bと第2斜板51との接触面積を広くすることができる。従って、第2斜板51と第2シュー25Bとの接触摺動性が良好となり、ピストン23の耐久性低下及び大型化を抑制しつつ、第2斜板51及び第2シュー25Bの耐久性を向上させることができる。
(1−1)第2斜板51を、第1斜板18に対して上死点位置にあるピストン23A側に偏心させて配置することで、第1斜板18及び第2斜板51を大径化しなくとも、上死点位置付近にあるピストン23の第2シュー25Bと第2斜板51との接触面積を広くすることができる。従って、第2斜板51と第2シュー25Bとの接触摺動性が良好となり、ピストン23の耐久性低下及び大型化を抑制しつつ、第2斜板51及び第2シュー25Bの耐久性を向上させることができる。
(1−2)本実施形態のように、第1斜板18及び第2斜板51に加えてスラスト軸受53を備える斜板構造では、該斜板構造における第1シュー25Aと第2シュー25Bとの間での厚みが厚くなってしまう。このような条件的に厳しい構成において、第2斜板51を第1斜板18に対して偏心させて、上死点位置付近にあるピストン23の第2シュー25Bと第2斜板51との接触面積を広くできることは、ピストン23の耐久性低下及び大型化を抑制しつつ第2斜板51及び第2シュー25Bの耐久性を向上させる上で特に有効となる。
(1−3)第1斜板18の外周縁部において、上死点位置にあるピストン23Aに対応する部分には、第2斜板51と反対側の凸角部18bに傾斜面(面取り)が設けられている。また、第1斜板18の外周縁部において、下死点位置にあるピストン23Bに対応する部分には、第2斜板51側の凸角部18cに傾斜面(面取り)が設けられている。駆動軸16に対して傾斜する第1斜板18は、上死点位置にあるピストン23Aに対応する外周縁部において、第2斜板51と反対側の凸角部18bが、駆動軸16の径方向へ向かって大きく突出することとなる。また、第1斜板18は、下死点位置にあるピストン23Bに対応する外周縁部において、第2斜板51側の凸角部18cが駆動軸16の径方向へ向かって大きく突出することとなる。
従って、これら第1斜板18における突出部分(凸角部18b,18cの一部)を面取りすることで、ピストン23の耐久性低下及び大型化を抑制しつつ、第1斜板18を大径化することができる。従って、第1斜板18による第2斜板51の支持が好適となり、上死点位置付近にあるピストン23の第2シュー25Bを介して第2斜板51に作用する大きな圧縮反力を、第2斜板51を介して第1斜板18によって好適に受承することができる。これは第2斜板51の耐久性向上につながる。
(1−4)冷凍回路の冷媒としては二酸化炭素が用いられている。二酸化炭素冷媒を用いた場合には、フロン冷媒(例えばR134a)を用いた場合よりも冷凍回路内の圧力が非常に高くなる。従って、圧縮機においてもピストン23に作用する圧縮反力が大きくなり、よって第2斜板51と第2シュー25Bとの圧接力が強くなる。このような態様において本発明を具体化することは、ピストン23の耐久性低下及び大型化を抑制しつ第2斜板51及び第2シュー25Bの耐久性を向上させる上で特に有効となる。
次に、第2実施形態について、図3及び図4を参照して説明する。なお、本実施形態では、第1実施形態との相違点についてのみ説明し、同一又は相当部材には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
第1シュー25A及び第2シュー25Bにおいて、ヒンジ機構19側つまり圧縮室24と反対側に位置する第1シュー25Aは、半球面25aと反対側の摺接面25bにおいて、第1斜板18の外周部18−1の前面に対して摺動可能に当接されている。また、ヒンジ機構19と反対側つまり圧縮室24側であって圧縮反力を受ける側の第2シュー25Bは、半球面25aと反対側の摺接面25bにおいて、第2斜板51の外周部51−2の後面に対して摺動可能に当接されている。第1シュー25Aの摺接面25bは、中央部が第1斜板18側に突出された中高形状をなしている(図4参照。図4において中高形状は誇張して描いてある)。第2シュー25Bの摺接面25bは平面状をなしている。
第1斜板18の内周部を構成する支持部39と第2斜板51の内周部51−1との間、詳しくは支持部39の外周面と第2斜板51の支持孔51aの内周面との間には、転がり軸受よりなるラジアル軸受52Aが介在されている。ラジアル軸受52Aは、第2斜板51において支持孔51aの内周面に取り付けられた外側レース52aと、第1斜板18において支持部39の外周面に取り付けられた内側レース52bと、外側レース52aと内側レース52bとの間に複数介在された、転動素子としてのコロ52cとからなっている。
第1シュー25Aと第2シュー25Bとの間において第1斜板18の外周部18−1と第2斜板51の外周部51−2との間には、転がり軸受よりなるスラスト軸受53が介在されている。スラスト軸受53は、転動素子としてのコロ53aを複数有しており、複数のコロ53aは保持器53bによって自転可能に保持されている。スラスト軸受53においてコロ53aと第1斜板18との間には、円環状をなすレース55が介在されている。レース55は、SPC等の軟鋼よりなる基材に浸炭熱処理が施されてなる。コロ53aにおいて両端の角部には面取りが施されており、コロ53aが第2斜板51及びレース55に角当たりして第2斜板51及びレース55を損傷しないようになっている。
第1斜板18の後面において外周部18−1の最外周には、第2斜板51側に向かって円環状をなす係止部18dが突設されている。レース55は係止部18dの内側に配置されており、レース55はその外周縁と係止部18dとの当接によって径方向外側で第1斜板18に係止されている。レース55は、係止部18dに案内されることで、第1斜板18に対して相対回転可能となっている。
第2斜板51は、ラジアル軸受52A及びスラスト軸受53を介することで、第1斜板18と相対回転可能でかつ一体的に傾動可能となるように、第1斜板18によって支持されている。従って、第1斜板18が回転すると、ラジアル軸受52A及びスラスト軸受53の作用によって、第1斜板18と第2斜板51との間に転がりが生じ、面同士の滑りに起因した機械損失が転がりによる機械損失に換わり、圧縮機における機械損失の発生を大幅に抑制することができる。
第2斜板51においてラジアル軸受52Aの支持を受ける内周部51−1の板厚Y1は、第2斜板51においてスラスト軸受53の支持を受ける外周部51−2の板厚Y2よりも厚くされている。詳しくは、第2斜板51の外周部51−2の板厚Y2は、第1斜板18の外周部18−1の板厚Xの半分以上でかつ第1斜板18の外周部18−1の板厚Xよりも薄く設定されている。また、第2斜板51の内周部51−1の板厚Y1は、第1斜板18の外周部18−1の板厚Xよりも厚くされている。
第2斜板51の内周部51−1は、第1斜板18側に突設された円筒状の第1突状部56、及び第1斜板18と反対側に突設された円筒状の第2突状部57を備えることで、第2斜板51の外周部51−2よりも板厚が厚くされている(Y1>Y2)。第1突状部56及び第2突状部57は支持孔51aと同軸位置に配置されており、第1突状部56及び第2突状部57の内周面は支持孔51aの内周面の一部を構成する。第2突状部57の外径Z2は、第1突状部56の外径Z1よりも小さくされている。また、第2突状部57において先端面の外周角57aには、全体にテーパ形状の面取りが施されている。
支持部39は、第1斜板18の中心軸線M1に対して、上死点位置にあるピストン23A側に偏心して設けられている。従って、第2斜板51及びラジアル軸受52A並びにスラスト軸受53(レース55も含む)は、第1斜板18に対して、上死点位置にあるピストン23A側に偏心されている。よって、第2斜板51及びラジアル軸受52A並びにスラスト軸受53の中心軸線M2は、第1斜板18の中心軸線M1に対して、上死点位置にあるピストン23Aに対応した第1及び第2シュー25A,25Bの中心点P側に若干量だけ平行にずれている。
第2実施形態においては、第1実施形態と同様の効果が得られる上、次のような効果を奏する。
(2−1)第1シュー25Aと第2シュー25Bとの間において第1斜板18の外周部18−1と第2斜板51の外周部51−2との間には、第2斜板51を第1斜板18に対して相対回転可能に支持するスラスト軸受53が配置されている。第1斜板18の内周部(支持部39)と第2斜板51の内周部51−1との間には、第2斜板51を第1斜板18に対して相対回転可能に支持するラジアル軸受52Aが配置されている。
(2−1)第1シュー25Aと第2シュー25Bとの間において第1斜板18の外周部18−1と第2斜板51の外周部51−2との間には、第2斜板51を第1斜板18に対して相対回転可能に支持するスラスト軸受53が配置されている。第1斜板18の内周部(支持部39)と第2斜板51の内周部51−1との間には、第2斜板51を第1斜板18に対して相対回転可能に支持するラジアル軸受52Aが配置されている。
従って、スラスト軸受53及びラジアル軸受52Aの作用によって、第1斜板18の外周部18−1と第2斜板51の外周部51−2との間、及び第1斜板18の内周部(支持部39)と第2斜板51の内周部51−1との間に生じる回転抵抗を効果的に低減することができる。よって、二酸化炭素を冷媒とする冷凍回路に用いられる圧縮機10であっても、第1斜板18と第2斜板51との間の滑りを転がりによる機械損失とすることができる。その結果、機械損失や焼付き等の不具合の発生を効果的に抑制することができる。
(2−2)第2斜板51において外周部51−2の板厚Y2は、第1斜板18における外周部18−1の板厚Xの半分以上でかつ外周部18−1の板厚Xよりも薄くされている。ピストン23の大型化つまりは圧縮機の大型化を避けようとすると、第1シュー25Aと第2シュー25Bとの間のスペースが限られることとなる。この限られたスペースにおいて、第1斜板18の外周部18−1の板厚Xを厚くすると第2斜板51の外周部51−2の板厚Y2を薄くする必要があり、逆に第2斜板51の外周部51−2の板厚Y2を厚くすると第1斜板18の外周部18−1の板厚Xを薄くする必要がある。
圧縮反力の受承の観点からは、第1斜板18及び第2斜板51ともできるだけ外周部18−1,51−2の板厚X,Y2を厚くして強度を確保する必要があるが、駆動軸16から動力が伝達される第1斜板18において、外周部18−1の板厚Xの確保は、第1斜板18に対して滑ればよい第2斜板51における、外周部51−2の板厚Y2の確保よりも優先すべきである。そういった意味において好適なのが、第2斜板51において外周部51−2の板厚Y2を、第1斜板18における外周部18−1の板厚Xの半分以上でかつ外周部18−1の板厚Xよりも薄く設定することなのである。
(2−3)第2斜板51は、内周部51−1の板厚Y1が外周部51−2の板厚Y2よりも厚くされている。厚い内周部51−1によって、ラジアル軸受52Aによる第2斜板51の支持が安定し、第1斜板18と第2斜板51との間の滑りをさらに良好とすることができる。また、内周部51−1に対して相対的に薄い第2斜板51の外周部51−2によって、第2斜板51よりも強度的に厳しい第1斜板18の外周部18−1の板厚確保が容易となる。
(2−4)第2斜板51の外周部51−2の板厚Y2は、第1斜板18の外周部18−1の板厚Xよりも薄くされている。従って、第2斜板51の薄い外周部51−2によって、第2斜板51よりも強度的に厳しい第1斜板18の外周部18−1の板厚確保が容易となる。第2斜板51において内周部51−1の板厚Y1は、第1斜板18の外周部18−1の板厚Xよりも厚くされている。従って、ラジアル軸受52Aによる第2斜板51の支持がさらに安定する。
(2−5)第2斜板51の内周部51−1を構成する第1突状部56及び第2突状部57において、第2突状部57の外径Z2は第1突状部56の外径Z1よりも小さくされている。第2突状部57は、例えば、圧縮機10の吐出容量が最大の状態(図3の状態)にて、下死点位置にあるピストン23Bに対して一部が至極接近する。従って、第2突状部57を第1突状部56よりも小径としてピストン23から離間させることは、第2斜板51とピストン23との干渉を回避することと、第2斜板51の内周部51−1の板厚Y1を厚くすることとを両立する上で有効となる。
(2−6)第2斜板51の内周部51−1を構成する第2突状部57において、先端面の外周角57aには面取りが設けられている。第2突状部57は、例えば、圧縮機の吐出容量が最大の状態にて、下死点位置にあるピストン23Bに対して先端面の外周角57aの一部が至極接近する。従って、第2突状部57の先端面の外周角57aに面取りを設けることは、第2斜板51とピストン23との干渉を回避することと、第2斜板51の内周部51−1の板厚Y1を厚くすることとを両立する上で有効となる。
(2−7)第1斜板18の外周縁において、上死点位置にあるピストン23Aに対応する部分には、第2斜板51と反対側の凸角部18bに傾斜面(面取り)が設けられている。従って、ピストン23の耐久性低下及び大型化を抑制しつつ第1斜板18及び第2斜板51を大径化することができる。よって、第2斜板51と第2シュー25Bとの接触摺動性が良好となり、ピストン23の耐久性低下及び大型化を抑制しつつ、第2斜板51及び第2シュー25Bの耐久性を向上させることができる。
即ち、駆動軸16に対して傾斜する第1斜板18は、上死点位置にあるピストン23Aに対応する外周縁において、第2斜板51と反対側の凸角部18b(面取り無しの状態)が、駆動軸16の径方向へ向かって大きく突出することとなる。第1斜板18において第2斜板51と反対側の凸角部18bが径方向へ大きく突出すると、該突出部分との干渉を回避するために、ピストン23において該突出部分に対応する首部38の肉厚を薄くするか、首部38を径方向に大型化することが考えられる。しかし、首部38の薄肉化はピストン23の耐久性低下につながるし、首部38の大型化は圧縮機が大型化することにつながってしまう。
このような問題を解決するために、第1斜板18の半径を小さくして、前述した凸角部18bとピストン23との干渉を回避することが考えられる。しかし、第1斜板18の半径を小さくすると、第1斜板18による支持が必要な第2斜板51の半径も小さくせざるを得ない。従って、特に、上死点位置付近(圧縮行程)にあるピストン23において、大きな圧縮反力を受ける第2シュー25Bと第2斜板51との接触面積が狭くなり、第2斜板51及び第2シュー25Bの耐久性が低下する問題がある。
(2−8)ラジアル軸受52Aの転動素子として、コロ52cが用いられている。転動素子としてコロ52cを用いた転がり軸受は、例えば転動素子としてボールを用いた場合と比較して耐荷重性に優れることとなる。これはラジアル軸受52Aの小型化ひいては圧縮機10の小型化につながる。
(2−9)スラスト軸受53のコロ53aと第1斜板18との間にはレース55が介在されている。レース55は、第1斜板18に対して相対回転可能となっている。
ここで、例えば、スラスト軸受53のコロ53aを第1斜板18上で直接転動させる構成の場合、第1斜板18の一部(上死点位置付近にあるピストン23に対応する部分)に集中して大きな圧縮反力が作用されることとなり、当該部位が局部的に摩耗劣化する問題がある。しかし、本実施形態においては、コロ53aと第1斜板18との間にレース55が介在されており、コロ53aに作用する圧縮反力は、レース55を介することで面圧を低くして第1斜板18に作用するため、第1斜板18が局部的に摩耗劣化することを抑制できる。また、第1斜板18に対して相対回転するレース55においては、大きな圧縮反力がコロ53aを介して作用する部位が順次入れ替わり、レース55が局部的に摩耗劣化することを防止できる。
ここで、例えば、スラスト軸受53のコロ53aを第1斜板18上で直接転動させる構成の場合、第1斜板18の一部(上死点位置付近にあるピストン23に対応する部分)に集中して大きな圧縮反力が作用されることとなり、当該部位が局部的に摩耗劣化する問題がある。しかし、本実施形態においては、コロ53aと第1斜板18との間にレース55が介在されており、コロ53aに作用する圧縮反力は、レース55を介することで面圧を低くして第1斜板18に作用するため、第1斜板18が局部的に摩耗劣化することを抑制できる。また、第1斜板18に対して相対回転するレース55においては、大きな圧縮反力がコロ53aを介して作用する部位が順次入れ替わり、レース55が局部的に摩耗劣化することを防止できる。
(2−10)レース55及びスラスト軸受53も第2斜板51と同様に偏心して配置されているので、スラスト軸受53のコロ53aは、確実にレース55上を転動する。
(2−11)第1斜板18の外周部18−1には、第2斜板51側に向かって係止部18dが突設されており、係止部18dとの当接によってレース55が径方向外側で第1斜板18に係止されている。
(2−11)第1斜板18の外周部18−1には、第2斜板51側に向かって係止部18dが突設されており、係止部18dとの当接によってレース55が径方向外側で第1斜板18に係止されている。
ここで、例えば、第1斜板18の内周部に係止部を設けることで、レース55を径方向内側で第1斜板18に係止する構成では、第1斜板18に付着された潤滑油(冷凍機油)が遠心力の作用によって径方向外側に移動する際、該潤滑油の第1斜板18とレース55との間への入り込みが係止部で阻害されてしまう。しかし、レース55を径方向外側で第1斜板18に係止する本実施形態によれば、第1斜板18とレース55との間への潤滑油の入り込みが係止部18dによって阻害されることを防止でき、第1斜板18とレース55との間の滑りを良好とすることができる。
(2−12)係止部18dは円環状をなしている。従って、係止部18dによるレース55の係止が安定して行われ、レース55と第1斜板18との間の滑りがさらに良好となる。
次に、第3実施形態について、図5及び図6を参照して説明する。なお、本実施形態では、第2実施形態との相違点についてのみ説明し、同一又は相当部材には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図6に示すように、支持部39は、第1斜板18の中心軸線M1に対して、上死点位置にあるピストン23A側に偏心して設けられている。従って、図5に示すように、第2斜板51及びラジアル軸受52並びにスラスト軸受53は、第1斜板18に対して、駆動軸16側から上死点位置にあるピストン23A側に偏心されているが、レース55は偏心されていない。又、駆動軸16を挿通する挿通孔18aは、偏心されていない。第2斜板51及びラジアル軸受52A(図3参照)並びにスラスト軸受53の中心軸線M2は、第1斜板18の中心軸線M1に対して、上死点位置にあるピストン23Aに対応した第1シュー25A及び第2シュー25Bの中心点P側に若干量だけ平行にずれている。
第3の実施形態では、(2−7)項を除いて第2の実施形態と同様の効果が得られる。
次に、第4実施形態について、図7を参照して説明する。なお、本実施形態では、第2,3実施形態との相違点についてのみ説明し、同一又は相当部材には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
次に、第4実施形態について、図7を参照して説明する。なお、本実施形態では、第2,3実施形態との相違点についてのみ説明し、同一又は相当部材には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
第2斜板51は、第1斜板18Aに対して、駆動軸16(図5参照)側から上死点位置にあるピストン23A側に偏心されている。つまり、第2斜板51の外周は、第1斜板18Aに対して駆動軸16側から上死点位置にあるピストン23A(図5参照)側にずらされている。第1斜板18Aの外周は、楕円形状をしており、この楕円の短軸は、中心軸線M1を通って、第1斜板18Aに対する第2斜板51の偏心方向を向いている。従って、上死点位置にあるピストン23Aに対応する第1斜板18Aの外周(図7において第1斜板18Aの外周の下半周)は、基準形状の円周C(鎖線で示す)から半径方向の内方へずれた退避部18eとなっている。同様に、下死点位置にあるピストン23B(図5参照)に対応する第1斜板18Aの外周(図7において第1斜板18Aの外周の上半周)は、基準形状の円周Cから半径方向の内方へずれた退避部18fとなっている。つまり、退避部18e,18fは、第1斜板18Aの中心軸線M1上に中心を有する基準形状の円周Cから半径方向の内方へ退避した形状に形成されている。
基準形状の円周Cの径は、第2斜板51の径と同じであり、第1斜板18Aの外周(楕円形状)の長軸は、基準形状の円周Cの径と同じである。
第1斜板18Aの外周縁部において、上死点位置にあるピストン23Aに対応する部分には退避部18eが設けられている。また、第1斜板18Aの外周縁部において、下死点位置にあるピストン23Bに対応する部分には退避部18fが設けられている。駆動軸16に対して傾斜する第1斜板18Aは、上死点位置にあるピストン23Aに対応する外周縁部において、第2斜板51と反対側の凸角部18b(図5参照)が、駆動軸16の径方向へ向かって大きく突出することとなる。また、第1斜板18は、下死点位置にあるピストン23Bに対応する外周縁部において、第2斜板51側の凸角部18c(図5参照)が駆動軸16の径方向へ向かって大きく突出することとなる。
第1斜板18Aの外周縁部において、上死点位置にあるピストン23Aに対応する部分には退避部18eが設けられている。また、第1斜板18Aの外周縁部において、下死点位置にあるピストン23Bに対応する部分には退避部18fが設けられている。駆動軸16に対して傾斜する第1斜板18Aは、上死点位置にあるピストン23Aに対応する外周縁部において、第2斜板51と反対側の凸角部18b(図5参照)が、駆動軸16の径方向へ向かって大きく突出することとなる。また、第1斜板18は、下死点位置にあるピストン23Bに対応する外周縁部において、第2斜板51側の凸角部18c(図5参照)が駆動軸16の径方向へ向かって大きく突出することとなる。
これら第1斜板18における突出部分(凸角部18b,18cの一部)を半径方向の内方へ退避させる構成は、ピストン23と第1斜板18Aの外周との干渉の回避に有効である。
なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で、例えば以下の態様でも実施可能である。
(1)第4の実施形態において、第1斜板18Aが傾斜しているときの凸角部18c側の突出は、凸角部18b側の突出に比べて少ない。そこで、第1斜板18Aの外周縁部において、上死点位置にあるピストン23Aに対応する部分に退避部18eを設け、下死点位置にあるピストン23Bに対応する部分には退避部を設けないようにする実施形態も可能である。
(1)第4の実施形態において、第1斜板18Aが傾斜しているときの凸角部18c側の突出は、凸角部18b側の突出に比べて少ない。そこで、第1斜板18Aの外周縁部において、上死点位置にあるピストン23Aに対応する部分に退避部18eを設け、下死点位置にあるピストン23Bに対応する部分には退避部を設けないようにする実施形態も可能である。
(2)第4の実施形態において、基準形状の円周Cの一部を平行にずらして退避部を形成するようにしてもよい。
(3)第2斜板51と第2シュー25Bとの間で相対回転が生じない構成も可能である。このような構成の場合、第1斜板18の中心軸線M1と第2斜板51の中心軸線M2とが一致し、上死点位置にあるピストン23Aに対応する第2斜板51の外周の部分が、第1斜板18に対して駆動軸16側から上死点位置にあるピストン23A側にずれているようにしてもよい。
(3)第2斜板51と第2シュー25Bとの間で相対回転が生じない構成も可能である。このような構成の場合、第1斜板18の中心軸線M1と第2斜板51の中心軸線M2とが一致し、上死点位置にあるピストン23Aに対応する第2斜板51の外周の部分が、第1斜板18に対して駆動軸16側から上死点位置にあるピストン23A側にずれているようにしてもよい。
(4)第1,2実施形態において、第2斜板51は、その中心軸線M2が第1斜板18の中心軸線M1に対して、上死点位置にあるピストン23Aが備える第1シュー25A及び第2シュー25Bの中心点P側に平行にずらされていた。つまり、第2斜板51の中心軸線M2は、第1斜板18の中心軸線M1、及び上死点位置にあるピストン23Aが備える第1シュー25A及び第2シュー25Bの中心点Pで決定される平面上に存在されていた。
しかし、「第2斜板を、第1斜板に対して上死点位置にあるピストン側に偏心させて配置する」とは、第1,2実施形態の態様に限定されるものではない。つまり、第2斜板51の中心軸線M2は、第1斜板18の中心軸線M1、及び上死点位置にあるピストン23Aが備える第1シュー25A及び第2シュー25Bの中心点Pで決定される平面に中心軸線M1で直交する平面に対して、上死点位置にあるピストン23A側にずれて存在すればよい。しかし、上死点位置付近にあるピストン23の第2シュー25Bと第2斜板51との接触面積を確実に広くするには、上死点位置にあるピストン23Aが備える第1シュー25A及び第2シュー25Bの中心点Pを中心軸線M1周りにおける0°の位置とすると、±45°の範囲内の点を中心軸線M2が通過するように、第2斜板51を第1斜板18に対して偏心させるとよい。
(5)第1,2実施形態において、ラジアル軸受52,52Aを削除し、第2斜板51を支持部39によって滑り受けすること。
(6)第1,2実施形態において、スラスト軸受53を削除し、第2斜板51を第1斜板18に直接摺動させること。
(6)第1,2実施形態において、スラスト軸受53を削除し、第2斜板51を第1斜板18に直接摺動させること。
(7)第1,2実施形態において、ラジアル軸受52,52A、スラスト軸受53を削除するとともに、第2斜板51を第1斜板18に固定することで、第2斜板51を第1斜板18と一体回転可能とすること。
この場合、第2斜板51の外周縁部において、上死点位置にあるピストン23Aに対応する部分に対し、第1斜板18側の凸角部に面取りを施すこと。それに加え、第2斜板51の外周縁部において、下死点位置にあるピストン23Bに対応する部分に対し、第1斜板18と反対側の凸角部に面取りを施すこと。
図2,4を参照すれば、駆動軸16に対して傾斜する第2斜板51は、上死点位置にあるピストン23Aに対応する外周縁部において、第1斜板18側の凸角部が駆動軸16の径方向へ向かって大きく突出することとなる。また、第2斜板51は、下死点位置にあるピストン23Bに対応する外周縁部において、第1斜板18と反対側の凸角部が、駆動軸16の径方向へ向かって大きく突出することとなる。従って、これら第2斜板51における突出部分(凸角部の一部)を面取りすることで、ピストン23の耐久性低下及び大型化を抑制しつつ第2斜板51を大型化することができる。よって、上死点位置付近にあるピストン23の第2シュー25Bと第2斜板51との接触面積をさらに広くすることができ、第2斜板51及び第2シュー25Bの耐久性をさらに向上させることができる。
(8)第1〜第4実施形態においては、第1斜板18及び第2斜板51の二枚が用いられていたがこれを変更し、例えば、第2斜板51と第2シュー25Bとの間に第3斜板を配置するようにしてもよい。つまり、本発明を適用可能な斜板構造は、第1斜板及び第2斜板の二枚のみを用いたものに限定されるものではなく、前述した三枚や、四枚或いは五枚等、複数枚の斜板を備えたものであればよい。
(9)固定容量型の斜板式圧縮機に本発明を適用すること。
(10)両頭型のピストンを備えた斜板式圧縮機に本発明を適用すること。この場合、第1斜板において前後面の一方側にのみ第2斜板を配置するようにしてもよいし、第1斜板において前後面の両側にそれぞれ第2斜板を配置するようにしてもよい。
(10)両頭型のピストンを備えた斜板式圧縮機に本発明を適用すること。この場合、第1斜板において前後面の一方側にのみ第2斜板を配置するようにしてもよいし、第1斜板において前後面の両側にそれぞれ第2斜板を配置するようにしてもよい。
(11)本発明は、冷凍回路に用いられる冷媒圧縮機に適用することに限定されるものではなく、例えばエア圧縮機に適用してもよい。
(12)第2実施形態を変更し、例えば図5に示すように、第1シュー25Aの摺接面25bを平面状とすること。
(12)第2実施形態を変更し、例えば図5に示すように、第1シュー25Aの摺接面25bを平面状とすること。
(13)第2実施形態を変更し、例えば図5に示すように、第2シュー25Bの摺接面25bを、中央部が窪んだ中凹状とすること。このようにすれば、ピストン23とともに往復直線運動する第2シュー25Bを軽量化することができ、第2シュー25Bの慣性力を低減できて、第1斜板18及び第2斜板51の傾斜角度の変更つまり圧縮機の吐出容量の変更をスムーズに行い得る。
(14)第2,3実施形態において、ラジアル軸受52Aを、滑り軸受に変更すること。
(15)第2,3実施形態において、スラスト軸受53を、転動素子としてのボールを備えた転がり軸受に変更すること。
(15)第2,3実施形態において、スラスト軸受53を、転動素子としてのボールを備えた転がり軸受に変更すること。
(16)第2,3実施形態において、スラスト軸受53を、滑り軸受に変更すること。
(17)第2,3実施形態において、ラジアル軸受52Aは、第2斜板51に作用するラジアル荷重(中心軸線M2と直交方向の荷重)のみを受ける構成であった。これを変更し、例えばコロ52cを第2斜板51の中心軸線M2に対して傾斜させて配置することで、ラジアル軸受52Aを、ラジアル荷重のみならずスラスト荷重(中心軸線M2に沿う方向の荷重)も受けられる構成とすること。
(17)第2,3実施形態において、ラジアル軸受52Aは、第2斜板51に作用するラジアル荷重(中心軸線M2と直交方向の荷重)のみを受ける構成であった。これを変更し、例えばコロ52cを第2斜板51の中心軸線M2に対して傾斜させて配置することで、ラジアル軸受52Aを、ラジアル荷重のみならずスラスト荷重(中心軸線M2に沿う方向の荷重)も受けられる構成とすること。
(18)第1〜3実施形態において、スラスト軸受53は、第2斜板51に作用するスラスト荷重のみを受ける構成であった。これを変更し、例えばコロ53aを第2斜板51の盤面に対して傾斜させて配置することで、スラスト荷重のみならずラジアル荷重も受けられる構成とすること。
(19)第2,3実施形態において、レース55を削除し、スラスト軸受53のコロ53aを第1斜板18上で直接転動させる構成とすること。
(20)第2,3実施形態において、係止部18dを削除するとともに、第1斜板18の内周部に係止部を設ける(例えば支持部39の基部に係止部を兼ねさせる)ことで、レース55を径方向内側で第1斜板18に係止すること。
(20)第2,3実施形態において、係止部18dを削除するとともに、第1斜板18の内周部に係止部を設ける(例えば支持部39の基部に係止部を兼ねさせる)ことで、レース55を径方向内側で第1斜板18に係止すること。
前記した実施形態から把握できる技術的思想について記載する。
(1)前記第1斜板には、前記第2斜板側に向かって係止部が突設されており、該係止部との当接によって前記レースが径方向で前記第1斜板に係止されている請求項8に記載の斜板式圧縮機。
(1)前記第1斜板には、前記第2斜板側に向かって係止部が突設されており、該係止部との当接によって前記レースが径方向で前記第1斜板に係止されている請求項8に記載の斜板式圧縮機。
(2)前記係止部は円環状をなしている前記技術的思想(1)に記載の斜板式圧縮機。
(3)前記第1及び第2シューはそれぞれ半球状をなすとともに該第1及び第2シューの曲率中心点は一致され、該曲率中心点は前記ピストンの中心軸線上に存在されており、前記スラスト軸受のPCDを、前記第1斜板の中心軸線を中心軸線として前記第1及び第2シューの曲率中心点を通る仮想円筒の直径よりも大きくした請求項1〜10のいずれか1項又は前記技術的思想(1)或いは(2)に記載の斜板式圧縮機。
(3)前記第1及び第2シューはそれぞれ半球状をなすとともに該第1及び第2シューの曲率中心点は一致され、該曲率中心点は前記ピストンの中心軸線上に存在されており、前記スラスト軸受のPCDを、前記第1斜板の中心軸線を中心軸線として前記第1及び第2シューの曲率中心点を通る仮想円筒の直径よりも大きくした請求項1〜10のいずれか1項又は前記技術的思想(1)或いは(2)に記載の斜板式圧縮機。
(4)前記第1斜板は、基準形状の外周から半径方向の内方へ退避した退避部を備え、前記退避部の配置場所は、上死点位置又は下死点位置にある前記ピストンに対応する場所である請求項1乃至請求項10のいずれか1項又は前記技術的思想(1)乃至(3)に記載の斜板式圧縮機。
16…駆動軸。18,18A…第1斜板。18e,18f…退避部。23…ピストン(23A…上死点位置にあるピストン、23B…下死点位置にあるピストン)。25A…第1シュー。25B…第2シュー。51…第2斜板。39…支持部。52,52A…ラジアル軸受。53…スラスト軸受。53a…コロ。55…レース。
Claims (10)
- 駆動軸には第1斜板が一体回転可能に連結され、該第1斜板には第2斜板が支持され、前記第1及び第2斜板には、前記第1斜板に当接する第1シュー、及び前記第2斜板に当接する圧縮反力を受ける側の第2シューを介してピストンが係留されており、前記駆動軸の回転にともなう前記第1斜板の回転によって、前記ピストンが往復直線運動されてガスの圧縮が行われる斜板式圧縮機において、
前記第2斜板の外周の全周の一部が、前記第1斜板に対して前記駆動軸側から上死点位置にある前記ピストン側にずれていることを特徴とする斜板式圧縮機。 - 前記第2斜板は、前記第1斜板に対して前記駆動軸側から上死点位置にある前記ピストン側に偏心させて配置されている請求項1に記載の斜板式圧縮機。
- 前記第1斜板には支持部が前記駆動軸を取り囲むようにして突設されており、前記第2斜板は、前記支持部によって支持されており、前記支持部は、前記第1斜板に対して前記駆動軸側から上死点位置にある前記ピストン側に偏心させて配置されている請求項2に記載の斜板式圧縮機。
- 前記第2斜板は、前記第1斜板において該第1斜板に対して相対回転可能に支持されている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の斜板式圧縮機。
- 前記第2斜板は、前記第1斜板において該第1斜板に対して相対回転可能に支持されており、前記第2斜板は、ラジアル軸受を介して前記支持部に支持されている請求項3に記載の斜板式圧縮機。
- 前記第1斜板と前記第2斜板との間にはスラスト軸受が介在されている請求項4及び請求項5のいずれか1項に記載の斜板式圧縮機。
- 前記スラスト軸受は、コロを備えた転がり軸受である請求項6に記載の斜板式圧縮機。
- 前記第1斜板と前記転がり軸受との間には環状のレースが介在されており、前記第2斜板、前記転がり軸受及び前記レースは、前記第1斜板に対して前記駆動軸側から上死点位置にある前記ピストン側に偏心させて配置されている請求項7に記載の斜板式圧縮機。
- 前記斜板式圧縮機は、前記第1斜板及び第2斜板の傾斜角度が変更されることによって吐出容量が変更される容量可変型斜板式圧縮機である請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の斜板式圧縮機。
- 前記ガスは冷凍回路に用いられる冷媒であって、該冷媒としては二酸化炭素が用いられている請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の斜板式圧縮機。
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