JP2005113768A - 電子制御弁駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡単な構成で、高性能な電子制御弁駆動装置を提供する。
【解決手段】 2極のロータに対して3つのステータを有するブラシレスモータ8を4つのスイッチング素子41,42,43,44を用いて回転制御する構成を有する。第2スイッチング素子41と第3スイッチング素子44を通電可能状態にしたときにステータ13とステータ15を用いてブラシレスモータ8を正転させる一方で、第1スイッチング素子42と第4スイッチング素子43を通電可能状態にしたときにステータ13とステータ14を用いてブラシレスモータ8を逆転させる。
【選択図】 図4
【解決手段】 2極のロータに対して3つのステータを有するブラシレスモータ8を4つのスイッチング素子41,42,43,44を用いて回転制御する構成を有する。第2スイッチング素子41と第3スイッチング素子44を通電可能状態にしたときにステータ13とステータ15を用いてブラシレスモータ8を正転させる一方で、第1スイッチング素子42と第4スイッチング素子43を通電可能状態にしたときにステータ13とステータ14を用いてブラシレスモータ8を逆転させる。
【選択図】 図4
Description
本発明は、スロットルバルブなどの電子制御弁を回転させるとともに、その回転角度を制御する電子制御弁駆動装置に関する。
電子制御弁駆動装置は、電子制御弁の回転角度や、位置を電子的に制御するもので、例えば、エンジンの吸気量を調整するスロットルバルブの開度を制御するものがあげられる。この種の電子制御弁駆動装置としては、多極多ステータからなるブラシレスモータでスロットルバルブを直接駆動するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このブラシレスモータは3つ相への通電を順番に切り替えてロータを多回転させるもので、通電する相の選択は、磁極位置検出器の出力信号に基づいて行われる。磁極位置検出器は、回転子と3個のホール素子とで構成される。また、スロットルバルブの開度は開度センサで検出し、制御装置によりフィードバック制御される。
特許第3070292号公報(段落0011から0014、0020、第1図)
しかしながら、上記のようにしてブラシレスモータで電子制御弁を直接駆動させようとすると、相を切り替えるためにロータの回転角度を検出するセンサが3つ必要となる。さらに、この種のブラシレスモータの駆動回路には、各相の通電制御を行うスイッチング素子が1つの相に対して2つずつ、合計6個のスイッチング素子が必要なる。このため、電子制御弁駆動装置が大型化し、コストが高くなるという問題を有する。
また、相の切り替えを考慮しつつ、スロットルバルブを任意の回転角度で停止させるためには複雑な制御を行われなければならない。
この発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、高性能な電子制御弁駆動装置を提供することを目的とする。
また、相の切り替えを考慮しつつ、スロットルバルブを任意の回転角度で停止させるためには複雑な制御を行われなければならない。
この発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、高性能な電子制御弁駆動装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決する本発明の請求項1に係る発明は、制御装置(例えば、実施形態の制御装置30)からの出力に基づいてモータを回転させて、電子制御弁(例えば、実施形態のスロットルバルブ3)を回転させる電子制御弁駆動装置において、前記モータを2極のロータ(例えば、実施形態のロータ20)に対して3つのステータを有するブラシレスモータ(例えば、実施形態のブラシレスモータ8)とし、前記制御装置には4つのスイッチング素子を有する駆動回路(例えば、実施形態の駆動回路35)を備え、第1スイッチング素子(例えば、実施形態のスイッチング素子41)の一端を前記モータの第1のステータ(例えば、実施形態のステータ13)に接続するとともに、第2のスイッチング素子(例えば、実施形態のスイッチング素子42)の一端に接続し、第3のスイッチング素子(例えば、実施形態のスイッチング素子43)の他端を前記モータの第2のステータ(例えば、実施形態のステータ14)に接続し、第4のスイッチング素子(例えば、実施形態のスイッチング素子44)の一端を前記モータの第3のステータ(例えば、実施形態のステータ15)に接続し、前記スイッチング素子を切り替えて前記第1のステータと前記第3のステータで前記モータを正転させる一方で、前記第1のステータと前記第2のステータで前記モータを逆転させることを特徴とする電子制御弁駆動装置とした。
この電子制御弁駆動装置は、2極のロータに対して3つのステータを有するモータを用い、4つのスイッチング素子で3相のモータを駆動するようにした。モータの正転と逆転の切り換えは、4つのスイッチング素子の通電状態を切り替えることで行い、正転時と逆転時でステータとロータの組み合わせを異ならせ、制御基準位置を中心として正転側に約120°、逆転側に約120°の合計240°回転させる。このため、モータの正転中、又は逆転中には相の切り替えが不要になる。
請求項1に記載した発明によれば、3相のモータを4つのスイッチング素子を用いて駆動させ、相を切り替えることなしにモータを正転又は逆転させるようにした。したがって、ロータの磁極位置を検出するセンサなどが不要になり、電子制御弁駆動装置を小型化できる。また、2極のロータに対して2つのステータを有するモータに比べて、制御可能な角度範囲を大きくすることができる。回転角度が大きい領域では少ない電流で必要なトルクを得ることができるので消費電流を低減できる。さらに、正転中、又は逆転中に相の切り替えを行わないので、所定の角度を維持する際の精度が良い。そして、センサが不要であることと、制御が簡単であることから電子制御弁駆動装置のコストダウンが図れる。
発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、エンジンの吸気マニホールドに連結されるスロットルボディ1は、その内部に吸気通路2を備え、この吸気通路2は開閉するスロットルバルブ3が開閉自在に取り付けられている。具体的には、スロットルバルブ3の弁軸4がスロットルボディ1の直径方向を貫通し、それぞれの周壁1a,1bにベアリング5で回転自在に支持されている。
図1に示すように、エンジンの吸気マニホールドに連結されるスロットルボディ1は、その内部に吸気通路2を備え、この吸気通路2は開閉するスロットルバルブ3が開閉自在に取り付けられている。具体的には、スロットルバルブ3の弁軸4がスロットルボディ1の直径方向を貫通し、それぞれの周壁1a,1bにベアリング5で回転自在に支持されている。
スロットルボディ1の一方の周壁1aには、弁軸4を覆うようにケース12が取り付けられている。ケース12内にはリニアホールICからなるスロットル角センサ6が取り付けられている。スロットル角センサ6は、リニアホールICからなり、弁軸4に取り付けられた角度検出用のマグネット7と協働してスロットルバルブ3の実際の開度(実開度)を検出する。なお、スロットル角センサ6はフェールセーフのために複数設けてある。
ここで、スロットルバルブ3は、スロットルボディ1の長手方向と対して略直交し、図1に矢印で示す方向に通流する空気を全く通流させないか、ほとんど通流させない全閉位置から、空気を最大限に通流させる全開位置までの間で開閉動作をする。この実施の形態では、スロットルボディ1の長手方向に直交する位置から弁軸4を中心として反時計回りに約14°だけ傾斜した姿勢を制御基準とする。そして、制御基準から反時計回りに約80°回転した姿勢を全開位置、制御基準から時計回りに約10°回転した姿勢を全閉位置とする。したがって、スロットルバルブ3の動作角度範囲Wθは約90°であり、この角度範囲内でスロットル開度の制御が行われる。
スロットルボディ1の他方の周壁1bには、3相のブラシレスモータ8を固定するケース26が弁軸4を覆うように取り付けられている。ブラシレスモータ8の出力軸9は、スロットルバルブ3の弁軸4と同軸に配置され、両者は不図示のネジなどで連結されている。また、スロットルバルブ3を所定の制御基準に戻すように弁軸4及び出力軸9を付勢する第1リターンスプリング10と第2リターンスプリング11がスロットルボディ1とブラシレスモータ8との間に配設されている。
図2に模式的に示すように、ブラシレスモータ8は、略円筒形状のヨーク12の内部にロータ20を回転自在に取り付けた3相モータである。ヨーク12の内周面には等間隔に3つのステータ13,14,15を備え、各ステータ13,14,15は磁性体材料にコイル16,17,18を巻回して構成されている。
ロータ20はヨーク12の中心線上に不図示のベアリングで支持される出力軸9の周囲に永久磁石19が取り付けられた構成を有する。なお、出力軸9の先端は、ヨーク12から突出し、前記した弁軸4に直結されている。
ロータ20はヨーク12の中心線上に不図示のベアリングで支持される出力軸9の周囲に永久磁石19が取り付けられた構成を有する。なお、出力軸9の先端は、ヨーク12から突出し、前記した弁軸4に直結されている。
図3に示すように、このブラシレスモータ8は制御装置30から出力される電流により制御される。なお、この実施の形態における電子制御弁駆動装置はブラシレスモータ8と制御装置30とスロットル角センサ6を含んで構成され、スロットルバルブ3を制御対象とする。
制御装置30はリレー32を介してバッテリ31に接続されている。このリレー32は緊急時に制御装置30への電力供給を停止する。
バッテリ31からの電力は制御装置30の電源昇圧回路33に供給され、その一部がCPU(中央演算装置)34に供給されるとともに、一部が昇圧用コイル51に供給される。昇圧用コイル51には、トランジスタ52と整流用のダイオード53が並列に接続されている。トランジスタ52のベースはCPU34に接続され、エミッタは接地されている。ダイオード53のカソードにはコンデンサ54とモニタ回路55が並列に接続されている。この電源昇圧回路33はトランジスタ52で昇圧用コイル51への通電を断続させて昇圧用コイル51に高電圧を発生させる。さらに、この高電圧をコンデンサ54で平滑化してバッテリ電圧の約2倍から約10倍の高電圧とし、駆動回路35に供給する。
バッテリ31からの電力は制御装置30の電源昇圧回路33に供給され、その一部がCPU(中央演算装置)34に供給されるとともに、一部が昇圧用コイル51に供給される。昇圧用コイル51には、トランジスタ52と整流用のダイオード53が並列に接続されている。トランジスタ52のベースはCPU34に接続され、エミッタは接地されている。ダイオード53のカソードにはコンデンサ54とモニタ回路55が並列に接続されている。この電源昇圧回路33はトランジスタ52で昇圧用コイル51への通電を断続させて昇圧用コイル51に高電圧を発生させる。さらに、この高電圧をコンデンサ54で平滑化してバッテリ電圧の約2倍から約10倍の高電圧とし、駆動回路35に供給する。
CPU34には電源昇圧回路33のモニタ回路55とトランジスタ52が接続されており、モニタ回路55で検出する電圧値に応じてトランジスタ52をON、OFFする。さらに、スロットル角センサ6のIF回路36と駆動回路35が接続されており、スロットルバルブ3(図1参照)の実開度と、運転者の操作に応じて設定される目標開度とを取得し、目標開度に実開度を一致させるように駆動回路35に制御信号を出力する。なお、IF回路36は、電源と抵抗などを有し、スロットル角センサ6の出力をCPU34に入力可能な信号に変換する。
駆動回路35は、CPU34からの指令を受けてブラシレスモータ8の各相(A相、B相、C相)への通電を制御する。図4に示すように、駆動回路35は、Y結線した各コイル16,17,18への通電を4つのスイッチング素子(電界効果型トランジスタ)41,42,43,44で切り替えるHブリッジ回路45を有する。
Hブリッジ回路45の高電位側には第1スイッチング素子41の一端が接続されている。第1スイッチング素子41の他端には、負荷であるブラシレスモータ8のステータ13のコイル16と、第2スイッチング素子の一端が並列に接続されている。第2スイッチング素子の他端は低電位側に接続されている。また、高電位側には第3スイッチング素子43の一端も接続されている。第3スイッチング素子の他端は、ブラシレスモータ8のステータ15のコイル18に接続される。さらに、低電位側には第4スイッチング素子44の他端も接続されている。第4スイッチング素子の一端はブラシレスモータ8のステータ14のコイル17に接続されている。
Hブリッジ回路45の高電位側には第1スイッチング素子41の一端が接続されている。第1スイッチング素子41の他端には、負荷であるブラシレスモータ8のステータ13のコイル16と、第2スイッチング素子の一端が並列に接続されている。第2スイッチング素子の他端は低電位側に接続されている。また、高電位側には第3スイッチング素子43の一端も接続されている。第3スイッチング素子の他端は、ブラシレスモータ8のステータ15のコイル18に接続される。さらに、低電位側には第4スイッチング素子44の他端も接続されている。第4スイッチング素子の一端はブラシレスモータ8のステータ14のコイル17に接続されている。
各スイッチング素子41,42,43,44は、トランジスタのベースに電圧が印加されると一端と他端の間が通電可能状態(ON)になり、ベースへの印加を中止すると一端と他端の間が通電不可状態(OFF)となる。第1スイッチング素子41と第4スイッチング素子44をOFFにし、第2スイッチング素子42と第3スイッチング素子43をONにすると、コイル16とコイル18に電流が流れ、図2に示すステータ13がS極となり、ステータ15がN極となる。これにより、ロータ20は矢印Dに示す正転方向に回転する。また、図4に示す第1スイッチング素子41と第4スイッチング素子44をONにし、第2スイッチング素子42と第3スイッチング素子43をOFFにすると、コイル16とコイル17に電流が流れ、図2に示すステータ13がN極となり、ステータ14がS極となる。これにより、ロータ20は矢印Dと反対の逆転方向に回転する。
ここで、ブラシレスモータ8の出力軸9の回転角度とトルクの関係は、図5に示すようになる。図5の横軸は回転角度を示し、縦軸はトルクを示す。また、制御基準を0°とし、正転側の回転角度をプラス、逆転側の回転角度をマイナスで表示してある。また、スロットルバルブ3の動作角度範囲Wθは、制御基準から正回転に約80°、逆回転に約10°に設定してある。
図5に示すトルク曲線L1は、ブラシレスモータ8を正転させた際にスロットルバルブ3に作用するトルクと回転角度の関係を示している。正転時には、−60°付近からピーク角度(約30°)までは回転角度の増加に伴ってトルクが増加し、それ以降は回転角度の増加に伴ってトルクが減少し、120°付近でトルクがゼロになる。トルク曲線L2は、ブラシレスモータ8を逆転させた際にスロットルバルブ3に作用するトルクと回転角度の関係を示している。逆転時には60°付近からピーク角度(約−30°)までは回転角度が減少するとトルクが増加し、それ以降は回転角度の減少に伴ってトルクが減少し、−120°付近でトルクがゼロになる。したがって、ブラシレスモータ8は正転時の回転可能な角度範囲と、逆転時の回転可能な角度範囲とがずれてはいるが、所定の制御基準を中心としてロータ20を正転側に約120°、逆転側に約120°の合計約240°回転させることができる。なお、図5には、比較として2極のロータに対して2つのステータを有するモータのトルク特性(トルク曲線L3)を図示してある。また、直線L4と直線L5は、第1リターンスプリング10又は第2リターンスプリング11で発生させる戻りトルクを示している。戻りトルクは、回転角度が約60°以上の領域において正転から反転への切り替えをアシストしたり、回転角度が約−60°以下の領域において逆転から正転への切り替えをアシストしたりするもので、ブラシレスモータ8を制御基準に戻すように作用する。
図5に示すトルク曲線L1は、ブラシレスモータ8を正転させた際にスロットルバルブ3に作用するトルクと回転角度の関係を示している。正転時には、−60°付近からピーク角度(約30°)までは回転角度の増加に伴ってトルクが増加し、それ以降は回転角度の増加に伴ってトルクが減少し、120°付近でトルクがゼロになる。トルク曲線L2は、ブラシレスモータ8を逆転させた際にスロットルバルブ3に作用するトルクと回転角度の関係を示している。逆転時には60°付近からピーク角度(約−30°)までは回転角度が減少するとトルクが増加し、それ以降は回転角度の減少に伴ってトルクが減少し、−120°付近でトルクがゼロになる。したがって、ブラシレスモータ8は正転時の回転可能な角度範囲と、逆転時の回転可能な角度範囲とがずれてはいるが、所定の制御基準を中心としてロータ20を正転側に約120°、逆転側に約120°の合計約240°回転させることができる。なお、図5には、比較として2極のロータに対して2つのステータを有するモータのトルク特性(トルク曲線L3)を図示してある。また、直線L4と直線L5は、第1リターンスプリング10又は第2リターンスプリング11で発生させる戻りトルクを示している。戻りトルクは、回転角度が約60°以上の領域において正転から反転への切り替えをアシストしたり、回転角度が約−60°以下の領域において逆転から正転への切り替えをアシストしたりするもので、ブラシレスモータ8を制御基準に戻すように作用する。
次に、電子制御弁駆動装置による制御処理を説明する。
運転者がアクセルを操作すると、スロットルバルブ3の目標開度が設定される。図3に示すように、この目標開度はCPU34に入力される。その一方で、スロットル角センサ6で検出するスロットルバルブ3の実開度もCPU34に入力されるので、CPU34は目標開度と実開度の角度差を演算するとともに、この角度差をなくすようなスロットルバルブ3の回転方向を決定する。そして、この角度差と回転方向に合わせて、駆動回路35の各スイッチング素子41,42,43,44をON又はOFFする制御信号を出力する。また、CPU34は、電源昇圧回路33のトランジスタ52をON、OFFさせ、昇圧用コイル51の出力端側に高電圧を発生させる。
運転者がアクセルを操作すると、スロットルバルブ3の目標開度が設定される。図3に示すように、この目標開度はCPU34に入力される。その一方で、スロットル角センサ6で検出するスロットルバルブ3の実開度もCPU34に入力されるので、CPU34は目標開度と実開度の角度差を演算するとともに、この角度差をなくすようなスロットルバルブ3の回転方向を決定する。そして、この角度差と回転方向に合わせて、駆動回路35の各スイッチング素子41,42,43,44をON又はOFFする制御信号を出力する。また、CPU34は、電源昇圧回路33のトランジスタ52をON、OFFさせ、昇圧用コイル51の出力端側に高電圧を発生させる。
スロットルバルブ3を開くときには、CPU34は第2スイッチング素子42と、第3スイッチング素子43をONにする。電源昇圧回路33で昇圧された電力はステータ13とステータ15の各コイル16,18に供給され、ロータ20が正転する。そして、ロータ20の回転角度に応じてトルク曲線L1(図5参照)に示すようなトルクが発生する。ロータ20の出力軸9にはスロットルバルブ3の弁軸4が直結されているので、ロータ20の回転角度と略等しい角度でスロットルバルブ3が開き、この実開度に応じた量の空気がエンジンに吸気される。
一方、スロットルバルブ3を閉じるときには、第1スイッチング素子41と、第4スイッチング素子44をONにする。昇圧された電力がステータ13とステータ14の各コイル16,17に供給され、ロータ20が逆転する。ロータ20の回転角度に応じてトルク曲線L2(図5参照)に示すようなトルクが発生し、ロータ20の回転角度と略等しい角度だけスロットルバルブ3が閉じ、実開度に応じた量の空気がエンジンに吸気される。
この間、スロットルバルブ3の実角度はスロットル角センサ6により検出されるので、CPU34はIF回路36を介して実開度の情報を取得し、目標開度と実開度が一致するようにフィードバック制御を行う。
一方、スロットルバルブ3を閉じるときには、第1スイッチング素子41と、第4スイッチング素子44をONにする。昇圧された電力がステータ13とステータ14の各コイル16,17に供給され、ロータ20が逆転する。ロータ20の回転角度に応じてトルク曲線L2(図5参照)に示すようなトルクが発生し、ロータ20の回転角度と略等しい角度だけスロットルバルブ3が閉じ、実開度に応じた量の空気がエンジンに吸気される。
この間、スロットルバルブ3の実角度はスロットル角センサ6により検出されるので、CPU34はIF回路36を介して実開度の情報を取得し、目標開度と実開度が一致するようにフィードバック制御を行う。
この電子制御弁駆動装置によれば、4つのスイッチング素子41,42,43,44を有する駆動回路35により、正転中にはステータ13及びステータ15のみを用い、逆転中にはステータ13及びステータ14のみを用い、正転中又は逆転中の相の切り替えを行わずに3相のブラシレスモータ8を駆動するようにした。したがって、ブラシレスモータ8側に磁極を検出するセンサが不要となり、装置を小型化、かつ軽量化でき、コストダウンも図れる。
また、この電子制御弁駆動装置は、ブラシレスモータ8の正転中又は逆転中に相の切り替えを行わないので、制御が容易になる。さらに、その可動範囲内での角度の制御性が良く、任意の角度で停止する必要があるスロットルバルブ3の開閉制御に好適である。ここで、ブラシレスモータ8の可動角度が制御基準から正転側に約120°、逆転側に約120°の合計約240°であることも、スロットルバルブ3の制御に適している。
また、この電子制御弁駆動装置は、ブラシレスモータ8の正転中又は逆転中に相の切り替えを行わないので、制御が容易になる。さらに、その可動範囲内での角度の制御性が良く、任意の角度で停止する必要があるスロットルバルブ3の開閉制御に好適である。ここで、ブラシレスモータ8の可動角度が制御基準から正転側に約120°、逆転側に約120°の合計約240°であることも、スロットルバルブ3の制御に適している。
さらに、図5に示すように、制御回路35により正転時のトルク特性(トルク曲線L1)のピーク角度と、逆転時のトルク特性(トルク曲線L2)のピーク角度とを異ならせ、正転時の回転可能な角度範囲と、逆転時の回転可能な角度範囲をずらしたので、1つのピークのみを有するようなモータ(トルク曲線L3に相当)に比べて回転可能な角度を広くとることができる。また、この電子制御弁駆動装置は、制御基準の近傍を除いて、トルク曲線L3に比べて大きなトルクが得られ、少ない電流で大きなトルクを発生させることができる。特に、スロットルバルブ3の開度が最大角に近づくと、トルク曲線L3に従うモータではトルクをほとんど発生させることができないので、そのような開度を保つには大きな電流が必要になる。これに対して、この電子制御弁駆動装置では、トルク曲線L1に従って大きなトルクが得られるので、少ない電流で済む。したがって、電流消費量を低減することができ、エネルギ効率が良い。また、4つ以上のステータを有するモータを使用する場合に比べて電子制御弁駆動装置を小型化することができ、ブラシレスモータ8の制御も簡単になる。
さらに、ブラシレスモータ8でスロットルバルブ3を直接駆動するようにしたので、中間ギヤや、コミネータが不要になり、部品点数を減少させることができる。また、コミテータなどを有しないので摺動抵抗トルクを低減でき、消費電流を抑えることができる。
また、制御装置30の電源昇圧回路33で駆動回路35に供給する電圧を約2倍から約10倍程度に昇圧するようにしたので、コイル16,17,18の外径を小さくでき、ブラシレスモータ8を小型化できる。また、コイル16,17,18の時定数が小さくなるので通電電流の応答性が向上し、制御性が向上する。一方、時定数が同一、つまりコイル16,17,18の巻き数が同じである場合には、電源昇圧回路33で昇圧した電力を供給することで目標とする電流(トルク)に到達する時間が短くなり、制御の応答性が向上する。
また、制御装置30の電源昇圧回路33で駆動回路35に供給する電圧を約2倍から約10倍程度に昇圧するようにしたので、コイル16,17,18の外径を小さくでき、ブラシレスモータ8を小型化できる。また、コイル16,17,18の時定数が小さくなるので通電電流の応答性が向上し、制御性が向上する。一方、時定数が同一、つまりコイル16,17,18の巻き数が同じである場合には、電源昇圧回路33で昇圧した電力を供給することで目標とする電流(トルク)に到達する時間が短くなり、制御の応答性が向上する。
なお、本発明は上記した形態に限定されない。例えば、電源昇圧回路を有しなくても良い。
また、制御対象は、360°未満の所定角度範囲で回転制御を行うものであればスロットルバルブ3に限定されずに、他の開閉バルブや、アクチュエータの駆動に用いることができる。
スイッチング素子41,42,43,44は、CPU34の制御によってブラシレスモータ8への通電状態を制御できるものであれば、トランジスタに限定されない。
また、制御対象は、360°未満の所定角度範囲で回転制御を行うものであればスロットルバルブ3に限定されずに、他の開閉バルブや、アクチュエータの駆動に用いることができる。
スイッチング素子41,42,43,44は、CPU34の制御によってブラシレスモータ8への通電状態を制御できるものであれば、トランジスタに限定されない。
3 スロットルバルブ(電子制御弁)
8 ブラシレスモータ
13 ステータ(第1のステータ)
14 ステータ(第2のステータ)
15 ステータ(第3のステータ)
20 ロータ
30 制御装置
35 駆動回路
41 第1スイッチング素子
42 第2スイッチング素子
43 第3スイッチング素子
44 第4スイッチング素子
8 ブラシレスモータ
13 ステータ(第1のステータ)
14 ステータ(第2のステータ)
15 ステータ(第3のステータ)
20 ロータ
30 制御装置
35 駆動回路
41 第1スイッチング素子
42 第2スイッチング素子
43 第3スイッチング素子
44 第4スイッチング素子
Claims (1)
- 制御装置からの出力に基づいてモータを回転させて、電子制御弁を回転させる電子制御弁駆動装置において、
前記モータを2極のロータに対して3つのステータを有するブラシレスモータとし、前記制御装置には4つのスイッチング素子を有する駆動回路を備え、第1スイッチング素子の一端を前記モータの第1のステータに接続するとともに、第2のスイッチング素子の一端に接続し、第3のスイッチング素子の他端を前記モータの第2のステータに接続し、第4のスイッチング素子の一端を前記モータの第3のステータに接続し、前記スイッチング素子を切り替えて前記第1のステータと前記第3のステータで前記モータを正転させ、前記第1のステータと前記第2のステータで前記モータを逆転させることを特徴とする電子制御弁駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003348238A JP2005113768A (ja) | 2003-10-07 | 2003-10-07 | 電子制御弁駆動装置 |
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2003
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