JP2005113746A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 デポジットの付着を防止することができ機関性能を損なうことのない内燃機関の燃料供給装置を提供する。
【解決手段】 筒内に向けて燃料を噴射する筒内噴射用インジェクタ11と吸気ポート内に向けて燃料を噴射する吸気ポート噴射用インジェクタ12とを備え、少なくとも吸気ポート噴射用インジェクタ12のみを用いて運転を行う領域を有する内燃機関において、筒内噴射用インジェクタ12は吸気通路67の下方に配置されると共に、吸気ポート噴射用インジェクタ12は筒内噴射用インジェクタ12の先端付近の吸気通路壁面67bに液滴状態の燃料が付着する燃料噴射が可能なように吸気通路におけるPCV通路出口70よりも上流に配置されている。さらに、吸気通路壁面67bには、凹部67cが形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関の燃料供給装置に関し、より詳しくは、筒内に向けて燃料を噴射する筒内噴射用インジェクタと吸気ポート内に向けて燃料を噴射する吸気ポート噴射用インジェクタとを備える、いわゆるデュアル噴射型内燃機関の燃料供給装置に関する。
一般に、筒内に向けて燃料を噴射するための筒内噴射用インジェクタと吸気ポート内に向けて燃料を噴射するための吸気ポート噴射用インジェクタとを備えた、いわゆるデュアル噴射型内燃機関が知られている。
このようなデュアル噴射型内燃機関としては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。このものは、筒内に臨み、排気弁に向けてガソリンを直接噴射するメイン燃料噴射弁と、吸気通路に配設されたサブ燃料噴射弁とを備え、メイン燃料噴射弁によるガソリン噴射を排気弁が実質的に閉弁された時点から圧縮行程における所定圧力到達時点までの間で行い、エンジンの特定運転領域においては、メイン燃料噴射弁とサブ燃料噴射弁とから燃料を供給し、エンジンのアイドルまたは低負荷運転領域においてはサブ燃料噴射弁のみから燃料を供給するようにしている。
特許第668680号公報
しかしながら、かかる特許文献1に記載のように、サブ燃料噴射弁、すなわち吸気ポート噴射用インジェクタのみから燃料を供給する運転領域を有する機関で、筒内噴射用インジェクタを停止させ、吸気ポート噴射用インジェクタのみから噴射させた場合には、筒内噴射用インジェクタは高温の燃焼ガスに曝されるにもかかわらず自らの噴射による冷却作用がないので、当該インジェクタの噴口周りに大量のデポジットが付着し易くなるという問題があった。この結果、筒内噴射用インジェクタから燃料を供給する運転領域においては、適切な噴射量を得ることができない可能性があり、機関性能を損なうおそれがあった。
そこで、本発明の目的は、デポジットの付着を防止することができ機関性能を損なうことのない内燃機関の燃料供給装置を提供することにある。
上記目的を達成する本発明の一形態に係る内燃機関の燃料供給装置は、筒内に向けて燃料を噴射する筒内噴射用インジェクタと吸気ポート内に向けて燃料を噴射する吸気ポート噴射用インジェクタとを備え、少なくとも吸気ポート噴射用インジェクタのみを用いて運転を行う領域を有する内燃機関において、前記筒内噴射用インジェクタは吸気通路の下方に配置されると共に、前記吸気ポート噴射用インジェクタは前記筒内噴射用インジェクタの先端付近の吸気通路壁面に液滴状態の燃料が付着する燃料噴射が可能なように配置されていることを特徴とする。
ここで、前記筒内噴射用インジェクタの先端付近の吸気通路壁面には、凹部が形成されていることが好ましい。
さらに、前記吸気ポート噴射用インジェクタは、吸気通路において、PCV通路出口よりも上流に配置されていることが好ましい。
本発明の一形態に係る内燃機関の燃料供給装置によれば、筒内に向けて燃料を噴射する筒内噴射用インジェクタと吸気ポート内に向けて燃料を噴射する吸気ポート噴射用インジェクタとを備え、少なくとも吸気ポート噴射用インジェクタのみを用いて運転を行う領域を有する内燃機関において、前記筒内噴射用インジェクタは吸気通路の下方に配置されると共に、前記吸気ポート噴射用インジェクタは前記筒内噴射用インジェクタの先端付近の吸気通路壁面に液滴状態の燃料が付着する燃料噴射が可能なように配置されているので、吸気ポート噴射用インジェクタのみから燃料が噴射される際、この噴射された燃料の一部が液滴状態で筒内噴射用インジェクタの先端付近の吸気通路壁面に付着する。この結果、付着した液滴状態の燃料が気化することにより、筒内噴射用インジェクタの先端付近の吸気通路壁面、延いては筒内噴射用インジェクタの先端付近を冷却することで、デポジットの付着を抑制することができるという効果を奏する。
ここで、前記筒内噴射用インジェクタの先端付近の吸気通路壁面に、凹部が形成された形態によれば、燃料付着面積も拡大され、且つ保持される付着燃料量も多くなるので、上述の気化による冷却効率が向上する。
さらに、前記吸気ポート噴射用インジェクタが、吸気通路において、PCV通路出口よりも上流に配置されている形態によれば、ブローバイガスによる吸気ポート噴射用インジェクタへのデポジットの付着を抑制することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
まず、本発明に係るデュアル噴射型内燃機関の燃料供給装置の概略構成図が示されている図1を参照するに、機関1は4つの気筒1aを備えている。各気筒1aはそれぞれ対応する吸気枝管2を介して共通のサージタンク3に接続されている。サージタンク3は吸気ダクト4を介してエアフローメータ4aに接続され、エアフローメータ4aはエアクリーナ5に接続されている。吸気ダクト4内にはステップモータ6によって駆動されるスロットル弁7が配置されている。このスロットル弁7は機関負荷が極く低いときのみ或る程度閉弁しており、機関負荷が少し高くなると全開状態に保持される。一方、各気筒1aは共通の排気マニホルド8に連結され、この排気マニホルド8は三元触媒コンバータ9に連結されている。
各気筒1aには、筒内に向けて燃料を噴射するための筒内噴射用インジェクタ11と吸気ポート内に向けて燃料を噴射するための吸気ポート噴射用インジェクタ12とがそれぞれ取り付けられている。これらインジェクタ11、12は電子制御ユニット30の出力信号に基づいてそれぞれ制御される。また、各筒内噴射用インジェクタ11は共通の燃料分配管13に接続されており、この燃料分配管13は燃料分配管13に向けて流通可能な逆止弁14を介して、機関駆動式の高圧ポンプ15に接続されている。
図1に示すように、高圧ポンプ15の吐出側はスピル電磁弁15aを介して高圧ポンプ15の吸入側に連結されており、このスピル電磁弁15aの開度が小さいとき程、高圧ポンプ15から燃料分配管13内に供給される燃料量が増大され、スピル電磁弁15aが全開にされると、高圧ポンプ15から燃料分配管13への燃料供給が停止されるように構成されている。なお、スピル電磁弁15aは電子制御ユニット30の出力信号に基づいて制御される。
一方、各吸気ポート噴射用インジェクタ12は共通の燃料分配管16に接続されており、燃料分配管16および高圧ポンプ15は共通の燃料圧レギュレータ17を介して、電動モータ駆動式の低圧ポンプ18に接続されている。さらに、低圧ポンプ18は燃料フィルタ19を介して燃料タンク20に接続されている。燃料圧レギュレータ17は低圧ポンプ18から吐出された燃料の燃料圧が予め定められた設定燃料圧よりも高くなると、低圧ポンプ18から吐出された燃料の一部を燃料タンク20に戻すように構成されており、したがって吸気ポート噴射用インジェクタ12に供給されている燃料圧および高圧ポンプ15に供給されている燃料圧が上記設定燃料圧よりも高くなるのを阻止している。さらに、図1に示すように、高圧ポンプ15と燃料圧レギュレータ17との間には流通弁21が設けられている。この流通弁21は通常開弁されており、この流通弁21が閉弁されると低圧ポンプ18から高圧ポンプ15への燃料供給が停止される。なお、この流通弁21の開閉は電子制御ユニット30の出力信号に基づいて制御される。
また、電子制御ユニット30はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス31を介して相互に接続されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート35および出力ポート36を具備している。エアフローメータ4aは吸入空気量に比例した出力電圧を発生し、このエアフローメータ4aの出力電圧はAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。機関1には冷却水温度に比例した出力電圧を発生する水温センサ38が取付けられ、この水温センサ38の出力電圧はAD変換器39を介して入力ポート35に入力される。燃料分配管13には燃料分配管13内の燃料圧に比例した出力電圧を発生する燃料圧センサ40が取付けられ、この燃料圧センサ40の出力電圧はAD変換器41を介して入力ポート35に入力される。触媒9上流の排気マニホルド8には排気ガス中の酸素濃度に比例した出力電圧を発生する酸素濃度センサ42が取付けられ、この酸素濃度センサ42の出力電圧はAD変換器43を介して入力ポート35に入力される。アクセルペダル10はアクセルペダル10の踏込み量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ44に接続され、負荷センサ44の出力電圧はAD変換器45を介して入力ポート35に入力される。また、入力ポート35には機関回転数を表す出力パルスを発生する回転数センサ46および機関1が搭載されている車両の速度を表す出力パルスを発生する車速センサ48が接続されている。電子制御ユニット30のROM32には、上述の負荷センサ44および回転数センサ46により得られる機関負荷および機関回転数に基づき、運転領域に対応させて設定されている燃料噴射量の値が予めマップ化されて記憶されている。
さらに、図2には気筒1aの側断面図が示されている。図2を参照するに、61はシリンダブロック、62は頂面上にキャビティ62aが形成されたピストン、63はシリンダブロック61上に固締されたシリンダヘッド、64はピストン62とシリンダヘッド63間に形成された燃焼室、65は吸気バルブ、66は排気バルブ、67は吸気ポート、68は排気ポート、69は点火プラグをそれぞれ示している。
なお、吸気ポート67は、本実施の形態では、吸気ポート噴射用インジェクタ12が配置されている部位より下流位置で二股に分岐され、シリンダ軸線に関してその両側において燃焼室64に開口するように形成されている。また、排気ポート68も二股に分岐されて形成されており、従って、上述の吸気バルブ65および排気バルブ66は1気筒当たりそれぞれ2本づつ存在している。
そして、筒内噴射用インジェクタ11は二股に分岐された吸気ポート67により構成される吸気通路の下方、すなわち、本実施の形態では、機関1を側方から見たときには二股に分岐された吸気ポート67より下側であって、機関1を上方から見たときには分岐部67aよりやや上流側にその先端が位置するようにシリンダヘッド63に配置されている。一方、吸気ポート噴射用インジェクタ12は、筒内噴射用インジェクタ11がシリンダヘッド63に取付けられたとき、その先端付近の吸気通路壁面67b、すなわち、分岐部壁面の下側の部位に液滴状態の燃料が付着する燃料噴射が可能なように向けられてシリンダヘッド63(又は吸気管でもよい)に配置されている。
さらに、本発明の好ましい実施の形態では、上述の吸気通路壁面67bに凹部67cが形成されており、また、吸気ポート噴射用インジェクタ12が、上述の吸気通路において、ブローバイガスが導入されるPCV通路出口70よりも上流に配置されている。なお、ピストン62頂面のキャビティ62aは、筒内噴射用インジェクタ11側に位置するピストン62の周縁部からピストン62中央部に向かって延び、また点火プラグ69の下方において上方に湾曲して延びるように形成されている。
ここで、電子制御ユニット30の出力ポート36は対応する駆動回路47を介して、ステップモータ6、各筒内噴射用インジェクタ11、各吸気ポート噴射用インジェクタ12、スピル電磁弁15aおよび流通弁21に接続されている。
次に、上記構成を有する本発明の実施形態の制御の一例について以下に説明する。まず、制御が開始されると、電子制御ユニット30は所定時間毎に負荷センサ44および回転数センサ46により得られる機関負荷と機関回転数とにより機関の運転状態ないしは領域を判断する。そして、この判断に基づき、マップに記憶されている必要燃料噴射量を求め、これが所定値以上のときは、筒内噴射用インジェクタ11および吸気ポート噴射用インジェクタ12の両方から燃料を噴射し、一方、必要燃料噴射量が所定値未満ときには、吸気ポート噴射用インジェクタ12から燃料を噴射するように制御する。
具体的には、本実施の形態では、必要燃料噴射量が所定値未満である運転領域は、例えば、機関1のアイドリングおよび/または減速運転領域のような最小噴射量運転領域とされており、この最小噴射量運転領域において、吸気ポート噴射用インジェクタ12のみから燃料が噴射される。この場合、吸気ポート噴射用インジェクタ12からの噴射のために低圧ポンプ18から供される燃料圧は相対的に低いので、その最小の燃料噴射量の制御は比較的容易に行われ得る。
吸気ポート噴射用インジェクタ12から噴射された燃料は、その一部が液滴状態で筒内噴射用インジェクタ11の先端付近の吸気通路壁面67bに付着する。この結果、付着した液滴状態の燃料が気化することにより、筒内噴射用インジェクタの先端付近の吸気通路壁面67b、延いては筒内噴射用インジェクタ11の先端付近が冷却される。さらに、吸気通路壁面67bに、凹部67cが形成された実施の形態によれば、燃料付着面積も拡大され、且つ保持される付着燃料量も多くなるので、上述の気化による冷却効率も向上し、デポジットの付着をさらに抑制することができる。
一方、吸気ポート噴射用インジェクタ12は、吸気通路において、PCV通路出口70よりも上流に配置されているので、ブローバイガスによる吸気ポート噴射用インジェクタ12へのデポジットの付着も抑制される。
なお、上述した実施の形態においては、1気筒当たりそれぞれ2つの吸気ポートおよび排気ポートを備える、いわゆる4バルブ機関について説明したが、本発明は、いわゆる2バルブ機関においても同様に適用できることは云うまでもない。また、例えば、機関の負荷に応じて、筒内噴射用インジェクタおよび吸気ポート噴射用インジェクタからの燃料噴射形態を完全に切替えて成層燃焼または均質燃焼を行わせる機関、或いは、両者からの噴射割合を変更させる機関のいずれにおいても、吸気ポート噴射用インジェクタのみからの燃料噴射運転領域を有する機関であれば、本発明が適用され得る。
本発明に係るデュアル噴射型内燃機関の燃料供給装置の概略構成図を示す模式図である。 図1に示す機関の側断面図である。
符号の説明
11 筒内噴射用インジェクタ
12 吸気ポート噴射用インジェクタ
67 吸気ポート
67b 吸気通路壁面
67c 凹部
70 PCV通路出口

Claims (3)

  1. 筒内に向けて燃料を噴射する筒内噴射用インジェクタと吸気ポート内に向けて燃料を噴射する吸気ポート噴射用インジェクタとを備え、少なくとも吸気ポート噴射用インジェクタのみを用いて運転を行う領域を有する内燃機関において、
    前記筒内噴射用インジェクタは吸気通路の下方に配置されると共に、前記吸気ポート噴射用インジェクタは前記筒内噴射用インジェクタの先端付近の吸気通路壁面に液滴状態の燃料が付着する燃料噴射が可能なように配置されていることを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  2. 前記筒内噴射用インジェクタの先端付近の吸気通路壁面には、凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  3. 前記吸気ポート噴射用インジェクタは、吸気通路において、PCV通路出口よりも上流に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装置。
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