JP2005113303A - アクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法 - Google Patents

アクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法 Download PDF

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Hiroshi Hashimoto
弘 橋本
Ario Shimotashiro
有生 下田代
Masaji Okamoto
正司 岡本
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

【課題】 アクリロニトリル系前駆体繊維の製造工程において、非接触式の方法によ
り、薬液を含浸させたアクリロニトリル系前駆体繊維から過剰の薬液を、毛羽の発生及び
薬液の飛散を伴うことなく、効果的に搾液する。
【解決手段】 薬液槽に浸漬した薬液含浸アクリロニトリル系前駆体繊維から過剰の
薬液を搾液するに当たり、薬液槽から浸漬ローラーを経てアクリロニトリル系前駆体繊維
をガイドローラーで引き上げると共に、引き上げ方向とは逆方向の接線方向に該ガイドロ
ーラー上のアクリロニトリル系前駆体繊維に対し加圧気体を噴射するアクリロニトリル系
前駆体繊維の製造方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、薬液に浸漬したアクリロニトリル系前駆体繊維から過剰の薬液を搾液するア
クリロニトリル系前駆体繊維の製造方法に関する。
炭素繊維の前駆体であるアクリロニトリル系前駆体繊維は、その製造工程で、油剤処理
、追油剤処理等の各種薬剤による処理が施されている。しかしながら、例えば、油剤処理
工程において油剤含浸アクリロニトリル系前駆体繊維から過剰の油剤分散液を十分搾液し
ていなければ、後の乾燥工程に持ち込まれる油剤分散液の量が多くなり乾燥効率が低下し
、製造コストを上げる要因となるでなく、アクリロニトリル系前駆体繊維に油剤の付着斑
が生じ易く、特に過剰付着部分では糸条同士の接着が起こり、毛羽が発生し、更には糸切
れが生じるという問題が発生する。
アクリロニトリル系前駆体繊維への薬剤の過剰の付着を減少させるため、薬液含浸アク
リロニトリル系前駆体繊維をニップローラーを通したり複数のローラーを反転させながら
通して過剰の薬液を搾取する方法が知られており、特許文献1では、炭素繊維に対して行
なわれる方法であるが、サイジング剤含浸炭素繊維糸条に加圧気体を吹き付けて過剰なサ
イジング剤を除去する方法が開示されている。
しかしながら、前者の方法は接触式であるため毛羽の発生は免れ得ず、また巻き付きの
危険があり、後者の方法は非接触式であり毛羽の発生が低減されるものの、走行糸条に直
角に加圧気体を吹き付ける場合は、ガイドなしには糸条が動揺して除液効果が低く、また
油剤が飛散し、汚染を招いたり、油剤の回収を困難にしたりするという問題があった。
特開平7−145549号公報
本発明の目的は、炭素繊維の製造工程において、非接触式の方法により、薬液を含浸さ
せた炭素繊維糸条から過剰の薬液を、毛羽の発生及び薬液の飛散を伴うことなく、効果的
に搾液することにある。
本発明は、薬液槽に浸漬した薬液含浸アクリロニトリル系前駆体繊維から過剰の薬液を
搾液するに当たり、薬液槽から浸漬ローラーを経てアクリロニトリル系前駆体繊維をガイ
ドローラーで引き上げると共に、引き上げ方向とは逆方向の接線方向に該ガイドローラー
上のアクリロニトリル系前駆体繊維に対し加圧気体を噴射するアクリロニトリル系前駆体
繊維の製造方法、にある。
本発明によれば、アクリロニトリル系前駆体繊維の製造工程におけるアクリロニトリル
系前駆体繊維への薬液の含浸の際、薬液を含浸させたアクリロニトリル系前駆体繊維から
過剰の薬液を、非接触式の方法により毛羽の発生及び薬液の飛散を伴うことなく、効果的
に搾液することができ、また巻き付きや付着斑なしに薬液をアクリロニトリル系前駆体繊
維に付着させることができる。
本発明において適用される薬液槽は、薬液の種類、設置位置等にもよるが、薬液をアク
リロニトリル系前駆体繊維に含浸させるための、一部又は全部が薬液中に浸っている浸漬
ローラーが配置された構造のものであれば、特に浸漬ローラー等の数にも制限はなく、ア
クリロニトリル系前駆体繊維の本数等により槽の大きさが適宜選択される。
また、アクリロニトリル系前駆体繊維に含浸させる薬液としては、油剤処理や追油剤処
理での、シリコン系油剤又は非シリコン系油剤の溶剤溶液又は水分散液、洗浄処理での水
主体の洗浄液等が挙げられる。
本発明においては、薬液槽から浸漬ローラーを経てアクリロニトリル系前駆体繊維をガ
イドローラーで好ましくはほぼ垂直方向に引き上げると共に、引き上げ方向とは逆方向の
接線方向にローラー上のアクリロニトリル系前駆体繊維に対して加圧気体を噴射するもの
であり、接線方向に、かつ走行する方向とは逆方向から加圧気体を噴射することにより、
加圧気体流とローラーとでニップローラーと同様の搾液作用をさせるものである。
薬液槽の浸漬ローラーを経てのガイドローラーによる薬液含浸アクリロニトリル系前駆
体繊維の引き上げ方向と、引き上げ方向とは逆方向の加圧気体の噴射方向の接線方向とを
、一致させることが好ましいが、加圧気体を噴射する方向は引き上げ方向に対し±5°の
接線方向であってもよく、引き上げ方向と接線方向の加圧気体の噴射方向とが5°を超え
てずれるに従い、搾液効果が低下し、或いは薬液の飛散が生じる。
本発明においては、引き上げ方向とは逆方向の接線方向にガイドローラー上のアクリロ
ニトリル系前駆体繊維に対して加圧気体を噴射するときには、アクリロニトリル系前駆体
繊維に含浸された過剰の薬液は、噴射圧によって搾り出されると共に薬液の重量により糸
条を伝わって落下し薬液槽に回収される。
加圧気体としては、加圧エアーが好ましく用いられ、また加圧気体の噴射速度は、薬液
の粘度、糸条の構成本数にもよるが、気体の衝突部で30〜120m/秒であることが好
ましく、30m/秒未満では搾液効果がなく、120m/秒を超えると、毛羽が発生する
噴射ノズルには、扇形ノズル、スリットノズル、柱状ノズル等が用いられ、アクリロニ
トリル系前駆体繊維を構成する単繊維の繊度、本数にもよるが、各アクリロニトリル系前
駆体繊維糸条毎に或いは複数のアクリロニトリル系前駆体繊維糸条群に若しくは糸条全体
に対し加圧気体が噴射されるよう、任意の個数の噴射ノズルをガイドローラーの上方に配
して、ガイドローラー上のアクリロニトリル系前駆体繊維に対し加圧気体を噴射する。
(実施例)
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、実施例中、評価は次の方法に拠
った。
「水分率」
油剤槽出のアクリロニトリル系前駆体繊維を遠心脱水機にかけ質量を測定し、その糸条
を100℃の乾燥機で十分乾燥させ再度質量を測り、水分率(%)を算出し、指標とした

水分率(%)=脱水アクリロニトリル系前駆体繊維の質量/乾燥アクリロニトリル系前駆
体繊維の質量×100)
「ロール巻付き」
ロール巻付きを目視により判定し、その糸切れ回数を巻き取ったアクリロニトリル系前
駆体繊維製品の長さ当たりの回数に換算して、糸切れ回数の指標とした。
「毛羽数」
巻き取ったボビン上のアクリロニトリル系前駆体繊維の外観を目視で観察して毛羽数を
測定し、アクリロニトリル系前駆体繊維製品の巻き取り長さ当たりの毛羽数に換算して、
毛羽数の指標とした。
「接着」
アクリロニトリル系前駆体繊維を5mmに切断し、アセトン中に分散させ、接着繊維の
個数を数える、この作業を10回行った平均の個数を記録し指標とした。
「油剤付着斑」
アクリロニトリル系前駆体繊維の表面を波長分散型蛍光X線分析装置RIGAKU製Z
SXminiを用いてSi強度の測定を行った。試料は適当な大きさのアクリルの板に糸
条を薄く均一に巻き、Si強度を20点測定し、その斑を指標とした。
アクリロニトリル(AN)、メチルアクリレート(MA)、メタクリル酸(MAA)の
共重合モル比がAN/MA/MAA=96/2/2であるアクリロニトリル系重合体をジ
メチルアセトアミドに溶解し、20重量%ジメチルアセトアミド溶液を得た。これを紡糸
原液とした。これを12,000ホールの紡糸ノズルから吐出し、その後、熱水浴中で延
伸し、熱水洗浄、冷水洗浄し、油剤処理を行った後、135℃で乾燥・緻密化後、加圧ス
チーム処理装置を用いて延伸処理を行い最終的な糸条を得た。
このとき、洗浄後油剤処理を行う際のアクリロニトリル系前駆体繊維に含浸されたシリ
コン系油剤水分散液を図1に示した装置を用いて、接線方向に噴射ノズル(エアーブロー
バーを使用)により加圧気体を30m/秒の速度で噴射し搾液した。評価結果を表1に示
した。
加圧気体の速度を70m/秒に代えたほかは、実施例1と同様にして、アクリロニトリ
ル系前駆体繊維を得た。評価結果を表1に示した。
加圧気体の速度を120m/秒に代えたほかは、実施例1と同様にして、アクリロニト
リル系前駆体繊維を得た。評価結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1において、加圧気体の噴射ノズルを取り外し、代わりに各油剤槽前後に配置し
た絞りバーを糸条に垂直に押し当て、押し当てる強さを調節することで過剰付着したシリ
コン系油剤水分散液を搾液した。用いた絞りバーは鏡面仕上げハードクロムメッキφ35
mmの円柱状のものを用いた。評価結果を表1に示した。
(比較例2)
加圧気体の噴射方向をアクリロニトリル系前駆体繊維に対して垂直方向に代え、加圧気
体の噴射速度を35m/秒に代えたほかは、実施例1と同様にして、アクリロニトリル系
前駆体繊維を得た。評価結果を表1に示した。
(比較例3)
加圧気体の噴射方向をアクリロニトリル系前駆体繊維に対して垂直方向に代え、加圧気
体の噴射速度を70m/秒に代えたほかは、実施例1と同様にして、アクリロニトリル系
前駆体繊維を得た。評価結果を表1に示した。
Figure 2005113303
本発明によれば、アクリロニトリル系前駆体繊維の製造工程におけるアクリロニトリル
系前駆体繊維への薬液の含浸の際、薬液を含浸させたアクリロニトリル系前駆体繊維から
過剰の薬液を、非接触式の方法により毛羽の発生及び薬液の飛散を伴うことなく、効果的
に搾液することができ、また巻き付きや付着斑なしに薬液をアクリロニトリル系前駆体繊
維に付着させることができる。
本発明における薬液含浸アクリロニトリル系前駆体繊維から過剰の薬液を搾液する際の一例の概略工程図である。
符号の説明
1 アクリロニトリル系前駆体繊維
2 薬液槽
3 浸漬ローラー
4 ガイドローラー
5 噴射ノズル

Claims (3)

  1. 薬液槽に浸漬した薬液含浸アクリロニトリル系前駆体繊維から過剰の
    薬液を搾液するに当たり、薬液槽から浸漬ローラーを経てアクリロニトリル系前駆体繊維
    をガイドローラーで引き上げると共に、引き上げ方向とは逆方向の接線方向に該ガイドロ
    ーラー上のアクリロニトリル系前駆体繊維に対し加圧気体を噴射するアクリロニトリル系
    前駆体繊維の製造方法。
  2. 引き上げ方向に対し±5°の接線方向に加圧気体を噴射する請求項1
    に記載のアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法。
  3. 加圧気体の噴射速度が30〜120m/秒である請求項1又は請求項
    2に記載のアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015200051A (ja) * 2014-03-31 2015-11-12 帝人株式会社 繊維束の製造方法

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JP2015200051A (ja) * 2014-03-31 2015-11-12 帝人株式会社 繊維束の製造方法

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