JP4593865B2 - 機械的細化を用いたメルトブロー法 - Google Patents
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Description
本出願は、2000年4月21日に出願されたMELTBLOWN PROCESS WITH MECHANICAL ATTENUATIONと称する先行仮出願第60/198,837号の出願日の特典を請求する。本出願はまた、1998年11月3日に出願された出願第09/185,423号の一部継続である1999年2月24日に出願された出願第09/256,197号(現在は米国特許第6,210,801号)の継続である2001年1月23日に出願された先行同時係属出願第09/768,741号の一部継続であり、第09/768,741号の特典を請求する。こうした先願を、特に本明細書において参考のために引用する。
【0002】
発明の分野
本発明は、修正メルトブロー法を用いてフィラメントを製造するための方法に関し、より詳細には、フィラメントを機械的に細化する(mechanically attenuates)修正メルトブロー法を用いてリヨセルフィラメントを製造するための方法に関する。
【0003】
発明の背景
過去10年間、主要なセルロース繊維製造業者は、リヨセル法に基づく、フィラメント及び繊維を含む成形セルロース材料(shaped cellulose material)を製造するための方法の開発に携わってきた。メルトブロー法として周知のリヨセルフィラメントを製造するための1方法は一般に、流体ドープを、オリフィスの列を通して押出して複数のフィラメントを形成し、同時に、空気または他のガスの流れは、高温のフィラメントを延伸し、細化するような1段法として説明できる。潜在フィラメント(latent filament)を処理してセルロースを沈殿させる。フィラメントを、連続フィラメントまたは不連続フィラメントとして集める。このような方法は、本出願の譲受人であるウェヤーハウザー・カンパニー(Weyerhaeuser Company)に譲渡された国際公開WO 98/07911に説明されている。
【0004】
既存のメルトブロー法によって製造されたリヨセルフィラメントは、長手方向の直径のばらつき、フィラメント間の長さ及び直径のばらつき、平滑ではない表面並びに天然に与えられたケン縮(crimp)を特徴とする。加えて、メルトブロー法によって製造されたリヨセルフィラメントは、望ましい低レベルのフィブリル化を示すことが観察されている。周知のメルトブロー法によって製造されたリヨセルフィラメントのこうした特性は、このフィラメントをこのような特性が望ましい用途に適したものにし、同時に、こうした特性は、メルトブローリヨセルフィラメントを、フィラメント直径のより低いばらつき、より少ない天然のケン縮及びより高い強度が望ましい他の用途にはあまり適さないものにする。
【0005】
リヨセルフィラメントを製造するための別の方法は、ドライジェット湿式紡糸として周知である。ドライジェット湿式法の例は、McCorsley IIIに付与された米国特許第4,246,221号及び同第4,416,698号に説明されている。ドライジェット湿式法は、流体ドープを、複数のオリフィスを通して押出して、エアギャップ中で連続フィラメントを形成することを含む。通常、このギャップ内の空気はよどんでいるが、フィラメントが移動中の方向を横断する方向に時々空気を循環させて、フィラメントを冷却し、強靱化する。形成された連続フィラメントを、ワインダ等の機械的張力付与装置によってエアギャップ中で細化する。張力付与装置は、ドープがオリフィスから現れる速度を超える表面速度を有する。この速度の差が、フィラメントを機械的に延伸し、フィラメントの直径の減少及び強化をもたらす。フィラメントを次に、非溶媒を用いて処理してセルロースを沈殿させ、連続フィラメントを形成した後に、コンベヤーまたは他のテークアップ装置によって巻取る。こうしたフィラメントを集めてトウにして、輸送及び洗浄することができる。ステープルファイバーは、フィラメントのトウを切断することによって製造できる。他に、連続フィラメントを撚って、フィラメントヤーンを形成できる。
【0006】
ドライジェット湿式法によって形成されたリヨセルフィラメントは、平滑な表面及びフィラメントの長手方向の横断面直径のばらつきがほとんどないことを特徴とする。加えて、ドライジェット湿式フィラメント間の直径のばらつきは低い。さらに、フィラメントを後処理してケン縮を与えない限り、ドライジェット湿式法から得られたリヨセルフィラメントにはケン縮はあったとしてもわずかである。ドライジェット湿式法によって製造されたリヨセルフィラメントのフィブリル化しやすさは、周知のメルトブロー法によって製造された繊維のフィブリル化しやすさよりも大きいと考えられている。従って、ドライジェット湿式法によって製造されたリヨセルフィラメントまたはこのようなフィラメントから製造されたリヨセル繊維は、低い天然のケン縮、平滑な表面、繊維に沿った横断面直径の低いばらつき及び繊維間の直径の低いばらつきが望ましい用途にとっては好ましいかもしれないが、周知のメルトブロー法を使用して製造されたリヨセル繊維と比較して、さらにフィブリル化しやすいかもしれない。
【0007】
リヨセル繊維の需要が増大し、広がるにつれて、望ましい特性を有しかつリヨセルを製造するための既存の方法によって繊維に与えられる望ましくない特性を有しない繊維を製造できるような、リヨセル繊維を製造する改良された方法が要望されている。
【0008】
発明の要約
本発明は、ドープを、複数のオリフィスを通してガスの流れの中に押出して、実質的に連続的な伸長フィラメント(substantially continuous elongate filament)を形成する工程を含むような、リヨセルフィラメントを製造する改良された方法を提供する。ガス流は、押出フィラメントを細化し、時として安定化する。加えて、本発明によれば、フィラメントを、ワインダまたは他のタイプのテークアップ装置を使用して機械的に細化する。機械的ワインダまたは他のテークアップ装置は、フィラメントの長さに平行な方向にフィラメントに外力を加える。この力は、ガス流または重力によって加えられる力に追加されるものである。本発明に従って実行される方法によって製造されたリヨセルフィラメント及びこのようなフィラメントを切断したリヨセル繊維は、フィブリル化しやすさが低いこと、平滑な表面、フィラメントまたは繊維の長手方向及び繊維間の横断面直径の低いばらつき並びに天然のケン縮がほとんどない等の望ましい特性を示す。加えて、フィラメント及び繊維は、これらを、リヨセルフィラメント及び繊維が現在使用されているかまたは予想されている多くの用途に適したものにする強度特性を有する。
【0009】
本発明のさらなる利益は、フィラメントを従来のドライジェット湿式法またはメルトブロー法を使用して紡糸する速度と比較して、リヨセルフィラメントのより高速の紡糸を可能にする点である。より高速の紡糸は、ドープのスループットを増大させることで生産速度の増大をもたらそう。他に、ドープのスループットが増大しない場合、繊維直径が減少し得る。
【0010】
本発明に従って押出フィラメントをガスによって細化する程度及びフィラメントを機械的に細化する程度は変化し得る。例えば、特定の実施例においては、ガスが細化の大部分を提供し、機械的細化はほとんどないのが好ましいかもしれない。他の状況においては、押出フィラメントをガス流中に導入することに起因する細化がほとんどなく、細化の大部分が機械的に提供されるのが好ましいかもしれない。
【0011】
セルロースと他のポリマーとを含む二成分セルロースフィラメント及びセルロースと他の材料とのブレンドを含むフィラメントもまた、セルロースと他のポリマーとの組合せからドープを形成することで、本発明に従って実行される方法を使用して製造できる。
【0012】
本発明の前述の態様と附随する利益の多くとは、添付図面と合わせて以下の詳細な説明を参照することによってより良く理解されるにつれて、より容易に了解されよう。
【0013】
好適な実施例の詳細な説明
本発明の好適な実施例を示し、説明してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明に様々な変更を行い得ることは了解されよう。例えば、好適な実施例においては、空気をガスとして説明している。しかしながら、他のガスも、同様に申し分なく機能できることは理解できるはずである。本発明に従って必要な複数のオリフィスを、メルトブローヘッドに関連して下記に説明する。メルトブローヘッドを使用した説明は模範的なものであり、ドープを押出してフィラメントにするのに適した複数のオリフィスを含む他のタイプの装置が本発明において有用であると思われることは理解できるはずである。
【0014】
本発明の実施例に関する以下の説明は、リヨセル繊維の製造に言及するが、下記に説明する方法を、他の組成物を使用して実行することで、セルロースと他のポリマーとの混合物のドープから形成される二成分繊維等の他のタイプの繊維を製造できる可能性があることは理解できるはずである。
【0015】
本発明に従って実行される方法を使用して繊維を製造するために、好ましくは木材パルプの形態のセルロースを、水等のセルロースの非溶媒を含むアミンオキシド、好ましくは第三級アミンN−オキシド中に溶解させることによってドープを形成する。木材パルプは、本出願の譲受人であるウェヤーハウザー・カンパニー、インターナショナル・ペーパー・カンパニー(International Paper Company)等の供給源から得られる多数の市販の溶解または非溶解等級パルプ、サッピ・サイコー(Sappi Saiccor)亜硫酸パルプ、及びインターナショナル・ペーパー・カンパニーから得られる前加水分解済みクラフトパルプのいずれでもよい。加えて、木材パルプは、本明細書において参考のために引用する米国特許出願第09/256,197号及び同第09/185,432号並びに国際公開WO 99/47733に説明される高ヘミセルロースで低重合度のパルプとすることができる。
【0016】
本発明の実施において有用なアミンオキシド溶媒の代表的な例は、米国特許第5,409,532号に説明されている。好ましいアミンオキシド溶媒は、N−メチル−モルホリン−N−オキシド(NMMO)である。本発明の実施において有用な溶媒の他の代表的な例としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジメチルホルムアミド(DMF)及びカプロラクタン(caprolactan)誘導体が挙げられる。パルプを、米国特許第5,534,113号、同第5,330,567号、及び同第4,246,221号に説明するもの等の従来技術により認められた任意の手段によって、アミンオキシド溶媒中に溶解させることができる。
【0017】
図1は、セルロースドープからリヨセルフィラメントを形成するための好ましい方法のブロック図を示す。必要ならば、パルプの形態のセルロースを、例えば粉砕機によって物理的に破壊し、その後アミンオキシド−水混合物中に溶解させて、ドープを形成する。パルプを、例えばMcCorsleyの米国特許第4,246,221号に教示されるように、任意の周知の方法によってアミン溶媒中に溶解させることができる。例えば、パルプを、約40%のNMMOと60%の水との非溶媒混合物中で湿らすことができる。パルプ対湿潤NMMOの比は、重量で約1:5.1とすることができる。混合物を、ダブルアームシグマブレードミキサー中、約1.3時間、真空下、約120℃で、十分な水を蒸留除去して、NMMOを基準として約12%〜14%を残すまで混合し、それによってセルロース溶液を形成できる。他に、適切な含水量を有するNMMOを最初に使用して、減圧蒸留を不要にすることができる。これは、実験室で紡糸用ドープを作製するための便利な方法であり、約40%〜60%濃度の市販のNMMOとわずか約3%の水を有する実験室試薬のNMMOとを混合して、7%〜15%の水を有するセルロース溶媒を作製できる。パルプ中に通常存在する水分は、溶媒中に存在する必要な水を調節する際に明らかにされるはずである。NMMO水溶媒中のセルロースドープの実験室での作製に関しては、Chanzy, H. and A. Peguy, Journal of Polymer Science, Polymer Physics Ed. 18:1137-1144 (1980)及びNavard, P. and J.M. Haudin, British Polymer Journal, p. 174 (Dec. 1980)の論文を参照するとよいかもしれない。
【0018】
本発明の実施例によれば、ドープを、メルトブローヘッドを通して処理し、このヘッドは、ドープを、複数のオリフィスを通して、ドープがオリフィスから出る方向に略平行に移動する乱流空気流れの中に押出すものであって、気流が存在しないかまたはドライジェット湿式法の場合のようにドープがオリフィスから出る方向を横断する気流が存在するエアギャップ中に直接に押出すものではない。平行な気流は、ドープがオリフィスから出る箇所から下流の空気の流れを説明する。下記により詳細に説明するように、メルトブローヘッドの個々の形状によっては、メルトブローヘッドから出る空気は、必ずしもフィラメントが移動中の方向に平行には移動しないかもしれない。しかしながら、ドープがオリフィスから出る箇所から下流のある箇所で、本発明によれば、空気は、フィラメントが移動中の方向に平行な方向に流れ始める。高速の空気はフィラメントを引く、すなわち延伸する。この空気細化は、より可変な張力を提供し、気流の乱れが原因となって連続的な張力を提供しないかもしれないという点で機械的細化とは異なる。この非機械的延伸は2つの目的に役立つ。すなわち、これは、ある程度の長手方向の分子配向を引き起こすことと、フィラメントがノズルオリフィスから出る際にこれを急速に加速し、従って、最終的な繊維直径を減少させることである。空気流れはまた、下記により詳細に説明するように、潜在フィラメントを安定化すると考えられている。
【0019】
本発明によれば、流動する空気流れによって提供されるフィラメントの細化に加えて、フィラメントのさらなる細化を成し遂げために、フィラメントの長さに平行な方向にフィラメントに外力を加え、このような外力は、ガス流または重力以外のものによって供給される。好適な実施例においては、このような外力は、ワインダまたはテークアップロールの形態のテークアップ装置等の機械的装置によって提供される。このような装置は、空気流れによって提供される細化を補足しまた追加する機械的細化を提供する。特定の実施例においては、潜在フィラメントを再生し、その後、機械的細化を提供する装置によって巻取ることができる。本発明に従って実行される方法は、実質的に連続的な伸長フィラメントを製造し、このフィラメントは、再生後に、実質的に連続的な伸長フィラメントとして集められる。このような連続的な伸長フィラメントは、国際公開WO 98/26122に説明されているもの等の従来のメルトブロー法によって製造されるより短いステープル非連続繊維とは異なる。
【0020】
ドープを、ある程度高温で、ポンプまたは押出機によって70℃〜約140℃までの温度で紡糸装置に供給する。ドープの温度は、溶媒の急速な分解が起きるほど高くも、ドープがもろく、紡糸不可能になるほど低くもないようにすべきである。再生溶液は、非溶媒の例えば水、水−NMMO混合物、低級脂肪族アルコール、またはこうしたものの混合物である。溶媒として使用したNMMOを次に、再利用のために再生浴から回収することができる。好ましくは再生溶液を、押出ヘッドから予め定められた距離だけ下の箇所において微細なスプレーとして施用する。
【0021】
図2は、本発明に従って形成した修正メルトブロー法の好適な実施例の詳細を示す。ドープの供給物を、押出機及び容積式ポンプ(図示せず)を通し、ライン200を通して、多数のオリフィスを有する押出ヘッド204に指向する。圧縮空気または別のガスはライン206を通して供給する。潜在フィラメント208をオリフィス340(図3に示されている)からZ−方向に押出す。ドープのこうした細いストランド208を、押出ヘッド中の不連続なスロット344(図3)から出る空気によって作り出されてZ−方向に移動する高速ガス流によって取り出す。フィラメントは、空気流れによって下方へ運ばれるにつれてかなり延伸または伸長される。これらが移動する間の適切な箇所で、今や延伸した潜在フィラメントストランド208は、対向するスプレーパイプ210、212の間を通過し、水スプレーまたは他の再生液体214と接触する。再生フィラメント215は、フィラメントの機械的細化を引き起こす外力の源として役立つ回転するピックアップロール216によって取り出される。ピックアップロールの巻取った量が最大限になり始めたら、新たなリールを抄紙機に使用するように、生産速度を落とすことなく新たなロール216を用いてフィラメントを延伸し、集める。
【0022】
ロール216の表面速度は、下降するフィラメント215の線速度よりも大きく、これによってフィラメントを機械的に引く。テークアップ装置によってフィラメントに加えられる機械的力は、ロール216の表面速度、フィラメントがガス流によって運ばれる速度、及びドープがオリフィスから吐き出される速度に関する。他に、移動する有孔ベルト(foraminiferous belt)をロールの代わりに使用してフィラメントを集め、機械的に延伸し、任意の必要な下流での処理に指向してよい。本発明によれば、少なくとも若干の機械的細化をフィラメントに与える最小表面速度を超える速度でローラーを稼働させる。ローラーを稼働できる最大速度は、連続フィラメントを形成できる最大速度を含む多数の要素によって決定されよう。ローラーをより高速で稼働させた場合に形成されるフィラメントとは対照的に、より低いワインダ速度では、フィラメントは直径がより大きくなる傾向がある。連続フィラメントは、約200〜1000m/分の範囲にわたるワインダ速度を使用して製造されてきた。本発明は特定のタイプのテークアップ装置に限定されるものではなく、他のタイプのテークアップ装置の例えばコンベヤー、ベルト、ローラー、及びその他同様なものが満足な結果を提供できることは理解できるはずである。
【0023】
希釈されたNMMOまたは他の溶媒を含む再生溶液は、蓄積された繊維220から容器222に滴り落ちる。ここから溶液は溶媒回収装置に送られ、ここで、回収されたNMMOは濃縮されてプロセスに再循環される。
【0024】
図3は、好ましい方法において有用な好ましい押出ヘッド300の断面を示す。マニホルドまたはドープ供給導管332は、ノーズピース340を通って長手方向に延在する。ノーズピース内では、1本の毛細管または多数の毛細管336は、マニホルドから下降する。これらは、押出オリフィス340への移行帯域338中で直径が減少する。ガスチャンバ342もダイを通って長手方向に延在する。これらはオリフィスの出口端に隣接して配置されたスリット344を通して排出する。スリットまたはスロット344は、ヘッド300の長手方向に、オリフィス340を中心として不連続に配置される。スロット344の幅及び長さは、スロット334を通って流れることが望まれる空気の体積並びにスロット334から出るガスの所望の速度等の多数の要素によって変化し得る。一般に、より小さなスロットは、チャンバ342内の与えられた圧力でより高速のガスを提供しようし、より大きなスロットは、チャンバ342内の同様の圧力でより低いガス速度を提供しよう。下記に説明するオリフィス直径の場合、幅約0.01インチ及び長さ0.25インチを有するスロットが適切であることが見い出された。内部導管346は、電気的加熱要素または蒸気/油加熱用の通路を供給する。チャンバ342中のガス供給物は通常、予熱されて供給されるが、押出ヘッド自体の中にガス供給物の温度を制御するための設備も作ることができる。
【0025】
上記に検討したように、ドープを、ドープがオリフィス340を通して押出される方向に実質的に平行な方向に移動する流動するガス流中に押出す。スリット344から出たガスは、ある予め定められた角度で一緒になって単一のジェットを形成し、これは、ガスの2つの対向する流れによって形成された角度を分ける軸に沿って流れる。図3に示す実施例においては、スリット344から出たジェットは、60°の角度で一緒になり、合流して単一のジェットを形成し、これは、ドープがスリット340を通して押出される方向に平行に流れる。従って、平均的な空気の方向は、ドープがスロット340から押出される方向及び潜在フィラメントが移動する方向に実質的に平行な方向に与えられる。
【0026】
図3は、本発明によって有用な押出ヘッドの好適な実施例を示すが、他のタイプの押出ヘッドが本発明によって有用なことは理解できるはずである。例えば、米国特許第4,380,570号及び米国特許第5,476,616号に説明されている押出ヘッドは、有用な押出ヘッドの例である。別の適切な押出ヘッドは、Lawに付与されたGB 2337957Aに説明されている。
【0027】
図3の押出ヘッドノーズピース内の毛細管及びノズルは、穿孔または放電加工等の任意の適切な手段によって金属の単一ブロック中に形成することができる。他に、オリフィスの直径が比較的大きいため、ノーズピースは整合した半分348、348”(図3)を備えた組型として機械加工してよい。これは、機械加工のコスト及び洗浄の容易さにおいてかなりの利益を提供する。
【0028】
紡糸用オリフィスの直径は300〜600μmの範囲、好ましくは約400〜500μmであり、L/D比は約2.5〜10の範囲内としてよい。最も望ましくは、オリフィスよりも大きな直径を有する毛細管中のリードを使用する。オリフィスの直径の約1.2〜2.5倍であり、L/D比は約10〜250である毛細管が適切である。好ましい装置及び方法において利用されるより大きなオリフィス直径は、単位時間当りより大きなスループット、例えば、約1g/分/オリフィスに等しいかまたはこれを超えるスループットを可能にする1要素であるという点で有利である。さらに、より大きな直径のオリフィスは、ドープ中の異物または不溶解材料の小さなかけらによって、より小さなノズルと同程度に閉塞しやすいということは全くない。万一閉塞が起きても、より大きなノズルははるかに洗浄し易く、また、より低い圧力を必要とするということが部分的には理由となって押出ヘッドの構成はかなり簡略化される。オリフィス及び毛細管に沿った稼働温度及び温度プロフィールを、好ましくは約70℃〜約140℃の範囲内に入れて、もろいドープまたは急速な溶媒劣化を避ける。紡糸用オリフィスの出口付近で昇温すると有利なようである。NMMOが急速に分解し始める約140℃までのできる限り高温で稼働させると、多くの利益がある。こうした利益の中でも、より高いドープ温度での粘度の低下が理由となってスループットの割合は一般に増大することがある。オリフィス温度のプロフィールを測定することで、ドープが分解温度でまたは分解温度付近で保持される時間は非常に短くなるので、出口箇所で分解温度に安全に近づけることができる。メルトブローヘッドから出る時の空気温度は、40℃〜140℃の範囲内、好ましくは約70℃とすることができる。
【0029】
ガス流の最小速度は好ましくは、オリフィスから出るドープの速度を超え、これによって、形成されたフィラメントの少なくとも若干の細化がガス流によって引き起こされるようにする。ガスの最大速度は、所望の最終的な結果によって決定されよう。より低いガス速度で生成する傾向がある連続フィラメントとは対照的に、ある最大速度では、ステープル(不連続)繊維が形成されよう。テークアップ装置によって与えられる機械的延伸と比較して、ガス流によって与えられる非機械的延伸の量を適応させるために、ガス速度をローラーの表面速度及びドープ流量に応じて調節することができる。例えば、約0.06〜約1.9psiの範囲にわたる、長さ0.25インチ及び幅0.010インチのスロット344への入口でのガス圧力は、ゼロより直ぐ上から音速までのガス速度を提供する。具体的な例として、チャンバ342中の空気圧力約0.4psiは、スロット344が長さ0.25インチ及び幅0.01インチの場合、スロット344の出口で約175m/秒の気流速度を提供する。この流動する空気は、こうした流動するガスジェットによって作り出された膨張するジェット中に側面からよどんだ空気を巻き込むので、スロット344から出ると劇的に減速する。本発明によれば、空気の減速は、空気流れの速度が、フィラメントがオリフィスから押出される速度を下回るほど大きくないようにすべきである。
【0030】
ガスの湿度を変化させることは、製造された繊維の特性に影響し得るものであり、例えば、より低い湿度を有する空気を使用して製造された繊維と比較して、より高い湿度を有する空気は、より小さな直径を有する繊維を生成する傾向がある。
【0031】
テークアップ装置によって施される機械的細化の場合、何らかの非機械的(例えば、ガス)細化を与えるには不十分であるが、ワインダによって延伸するためにフィラメントを安定化するのには十分な最小のガス流を提供することには利益があることが観察された。上記に説明したように、従来のドライジェット湿式法においては、気流が存在しないかまたは横断する気流がエアギャップ中に提供されており、ドープがオリフィスから出る方向に平行な気流がこのエアギャップ中に存在しないことは、ドライジェット湿式法を制御できる程度に悪影響を及ぼすと考えられている。例えば、従来のドライジェット湿式法においては、ドープがダイから出る方向に平行な最小のガス流(すなわち、フィラメントを細化するには不十分な)の供給は、形成されたフィラメントを横方向の動きから安定化し、さもなければ、隣接するフィラメント同士が互いに溶融する結果となるかもしれないと考えられている。加えて、ドープがダイから出る方向に平行な最小のガス流は、潜在フィラメントの弾性が理由となってループの形成を引き起こし得る潜在フィラメントのスプリングバックを避けることができる。ドープがダイから出る方向に平行なガス流を提供することのさらなる利益は、フィラメントが最初にダイによって形成された後にフィラメントをテークアップ装置に案内することを助ける能力に関する。
【0032】
以下の特性を有するリヨセルフィラメントを、本発明に従って実行される方法によって製造した:
繊度:約2.2〜0.5dtex
乾燥靱性:約33〜42cN/tex
湿潤靱性:約22〜28cN/tex
乾燥伸び:約11%〜14%
湿潤伸び:約12%〜15%
引掛け強さ:約13〜18cN/tex
乾燥モジュラス:約670〜780cN/tex
湿潤モジュラス:約170〜190cN/tex
束強度:約33〜47cN/tex
繊維に沿った直径のばらつき:約6〜17CV%
繊維間の直径のばらつき:約10〜22CV%
フィブリル化指数:約0〜1
染着性:良好
延伸の程度によって変化し得る平滑な表面テクスチュア
本発明に従って実行される方法は、このような方法を使用して製造されるリヨセル繊維の特性を適応させる類のない機会を提供すると考えられている。オリフィス直径、ドープの粘度、押出しの速度、ガス速度、及びテークアップ装置の速度を調節することで、1デニール未満のリヨセルフィラメントを本発明に従って製造できる。本発明に従って実行される方法によって製造されたリヨセルフィラメントの特性の具体的な例を、下記に説明する。
比較例1
ドライジェット湿式
この比較例は、空気細化を用いないドライジェット湿式法を使用したリヨセル繊維の製造を示す。ドープを、国際公開WO 99/47733に説明されておりヘミセルロース含有量13.5%及び平均セルロース重合度約600を有する酸処理済みパルプから製造した。処理済みパルプをNMMO中に溶解させてセルロース濃度約12重量%を与え、米国特許第5,417,909号に説明されているドライジェット湿式法によって紡糸してフィラメントにした。ドライジェット湿式紡糸手順を、チューリンギッシェス・インスツート・フューア・テクスティール・ウント・クンストシュトッフ−フォルシュング. V.、ブライトシャイドstr 97、D−07407 ルードルシュタット、ドイツ(TITK)(Thuringisches Instut fur Textil-und Kunststoff-Forschung. V., Breitscheidstr 97, D-07407 Rudolstadt, Germany (TITK))によって行い、よどんだエアギャップまたはフィラメントが移動する方向を気流が横断するエアギャップを用いた。この手順で製造したフィラメントを切断してステープルファイバーにした。ドライジェット湿式法によって製造された繊維の特性を、下記の表1にDJW−TITKとして要約する。
比較例2
機械的細化を用いないメルトブロー
この比較例は、機械的細化を用いないメルトブロー法を使用したリヨセル繊維の製造を示す。ドープを、国際公開WO 99/47733の実施例10に説明されておりヘミセルロース含有量13.5%及び平均重合度約600を有する酸処理済みパルプから製造した。
【0033】
酸処理済みパルプをNMMO中に溶解させた。9gの乾燥させた酸処理済みパルプを、0.025gの没食子酸プロピルと61.7gの97%NMMOと21.3gの50%NMMOとの混合物中に溶解させて、セルロース濃度約9.8%を与えた。混合物を含むフラスコを約120℃の油浴中に浸漬し、攪拌機を挿入し、パルプが溶解するまで約0.5時間撹拌を続けた。
【0034】
得られたドープを約120℃に維持し、単一オリフィス実験室用メルトブローヘッドに供給した。ノズル部分のオリフィスの直径は483μm、その長さは約2.4mm、L/D比は5だった。オリフィスの直ぐ上に配置された着脱自在な同軸毛細管は、直径685μm及び長さ80mm、L/D比は116だった。オリフィスと毛細管との間の移行帯域の角度は約118°だった。複数の空気供給口は平行なスロットであり、オリフィス開口はそれらの間の等距離のところに配置された。エアギャップの幅は250μmであり、ノーズピース端部での全体の幅は1.78mmだった。空気スロットと毛細管とノズルとの中心線との間の角度は30°だった。ドープを、スクリュー起動容積式ピストンポンプ(screw-activated positive displacement piston pump)によって押出ヘッドに供給した。気流速度を、熱線器械を用いて測定したところ3660m/minだった。電気的に加熱した押出ヘッド内で空気を温め、吐出し箇所で60〜70℃にした。ドープが存在しない毛細管内の温度は、入口端での約80℃からノズル部分の出口直前での約140℃の範囲にわたった。稼働条件下で毛細管及びノズル中のドープ温度を測定することは可能ではなかった。平衡作動条件が確立した時に、連続繊維をドープから形成した。スループットは約1gのドープ/分を超えた。
【0035】
微細な水スプレーを、押出ヘッドから約200mmだけ下の箇所で、下降する繊維に指向し、繊維を、下降する繊維の線速度の約1/4の表面速度で稼働するロール上に巻取った。集めた繊維の特性を、下記の表1にMBの項目の下に要約する。
【0036】
以下の実施例1〜3は、本発明に従ってリヨセルフィラメントを製造するための方法の実施例を示し、説明するが、これらは、例示のためのものであり、本発明の範囲を限定するためのものではない。
実施例1
リヨセルフィラメントを形成するためのドープを作製するために、N−メチル−モルホリン−N−オキシド中に、ASTM D 1795−62で測定して平均重合度約600及びウェヤーハウザー・カンパニー・ダイオネックス(Dionex)糖分析法で測定してヘミセルロース含有量約13%を有するクラフトパルプを溶解させた。ドープ中のセルロース濃度は12重量%だった。ドープを、オリフィス直径457μmを有する20個のノズルを有するメルトブローダイから、0.625g/穴/分の速度で押出した。オリフィスは長さ/直径比5を有した。ダイを100〜130℃の範囲にわたる温度に維持した。ドープを、水スプレーを用いて凝固させる前に、長さ12.7cmのエアギャップ中に押出した。90℃を超える温度及び20psiの圧力の空気をヘッドに供給した。エアキャップ(図3のチャンバ342)中の空気圧力は約0.4psiであり、速度約18SCFMで流れた。これは、空気スロットへの出口での気流速度約175m/秒を提供した。この実施例においては、スロットは長さ0.25インチ及び幅0.010インチだった。
【0037】
エアギャップの下流で、形成されたフィラメントを、エアギャップ中のフィラメントの線速度を超える速度500m/分で稼働するワインダによって巻取った。水を使用して、形成されたフィラメントからセルロースを沈殿させた。水を、ワインダより前でフィラメントの上に噴霧して施用した。4つの異なる試料を、上記の方法を使用して作製した。試料をMBA−1〜MBA−4と呼ぶ。
【0038】
集めたフィラメントを洗浄し、乾燥し、次に以下の手順を受けさせて次のものを評価した:繊度(DIN EN ISO 1973を使用したTITK試験)、乾燥靱性(DIN EN ISO 5079を使用したTITK試験)、乾燥伸び(DIN EN ISO 5079を使用したTITK試験)、湿潤靱性(DIN EN ISO 5079を使用したTITK試験)、湿潤伸び(DIN EN ISO 5079を使用したTITK試験)、相対湿潤靱性(すなわち、湿潤靱性/乾燥靱性)、引掛け強さ(DIN 53 843 T2を使用したTITK試験)、乾燥モジュラス(DIN EN ISO 5079を使用したTITK試験)、湿潤モジュラス(DIN EN ISO 5079を使用したTITK試験)、直径のばらつきCV%(繊維間CV%に関する200本の繊維の顕微鏡測定及び束強度の200個の測定値(インターナショナル・テキスタイル・センター、テキサス工科大学(International Textile Center, Texas Tech University)によるステロメータ測定))、及び、0〜10の段階で評価し、0は、図4に例示するようにフィブリル化が低いか無く、10は、図5に例示するようにフィブリル化が高いというフィブリル化特性(個別化繊維を10mlの水と共に25mlの試験管に入れ、低振幅、周波数約200サイクル/分で24時間振とうした)。上記に言及した“TITK”という略号は、説明する試験を実行したチューリンギッシェス・インスツート・フューア・テクスティール・ウント・クンストシュトッフ−フォルシュング eVというドイツの会社を識別するものである。
【0039】
フィラメントMBA−1〜MBA−4の特性を表1に要約する。
フィブリル化指数を決定するために、長さ約10μmの約100の繊維セグメントのSEM写真を観察した。0〜1のフィブリル/セグメントが観察された場合、繊維を0と格付けした。各セグメントが5〜6のフィブリルを含むかまたはセグメントが図5におけるように断片化した場合、格付けは10とした。
【0040】
【表1】
【0041】
得られたフィラメントMBA−1〜MBA−4は、ニューセルGmbH&Co. KG、カジノStr.、19−21 D−42103、ヴッパータール(Newcell GmbH & Co. KG, Kasino Str., 19-21 D-42103 Wuppertal)からニューセル(登録商標)(Newcell(登録商標))(DJW−ニューセル(登録商標))として入手可能なドライジェット湿式法によって製造された市販のリヨセルフィラメントと同様の靱性を有するが、このような市販のフィラメントよりも高い乾燥伸びを有する。実施例1のフィラメントはまた、比較例1において説明したTITKドライジェット湿式法を使用して同様のドープから製造したリヨセルステープルファイバーと比較して、より高い引掛け強さを有する。実施例1の繊維はまた、比較例1のTITKドライジェット湿式法を使用して同様のドープから製造したリヨセルステープルファイバーと比較して、より高い乾燥モジュラスを有する。加えて、上記に説明した試験を使用すると、実施例1の繊維は、テンセル(登録商標)(Tencel(登録商標))(DJW−テンセル(登録商標))という商標でアコーディス・カンパニー(Accordis Company)から入手可能なドライジェット湿式法によって製造された市販のリヨセル繊維及びDJW−TITK繊維よりも低いフィブリル化傾向を有する。機械的延伸を用いないメルトブローリヨセル(試料MB)と比較して、実施例1の繊維(MBA−1〜MBA−4)はより高い乾燥及び湿潤靱性、並びに繊維間及び繊維に沿った場合の両方でより低い直径のばらつきを有する。この実施例は、本発明に従って製造した繊度約1デニールを有するリヨセル繊維の特性を示す。デニール1未満を有するリヨセルフィラメントを、下記に説明するように、ドープ粘度、オリフィス中のドープのスループット、及びワインダ速度を調節することによって製造できる。
【0042】
上記に説明した手順を、上記に説明したように作製したドープ試料を用いて繰り返した。表2に説明する試料MBA−5〜MBA−17の場合、ドープを、上記に説明した条件下で紡糸し、ただしワインダ速度を220m/分、350m/分、400m/分、または600m/分に設定した。試料MBA−5〜MBA−17に関する直径及び直径のばらつき係数を、下記の表2に説明する。試料MBA−18及びMBA−19の場合、ドープのスループットをそれぞれ0.42g/穴/分及び0.25g/穴/分に低下させ、ワインダ速度は800m/分だった。試料MBA−18及びMBA−19に関する直径及び直径のばらつきを、表2に説明する。フィラメントMBA−1〜MBA−4の直径及び直径のばらつきは、上記の表1に報告した。
【0043】
【表2】
【0044】
得られたフィラメントMBA−5〜MBA−20は一般に、上記の比較例1及び比較例2に説明したように機械的延伸を用いずに製造したメルトブロー繊維と比較して、より小さい直径及びフィラメント間のより低い直径のばらつきを有する。
【0045】
図6は、実施例1に説明した様々なワインダ速度を使用して製造したMBA−1〜MBA−16に関する平均直径及びフィラメント間の平均ばらつき係数を表すグラフである。グラフから、ワインダ速度が増大するにつれて、乾燥繊維直径並びに変動係数が低下することが観察される。
比較例3
機械的細化を用いない従来のメルトブロー法を使用してフィラメントを製造するために、実施例1に説明したドープを使用して実施例1の手順を繰り返し、ただしワインダ速度は0m/分だった。こうした条件下で形成されたフィラメントは、平均直径26.1μm及び繊維間の変動係数44%を有した。
実施例2
異なる空気圧力を使用して実施例1の手順を繰り返した。ワインダ速度は500m/分だった。この実施例においては、メルトブローヘッドに供給する空気の圧力は1psiであり、エアキャップ(図3のチャンバ342)中の圧力約0.06psiを生じた。この低圧は、オリフィスから出るフィラメントの線速度を超える速度で移動するエアギャップ中の空気の知覚できる流れを提供した。気流は、押出フィラメントを細化することが観察された。製造されたフィラメントの平均直径は14.74μmだった。フィラメント直径は64.12〜7.10μmの範囲にわたった。
比較例4
ドライジェット湿式
異なる空気圧力及びワインダ速度を使用して実施例1の手順を繰り返した。この実施例においては、このメルトブローヘッドに供給する空気の圧力は0psiであり、エアギャップ中の空気の流れを生じなかった。こうした条件下では、ワインダ速度500m/分ではフィラメントを製造できなかった。気流が存在しない場合、このようなワインダ速度では押出ドープは分解することが観察された。
【0046】
処理の開始にエアギャップ中に気流が存在しない場合、押出フィラメントがワインダまで到達できない頻度は、気流がエアギャップ中に提供される実施例1及び2に説明する処理の開始と比較して、より高いことが観察された。
実施例3
リヨセルフィラメントを形成するためのドープを作製するために、N−メチル−モルホリン−N−オキシド中に、ASTM D 1795−62で測定して平均重合度約750及びウェヤーハウザー・カンパニー・ダイオネックス糖分析法で測定してヘミセルロース含有量約13%を有するクラフトパルプを溶解させた。ドープ中のセルロース濃度は約12重量%だった。ドープを、オリフィス直径457μmを有する20個のノズルを有するメルトブローダイから、0.625g/穴/分の速度で押出した。オリフィスは長さ/直径比5を有した。ノズルを100〜130℃の範囲にわたる温度に維持した。ドープを、水スプレーを用いて凝固させる前に、長さ12.7cmのエアギャップ中に押出した。90℃を超える温度及び20psiの圧力の空気をヘッドに供給した。エアキャップ(図3のチャンバ342)中の空気圧力は約0.4psiであり、速度約18SCFMで流れた。これは、空気スロットへの出口での気流速度約175m/秒を提供した。
【0047】
エアギャップの下流で、形成されたフィラメントを、表面速度約900m/分で稼働するワインダによって巻取った。水を使用して、形成されたフィラメントからセルロースを沈殿させた。水を、ワインダより前でフィラメントの上に噴霧して施用した。
【0048】
集めたフィラメント(MBA−20)を洗浄し、乾燥し、次に上記の実施例1に説明した試験を受けさせて次のものを評価した:繊度、乾燥靱性、乾燥伸び、湿潤靱性、湿潤伸び、引掛け強さ、及びフィブリル化特性。以下の値が観察された:
繊度(dtex):1.12
乾燥靱性(cN/tex):42.10
湿潤靱性(cN/tex):28.10
乾燥伸び(%):10.60
湿潤伸び(%):13.10
引掛け強さ(cN/tex):16.40
フィブリル化指数:2.00
平均直径(μm):9.40
直径のばらつき(CV%):21.00
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従ってリヨセルフィラメントを形成する好適な実施例の工程のブロック図である。
【図2】 本発明に従ってフィラメントを形成するための方法を実行する装置の1実施例を示す。
【図3】 図2のメルトブロー装置に関して有用な押出ヘッドの断面図である。
【図4】 本発明の1実施例に従って実行される方法によって形成されたリヨセルフィラメントの、実施例1に説明するフィブリル化試験を受けた後の1000倍の走査型電子顕微鏡写真である。
【図5】 市販のテンセル(登録商標)リヨセル繊維の、図4のフィラメントと同じフィブリル化試験を受けた後の1000倍の走査型電子顕微鏡写真である。
【図6】 実施例1のMBAフィラメントの平均繊維直径及び平均ばらつき係数のグラフ図である。
Claims (11)
- セルロースからドープを形成することと;
前記ドープを、複数のオリフィスを通して、流動するガス流中に押出すことと;
前記流動するガス流を用いてフィラメントを延伸して、実質的に連続的な伸長フィラメントを形成することと;
前記フィラメントの長さに平行な方向に、前記フィラメントに、前記ガス流または重力以外のものによって供給される外力を加えることと;
前記フィラメントを再生することと;
を含む、リヨセル繊維を形成するための方法。 - 前記ガス流は、前記ドープが前記オリフィスを通して押出される方向に実質的に平行に流れる、請求項1に記載の方法。
- 前記外力は機械的装置によって提供される、請求項1に記載の方法。
- 前記機械的装置はテークアップローラーである、請求項3に記載の方法。
- 前記テークアップローラーは、前記フィラメントが前記ガス流によって運ばれる速度を超える表面速度で稼働する、請求項4に記載の方法。
- 前記機械的装置は有孔ベルトである、請求項3に記載の方法。
- 前記有孔ベルトは、前記フィラメントが前記ガス流によって運ばれる速度を超える表面速度で稼働する、請求項3に記載の方法。
- 前記流動するガス流を用いて前記フィラメントを延伸する工程は、前記フィラメントの直径を減少させる、請求項1に記載の方法。
- 外力を加える工程は、前記フィラメントの直径を減少させる、請求項1に記載の方法。
- 前記表面速度が200〜1000メートル/分の範囲にわたる、請求項5に記載の方法。
- 前記表面速度が200〜1000メートル/分の範囲にわたる、請求項7に記載の方法。
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